◆ 2000年12月中旬 ◆

12/11〜20
【トップページ】  【過去日記トップ】

ご意見・ご感想はメール 掲示板でどうぞ

12/20(水)……若騎士冷凍

 ドラクエを始めた。と書くのは今年2回めな気がするが、前回は6で今回は3。ゲームボーイ版である。3はまだやったことがなかったのだが、名作の誉れ高いので楽しみである。ちなみに6はレベル7くらいのところでほったらかしてあるのだが。で、ドラクエ3って最初のほうで質問があって性格診断されるんだけど、そこでの結果は「ねっからじぶんほんい」で「いっぴきおおかみ」と出た。「ともだちがいなくてもへいき」とか。そこまでいわなくてもいいじゃないかよう。

【雑誌】ウルトラジャンプ 1月号 集英社 B5平
 もうすぐ定期購読期間(1年)が終了するんだけど、ちゃんと「定期購読継続のご案内」&振込用紙が同封されて送られてきた。集英社の定期購読サービスは、こういうとこわりとしっかりしている感じ。定期購読開始時には確認の葉書も送られてきたし。

 萩原一至「BASTARD!」がこっちに移籍。この連載ペース、読者層からいってこの移籍は賢明な気がする。でも週刊少年ジャンプもしくは単行本で押さえていなかった人でウルトラジャンプ読者っつー人にはわけがわからないだろうなあ。桜瀬琥姫「HEART SUGAR TOWN」は最終回。そんなにちゃんと読んでたわけじゃないけど、存在を確認するだけでちょっと華やぐ作品だった。花見沢Q太郎「BWH」。今回はコメディ色が強し。女の子たちがわきわき動いている様子は、見ていて楽しいものです。

【雑誌】月刊サンデーGX 1月号 小学館 B5平
 ゆうきまさみ「ブラック・マジックKNIGHT」前編が掲載。この人はやっぱりうまいなー。絵も線はシンプルだけどパッと目を惹くものがあるし。お話は、ヒロインが学園内でいろいろ任されているハツラツとした女の子で、その学園ではいろいろ生徒が消えてくみたいな事件が起こっていて、んでもってデカい黒人の寮監がやってきて、実は学園は何者かによって侵食されようとしていて……ってな感じ。花見沢Q太郎はこちらでも良いお仕事。「銀の街ロマンティック」前編。姉に告白してきた女の子の後輩とつき合うことになった少年。この女の子自体はすごくかわいくて理想のタイプなんだけど、いつも姉のことばかり話してくる彼女に複雑な気分。可愛い女の子との恋愛やきもき模様。骨をとろかしてくれる感じでいいですなあ。島本和彦「吼えろペン」。今回は似顔絵がテーマなんだけど、相変わらず暑苦しく、かつ馬鹿馬鹿しい見事なアプローチ。素直に楽しい。

【雑誌】花とゆめ 1/10 No.2 白泉社 B5平
 高尾滋「ディアマイン」が連載再開。相変わらずいい絵。今回は咲十子の意外としたたかな面も見れたりして楽しいお話だった。日渡早紀「宇宙なボクら!」。ヒロインとその友達が和解したのち、一気に恋愛ムードが高まりまくり〜ということでなかなかにトキメキ。でも次号で最終回なんだそうな。
 ところで12月26日発売の「ザ花とゆめ」では樋口橘が読切を描くらしい。気になるが買うかどうかは微妙な線。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/6 No.3 講談社 B5平
 「サイコメトラーEIJI」のコンビ、作:安童夕馬+画:朝基まさしの新連載「クニミツの政」がスタート。ゾク系のあんちゃん18歳が志を立て、いずれ国を背負うようになるまで政の道を突き進んでいく……という話の模様。少年に政治話を教えるとかいう意味でもわりといいかも。で、読んでみたけどわりと面白く読めそう。朝基まさしってかなり分かりやすく絵がうまい。女の子とかもかなりキャッチーで魅力的に描けているし。男、とくに煮詰まった感じの顔つきのヘンな人も。

 大島司「シュート!新たなる伝説」。どうしてこの人は、こうツッコミたくなるようなことを……。高校生同士の大会なのに、「若き司令塔」はないだろー。いや、そういうところも好きだったりするんだけど。福本伸行「無頼伝 涯」。あと4回で最終回。涯の行動は若干早計な感じもするけど……。蛭田達也「新コータローまかりとおる!柔道編」。なんかコミケでやるらしいけれど、それはそれとしてこのところ盛り上がってて面白いですな。丁々発止火花が散っていて。アクションがダイナミックで良いです。

【単行本】「アイコ十六歳」 駕籠真太郎 青林堂 A5
 駕籠真太郎ページのほうに書いたので、そっちのほうの文章をコピペ〜。

 なんか表紙を見て、「最近駕籠真太郎の描く女の子ってずいぶん愛らしくなっているな〜」と思った。でも内容はそれとは裏腹にパンチがききまくっている。主な掲載誌が「ボンデージ&ディシプリンコミック」コミックフラミンゴであることからも分かるとおり、スカトロネタばりばり。

 基本的に「最前線」を除いて主人公はみな女学生のアイコで、軍国日本的世界が舞台。なのだがそりゃもう駕籠真太郎なんで当然のことながら普通の軍国モノになるはずなんかなくて。このアイコさん、最初(「花咲ける純情」時点)は多少普通な女学生さんだったのだけど、肛門や性器が異次元につながっていて、そこの手をつっこんで異次元のアイコさんを引っ張り出してきたりするもんだから、終盤では分身(というかなんというか)などなどなんでもあり。善のアイコと悪のアイコが血で血を洗うアイコのアイコによるアイコのための戦争が起きたり、731部隊の実験材料となってたり、食用便生産のため畑で栽培されてたりと、多方面で大活躍。んでもって、アイコの種類、料理法も多種多様。とくに「わが恋せし乙女」は愛子のバリエーションが山のように登場し、「よくこんなにいろいろ出してくるよな」と感心してしまう。最初は人間っぽいけど、だんだんそれを逸脱していって、「アイコ」という別種の女学生的異生物的な扱いとなっていく。 アイコという一つの個体をモチーフに、どんどん奇想を付け加えていって邪進化させていったという感じか。

 全体としてはわりと近作ってこともありクオリティも揃っている。こういったマッドなギャグを面白いと思う人にとっては、コンスタントで安心して心ゆくまで楽しめる1冊である。とりあえず表紙にだまされて買うと、耐性のない人はつらいかもしれないけど、まあそれで新しい世界に目覚めてみるのもまた良しかと。


12/19(火)……ギガスロン

 こうなるともうそうするしかないだろう。とか思ってAthlon/1GHzに踏み切る。以下、PC/AT互換機系自作PCのことを知らない人には分かりにくい話題だと思うけど、分かりやすいようには書きません。しかもどうでもいい話題である。

 まあCPUはSocketA用のギガスロン(Thunderbirdコア)と決まっていたので、あとは価格リサーチ。結局はソフトアイランドギガパレスの2万1000円ちょいで手を打つ。クーラーはそこにちょうどあったDRACO Thunderbirdに。いちおう冷却用にAthlon対応の熱伝導板を1枚。マザーは正直KTのなんてどれも大して変わらないからなんでもいいやと思ってたんだけど、仕事で何枚も触ってみた感じでいうとBIOSで倍率変更とかもサポートしているMSIのK7T Pro2あたりかなあと目星をつける。なんかエラーメッセージをしゃべる機能もついてるし。現在はATA/100対応サウスの686Bを積んだK7T Pro2-Aという新モデルが出てるんで、こいつを探すことに。ATA/100は今のところ効果はないけど、まあそのうち意味が出てくるはず。そのころにはマザー買い換えの時期が来てそうな気もするけど。

