◆ 1998年11月中旬 ◆

11/11〜20
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11/20(金)……ヨリガト部

 プロ野球ドラフト会議が終了。俺も横浜ベイスターズを逆指名していたのだが、なぜか指名がなかった。だからしばらく社会人を続けることにしておく。っていうか指名してくれないくてもいいから1億5000万円くれって感じ?
 横浜ベイスターズは、松坂こそハズしたものの、1位で大砲型の高校生内野手・古木を指名できたし、3位の金川(内野手)、6位の小池(外野手)の高校生野手もわりと有望そう。いちおう若手の野手の補強という目的は達成できそう。それからもちろん2位の法政・矢野はドラフトの目玉クラスの即戦力投手。悪くないドラフトではあったと思う。松坂が指名できていたら120点だったが、それが80点くらいになっただけの話。40点の差は大きいが、それでも80点なのだ。左投手が獲れなかったのは残念だけど、ハンパな左よりいい右のほうが役に立つと思う。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.24 集英社 B5平
 巻頭カラーは松本嵩春「アガルタ」。いまだに物語の全貌がいまいちよく分からない。でもなんだか面白い。というか、絵のうまさ、描写の完成度、深みのありそうなストーリーと、面白さの予感にワクワクする感じである。あさりよしとお「少女探偵金田はじめの事件簿」が新連載。捜査を混乱させるだけの少女探偵、金田一(はじめ)をヒロインとするドタバタコメディという感じ。とりあえずこれからに期待。藤原カムイ「福神町綺譚」では、ミステリーハンターの二人が「タイムワープ」という、時を越えることのできるカクテルを飲んで大正時代にタイムスリップし、福神町の秘密を探る。「福神町綺譚」ではたぶん初の続きものシリーズ。この連載も最初はどうなるかと思っていたが、どうやら軌道に乗ってきた気配。次号以降の展開がますます楽しみである。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」10巻 能田達規 秋田書店 新書判
 今回の巻ではピースママの活躍が目立った。ピース電器店が電気自動車のレースをしたときのドライバーとして、それから辛い過去を垣間見せる「ピースママの悪夢」の巻など。強く優しく陰もある。しかも美人。ピース電器を底で支える力である。
 それにしてもこの作品からは、キャラクターたちだけでなく、メカ、そして作品世界全体に対する愛を感じる。それが作品全体の読み心地の良さを作り上げている。やっぱ愛は基本だ。

【単行本】「学校」 山本直樹 文藝春秋 A5
 山本直樹ページに追加しておいたのでそちらを参照のこと。

【単行本】「我が名はネロ」1巻 安彦良和 文藝春秋 A5
 ローマ皇帝にさせられてしまった少年が、皇帝という地位のせいで性格が歪んでって暴君となっていくさまを描いた物語。ネロが頂点にいるがゆえに孤独になり、追い込まれていく様子は読んでいてかなり居心地が悪い。なかなか訪れないカタルシス。都合のいい脚色をしない骨太な歴史漫画である。ただ、キャラクターたちは良くも悪くも安彦良和パターン。主人公のネロは、自意識が強くて生意気で、でも寂しがりやできかんぼうで、というアムロ君型。安彦良和は絵はさすがだが、漫画を作るという意味ではストーリー作りの面でイマイチな感じはする。現時点ではまだそんなに面白くないのだが、2巻以降の展開しだい。

【単行本】「えの素」3巻 榎本俊二 講談社 A5
 読んでいる人にとってはすでに説明不要。抜群のスピード感、思いもよらないダイナミックな展開、激しいキャラクター、いやらしい身体をした女の子たち。素晴らしい。チョップでちんこを切ったときやらなどのすっぱりとした切り口、怒濤のうんこ噴出、静止しているのに躍動しているアクション。すべてにおいてカッチリとエッジが立ちまくっている。簡潔な絵でハイセンス。止まっているのにスピーディ。下品なのに汚くない。淡白なのにいやらしい。二律背反しそうなものをいっぱい内包した、ものすごいバランスの上に立っている作品。っていうかスゲエ!

【単行本】「ヨリが跳ぶ」15巻 ヒラマツ・ミノル 講談社 B6
 気っ持ちいい〜。読み終えた後の最初の、というより読んでいる間から抱いていた感想がコレである。
 この巻ではヨリたちが所属するオグリと、鳴海蘭、ユリの姉妹率いる宿命のライバルチーム・モンテルの、Vリーグ昇格を賭けた最終決戦がクライマックスを迎える。物語の一つの大きなヤマだったこともあって、今回はすごく面白かった。ボールをぶったたくたびに、ボールに向かって跳ぶたびにヨリが、そしてユリが輝きを増していく。楽しいから跳ぶ。楽しいからバレーボールをする。読んでいるほうまでものすごく楽しくなって、いつまでもいつまでもヨリやユリがボールをぶったたくところを見続けていたくなる。「ヨリが跳ぶのは嬉しいから……嬉しいからヨリが跳ぶ!!」というシーンはこの巻のベストショット。描画の力強さ、構図の迫力、そして個性的なキャラクター。15巻まできてもテンションは落ちない。いい作品である。


11/19(木)……うちのパパンがいうことには

 そういえばサッカー、元フランス代表のパパンが引退するらしい。なんていうかジャンとかいってピエ〜ルとかいってパパ〜ン。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/3 No.52 秋田書店 B5平
 能田達規「おまかせ!ピース電器店」に出てくる、ピースオリジナル携帯端末「OMAP」。こんなの出たらたぶん絶対買う。それはともかくとして、端っこのほうにチョコチョコ出てきている東麗子がかわいいなー。山口貴由「悟空道」。殺生を犯した悟空は、ついに破門。最近ちと低調気味だったような気がしていたのだが、これで盛り返すか?ところで漫画には「西遊記」をベースにした作品ってけっこう多い。でも、きちんとラストまで面白く仕上がったお話ってあんまりない。これは「西遊記」の原作自体、みんなタイトルとおぼろげなストーリーは知っているのだけど、実は詳細な筋立てや展開まではあまりよく知らないため、途中までしか興味をつなげないっていうのが大きいのではなかろうか。「西遊記」ベースの作品の最終目的はおおむねお経を手に入れるということだが、現代の人々にとってはそんなに魅力のある目的とは映りづらい。最終目的をヒキにして強烈に読者を引っ張っていくのが辛いため、道中がメインになるわけだが、長い道中はマンネリになりがちで読者を飽きさせない仕掛けを施していくのはけっこう難しい。なまじ読者のほうも少しだけ概要を知っている作品だけに、未知のドキドキ感、既知のものをアレンジする快楽(「三国志」ものはわりとこれが成功する分野だ)のどちらも中途半端になりがち。ちなみに西遊記ものの作品で俺が一番好きなのは、小説になってしまうが中島敦「悟浄出世」「悟浄歎異」。ちくまから出ている中島敦全集文庫版の2巻に入っているので読んでない人はぜひ読むべし。傑作。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/5 No.23 小学館 B5中
 石坂啓「アイ’ムホーム」。仮面をかぶったように見える家族の描写など、石坂啓らしいあざとさは健在ではあるものの、この作品はわりと面白かったように思う。すっきりとして柔らかみのある画風はけっこう好きなのだ。次号で最終回である。浦沢直樹「MONSTER」。テンマとグリマーが、自分の甥を511キンダーハイムに入れた、旧チェコスロバキア秘密警察の大物と対面。この人は外人を描かせたら本当にうまい。バタ臭くならずに、外人臭さをしっかり出す。目の下のしわとか鼻、顔の骨の形状、そして各パーツのバランスがきちんとしているということなんだろう。

