フラミンゴ 99年9月号

puppy Love

海明寺裕
吉本 うむ。戦後すぐの状況を提示することによって、K9とは「隠されていたが実はずっと存在していた」ものであるというリアリティが醸し出されている。海明寺先生は本気だ。本気で日本をK9の国にしようとしているのだ。やべえことこの上なし。
久遠    
単身赴任

海野やよい
吉本 息子に調教される母親とは何ともかんとも。母親が若く美しく描かれていることに「妥協」を感じるが、責めはハード。いつもながら業の深さを感じる。
久遠    
Crumpet

しのざき嶺
吉本 …柱にも書かれているようにどうもテンションが低い。精神的なトラブルに巻き込まれているせいか、確信犯的な境界の逸脱が見られないのだ。これでは読み手も辛い。
久遠    
渇望

るもいじゅん
吉本 完全に母として、人間としての標準を逸脱している聖奈が、いかに母性を取り戻すかというオハナシなのであろう。生まれたばかりの赤ん坊を、泣きやまないという理由で「黙らせよう」とする描写は実に痛い。るもい自身の体験もおそらくは含まれているのであろうから。「抜きどころ」が無理矢理加えられてしまっているので構成的に辛いのだが、痛い作品であることには変わりない。
久遠    
私の罪はアナタノツミ

白井薫範
吉本 P。P。P。あたかも当たり前のように「P」という言葉が使われるので脳が麻痺してくる。そして寄ってたかってPを作り上げる女生徒たち。怖いなぁ、女子校って。
久遠    
楽しい夏休み▽

町野変丸
吉本 いつものようなとんでもない展開がないので安心して(?)読める。普通のエロ漫画じゃないか。…まぁ次もこうとは限らないが。
久遠    
たとえばこんな物語

浦野まみ
吉本 …まったく、まったくフラミンゴらしからぬ絵柄と展開。「何が起こったのか?」と心底心配になってしまった。新しい編集者が入ったからだというが…。まあ、自家中毒気味になっていたので、こうした新しい風を吹き込むことも必要なのだろう。
久遠    
バージェスの乙女たち

蜈蚣Melibe
吉本 最初の一コマと最後の一コマだけ本筋に関係あるものの、ほぼ全編フェラチオアスカのオハナシ。先生もよほど気に入ったのであろう、この「フェラチオアスカ」という響きが。私も気に入ったぞ!「フェラチオアスカ」「フェラチオアスカ」…
久遠    
かわいい人

小河ちとせ
吉本 …新しく入った編集の前歴が知れますなぁ。こういう「可愛いもの」が本来のフィールドであろうのに、よくもまあマニア誌の筆頭であるフラミンゴに移ってきたよなぁ。内容?ないよう!ってのはダメ?
久遠    
午後のお楽しみ

童門冬児
吉本 ありがちな「団地妻」もの。オハナシがありきたりなのが残念。ひょっとして代原か?もっとロリっ子が活躍するようなヤツをお願いしますよ。
久遠    
渚にて…

鋭利菊
吉本 いつ出てきたんだっけ、この人。ホントにヤバいことしてお縄を頂戴していたはず。内容はためいきが出るほど素晴らしい。浜辺で野糞を垂れているところをビデオに撮られ、オモチャになることを強要される少女のオハナシ(この時点で何かがキレているではないか)なのだが、その後の展開と絵柄はかなりキチキチ。しまいには共和国の潜水艦まで登場するのだから!この人も例の新人編集者が連れてきたというが、この人の起用は大正解。いやあ、鋭利先生、タマリマセヌわ。心底リスペクト!
久遠    

<総評>

吉本 新しい作家の登場により随分印象が変わって見える。しのざき嶺の不調もあるのだろうが。このことはいかにこの雑誌が自家中毒に陥っていたかを如実に示す。新しい作家は鋭利菊を除きフラミンゴに合ってはいないが、雑誌全体を活性化させる役には十分立っている。この路線は悪くないと思う。
久遠  

<ベスト>

吉本 いやあ、私としたことがこの人をチェックするのを忘れていた。ちば系の絵でツマンないと勘違いしていたんだものなぁ。久しぶりに読んでみたらヤバいことヤバいこと。鋭利菊先生にするしかあるまい。
久遠  

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