 ところがこれが探し回ったけど全然置いてない。ありそうなところは大体品切れ。これはK7T Pro2-Aがまだあんまり多く出回っていないというのと、売れているというのと両方が原因なのだろう。Athlonは今安いのでかなり売れてるらしいのだが、インテル系CPUの場合はマザーはそのままCPUだけ買い換えという人が多いのに対し、AthlonはCPUとマザーをセット買いしていく人が多いんではなかろうか。そんなわけでマザーも不足気味なんだと見た。んで、アキバをぐるぐる歩き回った末、T・ZONE. PC DIYに二度目に入ったときに発見。一度目に入ったときはなかったんだが、俺が巡回している最中に入荷した模様。ホントーはECSあたりのやっすーい奴でも良かったんだけどね。そんなに倍率とかいじるつもりはなかったし。ちなみに現在、世界のマザーボード市場でシェアNo.1はASUSTeKではなくECSなんだそうな。ECSはECSブランドとPC CHIPSブランド両方を持っていて、OEMも多いので、そこらへん全部合わせると年間200万枚程度。ASUSTeKは120万枚程度なのだ……とECSの日本法人の人からこの前聞いた。

 んでもって一通り買ってから会社でテスト。そのままマザーのレビューを書いたりしてみる。K7T Pro2-Aは前バージョンと比べるとFSB設定範囲が狭まってるのね。100〜132MHzまでしかいじれないようだった。でももしかしたらベース133MHzのCPUを差すとそれ以上の設定が現れるのかも? なんにせよFSB 133MHz版のAthlonは未入手なのでなんともいえず。DRACO Thunderbirdは固定金具が硬くて付けにくいが、その分ガッチリ固定はされているので、それなりに冷えそう。弱っちいクーラーを使ってみたらさすが1ギガ。かなりチンチンに熱くなっていた。とりあえずは問題はなさそうな感じである。あとはめんどくさがり屋の俺が、ちゃんとマシンを組むかどうかだが……。でも今週末、頑張ってみるつもり。

 駕籠真太郎「アイコ十六歳」は購入したけどまだ読んでまへん。今日はなんかふらふらと眠くなってしまったので同人誌は読めず。

【雑誌】ヤングマガジンGT 1/10 講談社 B5中
 いやーあんまりにも本誌とおんなじ感じの表紙なんで出ていることに気づかなかった。というわけで車&バイク系の漫画を集めた増刊。乗物系の話はあんまりよく分からないんでアレだけど、山本マサユキデビューということで。執筆陣はしげの秀一、新谷かおる、高倉あつこ、風間やんわり、南勝久、平本アキラ、サライネス(という表記だけどサラ・イイネスだよね)、東和広、船堀斉晃、みたにひつじ、たーし、山本マサユキ、日高ミツヒコ、長田裕幸、唯登詩樹。この中では、平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語<特別編>」が、下らなくていいなあという感じ。ゲンとケンジがレイディオやってるしね。山本マサユキの4ページ短編「ガタピシ車でいこう!!」は楽しそうだけど、車について全然よく分からないので肝の部分は俺にはたぶん感じられていないのだろうなあ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 1/2 No.1 講談社 B5中
 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。予想されたオチではありつつも、やはりこうこられると「やられた」感はあり。ちなみにオズタカヒロの初恋話であります。アッパーズが駅前で拾ったらしい新人、柴田眞紗子「4B」。憧れの作家の書生になるも、肉体関係を持つ以外の接し方が分からない少女。この娘の表情がなかなか色っぽくて惹かれるものあり。ただ、まだ押し出しは弱くてコンスタントにやってくのはツライかなといった感じ。でもそれなりの特徴は持っているので、これからの精進に期待。堂高しげる「iドーモ!」。3回連続の「全日本妹選手権」シリーズスタート。かなり割り切ってお馬鹿さんなことをやっていて素敵。5万人の妹野郎が東京ドームに集結だあ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 1月号 竹書房 B5中
 なんだかフレッシュさがあって、安心して楽しめる4コマ漫画雑誌。かたぎりわかなが読者コーナー4コマ1本だけなのは寂しいけれど。まあわりといつも中島沙帆子「電脳やおい少女」あたりなのだが、こいずみまりとか小本田絵舞とかみずしな孝之とか森村あおいとかコンスタントにいい仕事していると思います。小坂俊史「月刊フリップ編集日誌」は、自分が編集者でなければ屈託なく楽しめると思うんだけど。作家さんからいただいた原稿を粗雑に扱うというネタには、やはりどうしても抵抗があって。

【雑誌】漫画アクション 1/2 No.1 双葉社 B5中
 今号は「ぷるるんゼミナール」も「オッパイファンド」もお休みだ〜。そんな中、柏木ハルコが登場。11歳の教え子に惚れてしまった家庭教師がこやつに翻弄される「小悪魔ボーイ」という読切。落とし方とかヒネリがきいてて面白く読める。イヤな小学生だけど、まだ肉欲むんむんって感じではなく、あくまでイタズラ段階で終わっているあたりが、より理不尽でカラッとヒドいような気もする。作:秋山道夫+画:ふじいあきこ「舐り妻」は今回エロスがねちこくてなかなか。あと艶々「鷹月助教授の淫靡な日々」も、身悶える女助教授がエロティックでよろし。表情が艶めかしくてゾクゾクしますな。

 で、次号から谷口ジローが月イチで連載。こういう状態なのに、谷口ジローを持ってくるあたりは、まだ以前のアクションの路線に未練はあるのだろうなあとか思ったり。「ぷるるんゼミナール」のおっぱいと谷口ジローの描くおっさんが重なる次号予告ページはなかなかにすごいコントラスト。

【雑誌】オースーパージャンプ 1/25 集英社 B5中
 巻来功士が表紙というのはかなり特濃なれど、誌面全体としては地味かなーという増刊。今回は樹崎聖「地平は空へ落ちている。」が読みごたえあり。神権政治の支配する国で、神官の娘ながら地動説を唱えて異端として処分されようとする少女のお話。ラストはちとヌルい〆という感じもするけれど、モチーフとしては魅力的だしいいんでないでしょうか。巻末の読切2本、緒方てい「キカイじかけの小町」、サトウワカバ「デス・メタル」。緒方ていは人造従軍看護婦ロボットの悲しき物語を描いていて、パワーはあり。でもまだちと荒いか。サトウワカバのほうは、大越孝太郎あたりが好きなんかな〜とかちょっと思うタイプの絵柄。こちらはも少し読ませる吸引力が欲しいといったところ。

【雑誌】オルカ 1月号 司書房 B5中
 スギサンダー「女子アナ飼育法」。ちんちん多めでわりと実用的だが、女子アナさんの表情がやってるときも大して変わらないのがイマイチ。るりるり▽「フェアリーテイル」。ご主人様とアンドロイドのラブラブHなのだが、実は同僚に監視されているというところがH。柔らかいヌルめな絵柄のわりにやることはやってて、けっこうHだったりするところがグッド。

【単行本】「オペレーション大作戦」 梅玉奈部 富士美出版 A5
 良さげな巨乳感が漂っていたのでジャケ買い。実際、乳の重量感はわりと良く実用度高し。量がたっぷりでなかなか好みな乳。画風的にはちょっと草津てるにょを思い出す感じか。お話作りはさりげなく急展開ってなものが多いかな。例えば「うしお大作戦」なんか、少年と知的障害のある少女の恋→クラスメイトに冷やかされて少年のほうがつき合ってることを否定……とくる流れから、実は女の子は親とその知り合いの慰みものにされていた→それを目撃した少年と傷心の中セクース。これだけでもそれなりに展開としては波乱万丈なんだけど、さらにラストの1コマで「この話は某県で実際に起こった事件をモチーフにしてあり、この種の犯罪の最も憎むべき点は……」などと締めくくってくれて「あらーそうきますかー」という感じだった。


