2000年2月上旬

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2000年2月9日(水)

コミックビーム3月号 アスペクト <漫画・雑誌> 467円

 早売りでゲット。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、今回ももの凄い出来です。どうなってんの?(富野語)って感じでしょうか。吉田戦車の登場という目立った特徴もあるのですが、何より連載がもの凄くいいのですね。「砂ぼ」「漫玉」「テルオとマサル」「恋の門」「弥次喜多」「彼女とデート」…どれを読んでもまったくハズレがないのが凄いです。加えて「敷居の住人」は、またも身悶えするような展開。ああ!ちなみに4月からフャミ通などと同様に別会社になり、そこからリリースされるようになるとのこと。

ちちばすと 榊原薫奈緒子 笠倉出版社 <漫画・単行本> 857円

 しばたさんやその他の方々が誉めていたので購入。メタネタ全開の展開と分かっていらっしゃる女体の描き方。等身が小さいのにちちだけはでかいというところがソソルじゃあないですか。一方で『Slow Music』のようなリリカルな展開も(まあ全部じゃないですが)できる。侮れん才能を感じます。

された制服 Mumei FOX出版 <漫画・単行本> 952円

 同人誌で発表された作品をまとめたものです。内容は正真正銘のロリイタ系。いたいけな娘さん(当然幼児体型)がさんざんに陵辱されまくります。男の描写の多くが匿名として描かれ、女の子が暴力的に犯されるという点ではゴブリンと似た点を持っていますが、こちらの方が一般性が高くなっています。ちょっと線がまだ洗練されていないという感がありますが、この調子で行けば伸びるのでは、と思います。

ブギーポップは笑わない     <アニメ> -円

 …あんまり物事をけなさないようにしたいと思うのですが、これはちょっといただけません。最初に見たときの危惧がまったく改善されていないのですから。本当に深刻なことは、簡単な言葉で語れるようなものではなく、何重ものオブラートの向こうにあるはずです。『lain』の良かったところは、それを直接語ろうとせず、寓話として語ろうとしたところにありました。ですがこの作品は…。
 ライターの力不足が決定的なのですね。薄っぺらな物語しか描けないようでしたら、視聴者に引かれてしまうどころか、怒らせることになりかねません。辛い経験をしろとはいいませんが、もっと真剣に「社会」に接して欲しいものだと思います。

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2000年2月7日(月)

ホットミルク 3月号   コアマガジン <漫画・雑誌> 838円

 以前に比べて実用性、多彩さ、雑誌としての安定感がどれも上がっているように思います。以前の人脈とは異なった人を積極的に採用して、ラインナップに変化を出しているのが成功の秘訣のようにも思います。今回のベストはダントツでタカハシマコ。「今日からお母さんになってあげる」と仰有る小さな娘さん!剥いてみると実は!むうタマラヌ!またりえちゃん14歳、田沼雄一郎、智沢渚優などの安定したメンツで脇を固めつつ、朔のような読ませる漫画を載せる。いいじゃないですか。来月もこの調子ならクロスレヴュ復活を考えています。これに加えてジャンキーズがついているのですから。今月のインタヴュは米倉けんご。レズコミック特集は苦労したあとがアリアリですが、きちんとまとまってはいます。ジェンダーやセクシュアリティの変容をきちんととらえている永山薫の文章には共感するところが多いです(2日の日記を参照してくださいね)。

Angel倶楽部 3月号   エンジェル出版 <漫画・雑誌> 467円

 お目当てはしろみかずひさ『精液便所』。同人誌で繰り広げられていたオハナシがどう出るか…と思っていたのですが、ちゃんとつながってるじゃないですか。そして茉莉果が進んで精液便所と化すところ、以前よりドライブ感の増したエロシーン、よりふところの広がった(トンがっていない)絵柄と、しろみは随分と迫力を増したように思います。あとがきにあっさり淡々と「妻と離婚することにしました」と書いてあるのがちょっと怖いですが。この雑誌、エロ度合いという点ではかなり実用的でして、気合いが感じられるのが好ましいところです。巫代凪遠「収穫祭」はフラミンゴ掲載作品を軽く越えるようなハードな攻めが楽しめますし、相沢早苗のようなほっとする絵、紫川弓夜、荒木京也のような技巧派の絵と多彩でもあります。ハードなエロをお望みの方にはお薦めですね。私もちょっと買い続けようかと思っています。

みんなのNPO 枝廣淳子訳 海象社 <一般書> 2800円

 アメリカでNPOをどう作り、マネジメントするかを解説した本。向こうでは基本書ですね。これを読めばあなたもNPOが作れる、という感じのはずです。なぜNPOか、というと、「みるく☆きゃらめる」のNPO化が可能なのではないか、と考えているからです。「みるく」は学術研究を行うことで社会に貢献しますし、イベント代を引けば完全にノン・プロフィットですしね。…いやいや、冗談です。

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2000年2月6日(日)

ホワイト・マンc/w変なパーマネント 突然段ボール Pass Records <CD> 1200円

 突段の80年のシングルを再販したものです。それにしても形容しづらい音楽ですこと。当然なのですが突段は20年前から突段だったということがよく分かるCDになってます。

