◆ 2000年10月下旬 ◆

10/21〜31
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10/31(火)……高速道路で背泳ぎ

 月極アンケート10月分「買わないけれど大好きだ」が終了。結果についてはいろんな捉え方があると思うのだけど、名前が挙がってしまった作品の作者の方がもし見ていらっしゃるようなことがあったら「俺の単行本は売れない」というよりも、「単行本の売れ行き以上に自分の作品を好きな人がいる」といった感じでポジティブに捉えていただけるといいのでは、と思う。単行本単位では評価されることは少なくとも読まれている作品というのは確かにあるのだから。
 また「潜在的に読者はいるのにその数に比して売れない作品」というのはどういうものかという傾向はある程度見えてくるかも。一番分かりやすいのは「長い」というものでありましょう。こういう作品は途中でタイトル変えて仕切り直しするとか、連載終了時にボックスセットでまとめ買いしやすい形式にするとか(Webなどを利用した通信販売を併用するとけっこうイケると思う)、売り出し方を工夫していけばもっと売れるんだろうな、と常々思っていたりはする。

 11月のアンケートのテーマは単純明解、「笑ヘル漫画」で行きまーす。「アンケートをとってほしいテーマ」にも票が入ってるし。なんとなく安直なテーマに見えるかもしれないけど、いちおうまだネタ切れで困ったりはしてない……つもり。温存してるテーマもいくつかあるし。

 11月の購入本はこんなものをリストアップ。とりあえず「菜々子さん的な日常」が出るのがすごくうれしー。なかなか出ないだろうと思ってたんで。あとは、紺野キタ、駕籠真太郎、福島聡、漆原友紀ってとこかなー。町田ひらくの新刊タイトルはたぶん「11.1」。雑誌も含めての購入予定は購入スケジュールCGIのほうを見てくださいな。

タイトル作者出版社
11月内「山本直樹短編集(仮題)」山本直樹太田出版
1「A・LI・CE」1巻作:吉本昌弘+画:木崎ひろすけ角川書店
4「菜々子さん的な日常」瓦敬助コアマガジン
4「G街奇譚」田沼雄一郎コアマガジン
4「殺し屋イチ」8巻山本英夫小学館
4「球魂」10巻岩田やすてる小学館
4「ブラブラバンバン」5巻柏木ハルコ小学館
4「度胸星」3巻山田芳裕小学館
6「おやすみなさい。」4巻小田原ドラゴン講談社
6「賭博破戒録カイジ」1巻福本伸行講談社
6「ぷちぷちラビィ」1巻天野明講談社
7増刊ヤングチャンピオン秋田書店
8「水の誘惑」4巻氷室芹夏ワニマガジン社
8「ほたる」三部敬ワニマガジン社
9「コリドラー」2巻サガノヘルマー講談社
10アフタヌーンシーズン増刊 No.5 Autumn講談社
11「軍鶏」10巻作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫双葉社
12コミティア(@東京ビッグサイト)
12コミック萌絵 Vol.4松文館
15MANGA EROTICS 2000年冬号 Vol.6太田出版
「ひみつのドミトリー」1巻紺野キタポプラ社
「喜劇駅前花嫁」駕籠真太郎太田出版
17「神々の山嶺」1巻作:夢枕獏+画:谷口ジロー講談社
17「アガルタ」5巻松本嵩春講談社
17「千億の蟲」2巻六田登講談社
17ビッグコミック増刊号小学館
18「からくりサーカス」15巻藤田和日郎小学館
22「バトル・ロワイアル」1〜2巻作:高見広春+画:田口雅之秋田書店
22「DAY DREAM BELIEVER」全2巻福島聡講談社
22「なるたる」6巻鬼頭莫宏講談社
22「蟲師」1巻漆原友紀講談社
22「ディスコミュニケーション精霊編」3巻植芝理一講談社
22「カスミ伝Δ」唐沢なをき講談社
22「パラノイアストリート」1巻駕籠真太郎メディアファクトリー
22「串やきP」1巻SABEメディアファクトリー
22別冊ヤングジャンプ VOL.11集英社
24「ブザー、シグナルゴーホーム」志村志保子講談社
24別冊YOUNG YOU 12/30集英社
25「弥次喜多 in DEEP」4巻しりあがり寿エンターブレイン
27「ももいろさんご」1巻花見沢Q太郎少年画報社
27「うさぎちゃんでCue!!」2巻佐野タカシ少年画報社
28「としうえの魔女たち」むつきつとむシュベール出版
28「おさなづま」6巻作:森高夕次+画:あきやまひでき双葉社
28「キラリが捕るッ」1巻高橋のぼる双葉社
28「CURA」3巻六田登双葉社
28「外道ハンターX」G.B小野寺雄出版
29「段ボール低国の天使たち」東陽片岡実業之日本社
29Bstreet Vol.3ソニー・マガジンズ
30「SS」2巻東本昌平小学館
30「犬・犬・犬」2巻作:花村萬月+画:さそうあきら小学館
30「奈緒子」28巻作:坂田信弘+画:中原裕小学館
30「昴」3巻曽田正人小学館
30「かえで」進満晴明ヒット出版社
題名未定町田ひらく一水社
「ミルフィーユ」古泉智浩青林工藝舎
「アイコ十六歳(仮)」駕籠真太郎青林堂
「業」かるま龍狼二見書房
エクストラビージャン集英社

【雑誌】漫画アクション 11/14 No.46 双葉社 B5中
 うーん、なんかけっこうヘンに面白かったりするぞ、エロアクション。
 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。たしかにこの助教授も変かもしれないが、ヒロインの菜々美はもっと変な人だと思う。「みんなちゃんとついてきてるのか連載」と銘打たれている山本よし文「オッパイファンド」。俺はついてきますぜっ。まずはオッパイ株の仕組みが説明されてたりするんだけど、なんかオッパイの権利を1000株に分けたりするらしい。かなりそれは細かくありませんか。そしてさらに新しい金融商品のプランが。ゴゴーン。すごいぞこのノリ。オッパイ、おけつときたら次はもう。かなり笑った。国友やすゆき「幸せの時間」。ベタベタぶりは今回も素晴らしい。チープでクドくて脂っこい。最終ページの欄外の文句にも衝撃を受けた。「そして崩壊が…始まる……!!」。まだ崩壊してなかったんですか! そりゃびっくりだ。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。デッドボールで傷んだキラリのおけつに、ファンド、いやコールドスプレーを吹きかける外人さんのノリがやけにハイテンションで楽しいぞ。

【雑誌】アワーズガール 12月号 少年画報社 B5中
 新創刊。少女コミック誌とうたっているけれども、B5中とじという青年誌によくあるタイプの装丁からも伺えるとおりオトコノコでも読みやすくなっている。似たようなところを狙った雑誌としてはステンシルがあるけれど、あちらはどちらかというとむしろオトコノコ向けな感じがする。アワーズガールはよりオトコノコでもオンナノコでも読みやすそう。性別による好き嫌いよりも、むしろ対象年齢層のほうが問題かな。少年少女というよりも、成年男子女子が少年少女時代を想いつつ読むという感じかもしらん。
 創刊号の執筆陣は、おがきちか、川原由美子、犬上すくね、逆柱いみり、篠原鳥童、芳崎せいむ、有元美保、佐々木久美子、今市子、波津彬子、伊藤潤二、小石川ふに、大沢美月、黒田硫黄。全体にトンガリすぎず丸まりすぎず、まとまりのいい誌面となっていて面白く読めた。
 まず巻頭カラーはおがきちか「先生のラブ時計」。おかっぱ頭の眼鏡娘がなかなか良い感じで、ほのかな青春ラブ風味がゆるやかな空気の中でいい味付けになっている。それから犬上すくね「おくびにもだせない」。柔らかい絵柄はいつも通りなんだけど、それだけでなく、タイトルでまずなんだろうと思わせ、さらに「同じクラスのとある男子以外の事物が、実際に視覚的によく見えない状態になった少女」という一見とっぴな設定で読者をぐぐっと引き込んでくる。ここらへん実にきちんと計算されているじゃありませんか。うまい。伊藤潤二「幻痛屋敷」。設定がなんともいいですなあ。痛いという感覚の受容部が自分の身体の外にまで拡張してしまった少年のお話で、彼の痛みを鎮めるために親や使用人たちは何もない空間をさすったりする。奇抜な発想を、きちんとお話としてまとめあげられるってあたりはお見事。こういう設定って好き。
 逆柱いみり「ハイウェイがのびてくる」。ああ気持ちいいなあ。大げさな描写じゃないんだけど、道の湾曲がぐううーんと迫ってくるようで。普通の絵や写真はどこか一点にピントが合っていてそのほかの事物はぼやかしたり抜いた描写にしたりすることが多いのだが、逆柱いみりの場合、画面のすべてのものにピントが合っていて、それがとても不思議な感覚を読む者に与えてくれる。何気ない描写がすごく気持ちいいんだよね。何気なくても気持ちいいといえば黒田硫黄「年の離れた男」も同様。キャラクターのちょっとした表情や、どこにでもあるような物体の描写で、独自の味を出している。とくになんでもないものでも良く見せられるのだから、これは強い。

