◆ 2000年8月中旬 ◆

8/11〜20
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8/20(日)……常夏暮らし

 「OHPの資料が欲しい。お勧めの器械があれば教えてほしい」というメールが届く。夏休みらしくていいですね。

【雑誌】花とゆめ 9/5 No.18 白泉社 B5平
 中条比紗也「花ざかりの君たちへ」。三棟ある学校の寮のうち一棟が使えなくなったことによる緊急措置で、主人公の瑞稀と佐野の部屋にもう一人ルームメイトが加わる。佐野は瑞稀が女の子であることを実は知っているためなんとかなっていたのだが、新しいルームメイトの門真はそうはいかない。まあさっそくそんなわけで、おふろでピンチって感じに相成っている。ここから「先輩って実は女の子だったんすね、俺なんかもう我慢できないっすよう」という感じでエロエロな展開になってくれたりするとステキだが、さすがにそうはなるまいな。樋口橘「MとNの肖像」。M女である阿部さんが、ほかの女子の嫉妬を集めて合宿でイジメられる。服を盗まれて体操着だったりとかなり萌えな展開。美人なんだけどやることはヘンテコな阿部さんが守りたい欲を刺激する、なかなか楽しき作品。

【雑誌】コミックマオ 9月号 vol.14 晋遊舎 B5平
 どざむらとか百済内創とか描いているし、それなりに明るめの誌面でエロ度もキープしていて、むちゃくちゃ飛び抜けた特徴のある人はいないけれどわりと充実した印象。エンジェル倶楽部とか夢雅とかでは濃すぎるという人はこちらのほうが向くかも。連載モノがけっこうあるので途中からはつかめないところもあるけど。
 BLUE BLOOD「The Crucible」。最初は1色で始まり、途中で4色カラーが入るという構成なのだが、エロ漫画の場合こうするとちょうどエロシーンに4色カラーが割り当てられるので効果的だなあと思った。カラーの4ページ部分はをっかり生かしてエロを詰め込んでいる。柴野唯史「コスプレ教師真弓」。裸エプロンで生徒皆さんに性教育してくれる非常に都合のいい存在である女教師が活躍。おちんちんの本数が多くて良い。すみ兵「深恨さんいらっしゃい。」、桐沢みんと「CRESCENT DOLL」あたりも明るめの絵ながらふんだんにエロがあって実用系のパフォーマンスがよろしい。

【単行本】「ラブレターフロム彼方」 早見純 太田出版 A5
 ビバ早見純! とうならずにはいれない作品集。冒頭の「純の暗い情熱」からして、電車の事故でバラバラになった女の足部分を発見して家に持ち帰り、それをオナニーに活用する足フェチ少年のお話だったりしてインパクトは強烈。暗い情念、妄執の凝り固まったジメジメした絵柄がすんばらしい。女の子の陰部を切り取って持ち歩いている異常者だとか、女生徒を監禁して目鼻耳を針金で縫いつけて自分以外の者を知覚できないようにしてしまう教師だとか、強烈なナイスガイばっかりだ。「正直言って、作家が正面切って読者にぶつかっていくようなマンガって、本当に少なくなりましたね。命がけのマンガが」と巻末インタビューで早見純は語っているけれど、この人にいわれたら確かに納得するほかない。さすがにここまでのものを自分の脳味噌の中からぶちまけてこれる人っていうのはそうそういるもんじゃないし。毒性が強いので、万人に勧めようとは思わないけれども、チャレンジングな若者はぜひどうぞ。気合いの入った大人は当然のことながら。

【単行本】「天然コケッコー」13巻 くらもちふさこ 集英社 B6
 今回は、大沢くんとそよの関係がギクシャクする息苦しい展開が続く中、シゲちゃんのお見合いがいいアクセントになっている。たまにはこういう遊びも楽しくて良い。むさくるしくネチっこい変わり者のシゲちゃんは、かなりうっとうしくてナイスなキャラだ。息苦しい展開を続けつつ、コミカルな描写も随所に織り混ぜたり、表現が縦横無尽であるなあとか思う。

【単行本】「ディアマイン」1巻 高尾滋 白泉社 新書判
 借金のカタに大金持ちのご子息の婚約者にされてしまったヒロインの女子高生・咲十子。でもそのご子息というのが、実はまだ10歳の少年だった……というところから始まる物語。柔らかくて清潔感のある心地いい絵柄どおり、お話もドタバタはありつつも優しく展開。家庭的な女の子である咲十子や、ちっちゃな子供たちなどがすごくかわいく描けている。話的にはよくまとまっているけれどもう少し押しが欲しいかなってタイプではあるのだけど、たぶん絵柄だけでやられてしまう人も多かろう。全般に、とても幸せなラブコメに仕上がっている。

【単行本】「COCONUT CRASH」 JERRY 青林堂 A5
 ガロ、アクション、コミックスコラ、CUE、カフェに掲載された作品を集めた初単行本。サイケなテイストで、気の利いたショートストーリーを連発。アメリカンでバタくさく、読んでいるとなんだかクラクラする感じ。むちゃくちゃにスゴイっていうタイプではないけれど、ちくちくとスパイシーな味わいあり。

【単行本】「ファンタスティック・サイレント」 D KKベストセラーズ A5
 漫画というより絵本に近いかな。かわいくてちょっと毒々しくもある不思議なおとぎ話的世界。フルカラーで製本も上々。本全体の雰囲気がとても美しく、見ていて気持ち良くなれる。何度も読み返してみるタイプの本といえそう。


8/19(土)……ヒッキーこもごも

 起きるとすでにプロ野球のナイターが始まっている時間だった。結局、今日外出したのはメシ食った後、本屋に行っただけ。やはり休みの日は家にひきこもってこそ。

【雑誌】月刊サンデーGX 9月号 小学館 B5平
 第2号めだけど、「気合い入ってんな〜」と思ったのが表紙。ガンガンに特色使いまくり。特色というのは要するに金とか銀とかのメタリックな色のことなんだけど、これやるとコストがグーンとアップするのだ。それを承知のうえで、とにかく目立たせようとしている意気込みは買いたい。この色使いのおかげでウルトラジャンプとも違った感じになったし。
 その表紙にもイラストが載ってるけど、今回は吉崎観音「TOY girl」が掲載。何者かによって正義のヒロインに仕立て上げられちゃった女の子のドタバタアクション。いつもながらに女の子がかわいくとてもキャッチー。お話的にはちょっとバタバタしすぎでまとまりが悪いかなとは思うけれども雰囲気的には楽し。陽気婢「インベーション・ボーイズ・ラブ」後編。ボーイミーツガールなトキメキをふんだんに盛り込みつつ、きれいにまとめてきた。線の細いオトコノコ、オンナノコを描かせるとさすがの腕前。こいずみまり「LET IT BE!!」。じょじょにキャラが立ってきていていい調子。チュー強し。島本和彦「吼えろペン」。ラストのほうの身もふたもない断言の連続がグッド。ズバッと割り切る気持ち良さにシビれる。

