つれづれなるマンガ感想文11月前半

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「つれづれなるマンガ感想文」10月後半
「つれづれなるマンガ感想文」11月後半
一気に下まで行きたい



【書籍】・「犬儒派だもの」 呉智英(2003、双葉社)
【雑記その5】
【同人誌】・「あなたの血が欲しイーイーイー! アメリカンバカホラーコミック」唐沢俊一(2003、東京文化研究所)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)
【雑記その4】
【映画】・「アマゾン無宿・世紀の大魔王」 監督:小沢茂弘、脚本:松浦健郎(1961、ニュー東映・東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第1話「目覚めよ!星の戦士」(2003、テレビ東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第2話「発動!ドルクルス」(2003、テレビ東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第3話「結成!炎のトライブ」(2003、テレビ東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第4話「死闘! 大地の戦士」(2003、テレビ東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第5話「燃えろ!警官魂」(2003、テレビ東京)
【特撮】・「超星神グランセイザー」第6話「激突!風と炎と大地」(2003、テレビ東京)
【小説】・「水没ピアノ−鏡創士がひきもどす犯罪」 佐藤友哉(2002、講談社)
【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第2話(2003、TBS)
【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第3話(2003、TBS)
【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第4話(2003、TBS)
【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第5話(2003、TBS)
【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第6話(2003、TBS)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第2話(2003、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第3話(2003、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第4話(2003、テレビ東京)
【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第5話(2003、テレビ東京)
【雑記その3】
【雑記その2】
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)
【雑記】
【ドキュメント】・「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR.」(監督:柳町光男、1976、エースデュースエンタテインメント)
【書籍】・「おいら」 矢口真里(2003、ワニブックス)
【書籍】・「トリビアの温泉 〜素晴らしき芸能ムダ知識〜」 BUBKA編集部:編(2003、コアマガジン)
【映画】・「サンダーパンツ!」(製作/監督:ピーター・ヒューイット、脚本:フィル・ヒューズ、2002、英)
【映画】・「フレディVSジェイソン」(監督:ロニー・ユー、脚本:マーク・スウィフト、ダミアン・シャノン、製作:ショーン・S・カニンガム、2003、米)







【書籍】・「犬儒派だもの」 呉智英(2003、双葉社) [amazon]

「犬儒派」とは、プラトンと同時代の哲学者・ディオゲネスとそれに連なる哲人たちのことだという。そんな言葉、サッパリ知らなかった。ディオゲネスは、世俗の秩序を無視して皮肉とか逆説ばっかり言うタイプの知識人だったらしい。
で、「自分はどうも犬儒派らしい」と思っている作者が、あちこちに書いたエッセイをまとめたのが本書。

呉智英は世の中のさまざまなことを「真正面から問い、裏側から問う」。「真正面と裏側双方から」というのがミソで、その「真正面」の部分があるために、私はヒトがいうほど呉智英のことを皮肉屋だとも逆説家だとも思わない。
「自分はロゴスの人だ」とも呉智英はよく書く。それは一面本当だろうし、私も若い頃はその文章の論理性を読みとろうと努力した。しかし、本書を読むと論理的な面よりも「味わい」の要素の方が強いように感じる。主張は基本的に昔と変わらないので、「何をネタにどう展開するか」のネタ部分をすでに把握している人は、本書のエッセイとしての味わいの方にも興味が行くと思う。

以前からエッセイストとしての技巧の優れた人だったが、トシをとって丸くなったからかどうかはわからないが、しみじみ度が以前よりも増しているように感じた。
決して偏差値の高くない大学で、賃金の面からもわりがいいとは言えない講義をした結果、感動と義憤を同時に得た「四十台の青春」や、政治的にまったくけしからんがそれでもなお感動してしまう映画に出会った「ねじまがっても感動 思い出の映画」などはとても素晴らしい。

いくつかの「遺書」を引用しながら、自殺のあり方について綴っていく「虚無に向きあう言葉」もかなりいい。「死の絶対性を前にしてなお偉大な魂と卑小な魂は区別されるのだ」と言いきるのが呉智英節である。
投げっぱなしの場合でも、その着地点がどの辺にあって、どういうかたちで着地するのかまである程度見据える文章の書き方をする。それと、五十代以下の人々に比べると「死」とか「不幸」に対する考えに色があるというか、個人の死後とか歴史全体を含めたものの見方をする。まあ、世代的に戦争の爪痕を見ているし、青春時代には革命を起こして捕まって拷問にあったらどうしようとか、そういうことばっかり考えてきたからだろうと思うが。

やや筆をすべらせると、小林よしのりも一時期それができた。マンガ評論家としての呉智英は小林よしのりに一時期入れ込んでいて、両者の主張にも非常に近いものがあった。
だから、私はてっきり呉智英と小林よしのりは友達か、あるいは評論家とマンガ家としてかなり親しい間柄だと勝手に思い込んでいたのだが、初期の「ゴーマニズム宣言」を読むと意外にそうでもなかったようだ。

その後、近いテーマに基づいて別々の活動をしていた両者のうち、小林よしのりの方が呉智英側のフィールドに接近してきて、「歴史教科書をつくる会」の段階で呉智英は小林に対し絶賛調から微妙にトーンを変えたように思える。

ある難問に対し完全に投げっぱなしにして、そのブン投げ方が芸になっている人はどんなジャンルにもけっこういるが、「投げた後の、その向こう」まできちんと見据えている人はそんなにいないし、またそのスタンスを継続させるのもむずかしいらしい。

いろんな「そのスタンスからはみ出て行っちゃった」人を見て「まぁしょうがないのかな」と思っていたが、本書を読むと出来ている人はやっぱりちゃんと出来ている。
それは呉智英という人が、自身が思想家であり、論理的な思考をしなければならないと常に自覚しているからだろうが、それにしても(評論的なものではなく)創作ジャンルでそこら辺がちゃんとしてない人があまりに多いのはちょっとどうかと思った。

そう、私は案外そういうのを「ちょっとどうかと思う」人間なんです。
(03.0904、1115)



【雑記その5】

・2、3日前は生活すべてにおいてやる気まんまんだったのが、昨日から急速にやる気が収縮、仕事以外でやることと言ったらテレビで「ゴロッキーズ」を見たことくらいです。田中れいな、芸能人として成長したなぁ。

ところで、こうしてネットにシュミであれこれ書いていると、定期的に「どんなときでも更新し続けなければならないのではないか」という、梶原一騎直撃世代的な強迫観念を持ったり、「おれのシュミが他人にダダモレになっているのでは……」という被害妄想にかられたりします。

で、有名なサイトのタイトルだけどうこう言うのも変な話なんだけどー`)<淡々と更新し続けるぞ雑記。ωもみゅもみゅは「淡々と」やらないとサイト運営はうまくいきにくい、ということをタイトルで表しているし、電脳御殿〜私生活サトラレ日記も、「私生活をサトラレってんじゃないか」という心情といい意味での居直りを表しているようで、今さらながらみごとだと思った。

「業が深そうな人たち」とカテゴライズされて、当サイトがリンクされはてなダイアリー - うさじごにっき
私の住んでいる新田ワールド、別名「新田ワールドスクエアー(小田茜の失われた美しさについて考える世界)」、別名「大きな森の小さなおうち(最初おもちゃのCMソングだと思ってたら、やらしい暗喩だったアイドル曲)」では「業が深い」というのはかなりの誉め言葉なんですが、リンク先がそのとおりの使用法なのかどうかはわかりません。

ただ、これは私自身が取り繕っていることなので正直に告白しておきますが、オタクの本質が膨大な知識やコレクションなどの「過剰」にあるのだとしたら、私は明解に何かが「欠如」しているということは言えましょう。「過剰な人」への羨望が、私にはかなり意識的にありますね。
しょせん、私なんぞは諸星大二郎の「生命の樹」における、季刊幻想文学かなんかで読んだ表現を使えば「彼岸から拒絶される存在」なのだと自己分析していたりします。