【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.14 ビブロス B5中
 やっと入手できた。絵のきれいな人が多いし装丁も美しくて、眺めてるだけでもけっこう楽しめる雑誌。
 まずは氏家もく「思い出に変わる時」。ロリ系で線が美しくて達者。子供らしく女の子の顔が平坦なとこがいいですな。それからあるまじろう「Love Letter」。絵がうまいだけでなく、これは話も良い。高校の映画研究会を舞台としたお話……といっただけで青春ゴコロが刺激されてしまう人も多かろう。俺もそう……いや、ほかの人がどうか知らないので俺「が」そうなのだといっておこう。爽やかで後味のいい恋愛物語に仕上がっていてかなりいい出来。Hシーンはちょっと取って付けたみたいではあるんだけど。おかのはじめ「Second Truth」。恋人たちのアツアツな物語。甘くて幸せでいいですなあ。それから篠房六郎「名探偵ドイル」。やたらうまい絵でヤケクソなギャグ。今回はギャグがけっこうツボにハマっていて良いと思う。とくにダイイングメッセージの奴が。

【単行本】「超・学校法人スタア學園」20巻 すぎむらしんいち 講談社 B6
 なんか立ち寄る書店に案外置いてなくて、ついつい買いそびれていたのだがようやく入手。今回はハリウッド映画出演を目指すオーディションのところが終わって、榊原絵理香再登場。ごろんごろんとお話が転がっていって楽しいなあ。見せ場見せ場をしっかり構築しながら、あくまでギャグ風味でサクサク進めていっちゃう呼吸はまったく見事。

【単行本】「聖」3巻 山本おさむ 小学館 B6
 夭逝した棋士、村山聖の生き様を描く作品。病を背負い命を賭けて将棋に挑む村山の姿を見ていると、ぐっと力が入る。汗をぼたぼた落とし、歯を食いしばって刻む一手一手は将棋をよく知らない者にも執念の重みを感じさせる。実際の村山聖についてそんなによく知ってるわけではないけど、その人生を語るのに、山本おさむの作風はすごく似つかわしいものであるように感じる。

【単行本】「黄金のラフ」2巻 なかいま強 小学館 B6
 ショットはすごいが馬鹿、スイング理論はすごいけれどもガタイなし、コースを読む力は抜群だけど度胸がない。そんな落ちこぼれゴルファー3人がチームを組んでのし上がっていかんとする……というゴルフ漫画。なかいま強の作品はテンポが良くて、肩が凝らずにサクサク読めるし、コメディとしてもよくできててかなり好きだが、その魅力はこの作品でも十分に発揮されていて手堅く読ませる。できればもう少し個々のキャラが強烈になってくれるといいかなあとは思うんだけど。

【単行本】「海鶴」2巻 森秀樹 小学館 B6
 三島水軍の長の娘、鶴の活躍を描く水軍戦国絵巻。この作品で森秀樹はけっこう女性の魅力を描くことに注力している。骨太な絵柄と物語作りはさすが森秀樹って感じで、鶴の魅力もあいまってぐんぐん読ませる。ちょーっと展開急ぎ気味かなあという感じもするんだけど、ガッチリしててかつしなやかで面白いことは確か。


10/30(月)……メソポタミア模型の仕事

 う、アワーズガール買うのを忘れてた。でも本日も雑誌7冊。それからまだ読んでないけど、以下のような単行本を購入。今日も雑誌を7冊読んでるんだけど、買うペースになかなか追いつかないよう。

【単行本】「聖」3巻 山本おさむ 小学館 B6
【単行本】「黄金のラフ」2巻 なかいま強 小学館 B6
【単行本】「海鶴」2巻 森秀樹 小学館 B6
【単行本】「月下の棋士」30巻 能條純一 小学館 B6
【単行本】「青空」7巻 原秀則 小学館 B6

【雑誌】別冊ヤングサンデー 11/30 No.6 小学館 B5中
 松浦聡彦「部長G」。夢を持っておもちゃメーカーに就職した女子新入社員だったが、上司がどうしても彼女にはゴリラにしか見えない……といったところから始まるドタバタコメディ。破綻なくきっちりドラマをまとめ上げてくる手際はさすがといったところ。それから山口かつみ「豪速球レクイエム」前編。この人には珍しく野球漫画で、戦前にほとんど活躍できないまま世を去った豪速球投手の魂が、その子孫であるプロ野球チームの選手に宿り……といったお話。けっこううまい人だけにそれなりに読ます。山田たけひこ「Heart Walker」。カウンセラーをやっている女性のお話なのだが、サブタイトルが素晴らしいね。「麻衣子、93cm」。そうですかー。この人の、なんかどうも野暮ったい絵柄、それなのにリビドーに忠実にエロシーンをビシバシ入れてくる作風は毎度奇妙な味わいがあってけっこう好きだ。阿部潤はいつもの「プチ」のほかに「フルーツ神風きなこちゃん」が掲載。なんか日本を勘違いしまくりなピチピチ帰国ギャルのお話さ。

【雑誌】MANGA F 12月号 太田出版 B5平
 卯月妙子の新連載「新家族計画」がスタート。今回は実録じゃないのかな。わりとソレに近めではあるけど。絵柄においてはラフさが持ち味になっているのは「実録企画モノ」と変わらないけど、だいぶ線がへろへろではなくなってきているような。ぶっこわれているけどあっけらかんと明るい家族模様が楽しい作品という感じ。砂「ポストイディプス」。扉ページの構図がかっこいいですな。見開きをしっかり意識していて。なんかすごくいろいろやってきてくれそうな予感が漂っていて楽しみ。今回は物語的には次の展開に向けた仕込み段階って感じかな。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 12月号 少年画報社 B5中
 平野耕太「ヘルシング」が掲載。アーカード強し。今回も派手でカッチョイイ。アクションなどがズバッズバッと歯切れが良く、気持ちいい〜。ところで吸血鬼ってここでも述べられているように、強いところと弱いところが非常にハッキリ決められている種族だ。「吸血鬼」と決めた時点で自動的にさまざまな属性がそのキャラに付与されるため、いちいち細かな設定を説明する必要がないし、その属性をちょっとずつイジってやればちょっと気の利いた作家なら物語を作るのも容易であろう。そんな扱いやすさが、漫画などに登場しやすい要因かなーと思ったりする。関係ないけど、弱点と対になる「強」側の言葉ってなんなんすかね。「強点」じゃないよな。宇河弘樹「朝霧の巫女」。女の子がかわいいですな。線がシンプルでまとまりが良くて。やはりメイドの次は巫女か。ちょっとだけ。

【雑誌】GOTTA 12月号 小学館 B5平
 作:高橋克彦+画:原哲夫「阿弖流為II世」が残念、最終回。かなりハチャメチャで豪快痛快、面白かったんだけどなあ。今回は東京都知事の岩原さんがいい味出しまくり。しゃべり方とかもいいんだな、これが。橋口たかしの熱血美容師モノ「シザーズ」。盛り上がっていてなかなか面白い。絵もうまくて女の子がかわいくきれいに描けているし。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/13 No.48 集英社 B5平
 河下水希「りりむキッス」が本格連載化。体力自慢の男子高校生が拾ったペンダントから、りりむという名の美少女が出現。実は彼女はキッスで男の生気を吸い取る夢魔だったのでーす。というお話。「桃栗みかん似」の絵で、かなりトロトロに煮詰まった作風。華やかでサービスも仰山ありそうな感じで良いアクセントになってくれるのではないでしょうかっ!!

【雑誌】ヤングマガジン 11/13 No.48 講談社 B5中
 チーっす。CLAMP「ちょびっツ」は今回も好調。っていうかもう何もしなくともちぃはかわいいわけだから、その時点でかなり勝っちゃってるんだよね。阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。暴走族編終了だけど、今回はまたワンダフルな締めくくりですな。牡牛は月を飛び越えたか。すぎむらしんいち「超・学校法人スタア學園」は今回で最終回。なんだけど、まだ終わってなくて次々号に特別編が掲載される模様。それがホントのラストかなー。ずっと続いてもいい漫画だったと思うけど、いったん終わらしてまた新しい漫画を描いてくれるのも楽しみではある。まあときどき読切とかで復活するとかいう手もありそうな。
 蓮古田二郎「しあわせ団地」がまた掲載。相変わらず夫婦ともに情けなくてええ感じ。夫のほうはしあわせの国の住人って感じなので、より情けない思いをしてるのは妻のほうであろうな。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。ああ、カイジ。いい感じに意志が弱いなー。欲望の海に、ダイブですよ。夏元雅人「BANDOW」は2号連続掲載。元殺し屋で今は役者に転職した男バンドー。彼に殺し屋としてのアクションの演技指導を受けている女優が、バンドーがらみの事件に巻き込まれ……という感じのハードボイルドなアクション漫画。しっかり絵できちんと描き込んでいて、けっこう読ませる。というわけで後編に期待。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/13 No.48 小学館 B5中
 江川達也「東京大学物語」。なんかいろいろあったけど、村上たちは人間的にけっこうビッグになってませんかね。吹っ切れっぷりがなんだか気持ちいい。細野不二彦「ギャラリーフェイク」。今回はイラク、メソポタミア方面を舞台に3号連続。今回は殺人事件の真相を暴くって感じのミステリ仕立てにもなっているようだ。道具立てからしてさすがにこの人はソツがない。オリエントでかつミステリっつーと、アガサ・クリスティの得意分野でもありますな。