【雑誌】ウルトラジャンプ 9月号 集英社 B5平
 花見沢Q太郎「BWH」。ああもうふにゃふにゃの甘甘でトロトロだ。かわいい女の子、浴衣、微笑ましい恋愛模様。胸キュン。藤原カムイ「福神町綺譚」は、読者参加のやり方がだんだん進化してきているみたいで興味深い。今回はテーマがまず示され、そこから読者投票方式でお話やキャラが決まっていったという感じ。漫画の内容以上に、制作過程の説明であるおまけページ「福神町通信」のほうに興味が惹かれてしまったりもした。寺田克也「大猿王」は最終回。なかなかごんぶとで立派な感じだった。この漫画の場合は、やはり単行本でまとめて読んで酔いしれるのが吉であろう。イラ姫「最終シスター四方木田」。目立たないながらも良いお仕事。(2000/10/20修正 最終回ではなかったそうです)
 さて、次号ではけっこうテコ入れが。まず熊谷カズヒロ「サムライガン月光」が新連載というのにビックリ。それから青木光恵も新連載。読切でよしのひろみちに加えて、「ジ・ガレガレ」の堀池さだひろも登場。サンデーGXに刺激されてかどうかは知らないが、こちらも活発に動いている。善きかな善きかな。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9/5 No.17 小学館 B5中
 安定してクオリティは高いのだけど、単行本で読めばOK的作品が多いのでチェックをサボり気味な雑誌なのだが今回は購入。目当てはヒラマツ・ミノル「キングオブキャッチャー」。今回は前編。日本一のキャッチャーを目指す男・新垣の物語。高卒2年目で一軍デビューしてから5年後、配球、キャッチング、スローイングとも誰にもひけをとらない選手になった彼だが、プロ野球界No.1キャッチャーといわれていたのは常に違う男だった。彼に勝とうと焦るあまり、新垣は大事なものを見失いつつあった……といったところまでが前編。やはりこの人はスポーツものはすごくうまい。力強い作画、それからテンポのいい展開、個性的なキャラ。一本ビシッとスジが通っていて、読んでてすごく痛快。次号の展開も楽しみ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 9月号 竹書房 B5中
 こいずみまり「レイとルリのスイートライフ」にげそぴん君が。
 今回はかたぎりわかなが読切で掲載。タイトルは「OLのお時間」。3人組のOLがオフィスでじゃんけん。負けた奴は残りの二人に罵られたり脱がされたり。何気に暴虐的なのが面白い。中島紗帆子「電脳やおい少女」が2色カラー。恋にやおいにチャットに、楽しそうでいいですな。ほのぼのまとまりのいい絵柄もわりといい雰囲気。

【雑誌】快楽天星組 Vol.13 ワニマガジン B5平
 本誌に比べてだいぶエロい。そしてなかなかメンツが揃っていて充実している。暗い雰囲気でずんずん責め立てるってわけじゃなく、あくまで明るい雰囲気でエロたっぷりなので読みやすくもあり。執筆陣は、マーシーラビット、もっちー、板場広し、B.たろう、すどおかおる、瓦屋A太、ピロンタン、宝蔵院貴志、小梅けいと、上連雀三平、みうらたけひろ。
 まずは巻頭カラー、マーシーラビット「ラブ★バイブレーション」。正義のヒーローの奥さんが、TV撮影中にいきなり欲情、スタッフたちと乱交。なんかハイスピードに、問答無用でエロに突入していく爆発的な都合の良さが素晴らしい。ヌいてなんぼ、ヌカせてなんぼという姿勢が徹底している。もっちー「魔界のプリンセスプリティー美沙」。主婦が魔法少女に変身。恥ずかしいかっこうで活躍というこのシリーズ。濃い絵柄と馬鹿馬鹿しさが相まってなかなか楽しい。そのうち単行本にまとまったら買おうと思う。板場広し「木村さん」。メジャー方面ではできないことまでずっぽりと。この人は、キャッチーな絵による女の子のアップの配置がとても大胆なので、スパッと目を惹く。B.たろう「お嬢さまも魔女」。おにんぎょうさんのようなキャラクターがかわいい。描線が柔らかくて、だいぶ骨を抜いてくれるタイプの作風。それからやっぱり上連雀三平「飲尿女神」。アオリ文句が「ザーメンたっぷりたしかな満足!」「ひっさびさの女神さま登場にちんぽビックリ!ぼく射精!!」。1ページめのちんちんは差し渡し16cmくらい。ご立派!素晴らしい!やっぱりこの作品あってこその星組。いいもの拝ませてくれますわい。

【雑誌】コミックオルカ 9月号 司書房 B5中
 ガツガツやっててエロ度は高めだが、一つひとつの作品はあんまり目立たず。この中では、キャラクターのゴム風船みたいな質感のダッチワイフ的雰囲気が目立つ祭野薙刀「珠子のいけない親友」あたりがわりと気になる。この人の絵ってけっこう好き。


8/18(金)……まっぶしー夏

 アキバに立ち寄り。途中、ちょっとだけとらのあなにも寄って買物。最近のアキバとらのあなは、商品を入れる紙袋の絵柄が八神ひろき「G-taste」のフルカラーイラストだったりするので、カバンに入れないとちょっと恥ずかしいかも。手ぶらで行く場合は要注意。
 TINAMIXが更新されている模様。今回は夏休みということで、いつもの16日ではなく18日更新。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/25 マッシブ・サマー増刊 秋田書店 B5平
 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」の描き下ろし+再録を看板に新人の作品などをプラスしたといった感じの増刊号。再録が多く、表紙も通常号と似たような感じなのであまり新鮮味がないのは若干ツライかな。コンビニで見たとき、増刊だとはすぐに分からなかった。
 で、読み返してみても「浦安鉄筋家族」がやはり面白い。この人の、なんでもないところからお話を始め、雪だるま式にごろごろと物語をエスカレートさせていく腕は大したもんだなあと思う。春巻は歩くのが遅い、というただそれだけのことで一本お話を作っちゃうというのもすごいし、それがまた十分思いもよらぬ展開をして面白かったりするのだから恐れ入る。