【雑誌】ヤングサンデー 12/3 No.51 小学館 B5中
 またしても新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」はお休みである。週刊4周年突入記念特大号ということで、いくつかビッグネームの読切が掲載されている。
 まず、高橋留美子「1ポンドの福音」が復活。今週と来週で前後編50ページが掲載される。高橋留美子はやはりうまい。軽妙なストーリー運び、親しみの持てるキャラクター。こういったコメディものはもちろんお手のもので、「人魚」シリーズのようなシリアスものでも力を発揮する。芸の幅が広い。相原コージ「全裸女子格闘技最強伝説」。タイトルどおり、全裸で女二人が闘うというものだが、かなり下らない作品。爆笑ってほどでもないけど、それなりに楽しんで読める。しりあがり寿「流星課長」は、単行本にも収録された「流星課長」シリーズの続編。あまりにも強引な解決法がステキではあるが、以前の「流星課長」ほどのノリ、スピード感はないと思う。
 作:菊地秀行+画:萩原玲二「ALIEN秘宝伝」が新連載。原作は読んだことないけど、アクションがいちいちハデだし面白くなるかも。遊人「桜通信」。なんかまたしても肉欲の日々が始まってしまうらしい。今回は眼鏡を外すとすごい美人になる女の子が相手。この作品、かなりストーリーが無軌道でムチャクチャに馬鹿馬鹿しい。その抜群の下らなさが気に入っている。山本英夫「殺し屋-1-」。汚い殺し方とその後始まるオナニーなど、すごく過剰な作品。今回のラストでも、イチが好きだった女の子の鮮血を浴びながら泣きじゃくるなど、描写の濃厚さは尋常でない。血と涙と鼻水とザーメンの匂いの入り混じったような読後感。スゲエ。細野不二彦「太郎」。太郎vs.ガルシア戦が白熱。ボクシングの試合がヒートアップしているときのこの作品は非常に面白い。物語を盛り上げる腕前はさすがである。

【雑誌】モーニング 12/3 No.51 講談社 B5中
 冬目景「黒鉄」。今回のシリーズは最終回。俺は冬目景の絵は好きだし、好きな作品はいくつもある。でも「黒鉄」は正直なところあんまりピンと来ない。時代劇ものであり、絵のタッチが似ていた(今はあんまり似てないと思う)沙村広明「無限の住人」とどうしても比べてしまいがち。比べても意味はないんだけど、お話やら出てくるアイテム、キャラクターの強さ、描写のかっこよさ、どれをとっても「無限の住人」のほうが上に思えてしまうので損な作品だ。それは抜きにしても迅鉄、鋼丸のキャラクターがいまいち弱いという気がしてならない。冬目景の場合、俺は現代モノのほうが圧倒的に好きで、「羊のうた」や「イエスタデイをうたって」は面白く読めた。冬目景って人を盲目にしてしまいがちなほどの絵の魅力を持っている人だと思うが、冬目景の作品だからといってすべてがいいというわけでもない。熱烈なファンであったとしても、盲目になってはいかん。ほかの人はともかく、俺がそれをやっちゃあダメだ。
 第34回ちばてつや賞入選、上平卓也「Day BREAKERS」。居酒屋で、今までの人生ロクなことのなかったオヤジと若者の二人が出会い、意気投合して飲み明かす。実はオヤジはヤクザの取引の金を奪って逃げることを企てていたのだが……というお話。絵は地味だ。でも話やストーリーのテンポ、構図など、漫画の骨組みとなる部分はきっちりできていると思う。丁寧に作られている感じで好感の持てる作品。

【単行本】「Papa told me」21巻 榛野なな恵 集英社 B6
 知世ちゃんのかわいさ、幸せさ、強さと対照的に、それ以外の人たちはそれぞれにハードな人生を送っている。そして知世ちゃんの曇りのなさは、セコセコと生きている人間にとってときに眩しすぎて痛いくらいだ。一種自分をごまかしながら暮らす生活に疑念を持ち、知世ちゃんという天使に一時の救いの影を見るものの、それでも悩みが根本的にはなくなるわけではない。自分は自分の業を背負って生きていかなければならないという、当たり前の厳しい現実は残る。一見かわいらしい絵ではあるが、底流を流れるもののクールさは恐ろしくもある。清濁併せ飲むといったいい意味でのいい加減さや、安易な解決の入る隙間のない神経質さが感じられる。
 とはいえ、やはり知世ちゃんはかわいいし、色濃いイギリス趣味に対する憧憬もその方面の人にはたまらない魅力であろう。この巻では「はとこちゃん」、強も登場する。このはとこちゃんが俺はけっこう好きなのだが、今回はちょいと言葉がダイレクトにすぎるかなーという感じもした。あと乾君と彼を見つめる女の子の知られざる恋心のお話と、編集者北原さんがこっそりとオシャレする話なんかけっこう好きだ。


11/18(水)……That's you knowざっちゅーの

 11/9の日記で偉そうなことを書いた手前、最近日記も今までより気合い入れて書いている。気合い入れて書く日記って、もう日記の範囲から逸脱しているような気がするが、逸脱は望むところっていうか大好きである。ときどき自分が日記を書くために生活しているような気もしてくるが、そういう人生もまたステキかなとも思う。そのわりには日々の生活については日記内であんまり触れてないけど。
 で、気合いを入れたおかげで内容が良くなったかどうかはともかく(っていうかそんな一朝一夕で内容が良くなったら誰も苦労はせんわな)、とりあえず書くのにかかる時間が長くなったことはたしか。それまでは30分くらいでチャチャッとやっつけていたのだが、最近は2時間くらいかかることもある(今日のは1時間くらい)。だからといって会社勤めの時間が短くなっているわけでもないので、その分の時間はたいてい睡眠時間にダイレクトにはね返る。最近の平均睡眠時間は4時間程度になってきている。我ながらバカだなあと思うときもあるのだが、こういうことをできるのも若いうちだけだ。今頑張っておくと、きっといつかなんらかの形で役立つような気がしなくもない。っていうか役立つとか役立たないとかそんなこたあどうでもいい。俺が納得できるかどうかすべてだ。やれるだけやって、後は野となれ山となれ、海となれ空となれ風となれ炎となれって感じだぜー!! っていうか何がなんだかわけわかんねえぜっ!