10/29(日)……俺のウマイボール

 今、うちの職場では誰が食べてもOKなお茶菓子を常備しているのだが、ソレ用にインターネットを駆使してうまい棒を大量購入してみた。うまい棒は安いうえ(1本10円)、一本一本袋詰めされているので、多人数で適当にとっていって食べるのには便利なのだ。ちなみにインターネット上でうまい棒を買えるサイトはこちら。1000本一気買いとかも考えてみたのだが、とりあえずうまい棒まとめ買いは初心者なので最初は控えめに、1セット30本の奴を4セット、120本程度に留めておく。ちなみにうまい棒関連ではこちらのページ、「うまい棒同盟」を強くオススメ。

【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中
 巻頭カラーでOKAMA「ろか [Filter]」が掲載。カラー4Pのみだが、やっぱりこの人、やたらとうまい。陽気婢「内向エロス」。あら、続きモノかと思ってたらそうじゃなかったのかな? この人のエロは、薄い胸板、なよっとした胴体なんかがしなやかでソソる。三浦靖冬「とおくしづかなうみのいろ」。3号連続で今回でおしまい。白黒のコントラストの利いた細かなタッチで悲しいお話を美しく描き上げた。クオリティの高い作品を描ける人なので、今後もどんどん登場してほしい。エロなしでも勝負できそう。あとは初登場のB.たろう「ZODIAC LOVERS」がほわほわした絵柄で完成したかわいさ。お人形さんのようで、セックスしててもただただ愛くるしい。

【雑誌】ラッツ 12月号 司書房 B5中
 BENNY'S「桃色西遊記」。今回は巻頭カラーに進出。ちょっと一つひとつのエロのページ数は少なめだけど、柔らかそうな女体はかなりえっちい。そのほかでは加藤茶吉「教えてエロい人!」。この人のコミカルな作風はけっこう味があって楽しい。

【雑誌】阿ウン 12月号 ヒット出版社 B5平
 ウンはホントは「口」へんに「云」。
 甘夏真琴「ストレンジ・チェリー」。ああやっぱうまいな、この人は。快感を共有してしまう体質の持ち主である双子姉妹のお話。華やかでライトな少女漫画テイストのある絵柄ながら、充実したエロシーンも描けるようになってきているし。瑞々しさと柔らかさを共に持っていて、安定感もある。阿ウン新人漫画大賞受賞作品が2本掲載。両方ともなかなかよくできている。まず「西遊記」エロパロもののジャム王子「BAD SLAMMERS」は、水気のある濃い目の描線で、エロがじゅくじゅく。淫乱で男食いまくりな三蔵とかのキャラも立ってるし、これは即戦力となれるでありましょう。それからもう一方の大井はに丸「LEAD」も良し。ラブコメ風味がそれなりにあって、エロシーンにもボリューム感がけっこうある。キャラクター的にはジャム王子のほうがだいぶ強いけれども、大井はに丸もわりとどの雑誌でも活躍できそうな汎用性があるし、両方ともいい感じな新人さんだ。

【雑誌】コミックきみとぼく 2000年秋号 VOLUME02 ソニー・マガジンズ B5平
 休刊前に比べるといまいちパッとしない感じなのだが、今回は休刊前にレギュラーであった藤枝とおるの読切「天国薫々」が掲載。主人公ナツキは昔はじいちゃん子だったが、今ではスッカリ生意気に。さみしい思いのじいちゃんだったが、そのもとに今は亡き天国のばあちゃんが現れ、つけると若返る香水をもたらす。そんでもって若返ったじいちゃんは、少女とみまごうほどの美少年となる。その格好のままナツキの学校に現れたじいちゃんは、その美貌で学校にパニックを巻き起こしてしまう……といった感じのお話。完成された描線で、申し分なくうまい人で、今回のお話もコメディとしてきれいにまとまっている。それから今号では、松本花子「日陰者の恋」が良かった。昔からお互い好き合っていたダメ兄妹のお話。かつては妹の誕生日に兄がアリス服を贈ったり、逆に兄の誕生日には妹がスクール水着を着て見せるといった、どうしようもないアツアツぶりを展開していた二人だったのだが、今はその間にもう一人、兄を狙う美少年が登場する。軽くていい感じに楽しい作品である。

【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平
 いくえみ綾の新連載がスタート。タイトルは「朝がくる度」。ちょいとかわいい顔した大学生男子・早島啓久の生活。今回、啓久は実家に帰ったりとかしているけど、お話の本筋になってくるのは今回のラストで示されたちょっとピンチげな事項なのかな。まだどういう方向に持っていくのか分からないけれども、達者な絵、話作りで今後面白くなりそうで大いに期待させてくれる。小沢真理「ニコニコ日記」。いい調子ですな。上品でかわいく優しい絵柄がナイスだし、それから物語も動き始めている。佐野未央子「君のいない楽園」も、主人公の少女・十萌がイキイキと可愛らしくていい漫画。なんとなく恋の芽生えっぽい展開もしててトキメキありだし。そのだつくし「HIGH&LOW」。才色兼備のデキるOL。完璧な彼女なのだけど、実はみっともないほどの高所恐怖症という弱点を抱えていたのでした……といった感じで始まるドタバタラブコメディ。この人の作品はカラッと明るく勢いがあって楽しい。

【単行本】「おんなのこのなかみ」 御形屋はるか オークラ出版 A5
 わりと初期の作品が中心となった単行本。この人のいいところは、おんなのこたちの描写がとろけるように甘やかでやわらかいところ。素直にかわいく、かつむっちりしているのだ。楽しいムードでトロトロと甘い作品を描いてくる。今回の収録作品では「無敵のビーナス」あたりがよろしい。交通事故に遭った恋人の脳をぬいぐるみのパンダに移し替え、いつか人間の身体を買うことを目標に頑張るチャイナ服娘のお話で、ラブ風味はもちろんのこと、ぬいぐるみからニョキーリと生えたちんちんのアンバランスさとかが面白い。

【単行本】「A・LI・CE」1巻 作:吉本昌弘+画:木崎ひろすけ 角川書店 B6
 「少女・ネム」などの木崎ひろすけ、ひっさびさの単行本。今回のお話は、謎の軍隊的な組織に、一人の少女「アリス」が追われているところから始まる。連載時は一回ごとの掲載ページが少なかったこともあり、いまいち話が見えなかったのだが、単行本でまとめ読みするとなるほどそういう話だったのかという感じ。アリスとは要するに、舞台となっている未来世界の政府の母体となった組織の生みの親であるわけだが、その政府を揺るがそうとする組織が少女のころのアリスを時空間転移により未来世界に呼び寄せ、「この娘を殺せば現在のこの世界も崩壊するぞ」といった感じでクーデターの切り札として利用することを画策する、ってな感じのようだ。いやあ、それにしても相変わらず絵がうんまい。ハイクオリティさにうならされる。トーンを使わず描き込むペンタッチの美しさは健在で、見ていて惚れ惚れしてしまう。願わくばきちんと最後まで描き通していただきたい。

【単行本】「楽楽」 宇仁田ゆみ 白泉社 B6
 ヤングアニマルで活躍する新鋭・宇仁田ゆみの初単行本。青臭さ漂う青春恋愛模様をスッキリしたスタイルで描く短編が中心。甘くて瑞々しくてとてもフレッシュ。漫画としてはまだまだ精進すべきところも実はけっこうあると思う。ラストの締め方とかもう一工夫ほしいものとか、お話的に食い足りないものもあったりして。でも、それにひとまず目をつぶってがんがん描いてほしいと思わせるものは持っていて、当たったときはかなりいい作品を描いてくる。なんつっても読後感が爽やかでいいっす。


10/28(土)……雨の日はいつもレイプ

 オーレ! 小雨降る絶好のレイプ日和。スズキトモユさんに清涼院流水「カーニバル」シリーズ3部作をお貸出するために、僕らは池袋に集まったのだ。そしていっそのこと、新田五郎さん、それから志賀彰さんともご一緒したいという強い欲望のもと、彼らをお呼び立てして例のごとく呑みに行ったりしてみた。新田さんと呑むのは今回が初めてだったんだけど、やはりとても面白い人だった。今回みっちり話し込めてとてもうれしかった。
 その後、志賀彰さんが日曜日に池袋で開催されるコミック・レヴォリューションに参加されるとのことで朝まで時間をつぶすことになったので、俺もご一緒する。「今日は友達の家に泊まるっていってきたの」。そんなことは別にいわなかったが、朝まで呑んだりして過ごす。その途中、酔っ払って気が大きくなっていた俺は、江古田在住の漫画家さんであるジグラット水野さん(仮名)を午前1時だというのにお呼び立てするという暴挙に出る。その後、レヴォに向かうソレっぽい人たちの群を江古田在住の漫画家さんアズナブル・シャア山さん(仮名)と一緒に驚嘆の目で眺めながら、池袋を後にしたのでありました。