【雑誌】赤マルジャンプ 9/20 集英社 B5平
 なんとなく読んでみたくなって購入。買ったのはいつ以来だろう。そういえば、「エリートヤンキー三郎」の阿部秀司は赤マルジャンプデビューなのだそうだ。
 しんがぎん「SOLAR POWER」がなかなか爽やかで良かった。失恋して祖父の田舎にやってきた少年が、昔なじみのメチャ強な女の子に再会。彼女のくったくのなさにしだいに元気付けられていく、というお話。安易なラブ的展開をしないで、あくまで爽やかにお話を進めているところが良かった。尾玉なみえ「純情パイン」。以前本誌のほうでも読んだことがあるが、なかなか個性的で面白い。みつおとみちるが交換日記を5分以内に2往復させると変身する、大きい乙女「純情パイン」。必殺技は純情万力。万力で怪獣の頭をぶっつぶす。ちっとクセのある絵と、馬鹿馬鹿しいお話が楽しい。あと加藤和恵「僕と兎」はよく出来た作品。第59回手塚賞準入選作品。友達の親父の殺害を依頼された殺し屋高校生の青春物語。ちょっとエヴァ影響受けっぽい絵柄はこぎれいだし、読後感爽やかでソツなくまとまっている。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 9/1 No.18 小学館 B5中
 東本昌平「SS」再開。ダイブツの元相棒である自動車評論家のオッサンも物語に絡んできて、いよいよ本格的に展開といったところか。全体にガッチリしていて頼もしい。作:武論尊+画:池上遼一「HEAT」。面白くなっている。登場人物がそれぞれいい男ぶりを発揮しているし、物語もまだまだ波乱がありそうで。

【単行本】「凌辱回廊」 奴隷ジャッキー エンジェル出版 A5
 エンジェル倶楽部の中でも、かなり楽しみだった長編作品。
 お互いのことを深く慕いながら二人で暮らす兄妹。兄・健二は、子供のころ夕方出歩いていたときガラの悪いにーちゃんどもにからまれ、彼を探しにきた母がそいつらに強姦され、死亡してしまうという事件に遭遇する。母が死んだきっかけとなってしまった彼のことを、父は拒絶。虐待を受けつつ育った彼は、けして笑うことのない男になっていた。そんな兄を一心に妹・琴未は慕う。そこに絡んでくるのが、健二を狂おしく愛する女性の恵子。でも結局は琴未のほうを向いてばかりいる健二に、恵子はいらだち、その矛先を恵子に向ける。
 実は通しで読んでみると、キャラクターたちの行動がエキセントリックすぎて、けっこう筋が通っていない。健二にしろ恵子にしろ、なんかあっという間にキレるし。シスコンでやたら悲惨な過去を背負った兄、ブラコンで何をされても許してしまう天然ボケな妹、嫉妬深くて淫乱な元恋人、ストーカー気味な恵子の弟……といった具合にキャラクターは何気に全員まともでない。グルグル目で歯を食いしばった恵子の表情とか、異様にテンパっててなんとも強烈。最終的には琴未を拉致って刃みたいに研いだハードルで三角木馬状態にしたり石油ストーブの上に吊るしたりするし。普通のときとの落差が激しすぎであります。
 キャラクターの造形は、もちもちしてて瑞々しく魅力的。ほっぺたやおっぱいなんかは実にむにーっとしてて、思わず触りたくなる。ぼいんぼいんかつロリテイストな顔つきの琴未はかなりかわいいし。それだけに濃厚なネームが目立つ。やたらと悲惨な方向へと進んでいく物語はなかなか珍しいほどにハイテンション。アンバランスであり、欠点もあるのだけれど、それを補って余りある魅力も備えている。甘さとスパイシーさが同居。もちろん俺はダイスキ。

【アンソロジー】ミルクコミックさくら vol.12 松文館 A5
 おなじみロリ系アンソロジー。漫画執筆陣は月角、あじまる、森ひろみ、豊川稲理、菊地広隆、う〜とむ、士崎月魚、TORO、へっぽこくん。全体的にクオリティが底上げされてきつつあるような。今回の中では、足がやたらと長い女の子に独特のHさがある森ひろみがイチオシ。とろとろに気持ち良くって、もうどうしていいのかわかんない的な表情もソソる。このアンソロジーの中ではおっぱい大きめ。あじまるは、ころころかわいいのが魅力。ちいまりしてきゃわゆい〜。


8/17(木)……おっきいお月様

 おかげさまで当サイトも3周年でございます。

「もう3周年か」という気もするし、「まだ3周年か」という気もするけれども、どちらかといえば「まだ3周年か」という気持ちのほうが強い。ずいぶん長いことやってるように思えちゃうけどまだ3年。ネット時間はそれだけ濃いっつーことだろうか。ときどき人に「よく毎日続きますよね」みたいなこといわれるけれども、逆に毎日でなかったらこんなに続いてなかったんだろうなとは思う。元来、飽きっぽい性格ではあるし。

 3年やってきていろいろあったけど、良いにつけ悪いにつけ、本当にいろいろな人やモノゴトに出会えた。俺なんかにはもったいないほどの幸運だったと思う。やはりやってみなきゃ分からないこと、得られないことっていっぱいあるものだ。もちろん失っているものだっていっぱいあるんだろうけど、そのあたりは考えてもしょうがないような気はする。

 まあ何はともあれ、気力の続くうちはやれるだけのことをやってみようとか思ってはいるのでまだまだしばらくは続きます。そのうちなんかも少しラクにやってけるよう、何かしら考えないといかんのだろうけど。たぶん。でも、今本当にしなくてはならないことは、きっと早寝早起きなんだと思う。

