「かっこいい自転車」 町野変丸

「かっこいい自転車」
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 町野変丸久々の単行本。前単行本の「ヌルヌルゆみこ帝国」の初版年月日が1999年11月20日だから1年半ぶりということになる。それまでの刊行ラッシュから考えるとちょっと意外。

 今回の単行本も、例によってゆみこちゃんの「あ〜んちこくしちゃう〜」から始まって、彼女が人間離れしたファックをしたりしなかったりな作品が中心。最近の町野変丸は、かつてのいい意味での不安定さ、爆発力は影をひそめつつあるものの、その分絵柄の洗練が進み安定感が増している。身体中からにょきにょき何本もちんちんが生えようが、複乳であろうが、体よりデッカイかと思われる巨大バイブをつっこまれようが、町野変丸作品に慣れている人にとってはそれはまったく「いつもながらの町野変丸」であり、まるで普通のことであるかのように受け取れてしまう。これは考えてみればけっこうスゴイことだ。どう見てもあんなことフツーではあり得ないのに。町野変丸はこれまでの作品で、読者の感性を絶えず拡張し続けてきたんだなあと感じる。絵柄がどんどん洗練され、ポップさを強めてくるにつれて間口もどんどん広がってるわけで、町野変丸はこれからもどんどん広い層の読者の価値観を、ゴリゴリと拡張していってくれるんだろうなあと期待してしまう。町野変丸の名前もだいぶ知られてきていることだし、ここらへんでイッパツ、あえて「ヌルえもん」あたりを復刻するというのはいいかも。

 ところで今回の単行本では、おまけとして「特製ゆみこちゃんシール」が付いてます。その分単行本価格も高めになっているけど、かなりかわいいシールに仕上がってるんで、持ってるとけっこううれしい。
(2001/05/29)