◆ 2000年3月下旬 ◆

3/21〜31
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3/31(金)……ブルースかい?

 あー、昨日の日記、なんか金曜日になってたわ。まあエイプリルフールとかそんな感じで許していただきたい。

 今月から始めたOHP月極アンケート。3月分「単行本化してほしい未収録漫画」 は、途中ログ破損とかあったものの、おおむね盛況のうちに終了。総投票数796、名前の挙がった作品数348(ログ破損分除く)は1回めとしては上々の結果といえるのではなかろうか。掲示板は「敷居が高い」といわれがちなんだけど、アンケート形式だと書きやすいためか掲示板で名前を見かけない人がいっぱい出てきてくれたし、そのまま掲示板に書き込んでくれる方もちらほらいて、自分としてはけっこう楽しかった。投票してくださった方々、どうもありがとうございます。
 投票のほうは、終始リードを守り切った西川魯介「屈折リーベ」がそのまま1位でゴールイン。このアンケートをやってみて改めて痛感したのが「雑誌掲載作品でも単行本にならない傑作は山ほどある」ってこと。もちろん単行本メインという読み方も一つの道だけど、雑誌を読んでいなかったら今回挙がったような作品の大半は読み逃すことになるわけで、それを考えるとゾッとする。
 まあそんなわけで、現在は4月のテーマ「復刻希望の絶版本」の投票が始まっているので、またぜひぜひご投票ください。3月はテーマがテーマだけに、雑誌を読んでない人は投票しにくかったわけで、意に反して敷居は高かったかもしれない。その分、単行本派の人は今月のほうでご活躍いただけると幸い。

 それから4月の購入予定はこんな感じ。漫画購入スケジュールのほうを見てもらうもよし。

タイトル作者出版社
5ナイトギャラリー1 桜色の肖像天竺浪人コアマガジン
5同じ月を見ている(7)(完)土田世紀小学館
5海猿(5)佐藤秀峰小学館
5アルコールラムプの銀河鉄道(下)しろみかずひさ三和出版
6OURS2001少年画報社
6フローズン(4)山崎さやか講談社
6ドラゴンヘッド(10)望月峯太郎講談社
10夢のQ−SAKU改訂版丸尾末広青林堂
10CUTE TAIL Perrot(1)鴨沢祐仁青林堂
10秘めごと−ロマンスII−田中ユタカ雄出版
10ロリータ番長RXG.B.小野寺雄出版
12白い少年(1)かいともあき双葉社
14黒日夢天竺浪人三和出版
15MANGA EROTICS(5)太田出版
COMIC CUE(8)イースト・プレス
星の島のるるちゃん(1〜2)ふくやまけいこ大都社
17コミックメガストア榊原薫奈緒子などコアマガジン
17わかな先生に気をつけろ!吉良広義エンジェル出版
18かってに改蔵(7)久米田康治小学館
18からくりサーカス(12)藤田和日郎小学館
19イエスタディをうたって(2)冬目景集英社
19警視総監アサミ(1)近藤雅之/有賀照人集英社
19ピエタI・II榛野なな恵集英社
19くしゃみ3回(3)吉田まゆみ集英社
20福神町綺譚(2)藤原カムイ集英社
20ミルクコミックさくら(10)アンソロジー松文館
21バガボンド(6)画:井上雄彦+作:吉川英治講談社
21鉄腕ガール(1)高橋ツトム講談社
21無限の住人(10)沙村広明講談社
21犬神(9)外薗昌也講談社
22軍鶏(7)作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫双葉社
22おさなづま(3)作:森高夕次+画:あきやまひでき双葉社
24別冊ヤングマガジン講談社
26フラミンゴ漫画大賞作品集(4)アンソロジー三和出版
26月下の棋士(28)能條純一小学館
26海鶴(1)森秀樹小学館
28いちごが好きでもあかならとまれ。雁須磨子ソニー・マガジンズ
28マウス(1)作:あかほりさとる+画:板場広志白泉社
セックス2000玉置勉強一水社
夢の温度南Q太祥伝社
アックス(14)青林工藝社
恋の門(1)羽生生純エンターブレイン
1ページでわかるゲーム業界羽生生純エンターブレイン

【雑誌】ヤングジャンプ 4/13 No.18 集英社 B5中
 月イチシリーズの作:相田公平+画:佐藤公文「アンファン・テリブル」が今回はなかなか良かった。人間の心理に関する、命がけのテストの実験台にさせられた4人の男女学生。ルールを限定されたうえでの心のあやの描写がなかなかうまくできている。結末もなかなかヒネリが利いている。作画がしっかりしているのも好感が持てる。山口譲司「BOiNG」。おお、さらにまた新たなるおばかさんなボインイベントが。うーん、痛快。

【単行本】「アーケードゲーマーふぶき」 吉崎観音 アスペクト A5変形
 いやー、面白い。パックマン・パンティがパンチラにより露出すると、ゲームパワーがその身に宿り、ゲームの達人に変身する女の子が主人公。健康的で、ちょっとHでばっちりキュートな女の子。馬鹿馬鹿しい設定でにぎやかにドタバタと進む物語。子供のころアーケードゲームに燃えて育ってきた人間たちの魂をちくちくと刺激するギミックもナイスだし、ラストに至ってはアレまで出てきて、端から端までとても楽しい。いい仕事してます。それにしてもけっこうなおパンティで。

【単行本】「龍」24巻 村上もとか 小学館 B6
 記憶をなくしたまま上海の裏社会でのしあがっていく龍。そして同じ街にいて、ニアミスしつつも出会うことのできない龍の妻・てい。日本と大陸を股にかけ、激動の時代を舞台に物語は進む。堂々とした話運びで大河漫画というにふさわしい。もう24巻か、とは思うが、ここまでやったらもうあとは心行くまで急がず描ききっていただきたい作品。

【単行本】「軍鶏」6巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社 B6
 菅原直人戦を実現するため、リョウは肉体をいじめ、改造する。鍛錬の中で研ぎ澄まされていくリョウの姿には、ヒヤリとするような鋭さ、抜き身のナイフのような美しさがある。そして前哨戦としてムエタイ選手との対決もあり、読んでてググッと力が入る。4月にも7巻が出る予定だそうで、ますますヒートアップする「軍鶏」である。

【単行本】「青空」5巻 原秀則 小学館 B6
 八方ふさがり状態で始まった野球部も、だんだんと軌道に乗ってきて、主人公・天野光一の右腕も冴えに冴える。きっちりドラマを作ってまとめてくる腕は職人芸。まあ高校1年生に150km/hの球を投げさせるというのは、ちとやりすぎのようにも思うが。

【単行本】「π」 RaTe 海王社 A5
 う、新刊かと思ったら1994年に司書房から出た「Any Question?」の復刻だった。というわけで絵もわりと古め。現在はこのころよりもだいぶ肉付きが良く、線が滑らかになっている。最近のRaTeは、精液ジャンキー系の女の子の話を中心にノッている感じで好きだ。この単行本のころはまだずいぶん初々しい。お話的には、数学の天才少女で飛び級して大学教授をやっている女の子の話。「数学とSEXしか知らない」とのたまう彼女は、毎日バシバシSEXしつつピューリッツァ賞を狙ったりしてるわけだ。このころはまだ絵は今ほど達者ではないものの、まとめて読むとけっこうイケる。ドタバタと楽しいし、それなりにHだし。お話はこの本の段階ではまだ途中。この続きもそのうち復刻されるそそうだ。

【同人誌】「ZOOM-BONDAGE?」 <MILK TANK> しろみかずひさ
【同人誌】「精液便所。」 <MILK TANK> しろみかずひさ
【同人誌】「FLOWER。」 <MILK TANK> しろみかずひさ
 現在はエンジェル倶楽部等で活躍中の、しろみかずひさの同人誌3冊。
 まず「FLOWER。」はフラミンゴに掲載された「球魂栽培。」の第1話を同人誌にしたもの。今をトキめく役者が、屋台のおでん屋で出会った男に、自分の妹の麻理果を差し出し彼女の相手をさせようとする……というところまで。フラミンゴでの連載は途中で中断してしまったが、改めて読んでもそれがとても惜しく思えるクオリティ。ただ、1話分ということもあってページ数はそんなに多くない。この続きのお話も含めて、まとまったボリュームで読みたいところ。「精液便所。」は雌奴隷の麻理果とそのご主人様の、愛と調教の物語。この作品において、しろみかずひさはそれまで大嫌いだったというスクリーントーンを多用している。そのため、しろみかずひさの作画の特徴ともいえる白黒のコントラストは利いているものの、それまでとは若干趣が異なる作画になっている。「ZOOM-BONDAGE?」は、イラスト+短編1本の本で、これは1996年発行といくぶん古めで、現在の絵とは少々雰囲気は異なる。
 しろみかずひさの作品は、エキセントリックな調教シーンをハイテンションで描いているけれども、その底に、求めてやまないでもたやすく壊れてしまうステキなものへの希求が強く感じられる。それは泣きたくなるほどに切実で、絵柄そのままにエッジがビシッと立っており、触れると傷がつきそうに鋭利だ。作画にしろ物語にしろ、細部まで神経が張り巡らされていて、作者の強いこだわりが感じられる。一本筋が通っていてすごくカッコイイ。あと同人誌だと、しろみかずひさの妄執とインテリジェンスを感じさせる、まとまった文量の独白テキストが読めるのも興味深い。
 4月5日には待望の単行本、「アルコールラムプの銀河鉄道(下)」(三和出版)が発売される。今から楽しみでならない。