 そんなわけで今日は漫画は読んでませーん。最近むちゃくちゃ買うものが多いので、どんどん未読がたまっているんだけど、今日も以下のようなものが追加された。

【単行本】「おんなのこのなかみ」 御形屋はるか オークラ出版 A5
【単行本】「A・LI・CE」1巻 作:吉本昌弘+画:木崎ひろすけ 角川書店 B6
【単行本】「ざこ検マルチョウ」1巻 高田靖彦 小学館 B6
【単行本】「龍」26巻 村上もとか 小学館 B6
【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平
【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】ラッツ 12月号 司書房 B5中
【雑誌】阿口云(あうん) 12月号 ヒット出版社 B5平


10/27(金)……ミス茶坊主

 本日発売になったらしいコミック・ファン10号の見本誌が到着。今回は駕籠真太郎インタビュー6ページ、特集コラム2ページ、連載1ページ、単行本レビュー5本2.5ページと、なんだかいろいろ書いてます。駕籠真太郎インタビューはガロ編集部からもご指名いただいたのだけど、こちらのインタビュー日程と日が空いておらず、なおかつ内容がダブりまくりだったので単行本レビューのみとさせてもらったのだ。ちなみにその日程より何日かこちらのほうが早く行ったのだけど、ガロのほうが9月10日発売号掲載で、そっちのほうがだいぶ早かったのが残念なところ。インタビューは俺のほうが下手なので、後出しだとキツいなあ、と。それにしても今回の号掲載の、駕籠真太郎作品リストはかなり貴重だと思う。ああ、これも読んでないあれも読んでない。

 以下に感想書いた分以外の本日購入本。

【単行本】「イケてる刑事」2巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
【単行本】「ベルセルク」20巻 三浦建太郎 白泉社
【単行本】「藍より青し」4巻 文月晃 白泉社
【単行本】「楽楽」 宇仁田ゆみ 白泉社
【単行本】「藤子・F・不二雄 SF短編 PERFECT版4 未来ドロボウ」 藤子・F・不二雄 小学館 A5

【雑誌】ヤングアニマル 白泉社 B5中
 三浦建太郎「ベルセルク」。本編のモズグス様もかっこ良かったけれども、その前のページにあるベルセルク単行本の広告で、彼が「メッチャおもしれー!!」と叫んでいるコマがかなりいい感じにヒット。文月晃「藍より青し」。今回もティナと薫の二人きり状況が続く。ティナが薫を好いちょるというのは今までのお話からもバレバレではあったが、さらにそこらへんを強調してくる。で、今回はいい感じにそこらへんを盛り上げたと思ったら、なんとまだまだ続くのですか。この作品って、今時これやるか的なベタなことを、こんなページ数かけるかってくらいやってくるところがスゴイなーといつも思う。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回はマツタケを食べたことがないという奴隷3人娘の一人、眼鏡部門担当の弥生さんのために、マウスが30センチはあろうかという巨大マツタケを盗みに山へゴー。もうネタがネタだけに、そりゃもうそういうネタに。いやー、馬鹿でいいですなあ。弥生の妄想シーンの1ページぶち抜きコマの唐突さ加減とか。それにしてもマウスのマツタケってそんなデカいんすか? スゲエ男だ!! 奇しくもこいずみまり「コイズミ学習ブック」もそんな感じのネタだ。技来静也「拳闘暗黒伝セスタス」。セスタスもこんなキレ方するのかー。ちょっとビックリ。ひょっとして14歳、もしくは17歳か!? とか思ったら15歳のようです。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 小学館 B5中
 今回は小山ゆう「あずみ」でしょう。まだまだ、ツイン静音によるあずみいびりが続いている。陰湿でかつ激しいいたぶりっぷりにシビれる。ここまでもかなりのことやってるのに、執拗にダメを押しまくってきて凄みがさらにアップ。さそうあきら「犬・犬・犬」。今回も引き続き佐和子の誰も祝福してくれないような過去が語られる。これでますますキャラが立って、お話に深みが出てきますな。

【雑誌】LaLa 12月号 白泉社 B5平
 筑波さくら「目隠しの国」が巻頭カラー。今回はあろうとかなでの間に割ってはいるのかな、な女の子が登場。気持ち良く暖かみのある絵柄は今回もまた達者になってるなーという感じ。とてもうまい。現在LaLaではこの人がイチ押しだなあ。12月5日に単行本3巻が発売。森生まさみ「おまけの小林くん」。体育祭の二人三脚をめぐり、ドタバタと楽しくお話は進行。さらにときめきラブもびしばしと。こういう楽しい学園ラブコメっていいですなあ。ラブコメは、つまりはラブとコメなのであるけれど、この漫画は両方の要素ともかなり強力だ。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。もうだいぶ片想いでなくなってきているけど、こちらもかなりラブ。とても大学生とは思えない純情っぷりが素晴らしい。LaLa本誌初登場、シン「私的記録」はちょっと泣かせの入った読切。恋人を白血病で失った女性が、恋人の実家で彼の昔の日記を見ていたところ、その日記が書かれたころの彼の前にタイムスリップしてしまう。そして彼女は、自分たちがなぜ出会ったのかということを知る。読み始めのところではちょっと絵が固めでキャラが弱いかな、とか思ったけど、読んでみるとなかなかジーンとさせるいいお話に仕上がっていた。

【雑誌】Cookie 12月号 集英社 B5平
 こちらでは新人扱いな、いわみえいこがまた登場。タイトルは「ひこうきぐも」。中学生かな、これは。女の子たちの友情物語。叙情的で、ちょいと泣かせ系のお話はいつもかなりいいもん描く人である。池野恋「ミスティボーイ」が掲載。久しぶりに再会したいとこは、かつてはデブだったのに今はすっかりやせて美少年になっており、ヒロインの涼音と彼はいつの間にやら同居することになってしまう。それをきっかけに涼音はこのいとこに惹かれ初めていき彼氏との間もぎくしゃくしていくのだが、このいとこのほうにも何やら裏がありそうで……というあたりで今回のお話は終了。続きはCookie 3月号掲載予定。ラブコメ風味は存分に漂っているが、ちょっとヤバげな空気もあり。読みやすい絵柄、お話でぐんぐん引っ張る。ところで関係ないが、最初タイトルを「ミス・ティボーイ」とか読んでしまい、なんかチボー家の少女の話なんかなーとか思っちゃった俺ですわい。柏屋コッコ「ロバがしゃべれば」。かわいい系のお話なのに、やけに天使の顔が濃いのがステキなショートコメディ。ノリが良くって面白い。


10/26(木)……ハニーは緻密

 昨日の日付が10/26(水)とかなっていたのはナイショだよ。

 そういえばパスネットって便利。要するに関東地区の20の鉄道で使用できる(自動改札含む)共通プリペイドカードなのだが、これのおいしいところはなんといっても臨海副都心線とゆりかもめで使用可ってこと。つまりは東京ビッグサイトにつながる鉄道の両方で使えるのだ。これさえ買っておけば、夏とか冬とかに切符売場でひんひんいう必要がなくなるってわけ。先日、WORLD PC EXPO 2000の取材に行って、その便利さを痛感。1年に2度くらい東京に来るとかいう人も、買っておくとけっこういい感じで使えると思うんです。

【雑誌】CUTiE comic 12月号 宝島社 B5平
 羽海野チカ「はちみつとクローバー」。ちっちゃくてかわいい子の出番がちと減り気味だけど、今回は遊び人な男への片想いが続く女の子がいじらしくて良かった。絵はすでに申し分ないし、お話もドタバタと楽しい。ラブ色もだいぶ強くなっていて、これはこれで甘味があって良し。いわみえいこ「そのさきへ」。小学生、好きな男の子ができたあたりの少女が主役。ちと頼りない線ながらも十分印象的。後味爽やかでちょっと泣かせあり。こういうマジメな話を描かせると非常に強いなーと思う。

【雑誌】少年エース 12月号 角川書店 B5平
 ロリロリボンバー、ひな。「1年3くみ桃ちゃん先生。」は今回も好調。つまり、これは、きっとレギュラーで眼鏡っ娘が欲しかったってことなんじゃないだろうか。エース初登場の加倉井ミサイル「サレギネラ9 〜鴻鵠館1301〜」は、現在9歳以下の人間の胸部に寄生し、それを吸引するとちょっとした予知能力を得ることのできる植物、気になることはいえる。絵柄はコミックバーズでもおなじみの通り、とてもカッコイイ人だし、なかなか読める作品に仕上がった感じ。悲しげなお話を実にきれいにまとめあげている。桃組でペンタッチが面白いなーと思った、清水栄一+上田智裕「アポカリプフィズ・ペッパー」がエース本誌に登場。今回もやはり絵のうまさに惚れる。下まつげの描き方にソソられるものあり。それから木村ひかげ「ウェーヴィ ハート」が掲載。マッドサイエンティストな祖父が住む家で暮らすようになった孫娘を中心とした物語。南の島が舞台で、なかなかのびのびとして楽しい雰囲気。この人、そろそろ単行本出せそうなくらい原稿たまってきていると思うのだが。