【雑誌】モーニング新マグナム増刊 9/6 No.16 講談社 B5中
 佐藤マコト「サトラレ」が巻頭カラー&表紙。しかも映画化まで決定したそうで。あらまあ展開が早いですな。今回は新米のサトラレ監視係の男の視点からサトラレを見る。腹具合最悪のまま乗ったロープウェイが故障。漏らしそうなギリギリラインを行ったり来たりする心持ちが、周りの人にダイレクトに伝わってしまう様子を描く。押しては引き、引いては押しという感じで、サトラレであること、サトラレがいることの厄介さがうまく描かれている。最後のほうの「人の心とは〜」うんぬんのモノローグ4個がちょいとクドめかなとは思うけど、気になったのはその部分くらい。鶴田謙二「Forget-me-not」。星雲賞受賞ということで意気上がる、というわけではあんまりなさそうだが、やっぱり絵のクオリティはむちゃくちゃに高い。一つひとつのコマに惚れ惚れ。
 安田弘之「ちひろ」。ちひろがピンサロに転職。ちひろ流のプロのテクが高度すぎて理解されない職場にイライラがつのる。もごもごした口の中に入っているものを想像すると、たいへんに生臭い気分に。押川雲太朗「べとべと」。「べとべと」とはベトちゃん……いやいや「BET2」である。「BET」に出てきた江藤が今回はピンで活躍。強くなくてもギャンブルで勝つ。やり方がうまいですなあ。芳崎せいむ「古漫館物語」は、祖父から漫画系にやたら強い古本屋を受け継いだ女の子のお話。漫画好き、古本好きの人の、本に対する想いを刺激してホロッとさせるお話。
 岩館真理子「月と雲の間」。うん。とても良い。コンビニに突如として現れ「お月様くだしゃい」などという、とってもちんまい女の子。何やらいわくありげな可愛らしい存在の出現に初っぱなからお話に引き込まれる。お話を周到に構成してまとめあげようという意識が、たいへんに希薄であるところがいい。終始ボケっぱなしでツッコミ不在。これは持ってかれますわ。タイム涼介「痴呆症ハチスケ」は最終回。入れ歯を洗浄すると若い日に戻ってしまうボケ爺さん、ハチスケの寿命がついに。人間が一人いなくなってしまうさみしさにぶわっと泣けてきた。タイム涼介はギャグをやりつつ、ときどきこういう泣かせ系のお話をやるもんだから油断がならない。西垣美奈「くま日記.」。黒目の目立つカッチリした絵が特徴的。有能なフリーターの女の子が紆余曲折。絵がかわいいのとお話が前向きなのが良い読み心地。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/17増刊 Manpuku! 小学館 B5中
 前号あたりからずいぶん充実度が高まってきてますな。スピリッツ21風味に完全に戻ってきたというか。
 榎本ナリコ「スカートV」。例のゲイ男→ノーマル男→ノーマル女→ゲイ男の3すくみラブストーリー。噛み合わぬ3人組の構図がとてもたくみに描かれているのだが、5回ともなるとすごくうっとうしい奴らだなあとイライラしてきてしまう。社会人になってまで引きずってるというのはさすがに。ただ、まだ続くらしいので、ここからそのうっとうしさを超えるだけの面白さを呈示できればすごく良くなりそう。お話的にはここまでもかなり面白かっただけに。及川亜子「名も無き民が踊る夜」。森で崖から落ちた殺し屋な男が、とある年配の男に拾われる。彼は殺し屋を自宅の地下に連れていきベッドに寝かせ、傷が治ったら妻を殺してくれるを依頼する。おおむね狭い部屋の中だけで物語は進んでいくのだが、肉体の動きはなくともセリフと見せ方でしっかり物語を読ませていく。ちょいと謎を含んだ展開にも興味をそそられる。意表を衝く展開も実にいいねえ。構成巧みで面白く読めた。
 吉田戦車「山田シリーズ」。今回もナンセンスで面白い。やはり山田は素晴らしいキャラだ。俺も山田のようになりたい!(似ていると昔よくいわれておりました) 真木ヒロチ「考える電車」。父を亡くした少年が、自分のこれまでこれからについて考える。自分はなんにもやっちゃいない。なんにもできないかもしれない。でも進むほかない。青臭さの漂う後味爽やかで前向きな話。ちょっとホロリとする泣かせ系の作品でもある。ちょっと泣いた。

【雑誌】ヤングジャンプ漫革 9/25 Vol.21 集英社 B5中
 熊谷カズヒロ「サムライガン」。温泉宿のおかみさんが色っぽい! この人の描く女性キャラにはなかなか色気があっていい。目つきとか、構図どりがHくさいのだ。あと顔の赤らめっぷりとかも。宮城シンジ「レトロバットマン!!」。今どき時代に逆行する、とにかく力みまくってフルスイングしかできない高校球児の物語。力の入った豪快なスイングが見ていてスカッとする。表情のダイナミックさも良い。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 9/5 No.17 講談社 B5中
 作:夢枕獏+画:板垣恵介「餓狼伝」。泣き虫サクラ編が無事終了し、本編に戻ってくる。そろそろ登場人物の顔と名前とプロフィールを復習して、これからの展開に備えるべし。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。かなり病的にヌル甘ずっぱ爽やかほのぼのい。ユウキはいい。ぱんつも少し。咲香里「春よ、来い」。二股体制超本格化、待ったなし。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」はいよいよシノヴ vs.打越の一騎討ちが目前。ここまでいろいろ驚かされ続けてきたが、最後はどう締めてくるのか。とても楽しみ。サガノヘルマー「コリドラー」は最終回。中途半端な終わり方でいまいち。もう少しむちゃくちゃにしてほしかったところ。

【雑誌】コットンコミック 9月号 東京三世社 B5中
 今回は駕籠真太郎がお休み。なんでもこれからコットンコミックの駅前シリーズは隔月掲載になるんだそうな。毎月読めないのは残念だけど、駕籠真太郎抜きのコットンコミックも和む味わいは健在なのでこれはこれでまた良し。渡辺ヒデユキ「サセマン」シリーズも新章に突入したことだし。初登場、市川和彦「魅せられて…」はムチムチ感のある人妻ボディがH。コットンコミックにしては珍しく線の抜けがシャープな絵柄。

【雑誌】ZetuMan 9月号 笠倉出版社 B5中
 今回は榊原薫奈緒子とZERRY藤尾が久々に揃い踏み。榊原薫奈緒子「アストロメイド」。いい具合にテンションが上がってきている。あのかわいい絵柄によるちょこまかと芸の細かいブラックジョークが、テンポ良く繰り出される。実はけっこうHもしっかりしているし本当に芸達者な人だ。ZERRY藤尾「悪魔っ娘」はこちらも変化球攻めが心地よくお話としては面白いんだけど、ベタ、トーンなどの仕上げがされていなくて残念。それはともかくもうすぐ出る予定の単行本は楽しみ。猫玄「隣のうちう人」。隣に住んでる宇宙人のおねーさんがみんなによってたかってやられる。ヌルめの絵柄だが、何気にエロい。絵柄とやってることのギャップが効果的に作用。

【雑誌】ばんがいち 9月号 コアマガジン B5中
 田沼雄一郎「避暑地の絵」が掲載ということで購入。駆け出しの風景画家である主人公が、友人の別荘で出会った不思議な少女の物語。ちょいと悲しげなムードできれいにまとまっている。黙して語らぬ少女がミステリアスで美しく印象に残る。やはりうまい人だなあ。上月まんまる「局所的最強学園伝説 ウラクラ」。この人もなかなか好きだ。お話としては「人前でチンポ出して、女の子にしごかせて、発射した飛距離を競うあうスポーツ」における学園のエースであるアフロ男が主人公。馬鹿馬鹿しいお話でキャラクターも魅力的。言語道断な量の射精シーンが痛快。みこくのほまれ『まりあの「夢に向かって第1歩」』。新人AV女優まりあの奮闘記。女の子の体型が細くなりすぎずぽっちゃりしているあたりに惹かれる。垢抜けないところを残していて健康的でなかなかかわいい。狩野蒼穹「ぼくとあたしの夏休み」は、ロリ系でHで爽やかなお話。初々しさにソソられる。一加雛生「極楽懸賞生活」は、肉付きのいい人妻がH。軽めな作風なんだけどエロにはボリューム感があり。ひよひよ「Sigh of Ghost」も整った魅力的な絵柄。才谷ウメタロウももちろん。
 全般的にまとまった作風の人が多く、安心して見ていられる布陣。それなりにキレイな絵柄だけどただライトなだけでもなくそれなりにHという、微妙なライン上にある作品が多いように思える。ある種おいしいところをキープしている。