3/30(木)……たっきゅーの

 プレステ用の野球ゲーム「ワールドスタジアム4」を買ったのだが、時間が足りなくてまだやってない。マニュアルをパラパラ見たんだけど、なんかけっこう操作がめんどっちいかも。L/Rボタンでパワースイングとミートスイングを切り替えるとか、ハーフスイングの操作があるとか、バントボタンが独立してるのとか。そんなのいらねえんだけどなあ。操作は初代ファミスタのままで、データだけ最新って奴があったらいいのに。
 それはそうと、最近のゲームのコントローラって、ボタン多すぎに思える。ボタンなんて、A、B、START、SELECTで十分。せいぜいL/Rくらいまで。PC用のゲームパッドで、USB接続でボタンは2個程度で、プレステコントローラみたいなグリップ状になってない奴(初代ファミコンとかスーファミみたいな変哲のない形状の奴)があったら欲しいんだけど、最近そういうシンプルなのって案外売ってないんだな、これが。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/13 No.19 秋田書店 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」では、現実より一足お先にプロ野球開幕。ダイエーの開幕投手は、実際は西村の予定らしいけれども。ここらへんがリアルタイムな漫画のつらいとこですな。作:山本弘+画:寺嶋としお「直撃! 地球大異変超真相」前編。昨年の夏にノストラダムスものでやったのと同じシリーズ。

【雑誌】モーニング 4/13 No.18 講談社 B5中
 幸村誠「プラネテス」が久々登場。今号で第3話、次号で第4話と2週連続掲載。生活する場としての宇宙を、緻密な描き込みとセンスオブワンダーあふれる物語で描き出すこのシリーズ。今回の2週連続分でだいぶページ数もいったはずなので、そろそろ単行本化の目もあるかな。今回は、煙草を吸えないことにイライラした宇宙塵回収船のねーちゃんが巻き起こす、ヒヤヒヤもののアクションをストレートに描写。前2回よりはだいぶ気楽な雰囲気。よくできているが、インパクトという面では前2回のほうが優る。とはいえ、仮に4話分で単行本にするなら、こういう気楽な話を1本差し挟んでおくとけっこういいアクセントになりそう。ちょうど起承転結の「転」だ。
 秋月りす「OL進化論」が連載500回記念ということで巻頭カラー。といってもとくにすごく変わるわけでなく、いつもながらに安定感のあるほのぼの感を演出。弘兼憲史「部長島耕作」。あらまあなんと。世の中ってのはうまくできてるもんですなあ。高橋ツトム「鉄腕ガール」。毎度似たようなことをいうようだが、ヒロインたちがキリリとかっちょよい。達者である。山下和美「天才柳沢教授の生活」。今回は教授が自転車を研究。仮説を立て、自ら実践。自転車に乗るというただそれだけの、とくに珍しくもない日常の出来事なのに、それをこんだけ気持ち良く描写できてしまうというのはやっぱりスゴイ。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回も痛快。脂っこいキャラ、珍妙な方向に怒濤的迫力で突き進んでいく物語。剛腕であり、かつ変則派。いちいち濃厚なキャラクター、突飛で奇怪な行動。ビーッグ!!

【雑誌】ヤングサンデー 4/13 No.18 小学館 B5中
 岩田やすてる「球魂」。巨乳と卓球の取り合わせがナイス。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」では、モンちゃんが笑いながら虐殺中。理不尽に、かつ平等に与えられる死の積み重なり。そこで生産される死は、一つ一つは木の葉のように軽く、全体は圧倒的な量からくる強烈な存在感がある。描写の胴体の部分はドカンとぶっとく、先端はギラリと鋭い。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中
 抜山蓋世がアワーズ初登場。零式とかで描いているときは「拔山蓋世」という表記だったはず。今回の作品「ONE MORE RED NIGHTMARE」。とある少年が、陸上の大会への出場を断念するというところから物語は始まる。彼はそのころ、鎌を持った死神のようなものに追われる夢を毎日のように見ていた。そんな彼の相談に乗ったマネージャーらしき眼鏡っ娘。二人が一緒に歩いているとき、現実のものとなった死神が彼らの前に表れ、二人は夢と同じようにそれに追い回されることに……といった感じのお話。ホラー風味のお話は抜山蓋世の白黒のコントラストがくっきりした絵にマッチしている。とはいえ、基本的にはわりとポジティブで読後感は爽やか。全体としては断片的なイメージを昇華しきらぬまま漫画にしたという感じなので、もう少し練ってほしかったところ。こいずみまり「ジンクホワイト」は抑えめなトーンで着々とお話が進んでて今後の展開も楽しみ。佐野タカシ「うさぎちゃんでCue!!」。昨年の狂ったようなハイテンションぶりから見ると、最近の佐野タカシは少しトーンダウンしているような感じがする。まああんなにビンビンいわした状態をずーっと続けるのも酷な話なので、ときどきは充電するのもよろしいかと。
 次号では美夜川はじめの新連載がスタート。ますますエロ方面出身率が高まってまいりましたな。


3/29(水)……私塾鮫

 オツアンのログが一部破損。どうも〆切前で投票が相次いだとか、ログがデカくなりすぎてたとかいろいろあったのだと思われます。3月10日午前1時〜11日0時あたりのログが破損したみたいです。内容がヤバいからしばたが削除したってわけではありませんので……。もし「自分の投票が消えてる〜」という方がいらっしゃいましたら、すみませんがもう一度ご投票いただけますと幸いです(残り期間は少ないですが)。投票が消えてしまった方々には、深くお詫びしたいと思います。
 それにしてもあと少しで投票期間も終了だったので、もうちょっとだけもってくれれば乗り切れたんだけど。残念。いや、それよりももっとこまめにログのバックアップとっときゃよかったんだよなあ。くっそー。

 ようやくいつも使っているCD-R焼きソフト、ビー・エイチ・エー「B's Recorder GOLD」のWindows 2000用パッチがダウンロードできるようになったので、これを機に会社お仕事マシンをWindows 2000に入れ替え。多少問題はあるもののおおむね順調。

 神保町へゴー。というかウェントー。ガボッとブックスをバイ。というかボート。
 そんなわけでごぼりと購入入れてきた。このほかにも、通販でゴットな同人誌や、ホットミルク6月号ジャンキーズレビュー用単行本とかがドカドカ届いていて、なんか宿題がいっぱい。以下、本日購入未読物件。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中
【単行本】「アーケードゲーマーふぶき」 吉崎観音 アスペクト A5変形
【単行本】「龍」24巻 村上もとか 小学館 B6
【単行本】「軍鶏」6巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 小学館 B6
【単行本】「奈緒子」25巻 作:坂田信弘+画:中原裕 小学館 B6
【単行本】「青空」5巻 原秀則 小学館 B6
【単行本】「π」 RaTe 海王社 A5
【書籍】「桜玉吉のかたち」 コミックビーム編集部編 アスペクト A5

【雑誌】GOTTA 5月号 小学館 B5平
 松本零士「新宇宙戦艦ヤマト」。前回の第1話めは、大風呂敷的な展開とSFマインドにビリビリしびれたが、今回はちと大人しめ。宇宙に出てない回なのでまあ仕方ないところ。早いとこヤマトが復活してほしいもの。橋口たかし「シザーズ」。作画が達者だし、しっかり美容師を目指す少年の成長物語を構築している。女の子もかわいいしねえ。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/12 No.18 小学館 B5平
 今号は作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!」が非常に飛ばしていた。強風の中、真剣勝負が繰り広げられている脇で、折に触れてパンチラ。緊張感を一気に吹っ飛ばすゴッドウィンド的演出がステキだ! なんてイタズラな風さん!!