【雑誌】ヤングサンデー 11/9 No.48 小学館 B5中
 作:七月鏡一+画:藤原芳秀「闇のイージス」が新連載。ボディガードを生業とする、最強の「護衛者」であり「イージス」と呼ばれる男・楯 雁人が主役。今回は卑劣な男によってストーキングされている女性の依頼を受け、彼女の護衛に乗り出すというお話。守る相手によっていろいろと手の内を変えられるだろうし、手堅く読ませてくれそう。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。今回はキャンギャル姿でちょっぴりお色気サービス!! そういうことをやりつつもお話は進展……あんまりしてないところがポイントか。山本英夫「殺し屋イチ」。イチに酔いしれる垣原。素晴らしい。素晴らしい顔だ。ものすごいビジュアルインパクト。うれしいよ楽しいよ。ものすごく。岩田やすてる「球魂」。明彦は、もしかしたらこの後、スグルの父ちゃんのところに弟子入りしちゃうんじゃないかと思うんだがどうだろう。

【雑誌】モーニング 11/9 No.48 講談社 B5中
 幸村誠「プラネテス」が掲載。宇宙にて、自分の好き勝手をやろうとするエゴイストな男たちのお話。今回はクールで自分以外のことは意にも介さない徹底的な利己主義者である、地球外開発木星計画担当官 ウェルナー・ロックスミスのビシッと自己を中心に置くスタンスがかっこよかった。今回は、これからお話を広げていくための第一歩ってところだろうか。続きがすごく面白くなりそう。やぶうちゆうき「ピアノ」は、かつてはピアノの天才少女と呼ばれた双子の姉妹の物語。作者名は一瞬ドキッとするけど、絵柄的にはやぶうち優とは明らかに違う人っぽい。ピアノの演奏によるカタルシスよりも、むしろ双子姉妹の心の動きがお話の中心。構成が凝っていてそれなりに面白いのだが、双子キャラのどっちがどっちかが分かりにくい……とか一瞬思ったのだけど、まあ大丈夫なんでしょう。
 弘兼憲史「部長島耕作」がらみで、実際に新人女性ボーカリストのオーディションをやっちゃおうという企画の結果が発表されている。なるほど。前号でやけに「Gift333」を歌う女の子が目立っていたと思ったら。この人、売り出しのときに猫をあしらった衣装を着せられたりするんだろうか。木葉功一「ルビー・ザ・キッド」。今回もハッタリが利いてて好調。フツーだった男に力たまりまくりな身体。猛り狂う男根も素敵です。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/9 No.48 集英社 B5中
 鈴木あみ物語、「ami-going」(あみ〜ゴーイング)前編が掲載。作画は「性職者」の森永茉裕で原作は浜野雪江。実は俺、こういうアイドル物語モノって好きでなあ。なんというかうまい具合に美化された白々しさとか、得も言われぬグッドなテイストがあって。村生ミオ先生の描いた松田聖子物語とか。あみ〜ゴーイングに関しては、なんといってもまずタイトルがかなり良いと思うしだい。微妙に脱力。長友健篩「HOT MILK」は今号で最終回。塩崎雄二似の絵はわりと好みなのだが、もう一つパンチが足りなかったような気がする。あざといお色気攻撃とかあったほうが良かったかも。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/9 No.49 秋田書店 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。渡辺正和、いい役もらってますなあ。ちなみに今回の出だし。「さあー一回裏 1球も投げないうちからダイエー渡辺正和は早くも大ピンチです!! そうです いきなりセ・リーグのホームラン王を迎えるのです」。素晴らしいね。前号に引き続き掲載の樋田和彦「戦士は眠らない!?」。いやーいいですなあ。この人の作品は、骨の髄までコメディしててとても和む。能田達規「おまかせ! ピース電器店」。今回は月影アイちゃんが表紙だ! 本編での登場シーンも多いぞ。うれしー。

【雑誌】MEN'Sドルフィン VOL,16 司書房 B5中
 KASHIみちのく「MI(ミチノクいんぽっシブル」。女の子の肉付きがふんだんで見ていて楽しいのがこの人の持ち味。乳揺れに元気あり。そのKASHIみちのくや、作者自身がモデルらしき人物が出てくる、火野聡司「ランデブー」も、内輪受けテイストはあるものの面白く読める。ここらへんの人たちの作風はかなり愉快。このほかでは、独特の肌のてりが特徴的な、犬丸「いとこ同士」が掲載されているのもうれしいところ。なのだが、この人はやっぱりカラーのほうがいいかな。スクリーントーンであの質感を表現しようとすると、なんか中途半端な日焼けみたいに見えてしまう。


10/25(水)……困ったねー

 う、なんか日記書きながら気絶してしまった。出社前に今せこせこ書いております。

【雑誌】アックス Vol.17 青林工藝舎 A5平
 今回はみうらじゅんvs.根本敬特集。この二人の漫画もちゃんと掲載。みうらじゅん「みうら式まんが道十八番」番外編は、みうらじゅんならではのぬたっとした作画が楽しい。まあこれはいつものことなんだけど。それから根本敬「明けない夜明の獣道は果てしなく」は、彼の周りの30歳40歳超えても童貞な因果者たちの行状を記した漫画。どうにも厄介な方々ばかりで興味深い。古泉智弘「チェリーボーイズ」。モテない男子3人組の行動が、レベル低くてなんだか毎回楽しい。男部屋特有の生ぬるい空気が作品に立ちこめていて、むさくるしいけれども妙に和む。

【雑誌】アフタヌーン 12月号 講談社 B5平
 全般にマターリしてる感じ。これだけ厚いのだから、もっとエキサイティングな仕掛けが何カ所かに埋め込まれていてほしいもの。まあ2月号で14周年ってことで、来月号あたりからいろいろやってくるみたいだけど。
 そんな中、黒田硫黄「茄子」は2回め(話的には3話め)ながらもうすっかりマイペースにのさばっている。茄子おやじのもとにまたしても客が。今回は大人の恋愛とか友情とかがシブく描かれていてええ感じに落ち着く。焦らず騒がずゆったりと。日常的な光景も料理次第ではとても味わい深く見せられるのである。四季大賞、高木律「猫又」。白黒のコントラストの利いた絵柄、それから独特の間があって個性的な雰囲気を持っている。お話自体は、猫や犬を擬人化して見せてその中でのドラマを描き出すという感じ。たむろっている猫たちが、次のコマでパッと人間になっているとか表現的には面白いものがある。でも人になぞらえる描写が繰り返されるので、ちとガチャガチャした感じになってしまっているような気がする。変換作業は1回か2回で済ませちゃうくらいのほうがキャラクターの印象は強くなったんじゃないかなあ。
 小田ひで次「クーの世界」。物語は核心の方向にどんどん進んでいっている。作画も含めて世界構築が精緻でとても良い。次号で第2部最終章。なるほど、第2部もちょうど単行本1巻分なのですな。それはスッキリしてて良い構成だと思う。佐久間史幸「眠り姫」。父親の誕生日でウキウキしていた女の子の一日は、殺人者によりドス黒い記憶へと染め上げられる。父母を殺され、自らも凌辱された彼女は、以後常に包丁を持ち歩き、この殺人者への復讐の機会を伺いながらの生活を送るようになる。そんな彼女を好きになる男が現れ、頑なだった彼女の心も少しずつほぐれていくが……といったお話。読みやすい絵柄で60ページ。ラストのほうの展開も気が利いてるし、ハードな中にもラブコメ風味が生きていてなかなか面白いお話に仕上がっている。着地もなかなかきれいでええ感じであります。

【雑誌】コミックバウンド 11/14 No.3 エニックス A5平
 作:ピエール瀧+画:漫★画太郎「虐殺!ハートフルカンパニー」は今回も豪快な展開に度胆を抜かれる……と思ったら、最終ページでさらにまたズガーンとやってくれる。これはネタをバラさないほうがいいよね。冬木真人「マッスルストロベリー」最終回。女性ボディビルダー漫画なのだが、これはギャグでやってるんだろうかそれともマジモンなのだろうか。かなり異様な世界を形成していることは確かなのだが。作:森高夕次+画:藤代健「トンネル抜けたら三宅坂」。通常の10倍の性欲を持つ少年・三宅坂が今回も活躍。エロ小学生がイキイキしてて、なんだかそれなりにほのぼのしてしまう楽しさあり。絵柄もちょいヌルちょいHなのが良い。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/8 No.48 小学館 B5平
 作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!Xi」。ラミアネタで引っ張る。萌え要素がどんどん濃くなっていてさすがにやってくれますなという感じ。ダンドーの半ズボンという武器を失ってもやるこたあやってくれます。西条真二「大棟梁」は、大工というさほど多くはないジャンルながら、ハッタリが利いててけっこう面白い。サンデーにもすっかりなじんだなという感じ。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/8 No.48 講談社 B5平
 野中英次「魁!!クロマティ高校」。転校生登場も、いつもの奴ら同様かそれ以上に頭悪げでなかなか楽しい。森川ジョージ「はじめの一歩」は今回のエピソードに決着。毎度のことながらデンプシーロールがヒットするとめちゃくちゃに痛そうだ。ボリュームのある食材にしっかりした味付けという感じ。