サントラ盤!!書を捨てよ町に出よう V.A. ビクターエンターテイメント <CD> 2800円

 テ・ラ・ヤ・マ!この映画自体かなりきちがいじみた(もちろん意図的使用ですよ)ものだったのですが、このCDもやっぱりきちがいじみたものになっていて素晴らしくナイスです。『健さん愛してる』をせつせつとうたいあげるサルバドール・タリ!「人力、人力、人力飛行機!」と叫ぶ佐々木秀明(主人公)!うなりまくるシーザー節!70年代のアンダーグラウンドシーンがいかにへっぽこで、かつ魅力的なものであったかがよく分かる作品になってます。とにかく大名作。サブカル志向のある人は必聴でしょう。このCDの企画はブルース・インターアクションズ。やっぱり。

Louder than Bombs The Smiths Rough Trade <CD> 1150円

 ああ懐かしい。遠藤浩輝の『女子高生2000』にもスミスは登場しましたね。やはり「あの頃」の雰囲気をよくあらわしていたバンドだったと思います。この空っぽ感覚!

小栗判官 近藤ようこ 白泉社 <漫画・単行本> 古書価200円
ハーツ&マインズ2 いましろたかし 集英社 <漫画・単行本> 古書価200円
桃色三角 中田雅喜 白夜書房 <漫画・単行本> 古書価300円
ショッカーO野の熱血ヒーロー日記 小野敏洋 ラポート <漫画・単行本> 古書価400円
上野漫画 上野顕太郎 秋田書店 <漫画・単行本> 古書価200円

 以上古本。三冊目、有名な本ですが(オーツカ某!)『桃色三角』ってのは『銀の三角』のパロなのですね。四冊目、おそらく小野(=上連雀三平)のデビュー作。特撮番組の舞台裏のルポ漫画です。

ピカリ ants,gas,bookstore,walk  しりあがり寿他 ソニーミュージックエンターテイメント <PC・ゲーム> 各500円

 しりあがり寿が企画した(ホントは河合克夫?)のWin用ゲームです。一言でいえばイタチョコみたいなゲームですか。オナラで方向転換して進む3Dゲームがあったりして微笑ましいです。…たいそう売れなかったみたいですね。

仮面ライダークウガ     <特撮> −円

 しまもと御大も上連雀三平もこの作品について語っておられますな。私の率直な感想としては「良くできてるじゃないの、だが…」というものです。初代ライダーやメタルダー、シルバー仮面の轍を踏まないことを期待したいと思います。あ、シャンジェリオンも。

おジャ魔女どれみ#     <アニメ> −円

 新シリーズ突入。先週しんみりさせておいたうえでこれですか!ネタは「ママ小」ですか!というのはおいといて。松明先生はこの作品に微妙な判断を下しておられるようですよ。ちなみに私の好きなおジャ魔女はもりしげです。

ごぞんじ!月光仮面くん     <アニメ> −円

 地球を侵略に来る子ども化星人。彼女は町の人達を子どもにして地球征服を企てる。しかしその能力に気づいた青年団の人々は、今年の慰安旅行を子ども料金にし、1泊2日の温泉旅行を3泊4日のサイパン旅行にするために、子ども化星人に青年団全員を子どもにするよう迫る…。なんですかこのストーリー??鋭い方はもうお気づきかと思いますが脚本&ストーリー構成は浦沢良雄、自称宇宙の王子さま。「はれぶた」以来ちょっとご無沙汰していましたが、才能を炸裂させています。毎週日曜は録画予約決定です。

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2000年2月4日(金)

アルカディア 2号   アスキー <ゲーム・ムック> 648円

 メイムを取りあげていることからもお分かりでしょうが、私の人格形成にアーケードゲームは決定的ともいえる役割を果たしています。ですがその割にはメストには不義理を働いていました。その罪滅ぼしという気持ちで購入したものです。月刊化だそうですね。ゲーセンにはさすがに最近行かないので、買わなくなってしまいそうですが。

小野塚カホリ傑作選 Comic Strip 小野塚カホリ マガジン・マガジン <漫画・雑誌?> 619円

 B5サイズ、雑誌形式で小野塚の良かった作品をまとめたものです。2ページものの『Comic Strip』という連作のみが単行本未収録。ほぼすべて読んだことのある作品だったのですが、やっぱり「ホモエロはいいねぇ…」という気持ちになります。読者の深い部分に訴える作劇方法。それが小野塚の秘密なのだと思います。マガジン・マガジンはこの手の傑作集をいくつも出す様子。再録ばかりでなく今度は新作も載せて欲しいものだと思います。

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2000年2月3日(木)

ヒカルの碁 5 ほったゆみ&小畑健 集英社 <漫画・単行本> 390円

 うーん!少年漫画の徳目をここまで蒸留するとは!流麗な線による魅力的なキャラクタ。そして塔矢に追いつこうとひたむきに努力するヒカル。少年の一途さに打たれるじゃあないですか。多くの者をショタに引きずり込むであろう恐るべき作品。エロ味が徹底的に漂白されているその分、純粋な少年愛好をもたらすように思います。