【雑誌】週刊少年マガジン 4/12 No.18 講談社 B5平
 赤松健「ラブひな」。ちくびなしサービスカットは健在。藤沢とおる「GTO」。学園は一気に不穏な空気に。煮詰まった展開。見せ方が大胆でかつ巧み。よくできている。スキー漫画、作:有森丈時+画:大石知哉「スノードルフィン」。シーズンが去るとともに最終回……とか思ってたら、第一部完らしい。もしかして来年またやるとか?

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中
 SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。今回はいつもよりさらにブルマー度アップアップ。割り切りっぷりがたいへんステキ。陽気婢「本音と嘘の記憶」。彼女にずっとほったらかしにされていたにーちゃんの元に転がり込んできた、家出少女とおぼしき娘。彼は最初はちょっとだけのつもりだったが、しだいにこの娘にハマっていってしまう。甘くてちょっとミステリアスな味付けもされた一品。先月号の作品もそうだが、だいぶ陽気婢好調時のボーイミーツガールな甘酸っぱい雰囲気が復活中。今回もなかなかよかった。快楽天初登場、TAGRO「シ塾キョウ師」。自宅で少人数制の私塾を営む女性のある一風景。とくに目的がなさそうに淡々と物語が進んでいく雰囲気、それからスッキリとした絵柄は気持ちいいが、総合的にはいまいちもの足りない。物語が一点から拡散していきもせず、一点に凝縮していきもせず、中途半端に感じられた。何も起こらないなら起こらないなりに、もっとずるずると怠惰であってもいいし。
 松本耳子「ラブちか」。移り気な女の子の移り気な日常。ポップで適度に力が抜けている。キャラクターの顔つきが平ぺったい絵柄はわりと好み。朔ユキ蔵「俺は逃げる」。今回は巻中カラー。無表情な少年と、彼を誘惑する少女。すごいお話であるわけではない。でも読ます。たぶんこれを安っぽい絵柄、演出でやったらまったく見るべきところがないのだろうけど、朔ユキ蔵の絵、演出、構成といった総合力はそれを「何かありそう」に見せるだけの力を持っている。どんどんパワーアップしているし、洗練されてきている。大したものです。えのあきら「電気羊はアンドロイドの夢など見ない」。他人の女が脇キャラにヤラれるって話は燃えますな。ここまで何話かかけてしっかりキャラを作っていたこともあり。神宮千寿「くものいと」。ロリ系の絵柄で、ときおりハッと目を引く構図あり。町野変丸「ねむり姫◎」(◎はハートマークの代用)は、変丸パターをまた自分でいじっている。いつも同じようでありながら、少しずつ変化をつけて意表をついてくる。自家薬篭中のものがある人はやはり強い。

【雑誌】コミックラッツ 5月号 司書房 B5中
 祭丘ヒデユキがすごくいい。今回のタイトルは「クルッパー司」。ヒロインは1ページめから「この世界はエロマンガで!!」「あたし達はその登場人物なの!!!」と力説。でもそれをはぐらかし続けるカウンセラー。エロ漫画のお約束を逆手にとり、遊び倒すお話はかなり笑える。「題字 そのへんのガキ」というセンスもナイス。一見よくあるようなエロ漫画絵であるのに、作風はかなりひねくれている。最近注目中。草津てるにょ「夢幻画境」。今回も人妻がずっぽりでエロエロ。太い眉毛と広いおでこがソソる。

【単行本】「ハネムーンサラダ」1巻 二宮ひかる 白泉社 B6
 駅の階段で上から落ちてきて激突した女性、それからいきなり転がり込んできた初恋のひと、二人の女に振り回されるにーちゃん。深くくっついたり、つかず離れずであったり。ときにはとろけるように甘くありながらそのなかに酸味もしっかり落としておき、またときにはスパッと突き放す。微妙な距離感を常に保ちつつお話を進めていく呼吸が実にうまい。一見そっけないようでありながら、でもしっとりとして絹のような肌触りでもあり。イヤミにならず、でもスタイリッシュに恋愛模様を描く腕前はさすが。なんか、恋愛ゴコロ的に急所を衝かれるような感じ。見事にメロメロにしてくれるではありませぬか。きゅー。

【単行本】「御破算で願いましては」 雁須磨子 ソニー・マガジンズ A5
 表題作+短編2本を収録。表題作は、そろばん塾のおねーちゃんに惚れてる元イジメられっ子な看守のにーちゃんの物語。大きな物語があるわけではないのだが、しまりのゆるい作風がのほほんとして気持ちよい。少しだらしなめな色気のある女性キャラも魅力的。ドラスティックな展開はないんだけど、「あららら」という感じでいつのまにやらお話が転げていて、気づいてみると思いもよらないところに来ていた……といった感じのする作風。止まらぬ何気ないボケの連続が快感なのであります。


3/28(火)……スクリプトン星人

 今日は帰りの電車の中で漫画を読めなかったので時間的に苦しかったのだが、なんか思い付いたらいてもたってもいられなくなり、アンケート用CGIスクリプトの改造を始めたりしてしまう。Perlの知識なんか全然なく、プログラムリストを見て適当に当たりをつけて試行錯誤してみてるんだけど、うまいこと行ってくれたりするとけっこう楽しい。そのうちPerlもちゃんと勉強したいけど、問題は相変わらず時間でさあね。

【雑誌】漫画アクション 4/11 No.15 双葉社 B5中
 作:中島らも+構成:森高夕次+画:阿萬和俊「ガダラの豚」スタート。アフリカにほんのごく一部存在する本物の呪術使いを研究する大学教授。その研究を兼ねた家族旅行の途中、気球事故で娘が遭難。彼女を巡り、呪術使いを相手とした長い闘いがスタートする……とかいう感じの出だし。アフリカの、猥雑で混沌とした神秘と闇を垣間見る感じで、なかなか思わせぶりに物語が始まった。このままテンションを高めていけばかなり面白い作品になりそうな気配。土田世紀「俺のマイボール」。今回はほうり出すような雰囲気のラストページが痛快。スコーンと気持ちが良い。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/11 No.8 秋田書店 B5中
 岩明均の新連載がスタート。タイトルは「剣の舞」。親兄妹を侍に斬殺され、しかも自分は凌辱された少女が、復讐を目指して上泉伊勢守の弟子の疋田文五郎に、さらに弟子入りしようとする……というところから物語はスタート。始まったばかりで今後どう展開するかはまだ分からないが、ハズしのない人なので安心でありましょう。近藤佳文「鉄筋安坊」。のんびりとして垢抜けない、でも爽やかな絵柄でわりといい肌触りである。まだ物語は大きく動いてないけれども、けっこう読める。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平
 今号は小沢真理の60P読切「ニコニコ日記」が面白かった。一人暮らしの女性・ケイの元にある日突然やってきた小学生の女の子。彼女は、ケイが昔芸能人のマネージャーをやっていたころついていた女優がこっそり産んだ娘だった。海外に行ってしまうというその女優に娘を押しつけられたケイは最初戸惑うが、一緒に暮らすうちにしだいに二人は打ちとけていき、交換日記などを通じて実際の親娘以上に仲良しになっていく。娘さんがコロコロとしてかわいらしく、この子に夢中になっていくケイの姿も微笑ましい。シンプルだけど鋭く、そして淡さもある線、それから優しい物語がとても気持ちいい。それから今号は、よしまさこ「うてなの結婚」「1丁目の楽園」が再開。サッパリとして柔らかい。軽やかで楽しい。くらもちふさこ「天然コケッコー」。今回はムサい男、シゲちゃんの見合いのお話。見合いの模様を、そよと女の子二人&浩太朗が同時進行で実況中継するという変わった構成。お見合い風景は淡々と冷えきっていて、実況席はガチャガチャとやかましく。そのコントラストが楽しい。実況席側の絵柄がいつになくコミカルなのもええですな。最近、あまりカタルシスのない展開が続いていて油断していたが、そんなときに限ってこういう肩透かしをやってくるところがニクイ。