・以前、みうらじゅんの「バカ」に対する見解というか、トシを重ねていくにしたがって自分の「バカ」のあり方を考え直す一文を読んだことがある。
ここでの「バカ」はいい意味でのバカなのだが、その頃のみうらじゅんは「若気の至り」的なバカから、「いいトシして何やってんだ」的なバカへの移行について考えていたらしい。
まあいいんです。みうらじゅんは才能あるから。問題は私自身にあるのです。

で、いろいろ考えたんだけどもう自分としてはネット上では「ダメ人間日記」的なことは卒業だな、と。ダメ人間がダメさ加減を綴るのは文学史的にもいろいろあるらしいんだけど、私が直接のお手本にしたのは電気グルーヴと椎名基樹と大槻ケンヂだった(それは読んでいればわかるよね)。
今のネットダメ人間日記の多くも、たとえ直接意識していなくとも彼らと方法論は基本的には同じだ。けっこうどれを読んでも同じで、それなりに面白いんだけど飽きてきちゃった。
だから、それ以外のところに行き着きたかったら、別のことを模索するしかないと思う。

その後の、いろんな人の模索についてはもったいないからここでは書かないとして、とりあえず大槻ケンヂが「ぴあ」のエッセイで、「一時期ノイローゼみたいなことをずっと書いていたのは、今だから話すが海外で摂取したマジックマッシュルームのバッドトリップによる後遺症克服のためだった」と書いていたのに心底びっくりした。

私は大槻ケンヂの内面吐露みたいなものを、感じ取った生々しさほどには頭では信じていなかったが(すごい好きなんですけどね、エッセイに登場する、おそらくフィクションであろう家出少年との交流とか)、青年期が後半戦に入るつつあることによる焦りがノイローゼの一因であろう、という1点においては信じていたので驚いた次第。
まあオーケンの場合は、あくまでも軸足は音楽にあり、エッセイなどは「オーケン」という物語になっていればいい、という意識はあるし、その第二章の幕開けのように大げさにとらえてもいいんだけど。
(03.1112)


【同人誌】・「あなたの血が欲しイーイーイー! アメリカンバカホラーコミック」唐沢俊一(2003、東京文化研究所)

アメリカン・バカ・コミック集。アーリィ・パブリケーションズの雑誌「ホラー・テイルズ」から3本、「マッド」の出版元・ECパブリケーションズの雑誌「ショック・サスペンストーリィズ」から3本、日本語訳して収録してある。年代は規制前、後とあるが、いずれも30年以上前の作品。

アメコミにはまったく詳しくないので感心して読むのみなのだが、「よくこんなアホなことを絵にして描くなあ」という文字どおりのバカコミックあり、登場するオネーチャンがむやみに色っぽい規制以前の50年代作品あり。いろいろと楽しいです。
そんな中、規制以前の作品「愛国者たち」は、ラストにショックを与えるために練ったプロットとはいえ、何とも言えぬ余韻を残していると思う。
兵隊のパレードを見物に行ったカップルが巻き込まれる悲劇、といった感じのものだが、描くのがメンドクサそうな兵隊の行進はほとんど描かれず、この時期のアメコミってたいていコマ運びがすごく単調なんだがそれを逆手にとって(?)、その単調さが見物人たちがささいなことをきっかけに狂乱状態になっていくさまを表現するのに効果をあげている。

それにしても冒頭の2作、「吸血鬼の宴」「緑の恐怖」はバカでいいですな。とくに後者は、最初の1コマ目でネタばらしちゃってるし。それでも面白いです。

本書は、東文研通販グッズ唐沢俊一「一行知識」ホームページ)で通販で購入できると思います。
(03.1110)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)

公式ページ

11月9日放送分。

「ぶっちゃけトークSP(前編)」。要するに、自分のことを他のメンバーがどう思っているか、手元のボタンを押してもらって人数を見る、というようなコーナー。
これはつまらん!
まず、内容の前に新垣太ったなぁ。それとも第二次性徴?

石川梨華が「自分はピンクを似合わないと思っている人」とか聞いてたけど、石川梨華の場合、もうそういうネタをふった段階で「ピンクは似合わない」とみんな主張するに決まっている。後の展開が予想できてつまらないんだよね〜。しかも出た数字も中途半端だし。
さらに、それにきちんとした返しも出来てなかったし。石川いじりはある種の壁にぶつかっていると思う。石川がんばれ! あと他のメンバーも石川のいじり方を考えるように。

あと紺野。「声が小さいとか、ぶりっ子とか言われて……」とかって、なんだか見ていてかわいそうになっちゃったよ。「私が声が小さいためにイライラしたことがある人!」っていうネタふりも、フォローがむずかしいよなぁ。

石川、後藤、藤本がカラオケボックスでトークするという新コーナーも始まった。これは好きな人は好きだろうね。

ハロプロワイドでも「おじゃマルシェ紺野」としてカントリー娘。のところにリポートしにいった紺野がハブにされるシーンがあったんだけど、その前のコーナーでのかわいそうっぷりが残っていたので、見ていてだんだんムカついてきました。
紺野、空手で潰しちゃってもいいんだぞ!(空手最強説=紺野最強説)
藤本とは仲良くしていた方がいいと思うけど。
(03.1110)



【雑記その4】

●ファンの皆様へ 2003年11月9日に市井紗耶香は引退します天上の飛鳥
ええー!(驚愕) まあファンでもなんでもないし、「市井紗耶香 in CUBIC-CROSS」の曲にも個人的には面白味を感じていなかったから人気面ではなんの不思議もないのだが、「あの市井紗耶香はきっと何かやる!」みたいなファンからの期待をネットとか雑誌でものすごく聞いていたので、肩すかしを食らった気分……。

結婚引退であるとか、抜き差しならぬ事情がないと前提とした上で書くが、どう考えても曲が良くなかったと思う。市井云々のレベルの話じゃなかったのでは。あの曲では浜崎あゆみだろうが中島美嘉だろうが、歌っても売れなかったと思う。
それにしてもさんざん各方面から聞かされた「市井伝説」のようなものは何だったのか、市井モー娘。脱退と入れ替わりでモー娘。を見だした私にとっては謎のままである。

「モー娘。」ドラマ盛り NHKの3作で主演天上の飛鳥
安倍なつみ、石川梨華が共演する「ラストプレゼント」は、クリスマスにちなんだ単発ドラマ。衛星ハイビジョンで来月21日午後9時5分から、総合では同24日午後7時半から放送される。

 郵便局員の京子(安倍)と漫画家の今日子(石川)は事故死した恋人の葬儀で出会う。2人は同じ男性と交際していた。男がビデオで残したメッセージに導かれ、2人は彼の故郷である北海道へ向かい、クリスマスの儀式に参加する。恋人の死を乗り越えようとする女性2人の姿を描く、切なくも心温まる物語だ。

石川梨華がマンガ家役かあ……なんかそれらしいシーンとかがあったら見る。ベレー帽かぶってたりとか(メガネはかけてるらしい)。

 来年1月から教育で始まる「ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」(土曜後7・00、全12回)は、「ミニモニ。」の加護亜依、辻希美、高橋愛の3人が各4回ずつ主演する連続ドラマ。同名のグリム童話を基に、昭和20年代、40年代、現代を背景にしながら、少女が成長していく姿を描く。