12/18(月)……昂ぶり室

 渋谷に行ったついでに、なんかエロ漫画雑誌の裏表紙でよく見る秀吉書店というところに寄ってみる。もしかしたらエロ漫画雑誌とかを買うのに使えるかも?とか思ったからだ。でも、実物はけっこうキツめな感じのアダルトショップでありました。とりあえず「漫画系の本を探す場合は行かなくて良い店」ということが分かっただけでも収穫。いちおう調べとかないと気になるからね〜。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/18増刊 山田1号 小学館 B5中
 IKKI創刊でManpuku!は消えたのかと思ったら、そっちの系統はこの新増刊に受け継がれた。実績のある人が多いし、いくつかの作品はManpuku!から続いているので、あんまりフレッシュでない増刊号ではある。ん〜、まあ好きな作家さんが含まれているなら買えばいいって感じかな〜。執筆陣は、山口かつみ、柴田亜美、桐島いつみ、榎本ナリコ、吉田戦車、石原まこちん、とんだばやし、星里もちる、石川優吾、藤波俊彦、松本ななこ、中川いさみ、水穂しゅうし、高野聖ーナ、安永航一郎、池部ハナ子、仲津里美、ほりのぶゆき、窪之内英エロ策、真木ヒロチ、西原理恵子。

 この中では雑誌のタイトルにもなっている吉田戦車「山田シリーズ」がやはり面白い。エステに行くか悩む山田! それから山田による次号予告っぽい1ページ漫画もさりげなく面白かったり。私事だけど、しばたは山田に似てるとときどきいわれます。池部ハナ子「体温計」。甘いラブ話。なんか久しぶりに見たような気がする。シンプルながら色気のある、女性作家らしい描線が良い。仲津里美「ブリキの花」。初潮がこなくて悩んでいる女子と、かっこつけてるけど見かけ倒しな男子の青春物語。二人とも不器用。お話、それから描写に勢いがあって印象に残った。とくに女の子のアクションは緩急が激しくてなかなかダイナミック。窪之内英エロ策「「あいつとシッポリ▼エロス女学園」。これはマジにやったらぜひ読んでみたいなあ。この人の描くマジモンのエロっつったら、かなりイカすと思う。あと、山口かつみ「スーパーカブ」は、やっぱりちゃんと仕事してるなあという印象。きっちりいい話を描いている。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/10+15 No.3+4(合併) 集英社 B5平
 桂正和の読切「Dr.チャンバリー」が掲載。人を傷つけることを肯んぜず、自分の能力を人を生かすことに捧げんとする吸血鬼の医者チャンバリーの物語。相変わらずやたらうまい絵。お話としてもけっこうまとまってるんじゃないかな。導入部で文字による説明が多すぎなのはイマイチかなとは思うけど。島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」。このまま最終回でもOKだったかもしらん。そろそろ一区切りってのもいいんじゃないだろうか。
 次号は1月4日発売。ってことは、これが20世紀最後の週刊少年ジャンプってことですか。

【単行本】「マウス」3巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6
 リーマンギャンブラーならぬ怪盗マウスが、カプセル怪獣よろしき3人美女肉奴隷を従えて、驚異的におおがかりなアプローチでターゲットを盗んでいくとかまあそんな話。でもやっぱ肝は、お約束だけど唐突に繰り出される3美女の「ああんご主人様〜ん」攻撃。とくにそれが爆裂しているのが、マウスのたまの休日、海辺のバカンスを描いた「夏だ! 水着だ! ラブラブだ!」というかなりにあんまりなタイトルの回。砂から出てきたワンオブ3美女がマウスを穴に引きずり込み「お情けを頂戴しにあがりました」(これはリーマンギャンブラーのほうだけど)とくる、抜群にスピーディかつお馬鹿さんぶりに降参。松茸狩な回も当然まあそういうふうだ。どういう原作書いてるんだか知らないけど、板場広志のなめらかな絵柄が、作品全体をさらに目立つものにしている。ホンットーにしょーもない、そしてそこが良い漫画。

【単行本】「無頼伝 涯」3巻 福本伸行 講談社 B6
 金持ち一族の奸計により無実の罪に問われた涯は、少年矯正施設「人間学園」に放り込まれる。というわけで人間学園編スタート。なんといってもこのシリーズでは、人間学園のやたらイケてる教育方針の源、ナチスドイツ的ファッションに身を包んだ教育的キチガイ・澤井先生の魅力が光る。行き過ぎまくった教育方針を収容された奴らに押しつけ、洗脳教育を行う彼の尋常でない目の光、そしてイッちゃった言動に感動。方向性は逸脱してて、なおかつ姿勢は本気の本気、真っすぐであるのがタチが悪いというか素晴らしい。ビバ人間学園。今の日本に必要なのはきっとこれだー……だぼっ。

【単行本】「かってに改蔵」10巻 久米田康治 小学館 新書判
 この芸風で10巻というのはわりとすごいかも。まあ南国アイスはもっと長かったわけですが(知ったかぶり)。毎回毎回オタク魂を刺激する小ネタいっぱいでクスクスと笑わせてくれる。パターンがすっかり定まってしまいマンネリ感はあるけれどもこういったタイプの作品はそれも味だし、ネタがツボにハマったときはかなり良い。この巻のベストテーマは「自分酔い」かな。ホームページなんて、最強の自分酔いアイテムだよね!

【単行本】「やまだまるもちゃん」 さそうあきら 竹書房 A5
 ハードボイルド小説作家が、愛娘まるもちゃんに振り回されるマイホーム漫画。かなりほのぼの。「犬・犬・犬」みたいな業深き漫画も面白く描けるのに、こういう罪のない漫画もきちんと仕上げてくるあたり、やっぱりこの人すごくうまいな〜と思う。どういうタイプのお話でもきっちりといい仕事している。すごい、と思う。

【同人誌】「有触れた二人」 おざわゆき <まじめなたまご>
【同人誌】「夏に帰る日」 おざわゆき <まじめなたまご>
「夏に帰る日」は1990年の作品で、夏休みのキャンプ中に起こった出来事と少女の思うところを描いた小品。「有触れた二人」は、離婚したばかりなのに10代の少年と知り合い、いつの間にやら彼のことに深く関わっていくことになってしまった女性のお話。これはまだ途中で続編が、あるのだそうだ。顔の半分くらいあろうかというまん丸い目の描き方は、見た瞬間におざわゆきと分かる独特の味。一見コミカルな絵柄で紡がれるオトナな物語は、実に真摯で丁寧で、じーんとくる読後感を残してくれる。長いお話もちゃんと破綻なく、そして感動的なものに仕上げられる実力の持ち主で、漫画技術はすごく高いと思う。コミティアパーソナルコミックスで出ている「MESSENGER」(上下巻)は激しく泣かせる傑作なので、未読の方はぜひ読んでほしいところ。通販もできるらしいのでぜひ。

【同人誌】「満月のはらっぱ」 朔 <LAPP>
 自分には手品の才能がないかと思ってふさいでいた少年と、魔法がうまく使えない魔女見習いの見習いの少女が原っぱで遭遇。一緒にお話したりしているうちに、ともにきっかけをつかんでいく。絵柄的にも話的にも、きれいにまとまった心暖まるお話。女の子は髪型がちょっとラナ。白っぽく爽やかなペンタッチには好感が持てる。ページ数も40ページあって同人誌作品としては読みごたえあり。

【同人誌】「ポポロンTV」 西村竜 <ちくちくNET>
 オスザルの「ネコ」とともに砂漠を旅する少年うりちゃんの物語。こういうコメディタッチのもソツなくこなせる人なのだなあ。青春恋愛っぽいのもいいけど、こういうのも合っているかも。

【同人誌】「CRIMSON TIDE」 ウエダハジメ <elevator>
 これはコミティアで出ていた本でなくて、志賀彰さんがレヴォ(だったっけか)で買ってきたものを譲っていただいた。ありがとうございます。深海に沈んだロシアの潜水艦引き揚げ作業時に起こった悲劇。透明感のある描写がとてもかっこよく、しんしんと染み入るものあり。ラフなようでいて美しくかっこよいウエダハジメの描線にやはり強く惹かれる。強いなあ、こういう独自のもんを持っている人は。