【雑誌】別冊ヤングジャンプ 5/5 集英社 B5平
 ヤンジャン本誌の連載だった奥浩哉「ZERO ONE」が、別冊で第一部完。仲間が揃ってさあ始めようといったところでおしまい。うーん中途半端。続きがあるかは微妙な感じ。熊谷カズヒロ「サムライガン」は、女性キャラに瑞々しい色気があってよろしげ。前回の漫革で、愛と熱血のピアニスト&バイオリニスト漫画「エルフェンリート」(感想は1/13の日記にあり)が掲載された岡本倫がこちらで登場。タイトルは「デジトポリス」。爆発物処理のスペシャリストである女の子のお話。親を爆弾により亡くして自暴自棄気味な彼女は、より危険な道へと突き進んでいく。「エルフェンリート」もそうだったが、この人は荒削りだけどダイナミックな展開が魅力。今回のは悲壮感と迫力があって、有無をいわさず読ます。でもヒロインの行動はかなりムチャ。痛々しくもあり。これだけの行動をさせるのだから、もう少し必然性、説得力が欲しかった。作:木村元彦+画:守屋なおき「悪者見参」。サッカー、名古屋グランパスに所属するユーゴスラビア代表、ドラガン・ストイコビッチの物語。ユーゴ、そしてサッカーの代表たちが歩んだ苦しくてドラマティックな道程を描く。できればもっとサッカーのプレイシーンが多いとうれしかったが、作画はなかなかしっかりとしているしきちんと読める。それからこの号で一番面白かったのが、岡野恵「KING of the ROAD」。街をバカッ速なスピードで駆け抜ける「さすけのゆーれー」を追いかけて、ど根性スケボー野郎・ケンジが行く。テクニックなんかなく、しょっちゅうコケたりもしているけれども、一心不乱に走るその姿は見ていて気持ちいい。力強くて青臭くて、そして後味爽やか。よくできた作品だと思う。


3/27(月)……オトボケノドボトケ

 そろそろ「ポポロクロイス物語II」を始めようかと思ってプレイ開始。王様に会って町に出たところでめんどくさくなって電源オフ。この間、プレイ時間10分未満。別にやりたくないわけじゃないんだが、やっぱりやるならまとまった時間を使って夢中になってやりたい。途中でプレイを中断して、どこまで進んだか忘れちゃうみたいなことになるとイヤだし。きちんと身を入れてプレイするの時間を、毎日コンスタントに割けるかというと、現状ではどうも難しそうな気がする。これ以上睡眠時間を削るのはさすがにツライ。ゲーマーとしてはつくづくダメになってしまったなあと痛感。1プレイが短時間で終わる、スポーツ系くらいがせいぜいといった感じか。こんな俺とてPC-88/98時代はかなりのハードゲーマーだったんだけどねー。ああ、そういえばドラクエモンスターズも、まだ全部クリアしてないや。プレイ時間はむちゃくちゃ長かったのだが、クリアしないではいごうとレベル上げだけやっていたのだ。クリアだけなら今すぐでもできるとは思うけど。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/10 No.17 集英社 B5平
 作:真倉翔+画:岡野剛「ツリッキーズ ピン太郎」。なんか割り切ってガキっぽく馬鹿馬鹿しい路線をやっているのが楽しい。なにげにお色気をやるあたりも。それにしても女の子の名前で「音母家 伽羅(おとぼけ きゃら)」というのはすごいぜ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/10 No.17 講談社 B5中
 安野モヨコ「花とみつばち」。地味っぽいけど、実はしたたかな女の子、長沢チャンのキャラが加速度的に立ってきている。これはメロメロになるわなあ。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回はダッチアスカも登場し、非常に暑苦しい最低の展開に。いやー、グチョグチョで愉快愉快。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」だが、漫画の扉の部分には「寝てません……」とありながら、巻末の作者コメントは「最近、電話が鳴っても起きない。」なのがステキ。
 なお、今回は「代紋TAKE2」「甲子園へ行こう!」が休載。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/10 No.17 小学館 B5中
 榎本ナリコ「センチメントの季節 2度めの春の章」。内向的な息子、実直なサラリーマンの父、そして息子の同級生の少女。3人の思惑と性がからまり合う新章開幕……ってな感じ。ここまでのシリーズ同様、絵の完成度が高く、お話もきっちりまとめてきそう。高橋しん「最終兵器彼女」は、これまでの高橋しん作品よりも、さらに女の子描画に力が入っている感じが好もしい。柳沢きみお「SHOP自分」。毎度毎度、チョクやら怪しい大家さんのいかにもな人生論に唖然とする作品だが、なにげない部分もなんだかいいのだ。今回でいえばチョクが「でも、好きだなァ、コタツって。」などと一人で思いながらにこにこメロンパンを食っているあたりとか。全然物語の本筋とは関係ないシーンなのに、ほかのもっと重要そうなシーンとまったく同じウエイトで、とくにそれが後の伏線になるでもなく差し挟まれる。思い付いたことをとにかく描きつけていく的な展開は柳沢先生ならでは。あと今回は、チョクが空に向かって背伸びするシーンが絶妙な呼吸。

【雑誌】エクストラビージャン 4/30 集英社 B5中
 今号はなんといっても須田信太郎「未来の住人」がいい。現在、コミックビームで「やさしい女は何処にいる」を連載中の須田信太郎だが、こちらでもなかなかいいお話を描いている。とくに強くもない学校の野球部のとくにかっこよくもないエース投手な男子が、なんだか気になって仕方ない女の子。彼は彼女をデートに誘うが、彼女はずっとつまらなそうな顔。聞いてみると彼女は、これから起こることが全部予想できてしまうようになってしまい、ずっと退屈しているのだという。そんな彼女に捧げるために、エース男子は次の試合でノーヒットノーランを達成すると約束するが……。青臭く、ガムシャラな若人の熱さが、泥臭い絵柄と相まって、気持ち良く感動できる作品。キャラクターの表情がイキイキしているし、暖かさと切なさの入り混じるラストも良かった。この前のビームのも良かったけど、こちらもナイスな出来ばえ。この調子でガンガンいい作品を描いていってほしい。大蔵敦久「愛の華」。華道漫画である。わりとオーソドックスで描線はしっかりした絵柄なんだけど、どうもバランスが悪い。それがかえって勢いにつながっていて、なんとなく印象に残る作品。
 4月1日発売のビジネスジャンプ本誌では、冬目景「イエスタデイをうたって」と甲斐谷忍「ONE OUTS」が連載再開。

【雑誌】激漫 Vol.25 ワニマガジン B5平
 次号からの独立創刊に備えて意気上がる……かと思いきや。今回はいつになくテンションが低い。最近、快楽天が東京都の指定を食らったりしてワニマガジンのコンビニ売り系雑誌は厳しいと聞いているが、その影響かエロがかなり抑えめ。というかほとんどエロがない作品も見られる。これならばヤングアニマルのほうがエロいくらい。快楽天の場合はもともとライト路線だからいいけど、パワフルさが売りだった激漫の場合、エロという武器が使えなくなるとかなりツライ印象。いっそのこと、激漫は割り切って成年マークをつけちゃうというのも手だと思うが、かといってコンビニ流通というスケールメリットは捨てがたし……。難しい選択だと思う。とりあえず、しばらく波が去るまで耐えて、徐々にエロを復活させていくのが一番かと思うんだけど、雌伏している間に売り時を逃しちゃうってこともあるわけで。
 そんななか、ISUTOSHI「高校星プラウラ」が巻頭カラー。カッチリした絵と、コミカルなお話で見せられる人なので、この窮屈な状況においても持ち味を発揮している。今まで巻頭は天竺浪人のときが多かったが、あちらはエロすぎるためか巻末に。その天竺浪人「BLIND」。50ページと毎度ボリューム満点。ヤリマンで男たちの単調なセックスに飽き飽きしていた女性が、気まぐれもあって醜男と結婚。夫は妻に顔を見られることを嫌がり、彼女に目隠しをしてからでないと性行為に及ばなくなる。そんななか、妻は視覚を遮断され、何をされるのか誰がしているのか分からない、暗中でのセックスに溺れていくという話。申し分ないエロティックさと、物語を運ぶ巧みさ。今回はそれほど入り組んだ話ではないのだけど、しっかり50ページを飽きさせずに読ませる。ただ、今回はいつになく消しが激しい。天竺浪人の描くちんちんはなかなかナイスフォルムで金メダル的であるだけに、その勇姿が拝めないのは残念。
 第6回激漫コミック大賞受賞の麻生我等「禁断の果実」は、なかなかイキの良い作品。絵柄はちとアメコミチックで、十羽織ましゅまろも少し連想。女が高度な文明を築き地上の支配者として君臨している世界。男は狩の対象で、女は男から種を採取し人工授精して繁殖していた。そんな世界で繰り広げられるパワフルなドタバタ&エロスな物語。ちょいとクセのある絵柄だけど、達者な絵柄で、物語を進めるテンポも良い。十羽織ましゅまろ「血みどろっチャオちゃん」は、今回のっけからチャオちゃんがブチキレててパワホー。ノリが良く、展開がダイナミック。でもエロは抑えてありますな。やまのべきった「She says Good Night」は前編が掲載。最愛の妻をなくした男が、妻のデータを元にしたヒューマノイドを創り出す。最初はそれに満足していた彼だったが、結局はプログラムされた行動しかできず、それ以外の行動を取ると機能を停止してしまうヒューマノイドに嫌気が差してきて……というところで以下次号。スッキリした絵柄がけっこう魅力的。MARO「ABILITY」は、巳月竜司の過去編に突入。なんだか巳月竜司の初体験の話もやったりするらしいが。
 次号では舞登志郎と三部敬が登場するのが楽しみ。