【雑誌】ヤングマガジン青BUTA 12/2 No.5 講談社 B5中
 グラビアはパイレーツ。彼女たちの圧倒的な馬鹿っぽさはかなり好きだ。今回もインタビューで「二人の青BUTA時代は」と聞かれて「お腹すいたー」「眠〜い」と答えるやりたい放題ぶりがたまらない。この人たちって、狙ってやっているっていうよりも本当に馬鹿っぽいところがすごいよなー。貼り付いたようなあいまいな薄笑いもなかなかに異様である。かなり面白い。
 天野明「少年スピン」がかなり笑えた。天然少年タクマとその幼馴染みカナが所属する学校の古文の先生である、ブッキーのキャラクターがなんといってもいい。授業中に不気味な妄想の世界に突入するあたりかなりアブない。登場するやいきなり「今日から生理です」「男子諸君は残念ですが押し倒そうと考えたりしないでください 血が出ます」などといい放ち、人の話なんかまったく聞かず自分の世界を展開する。主人公タクマもかなりすごい。「てんとう虫は赤!赤!」と叫びつつノートに落書きを始め、「ぶ〜ん!!」「ぎゃっはっはっあっあっ」などとあぶない叫びをあげながら、黒板も落書きで埋め尽くす。そしてそれを制止もせず、妄想の世界に没入しているブッキー。出てくるキャラクターがみんなまともでない。いやー、楽しい!
 蓮古田二郎「兄妹ヌード」もかなりヘンな作品だ。兄妹の間では常にヌードでいようと誓った兄が、裸のままクソのような日常を送る。妹のむいたナシをかじりながら、柔らかいホウスイでなく硬いチョウジュウロウを買ってきた妹をなじるシーンが、かなり偏屈でいい感じなのである。三ッ橋望美「電撃BUG娘」。今回は、ゲームしか頭にない主人公の少女が彼女にからんでくる男に、消しゴムを先に使いきったほうが勝ちとか、1クラス分の上履きを全部外に出しきったほうが勝ちといった、下らない勝負を挑み続けるというお話。人生捨ててる感じのキャラクターと、ダイナミックで勢いのあるストーリー展開が楽しい。今週は本誌に載っていなかった、かたぎりわかな「しすたあモルヒネ」が今回はこちらに登場。お姉ちゃんの脈絡のない言動、行動がかなりステキである。一見かわいらしい絵だが、ギャグはキチガイ系でテンションは高い。大好きなり。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/2 No.16 講談社 B5中
 今回のおっぱいイラスト、E-Oppersは司淳。東京Hや、昔のホットミルクの表紙を描いていた絵描きさんだ。次号は大暮維人が登場。
 桑原真也「0リー打越くん!!」。吸血鬼のシノヴ、打越に恋する学校のアイドル・ケイ、どちらも色っぽい。この人の描く女性は、まつげと口もとのラインに色気がある。こばやしひよこ「でぃすぱっち!!」。前回は主人公の先輩である女刑事が公衆の面前でフェラチオを強要され……というかなりいやらしい展開だったのだが、今回はわりとあっさり片づいてしまってちょっと不満。もうちょっとひっぱってくれても良かったのに。今回では、口からよだれが糸をひいているあたりの描写がけっこうH。相沢トモコ「花川ジンタ」はたしか次号最終回のはずだと思う(前に掲載されたときに最終ページの作者からのおことばで「あと2回」といっていたので)。今回は楽しい時間が過ぎ去っていくのを惜しむヒロインが、「続くよ」と答える老人のほうにゆっくりと振り向くシーン(見開き4分割の4コマ)と、それに続く1ページ1コマずつの見開きが非常に良かった。暖かさの中にある喪失の予感と切なさがしっかりと表現されていて、なかなかに感動的。

【雑誌】週刊少年サンデー 12/2 No.51 小学館 B5平
 曽田正人「め組の大吾」では、落合先生が自分の本当にやりたいことに目覚めて絶好調である。でもその前にはまたしても災害の予感。さてどうする。曽田正人の作品は盛り上げ方こそ強引だが、しかしそれを納得させてしまうだけの高い描画力と演出力がある。満田拓也「MAJOR」。名門高校に入学した吾郎と寿也だが、彼らの前に待ち受けていたのは孤島の強制野球練習場。なんか最近の展開はやけにスパルタ的でアナクロだ。どんどん過剰さが増してきているような気がする。努力・根性・勝利の黄金パターンを、忠実に、かつ現代の人にも馬鹿馬鹿しく映らないように焼き直しているところが魅力。三好雄己「デビデビ」。今回はパンチラや乳など、サービスシーンが復活気味である。もっと読者をあきれ返らせるほど過剰にやるべし。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/2 No.51 講談社 B5平
 塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」。逆転するかと思っていたのだが、予想外の展開。最終予選はそんなに甘くねえってことか。赤松健「ラブひな」。サブタイトルが「美少女わんさかラブコメディ」となっているが、まさにそのとおりの内容。ラストのオチはなんかあだち充的。でもあだちテイストではない。あだち充って、少年漫画シーンにかなり影響を与えた作家だと思うのだけど、絵柄やあのテンポなど、意外とフォロワーはいないって感じがする。まさにワンアンドオンリー。