8/16(水)…… TNT盆盆

 「TNT BOMBBOMB」はこんな感じのゲームだったようですな。これはやったことないや。
 本日でお盆休みおしまい。DVDで買っておいた「バタアシ金魚」「THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS」「20世紀ノスタルジア」あたりでも観たり、小説でも読もうかとか思っていたのだけど、二日酔い気味であまり気力が湧いて来ず、一日をのんべんだらりと無為に過ごしてしまう。なんか最近いつもこんな感じだのう。

【雑誌】メロディ 9月号 白泉社 B5平
 魔夜峰央「パタリロ西遊記!」。やっぱり面白い。ででーんとふてぶてしく。パタリロ孫悟空、マライヒ三蔵法師に加え、今回はアノ人が。4コマよりもこっちのほうが好きだな。雁須磨子「どいつもこいつも」。今回もいい感じ。ラブですなあ。
 で、次号。なんと竹宮恵子「私を月まで連れてって!」が復活してしまうらしい。しょえー。2号連続100ページなのだそうだ。あと、安孫子三和の読切、わかつきめぐみの新連載、麻生みこと、遠藤淑子も集中連載開始。創刊3周年なのだそうだが、なんか何気に気合い入ってますな。

【単行本】「犬あそび」 一條裕子 小学館 A5
 一戸建ての住まいで一人暮らしを開始した作家が一人。彼はかねてよりの宿願どおり犬を飼おうと思うのだが、何かよく分からぬ感情が彼を押しとどめ続け、犬飼いたい欲に苛まれつつ日常を送る。実際の犬はそんなに出てこないけれども、この作家にとっての犬であるぬいぐるみのモーリスV、それから「そこにいるはずの犬」は活躍。れっきとした犬漫画である。下らないことを思い、考えオチをし続けるキャラクターはなんとも一條裕子らしい。爆発的な面白さというのではないんだけど、さすがに楽しく読ます。連載時はちょいと飛ばし気味だったのだが、どちらかというと単行本向きな作品という感じはする。

【単行本】「便所バエ対猟奇王」 川崎ゆきお 幻堂出版 B5
 猟奇王vs.便所バエ探偵花田寅次郎という構図で展開されるお話を集めた作品集。なんだか限定986部しか刷られないものだそうで、シリアルナンバーも付いている。俺が買ったのは#266。
 なお、収録作品は以下のとおり。( )内初出。
「昭和探偵伝」(ガロ 1973年5月号)
「古壺は夕映に砕けた」(ガロ 1973年6月号)
「便所バエの悲劇」(ガロ 1973年9月号)
「ロマンよ静かに死ね」(ガロ 1977年10月号)
「猟奇王ドブ板死闘編」(銀星倶楽部 1985年5号)

 猟奇といいはするけれど、活動は案外呑気でもあり。しかし、猟奇は消え行くもの。光り輝く都会には、猟奇の巣くう闇はなく。しかしそれでも猟奇王は走る。走らねばならぬのだ。収録作品の中では「ロマンよ静かに死ね」がなんだか泣けてくる。猟奇王は予告するも警察は無視して動かず。猟奇もロマンももう現代には存在できるものなのか。なんだかひどく悲しくなった。


8/15(火)……ハンプシャーの散歩者

 夏休みの宿題が完了。今月前半〆の原稿を全部書き終え、後顧の憂いをなくしてから池袋に呑みに行く。親しくさせていただいている漫画系のナイスガイたちと。集合したのはIonisationの吉本松明さん、月下工房のサイトウさん、掲示板の常連さんである立ち読み屋さんとンバキさん、それから兄&俺。夜6時くらいから11時くらいまで漫画などの話をしつつざくざく飲酒。お店はけっこうよく利用しているKUI菜てしごとやの別館あじさい家。その後、松明さんは帰られたので残りの5人でカラオケに。次の日仕事がある人もいるというのに朝まで騒ぐ。MALICE MISER万歳。

【単行本】「エロ漫王」 有馬(ピーッ)太郎 海王社 A5
 けっこう前から持ってたんだけど、読み忘れていたので。1997年発行ということでこれもかなり前からちょっと微妙なラインにあったのだが、新刊であったのでまあ買わないよりは買ったほうが、という感じ。
 内容は、500万部を誇る日本最大のエロ漫画雑誌編集部で勤務することになった、ロリ顔の新米女性編集者が主役のドタバタコメディ。奇矯な人たちに振り回されつつも、彼女は成長していく、というよりも慣れていく。有馬(ピーッ)太郎のスッキリした絵が非常にかわいくてそれだけでもうかなりの魅力。さらにコメディとしても楽しい。エロ漫画業界に深く突っ込むというわけではないけど、さりげなくヤバそうなネタとかいっぱい混じっているようで面白く読んじゃいました。

【単行本】「おさんぽ大王」4巻 須藤真澄 エンターブレイン A5
 今回はネパールにいったり、うえけんとカラオケ対決したり。須藤真澄といえばやはりファンタジー、という観念にとらわれなければ日記漫画としてはけっこう楽しめる。ファンタジーの才能を惜しむ人は多いと思うけど、ああいうのって描けるときと描けないときがあるもんだからねえ。


8/14(月)……パーシャルアーツ

 このところ毎日ビールを飲んでいるのでありますが、あのいわゆるパーシャル庫って奴にしばらくぶっこんでギンギンに冷やしとくとなかなかいい感じであります。冷凍室だとちょいと凍ってドロドロしちゃうし、冷蔵庫ではフツーにしか冷えないのだけど、0度近辺であるパーシャルだと塩梅良く気合いの入った冷え方をいたすのであります。ツウな人々からは白眼視されそうではあるんだけど、うまいからいいんでーす。

【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社 B5平
 巻頭カラーで中原アヤの新連載「ノンストップ・ラブ・ファイト!HANADA」がスタート。ちょっぴり田舎の学校に転向してきた、お高めな雰囲気のおぜうさま・花田さん。この学校でステキな彼氏を見つけるべく虎視眈々としている彼女の前に、二人のイケ男子登場。一人はスタンダートな美少年で女に手の早い渡部。もう一人は奔放で口は悪いけどいい奴な柏木。この三人が、いろいろドタバタ、ラブな騒動を繰り広げるといったお話。中原アヤのスッキリした絵は瑞々しい魅力があってなかなか好き。というわけで今回の連載も楽しめそうな気配。いくえみ綾「ハニバニ!」。なかなか盛り上がっている。自分の好きな男の子、椿をとるか、椿の身体に乗り移っている宇宙人・心サマをとるか、ヒロインちよの心は揺れる。今回のクライマックスシーンは、ページの使い方、リズムが巧みでとても良かった。単行本1巻くらいの分量でちょうどまとまりそう。
 そして今号の目玉は、中学生バンド少女グループ「Whiteberry」のデビュー秘話的なお話であるハルマチコ「キャンディPOP'n ROLL!!」である。いやあもうとにかくイタイ。「持ち歌があまりないのでっっ大好きなジュディマリの歌もやりたいと思います!」ってな感じでライブやってるのに、最後のほうでは「だってうちらプロだから」といい放つ度胸の良さがたまらんです。ポップにやろうとしてハズしまくった雰囲気の絵にもビリビリしびれるものあり。がんばれWhiteberryー。