3/26(日)……ガーデン引水

 古屋兎丸「Garden」は兄が入手済みなのだけど、この週末は読めなかったので感想は次の週末に。とりあえず確認したところ、「いちばんきれいな水」(Super FEEL Vol.1。感想は1999年4月23日の日記参照)、「サチといった海」(Super FEEL Vol.2。感想は1999年7月23日の日記参照)が収録されていなかったのは残念。とくに「いちばんきれいな水」は収録してほしかったので、オツアンに投票しておいた。さああなたも。もう期間は残り少ないぞう。それにしてもこのアンケート、作品数が多すぎて、今まで出てなかった作品に投票するのはいいけど、2票めで入れるのがとてもやっかいになっちゃってますな。というわけで「Garden」から話を始めて我田引水。おっと、こりゃ面白すぎる。失敬失敬。

【単行本】「蒼天航路」19巻 王欣太 講談社 B6
 赤壁の戦いに向かって一歩一歩物語は進む。この巻では郭嘉と張飛のおとこぶりがかっこよく描けている。途中がある程度緩んでも、物語は要所要所できっちりエッジを立てていけば格好はつく。そしてこの作品は、そのエッジの部分が相当に高い水準で立っている。だから長くなりすぎな感じになっても、飽きないで読める。

【単行本】「BLAME!」4巻 弐瓶勉 講談社 B6
 この作品を見ると、SFはいまだ死なずって感じますな。機械と生物の中間的な存在、無機質な背景のかっこよさ、大仰な展開など、絵柄や道具立てが見事。金属製の壁面を持つ、やたらと大規模な縦孔などなど、今どき珍しいくらいのハードコアぶり。いずれ通しで読んだら相当に気持ちよさそう。

【単行本】「なぁゲームをやろうじゃないか!!」1巻 桜玉吉 講談社 A5
 アフタヌーン掲載。そのときどきのお題のゲーム自体については、ほぼまったくお話しないでタイトルからダジャレをひねり出し、あまつさえそのダジャレにかこつけて取材にまで行ってしまうというムダな凝りようが楽しい作品。最初のほうは、担当編集のキャラを立てようとする作為がちとイキでないように思えたが、回を重ねるごとに好き放題さ加減が増していき面白くなってきている。ぺそみちゃんはもちろんのこと、桜玉吉の描く女の子キャラがかわいいのもいい。編集者のキャラが黙ってても立ちまくっている「幽玄漫玉日記」に比べるとテンションが落ちるのは否めないが、それなりに楽しんで読める。


3/25(土)……おお、エビオやエビオや

 俺マシンのマザーボードを交換。ついでにHDDをフォーマットしてOS再インストール。余計なものがスカッとなくなったクリーンな環境は気持ちがいい。ただ、今まで使っていたへっぽこUSBモデムがきちんと動かなくなったので、PCカードモデムで代用(俺マシンはDataSlim用にISA接続PCカードドライブが装着されているのだ)。新しいマザーはEPoXのEP-BX6 Special Edition。BIOSでFSBクロックを1MHz刻みで66〜200MHzに設定できる、ハイエンドなIntel 440BXマザーだ。この前までやっていた雑誌でマザーをいろいろ紹介したが、そのなかでも取り分け気に入った製品。
 ところでBIOSといえば、2ちゃんねる掲示板の「えっちねた」のところで見たちょっといい話。エビオス(EBIOS)錠を1日30錠、つまり食事ごとに10錠ずつ飲むようにすると、精液の量が増えてドバドバ出るとのこと。部屋にエビオス錠の瓶が置いてある男子は要注意といえそうだ。また、エビオス錠に話を持っていくために、わざとらしくPCのBIOSの話とか始めるような奴は言語道断とさえいえる。

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平
 今号は全般に大人しい。安定どころはまあいつもどおり面白いのだけど、新鮮な、ギョッとさせてくれるものがやはり欲しい。アフタヌーンだからというよりも、これだけ厚いのだからやはり度胆を抜くようなのもイッパツ。
 桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」。途中までどんなタイトルのゲームなんだかまったく分からなかったが、なるほどなるほど。うまいですな。新連載、真鍋昌平「スマグラー」は、何やらワケありなものを運んでいるワケありな運送屋3人組が登場してお話が始まる。一人は無愛想で武骨な眼光鋭い男、一人はオドオドしたにーちゃん、一人は中年のおっさん。ヤクザ、殺し屋らが物語にからみ、骨張った絵柄もあり、ハードなお話となりそう。地味ではあるものの。小路啓之「イハーブの生活」は第2回め。今回はだいぶキャラクターがそれぞれに意志を持って動くようになってきた。さて、これからどう展開するのだろう。植芝理一「ディスコミュニケーション 精霊編」。今回は、やけに女の子の目がキラキラしてますな。だいぶHな方向にきているのもええ感じですな。今回の三島塔子活躍編もだいぶクライマックス。なかなか盛り上がっている。木尾士目「五年生」。巨乳の誘惑。おおきいことはいいことだ。いやもちろん、ちいさいのもそれはそれで。ひぐちアサ「家族のそれから」。母が死に、残された兄妹。そしてその若き義理の父。ほぼ他人、でも家族な3人の姿を暖かく描く。作画面、物語面で、それぞれもう一押しあるとさらに良さそうだが、楽しんで読める作品だった。
 四季賞の選考中間発表。山本昌幸、きづきあきらの名前があるのが気になるところ。きづきあきらはうまい人だし、残ってほしいなあ。あと、神原則夫が今回も。

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平
「サムライガン」の熊谷カズヒロがエースに登場。読切位で「ドカントラベラー」。舞台は昭和が71年まで続いてしまっている別の日本。この日本では、男女交際や暴力を連想させるような表現は厳重に取り締まられている。そんな状況に不満を抱いていた少年が、ある日、目の前の空間からいきなり落ちてきた少女と出会う。この世界では少年と少女が一緒にいるだけで罪とされてしまうのだが……。こういう少年少女系のお話を描かせてもなかなかうまいじゃないですか。「サムライガン」でも女の子の描写は、みずみずしくて、ときにHでいいなあと思っていたけど。キャラクターがしっかりできているし、お話的にはまだ序の口……って感じなのでもう何話か続けちゃってもいいと思う。作:大塚英志+画:田島昭宇「多重人格探偵サイコ」の新章がスタート。つっても、ここまでのお話を読んでないんで知らないけど。まあそのうち読むんではないかと。吉崎観音「ケロロ軍曹」は2話掲載。新キャラ登場でドッキドキといった感じですか。ひな。「1ねん3くみ桃ちゃん先生」も2本立てでちゅ〜。ろりろりの極み。かわええですのう。作:吉本昌弘+画:木崎ひろすけ「A・LI・CE」は、今回24ページも。ここらへんは今までがページ数ちょっとだけだったので、単行本かなんかでまとめて読みたいところ。

【雑誌】プチフラワー 5月号 小学館 B5平
 今号は若干テンション低めかなー。
 萩尾望都「残酷な神が支配する」。ますます煮詰まっていくジェルミとイアン。彼らに慰安が訪れるときがはくるのか……などという下らないギャグを差し挟む余地などないほどにテンションが高い。イアンがどんどんグレッグと同一化していく様子は鬼気迫っていて、手に汗握る。吉野朔実の読切「グールドを聴きながら」は、美人で才能にあふれて大人っぽい立花(りっか)と、その親友となった真央子、二人の物語。真央子の立花に対する憧れは、恋、そして嫉妬にも近い。端整な絵柄で美しく物語をまとめている。

【雑誌】ピンキィ 5月号 オークラ出版 B5中
 ひさしぶりに百済内創が登場。タイトルは「思い出は美しすぎて」。4ページのみでちょっとだけHという感じ。舞登志郎「メジャーデビューへの道」。今回は舞登志郎 vs.(メジャーデビューを果たした)もりしげ。パワフルかつバカバカしい、痛快な漫画に賭ける青春物語。泥臭くって楽しいぜ。