オヤマ!菊之介 17 瀬口たかひろ 秋田書店 <漫画・単行本> 390円

 どこをどう考えればこういうネタが出てくるのですか?いや、実はこれは「考え」ではないのでは…と、背筋が寒くなります。17巻通して読んだのですが、脳が溶けました。ホントです。

コミックフラッパー3月号   メディアファクトリー <漫画・雑誌> 429円

 表紙はOKAMA。いつものかれの絵とは違うのでちょっと戸惑います。新連載は安彦良和の『韃靼タイフーン』。ロシアの軍艦をスクラップにする業者の息子が、解体中の軍艦の中で白人美少女と出会う…という展開で、とりあえずは漫画的にいいヒキなので惹かれます。ですが安彦。今後の大コケに逆に期待してしまいます。今回の見物は『スカルマン』。まさかあの人(?)が!効果線の引き方など、御大が乗りうつっているとしか思えない迫力です。また永野のりこの『ひっち&GO!!』。例の事件と妙にシンクロしている展開がヤバい感じです…とはいえこの人の作品はみんな例の事件の様なものですが。のりこ先生はどのような感想を抱いておられるのでしょう?あとは駕籠、SABEなど読める漫画は多いです。もうちょい統一感が欲しいところではありますが。

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2000年2月2日(水)

日の丸・君が代の戦後史 田中伸直 岩波新書 <一般書> 700円

 戦後において日の丸・君が代がどのように扱われてきたのかをあらわしたルポルタージュ。日の丸・君が代問題がここまでこじれるようになったのは80年代になってからなんですね。日の丸・君が代に反対する勢力を無前提に誉めている嫌いはありますが、作者の意図と出版社の意図が伝わってくる労作だと思います。私も日本文化を語る者。世界的に地位を占めるようになった漫画を語る上では、歴史認識を固めるのは必須の作業だと思っています。

共同体の基礎理論 大塚久夫 岩波現代文庫 <一般書> 800円

 「みるく」で何か漫画のムーブメントを取りあげる際に、決して避けて通れないのが何らかのコミュニティの形成です。たとえばハイエンド。意図的にハイエンドを主導する人もいたわけですが、それに共感し、またその意図に従って作品を描いた人もいたはずです。そこにはコミュニティが形成され、何らかの共同体意識が発生していたと考えられます。それに対する視点抜きには、ムーブメントは語れないと思うのですね。ということで基礎文献として。

現代思想2月号 特集ジェンダー 青土社 <学術?雑誌> 1238円

 私は恐ろしい仮説を持っています。「みるく4号」ですでにあらわしたのですが、「日本においては、アニメが旧来のジェンダー格差を弱体化した」というものです。誰でも見ることのできるテレビアニメが、幼い頃からこどもに働きかけ、「男の子性」「女の子性」を弱体化したのではないか、というものです。だって、『どれみR』…じゃなくてシャープに熱狂しているのは女のオコサマだけじゃないじゃないですか。かくいう私も『ミンキーモモ(両方)』『クリィミーマミ』『ペルシャ』等々に熱狂してきたわけですから。テナ訳でこのネタで論文を書き、新ジェンダー論の新星として君臨しようと思っているわけですよ。ええ、私は本気ですよ。本気なんですってば!!

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2000年2月1日(火)

ビリーバーズ 2 山本直樹 小学館 <漫画・単行本> 857円

 相互浸食する夢と現実、ということが通奏低音として描かれています。またわかりやすい表象として、カルト的宗教団体が描かれています。ですが山本直樹の本当のねらいはそこにはないように思います。詳しくは後ほど書くであろうブックレヴュをご期待下さい。

ティアズマガジン   コミティア <カタログ>

 シティーでは惨敗を喫しましたが、ティアには気合いを入れていきます…ということで。今回は売り上げは上位には達しませんでしたが(ジェット団のみなさんは凄い売り上げですね!)、ま、ビッグサイトでしたから。どこかで顔を見たことあるようなご兄弟が「みるく」の本を買った、と語っておられるのが非常に有り難い感じです。三五千波に描いてもらえるなんてうらやましいなあ…。今度私も何食わぬ顔でサークルを回ろうと考えてます。

激漫    ワニマガジン社 <漫画・雑誌>

 天竺浪人の50ページが凄い迫力です。あとはMAROといったところでしょうか。全体的に新しい方向性を見いだそうとしているのが面白いですね。ですが大きなショックが。フラミンゴ休刊ですと?2月売りの3月号で終わり?なあんてこったい!!

快楽天 3月号   ワニマガジン社 <漫画・雑誌>

 OKAMA『スクール』は、孝幸が皆からしっぺ返しを食らうという展開。セックスすることでしか心の安定を保てないという描写が良いじゃないですか。やっぱり『8 1/2』なんですが、分かってるその分ニヤニヤしてしまいます。あとは夏蜜柑の再登場が嬉しいところですね。詳しくはクロスレヴュを。

マスターグレード Zガンダム   バンダイ <立体> 2400円

 やさぐれ気分を脱するためにMGを買う、ということが定着しつつあります。何故今更ゼータを?PGの予行演習ですよ!

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