12/17(日)……あの発光部ね

 今さらながらになってしまったが、そろそろ少しずつコミティアで買った同人誌を読んでいこうと思う。日々のいろいろにかまけているうちに、なんか1ヶ月以上も経ってしまった。うー、よわよわ。とりあえずこれから5冊くらいずつ読んでって、年内に読み終わるくらいでいけたらいいんだけど。

【単行本】「ダスクストーリィ」2巻 TONO 集英社 A5
 これにておしまいの巻。すごくいいお話。普通の人の見えない世界が見えてしまう少年タクトを中心に、幻想を具現化できる(といってもタクトのような人間以外には見えないが)少年ラトルをからめて、切なく、そして優しく美しい、夢のようなお話を作り上げている。TONOの柔らかくて、何かキラキラとして透き通るような描画により、すーっと物語が心に染み入ってくるよう。霊的世界を描いているけれど、そこには人間たちの小さくも切なる願いが映し出されている。それを丁寧に丁寧に浮き彫りにしていく作風には、毎話うならされる。とてもとても良い物語でありました。

【単行本】「方舟」 しりあがり寿 太田出版 A5
 これは傑作だなあ。日本の上空に雲が居座り、雨がしとしととまったくやまず、ずーっと降り続ける。そして大地は水没していき、世界は静かに終わりを迎えていく。その中で、ある者は方舟にすがり、ある者は最後のときを迎えるべく生まれ故郷に戻り、ある者はイカダで愛する者と世界の終わりを共にする。雨は嵐のようではなく、ずっと一定のペースでしとしと降りしきり続ける。雨は喧騒をも、ひそやかな雨音で包み込んでいく。その静けさの中で、まったく着実に、緩やかに希望は奪われ世界は終わっていく。これほどまでに静かで、かつ絶望的な終末像は、なかなか見たことがない。ぺースが一定であるだけに、より深刻に喪失感、絶望感、そして諦念の向こうにあるどこか甘く魅力的なものが、切々と迫ってくる。

【単行本】「イカル」 作:メビウス+画:谷口ジロー 美術出版社 B5
 かつてモーニングで連載された「イカル」がついに単行本化。もちろん未完のままだが、とにかく単行本化してくれたというのは素晴らしい。しかも大判のB5サイズ! さすが美術出版社、分かってらっしゃる! 谷口ジローの緻密なタッチを生かすにはやっぱり大判でしょ。さて作品の中身だが、生まれつき宙に浮かぶ能力を持つイカルという少年の物語。彼を軍事的に利用しようとする勢力を中心に思惑はうごめくが、イカルの求めたものは空、そして彼に常に優しくしてくれていた女性の雪子であった。ひと騒動の後、イカルは彼を実験して長いこと閉じ込めていた研究所を脱け出すが……というところで中断。続きが読めないのはすごく残念であるが、ここまでの内容だけでも十分楽しめる。谷口ジローの恐ろしく緻密な描画から生み出される浮遊感はまったく大したものである。やはり印刷がきれいで、判型がデカいと違う。いつか続きが読めたらうれしいけれども、とりあえず今は「神々の山嶺」に全力投球していただければそれで満足であります。

【単行本】「美弥の恋」1巻 高見まこ 集英社 B6
「ロマンス」と同時代。今度は貧しい家からモデルとして見出された弥生という少女が中心となってお話は進行。後に彼女は、「ロマンス」で主人公だった夢谷吾郎と運命的な出会いをし、彼のモデル、そして伴侶となる。だが、やはりどうしても安定できない吾郎が相手だけに、最初は天真爛漫だった弥生にもしだいに不幸の陰が……。夢谷吾郎シリーズはけっこう長くなり、めんどっちい吾郎の性分がうざったくなってきていることは確かなんだけど、やはり高見まこの描く上品ながらもしっとりと、そして情熱的でもある女性描写はいい。今は増刊枠(オースーパージャンプ)連載なのだが、このくらいのペースでゆっくり進めていくのがいい感じの作品だと思う。そろそろ高見まこの次の引き出しも見たいところではあるけれど。

【単行本】「イノセント・チルドレン」 みやびつづる 司書房 A5
 すでに司書房系肉弾実用派作家の代表選手という感さえあるみやびつづるの最新刊。デビュー当初から、20代後半から30代前半って感じの脂が乗り切った熟れ熟れ女体がみっちりいやらしい作品を描く人だったが、それはやはりこの単行本でも健在。パワフルでジューシィ。でもこの人のいいところは、それがただただストレートに実用方面に行っていること。あくまでエロ責めに終始し、暴力・破壊には走らないので殺伐とした気分にならない。ときどき描くヌルめな雰囲気のお話もなかなか味がある。そういう点で、安心して実用に供せるところがやはり美点なのではないかと。
 後書きで「ひぢりれいせんせいを目指した」とか「当初は目標は司淳せんせいでした」とか書いちゃうあたりは、開けっぴろげで無防備な感じで、いかにもこの人らしいな〜と思ったり。なんとなくみやびつづるって、すごくいい人って感じがするんだよね。

【同人誌】「キラキラタマゴ」 AYAKO <HANA>
【同人誌】「BERRY BERRY」 AYAKO <HANA>
 きれいでかわいい作品を描く人。ちまっとしたお人形さんみたいなキャラがとてもかわいい。お話もなかなかのもので、とくに病弱な女の子と、彼女が療養に来た村で出会った女の子の友情物語でもある「BERRY BERRY」はとくに良い。近作なので絵のレベルも上がっているし。2001年1月からサークル名が「MIX BERRY」に変更になるとのこと。

【同人誌】「ペンキヤ」 <ペンキヤ>
【同人誌】「penkiya ii」 <ペンキヤ>
 とくにkrbkという人が抜群にうまい。スタジオジブリ系のアニメを思わせるような、完成度の高い涼やかな絵柄。ペンタッチも美しい。「ペンキヤ」収録の他人の心が読める旅芸人の少年と、友達のいない少女のお話はボリュームもあって良いお話に仕上がっている。「penkiya ii」収録の2作品もうんまいです。これは思わず惚れちまいますな。

【同人誌】「日日」 <ガソリン>
 縦長のちっちゃな本。ここの本はいつも作りが面白い。縦に長い空間を利用した上方に開放感のある画面作り。お話は淡々としているけどシャレてて粋。

【同人誌】「CROW ON THE ROAD」 あんどう
 あるまじろうな人の10円本。1枚の紙を折り畳んで8ページにしたミニサイズ。こうやって少しでもいいのでお金をとってくれるほうが、個人的には気が楽で好き。お話のほうは、カラス避けにつるしたCDが取り結んだ人の縁という感じのもので、短いながらもきれいにまとまってて良い雰囲気。

【同人誌】「まっかなあどばるん」 果竜 <竜の子太郎>
 鉛筆コピー誌になってしまっているけど十分に面白いと思う。レズカップルの二人を題材にした、軽めの4コマ漫画。この人の少女少女した絵柄はとてもかわいくてキレイで、ころころと軽やか。重めの話も描ける人だけど、こういう軽いアプローチも達者。


12/16(土)……こらぼれて 異土の乞食となるとても

 TINAMIX更新。俺連載は10回め。けっこう続いてるもんだなあ。そういえば、2000年はTINAMIXの事務所で酔いつぶれながら迎えたんだっけ。

 久しぶりに余裕のある週末なので、たまりにたまった雑誌の整理作業に取り組んでみる。ある程度分別して、150冊くらい縛って40冊くらいを梱包したが、なんだか全然かさが減った気がしない。でもやらないとどうにもならないことは確かなので21世紀に向けコツコツ作業していこう。