【雑誌】まんがタイムジャンボ 9月号 芳文社 B5平
 あ、しまった。今回はこうの史代が描いてない……。いつもは確かめて買ってるんだけど、最近ずっと載ってたので油断してしまった。単行本が出たばかりだから、もっと警戒すべきだった。で、そうなると新人さん起用的雑誌であるこの雑誌はいまいち特筆すべき目玉がない。秦泉寺こまき「水に映る月」の柔らかなタッチが気になるかな、といった程度。

【単行本】「コヨーテ」 平野耕太 フランス書院 A5
 再版されたらしく、近所の書店にあったのでゲット。ナチスドイツ的な帝国に反逆するレジスタンスの青年たちを描いた戦記物。といっても戦争の全貌自体が描かれるのではないので、戦記というよりは戦争が行われている時代に生きた奴らの青春グラフィティといったほうが近い。パースがきいた人物の描き方はこのころからカッコよく、お話自体もけっこう爽やかで面白く読める。エロ漫画方面の場合、ストーリーものをやろうとして若気の至りも手伝って非常に貧弱な作品を描いてしまう人はけっこう多いが、この作品の場合はキャラクターも生きているしけっこう読める。とはいえ、傑作かといわれるとそれほどではない。戦争モノとしてのディティールがいまいち足りないし、物語をぐいぐい呈示していく力も足りていない。でもこういったところから現在の平野耕太は出てきたんだなあと思うと、とても納得のできる作品ではある。やっぱりキャラクターを立てる力はこのころからありますな。プレミアバリバリの馬鹿高い値段を出して買うほどじゃないが、正規の定価で手に入るのであれば一読してみる価値はあるといったところ。

【画集】「新世紀SM画報」 丸尾末廣 朝日ソノラマ A4
 たいへん美麗な画集。3800円と、お値段は非常に高いけれども、発行部数、装丁などから総合して考えるとしかたないところか。この規模の出版社だと、この値段でも下手すりゃ赤字なんではと思う。内容的にはイラスト+漫画(「無神経かさねが渕」)がちょいと。丸尾末廣の、あの美しくて妖しい世界を堪能したい人はぜひ買いだ。個人的には漫画を読むほうが好きなので、画集ってあんまり(全然、といったほうが近いかもしらん)興味はないんだけど、やっぱり惹かれて買ってしまったしだい。


8/13(日)……千島クラフト交換条約

 昨日からいちおう夏休みをとっているんだけど、とくに外出するでもなく怠惰に暮らしております。あ、でも原稿書きはやらないとヤバいのでジョリジョリとこなし中。というわけで本日「A感アナリスト」以下5冊は、ジャンキーズ10月号用の追加分。25冊分は今日の夕方までにアップ済み。というわけで来月の担当分は計30冊であります。

【雑誌】漫画ホットミルク 9月号 コアマガジン B5平
 見本誌の到着が遅れたので今さらになってしまったけれど。
 ナヲコ「綺麗」。かー、うまいですなあ。大人っぽくてすごく綺麗な女の子、そして彼女に憧れる普通っぽくてまっすぐな女の子。この少女二人の心のゆらめきを、とても鮮やかに描写。女の子の造形がとてもよくできているだけでなく、お話もまたじんわり染みるものがある。みかん(R)「ゲエムDEポエム」。今回はCGコミックだが、この人の場合は白黒のコントラストの強さが魅力の一つなんで、そのあたりのピントがぼやけるCGはちと違和感あり。ただ、やはり絵は達者で魅力的なのは確か。単行本出してくだせえ。瓦敬助「菜々子さん的な日常」もいつもながらに良い。最近、瓦くんと菜々子さん接近中? 羨ましい。ほしのふうた「美樹ちゃん」。ああいいなあ、この人の作品は。少女たちが無邪気で楽しそうで。表情、ポーズ、アクション。いずれもイキイキしている。しかもH度も案外高かったりする。こちらも単行本が待たれる。タカハシマコ「猫と金魚」。8ページと短く、エロもあんまりないけど、可憐で美しい作画でとてもうまい。黒崎まいりも登場で、ぷちみるくとかでも活躍していた人たちが、順調に本誌のほうでも戦力になっている。ただ、変化球的な作家がわりと多いので、直球勝負の正統派エロで力強い人を自前で育てて柱にしていくこともこれからは必要かなとは思う。
 雑誌内雑誌、エロ漫画書評コーナー「コミックジャンキーズ」は今回ロリ漫画特集。インタビューは雑破業で、新刊単行本レビューは96冊。そのうち(しばた)担当分は25冊。

【アンソロジー】CRAFT vol.6 SUMMER 大洋図書 A5平
 多少ボーイズラブ風味な本。表紙には「ORIGINAL COMIC ANTHOLOGY」と銘打たれている。執筆陣は高屋未央、紺野けい子、夢花李、吉川博尉、紺野キタ、タカハシマコ、高松由尚、河井英杞。なかなか高品質な作品を描く人が揃っている。巻頭の河井英杞「バイバイママ」は、性交渉とかが入るわけではなく、男の二人のごく自然な呼吸の描き方がトキメキポイントと察する。一つドラマを盛り込み、自然な形で二人が抱き合う(抱き合うだけね)とこまで持っていく流れとか、とても美しくてうまい。紺野キタ「田園少年」。相変わらず端整ないい絵であります。同級生の女の子への恋を巡る、男子二人の友情話。キラキラとして暖かくていいですなあ。吉川博尉「幽閉者の王国」。コミティアなどで昔からおなじみだった人にはキイカというペンネームのほうが分かりやすいか。財布をスろうとした美少年を幽閉し手なづけようとする金持ちの男のお話。小道具である小鳥の使い方がうまい。そして吉川博尉の初単行本今秋発売予定というニュースはうれしい限り。あと、タカハシマコ「ローズハウス」。美少年と、これまた美少年の幽霊のロマンス。やたらときれいで完成度の高い絵柄で、お話も軽やか。相変わらずうまい。

【単行本】「DOLL」1巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5
 いや〜お見事。すごく面白い。人間そっくりに作られたロボット「DOLL」の周囲で織り成される人々のドラマを、一話完結で描いた物語。ときには金持ちだけど孤独だったお嬢さま育ちの老婆に長年仕えた召し使いとして、ときには他人へのコンプレックスから完全な美へと逃避しようとする神経質な男の恋人として、DOLLは物語に登場する。ただし物語はDOLLたちに偏ることなく、あくまでそれを使う(もしくは作る)人々のドラマとして進行する。悲しい物語も幸せな物語も、ヒネリを利かせて実に鮮やかに美しく仕上げていて感嘆する。ヴィジュアル系的な絵柄は、人によっては抵抗があるかもしれないけど、そんな理由で読まないのはたいへんにもったいない。ドラマ作りの巧妙さに思わずうなる。三原ミツカズ作品の中では、今のところ一番好きなシリーズ。