【単行本】「GOGOモンスター」 松本大洋 小学館 A5
 松本大洋「GOGOモンスター」ページのほうに感想は書いたので、詳しくはそっちをどうぞ。

【単行本】「鉄腕ガール」3巻 高橋ツトム 講談社 B6
 この巻、序盤のトメvs.海兵隊員の投球シーンがとてもかっこいい。しなやかで美しくて。投球フォームの立ち姿のかっこよさは特筆もの。女性ならではの体型、身体の柔らかさがかっこよさの形成に役立っている。それと単行本の装丁が手が込んでていい。イキイキした表情がうまいこと配置されていて。


10/24(火)……あのハイエナ、速えな

 本日も収穫たくさん。感想書いたもの以外では以下のようなものを入手。超待望の一冊、松本大洋「GOGOモンスター」。ようやく発売。首を長くして待っていた人もきっと多いでありましょう。たぶん俺が入手したのは早売りの奴だと思うので、本日は感想は書かないでおく。というかまだ読んでないんだけど。とりあえずページだけは作っといたんで表紙(っていうか外箱)の絵柄の確認用にでもどうぞ。

【雑誌】コミックきみとぼく 2000年秋号 VOLUME02 ソニー・マガジンズ B5平
【雑誌】CUTiE comic 12月号 宝島社 B5平
【雑誌】LaLa 12月号 白泉社 B5平
【単行本】「GOGOモンスター」 松本大洋 小学館 A5
【単行本】「バクネヤング完全版」 松永豊和 小学館 B6
【単行本】「橋無醫院」2巻 林光黙 エンターブレイン B6
【単行本】「一騎当千」1巻 塩崎雄二 ワニブックス A5
【単行本】「ぶっせん」3巻 三宅乱丈 講談社 A5
【単行本】「地獄」 西岡兄妹 青林工藝舎 A5

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/14 No.22 秋田書店 B5中
 こしばしげる「ぴかいち」が新連載。元は肥満野郎だったのだけど、山で遭難して肉の鎧を削ぎ落としたことによりスーパーなイケメン男子に変身してしまった男のお話。コミカルでテンポが良くなかなか楽しい。葉月京「恋愛ジャンキー」。エイタロー、ついに三角関係でピンチ。女の子はかわいい。でもやっぱり、単行本2巻で登場した乳の大きなめがねさんがいいと思うんだ。

【雑誌】漫画アクション 11/7 No.45 双葉社 B5中
 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。何気にこの漫画もヘンだ。二つ合わせると顔3個分くらいありそうな巨大乳をぶら下げた女の子が主人公なのだが、この娘はなんだか胸が非常に敏感で、ちょっと刺激されるとすぐやりたくなっちゃってそこらへんの男をひっつかまえてきてはサカる。電車の中とかでもOK。決まり文句は「オッパイが大きすぎてごめんなさい」。どうも意志に基づいているというよりも、外部からの刺激を受けて機械的に動作しているみたいな行動様式がシュールであります。倉上淳士「ぎゃるかん」。女だらけのソフト会社に入社した男のお話。今回は初登場キャラであるプログラマーのねえちゃんの喋りっぷりがアイタタタという感じでとても良かった。「もるげ〜ん遅くなったぴょ〜ん」「みこっち おはっ!!」「こ この男は誰そ」「いや〜悪かったにゃ〜プログラマーの夏目美々ですじゃあ」。
 山本よし文「オッパイファンド」。おけつにより窮地に立たされたオッパイ陣営の繰り出した手は……。「泉ピンコ」。これが何を意味するかは……おーっといえねえいえねえ。国友やすゆき「幸せの時間」。自らの悪行がバレることを心配して夜も眠れず消耗するパパ。その心理状態を表す描写。彼の乗っている電車の行き先表示が「地獄」に。ごごーん!! 素晴らしきベタベタぶり。ビバ国友。この人の単行本を全部集めている人がいたら、それはかなりすごい人だと思います。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。投手の緊張をほぐそうとしてキラリが発したギャグにショックを受ける。なんかどうも、ショッキングな描写が多いな、この雑誌は。
 エロという意味では、艶々「鷹月教授の淫靡な日々」が、柔らかめな描線と焦らしの利いた話の進め方でわりとけっこうええ感じ。絵としては古めなんだけど。

【雑誌】漫画サンデー 11/7 No.44 実業之日本社 B5中
 渋谷駅の階段の枠の上に落ちていたのでありがたく頂戴する。久しぶりに読んだのだが、さすがに続きモノはよく分からない。作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」は、名前はちらほら目にするし、実際面白そうなのでそのうち単行本買ってきて読もう。

【雑誌】ヤングマン 11月号 三和出版 B5中
 創刊号。出たのはちょっと前だったのだが、なんとなく買わないと後で悔やみそうな気がしたので確保しておく。
 作:夢枕獏+画:松久由宇「ハイエナの夜」。巻頭カラーだが、いきなりの強引な裸体に感激。かどたひろし「走れ!エロス」。この人は本当に絵はうまいと思うんだけど、作品的にはあんまり印象に残らない。これだけうまいのに、なんかB級感があるんだよね。岡崎つぐお「ミツマのトリコ」。昔とあんまり変わってなくてうれしい。この人のラブコメ力(らぶこめりょく)はかなりなもんなので期待したい。ちなみに「ただいま授業中!」は、古いけれども今読んでも傑作なのでぜひ。あれだけ「学園ラブコメ」としかいいようのない学園ラブコメってのもちょっとないと思う。

【単行本】「フリクリ」1巻 画:ウエダハジメ+作:GAINAX 講談社 B6
 アニメのほうは見てないが。
 この漫画、とにかくウエダハジメのぶっ飛んだセンスが素晴らしい。線の本数は少ないんだけど、これはなかなか引けない線だと思う。ラフなようでいて、非常にシンプルかつカッコよくビシッと決まっている。美しくさえある。この作品、読んでいるとすごく気持ちがいい。ドカーンとした大ゴマや、変則的なテンポのネームに意表を突かれまくり、目の前で繰り広げられる光景に頭がクラクラしてくる。表現が非常にテクニカルかつダイナミックだ。お話としては正直なところ、何がなんだかよく分かりまへん。ちいとも頭に入ってこない。でも気持ちがいい。眺めていて楽しいし、こういう作品が存在してくれていてうれしい。間違いなく希有な作品である。

【単行本】「秘蜜のささやき」 ほしのふうた 東京三世社 A5
 最近のロリ系の作家では一番気に入っている人。ほしのふうたの良さは、なんといっても絵柄が楽しいこと。子供がいかにも子供らしく描かれていて、すごくイキイキしている。実際のところ、エロがなくても面白く観察できそうなくらいに子供たちの様子は楽しそうだ。この人の持ち味が最も発揮されているのは、子供たち同士でワイワイ騒ぎながら飛んだり跳ねたりして遊び回っているシーンだと思う。デフォルメの利いた手足の描写、笑い顔などなど、とても元気がよろしい。
 でも何気にエロシーンも充実している。俺はロリ系の漫画はよく読むのだが、正直言っておこさま好きではまったくない。あんまり性的欲求に基づいて読んでるわけではないのだ。そんな中、ほしのふうたの作品は数少ないそっち方面に訴えかけてくるものになっている。同じくエロく感じるみかりんのような生々しさとはまた違った味わい。こちらは女の子の恥じらいっぷりとか、くねくねした身体のラインとかがくるのだ。そうそう。ほしのふうたの作画の魅力はこの身体のラインにもある。大きめの頭と丸みがあってスラリと長い手足のバランスが絶妙。
 この作品集はアンソロジーのリトルピアス掲載作品プラスホットミルク掲載作品1本を収録。リトルピアスのエロ度強めな作品よりも、コアマガジン系でやっている明るく楽しくソフトエロな路線のほうがどちらかといえば好きなので、そっちのほうも早く単行本にしてもらいたいもの。こういう才能を発掘しておきながら、単行本発行とかで後れをとっちゃうところがコアマガジンの悪いとこだなーと思う。