ミカは! ミカはどこに! これが現実なんだよなあ……。ミカが主役で連続4回ドラマなんて、私でも考えないもん。考えたんだけど、すべてのドラマに端役で出演するっていうのはどう? 隣の家にホームステイしている人とかで。それで、それぞれのドラマでぜんぶ違う役なんだけど「どっかで会ったことありませんか?」「さあ……」とかね。ベタですけど。
それか、「昭和20年代、40年代、現代を背景にしながら」っつーんだからミカは未来でドラマ撮らせろ! あー風邪流行ってるみたいで、なんだか頭痛がしてきた。

磯野貴理子 結婚 相手は所属事務所のマネージャースポーツ報知
「結婚できて良かった」とかじゃなくて、まず第一のツッコミは「結婚できないフリしてたのかよ!」ではないだろうか。ぜんぜんどうでもいいが、磯野貴理子がやってた「チャイルズ」のコントって好きだったんだけど今じゃもうだれも覚えていないよなあ。
それと、何となく連想したんだけど「最強伝説黒沢」で「齢男」という言葉が出てきて独身男性一同ビビったわけですが、独身の女の人が「齢女」かというと、それはぜったい違うと思うんですよね。女性差別とかそういうの関係ナシに。「齢男の悲惨さ」という時点で、それはまあ真実も含まれているんだけどやはり福本マジックにやられている部分もあると思うわけなんだよ。

松山千春「宇多田、浜崎の楽曲にパワーない」YellowTearDrops
出版した本の中身でそういうこと言ってる、ってな内容。
宇多田、浜崎、モー娘。などはテレビで表立った批判を聞くことがない。箝口令でもしかれてんだろうね。
で、それに不満を持っている人たちも少なからずいて、松山千春みたいにそういう箝口令の外側にいる人に対して「言いたいこと言っちゃってくださいよ」ってなことになって、松山千春も言いたいこと言って、松山ファンには拍手喝采みたいな。そういう構造なわけでしょ。そこで閉じてる。何も変わらない。

まあ「よくぞ言ってくれた」みたいな効能がゼロとは言わないが、何も生み出さないことには変わりないね。
ナガブチも同じようなことをときどき言うでしょう。「学芸会みたいのがいる」とか。別に言ってもいいけどさ、非生産的なことにはかわりないと思うんですよ。松山千春やナガブチの音楽性と、浜崎が違うなんて聞いてりゃだれだってわかるんだしさ。

松山千春みたいな音楽が、いかにも「ザ・芸能界」って感じのコミュニティとははずれたところから出てきた可能性は、ある。そして、そのためにはテレビとか「芸能界」的なモノとかからは距離を置かなければならなかったのだろうとか私に推察はできるけれど、かつてはおそらく自明であった松山のスタンスは、現在ほとんど理解しにくいものになっていると思う。
その解読の義務は見る側にはなく、観客に曲を聞いてもらいたい松山千春側にあるはずだ。宇多田だ浜崎だヒトのことを言う前に、まず自分の説明をしてほしい。


(03.1109)


【映画】・「アマゾン無宿・世紀の大魔王」 監督:小沢茂弘、脚本:松浦健郎(1961、ニュー東映・東京)

もうすごい前に見たんだが、いちおう記録として。
「片岡千恵蔵が、『ブラジル帰りのアマゾンの源次』に扮して、ポンチョを着て二丁拳銃をぶっ放す」という聞いただけでムチャクチャっぽい映画だが、見たら本当にムチャクチャだった。

アメリカでは新たなカジノ市場の開拓のターゲットを日本にして、日本の前近代的なやくざを駆逐してカジノをつくろうと計画。日本人の刺客をさしむける。
一方、なぜかブラジルから帰ってきた「アマゾンの源次」もカジノのシマの取り合いに巻き込まれ、いろいろあって謎を知っているが精神病院に収監されてしまった美女救出のために、自分もおかしくなったふりをして病院に潜入(ここのくだりがあまりにもメチャクチャすぎて大爆笑せざるを得ない。オカシイ人々はほぼ全員、当時のお笑い芸人で、「テレビの役者と映画の役者がケンカ」とか「落選しておかしくなった代議士」とかそんなのばっかり出てきて、片岡知恵蔵もなんか派手な棒(何だったかは忘れた)を持って「ワッショイ、ワッショイ」と無意味に大騒ぎする。

最後は悪人、善人をみんな集めて、高笑いとともにアマゾンの源次が登場。予定調和的に話は終わるんだが、精神病院のシーンがアブなくて面白いというところを除いても、ちゃんと説明しなきゃいけないところは妙にきっちり説明もしていたし、それでいてコセコセしてなくて豪快な映画だった。
最初のシーンが「アメリカの悪人が超高層ビルで一堂に会して会議をしている」というシーンだからねえ。「怪傑ズバット」並みの飛躍っぷり。
(03.1109)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第1話「目覚めよ!星の戦士」(2003、テレビ東京)

テレビ東京ページ。

東宝公式ページ。

10月4日放送。
かつて、人類は超古代に発達した文明を持っていたが、それを危険視された宇宙連合の総攻撃にあい、滅亡してしまった。そのときの人類側の兵器が「超星神」であり、滅亡後の人類が再び危機に瀕したときのために残したのがヒーロー「グランセイザー」である。
バイク便のライダー・弓道天馬は、自分が12人いるグランセイザーの一員だと知り、始めてその力を発現させる。

10月から始まったテレビ東京の特撮ドラマ。「番組改編期の新番組チェックが異常にメンドクサイ、および鬱」などを理由に録画していながら見ていなかった。
第1話は、ニンともカンとも様子見。
ただし、ヒロインの女の子は好みじゃなかった。テレ朝のアナウンサーの龍円愛梨を5000発殴ったような顔をしている。
ところで、龍円愛梨という名前は夢枕獏の格闘技小説に出てきそうですね。
(03.1107)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第2話「発動!ドルクルス」(2003、テレビ東京)

テレビ東京ページ。

東宝公式ページ。

10月11日放送。
天馬は「火の属性」を持つ「セイザータリアス」であった。グランセイザーは、3人ずつ同じ属性を持ち、その3人が集まると超星神という巨大ロボットを動かすことができる。「火の属性」であるセイザータリアスとセイザーミトラス(未加、ヒロイン)2人では、超星神を蘇らせることはできない。
しかし、未だ謎の敵であるセイザーレムルズ(洸)とセイザーヴェルソー(涼子)は、同じ風の属性を持つセイザーダイルを仲間に引き入れ、超星神ドルクルスを復活させてしまった。

「グランセイザー」そのものは、今のところ全員怪物ヅラしているやつはおらず、ヒーロー同士が戦っているみたいな感じ。後に12人が全員結束するのか、どうなのかはわからないが、今のところなんだか「安普請の仮面ライダー龍騎」のような感じです。
「戦隊もの」以外に、こうやってやたらと集団で出るのが流行ってるんですかね。
(03.1107)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第3話「結成!炎のトライブ」(2003、テレビ東京)

テレビ東京公式ページ。

10月18日放送。

「炎のトライブ」の3人目を早く探し出せなければ、3人揃ったために超星神を動かすことのできる「風のトライブ」に勝ち目はない。
いらだつ天馬だったが、何と3人目のグランセイザーは、未加の弟・剣だった。そのことを知り、とまどう剣は、姉の未加を守るために戦うことを決意する。

ある意味、天馬が戦いを決意するシーンよりも感動できるシチュエーション。まあ実際はそれなりなんですが。まあ、剣がグランセイザーであることは最初っからバレバレなんですが、「気の弱い剣が決心する」ということで盛り上げていた。
(03.1107)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第4話「死闘! 大地の戦士」(2003、テレビ東京)

テレビ東京公式ページ。

10月25日放送。

大地の戦士「セイザータウロン」登場。最強の格闘家と言われた格闘家・松坂直人が変身した姿だ。
「自分より強いやつを探して戦う」ことにしか興味のないタウロンは、「風のトライブ」の連中にそそのかされて天馬を襲いに来るが……。