 アンケートもの。kayazakiさんのところで「21世紀を迎える瞬間に読んでいたい単行本」という投票をやってます。レッツゴ。

 レッツゴといえば。あーのにのねー

【雑誌】メロディ 1月号 白泉社 B5平
 清水玲子「秘密」が巻頭カラー。130ページとボリューム感抜群。お話も読みごたえがあって良かった。近未来、人間の脳の中の映像を見ることによって犯罪の真相を明らかにする警察のお話。連続殺人鬼の、見た者の精神をも破壊してしまうほどの忌まわしい記憶に呪縛されつつ物語は進む。ミステリアスで、かつズドンとくる重みもあって、でも画面は透き通るように美しい。それから今号では、青池保子の新連載「修道士ファルコ」がスタート。揺るぎのない芸風で、やはり読んでみるとちゃーんと面白い。主人公はもちろん修道士で舞台は中世ヨーロッパ。腰の据わった軽やかさというか。雁須磨子「どいつもこいつも」。朱野と乙犬のデートってことでラブコメなんだけど、スカリスカリと外してきて、でもクリティカルヒットも決めてくれる。なんでこの人たちはこういう微妙に外れたことばっかしてくるかなあって感じの、変則的なリズムにいいようにやられっぱなし。いつもながらに愉快な漫画であります。

【雑誌】コットンコミック 1月号 東京三世社 B5中
 渡辺ヒデユキ「サセマンシリーズ」の「サセマン宇宙初体験」を中心として、相変わらず和むエロ漫画雑誌。今回は駕籠真太郎がお休みな分だけ、そのマターリ感がさらに増しているような気もする。生暖かくて妙に居心地のいい空気が漂う独特な雑誌。なんかみんな角がとんがってなくて、いい具合にまろやかなのよな。フレッシュでないのが素晴らしい。

【雑誌】ZetuMan 笠倉出版社 B5平
 RaTe「P3」。すっかりザーメン&ちんちん作家となった感があるけど、この路線はノリがいいし、それなりにエロいし面白い。もちもちした絵柄も好印象。猫玄「泊まりにおいでよ」。ロリ度高まりまくり。もともと絵のかわいさには定評があるだけに、割り切ると強い。ただ、もう少し女の子の決めの表情にバリエーションがあるといいかなあ。江戸川春泥 with MDM「お姉ちゃんといっしょ。」。この人のロリ絵は前からかなり好きだ。とくに頭身の低いほうは。ちゃんと観察(もしくは妄想)して描いているんだろうなあと思わせるものがある。それからEB110SS「幸福の島」もこれまたロリ方面の作品で、良い出来。島ぐるみで少女売春をやっている地で、少女との性交に溺れていく男の話。この人の描く、顔が平ためな女の子は、とても魅力的。造形が個性的でパッと見た瞬間EB110SSだって分かるし、十二分にかわいい。横に広めな口の描き方なんか、すごくいいね。そろそろ第2単行本出ないかなあ。楽しみにしてるんだけど。榊原薫奈緒子「Collaborate」。いやー今回も面白いですなあ。なんかかつてのオクラ入り原稿らしいんだけど。一つの心臓を共有している双子姉妹の恋をセンチメンタルに描いてていいなあと思ったら。極端な可愛さ&落差がスバラシー。でも、最初と最後の作者ツッコミ部分は不要だと思う。コレがなくても十分に文句なく面白いので。

【雑誌】コミックメガストア 1月号 コアマガジン B5平
 豪華な布陣でたいへん充実度が高い。作画レベルが平均してかなり高めで粒揃い。執筆陣はいずみきょうた、鬼ノ仁、AYMU.M、のぞみ侑海、西安、結城けんいち、影崎優那、祭丘ヒデユキ、Clone人間、たちばなとしひろ、うおなてれぴん、樹るう、古賀亮一。

 まず鬼ノ仁「甘い果実」。家庭教師のセンセーを誘惑する少女が艶めかしくていやらしい。エロ描写もねちっこくてかなり実用度高め。のぞみ侑海「誘いの月」後編は、がつがつ調教していてこちらもエロ度高め。この人って淡い絵柄の印象が強いんだけど、最近はハッキリした線でぼいんぼいんの実用系作品も描くようになったのね。ただ、抜きカットについてはも少し身体全体を描いたほうがいいような気がする。例えばフェラチオシーンにしても、口の部分だけでなく同時に乳や手の動きなんかも見たかったりはするわけなんで。西安「氷川橋通りの子供達」。とある兄弟A、姉妹Bがそれぞれ兄A→妹B、姉B→弟Aという具合に肉体関係を結び、濃密な時、空間を作る。インモラルなのだけど、全体としてはあくまで美しく。西安のシャープでかっこいい絵柄が冴えている。たちばなとしひろ「ハッピー★トラップ」。ラブコメがかなり濃厚で、甘ーくてとても良い。この人、着実にいい仕事してるなあ。

 「レ研」で一気にメジャーシーンに駆け登った感はとくにない祭丘ヒデユキの「放尿新世紀 父子▽天国」は、もうタイトルからしてひとクセふたクセあることが分かっていただけるだろうと思う作品。うう〜ネタバレしないと紹介するのもツラい。とりあえず「レイプレイプ! またレイプ!! その糖尿臭い穴を貫通!!」。このあたりはまだジャブであります。古賀亮一「忠犬ディディー」は、かわいい絵柄でわきゃわきゃとギャグ。こちらは軽めでヌル楽しい。

【単行本】「神々の山嶺」1巻 作:夢枕獏+画:谷口ジロー 集英社 A5
 夢中になって読んでしまった。とにかく谷口ジローの恐ろしいほどに緻密な描写力が素晴らしい山岳モノ。とくに山。岩壁。細かいペンタッチによる描写が、圧倒的なボリュームになるまで積み重ねられている。これはもう背景ではなく、主役の一つといってもいいだろう。第1話めのカラー見開き扉なんてもうパッと開いた瞬間にゾクゾクしてしまう。で、物語自体は、エヴェレスト登山隊のカメラマンが一つの古いカメラを入手、そこから登山史の謎、そしてかつて伝説のクライマーとして名を馳せた一人の日本人の人生に分け入っていくことになる……という形で展開。山男の、妥協することのできないゴツゴツ角ばった人生が、まるで巨大な岩壁を思わせる存在感をもって迫ってくる。現在連載されている作品の中でも、骨太さ、歯ごたえにおいては屈指の作品。読み終わった後、惚れ惚れしてため息が出た。

【単行本】「業」 かるま龍狼 二見書房 B6
 ぐぐっ。新刊だけど再録作品集でした。最近多いねこのパターン。「燃えるんジャー」「メイド・ウーマン」の中から読切作品をチョイス。ただ、「ロリッ子ロックンロール3」は初収録。まあいずれも読んだことあるんだけど、改めて読んでみても、この人は漫画うまいなあと思う。基本はコメディだけど、キャッチーな絵柄で抜きドコロもちゃんと押さえているし、ロリも熟女もピチピチ少女も全部オッケー。再録元の単行本を持ってない人はとりあえず文句なくどうぞ。

【単行本】「母子醇乎の宴」 MARO エンジェル出版 A5
 ギャハハハ。おもしれー。最近「ABILITY」が弱まってきちゃってるけど、この作品はMARO節全開。あのやたらくどいのにどこかマヌケたセリフが炸裂。この表題作3話がスバラシーのだ。夫の作り上げた居酒屋を守るため、女将とその娘が「極悪オヤジ三人FILE」にて紹介されている荒井獣兵衛(62歳。O型。175cm)に食い物にされるというお話なのだが、獣兵衛のダンナの突っ走りっぷりが最高。「どおや ワシの白酒の味は美味いやろ? こぼさず全部呑むんやでェ〜ッ」「どおや女将 これだけおるとチ○チ○だけでもホカホカになるやろ?」などなど、ええセリフ満載。女将さんも氷の彫像とFuckさせられたりもうタイヘン。そして最後はウマですウマ。「これがワシの自慢の馬 バイアグラI世号ですわ」。ヒヒーンっ! いやーよくもまあここまでコッテコテの作品描いてくれるもんです。こういう人のちんこはデカくあってほしい。そう思います。