【単行本】「ニューはまり道」 吉田戦車 アスペクト B6
 例のすっとぼけたゲーム漫画、というかゲームに関して吉田戦車が思ったあれこれについての漫画が完結。相変わらずの飄々とすっとぼけた視点、ゲームとなんだかイヤなものどもを絶妙にドッキングさせるセンスが素晴らしい。詳しくは吉田ページのほうで書くさ。明日にでも。

【単行本】「心機一転土工!」 根本敬 青林工藝舎 A5
 漫画家生活(数えで)20年を記念するような一冊。いかにも根本敬らしい因果者追求の作品やストレートに下品で熱くたぎる作品だけでなく、ほのぼの系やらかなり初期の作品も収録するなど、バラエティに富んでいる。もちろん基本的な根っこは一緒でそこからのバリエーションなわけだが、素材が同じでも料理法が違えば味は違うように、根本敬をいろんな角度から楽しめて充実度はとても高い。あれも根本敬、これも根本敬。情念の高まりをダイレクトに画面にぶつける作品の数々は、なんとも痛快で気持ち良いですなあ。

【単行本】「ゴーダ哲学堂 空気人形」 業田良家 小学館 A5
 苦しんだり、笑ったり、泣いたり、怒ったりして生きていく、おおむね平凡な人たちなどの心のかたちを描く作品を収録した短編集。人間を愛してしまったフーセン式のダッチワイフ、あらゆる局面において損か得かを計算してユーザーにアドバイスするロボット、子熊のかぶりものを装着することによって他人の関心を惹き業績を挙げる営業マンなどなどが織り成す、ほの悲しかったり、希望に満ちていたりする物語が描かれる。グッとするいいお話が多い。しんみりと感動できるものや、ポジティブな気持ちになれるものなどなど。お涙頂戴的なあざとさは確かにある。ときには説教くさく感じられるかもしれない。でもやはり、一つ一つの情景を馴染みやすい絵柄と強い言葉で語る業田良家の作風は説得力を持っている。クサいかもしれないけれども、「クサい」といって一蹴するよりも、ここはやはり素直に面白がる道を俺は選ぶ。


3/24(金)……17の文鎮

 コミック・ファン08号(雑草社)の見本誌到着。今回は、特集「インターネットで変わるまんが生活」のアンケートに協力したり、エロ漫画系の連載コラムを書かせていただいたりしてます。買いたい人はぜひ買おう。
 インターネットでまんが生活が変わったかどうかはよく分からないけど、とりあえず生活は変わったような気がする。大っぴらに明かす日記を毎日つけるようになったとか、知り合いが増えたとか、睡眠時間が減ったとか。

【雑誌】ヤングアニマル 4/14 No.7 白泉社 B5中
 作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回も、おなじみ魂腐れたシーンがご立派。珍味。作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」もこれまた。エロシーンを多くするために、わざわざ寄り道しているかのごとき展開。やりすぎ感がうれしい作品。三浦建太郎「ベルセルク」。おお、なんだかものすごく大きな展開が待っていそうだ。次が読みたいぞう。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。女二人に男一人。それぞれ女は魅力的。というわけで男は振りまわされっぱなしだ。さりげない動作に色っぽさがあってええ雰囲気ですな。
 たぐまる圭「十七歳」。読切。チンピラ男と痴話げんか中のねーちゃんを助けようとして、逆にボコボコにされた十七歳男子。これが縁で、彼はそのねーちゃん(実は風俗嬢)に惹かれていき、彼女の部屋に入り浸るようになる。まだ大人になれないお年ごろの、甘くてほろ苦い恋の物語。シャープな描線を駆使した、しっかりした作画力など実力はけっこうなもの。絵柄のタイプ的には高橋ツトムか沙村広明か……ってところ。構図の取り方など演出もうまい。もっとガシガシ作品を描いて活躍してほしい感じの人である。作:中村ジン+画:笠原倫「復活」後編。大阪近鉄バファローズの投手、盛田幸妃の脳腫瘍からの復活物語。描写の過剰さが、物語をドラマチックに盛り上げている。単なる美談に終わらさず、アウトロー的雰囲気を漂わせていて面白く読めた。盛田のキャラクター自体がいいこともあるけれども、笠原倫を登用したのが作品としての成功を読んだ。「〜物語」系のスポーツ人間物語は多いけれど、そのほとんどは作画も原作もおざなり(に感じられてしまう)である。しかしこういったジャンルでも、きちんとした作画者をつけ、さらに着眼点が良ければ面白くなり得るものだということがよく分かる。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平
 津田雅美「彼氏彼女の事情」は、今回も真秀さん編。微笑ましい居心地の良い恋愛模様。……というわけでなかなかハードな方面にはもっていきませんな。田中メカ「お迎えです。」。この世に留まってしまった魂を、あの世に送る送迎会社の物語。シンプルでまとまりのいい、でも十分に華のある画風に惹かれるものあり。

【雑誌】CUTiE comic 5月号 宝島社 B5平
 朔田浩美「SWIRLING STARDUSTS」。読者の初体験を漫画化するシリーズの第2弾。主人公の女の子15歳と、予備校で隣の席に座っている、いつも勉強そっちのけで極彩色な星の世界を描いてばかりいる不思議な少年の物語。読者の体験のわりに、何やら絵空事のような美しい恋愛しておるじゃないですか。初体験前まではとくに。後半はちと後味悪めな、センチメンタルなお話になっちゃうので少ししおしおしてしまうが。オーツカヒロキ「愛ラブSHOCK!!」は今回で最終回。乾燥しがちなCUTiE comicの中では貴重な水気の感じられる作品だった。も少し弾けても良さそうな気はするけど、とりあえず元気がよくてよろしい。読切、内田春菊「私の中のその子」は、母であるよりも恋愛者であることを重んずる妊婦の考えることども。もったりとしたけだるげな雰囲気で、ぬるま湯にぷかぷか浮かんでいるような読み心地。かわかみじゅんこ「茶色い髪」。今回も印象は鮮烈だ。キャラクターのまっすぐな意志を感じられる瞳にハッと注意を引きつけられる。「ワレワレハ」の健一にいちゃんと、茶色い髪の不思議な女の子の一幕の物語。ガツーンとくるほどではないが、印象的なシーンも随所に用意されている。海埜ゆうこ「蜜の味」は今回最終回。きれいにエンド。橋本ライカ「LOVE HOUSE」。元気のいいドタバタ系。つづきがあるかもしらんとのこと。

【雑誌】きみとぼく 5月号 ソニー・マガジンズ B5平
 コ・ン・ノ・キ・ター!! というわけで紺野キタの登場である。3月号に掲載された「あかりをください」の続編。血のつながらない義父と、それから妹と一緒に暖かい家庭を作っている女子高生が主人公。彼女は義父に恋しているけれども、幸福な関係を保つためにけしてその想いを口にすることはない。ちょっぴり切ない、暖かで優しい物語。紺野キタの端整で柔らかく、このうえなく上品な絵柄がとても気持ちいい。もっとたくさん、紺野キタ作品を読みたいなあ。ギブミー。藤原薫「おまえが世界をこわしたいなら」。は今回で最終回。……なのだけど、一部ペン入れされていないと思われるページあり。わざとかなともおもったが、それにしてもラフすぎるのでおそらくは時間が足りなかったのであろう。そんなわけで最終回については、単行本が出るまで読むのを待つほうがいいかもしれない(念のため雑誌のほうも保存しておいたほうがいいとは思うが)。

【単行本】「バラ色の明日」6巻 いくえみ綾 集英社 新書判
 ホントーに面白い。今回の巻には3話分しか収録されていないのだけれども、それでも満腹になれる。親の都合で学校を転々としている女の子。彼女が行く先々には常に同じ男の子が。そして彼女は、どの学校へ行っても彼に恋するのだ……ってな感じで始まる第10話、11話のエピソードは、不思議な雰囲気で物語を始め、途中で甘い恋愛模様を描き、実に鮮やかにクルリと翻り、見事にふわりと着地してみせる。不思議ちゃん的少女のトキめく恋愛を描きつつ、けして一筋縄でベタベタなラブラブ物語にしたりせず、かといってギチギチに息苦しくしたりもしない。力の抜け加減、入り加減が絶妙で、描写の繊細さ大胆さが共存。堂々として揺るぎない。
 この単行本で不満があるとするならば、それは判型の大きさ。新書判なんてちっちゃすぎる。最低A5くらいにはしてもらえますまいか。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」17巻 能田達規 秋田書店 新書判
 見事なまでの安定ぶり。もう連載を4年続けているそうだが、クオリティが全然落ちない。ほのぼのとした家族愛、ポジティブな機械愛、気持ちいい男女の愛。いやあまったくいいですわい。ところでコミック・ファン08号に能田達規のインタビューが。