初見で「龍円愛梨を5000発ぶん殴ったようだ」と書いたヒロイン・未加だが、幼い頃から拳法をやっているということで殺陣の動きはキレイで身体も動いているように感じた。あなどれん。

「セイザータウロン」は、直情径行型バカという感じでたいへんに良かった。戦いすんだ天馬とお互い笑い合うなんて、信じられないくらい古い演出だと思うがそれがいいのだ。
(03.1107)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第5話「燃えろ!警官魂」(2003、テレビ東京)

テレビ東京公式ページ。

11月1日放送。

ストリートダンサーの早乙女蘭は、幼なじみの淳也が銀行強盗に付き合わされ、仲間に脅されているために助けようと奔走する。彼女も大地のトライブであるグランセイザーであった。風のトライブを操るボス・カリンは、蘭を仲間にしようと計画する。 一方、蘭の事件に関わった警官の神谷豪は、上司の鳴海が拳銃で撃たれたことにより怒りに燃え、セイザートラゴスとして覚醒する。

何が驚いたって、カリンって千葉美加だったのか! ぜんっぜんわからなかった。痩せてたし、老けてたし。千葉美加というのは、かつてのアイドルです。ドラマ「花のあすか組!」にも「風林火山」の一人として出ていました。

そして、何の事前情報もなしに見て驚いたのが早乙女蘭=セイザーヴィジュエル磯山さやか[amazon]だったということだ!

巨乳グラドルがスーパーヒロインに変身するほどのロマンがあるだろうか。いやない。今回は変身しないけど。
(03.1108)


【特撮】・「超星神グランセイザー」第6話「激突!風と炎と大地」(2003、テレビ東京)

テレビ東京公式ページ。

11月8日放送。

ネットを巡回していてもほとんど話題になっていないのは、やはりテレビ東京でネット局が少ないからなのだろうか。

蘭の幼なじみ・淳也は、強盗の手伝いをするよう巻き込まれていた。主犯の内藤竜二に自首をすすめる淳也だが、狂暴な竜二は聞こうとしない。竜二は淳也をいためつけたうえ、さらに蘭を人質にしようとする。
蘭は竜二に怒りを燃やし、セイザーヴィジュエルとして覚醒するのだった。

ついに磯山さやかが変身だ! ワーイ。ロマンだなあ。
「大地のトライブ」の3人として、他の2人とともに超星神「ガンシーサー」を呼び出すが、この3人の心の交流がまったく描かれておらず、なんだか会社で呼び集められたプロジェクトの最初の方のぎこちない感じみたいで笑った。
三体の超星神が登場し、ロボ戦がえんえんと続く回。けっこう迫力がありました。
(03.1108)


【小説】・「水没ピアノ−鏡創士がひきもどす犯罪」 佐藤友哉(2002、講談社) [amazon]

今まで、ブッ壊れていびつだが、その奇想には目を見張らざるを得ない小説を書いてきた作者の第3作目。
本作も前2作と同様、いくつかの断片によって構成されている。

出会い系サイトで知り合った、まだ会ったこともない紘子(ひろこ)とのメールのやりとりのみがほとんど唯一の楽しみである孤独な青年。
あることがきっかけで狂った女性への贖罪のために、屋敷に閉じ込められ、彼女に殺されることを望むんでいる家族たち。
そして、自分の好きな女の子を「絶対に悲しませてはならない」と信じ、世界に向かって勝ち目のない戦いを挑み続ける小学生男子。

前作「エナメル……」が少女たちのエピソードの断片の積み重ねであることを意識してか、今回は男性の方が物語の中心である気がする。まあこのあたりはマンネリに陥らないための方法にすぎないのかもしれない。

とにかく、本作は前2作に比べるとうまい。格段に良くなっている。「こんなのオレもわかんねーよ」的なアニメからの引用も極力抑えられている。もっとも、登場人物の一人・創士はあまたの文学作品から引用してしゃべる「引用病」のような男だから、引用自体は減っていないのだろう。
しかし、そうしたことは他の作家の作品にも多く見受けられるから、露悪的にマンガやアニメから引用して「どうだ、どうだ」と言っているようなこれみよがし感はない。
「○○かもしれない。嘘だけど。」といった言い訳フレーズの頻度も激減した。また、通り一遍の描写しか思いつかない作者自身へのセルフツッコミのような寒い文章もない。
さらに、絶望的な青年を描いていても、作者の心情を吐露したかのような、あるいは読者を「イヤ〜な気持ちにさせてやろう」といったたぐいの悪趣味は感じなかった。
きちんと絶望的な青年を創出してきちんと動かしているように感じた。
全体的に、とても洗練されてきている。

おそらく、前2作にあるようなドタバタ感も意識的に抑えたのだろう。お話としての爆発力はないが、そのぶん落ち着いた作品に仕上がっている(あくまでこの人の作品にしては、ということだが)。

感想としては、若者特有の過剰な自意識を押さえ込むでなく、爆発させるでなく、まがりなりにも「小説」として、さらに「ミステリ」としてかたちにしたという点には正直、かなり唸らされるものがあった。とくに「エナメル……」の前半部分では、それこそダーク系のネット日記をそのまま読まされているような気さえしたが、本作ではそこまでぶちまけた感じはしない。
私は一般論としては若者が自意識を解放すること自体は必要悪だと思っているが、それを「悪」だと言ってしまうのはおおかたそれ自体がムダだからだ。
しかし、おのれの自意識を哲学的につきつめるとか、尾崎豊的な感傷にひたすというのならまだそこら辺の若者と同じでわかるし、そうした方向性での作品というのもあるにはあるのだが、本作の自意識の受け止め方というのは一種の「奇想」だろう。
それでいてきっちりせつない物語になっており、普遍性を獲得している(と、私は思う)ところが面白い。

「せつない」とは言っても、かなりイヤ〜な気持ちにはなるけどね。

私個人は、第六章「誰か僕を助けてくれませんか」の結末でうかつにも感動してしまい、後の本当のしめくくりである第七章、八章はいいやとか思ってしまった。しかし第七章、八章を付けたのは、作者なりのオトシマエの付け方なのだろうし、これはこれで一種の見識かな、とは思った。

なお、この作者は「一部のオタク女子の口調を研究しているのではないか」といったようなことを、私は前作のレビューに書いたが、普通の女子高生という設定の「紘子」の書く文体にも、独特のクセのようなものがある。単にこれが作者が若い女性の口調や文体を創造するときのクセ、傾向のようなものなのかもしれない。
紘子の書くような文章が一般的な女子高生のものだとは、オッサンの私にもちょっと思えないので(作品全体には何の影響もないことではあるけれど)

ところで、ネットで本作の感想を読むと「浦賀和宏に似ている」とよく指摘されているが、やはり浦賀和宏という人の作品も読まないといけないのだろうか。オススメがあったら、どなたか教えてください。

【関連作品】
・「フリッカー式 鏡公彦にはうってつけの殺人」(2001、講談社)

・「エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室」(2001、講談社)

(03.1108)



【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第2話(2003、TBS)

公式ページ。

10月11日放送。
水野亜美登場編。
第1話を見逃し、すっかり見るモチベーションが落ちていたのだが気を取り直して視聴。
初見の感想としては、良かったです。だいたい、巡回しているサイトで目にした感想と変わりないですかね。全体的にけっこうよく出来てるし、女の子もかわいい。たとえばアニメのセーラームーン放送当時に実写にしていたら感じざるを得ないであろうトホホ感も、CGの使用によってうまいこと言っている(ルナなんて、昔やってたらぜったい「どきんちょ! ネムリン」みたいになっていたであろう)。