【単行本】「俺たちのフィールド」32巻 村枝賢一 小学館 新書判
 ついにW杯が開幕。和也率いる日本代表は初戦にいきなりアルゼンチン戦。ここらへんは現実の日本代表と同じ。ダミアンvs.和也の因縁の対決がスタート。たぶん次の巻で完結だろう。選手たちは自分の限界を超えても気合いで走り回り、過剰なパフォーマンスを発揮する。非常にムチャなことをしまくるサッカー漫画ではあるが、そのテンションの高さがこの漫画の魅力の一つだ。時流と和也の成長に合わせて、舞台をコロコロ変えていったのも正解だったと思う。少年サッカー→高校選手権→海外留学→J1→Jリーグ→日本代表→W杯と、サッカーという競技のおいしいところを総ざらいしている。しかも、例えば高校選手権はほとんど全国大会などの緊迫感がある試合しか描いていない。こなしている試合の数は必要最小限で、しかも十分に盛り上げている。その展開は実にうまいなーと思う。主人公のライバルを、実際に日本代表が対戦したアルゼンチンの選手に設定しておいたという幸運にも恵まれていた。30巻を超えたが、飽きさせない仕掛けが随所に施されていて一気に読める。テンポの良さ、読み口の爽やかさもいい。何はともあれ、ここ数年のサッカー漫画の中では秋月めぐるの作品や、塀内夏子「Jドリーム」と並んで最も面白かった部類に入る。ドーハの悲劇からの4年間を最もうまく立ち回ったサッカー漫画だと思う。


11/17(火)……その名も偉大なカメラメラ

【雑誌】あ!ホクサイ 12月号 辰巳出版 B5中
 安寿はなこ(=池部ハナコ)の作品「紅葉の手」が掲載されていたので購入。小柄な彼女と、大柄な彼氏が、彼氏のプレゼントであるスカーフで彼女の身体を縛った状態で、愛のあるセックスをするというお話。彼氏は「彼女が紅葉みたいな小さな手でしがみついてくるところを見るのが好き」といい、彼女は「彼氏のあったかい手でからだ中触られるの好き」という。身体のそのほかの部分よりも、手によりエロチシズムを感じるというあたりがなんとも女性的で細やかなセンスをしているなと思う。全体に流れる包み込むような幸せムードも、くどくならない程度に甘く気持ちがいい。春籠漸「シンデレラ」は、兄が寝ているところに夜な夜な妹が忍び込んできて、眠っている兄にHな悪戯をしかけるというもの。さすがにいくら寝たふりしたって、ここまでやりゃあ気付くだろう、とツッコミの一つも入れたくなるが、「寝ている間にこんなことされたらさぞ気持ちよかろうなー」と妄想するとなかなかにHである。この雑誌でなごみどころが池部ハナコとするなら、抜きどころは春籠漸だ。俺としては。

【雑誌】花とゆめステップ増刊 12/15 白泉社 A5平
 なんといっても高尾滋「人形芝居」が注目である。この人は同タイトルの単行本「人形芝居」(白泉社/新書判。10/19の日記参照)が最近発売されたが、こちらもオススメ。すっきりとしてなおかつ暖かみのある描線がとても気持ちいい。とくに子供を描いたときの柔らかい線はかなりのもの。「人形芝居」は、人間そっくりに作られた子供型機械人形と彼らと触れ合った人間たちの関係がメイン。お互いを求め、そしてお互いの存在によって癒されていく機械人形と人間の姿がここでは描かれる。一話一話、きっちりと筋が作られていて、心暖まる爽やかな読後感。わりと最近でてきた人のようだけど、実力は確かなものを持っている。樋口橘「せつない恋の物語」。なんとなく絵柄が望月花梨っぽい。年の離れたいとこに一途な恋心を抱くあまり手が蛇になってしまった姉と、その姉を実は愛してしまっている腹違いの弟のお話を、「安珍清姫」の物語をスパイスに軽やかに展開する。自分の好きな相手を思うあまりすれ違うストレートな恋心のアヤが見どころ。
 二郷朔美「さすらい青春相談所」。進学校に通い周囲の重圧からか人間嫌いになってしまった弟を連れて家出してきた姉と、一見プータローのようだが「感動学級」という子供たちを集めてその日に感動したことを報告しあう会を開いているセラピストの青年のお話。FEEL YOUNGとかのシュークリーム系の雑誌によく載っていそうなポップでオシャレな絵。姉弟の心理の部分に突っ込みつつ、説教臭くならないレベルで心の悩みを解消していく。あくまでカラッと元気な描写をしつつ、ときにシリアスになり、ときにギャグをやり、という感じの手際とテンポがなかなか。第270回HMC花とゆめまんが家コース)努力賞、福山リョウコ「だって青だもん。」。どうしても周りから浮いてしまうドイツ人・日本人のハーフの転校生の少女と、ただ一人彼女を分け隔てなく扱う少年の爽やか青春物語。ページ数は少ないが読後感はいいし、絵も整っている。ただ、とくにコレという強烈な特徴もない。何か一つ武器をつけて勝負できるようになれたら楽しみ。

【雑誌】きららセーズ 12月号 秋田書店 A5平
 藤井こぴる「カメラ!カメラ!カメラ!」が最終回。きららセーズの中では一番楽しみにしていた作品。写真を撮るのが大好きで、カメラを常に持ち歩き、さまざまな光景、瞬間をフィルムに収めることが趣味の少女・小夜と、小夜の実家の酒店に転がり込んできて住み込みのバイトをやっていた福田の、青春ラブコメ。目や髪の毛がキラキラせずスミでベタリと塗られた、サッパリとした絵柄が持ち味。1ページのコマ数もあんまり多くなく、線が整理された絵柄とあいまってスッキリとした画面になっている。お話も絵柄同様にサバサバしていて、カメラを覗く目で空間を切り取るセンスの良さが光る。単行本にはならないのかな? 藤弓郷「あひるの行進」は第一部完。若気の至った学園モノでまあわりと楽しかった。完成度はそんなに高くないけど。