12/15(金)……アングラ錯綜

 ドラクエ3のゲームボーイ版買ったんだけどやってない〜。そういえば6もレベル7くらいでほうり出してるな。この分だと7は一生やらんかも。

【雑誌】モーニング新マグナム増刊 1/7 No.18 講談社 B5中
 島崎譲「生の一閃」が掲載。人斬り以蔵と彼の唯一の友の話。表紙もこの作品なのだが、なんかそれだけでずいぶんと雑誌全体のイメージが変わる。普通の青年誌っぽい大ざっぱさになった。安田弘之「ちひろ」。今回はちひろのクリスマス編。ちひろはやっぱり色っぽく、かつカッコ良くて魅力的。描写に洒落と茶目っ気があってお見事ですなあ。佐藤マコト「サトラレ」。今回はサトラレと結婚した奥さんにスポットライトを当てている。サトラレという特異な存在から話を始めていって、どんどん周辺部分を固めていくというアプローチが面白い。キャラ作りも細やかでうまい。で、単行本1巻は2月発売予定なのだそうだ。買うでしょそりゃ。正木秀尚「ガンダルヴァ」がまたも掲載。ほかの人間から発せられるウンコ的悪臭が気になり、酒に逃避し続けている男の話。シリーズ的にいうと主人公的キャラである、え〜と名前はなんつったっけか、あのバイオリンを弾くすごい鼻を持ったにーちゃん、彼をあくまで脇に使ってお話を進めているのが粋だ。しっかりした線そのままに、物語作りもしっかりしている。川畑聡一郎「S60チルドレン」。子供さんものなのだが、絵がなかなか個性的で良い。お話もイタズラっぽく、ラブもあり。トキめくのはものすごく重要だ。でも小学生は恋愛なんかしてちゃダメだ。中学生もダメだ。高校生もダメだ。大学生もダメだ。ねたましいからな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/10 No.2 集英社 B5中
 冬目景「イエスタデイをうたって」が復活。やはり冬目景は現代モノがいいなあ。単行本1巻が発売したばかりの作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」は今回も面白い。早く買わなきゃ。

【雑誌】ネムキ 1月号 朝日ソノラマ A5平
 川原由美子「観用少女」が今回も掲載。でも前編。後編までに間があかないといいけど。つっても最低2ヶ月はあくわけですが。オガツカヅオ「イカしたマスターのいる店」。ぐりぐりした目の女の子の造形が印象的で、なかなか面白い絵柄。作風ものんびりしてちょっと妙で味わい深い。TONO「チキタGUGU」。ラー・ラム・デラルが人間くさくなっていくのを見て、チキタの心はチクリと痛む。切ないなあ。それにしても今回のラー・ラム・デラルはずっと熊モードだ。ちなみに次号は「衝撃」らしいがいったい何が。諸星大二郎「栞と紙魚子」。今回も絶妙に力が抜けていて、とても面白かった。今回は、本の中に棲まう魚のお話。まさに「紙魚」といえましょうか。紙魚子のバイタリティ、すっかりヘンなことに慣れちゃった栞。なんか非常に全体的にマターリしている。ヘンとヘンを集めてもっとヘンにしている感じか。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン」6巻 画:貞本義行+作:GAINAX 角川書店 B6
 今回はトウジ編。トウジが追い込まれていくに従って、存在に透明感が出てきて美しくなっているような気がした。委員長の淡い恋も当然良いものだ。それにしても絵がうめえなあ。最初のほうのカラーイラスト、とくに見開きの奴なんか惚れ惚れする。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」21巻 能田達規 秋田書店 新書判
 高値安定。腕白ほのぼのワクワクときめき。ホームドラマとしても、ラブコメとしても、コメディとしてもよくできている。いつも面白いです。こういう、本当に「いつもムラがなく地道に面白い」長編をなんかうまいこと売っていく手段ってないもんかなあと最近ときどき思う。とりあえず1巻ごとの収録話数が、あと1〜2本多いとうれしいな〜。

【単行本】「アンダーグラウンド」 大武ユキ 竹書房 B6
「我らの流儀」の主人公であった加納たちが大学生に。で、今度はサッカーをやめて麻雀をやっているのだ。サッカーのプレースタイルと同じく、加納はここでも緻密な計算と天才性を発揮。榊のほうもそれなりに強い。前にやってたことと比べるとかなり畑違いだし大丈夫かな、と最初は思っていたんだけど、けっこうイケる。麻雀の技術的な部分はさておき、加納たちの物語としてはしっかり成立しているし。この人って「我らの流儀」を描いているときは、すごく惜しい人だなーと思っていた。絵は問題なくうまくてサッカーのスタイルも独特、カッコイイお話で面白いのに、画面の使い方で損していたからだ。サッカー漫画なのに、1コマの中に直接対決している二人の選手以外が描かれてることが少なく、フィールド全体として何が起こっているのか分からないということが多々あった。引いたカットまではOKなのだけど、鳥瞰的なカットまではうまく使いこなせていなかったということなんだろう。でも、この作品の場合は麻雀がネタ。フィールドが狭い。そんなこともあってか、構図的な問題が発生していないし、大武ユキの画力および物語構成力がストレートにプラスに出ている。けっこう向いているかも、とか思った。ただ、「我らの流儀」のキャラを使うのはいまいちかなーとも思う。本来の麻雀雑誌読者にとってはあまり親切でないし、サッカーやってた加納・榊が好きだったーって人にとってもなんとなく釈然としないものはあるかもしれない。まあ面白く読めるからいいんだけど。


12/14(木)……週末は

 呑んでたら帰れなくなったので会社に泊まーり。

【雑誌】ヤングサンデー 1/8 No.2 小学館 B5中
 遊人「PEACH!」。相変わらず脳みそがくさっとるなあ〜。このコスプレアイドルさん、なんでまたオナニーしてるんだか。ある意味ものすごい直球勝負だ。山本英夫「殺し屋イチ」。すごいなあ。おっさんの裸を、これだけ衝撃的に描ける人はめったにいるまいよ。段階を追って、イチの蹴り効果を見せつける演出力に感激。たぶんそろそろ決着してしまうだろうが、実に惜しい。でも見たい。希代の名キャラ、垣原の最期を。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/11 No.2 集英社 B5中
 漫★画太郎「画太郎が出会った偉人たち」。楽器屋でコソ泥せんとしたハデー・ヘンドリックス通称ハデヘンは、警察に包囲されるなか、ラストライヴに突入。やたらめったらソウルフルで痛快。おくれよおくれよ兵隊さん。すごい爆発力だ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/11 No.3 秋田書店 B5平
 巻頭カラーで「優駿の門G1」が新連載。もちろんお馬さんモノだ。八神健「ななか6/17」は、顔の丸っこい無防備で無邪気な眼鏡っ娘に萌え萌えする漫画だ。どうも稔二のことが気になっているらしい、ちとアヤナミ系な雨宮さんもまたいい。能田達規「おまかせ!ピース電器店」は、宇宙なうえにラブコメ風味が強くていいお話だった。伯林「しゅーまっは」。ヒロインの女の子がけっこうかわいかったりするのだが、ギャグのほうは回転が早く、ネタ的にもスパイシー。連載が始まってから、ハズシなくきているというコンスタントさも買える。単行本が出たら買うかも。


12/13(水)……小生イッキ

 久しぶりに日付が変わらないうちに帰宅したと思ったら、めし食った後ふらふら〜と眠くなって昏倒。13日の23時くらいに眠りにつき、14日の朝5時くらいになってムクーリと起き出してきて、今これを書いてたりするわけです。なんか平日に家で5時間以上寝るのは久々な感じ。スキーリ。書いたらまた寝るです。ネムキとかも買ったけど、ネムケが勝ったです。