【単行本】「レ研」 祭丘ヒデユキ 司書房 A5
 面白い! すごくいい!! 「レ研」とは「レイプ研究会」の略なのだが、このタイトルセンスからしてぶっ飛んでいるが、中を開けるとそのノリの素晴らしさに圧倒される。カバー裏をめくった瞬間なんかかなりクリーンヒットした。「泣きっ面にレイプ」「レイプは一日一時間」。いや実にご立派。この人がキレ始めたのは「芳賀U太(25)」シリーズあたりから。「魔境伝 芳賀U太(25)」は「台東区でも一・二を争うちんこ好き」芳賀U太(25)が、ちんこの生えている女「ち女」(ちにょ)を探して旅に出る。そして女の子全員にちんこが生えているという日本最後の魔境I県へと舞台は移る。ち女を巡るバトルのおばか様っぷり、軽妙で回転の速いギャグの連発などなど、笑いどころ満載の恐ろしき充実ぶりを誇る。表題作の「レ研」もこれまた。第一話めの1コマめで爽やかそうな男が大学のキャンバスでかわいい女の子を見かけ「あ、汚れを知らぬ清純な乙女だ 平たく言うと歳をわきまえぬ少女趣味」と呟く。そして2コマめでは「即レイプ」とくる。リズミカルな展開が実にお見事。「Oh!レイプ最高」の略である「オーレ!」という挨拶とか、かなり堂々とイカレポンチなことやってくれてて頼もしいことこのうえない。後書きも「バック書き」ですわい。いいセンスしてるなー。っていうかこの単行本収録作品あたりで一皮二皮、完全にズルムケた感じ。


10/23(月)……少年ジュンプ

 月下旬は買うものが多い。今日は感想を書いた雑誌5単行本1のほかには以下のようなものを。ヤングマンは買わなくてもいいかなとかちょっと思ったのだが、「なくならないうちに買っとけ」という脳内指令に基づき確保しておくことに。「フリクリ」は読んだのだけど、5分の4くらい頭が眠っている状態で読んだので、また明日にでも読み直して書くつもり。

【雑誌】ヤングマン 11月号 三和出版 B5中
【単行本】「フリクリ」1巻 画:ウエダハジメ+作:GAINAX 講談社 B6
【単行本】「鉄腕ガール」3巻 高橋ツトム 講談社 B6
【単行本】「レ研」 祭丘ヒデユキ 司書房 A5

【雑誌】ヤングキング 11/20 No.22 少年画報社 B5中
 森左智の新連載「殴り屋」がスタート。ボクシングもの。あんまりこういったストレートなスポーツ系の漫画を描く人という印象がなかっただけにちと意外。小池田マヤ「聖★高校生」。ホストの道を歩み始めた神保だが、彼のホスト修行の支えとなったのは、かつて高校時代、自らの裏切りにより後味最悪で別れることとなった女教師・美園の言葉だった。彼女を思い出して涙する神保の姿にこちらも思わずホロリとさせられてしまう。大石まさる「りんちゃんクッキーのひみつ」。今回は運動会でおにぎり編。タイトルからしてもしかしたら本格クッキー漫画かもとか第1回めを読んだときはちと思っていたのだが、ほかの料理もやるんですな。今回の感じからするとりんちゃん家族に隣の家のおねーさん(めがねっ娘)がかなりからんできそう。男にはめがねっ娘に甘えたくなるときがある。そういうことか(たぶん違う)。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/6 No.47 集英社 B5平
 尾玉なみえ「純情パイン」が本格連載化。この作品は今まで何度か掲載されたことがあるものだが、ここまで読んだ感じではけっこう面白かったし気に入っている。小学4年生の男子女子、みつおとみちるが5分以内に交換日記を二往復させることにより、デカい人間「純情パイン」が出現。宇宙人どもと戦ったりするというギャグ漫画である。なんだか締まりのない絵柄と、唐突感のあるギャグがかなりええ感じでマッチしている。キャラクターの表情がお馬鹿さんな感じで味がある。すでにヘンテコなノリで独自のギャグ風味は作れていて面白いんで、あとはいかにこのテンションをキープできるかってところだろう。鈴木央「ライジングインパクト」。飛ばし屋な女の子・パーシバルがかわいいじゃん。

【雑誌】ヤングマガジン 11/6 No.47 講談社 B5中
 CLAMP「ちょびっツ」。今週も「ちぃ」とかいってやがりますよ。今回は最後のコマのちぃのポーズが特萌えポイントかな。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。ギャンブルに負けても、やっぱりペリカでビールを飲んでしまうカイジ。焼き鳥を食ってしまうカイジ! ポテチを食ってしまうカイジ!! この情けなさ。たまらんです。ちばてつや賞大賞受賞作、富咲男「旅にでられぬきみたちへ」は、「二十年後の自分へ」と題した作文を詰めたタイムカプセルを巡るお話。その課題を出した先生が二十年後、二十年前からの手紙を生徒たちに一通一通届けて回る。二十年経ち、生徒たちはそれぞれに理想とは異なる人生を送っていたが、彼らに二十年前からの自分からのメッセージが響く。絵柄的にはかなり地味だけど、しっかりとドラマは構築できていてなかなかジーンとくる読後感。正直なところ、汎用性はあまり高くなさそうな作風ではあるんだけど、この作品については面白く読めた。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/6 No.47 小学館 B5中
 うおおおおおおおお。松本大洋「GOGOモンスター」の足音が!! 今号には「GOGOモンスター」序として「あたらしいともだち」8ページが掲載。ものすごく久々の登場だが、絵はますます洗練され、ほんのちょっとした描写にも飾らぬけれども風格さえ感じさせる技巧が行き渡っていて、ゾクゾクさせられてしまう。今回は限られた人にしか見えない世界を見ることのできる少年を中心としたファンタジーになるようだ。単行本は25日ごろってことでそろそろ書店に出てくるはず。定価2500円。それでも絶対買うべし! っていうかいわれなくても買う奴はみんな買うと思う!!考えてみるといい。「ピンポン」終了から、もうすでに3年以上の月日が経っているのだ。
 桑沢アツオ「ジュンプウ」。キャッチが「金腕甲子園 オレは天才!」。才能のある奴が何をやっても勝つ漫画を描かせるとこの人の漫画はむちゃくちゃ痛快。吉田戦車「学活!!つやつや担任」は今回で最終回。じょじょにノリが良くなっていったような気はするが、最後までいまいちノリきれてなかったような気がする。次回作は21世紀とともに登場とのこと。21世紀というと遠い未来のようだが、もうあと2ヶ月ちょっとだ。新連載、作:空論創作委員会+画:青木智「机上の九龍」。二千年代中期、「正月戦争」といわれた大戦争後の世界で「捜し屋」と呼ばれるいろいろなものを捜索する業者を営んでいる男が主人公。SFサイバーパンクと銘打たれているが、考えてみるとスピリッツにこういったお話が載るのって珍しいかも。やはりそろそろSFがキてるんすかね。漫画としては絵柄的にも完成してるし、わりとよくできている感じ。若干地味かなーという印象もあるけど。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 12月号 竹書房 B5中
 安達哲「ギャル雀」目当て。今回で2回め。色っぽいおねーさんは出てくるが、今のところわりと地味な印象。今号も桜井章一な誌面。ホンイツという感じか。

【単行本】「バガボンド」8巻 井上雄彦 講談社 B6
 槍の宝蔵院の二代目・胤舜と武蔵の闘いがついに決着。両者ともに一皮むけて爽やか。勝負の瞬間の総毛立つような緊張感なんぞはやはりたまらないものがある。総合的に見て井上雄彦は漫画がやたらめったらうまいなあと思う。これだけ絵のうまい人が、これだけ強力な原作を得てしっかりと演出してきたら、並の漫画ではとても太刀打ちできないんじゃないかな。
 ところで「バガボンド」の単行本が出るたびに思うんだけど、帯をも少し丈夫にしてもらえないもんだろうか。普通のより幅狭で破けやすいのだ。


10/22(日)……氏んでいい遺伝子

 俺様は迷っていた。使わなくなったデジカメを親に与えるかどうか。なんか最近「デジカメほしー」とかいってたので、今ちょうどデジカメが余ったのはグッド機会ではあったのだが、与えると余計な手間が山ほど生じるのは必至。なんといっても相手はデジカメの知識どころか、パソコンにはハードディスクというものが内蔵されていることすら知らないような輩。もちろんドライブ、フォルダ、ファイルなどという概念はない。とりあえずインターネットでWeb閲覧とメール送受信くらいできるところまでは教えたのだが、それでさえ理解しているとはいいがたい。
 でもとりあえず与えてみた。喜んでいた。予想通り前途は多難でありそうだった。パンドラの箱を開けてしまったような気分。

【単行本】「いい電子」1巻 みずしな孝之 エンターブレイン A5
 いただきもの。
 ゲームなんぞ全然やらないみずしな孝之が、どうしたことかファミ通で連載をやることに。編集さんとかにそそのかされていろいろゲームをマスターしたりしていくさまを描いたおもしろ漫画。ボタンがいっぱいある最近のゲーム機を恐れる気持ちとか、長いゲームはダルくてできなくなっている気持ちなど、わりと似たような心持ちにある俺としてはうなずいてしまう。でもだんだんゲームをやるようになっていくさまを見ていると「今のゲームもきっと面白いんだろうなあ」とうらやましくなってそろそろゲームをまたやってみようかなと思ったり。とりあえずドラクエ6の続きをやらなきゃ(←5年前のゲームです)。
 で、漫画としてなんだけど、読んでみるとけっこう面白い。というか前から(というのはみずしな孝之が月刊ベイスターズの投稿者だったころから)、この人って漫画うまいなあとか思っていたんだけど、日常モノをきっちりエンターテインメントとしてリズミカルに作る腕前はかなりなもの。わりと何描かせてもそれなりに面白い人だしキャラも立ってるしええ感じ。単行本買ったことはないんだけど、いい仕事しているなーと思うんであります。