いやあ〜「どきんちょ! ネムリン」、大好きなんですけどね。

秘密基地がカラオケボックスだったり、写メールで撮ったヒトの衣装をそのまま着ることができるなど、イマ風の設定も面白い。
脚本も小林靖子なんであぶなげないし。

水野亜美は、アニメどおり「医者である母親の要望と自分の意志により、医者になるために勉強ばかりしている孤独な少女」という設定。そこに脳天気なうさぎが現れて、あれこれ友達になる努力をしてくれたために亜美はセーラー戦士になる決心をする。
実は私はアニメ版のセーラームーンを、「ものすごく面白い!」と思ったことはない。これは、うさぎが脳天気であるがゆえにチームリーダーになる(他のメンバーのコンプレックスをまったく気にしないがために、皆が結束していく)という設定の、他メンバーの屈託があまりに軽いところにあったのだけれど、実写にするとまあそれもいいかなと思えてくる。
つけ加えておくと、そういう設定上の「軽さ」がアニメ版の大ヒットにつながったのだろうけどね。

敵の怪人も、頭が大きめでちょっとカワイイ感じでした。
(03.1107)


【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第3話(2003、TBS)

公式ページ。

10月18日放送。

世間では少女が行方不明になる事件が多発し、うさぎと亜美は調査を始める。そんなおり、生徒たちの間では、霊感の強い巫女さんが呪いをかけているのではないかというウワサが広まる。そのうわさの渦中にある火川神社の巫女・火野レイに偶然出会ったうさぎは、彼女がそんな悪人には見えないのだが……。

どーでもイイが、公式ページの各話あらすじはムダも多すぎるし、その回の話を的確にまとめたとは言えないぞ! 何とかしてくれー。
お話としては火野レイ登場編で、レイが「仲間として戦うつもりはない」というところで次回に続く、って感じかな。
(03.1107)


【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第4話(2003、テレビ東京)

公式ページ。

10月25日放送。

「幻の青い水晶」と呼ばれる宝石が、ある令嬢の誕生パーティーの会場で出席者に披露されるとのこと。これが「銀水晶」かもしれないと思ったうさぎ、亜美、ルナはパーティに潜入する。別行動でレイも潜入。
仮装パーティだったこの場で、いったい何が起こるのか!

今回はちょっと感動してしまった。もうずいぶん前の週なのでネタをバラすが、まだ完全に心を開いていないレイとうさぎ、亜美が屋上で怪人と対決。3人同時に攻撃を加えないと、3体に分身した敵を倒せない。
そのとき、階下のパーティ会場ではうさぎがDJにリクエストした愛野美奈子の曲がかかり始めた。うさぎは、その曲に合わせて同時攻撃をすることを、亜美とレイに提案する。ここら辺の演出はなかなか良かった。
(03.1107)


【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第5話(2003、TBS)

公式ページ。

11月1日放送。

生まれて初めてできた友達、うさぎ・レイの存在が嬉しくてしかたがない亜美。
しかし、同時に二人を失うことに恐れを抱き始めた。ラジオの占い、街頭インタビューでの「友達だとカン違いしているやつ」についてのインタビュー、街角の電気店で放映されたテレビドラマ、すべてが「いずれ友達が失われる」と暗示しているような気がして不安にかられる亜美。
そこで、うさぎやレイたちに徹底的に合わせることにしたのだが、ムリをしすぎて倒れてしまったのだった。

ああー、この気持ちすっごいよくわかるわ! わかりすぎて感動してしまった。
(03.1107)


【特撮】・「美少女戦士セーラームーン」第6話(2003、TBS)

公式ページ。

11月8日放送。

木野まこと登場編。 これは、私が見た中ではいちばん良かった。佳作。

ストリートバスケをやっている不良三人組からうさぎを助けてくれた木野まことは、うさぎの中学校に転校してきたがどことなく近寄りがたい雰囲気を漂わせていた。
学校のみんなは、まことが「前の学校でケンカをしたから転校してきたんだ」という噂をまことしやかにささやいている。
ストリートバスケをやっているタケルに、女子の人気は集中。その見物人の中にまこともいた。「バスケがやりたいから見ていただけ」と言うまことだが、うさぎはまこともタケルのことが好きなのでは、と思う。
そんなこんなで、まことの元にタケルから二人で会いたいと手紙が届く。待ち合わせ場所でなかなか来ない相手を待ち続けるまこと。そう、まことは本当はタケルのことが好きだったのだ……。

これはねえ、本当に良かった。毎回、セーラー戦士は小さい孤独を抱えていて、それがうさぎによって癒されていくというのが集まってくるときのパターンなんだけど、まことの孤独がいちばん効果的に描かれていたと思う。
たとえば、仲間と群れようとしないまことは弁当を食べようと屋上に行くんだが、そこでは本を読みながら弁当を食べている亜美がいて、うさぎと仲良くなった後の亜美も自分なりの理由で一人で屋上にいるんだけど、まことと気まずい雰囲気が流れてしょうがないからまことが亜美に背を向けて弁当を食べるところとか。
しかし、亜美がかいま見たまことの弁当が女の子らしいところから、「本当は女の子っぽいんじゃないか」と予想したりとかね。

うさぎを襲ったストバス悪ガキ三人組と、うさぎ、亜美、レイがバスケ対決するところも良い。
また、まことがなぜ転校してきたかや、なぜタケルに憧れていたかなども短い尺でわりときっちり描いている。脳天気なうさぎに比べ、亜美とレイがそれぞれ自分たちの立場から、まだどんな子かわからないまこと評をするところも含蓄がある。

クライマックスで、まことがセーラージュピターとしての役割を知るところも、燃えるものがある。

杉本彩はノリノリでやってますね。っていうかあれがイヤイヤの演技だったらかえってすごいよ。あと、まこと役の子は保田圭に似てますね。
(03.1110)


【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第2話(2003、TBS)

公式ページ。

第2話「シールがハルノ」(10月14日)

シール妖精のハルノが、めずらしいシールをあつめるために人間界へやって来た。ハルノがコレクションしているシールは、どれも貼ると不思議な力が発現するものばかり。
それを知ったワルモ団は、ハルノのシールを奪って人間界に次々とおかしな事件を起こしていく。

「便利アイテムを乱用して大混乱に」というパターン。個人的には「ヘリコプター」のシールを貼られたバレリーナが、えんえんとグルグル回り続けるのに大笑いしてしまった(我ながら単純です、はい)。
ミルモたちの活躍でシールがはがされ、やっと回転が止まってヘナヘナになったバレリーナの周囲の野次馬が万雷の拍手を送るのもお約束。

DVDもけっこう出てるんですね。→[amazon]

(03.1106)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第3話(2003、TBS)

公式ページ。

第3話「妖精と友達になる方法」(10月21日)

「ヤシチのもとで修業がしたい」とたびたび人間界にやってくるヤマネ。しかし、ヤシチの態度はあいかわらずそっけない。なやんだヤマネは、人間界でパートナーを見つけてそこで暮らすことを考える。
ペット妖精・ケパパの相性占いで勉強好きできまじめな理想のパートナーを見つけるが、ヤマネのマグカップは別の人の元に届いてしまう。

これも定番ストーリーなんだが、意外にヤマネとパートナーとなる女の子とのエピソードは盛り上がらなかったと思う。それより、ヤマネのパートナーになるはずだったまじめ少女と、ヤマネと入れ違いに送られてきた脳天気な妖精が断片的に出てくるという流れの方が面白かった。
(03.1105)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第4話(2003、TBS)

公式ページ。

第4話「フェアリーコンサート」(10月28日)

楓たちの中学校に、沙織のかつてのフルートの先生・桐生拓海が赴任してくる。ドジだけどやさしくて、なぜか妖精の姿が見える桐生先生。
楓は、桐生先生にダアクのせいでフルートが吹けなくなってしまった沙織のことを相談する。いっぽう、ダアクがいなくなってかなしむアクミの前に、なぞの覆面妖精ラットが現れた。どうやらラットもダアクの手下らしく、ダアクは完全に封印されたわけではないらしい……。