3/23(木)……iモート

 雑草社コミック・ファン(最新号は24日発売)の編集部の方お二人と打ち合わせというか、まあ飲み。次号でエロ漫画特集をやるそうで、そこらへんについて話をすることに。俺だけではなんなので、無理をいってZERRY藤尾さんをお誘いしたところ、〆切が近いとのことでとくに名を伏せるSさんというZERRY藤尾さんと同じ雑誌で活躍中な漫画家さんも連れてきてくださり、ミーにとってとてもグッドチック(グッドの形容詞形)な状況に。とりとめがありそうでなさそうでなお話を、みっちりいたした4時間でありました。個人的にはタノシティック(楽しいの形容詞形)だったのだが、コミック・ファン編集部の方にとって実りがどれだけあったのかはよくワカラナティック(分からないの形容詞形)。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/6 No.18 秋田書店 B5平
 八神健「ななか6/17」は今回後編。きっちりと、心暖まる物語に仕上がった。シンプルで滑らかな描線のサッパリした絵柄で、ヒロインのななかが愛くるしく描けている。連載にしちゃってもいいかも。山口貴由「悟空道」は今回最終回。うーん、ちともの足りないか。

【雑誌】モーニング 4/6 No.17 講談社 B5中
 三宅乱丈「ぶっせん」は毎度楽しい。断食行編もおばかさんでとても面白かった。王欣太「蒼天航路」は、ここのところ張飛の力強さが際立っている。ちょっと長く続きすぎた感じはするのだが、見せ場見せ場はしっかりかっこよく盛り上げてくる。月イチの作:春場洲太夢+画:鎌田洋次「オリンピックの世紀」が掲載。今回は、ボート競技シングルスカルの津田眞男のお話。

【雑誌】ヤングサンデー 4/6 No.17 小学館 B5中
 巻頭カラーで山田玲司「NG」が新連載。伝説的ジゴロの息子だがピュアハートすぎて非モテな男が、父の残したジゴロ秘伝を得て目覚める。そんな彼の青臭きラブ・ストーリーって感じになりそうだ。山本英夫「殺し屋イチ」では、ついにイチにゴーサイン発令。おおお、楽しみ楽しみ。遊人「桜通信」。扉を開けばドドーンとエロシーン。ご立派。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/8 No.17 集英社 B5中
 増刊枠のほうでやってた山花典之「妹〜あかね〜」がヤンジャンで連載開始。血縁のない妹・あかねと、彼女を守るため奔走する兄の物語。桜木雪弥「マイホームみらの」は今回で最終回。途中ふらふらしたりもしたが、きちんと着地。奥浩哉「ZERO ONE」は、第1部クライマックスだが、第1部最終話は3月28日発売の別冊ヤングジャンプのほうに掲載とのこと。

【雑誌】フラミンゴ 5月号 三和出版 A5平
 表紙のアオリ文句「せっかく春になったのにもうすぐお別れなんてイヤッ!」が寂しさをアオるけれども、あと4〜6ヶ月は続くというアナウンスあり。というわけで期間的に余裕があるからか、海明寺裕は「奴隷立國」という新シリーズをスタート。今回は第1集とのこと。20年前の「敗戦」以来、全裸の家畜奴隷となることを自ら選んだ人々の物語。次号はその「敗戦」の内容が語られる。一貫してポリシーをもって、K9世界を構築し続ける海明寺裕の周到さ、粘り強さはやはり見事。蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」。「アノマロカリスの章」がクライマックス。次号でこの章は最終回となるようだ。かなり壮大な絵巻になったが、どう着地するかが見もの。るもいじゅん「おとなちゃれんじ すてっぷん」。子供向け番組ノリで、好き放題やり放題。前回で終わったかと思ったら、しぶとく残ってたりする。なんかむちゃくちゃ楽しそうに変態プレイしててよろしいですな。鋭利菊「野々香 性の目覚め」。今回はわりと普通にSM。駕籠真太郎「東京暮色」は、相変わらずクールでシニカル。でも爆発力はちと弱めか。白井薫範「とんにゃん」。テンション高いですなあ。フラミンゴがなくなった後の活躍場所がどこになるのか、かなり気になる人ではある。
 今号は休刊が決まった後なせいか、全体に元気がないかな〜という印象を受けた。もう先も短いことだし、今まで以上に好き勝手突っ走ってくれると幸い。

【単行本】「リーマンギャンブラーマウス」1巻 高橋のぼる 講談社 B6
 平凡なサラリーマンが、ナゾの美女の導きにより裏ギャンブル界にデビュー。それまでうだつの上がらなかった男が、水を獲た魚のように輝き出し、加速度的に脂ぎっていく。包茎手術を受け、男としてパワーアップしていく彼は、やがて「マウス」と呼ばれるようになっていく。ギャンブルの妙味ももちろんだが、それよりも何よりも、突然ドカーンと出現する女体盛りや、ズバッと切れ味のいいマウスの振る舞いがたまらなくおかしい漫画である。高橋のぼるってこんなに突拍子もない漫画を描く人だったかと再発見させられた。しかし、この巻収録分よりも、最近モーニングに掲載された分のほうがイカレっぷりがかなり増している。グッダー&ナイサー(それぞれグッド、ナイスの比較級)になっているのだ。珍妙なセンスとアブラギッシュな迫力の光る、ビフテキ的作品。2巻が今から楽しみでならない。


3/22(水)……ちぢめガイ

 パソコンの台数が増えてきたので、PCすいっちなというPC切替機を導入。へっぽこな名前のわりに値段は高めだが、機能はなかなかグッダー(グッドの比較級)。複数マシンで一つのディスプレイ、PS/2キーボードとマウス、それからUSB機器を共有できるのは便利。とくに俺はポインティングデバイス一体型のキーボードとUSBマウスを併用しているので、USBも切り替えられるっていうのは非常にありがたい。ワンダラー。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/5 No.17 小学館 B5平
 松浦聡彦「ブレイブ猿s」が新連載。修学旅行で石垣島に来ていた面々が、主人公の大地のせいで帰りの飛行機に乗り遅れる。運よく(?)沖縄本島に行くオンボロ飛行機のチケットを手に入れたものの、その途中で機体に異変が……ってな感じで以下次号。なんだかサバイバルものになりそうな感じではあるが。けっこう絵は達者だし手堅い人なんで、それなりに面白くなりそう。田中モトユキ「リベロ革命!!」。そんなに派手じゃないけど、熱血していてけっこう面白く読める。ストレートな作風。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/5 No.17 講談社 B5平
「BOYS BE…」がよりLovelyになって、新学期に突入!!ってことで、作:イタバシマサヒロ+画:玉越博幸「BOYS BE… L CO-OP」がスタート。まあ内容はいつものとおりな感じだけど。福本伸行「無頼伝 涯」は連載2回め。やってることは案外大人しいが、今回もハッタリばしばし。

【雑誌】コミックドルフィン 5月号 司書房 B5中
 みやびつづる「美作商店街」後編。お互いに女房、夫を共有し合い、乱交を通して濃密なコミュニティを形成している商店街。今回はのっけから細かい説明などいっさいなしに、一気にエロシーン突入。熟れた奥さんがズボズボにされるハイテンションなエロス。肉弾的実用系の旗手として、アグレッシブな攻めっぷりである。パワホーでエロエロだ。LAZYCLUB「仔悪魔ざかり恋ざかり」。お話的にはほーんとになんてことないんだけど、ぱっつんぱっつんの乳でいつもスパッとH。巨乳、パイズリがふんだんで、サービス精神旺盛。火野聡司「お姉さんがおしえてくれた」。この人は最近うまくなってるなあと思う。ひょろんとした体型ながら肉感的。柔らかい描線が魅力的。井上眞改「TOKYO POP」は手慣れたタッチで達者な絵。