【単行本】「A感アナリスト」 にゃんこMIC 東京三世社 A5
 前半はアナル系のお話中心。ぷるぷるしていて、じゅくじゅくとした瑞々しさのある画風が特徴。むっちりしていてエロは充実している。ぱっちりおめめの美少女絵でヌクのが好きな方に。

【単行本】「法田恵お宝コミック」 法田恵 シュベール出版 B6
 いろいろな理由で、今までの単行本に収録されていなかった作品を集めた一冊。わりと古めの作品もまじっているようだが、現在の作品に通ずる魅力である滑らかな描線によるちょっとヌルめのラブ風味はこのころから十分にある。この人の描く女の子の恥じらいの表情や、柔らかな体の線はかなり好みだ。

【単行本】「ぶれいく▼ばぁ〜じん」 さだこーじ 竹書房 B6
 短編集だが、一話一話がそれぞれHとドラマをうまくからませた話に仕上がっていて、なかなかまとまっている。雑誌で読むと線が細いタイプに見えてしまいそうだが、まとめて読むとなかなか充実。

【単行本】「月光館戯曲」 やすいひろさと フランス書院 A5
 明るくてピチピチした絵柄なわりに、案外鬼畜系なお話が多い。ここらへんはもちっと暗さが出たほうがより淫靡だとは思うけど、絵柄は明るいほうがいい、でもエロはハードなのが読みたいという人にはいいかも。後半に収録の表題作全3話は、後書きで筆者自身が失敗と語っているとおりたしかにまとまりが悪いし、出来はいまいち。ただいろいろなことにチャレンジしようとした形跡は伺えるので、この作品を描いた経験が作者にとって財産となってくれればいいなあと思う。

【単行本】「おんなの街II」 石井隆 ワイズ出版 A5
 何をかいわんやな大御所。俺はあんまり石井隆の作品ってきっちり読んだことがないのだけど、こうして読んでみると面白いですな。人生に倦んではいつつもドライにならず感傷的で。そしてこの本では、石井隆の妻を亡くした後の悔恨の情が綴られた後書き、とくに「看病した八カ月間、私は思い知らされていた。私は名美を何ひとつ描けないでいた事を」というくだりが胸を打つ。


8/12(土)……空想加賀県人

 ネムキを買おうと、家の近くで唯一ネムキを取り扱っている、3階建てのスーパーにある本屋へ。本をレジに出してさあ金を払おうと思っていたところで、いきなり周囲が真っ暗に(非常用電源はいちおう点灯)。どうも全館のブレーカーがあがっちゃったみたいだった。休日の楽しいお買い物風景は一瞬にして修羅場になり、人々は暗闇にまぎれて野獣のような行いを……しないものですな案外。なんかエレベーターに閉じ込められた人もいたらしいのだが、エレベーター内で何が行われたか考えるともうワクワク……しません。あんまり。面白いので20分くらい見物していたが、冷房が止まって暑くなってきたし飽きたので、とりあえず本のお金を払ってとっとと店を後にする。なお、このお店自体は不況のせいか来週には閉店になってしまう。これからネムキを手に入れるのが面倒になるなあ。

 ところで掲示板#3199あたりで話が出ていたイカ足状でデッパのキャラクター、今月号のバーズの吉田戦車「スカートさん」、ビームの上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」にも出てたけど、実際コレなんなんすかねえ。うえけん漫画では名称「ゲソピン」になっていたが。

【雑誌】コミックビーム 9月号 エンターブレイン B5中
 桜玉吉休載もあってか、今回はいつもより若干落ち着いた印象。
 まずはなんといっても、須田真太郎「やさしい女は何処にいる」の最終回。最近ビームでは最も楽しみにしている作品の一つだったが、最後までちょっとホロっとさせるいいお話だった。冴えない男たちの意地を、明るく威勢よく、そして優しい視点で描いている。しみじみくるとてもいいお話。単行本にまとめてほしいなあ。ヒロモト森一の新連載「SEX★MACHINE」、生殖行為によるエネルギーを使って爆走するバイク人間と、その運転者である人々の物語。ヒロモト森一といえば、「要塞学園」が有名だが、荒々しくて力強い絵柄は健在。この作品の道具立ては以前、激漫でやっていた作品と同様だが、あちら掲載分も合わせて単行本化してほしいところ。志村貴子「敷居の住人」。キクチナナコが相変わらず煮詰まっているのを興味深く眺める。クオリティがコンスタントに高く、好調さをキープし続けている。
 作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」。万尊は、ライター仕事のため亡霊が出るというマンモス団地を取材しにいくことに。そこで起こる思いもよらぬできごと……という感じ。お話自体は次号に続くだが、ぞくっとするアヤシゲな雰囲気はなかなかなもの。この作品、全体的にはどういう方向にいくのかなあ。まだ予想がつかない。カネコアツシ「BAMBi」は久々の復活。映画のほうが一段落ついたってことかな。市橋俊介「テルオとマサル」。今回もマサルの行動は突飛でイカれておる。なんかやけに楽しそうな表情とかが実にナイスだ。金平守人「かねひらだもの」。最近かなり好き勝手に飛ばしている印象で面白くなっている。ギャグなんでネタバレしてもしょうがないのであんまり詳しいことはいえないが、ヤケッパチでスピード感のあるノリが良い感じ。

【雑誌】ネムキ 9月号 朝日ソノラマ A5平
 TONO「チキタ★GUGU」が絶品。いよいよ絆は強まっているのに、チキタは幼馴染みのハイカのため、デラルを殺すことを決意する。二人の結びつき、気持ちの切なさを見ていると、思わずホロッときてしまう。やさしいだけではないのだけれど、その「だけでない」部分さえも上回って包み込むだけのやさしさを感じる。諸星大二郎「栞と紙魚子」。今回も安定して面白い。飄々としてつかみどころのない不思議さがなんとも味わい深い。

【雑誌】コミックバーズ 9月号 ソニー・マガジンズ B5平
 古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」が再開。今回はピリトの地の結婚の風習を描く。ピリトの地での結婚の申し込みは、年に一度、誕生日の日だけに許される。ピピにもその日がやってこようとしており、彼女はカイを選ぶつもりなのだが……。この二人がどのようになっていくのかはまだ分からないけど、次の一手がすごく待ち遠しい。村上真紀「キミのうなじに乾杯!」が新連載。妖怪退治というかなんというかな、アクションコメディといった趣。作:柳田理科雄+画:カサハラテツロー「空想科学エジソン」。第2回め。けっこう面白くお話が進んでいるように思う。ミロはどうやって滝を登ろうとしているのか。続きが気になる。初登場、南京ぐれ子「ギリギリ!!」は、一度死んだけどマッドサイエンティストな同級生の眼鏡っ娘の手によってゾンビとして復活した少年の、ドタバタいっぱいの日々を描いた作品。わりとキャラクターはイキイキしてて、楽しい雰囲気に仕上がっている。