「恋愛の話をきくとくしゃみが出る」という沙織の前に、憧れの人っぽい桐生先生が出現。伝統的少女マンガのような展開が期待できる。
また、ダアクのエピソードも継続していることが明らかに。
ミルモたちが魔法の楽器を奏でる「フェアリーコンサート」がかわいい。
それにしても、沙織のフルートがダアク復活のカギにならなければならない必然性というのはあるのか?
(03.1105)



【アニメ】・「わがままフェアリー ミルモでポン! ごおるでん」第5話(2003、TBS)

公式ページ。

第5話「激走! 荒野の大レース」(11月4日)

楓たちの町内で、妖精学校の自転車障害物レースが開かれることになった。ふだんはめんどうくさがり屋のミルモも、優勝賞品の「おかしデパート一年間無料チケット」をゲットするため、優勝する気まんまん。バイク妖精のビクルもまじえて、熱いレース展開が予想された。
レース当日、チャンスだと考えたアクミとラットは、楓への攻撃をたくらむ……。

ビクルの声の人って「おぼっちゃまくん」の人かな? 話し方が「〜ばい」なんだよね。あ、それも「バイシクル」の「ばい」かな。あいかわらずヤシチとその子分たちのまぬけぶりがかわいい。ドタバタも楽しんで見られる。
(03.1105)



【雑記その3】

井上和香ですが、私は別に興味ないんですけど、そのタレント性というか才能は高く評価しています。はい。
所属事務所のHPを見てみると、それほど巨乳、セクシーといったタレントのメンツでは感じではないんですね。へええ。あとやっぱり、別のだれかと間違えていて認識が偉く遅れたというのは本当にあったなあ。

あと最近ではギャル=ブサイクという私のようなおっさんの固定イメージを覆してくれるような人に注目してて。
最近では平山あやとか。
平山あや、15歳くらいのときはすごい幼児体系で、しかもロリってイメージではなかったからこれは辛いなとは思ってたんですよね。
でも、今すごい手足が長くなってスレンダーになってキレイになった。
それはもう、押尾学が土下座くらいしますわ。

・「ゴロッキーズ」では藤本美貴がむりやりガンダム、シャア専用ザク、ゲルググ、ハロを描かせられていて私は大喜び。
シャアザクのモノアイがふたつあるところなんか、最高でした。
顔まである程度まじめに描いて、あとめんどくさくなって適当に付けた胴体のガンダムとか。
もともと、タレントが絵を描かせられるという企画がスゴイ好きなんですよね。
……というか、よく駅の構内や郵便局などに貼られた、明らかに職員が描いたと思われるポスターなんかを見るのが好きで。
それぞれに、味がありますからねぇ。
まあ「グラフィティ」なんかを評価するというのも私は必ずしも否定しないんですが(いやまあ法に触れるというのはひとまず置いておいて。ウチも落書きされたらイヤだし)、他にも路上の絵とかオブジェってたくさんありますからね。そういうのの鑑賞も楽しいかと。
などと言いつつ、町の散策とかはほとんどしないんですけどね。

で、「娘。」の中での絵の面白さ、ステキさなんですが、商売になってる飯田は別格として、人間や動物の骨組みしか描かない保田、独自のタンクタンクローみたいなキャラを持っている小川、自画像がかわいかった紺野、細部を描けば描くほどヘタになるという「イイ味」の藤本美貴、なんかはどれもいいですね。
あと、矢口はたぶんマジに絵がうまいと思うんだ。なんでアピールしないんだろう。
まあ「うまい」というのは飯田にとられちゃってるし、「ヘタ」方向ではいろんな人がいるんでむずかしいとは思うけど。

辻の字というか筆跡はなかなか強烈だと思いました。しかし見れば見るほど痩せたよなあ。

・山本梓と若槻千夏が友達だと聞いてものすごい納得。にったじゅん先生のマンガに出てきて、二人でかわいい男の子とかをイビイビと責めそうだよな。

すごいイヤなことがあったけど、ボクはこうして他愛ないことを書いて気をまぎらわせています。姉さん。
(03.1105)


【雑記その2】

・今になって「ストレッチマンとゴスペラーズSP」を見るのを忘れたことを後悔してきた。

「KILL BILL」リンク集はてなダイアリー - Optical Path)(←はてなダイアリー - 海本曰記

なかなかキャワイイ、ゴーゴー夕張イラスト(■空とぶ速水螺旋人■)(←泡沫の日々 10月28日
やっぱりこういうイラストはいいねぇ〜。ところで、パンフを買わなかったのが心残りだなぁ。

ハニメーションの女幹部に新谷真弓(←泡沫の日々 10月25日
私は個人的に、「ダイ・ガード」の美少女マッドサイエンティスト(でいいのかな)・百目鬼里香役でアニメでは印象ぶかい新谷真弓さんですが、それよりも何よりも、やはり「ナイロン100℃」でのコメディエンヌぶりがすごい好きです。
あと、この人がナイロンのオーディション合格後、けっこう最初の方にやった「カメラ≠万年筆」を見たときに「すごい演技がおぼつかない人だなあ」と思ったけど存在感は感じた。
で、次回見に行ったときに見違えるくらいうまくなってて、「ああ、芝居を見る面白さのひとつってこういうことなんだ」と思ったというのがありました。
(03.1104)


【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2003、テレビ東京)

公式ページ

11月2日放送分。

今までずっとネットを見られなかった力学(ちから・まなぶ)が見られるようになったということなんで、ここ読んでますかねェ。
元気!? ベビースターラーメン食べてる!?

まあ、食べてないと思うけど。聞いたことないよ、彼がベビースターラーメン好きだなんて。

今週のゲームは、「アカペラで覚えていそうで完全には覚えていない歌を歌う」のとか、「楽器やそこら辺にあるものなどを使って特定の歌を奏で、なっちに当てさせる」などの音楽関係のもの。
アカペラはかわいくて良かったですね。

後は、ハロプロメンバーが参加するというフットサルのレポート。
これ、練習試合かなんかで対戦相手に30点近い点差を付けられて負けた、って聞いて、一気に期待がしぼみました。
そんな状態からどうやって試合になるように持って行くんだ!?
とにかく、基本的に低レベルなのに「だれがどんな特性があるか」とか語られても……とか思ってしまう。だいたい、モチベーションだってそんなに上がってないに決まってる(と決めつけてしまったりする私)。
思うに、球技っていうのはレベルが低くても、近い実力の相手とやればそれなりに試合は面白くなると思うんですよね。まあ、なんか策があるんだろうな。

そんなこんなも、「ハロプロワイド」で紺野がコギャルのコスプレをしていたので全部ふっとびました。
「自信満々でコギャルのマネ」、「かわいいと言われて嬉しそう」、「後に急に恥ずかしくなって赤くなる」などさまざまな表情を見せていたしなぁ。
それと、「新曲について聞く」ということで、コギャルスタイルで矢口と吉澤のところへ行くんだけど、ここでも矢口が「やりきらなきゃね。」と「やりきる」発言! やっぱり「やりきる」ことを心がけていたんだねぇ。

で、「矢口先生のギャル講座」とか言って「カメラに上目遣いで舌出し」っていうのをやってみな、って紺野に言って、言うとおりにする紺野、最高。なんかペコちゃんみたいだったけど。
で、やった瞬間、紺野と矢口が「ぎゃっははー」みたいに笑って、その後、吉澤が「違う違う!」って入っていくんだけど、そのときに吉澤をとらえようとするカメラの視線の後ろの紺野、「こういうふうにすればギャルっぽくなるんですねぇ〜という感心の表情」&「ギャルのマネして満足げな表情」がすごく良かった。

新曲が今回口パクだっていうのは、モー娘。のどこかのサイトで指摘されているまで実は気づかなかった。そんだけボケッとしてんだよね、私ってやつぁ。
(03.1104)



【雑記】

・よく、お肉やさんや焼き肉屋さんの看板で、牛やブタが「美味しいヨ!」などと言っていることにつねづね違和感を感じていた。おまえらは食われるんだぞ! それでもいいのか!