【雑誌】ステンシル 春号 エニックス B5平
 なかなか面白く読んだ。エニックス発の少女漫画雑誌だが、わりとオトコノコが読んでも楽しめるタイプの作品が多い。オトコノコ的に見て、かわいい女の子がヒロインであることが多いからかもしれない。となるとオンナノコの目から見るとどうなのか……とか思ったりもするが、まあ他人の意見だからどうでもいいッス。
 巻頭カラーは天野こずえ「オセロゲーム」。なんでも白黒ハッキリしなければ気が済まない、学級委員をやらされがちな女の子の恋愛模様。スタイリッシュな絵柄、スコーンと抜けるような空の描写とかが気持ち良い。お話もスッキリと後味良くまとまっている。こがわみさき「リベンジなの」。この人もうまい。シンプルだけど気持ちのよい整った上品な絵柄で、元気よく、かつ優しいお話を展開。高校生になってつき合い始めた二人なのだけど、実はこの二人にはちっちゃかったころの因縁があり、女の子はリベンジのチャンスとか思っていたが、男は昔のことというかそもそもちっちゃかったころの彼女をすっかり忘れていて……といった感じのお話。そして今回は、新鋭の袴田めら「明日からは夢をみる」が良かった。鳥人間コンテスト的なイベントを目指す少女の物語。彼女は一見元気者のようだが、実は、つらいことがあると自分の頭の中の世界「夢の海」にいるチュンという人格との対話に逃げてしまう。そんな彼女の成長と、チュンとの別れを描く。まだ若干ぎこちないけど、清潔感のあるまとまりのいい絵柄で、これからタッチが細かくなってくるとけっこうイケそう。お話のほうも爽やかにまとまってて面白かった。

【単行本】「万事快調」 駕籠真太郎 B.S.P A5
 なんだか思いもかけず出ていた単行本。一読したが、やっぱり駕籠真太郎はスゴイ。なんたる、なーんたる。というわけで詳しいことは駕籠真太郎ページのほうを参照だ!


3/21(火)……サルでもできる麻雀教室(サルまん)

 イセンガルドって感じですかねえ。

 猫耳を免許制度にしてみてはどうか。「〜にゃ」言葉の活用を教習所にて指導。実技および筆記試験あり。装着可能猫耳の大きさの制限(身長×猫耳定数により算出)、しっぽに関する規定といった法律知識を学び、さらには猫耳的アクションの指導もあり。ベテラン教員による心のこまった懇切丁寧な指導が、正しい猫耳を作るエネルギー。

 Internet Explorer日本語版においてブックマークは「お気に入り」だけど、この名称ってなんかいつもひっかかる。繰り返し見に行くけど、別に気に入ってるわけでもないサイトを「お気に入り」に入れるってのがどうも。この点に関しては、ネスケの「ブックマーク」のほうがいい。

【雑誌】ヤングマガジンKANSAI(ヤンマガ4/4増刊) 講談社 B5中
 ちゃんと手に入るか心配だったけど、あっさり入手。
 作:雨上がり決死隊+画:TAIRA「イマジマン」。妄想系ギャグがグルグル。ギャグがテンポ良く繰り出されてきてわりと面白い。前川かずお「RE-DEI69」は、「DEI48」の主人公が女の子バージョンといった趣で、「DEI48」同様力づくなお馬鹿漫画。思わせぶりに物語が始まったと思ったら、舞台はいきなり「うさぎ神社」。女の子の乳房に浮かぶうさぎさん型のアザ。毎度毎度、パワフルに、脳味噌とろけるようなバカチンな展開を繰り出してくるのはご立派。陽気婢「ナンパオ」。関西弁がどうのこうの関西人がどうのこうのというくだりはわりとうっとうしいが(モテない側の人間の意見がステロタイプすぎるとかまあそんなところで)、女の子がかわいいのでまあいいや。そのさなえ「梅田駅員物語 ナニワんステーションブルース」(原作:末田雄一郎)。青臭くて、まっすぐなパワーがあって、爽やかな作風。洗練されすぎない、手触り暖かな絵柄も良い味わい。長田裕幸「RALLY ART」は相変わらず、ニョッキリとして整った絵柄でしっかりアクション。原田重光「イッパツ危機娘 in 大阪はまあいつものノリ。東和広「ユキポンのお仕事」もまた。
 全体的に今回の増刊の印象としては、思ったほど関西関西してないなといったところ。まあそれぞれに風味は利かせてはいるけれど、しつこくはない程度。関西以外の人が読んでも、疎外感を抱かないような作りにしたとかかもしれない。

【雑誌】漫画アクション 4/4 No.14 双葉社 B5中
 ギャハハハ! 高橋のぼる「麻雀猿K2」。猿ですよ猿。麻雀ですよ麻雀! 「リーマンギャンブラーマウス」といい、高橋のぼる絶好調ですな。恋猿との悲しい別離あり、猿なのにしっかりドラマしてるあたりが素晴らしい。それにしてもこの博士、なんでまたここまでして猿に麻雀を教えてるんだか。いやいや考えますまい。きっとそういうもんなんですよ、研究って。作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」も好調。今週は巻頭カラー。「めぐみのピアノ」アニメ化決定! 新井英樹氏、柏木ハルコ、郷田マモラ、コージィ▽城倉(▽はハートマーク。それにしてもハートマークが文字コードにないのは残念)、あきやまひできといった各界の著名人からお祝いのコメントが!!

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中
 かたぎりわかな「みちばたトライアングル」がやはり目当てなわけだが、今回はツナちゃんの周到なクレイジーぶりがナイスであった。明日森うさぎ「ごうING舞ちゃん!!」。寸詰まりで天然ボケな主人公の舞ちゃんがかわいらしい。わりとロリ。水田恐竜「あしストが〜る」は、手よりも足のほうが器用で、なんでも足でやっちゃう女の子の話。ネタ的には一つだけながら、手慣れたタッチで楽しく読ます。

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社 B5平
 今号のふろくは2000 SPRING〜SUMMER ポストカードカレンダー。イラストは、松下容子/山田南平/中村佳樹。表紙部分はシールになっている。今まで内緒にしていたが、シールってかなり好きだ。いいよな、シール。貼れるし。
 高屋奈月「フルーツバスケット」。おうおう、フリルだフリルだ、おじょうさまだ。メイドもありだ。わりと今回は煩悩気味。日高万里「世界でいちばん大嫌い」。ここのところ過去の回想が続いているが、現在の場面も半分くらいあり。万葉と杉本のイチャイチャぶりが、幸せそうで見ていてこそばゆくて良い。樋口橘の新連載「MとNの肖像」がスタート。この人の、キャラのまつげが濃いくっきりした、でも爽やかでもある絵柄はけっこう好き。美男美女のラブコメになりそうな気配ではあるが、どうも女の子のほうがけっこうヘンテコな本性の持ち主であるらしく……という感じ。なかなか楽しくなりそう。桜井雪「ショート寸前!」は2号連続掲載で、今回が1回め。背の高く乱暴だけど、スラーリとした美人のヒロインが魅力的。適度に肩の力が抜けてて読みやすい。

【アンソロジー】ぷちみるく Vol.4 コアマガジン A5
 漫画執筆陣は、わんぱく、未亜、みかんR、KICO、みこと、ほしのふうた、鎌やん、宇内鉄朗、黒崎まいり、トウタ、ひぽぽたます、にゃんこみっく、町野変丸。表紙に馴染しんの名前があるが、実際には掲載されていないので注意。そういえば前号も作者急病のため休載だったが……。カラーイラストでは、OKAMAもいいけどかるま龍狼の女の子たちの会話が聞こえてきそうなイラストが光る。
 わんぱく「幸福荘」。この人の絵柄は、スミベタ部分が実に黒々として気持ち良い。目と髪と。お話も暖かくまとめてある。ただ、ペン入れされてないコマがあるのはやはり残念。スミベタに味がある人だけになおさら。みかんR「STAIRS」。幼馴染みの女の子・宇禰に恋する男の子・まこと。だけど彼女には別に男ができてしまいやりきれぬ思いのまことは、彼を好きでつきまとってくる健気な女の子・暖野香につらく当たってしまう。まこと、宇禰、宇禰の彼氏、暖野香。4人の想いはそれぞれ一方通行で……といった感じの切ない恋の物語。みかんRのペンタッチの細かい絵柄は、最近さらに完成度を増している。うーん、うまい。そろそろ単行本をぜひとも。ほしのふうた「おふろやさんへ行こう」。今回もいい。この人の、無邪気さあふれる絵柄はとても微笑ましい。でもやることはやってて案外Hだったりもするのだが。楽しいノリで最後までテンポ良く突っ走る。お気に入りだ。トウタ「笑う犬の生活。」。シンプルだけどキャッチーな絵柄が魅力。にゃんこみっく「めるるんのいちにち」は、トロトロにとろけまくった猫耳ロリ少女漫画。「〜にゃ」言葉爆発。


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