【雑誌】メロディ 12月号 白泉社 B5平
 今年の3月ぐらいから少女漫画雑誌にも手を出し始めたが、いろいろ読んだうちでわりと気に入った雑誌の一つ。
 まずは朔田浩美「魔法のSHAKOCHAN」が馬鹿馬鹿しくてオススメである。縄文時代のかわいい女の子・シャコちゃんが、2000年の時を越え土偶の中から甦る。そんでもって、運命の恋人の生まれ変わりであるらしい、主人公の兄にまとわりつくのだが……というドタバタラブコメディ。ラストで主人公がキレてバンクスピリットを爆発させるシーンとか、シャコちゃんの無闇なテンションの高さとか、非常に元気で馬鹿馬鹿しい、リクツ抜きの楽しさがある。それから第1回メロディまんがチャレンジ銀賞受賞作品、三門三右「Please call me」も面白かった。天才ピアノ少女が、周囲の期待からくるプレッシャーに押しつぶされそうになり、音楽を楽しむことができなくなる。その悩みの解決に、電話相談室のマンディおねえさんが乗り出すというお話。終盤に少女が、音楽を心から楽しんで目にするあらゆるものに音を見出していたころのことを次々に思い出すシーンにちょっとジンとする。作画に関してはすでにそれなりのレベルにあり、完成されている感じがした。
 酒井美羽「恋スルメロディ娘。」は、フリルひらひらの浮き世離れしたロリータ系ファッションを好み、その趣味のせいでことごとく男にフられてきた少女と、そういう特殊な女の子に惚れてしまった郵便配達のおにーさんのラブコメディ。女の子のファッションのひらひらさ加減の馬鹿っぽさと、ころころ転がるテンポの良いお話が楽しい。我孫子三和「楽園へ行こう!」はゴムまりのようにくにゃくにゃと変化する、弾むような丸っこい画風が見ていて面白い。きっちりと描かれたシーンもきれいだけど、力を抜いてさらりと描いたシーンも味があってかわいらしい。桑田乃梨子「男の華園」。早くもクリスマスの話題である。妄想がちな主人公・ゆかりが、好きな女の子とクリスマスに会う約束をしたいのだが果たせず、それでも小さな幸せと迷惑な先輩に囲まれて、爽やかならざる聖夜を送るという話。ちまちました箱庭的楽しさがあっていい。

【雑誌】ぶ〜け 12月号 集英社 B5平
 佐々木潤子の「翼−ウイング−」がなかなか良かった。舞台はどこだか外国のバレエ学園。主人公はちょっと規格外なくらいの長身で人を惹きつける素質を持った、日本からの留学生・美紀子(通称:ミッキー)。欧米人の中でも目を惹くほどの雄大なスケールを持ったミッキーは、学園のコーチの画一的な指導により、持ち味をスポイルされかかっていたが、彼女の魅力に美少年4人のバレリーナのグループ(カンパニーというらしい)が目をつける。宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」みたいな感じで、彼らは一人ずつミッキーにバレリーナとしてのエッセンスを教えていく。そのおかげで彼女は見違えるような演技ができるように……という感じの第一話。艶やかさを持つ鮮烈な描線で描かれた、バレエのシーンは躍動感があり、美しく幻想的だ。次回は2月号に掲載される予定だが、なかなか期待できそうな作品だ。


11/16(月)……KKTのBSS

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/30 No.51 集英社 B5平
 尾田栄一郎「ONE PIECE」がやっぱり面白いのである。アクションシーンの構図が、非常にダイナミックで立体的。遠近感をうまく利用していて迫力がある。ジェットコースター的な気持ちの良さだ。桂正和「I''s」。Hである。さすが、女の子のパンツと尻を描かせたら日本一。このくらい若いうちは恋愛にかまけてないで、もっとデッケえ夢でも見れ!とか思わぬでもないが、この甘酢切な苦しさはたまらなくいい。にわのまこと「BaseBoys」は最終回。嫌いではなかったのだが、打ち切りっぽい終わり方。それにしてもこういう終わり方をする作品で「ジャンプのエース!!」もなかろうに(作家名の上のところにアオリ文句でそう書いてあるのだ)。

【雑誌】ヤングマガジン 11/30 No.50 講談社 B5中
 柳内大樹「HASEGAWA長治」が新連載。不良ケンカラブコメという感じのお話。絵はちょいとハロルド作石系のテラテラ感がある。まあわりと普通の不良漫画という印象。ハロルド作石「ストッパー毒島」は次号で第一部完。非常に緊迫した場面なのに、最後まで投手コーチはチックくんだ。かっこいいぜ、チックくん。このお話の影の主役。ヤンマガ系のショートギャグはいつも楽しみだが、今号はかたぎりわかな「しすたぁモルヒネ」がお休みの模様。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。ゲンとソープのねえちゃんがサファリパークでデート。ゲンはやっぱりアブなすぎる。今回は「人間じゃないモノ」扱いである。とにかく目つきが尋常でない。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/30 No.50 小学館 B5中
 石川優吾「よいこ」。今回はなんか笑ってしまった。ほとんど大人で超セクシーな女子小学生風花がプロレスのリングに上がるハメになるのだが、大技の連続の間に反則技として縦笛の匂いをかがすとか、下らないギャグが入るところがほのぼのしてていい。あと、担任の女教師がキレて乱入してきたのがなかなかええ感じである。村上かつら「いごこちのいい場所」。好調である。オヤジに連れていかれたフーゾクで出てきたおねえちゃんは、憧れていたあの人で……という意表をつく展開。淡白な絵なんだけど、内からほのかににじみ出てくる色っぽさがいいなあ。あと、高橋しん「いいひと。」は最終回。それと11月30日に山本直樹「ありがとう」が上下巻で再版されるらしい。うーん、最近スピリッツ系は再版ものが多くて困るなあ。また買わなくちゃならないじゃないか。惚れた者の弱みである。オタクはこうして搾り取られていくのだ。そういえば吉田戦車「伝染るんです。」も漫画文庫で出るんだよなあ。

【雑誌】コットンコミック 12月号 東京三世社 B5中
 毎月すごく楽しみな雑誌である。表紙は古臭いし、印刷も安っぽい、執筆陣も凡庸。だが、この雑誌には駕籠真太郎の作品が載っている。それだけでも俺にとってはマストバイなアイテムだ。今回の「駅前穿孔」は、いろいろな不安を恐れて各所に穴を穿つ人々のお話である。使った後にコンドームに穴があいてなかったか心配するくらいなら、牛乳パックに穴があいて中身がもれるくらいなら、車のタイヤが途中でパンクして事故るくらいなら、と可能性に対する心配をなくすために前もって穴をあけまくるのである。虫歯の不安を解消するため歯に穴を、他人にカサで目をつつかれる恐怖をなくすため目をうがつ。ほかにも胃や手の平、果ては頭にまで。電車も駅もオフィスも看板も歩道橋も、みーんなみーんな穴ぼこだらけである。生命活動に支障をもたらさずに穴をうがつ仕組み、なぜ人々がそこまで不安に苛まれているのか、穴を開けるという行為の意義は? これまでの「駅前」シリーズ同様、そういうことはもちろんこれっぽっちも説明されない。そういう世界が、厳然とただあるだけなのだ。筒井康隆にも通ずるような、シニカルでブラックな乾いた笑いのセンスは切れ味バツグン。絵も話も強烈なクセがあるが、一度この味を覚えたらやめられない。「天才」という言葉を安易に使うのは大嫌いだが(いい作品を描く人を、よく知りもしないくせにただ「天才」の一言で片付けてしまうのは、その人の努力をまったく無視しているみたいで失礼な感じがするのだ)、それでも駕籠真太郎には天才のキラメキを感じてしまう。
 このほかでは渡辺ヒデユキのサセマン(という淫乱美少女戦士)シリーズ「マラシのイボチン」が好きだ。この人の絵は本当に古臭い。高橋留美子の「うる星やつら」がヒットし始めたころの、アニメ絵系美少女もののような雰囲気を持っている。だが、読んでみると面白い。これ以上はないくらいにベタベタなギャグ、C調なノリ。昔懐かしいものに出会えたような気がして心が和んでしまうのである。雑誌だと8ページくらいなのでもの足りないが、単行本1冊まるまるこのノリで来られると、その下らなくも心地よいぬるま湯的ギャグで、かなりいい感じになれる。