んでまあ、新聞に左のような広告(一部)が入っていたわけです。典型的な「美味しいヨ!」パターンなわけですが、その脳天気さは群を抜いていると思います。明るすぎる。キミたちは何がそんなに嬉しいのか。これから食われるというのに……。つくづく藤子不二雄の「カンビュセスの籤」という話はスゴイ話だったなあ、などと思います。

しかも左の牛はハチマキをしているのでたぶん仲間を調理しているのでしょう。右の子牛は、右手(右足?)にコショウ、左手にヘラを持っているのが注目されます。「さあ、ボクを食べてよ!」という意味なのか、コイツも仲間を食おうという気なのでしょうか。

とにかく、子牛の顔が明るすぎてカワイイのでアップにしてみました。ぜんぜんカンケイないですが、この子牛は牛を描くときの必須である「鼻」があえて無視されているところに、描き手の「カワイク描こう」という意志を感じます。





もっとアップにしてみました。なんかもうほんッとうに何も考えていないですねこの子は。むしろケーキにもスナック菓子にもコショウをかけて食っているような気がします。
あと、きっとすごい乗り物が好きだね。ブルドーザーとか。それと、アニメや特撮番組が半年とか1年で必ず終わる、ということもまだ認識していない年頃だと思います。

以上、感想終わり。



OTAKING SPACE PORT
(10月31日の近況より)
(前略)
もう一つ嬉しかったのは、世界一メジャーな某・宇宙博物館から「公認アイテムとして売りたい」という打診が来た、という報告。なんか自分の周辺温度が一気に上がるぐらい興奮しました。
 おそらく来年春から夏にかけて、全米版(もしかすると全世界版)の「王立科学博物館」が発売されることになると思います。
(中略)
あ、同人誌も作るんだった!
(後略)

世界的なビジネスをしていて、国内でかなり売れたフィギュアのプロデュースもしていて、その流れの中に自然に「同人誌」も入っている。
漢(おとこ)だなぁ。

ちなみに、私は物理的に身体が空かないので(店番のため)、冬コミには出ません。

円山動物園で“ヒグマ”が逃走 実は3年ぶりの動物脱出対策訓練- Brain News Network -)←赤兜

偶然、訓練に遭遇した北海道大学と北海学園大学の女子大生は「クマの動きがかわいい」と写真を撮っていた。

私が数年前から注目している「着ぐるみ避難訓練」ですが、「円山動物園」というところでもやったそうです。
2秒ほど考えましたが、こうした訓練はその動物園自体の宣伝も含まれているんでしょうね。こうしてマスコミにも報道されますし。
それで、もし本当に猛獣が逃げ出して被害があった場合、「不謹慎だ」という非難を恐れて、もうちょっと凶悪な感じの着ぐるみになるか、もしくは着ぐるみ禁止になるんでしょうね。
なんかそういう流れまで見えてしまう(ような気がする)と、一気に見ていて楽しくなくなるなあ。
でも逆に考えると「猛獣の脱走なんてありえない」というセキュリティ上の自信があるからこその着ぐるみなわけで。
安全大国日本、がんばれってマジに思います。
個人的にはフーリガン的な狂騒に革命幻想を見出すようなシュミはないので。
安全第一。

それにしても、私のネットでの情報源ってほとんど赤兜天上の飛鳥だなあ。
(03.1103)



【ドキュメント】・「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR.」(監督:柳町光男、1976、エースデュースエンタテインメント)

DVD。amazonでは扱ってないみたい。70年代の暴走族の少年たちに取材した、ドキュメンタリー映画。モノクロ。タイトルは、氣志團の曲名に使われている。
警察につっかかっていったり、集会をやったり、喫茶店でたむろったり、後輩を殴ったり、親が警察に呼び出されたり、もちろん暴走したり……という少年たちの日常を淡々と描いている。
ひとつ、見ていてわからなかったのが、暴走族の少年二人が新宿に出てきて「人形買わない?」と道行く人に呼びかけるシーン。それをきっかけにカツアゲしようとしていたのか、あるいは「人形が入っている」という箱に別のものが入っていたのか、それとも本当に家にあった人形を持ち出して売ろうと考えていたのか、わからなかった。

本作を見ながら個人的に注目していたのは、少年たちの口調だった。数年前、広島の暴走族のものものしい引退式がテレビで報道され話題になったが、このときに彼らは独特の「不良的な」口調でしゃべっていたし、叫んでいた。
北野武の「座頭市」を見て気づいたのは、チンピラたちの脅し文句の言い方が、そのまま現代の不良のそれであることだった。ニュアンスが伝わりにくいかもしれないが、相手が話そうとする切っ先を制し、「っだよこのヤロウ、殺すぞ」みたいな感じ。北野座頭市では、それがいい方に転んで迫力を出していたんだけれど。

不良には不良の口調、立ち居振る舞いがあり、それをたぶん不良少年は無意識的に学んでいくのだろう。で、76年より以前の暴走族の、集会も、インタビュアーとのやりとりも、仲間同士の会話も出てくるのだけれど、それがけっこうフツーのしゃべり方なのである。
現在、「不良」のしゃべり方というのはものすごく特徴がある。おそらく、それが学習され、年々極端になっていって、現在のチーマーみたいなやつらのしゃべり方になっていったと思われる。

なぜ口調になど注目していたかというと、特定のコミュニティに所属すると口調がだんだん変わっていくと前から思っていたから。しかし、必ずしも全員が全員そうなるわけではないので、研究途中なんだけど。
(03.1102)



【書籍】・「おいら」 矢口真里(2003、ワニブックス) [amazon]

モーニング娘。矢口真里のフォト&エッセイ集。中澤裕子との対談、ラジオ番組ダイジェスト、多数の写真も収録。

当サイトで「矢口がオイラという理由」というテキストを書いたところ、「けっきょく真相に触れてないじゃん!」と各方面から言われ、寂しい思いをした日々。本書を読めばその真相が書いてあるはず。ヒトに「タイトルだけのテキストを書くな」と言われる日々ともお別れじゃん? と思って買った。

……といっても、素朴なことしか書いてない。ただし、「『おいら』と言い始めたのは『恋のダンスサイト』から」と書いてあるから、矢口のキャラ形成の歴史をたどる端緒にはなるかな(まあ他の研究本とかに書いてあるかもしれないけど)。

それにしても、モーニング娘。は後藤真希加入前まで「茶髪もギャル風メークも禁止」だったとはかなりの「へぇ〜」度だった(そう言われてみればそうか)。「LOVEマシーン」の前と後とではイメージが違うわけだ。
しかも、文中のニュアンスでは「禁止」は申し渡されていたらしいけど、「解禁」はなしくずし的なものだったらしい。この辺の機微も、個人的には興味深い。

それと、「やりきらなきゃ」みたいな「やりきる」という言葉が何度も出てきた。
「矢口は徹底的に『やりきる』人」というのは、当HPでさんざん言及してきたことだったので、「やっぱり! ビンゴ!」と思った。魚雷線ゲームで敵の戦艦を沈めたようないい気分。
石川梨華については、

「梨華ちゃんが言ってることに共感出来なかったことは、今まで一度もないよ。」(p112)

と、感覚が近いと感じることをここでも言っている。
こういうところに「男塾」的な友情を感じるよな。というか、仕事の現場って、別に仲がいいわけではないけど同じところを見ている、同じ感覚を共有しているっていうことがあるから。そういうのは浪漫だと思いました。