【単行本】「妙技の報酬」 岡野玲子 小学館 B6
 アメリカン貴族のドタバタした日常をコミカルに描いた表題作を中心に、発表時期的にはちょっと古めなものを集めた作品集、のようだ。デビュー後まもなくの作品なのでけっこう古いのだろうが、お話的には面白い。今でこそ「陰陽師」の岡野玲子だけれど、「両国花錦闘士」などのころは相当ヘンテコなギャグをやってた人だけあって、ギャグに独特のタイミングがあってイケる。爆笑するというタイプではなく、ふつふつこみあげてくるおかしみというか。飄々と軽やかで、何やらかっこよくもある。

【同人誌】「釣りフェチ3P」 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
【同人誌】「好奇心は猫を殺す」 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
【同人誌】「菊男ちゃんのはちみつハゲ」 諏訪与志子 <赤色オレンヂ>
【同人誌】「菊男ちゃんの穴ほってプー」 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
【同人誌】「かおりちゃんの焼肉大定食」 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
【同人誌】「ソレハボクジャナイ」1〜2 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
【同人誌】「かおりちゃんのスッポニアスッポンポン」2〜3 鵜匠カシヲ <赤色オレンヂ>
 8月コミティアで買った本だけど、最後までお楽しみにとっといたのがコレ。ようやくまとめて読む時間と気力が整ったので一気読み。
 んでもって鼻血が出そうにクラクラきました。鵜匠カシヲ先生は、たいへんビッグな方だなあと改めて痛感。線は頼りなげにふらふらしているんだけど、あふれ出てくるような情念があって、非常に毒性が高い。強い支配力を持っております。なんだか強い愛を感じたりもする。あらすじはとくに説明してもしょうがないような気もするんだけど、「かおりちゃんの焼肉大定食」→「ソレハボクジャナイ」→「かおりちゃんのスッポニアスッポンポン」と続く、主人公が額に「まむし」と書かれているレティクル星人の鈴木さんの自分勝手な振る舞いに悩まされ続けるシリーズは、不思議な圧迫感のある悪夢が延々と繰り返されるような感じで、一冊だけでもすごいけど、まとめて読むことによって頭がぐーるぐるぐーるぐるしてくる。先に「毒性が高い」と書いたけど、中毒性も高くて、全部読み終わるともうすっかりカシヲ色に染め上げられている自分に気づくのだ。本人もすごいカッチョイイけれども、作品もこれまたスバラシイ。


10/21(土)……びよ〜ん

 ものすごく寝てしまう。昨日の日記を書き終わって、さあタイトルを考えようという段になって、膝にノートPCを置いたまま3時間くらい。そこから覚めていかんいかんと思いつつまた気を失って3時間。辛うじて目を覚まし、午後の1時くらいになってようやくちょっと書いて日記をアップしたと思ったらまた寝て、起きたのが夜6時。本屋に行き、夕食をとった後、またふらふらと眠くなり午前1時くらいまで寝てしまう。何かやらなきゃとか思いつつも、「めんどくさい回路」が働き結局とくになんもせず。いかんなあ。

 山田さんに便乗! tanomi.comの「作ってくれ!」のコンピュータのところにあるB4スキャナ。俺も欲しいのでぜひ投票してください。漫画雑誌の見開きをきちんとスキャンできるスキャナというのは前から欲しかったんだけど、実は今普通に販売されている製品はA3もしくはA4で、A3はこれがまた異様にデカいのだ。Bサイズというのは国際標準でないからしょうがないといえばしょうがないんだが、欲しいという人きっとけっこういるはず。パソコンを使っている漫画家さんならきっと欲しいに違いない。さあ組織票組織票。製品化されてくれるとうれしーなあ。

【雑誌】OURs LITE 12月号 少年画報社 B5中
 全体にマターリしてますな。品質は高いと思うのだけど、いまひとつエキサイティングでないような。
 石田敦子「天使記念日」。彼氏の心が自分にはなく、自分の友達である眼鏡っ娘に向かっていることに苦しんでいる女の子が、ある日道で天使を拾う。両の掌に収まるくらいの天使はなかなか目を覚まさず、自分の悩みに答えてはくれないが……といった感じ。絵柄はきれいだけど、心の痛みに安易な解決を与えることなのない厳しさがあり、お話に深みを与えている。さすがにここらへんはしっかりしている。伊藤伸平「素敵なラブリーボーイ」。文化祭における演劇部の少年少女。ああ、なんかいい世界だなあ。肩の力が抜けていて、ごく自然にあの文化祭高揚空間を描けている。おがきちか「OGACHA」。ポップな絵柄で描かれる青春恋愛模様。ラストのほうのダイナミックな描写も楽しくて、とても瑞々しい読み心地。読切、陽山明子「Fish Song」は、上品な絵柄が気持ち良い作品。黄金の都を夢見る少女と、南の島の少年の爽やかな物語。雰囲気はとても良し。ただ、物語はいまいち頭に入ってきにくいかな。場面場面のヒキ、つなぎがもっと強力になると読みやすそうなんだけど。
 小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」。勢いのある馬鹿っぷりがいい感じですな。こういうムダにアツいことやってくれる漫画があるおかげで、だいぶいいアクセントになっている。もっと雑誌の真ん中へんに持っていったほうがいいかも。どざむら「Family Plot」。昔つきあっていた女性が死んだと聞き、彼女が暮らしていた家を訪れた男が、そこで彼女とそっくりな、彼女の娘と出会い……というお話。優しいいいお話で、しめくくりも暖かい。でもなんつってもこの作品の場合は、この娘から漂う色気が! 甘やかでええですのう。

【雑誌】ドルフィン 12月号 司書房 B5中
 VARY GONZOが連続掲載。「BADMEN 2nd」。今回は舞台が1stの地下道からガラリと変わって、ホテルでの上流階級層のパーティに。今回はエロがほとんどなしだが、ページ数は26と多め。描線を太めのカッチリしたものにして、雰囲気も変わってきている。なんかパーティに乱入したブタの化物にバニーさんが凌辱されそうな雰囲気だけど。ここにバッドマンがどうからんでくるかな。井上眞改「TOKYOPOP」は、滑らかな描線によるお姉さんたちの楽しげな様子が魅力。わりとヌルめの作品好きな人にオススメな感じ。吉田蛇作「匿名捜査ミカたん」。この人の描く女の子は、なんか丸くてふくよかでええ感じ。ちょっと太めで元気良さそうなのがいいんだよね。

【雑誌】オルカ 11月号 司書房 B5中
 うーん、やはり司書房系美少女漫画雑誌としては落ちる部類で、あんまり見どころなし。描線の柔らかさ、楽しげなムード、わりとエロっぽい身体のラインが魅力のよこやまちちゃ「網元ドラゴン」あたりは面白いけど。

【雑誌】花とゆめ 11/5 No.22 白泉社 B5平
 日渡早紀「宇宙なボクら!」がいい感じ。主人公の天湖(はるこ)が、友情と憎悪と恋愛の間で頭の中がぐちゃぐちゃに。この娘は、連載開始当初からおどおどしていたが、泣き顔、困り顔にソソるものがある。もちろん笑顔もいいんだけどね。

【単行本】「かってに改蔵」9巻 久米田康治 小学館 新書判
 今までの巻と同様、細かいヒネリをちくちくと入れまくり、笑いのツボを刺激する。さりげなくオタクネタをしのばせ、分からない人は雰囲気で、分かる人は敏感に反応してニヤリとできる。女の子がけっこうかわいく、毎回コマぶち抜きのカットで見せてくれるところも気が利いている。最近、ちと坪内地丹で落とすパターンが多すぎなような気がしなくもないけど、まあこういうのは決まりですから(自分ルール)。

【単行本】「メラメロ」 きりやましんご コアマガジン A5
 ばんがいちとかで描いている人だけどなかなかうまい。こぎれいで華やかな絵柄であるわりに、エロシーンのボリューム感がけっこうあるので、明るめでかわいく、かつエロもしっかりした漫画でイッパツというニーズをしっかり満たせるタイプ。おっぱいも、自然な領域を崩さない程度に巨乳であるし。お話のノリが良いのも長所。とくに巻末でかつ表題作である「メラメロ」は、雑誌掲載時にもちょっと触れたことがあるがいい作品。自分たちの愛を試すとかいって、メガホンで自分たちの行為を実況しながら学校の屋上でサカるとか、女の子をチンピラに輪姦させてみるだとか、それでもアツアツであるはた迷惑大バカップルのお話。


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