【雑誌】ヤングキング 9/4 No.17 少年画報社 B5中
 綾坂みつね「しあわせパック」が新連載。これから起きる事件を夢に見ちゃうという特殊能力の持ち主のねーちゃんが、上京して「正義の味方」をやらされるハメに、って感じのドタバタもの。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。すごくいい。この甘さ。焦らし加減。絶妙なヌルさ。女の子たちのかわいさ。くそー、トキめかせやがる。なんかもうたまらんですわ。有村しのぶ「チェリオ!」はハッピーに最終回。

【単行本】「first album」 みうらたけひろ ワニマガジン社 B6
 探偵一人、助手一人の春日探偵事務所の事件簿的作品がメイン。美少女漫画方面(快楽天星組)掲載作なので、もちろんエロだが、わりと大人っぽいな雰囲気が特徴。とくに助手の佐々木さんが捜査のために囮となり、いやらしいオヤジたちにいじりまわされるくだりがソソる。アダルトな感じが好みなのだが、お話的には正直なところちと弱いかなと思う。その「ソソる」と書いたお話にしても、事件の印象自体は薄い。絵だけでもそれなりに満足はできるのだけど、やはりもう少し読者を引き込むような物語性はほしい。


8/11(金)……シンセ液ブラ汁

 コミケが開催されているという風の噂がぶんぶん吹きすさんでいるけど、お盆前ということで雑誌もラッシュ。購入済未読分は以下。バーズなどはカバンが激重だったので購入は明日回し。丸尾末廣画集は判型がデッカくて頼もしいであります。A4と書いたけど、中身の紙がA4でハードカバーはそれより若干大きめ。やはりうまい絵はデッカい判型で見ないとね。

【雑誌】ヤングキング 9/4 No.17 少年画報社 B5中
【雑誌】CRAFT vol.6 SUMMER 大洋図書 A5平
【雑誌】コミックビーム 9月号 エンターブレイン B5中
【雑誌】別冊マーガレット 9月号 集英社 B5平
【単行本】「first album」 みうらたけひろ ワニマガジン社 B6
【単行本】「DOLL」1巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5
【画集】「新世紀SM画報」 丸尾末廣 朝日ソノラマ A4

【雑誌】エースネクスト 角川書店 B5平
 岩原裕二「クーデルカ」最終回。とりあえずまず、岩原裕二の絵はなめらかでダイナミックさがあって素晴らしかった。それが一番の魅力。ただ、お話はいまいち食い足りなかった。風呂敷は大きく広げていただけに、もう少し深いとこまで突っ込んでっても良かったと思う。不死者のロジャー・ベーコンなど、バックボーンがデカそうなキャラクターもいただけにもっとイジってほしかった。

【雑誌】ヤングジャンプ 集英社 B5中
 きたがわ翔「瓶詰の地獄」。六畳一間くらいの大きさの絶海の孤島で、一人ぼっちで生きている少年の物語。その島には木がたった一本だけあって、お腹が空くころに毎日実をつける。とりあえず生きてはいけるがそれだけの退屈な場所。そんな彼が地面を掘り返してみたところ、一つのカバンを発見。その中には瓶とノートとサインペンが。このカバンも不思議な物件で、開けるたびに新しいノート、サインペンが出てくるようになっている。そして彼は、誰に宛てるともなしに自分の境遇をつづった文章を書きつけ、瓶に入れて海に流していくという行為を始めるが……。途中までは不思議な雰囲気のおかげもあり、面白く読める。ただ、ラストに関しては説明しすぎではなはだ野暮に感じた。ここはもう少し、暗示程度にしてぼやかしても良かったんじゃなかろうか。途中まで良かっただけにもったいない。山本夜羽「新世紀無頼伝 侠子エクスプロージョン」が掲載。ヤンジャンには初登場らしい。お話としては、剣を握ると人格が変わる眼鏡っ娘がヒロインの仕置き人モノといった感じ。色気もそれなりにあって、エンターテインメントに徹しているなという印象。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 9月増刊号 小学館 B5中
 花輪和一は今号から「和一恐怖大事典」に。今回は地震で避難勧告が出た村で、人々に見つからないよう縁の下に隠れ、時折外に出てはツチノコをさがしている親子の物語。花輪先生の描くキャラクターは、やはりたいへんにええ顔しとります。ぞわぞわとする怪奇風味あふれるラストも良い。なお、「和一怪奇おかし話」は今秋発売になるそうだ。やたっ。特別描き下ろし「日本未来話」も収録されるらしい。うれしい。

【雑誌】ヤングアニマル 白泉社 B5中
 作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」の新章がスタートした。今回もいつものごとく、オパーイがぼいーん。あざといサービスぶりが際立つ。三浦建太郎「ベルセルク」。キャスカ救出を巡って、ギチギチとテンションが上がっている。黒くてざわざわしたもの描かせると本当に迫力があるなあ。宇仁田ゆみ「うさぎ」。読切。今回はいまいちかなあ。ラストがちと頼りなくて据わりが悪く感じた。ちなみに10月27日に単行本「楽楽」が出るようだ。こちらはとても楽しみだ。

【雑誌】ビジネスジャンプ 9/1 No.18 集英社 B5中
 作:真崎慎&エンタテイメントブレインズ+画:七瀬あゆむの新連載「ZIG-ZAG」がスタート。元不良の仮契約社員のにーちゃんの奮戦記といった感じのお話。「サラリーマン金太郎」?とか思った人間は一人俺だけではあるまい。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」、なんだかもう最近では「萬田さんのフェラチオシーンはいつ挿入されるのだろうか」とワクワクしている自分がいるのに気づく。別にアレをエロいとは思わないんだけど。ちなみに今回はそういう観点からいうと肩透かしでありました。

【単行本】「無頼伝 涯」2巻 福本伸行 講談社 新書判
 この作品は好きだ。主人公の少年・涯のハードな人生観がビシビシと迫ってくる。窓に向かって一人、拳の打ち込みをしているあたりはなかなかヘンな奴だが、ヌルい環境に甘えている同級生たちを「ゼロども」と切り捨てるあたりは実にクール。涯の思考自体は、無頼に見えてかなり健全。いつもいうようだけど、少年たちの教育にとても良さそうだ。このくらいのクールさを仕込んでおいたほうが、何かと強く生きられると思う。

【単行本】「西遊記」3巻 藤原カムイ NHK出版 A5
 3巻がようやく出た。そして三蔵、沙悟浄、猪悟能も出てきて、まだパーティは組み終わってないものの役者がそろそろ揃いつつある。それにしても本当にじっくり描いてて読みごたえがある。3巻使ってもまだ三蔵法師一行が結成されてないというのは、「西遊記」ものとしては異例のスローペースともいえる。これまでの巻同様、この巻も全編オールカラーCGコミックで美しい。悟空の奔放なキャラクターも生きている。


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