私はファンであっても芸能人のエッセイ集なんてめったに買わないんだが、今回「おいら」の確認のために買った。それともうひとつ私の心の中に葛藤があって、本当にバカじゃないかと思われるかもしれないが「LOVEマシーン」以前のモーニング娘。のことを聞いたり見たりするのが実はとても辛い。
当時からそういう雰囲気がイヤで見ていなかったんで、どこがどうイヤだったって書けないんだけど(そりゃそうだ見てないんだから)、ただこのエッセイから察するに、どう考えても当時の娘。は1期と2期のギクシャク感や不和をドキュメンタリーとして売っていたと思う。これは、現在藤本美貴が「娘。」になじめてんのかとか、小川真琴がいい意味で目立ちはじめて来たなぁとか、そういうのとぜんぜん意味あいが違う。

また、視聴者が見えないところでスタッフがタレントをしごいたり、鍛え上げるのとも違う。でも、それがイヤだって言っていると広義の「芸能」に対する考察ってぜったい限界が来るから、(一部は)我慢して読んだ。
アイドルのエッセイ集を読むのに大げさな話だと思われるかもしれないが、でもやっぱりただがんばるだけじゃなくて、「がんばる」ということをアピールして、「LOVEマシーン」までのモー娘。があることは事実だから。
よく、大改変や引退、脱退などを「勝手な都合」だと批判する人がいるけど、「モー娘。」は本質的にそういうグループなんだっていうことを、再認識した。
(03.1102)


【書籍】・「トリビアの温泉 〜素晴らしき芸能ムダ知識〜」 BUBKA編集部:編(2003、コアマガジン) [amazon]

雑誌「BUBKA」に連載されていた芸能トリビアを、まとめて加筆したのかな? 装丁まで本家とソックリなのはご愛敬。執筆陣は、芸能ムダ知識本をつくるとしてはかなりの豪華布陣ですよ。
芸能ムダ知識がこれでもかとつめこまれていて、ホントに「へぇ〜っ」と言ってしまう知識満載。
個人的には「ムルアカは『ひらけ! ポンキッキ』に出ていた」というのと「もちづきる美は、双子である」に衝撃を受けた。
後は「だれだれは、○○教信者」というのがこっそり何本も入っているところに笑ってしまった。

まあ、私自身は芸能トリビアを列挙するほど詳しくはないんだけれど、こういうのを享受するのは大好きです。「敏いとうは、来日時のフランク・シナトラのボディ・ガード」というのも「へぇ〜」だなあ。
(03.1102)


【映画】・「サンダーパンツ!」(製作/監督:ピーター・ヒューイット、脚本:フィル・ヒューズ、2002、英)

公式ページ

「サンダーパンツ!」作品紹介

「オナラで空を飛びたいなぁ」という、だれもが思い浮かべては2秒で忘れる妄想をキチンとした映画に仕上げたコメディ。

パトリック・スマッシュ(ブルース・クック)は、生まれた瞬間から臭くて勢いのあるオナラがいつまで経っても出続けるという症状に悩まされていた。おかげで家庭不和にはなるし、学校ではいじめられるし……。
しかし、そんな彼にも親友がいた。天才発明家のアラン(ルパート・グリント)だ。彼は鼻がきかないので、オナラも気にならない。

ある日、パトリックがオナラについて「キミの発明で何とかならないか」とアレンに頼んでできたのがオナラを吸い込んでタンクにため込むことができるメカメカしい「サンダーパンツ」。しかし、ため込むだけではダメだとオナラを推進力に変換するコトにしたのが「サンダーパンツ2号」。
しかし、天才アランは謎の組織によって外国に行ってしまう。それ以来、アランを探しに外国を旅するパトリック。そこにはさまざまな苦難が待ち受ける。
そして、宇宙飛行士志望のパトリックが紆余曲折の末に再会したアランは、宇宙ロケットに取り付ける「サンダーパンツ3号」を開発していた! パトリックはこれによって宇宙へ旅立つのだ!!

……というような「すごいオナラで空を飛ぶ」というアイディアひとつでつくり上げてしまったような作品。監督は「ビルとテッドの地獄旅行」[amazon]の人なのね。わりとベタで細かいギャグが笑わせてくれました。なかなか楽しい作品です。
出てくるのは子供中心で、ぜったい子供向けの作品のはずなのに、渋谷のシネアミューズでの上映というのはちょっと辛いかな。なんかオシャレっぽいミニシアターみたいな感じだから。

まあ、こういうところでオナラブーブーの映画を見るというのも爽快と言えば爽快だが。
(03.1101)


【映画】・「フレディVSジェイソン」(監督:ロニー・ユー、脚本:マーク・スウィフト、ダミアン・シャノン、製作:ショーン・S・カニンガム、2003、米)

公式ページホラーハウス)。

殺人鬼フレディが人々の夢に侵入し、復讐のための殺戮を繰り返した惨劇から長い年月が経った。今では、エルム街の人々のほとんどが彼の存在を忘れ去っていた。これは、「恐れられる」ことを手がかりとして、エネルギーとして蘇り殺戮を繰り返してきたフレディを封じる最大の手段であった。
しかし、フレディはもう一人の殺人鬼・ジェイソンの存在を知る。ジェイソンを操り、エルム街に再び惨劇を起こし、それをとっかかりに復活しようと考えたフレディは、単純バカのジェイソンをやすやすと操る。自分のシマであるクリスタル・レイクからエルム街にやってきたジェイソンは、チャラチャラした若造どもを再びナタでざんばざんばと斬りきざむ。
そして、さあおれの出番だとフレディが夢の中から殺人を行おうと思った瞬間、ジェイソンは彼のことをもお構いなしにさらにどんどこんどこと殺人を。キレたフレディは、ジェイソンをまず始末しなければならんとその爪をヤツに向ける……。

すいませーん。実は「エルム街の悪夢」[amazon]、見てませーん。だが、非常に「エルム街」の続編ぽいつくりのことはわかるし、それでいて前作を知らなくてもじゅうぶん意味がわかる。
この脚本はかなりよくできている。
フレディとジェイソンの殺戮と平行して、ヒロインの元ボーイフレンドとその友人はフレディの存在を知るものとして精神病院に幽閉されており、またヒロインの父が実は母を殺したのではないか、という疑惑もさしはさまり、サスペンスを盛り上げる。
さらにはフレディの「夢の中で人間を殺す」という能力が効果的に表現され、そしてついに、ジェイソンの「夢の中」に入ったフレディは彼の最大の弱点を暴き出す!
とりあえずジェイソンにフレディを倒してもらうほかないと思ったヒロインたちは、ジェイソンに加勢。眠り込んでフレディの攻撃に耐えるジェイソンの夢の中に、ヒロインがダイヴする!

ジェイソンX(→感想[amazon]のときも思ったんだけど、最近ではB級映画の方が菊地秀行に近づいているね。これ、完全に菊地秀行の小説にあるような話だよ。
とにかく最後まで飽きないし、フレディ、ジェイソン双方に見せ場はつくってあるし。もう繰り返しパターンだから、この映画は怖がる映画というよりは笑う映画なんだろうな。あんまりバンバン人が死ぬんで、かえって笑ってしまう。向こう側へ突き抜けちゃってるんだね。
また、ジェイソンのトラウマとなった風景の中にヒロインが飛び込んでいくというシーンがあって、ここなんかも非常に素晴らしい。
ヒロインの友人たちが、ブッ倒れたジェイソンを蘇生させるために「だれがマウス・ツー・マウスで人工呼吸をやるか」で言い争ったりしているシーンも笑えたなあ。

いろいろうならされた映画でした。
(03.1101)

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