【雑誌】コミックバーズ 1月号 ソニー・マガジンズ B5平
 オオシマヒロユキ+猪原大介「NO WAY OUT」が読切で掲載。このコンビって猪原大介は原作担当なんだろうか。それはともかくとして、やはりこの伸びやかで美しいペンタッチは目を惹く。顔の造形とか、わりとよくありそうなのに個性的だし。いや〜大したうまさ、センスであります。お話としては今回は、ちとキャラクターの行動原理とかがしっくりこなかったんだけど。きくち正太「きりきり亭のぶら雲先生」。今回はなかなかステキなお話で良かった。マザーグースがらみのお話は、なんかこう心の琴線にきゅうっときますわい。ラストのページも非常にいい絵でよおくできておりました。久生茜「アネクメーネ」は、第8回ソニー・マガジンズコミックオーディション特別賞受賞作。うさぎ連合軍に占領された日本で、うさぎ学校の教師をやっている男&奥様だかなんだかの生活。メルヘンチックな雰囲気、それからちまちまと可愛い女性キャラなんかはわりといいけれど、お話にはまとまりがない。面白そうではあるけれど、現時点ではその段階までという感じ。

【雑誌】別冊マーガレット 1月号 集英社 B5平
 今回は新鋭作家さんが目立った。まず良かったのがアルコ「スターレスブルー」。彼女もちの男を好きになってしまった女の子のお話なのだが、この娘がなかなかいい奴で、この男子の悩みを聞いてあげたりして癒してあげるわけだ。序盤のノリの良さ、後半のオセンチな展開と、なかなか面白くお話を進めている。絵柄もちょっと頼りなげな線ながら勢いはそれなりに出せてて、特徴あるし。それからこちらはデビューコーナー、第14回まんがグランプリ金メダルの尾辻ミホ「rain物語」。こちらも面白かった。地味な眼鏡娘が、モテモテ男子に雨の日に声をかけられてドッキドキ〜のトキメキ物語。眼鏡をとったらけっこうかわいかったり、この男子が一緒に歩いていてヒロインがヤキモチ焼いちゃう女の子が実は妹だったりと、いかにも古めかしいことをやってたりするんだがそこが良い。そして初々しい絵。これがまた良い。あとレギュラー組だが、中原アヤ「HANADA」は今回も良い。スッキリまとまった絵柄で、ラブコメ風味も十分。コメのほうがラブに負けないくらいちゃんとしているのも吉。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/10 No.2+3(合併号) 小学館 B5平
 西森博之「天使な小生意気」は、コンスタントに面白いな〜と思う。コメディ部分もイケるし、シリアスな見せ場描写もうまい。大ゴマとかもけっこう印象的に使えるし。肌合いは若干違うけど、少年サンデーにおける藤沢とおる的な人って感じがする。乃木坂太郎「キリンジ」はアッサリ最終回。短期集中だが、印象は弱かった。絵はわりとうまいと思うんだけど、もう少し画面を整理してメリハリつけてったほうがいいんじゃないかと。トーンばかりじゃなくて、白い空間とスミベタをうまいこと使うとか。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/1 No.2 講談社 B5平
 作:天樹征丸+画:さとうふみや「金田一少年の事件簿」が最終回。というか「第I期完結」。最終話は今までのオールスターキャストという感じ。次も探偵モノの新連載を始めるっつーことなんだけど、そうなるとイマイチこれ終わらせた必然性が感じられないんだけど。福本伸行「無頼伝 涯」。澤井先生ぐつぐつ煮詰まってますね。

【雑誌】まんがタイムジャンボ 1月号 芳文社 B5平
 こうの史代「こっこさん」が最終回。最後まで心暖まる良いお話でありました。単行本にまとまってくれるといいなあ。ちょっと描き足せばいけると思うけど。ページが足りなくなったら同人誌作品追加しちゃうって手もあるし。

【単行本】「900°」1巻 カサギヒロシ 小学館 B6
 カサギヒロシの最新単行本。「逃走鉄馬バイソン」の人。内容的にはスケボー漫画でGOTTA連載作品。ちょいと暑苦しい作風が持ち味な人だが、この人がこういう爽やかで元気の良いスポーツ漫画を描くとは思っていなかった。お話としては、きちんと少年成長物語になってわりと面白い。スケボーについてのテクニカルな描写、体重移動がどうとか、車輪がどうとかがもっと詳しくあるとより良かったかなという感じがする。


12/12(火)……怒濤の祖父

 picnic.toドメインの使用期限延長申請をする。10年分。そんな長くなくてもいいんだけど、なんとなく落ち着かないんで念のため。これで2011年9月までpicnic.toというドメイン名は俺のものだ。逃げたってムダだ。

【雑誌】コミックビーム 1月号 エンターブレイン B5平
 扉、巻頭カラーはともにカネコアツシ「BAMBi」。物語もだいぶ終盤に差しかかってきている模様。どんな結末が待っているのか楽しみだ。扉は色使いはちと地味だけど、ピシッと決まっててやっぱりカッコイイ。志村貴子「敷居の住人」。セリフが繰り出されるリズムがすごく絶妙。あんまりいいことない日常を、ときにハッとさせるような鋭い描写を入れつつ、鮮やかに見せつける。本来は見せつけたってどってことない日常のはずなのに、ドキリとさせるものにしてしまう腕前がスバラシイ。作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」。今回もいい感じ。トリップしている場面の描写が、ぐぐーと迫ってくるようで。このままいけば全体としてとても歯ごたえのある作品になっていきそうで(もちろん現時点ですでに十分歯ごたえあるけど)すごく楽しみ。桜玉吉「幽玄漫玉日記」。O村編集長ストーカー記 in OKINAWA続行。全体としても面白いが、やっぱり扉ページのインパクトが素晴らしい。で、次号はコミティアのときの模様が描かれるらしい。ずーん。

 ヒロモト森一「SEX☆MACHINE」、それから林光默「橋無醫院」は、だいぶお話が動きつつあって面白くなっている感じ。しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」もかなり張り詰めた状態になっていて目が離せない。竹本泉「てきぱきワーキン▽ラブFX」は今回で最終回。でも次号からちゃんと新連載を始めるというあたり、しっかり仕事する人だなあと感心する。鈴木みそ「オールナイトライブ」。前回に引き続いてゲームスクールのお寒すぎる現状をレポート。すごいなまったく。今の25〜26歳が境なのかー。俺はちょうど端境期ちょい前あたり(今28歳)だけど、外部からの刺激物的に一番目に見えてそれ以降の世代と違うかなと思えるのは……うーんなんだろ。ファミコン(1983年発売)との出会いの時期かなあ。

 市橋俊介「テルオとマサル」では、マサルの男根がたいへんなことになっていて、非常に由々しき事態。それにしてもブッ切れてて末恐ろしい作風である。毎回かなり笑わされている。そして圧巻なのはやはりいましろたかし「釣れんボーイ」。もう扉をめくった次のシーンから、ガツンとやってくれます。この情熱のかけっぷり、あっけらかんとした姿勢。最高です。そして目次ページの作者コメントで、市橋・タイムの合コン話をうらやむコメントを発していたりするあたりも。ところで今号は、読切作品がないのが残念。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5中
 作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」。相馬さんが出てくるたびに爛れたパンチラを披露してくれてどうにも圧倒される。やっぱりこの作品の場合は、小説→漫画の順で読むほうが良いような。この濃厚なイメージに支配された状態で小説のほうを読むより、とりあえずクリアな状態で小説を味わってそして漫画を読み、もし必要だと感じたらもう一回小説……といくのがいいんじゃなかろうか。岡田和人「教科書にないッ!」。そろそろ終わりが近いのかな? 綾のハシャギっぷりがちょっぴり切なくていいムード。村生ミオの連載、読切の2本立ては味わいの違いこそあれ、どちらも脂っこい。実はけっこう好きでしてな。