【雑誌】パイク vol.15 師走 ふゅーじょんぷろだくと A5平
 TAGRO「cold medicine」は、巻頭部分はCGによるカラー。きれいではあるけど、ちょっとチープな感じもしてモノクロページのほうが好み。今回はこのシリーズの二人のヒロイン、タマキとマリアが出会ったころのお話。単純ながらスッキリ洗練された描線はかなりシャレていて好きである。お話はこのシリーズを通して、いまいち全体像をつかみづらい気がする。海野蛍「われはロボット」。気弱な男と、彼が街で拾った捨てロボットの少女のラブコメディ。男が、自分を好いてくれるロボットに抱いていた自分の恋心素直になるラストはなかなか爽やかで良かった。絵もスタイリッシュでわりと好み。ベタッとした線でなく、細かい線をより合わせていったタイプのペンタッチに好感が持てる。
 美女木ジャンクション「たまったら呼んでネ。」。話は別にどーってことないが、脂の乗った女体がばゆんばゆんと揺れるSEX描写はなかなか実用的。この人はエロ描写に迫力があるので、最近の実用系作家の中では注目株である。うらまっく「動く標的」は、貞操などの危機を感じた性器自身が、危機を逃れるため身体のあちこちに移動して逃げまくるというちょいとヘンな作品。ちんちんとまんこを頭頂部につけた男女が、ガッツンガッツンと頭をぶつけ合うようにしてSEXをするさまはなかなかにヘンテコである。最近のうらまっく作品の中では一番馬鹿馬鹿しくていいなーと思った。あめかすり「沈める処女」。この人の少女漫画タッチで漂白されたような描線と繊細なストーリーは、単行本化されたらスピリチュアルなエロ漫画が好きな人にたぶんウケると思う。そして、初単行本は1月下旬の予定とある。

【単行本】「きりきり亭のぶら雲先生」2巻 きくち正太 スコラ A5
 和服を粋に着こなして、しゃなりしゃなりと街をゆく、いなせで美人できっぷ良し、ぶら雲先生第2巻。そんなわけでこの巻も、ぶら雲先生は相変わらず美しい。見た目は派手だが、やることもいちいちビシッとスジが通っている。その女伊達ぶりには胸がすく。そういうぶら雲先生のキャラクターに、きくち正太の絵が実によくマッチしている。ぶら雲先生を中心として、ときにはギャグタッチ、ときにはセンチメンタルに話は進む。そのいずれもが、きれいにオチがついていて鮮やかである。
 きくち正太は、顔の中でもパースが利いているようなちょっと特殊な絵柄の持ち主だ。眉間のあたりから、とんがった鼻、そして口のラインまで一息で描かれたような顔の中心ラインと、吊り目がちで切れ長な瞳といったパーツがそれぞれに個性を主張し合いながら、全体として見るとバランスよくまとまっている。ついーっと一気にひかれたようなのびやかな線も見ていて気持ちがいい。
 ただ、きくち正太ってなんとなくなのだが、わりとストーリーも絵も自己完結しがちなタイプではあると思う。とくにストーリーがそうだ。これは「獣王バイオ」あたりからいえることなんだけど、作者に少し照れがあるのか、物語の端々で無意識に抑えをきかせてしまっているような感じを受ける。そのため大きなお話を作るよりも、「ぶら雲先生」のような小さなお話を連続してきれいにまとめあげる作品のほうが合っていると思う。長い話をやる場合は「ブル田さん」のように、原作を付けて絵に専念してもらうほうが力を発揮できるタイプだ。


11/15(日)……空より広い豊かなエクスカ・リバー

【雑誌】ZetuMan 12月号 笠倉出版社 B5中
 本当は17日発売の本だが早売りでゲット。実用性とオシャレさのバランスがわりと取れたちょうどいい案配のエロ漫画雑誌という印象を受けた。
 この前会ったからいうわけじゃないが、ZERRY藤尾「もっとコジあけて」がいちばん良かった。自分勝手な生徒会長に処女を奪われて以来、頭では認めたくないんだけど、身体が求めてしまう生徒会副会長の女の子が、いやよいやよも好きのうちって感じでいやらしい。最近女の子の身体のラインが柔らかくなり、乳が大きめになったような気がする。実用性がかなりアップしている。ちんちんのぬらぬら具合と、女の子の舌の使い方の描写がいやらしい。あと、副会長に童貞少年が挑みかかってくるシーンで、口ではいやといいつつもなかなか挿入に成功しない少年の動きに合わせて、ちんちんが入るように無意識に腰をクイッと動かしてしまうあたりの描写もうまい。
 Z・M大賞(ZetuManの新人賞)からデビューの佐藤登志雄「絶対正義EXCALIBUR」はどっかで見たような絵だが(介錯の絵の線を太くしたような感じ)、わりとうまい。全体に漂うオタク的センス(タイトルの「絶対正義」とか、ヒロインが正体バレバレの正義の味方に変身するという展開とか)はあんまり新鮮味がないが、エロシーンはしっかりと描けているし、完成度は高い。榊原薫奈緒子「おきらく仮天使エンジェルW」は、天使の試験に合格せんとする見習い天使二人が地上の女の子を助けようとしてバタバタしたあげく、結局自分たちが人間に強姦され、女の子もさらに不幸に……というストーリー。くるくると頭身を変えるコミカルなキャラクターたちが楽しいが、エロシーンもそれなりにいやらしい。あろうれい「あおいのきみ」。今回はディルドーを埋め込まれたまま、ご主人様の弟に身体を愛撫され、悦楽に耐えきれずにもだえる女の子がいい。Hだ。

【単行本】「監禁凌辱」 桃山ジロウ 松文館 A5
 これも単行本発行予定は16日で早売りのを購入。
 女の子が木馬やらクサリやら、ウネウネ動くちんぽ系の棒やら何やら調教用具完備のお部屋に監禁されて、奴隷にされるという作品を集めた短編集。調教シーン自体はハードなのだけど、一話で終わってしまうのでどうも展開が都合良すぎるきらいがある。あと、調教用具がかなりヘン。こういうのってエロ小説なんかでも出てきそうだけど、絵にするとやっぱヘンだ。例えば女をうつぶせにのっけると口と性器の部分に当たるように張型が取りつけられた木馬とか、手を使わず股で挟んで渡るとちょうど女性器の部分をイボや溝などが刺激するようにできている鉄棒とか。落とし穴の壁にバイブが何本も取りつけてあって底に落とされた女はそれを性器でつたって登るしか脱出手段がないなんていう仕掛けもある(そんなもん手でつかんで足をかければはるかにラクに登れようものなのに)。なんだか男の歪んだ妄想全開って感じは愉快だ。絵については、汁気がありみずみずしい女の子の身体の描き方がいい。柔らかそうで豊満。しっとりと質感のある肌が染まって、汗が浮き出しているさまはなかなかいやらしい。ほっぺたが赤く染まった女の子の顔も、どこか垢抜けないところがあってホッとする。男好きのするタイプとでもいおうか。
「あぶない!令子先生」(蒼竜社)は令子先生のキャラクターが立っているし、連作なので読みごたえがあったが、これは一話で調教シーンを完結させなければいけないということもあって展開を急ぎ気味で、もの足りないところがある。こういう内容で1巻まるまる調教に費やしてくれたらすごくいやらしいと思う。

【単行本】「純情闘争」 藤田貴美 白泉社 新書判
 先日、ZERRY藤尾さんにお会いしたときに強烈にプッシュされたので購入してみた。で、読んでみたところ確かに良かった。短編集であり、どの作品も大きなストーリーはないのだが、恋愛中の少女の胸のトキメキを実に鮮やかに描き出している。とくにすごいのは、感性の流れに任せて構成された、不規則で感覚的なコマ割り。理詰めでいったら絶対にこんなふうに割ることは不可能と思われる。長方形だけで規則正しくコマが割られたオーソドックスなページは、ほとんどないに等しい。枠線のないコマがあるかと思えば、台形型のコマが斜めの向き(しかも中の構図は天地逆)で挿入される。人物がコマからはみ出していたり、コマ同士が重なり合っているなどは実に当たり前のように行われる。まるで1ページ分のコマを別々に書いて、それをペタペタと貼り合わせたかのようだ。
 俺は普通のシーンはオーソドックスなコマ割りで、見せ場のところだけ変型ゴマ使用というパターンが一番好きなのだけれど、この作品くらいのレベルまで不規則にやられるとこれはこれでスゴイと思う。しかも読みにくいかといえば、そんなに読みにくくもない。これはたぶん、全体のバランスを考えてコマが配置されているのと、コマ内の絵柄がスッキリ整理されている(ときには空白のコマさえある)おかげだろう。あと、どうしてもつかまなければならないほどのデッカいストーリーはないので、多少展開をつかみづらくなってもOKというのもある。
 コマ割りの話が中心になったが、そのコマ割りはあくまで少女的トキメキを描き出すために使われているわけで、それを表現するのにコマ割りがジャマになっていたらまったく意味がなくうるさいだけだ。しかし、この本に収録された作品は少女漫画のエッセンスとでもいうべき、「キラキラしたステキなもの」をふんだんに持っており、それを表現するのに必要だったからこのコマ割りになっているのである。そしてそのおかげで面白くなっているのだから、非常に効果的なコマ割りだったといえる。
 お話ではとくに「空中回廊」が気に入った。自分が宙に浮くとごく自然に確信し、何気なく2階の窓から外に出て転落してしまうような、夢見がちな少年がまるで当たり前のように、自分の求めるものを目指してどこかに放浪に出てしまう。彼の幼馴染みの少女も、自分の行くべき先を一心に見つめる彼を止めることはできなかった。清められ、消えることのない美しい喪失の悲しみが、爽やかに切なく響く。白い砂がサラサラと指の間をこぼれ落ちていくように、ラストに向かって拡散していく読み心地が気持ちいい。別れの日、二人が夜空を見上げながら草の上に寝っ転がるシーンが静寂で美しく、感動的である。コマ割りに関しては表題作「純情闘争」、それから「神様ヘルプ!」あたりが最も変則的。


11/14(土)……虫愛づる妖精

 Jリーグ、98年セカンドステージは鹿島アントラーズが優勝。今年はサッカーW杯があったぶん、かえってJリーグの試合をきちんと見ていなかった気がする。来年はフリューゲルスがなくなる確率が高いので、もっと見なくなってしまうかもしれない。こういう姿勢がフリューゲルスの悲劇みたいなのを生むのだよなあ、とちょっと反省もするが仕方ないことでもある。とりあえずJリーグは今不況なんだし、経費削減が現在の最重要課題といえるだろう。選手の年棒を圧縮するのはもちろんとして(プロ野球選手の給料などを見てはいけない)、Jリーグ参加資格であるユースチームの育成なんかは「してもしなくてもいい」レベルにしてみてはどうか。実際にユース上がりの選手って、ガンバの稲本とかはいいけど、トップレベルの選手ではそんなに多くないんだし。川淵氏の理想は非常にいいと思うし、チームが一つなくなるからといって涙を流せるような熱い魂を持ったトップってなかなかいないと思う。だが、非常時には多少手綱をゆるめるくらいの柔軟性は欲しいもの。