【雑誌】アイラ VOL.3 三和出版 B5平
 今号は前半、1ROOの作品が未完成っぽかったりしてちょっともの足りないかなと思ったけど、後半、香愁麻沙美、掘骨砕三あたりでだいぶ盛り返した。まず香愁麻沙美「まりのゲリラ」だが、相変わらず女の子にみっともないことを、なんかものすごくラリった調子でやらせてて奇妙な楽しさ。主人公(女子)はハゲヅラとふんどしで男湯に入るし、グラン・パ・ド・ドゥ!とかいって踊るし。普通の人を置き去りにするような、調子っぱずれなハシャギっぷりがとても興味深い。掘骨砕三「おとなりさん」は、けっこう派手にスカトロってるんだけど、ラブムードが強いので甘い味わいも濃厚。滑らかな手触りの絵柄がうまいこと作用している。

【雑誌】漫画アクション 12/26 No.52 双葉社 B5中
 今回は「ぷるるんゼミナール」がお休み。
 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」。熱戦終結か。このままでは双方とも終われなさそうな感じだけど果たして。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。なんかいつの間にやらあのスチャラカ球団ジャッカルズは優勝争いをしていたらしい。やはりヘンな外国人の活躍が効いたか。
 次号には柏木ハルコが描くらしい。ちょっと意外。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1月増刊号 1/12 小学館 B5中
 実は一番面白かったのが、花輪和一による12月21日発売の単行本「ニッポン昔話」PRの6ページ漫画だったりした。花輪先生がイラスト印を一つひとつ押しているさまとかをちゃんと漫画で描いてくれるなんて、こんなにうれしいことはない、とかそんな感じ。そのほか、東陽片岡「東陽片岡人生劇場」の、生暖かいオチがとてもうれしかったのです。

【アンソロジー】ミルクコミックさくら Vol.14 松文館 A5
 おなじみロリ系アンソロジー。あ、でも登場人物はすべて18歳以上なんで。奥付にそう書いてあるから間違いないぞ。今回の漫画執筆陣は、へっぽこくん、菊池広隆、月角、志崎月魚、彩木衛生、黒崎まいり、う〜とむ、TORO、こけこっこ☆こま、あじまる。この中では、月角「PURE」が非常に良かった。冬の公園で出会ってしまった、男と幼い女の子の、愛の日々を切なく描く。センチメンタルに進む物語は、けっこうほろりと泣かせる。月角の作品でこんなにじーんときてしまったのは初めて。あじまる「そこぬけ人魚」。楽しくていいなあ。猛り狂う人間の男とめくるめく交尾がしてみたい人魚ちゃんのお話。丸っこくてかわいい絵柄だけでなく、オチも利いててなかなか笑える。


12/11(月)……ヤマタイ号

 ネムーイ。帰宅してすぐふらふらと2時間ほど寝る。なんかますます就寝パターンが不規則になりつつある。ヤバーイ。

【雑誌】ヤングキング 1/1 No.1 少年画報社 B5中
 市川智茂「ナデシコ平九郎」は、一度復活したけどまた最終回。わりとラブコメ風味が気持ち良くて好きだったんだけど。中西やすひろ「愛DON'T恋」。うーむ。主人公のいい加減さ、無軌道に肉欲方面に進む行き当たりばったり的な展開がたまらない。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/8 No.2 集英社 B5平
 巻頭カラーで始まった「GUN BLAZE WEST」。元気な少年ガンマン西部劇もの。これを描いているのが和月伸宏であることになぜか最初は気づかなかった。雑誌の表紙にもデカデカと描いてあるのに。全体的には、いかにも最近のジャンプテイストなものが増えてしまったなという印象を持たれがちなのがマイナスか。よくできていて、けっこう面白く読めるので、抜きん出ちゃえば大丈夫だとは思うけど。作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。最近、表に出て碁を打てない佐為にフラストレーションがたまっている模様。ここらへんの心理のアヤの描き方はやっぱり巧み。なんかそろそろ一回、佐為とヒカルを引き離す仕掛けとか作ってもいいかも。河下水希「りりむキッス」。実は案外、現在の漫画としては露出は多くないような気もするんだけど、Hっぽいドキドキ感を演出できている。このへんはけっこううまい。着から脱の大胆さが決め手ですな。尾玉なみえ「純情パイン」。くだらないことをやりつつ、ちょっぴりコイゴコロだっ。でもやってることはやっぱりヘン。絵柄的にも話的にも、面白い作風だなあ。イイ!

【雑誌】ヤングマガジン 1/2+8 No.2+3(合併号) 講談社 B5中
 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。今回はまたしてもゲンの恥ずかしい一人遊びシリーズということで、日刊ゲン新聞発行さる。それにしてもケンヂってホントにこんなもんが作りたいのか。そして茶羽根の極悪尻が圧巻。福本伸行「賭博破戒録カイジ」。必勝法をつかんだ途端、強気になって負け組に対して演説を始めるカイジ。相変わらず調子がいい。なんとなく、肝腎なところでまたこの人たちに裏切られそうな気もします。CLAMP「ちょびっツ」。最近、強烈なのは減っているのだけど、各所にちまちまと萌え系な動作を抜かりなくちりばめているのはさすが。良い仕事です。

 ちなみにおまけの「さわるとヌード」は、指であっためる感じではなく、消しゴムでこするみたいな感覚で強めにゴシゴシやるといいぞ。あと「おやすみなさい。」の単行本を読んでダサ夫に電話した人。もうよせ。そんなことは。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/6+8 No.2+3(合併号) 小学館 B5中
 江川達也「東京大学物語」のスゴイ展開にびっくり。やられたー。こういうことやるのってすごく楽しいだろうな、作者としては。そんなこんなで最終回目前。もしかしたらもう何回かちゃぶ台返し的なことをやってくるかもしれない。巻頭カラーで作:矢島正雄+画:環ちひろ「365歩の竜太」がすたーと。製菓会社にやってきた仕事バカ新入社員・竜太の活躍を描くという感じの、ビジネスマンもの。パサついたペンタッチに特徴があり、元気なのは良いと思う。週刊連載は来年1月22日発売のNo.8から。桑沢アツオ「ジュンプウ」はブチッと最終回。残念。もっと桑沢大ざっぱ節を見たかったんだけど。ナハハハ、また勝ってしまいましたな、というアレ。

 ところで増刊Manpuku!はIKKI創刊でなくなったかと思ったら、増刊山田1号と改名して12月18日発売となった模様。Manpuku!がなくなったことに変わりはないんだが。

【雑誌】零式 Vol.24 リイド社 B5平
 今回はなかなか豪華メンツ。二階堂みつき、大島永遠、すえひろがり、天竺浪人、むつきつとむ、才谷ウメタロウ、中田ゆみ、きお誠児、上月まんまる、まぐろ帝國、宇佐美渉、之瀬ハルオ、電光石火轟、御形屋はるか、小石川ふに、結城心一。エロ度は弱いけれども、安定感のある面々なので安心して読める。なんとなく今号に関しては、全体的に各作家のベストパフォーマンスという感じはしなかったけどきれいにまとまった作品が多かった。

 天竺浪人「伝染」は、煮詰まりサラリーマンとマイペースな少女の物語。後味スッキリ。少女のキャラも魅力的。スゴイって感じではないものの、手際よく読ます。単行本が出たむつきつとむ「としうえの魔女たち」。今回は小鳥さん、それから清孝の母の幸菜の過去がだいぶ語られる。キスをねだる小鳥さんはかわいいものの、やはりいろいろ思うところはあるようで。キャッチーなキャラと、読ますお話作り。良いですなあ。中田ゆみ「レンタルラバー」。ねこみみの魅力。絵が甘口なのがお話にマッチしている。それから今号でとくにいいなあと思ったのが之瀬ハルオ「勇者の子種」。勇者を監禁し、子種を求める姫のお話。寸止め寸止めで、勇者を気が狂わんばかりにする姫様がエロい。歪んだ表情をしっかり描けるのが強い。かわいいばかりでなく。艶めかしいムード作りといい、なかなかの実力。


【一番上へ】