【雑誌】別冊マーガレット 12月号 集英社 B5平
 中原アヤ「ラブ!ラブ!ラブ!」が巻頭カラー。幼馴染みでお互い好き合っていた二人が、感情のこじれで冷戦状態に。そんでもってなんかライバルも出現。しかもそのライバルの女の子は、ヒロインとなんとなく性格などが似ているときている。ヒロインピーンチッ!って感じ。なかなかうまくいかない恋愛模様だが、カラリと爽やかな絵柄同様、お話にもサバサバした感じがあり、楽しく読める。最近の別マ(といっても俺が読んでいるのはここ半年程度にすぎないのだが)の中ではかなり気に入っている作品。多田かおる「イタズラなKiss」は、昔入院していて天使のようだった少年が、数年後アイドルとなって性格が激しく悪くなって再入院してくる。そんでもって、手術を拒否して琴子を困らせるのだが最終的には琴子がキレて大爆発。やわらかくてかわいい、手触りの非常になめらかな画風なのだが、見せるべきところは激しく見せていて面白い。別マ本誌は初登場、成住響「HEAT」は、「将来の夢は総理大臣」と語る茶髪男と、彼を見つめ続ける女の子のドタバタ青春ラブコメ。茶髪男が黒板をぶったたきながら「諸君っ!!志は高くもっているかっ」と叫ぶシーンがなかなかにかっこいい。若さがあふれ出すような突っ走る青春模様が読んでいて気持ちよかった。今号では一番好きな作品。っていうか、俺は「夢」だの「志」だのという言葉に社会人になった今でもなお弱い。俺の夢はなんだ!それは今のところ「一生漫画を読んでおもしろおかしく暮らすこと」だっ!(←「今のところ」ってところがちょっと弱い)

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 12/1 小学館 B5中
 小山ゆう「あずみ」。きくがどんどんあずみに夢中になっていく。これだけあずみを好きになってしまったということは、つまりそろそろ殺されちゃうってことかなあ。今までもあずみにとって大事な人は次から次へと殺されていってたし、その例からいえば前途は暗い。高田靖彦「演歌の達」。説教をする漫画ではあるが、説教臭くはない。それは「今の若者」や「今の日本」などといった大それたものに対する愛のない説教をしているからではなく、あくまで作中のキャラクターが別のキャラクターに向かって説教をしているだけだからだろう。「なんとかしてやろう」「俺がやってやる」という、熱い想いのこもったセリフを読んでいると、こちらも何かやる気になってくる。義理はともかく、人情味にあふれるいい漫画だ。

【単行本】「ボンデージ・フェアリーズ」1巻 昆童虫 久保書店 A5
 いや〜、懐かしい。昔同じく久保書店から出ていた同名の単行本の再版である。森に住み、不良昆虫を逮捕することを役割とするハンター妖精、プフィルとパミラが主人公。彼女たちは昆虫を相手にしているわけだから、身体の大きさもそれなり。このシリーズでは、彼女たちが不良昆虫などに犯されたりするのだが、すごいのは昆虫の描写。普通、人間と動物がSEXするという作品でも(ハードな獣姦ものを除いて)動物にある程度の擬人化を施すことが多い。しかし、この作品は昆虫の擬人化は言葉を話せるということぐらいで、ほとんどゼロ。世にも珍しい虫姦ものなのである。しかもその虫たちも、実物や図鑑をきっちり見て描いたであろう非常にリアルな外見。それでありながら、生殖器だけはやけに邪悪で人間状なのである。出てくる虫たちも多彩。ハサミムシ、マイマイカブリ、コクワガタ、カブトムシ、カミキリムシetc……。こういうのが人間(ここでは妖精だが人形であることには変わりない)の少女に、同じくらいの大きさでのしかかってくるのである。虫系の人たちの業の深さも思い知ることができる。虫嫌いの人にとっては悪夢のような作品かもしれない。かなり変わった作品なので、好事家には一読をオススメする。
 この巻は一冊まるまるの連作長編になっており、プフィルがハンターを逆恨みする三姉妹に監禁されて辱めを受けるというストーリー。短編集のほうが多様な虫がでてきてナイスであり、こちらはこちらで読みごたえがあるけど、一連のシリーズの中でのオススメ度は中くらいの部類。
 俺は旧版の2巻を買いのがしていたので、この機会に揃えるつもり。「ボンデージ・フェアリーズ」シリーズのほかにも、同じキャラクターを使った短編集「フェアリーフェティッシュ」(その前に出ていた「インセクトハンター」の改題)もあり、一連の昆虫&妖精モノの中でこれがかなりオススメである。古本屋で見かけたらぜひ。


11/13(金)……ゴルゴ30

 昨日池袋に行ったとき、芳林堂で松本大洋「花男」新装版の3冊セットクリアケース入りを目撃。ぺなぺなの薄っぺらい透明なプラスチックで、あんまり高そうでないケースなのだが、そこに松本大洋のイラストが白の塗料で描かれていた。買ってしまおうかどうしようか悩んだのだが、新装版はすでに1セット持ってるし結局見送ってしまった。でも、あとで「買っておけばよかった」と後悔しそう気がする。失敗。今度見つけたら買おう、といっているときに限って見つからないもんなんだよな、こういうもんは。でもまあ俺は読むために漫画買っているんであって、コレクターってわけでもないんだからまあいいか。と、自分を慰めてみる。つまり自慰行為である。

【雑誌】ビッグコミック 11/25 No.22 小学館 B5中
 さいとう・たかを「ゴルゴ13」が30周年だそうだ。そんなわけでさいとう・たかをのインタビューあり。そしてゴルゴはいつものゴルゴ。上から読んでも下から読んでもゴルゴだった。30周年とはいえ、とくに変わったことはやっていない。なお、インタビューによればすでに(連載開始当初から)最終回の構想はできているとのこと。谷口ジロー「遥かな街へ」は次号で最終回。この人の漫画は本当に折り目が正しい。細部まで実に細かく実直に描き込まれた背景を見るだけでなんかうれしくなってくる。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/26 No.50 集英社 B5中
 久しぶりに駅で拾えた。真里まさとし「以蔵の青春」が最終回。絵に関しては、男はいまいちだが、女の子は身体の描写が柔らかそうで、肌が白く見えるタイプでわりと好きだった。お話はあくまでもたわいなくて、もの足りない。それにしてもこの雑誌は感想書きたくなるような漫画がない。

【雑誌】ヤングアニマル 11/27 No.22 白泉社 B5中
 全体的に充実している雑誌だと思う。次号では文月晃が登場するということで、ますますエロ漫画率が高くなるのか? エロは多めだけど、それでいながらスポーツもあり、ギャグもあり、「ベルセルク」みたいなギチギチにハードな武闘ものがあるかと思えば、ヌルいラブコメもある。全体にバランスがよくとれている。なお、今週は二宮ひかる「ナイーヴ」がお休み。
 今号の注目は、宇仁田ゆみ&中田ゆみの二人ゆみ。まず宇仁田ゆみ「グラス・スパイダー」は短期集中連載第1回目。「弱い女がキライ」という変わった趣向の持ち主であるアキオが、友達の伸二に女を紹介される。彼女は伸二のいとこで、21歳だと偽っていたが実は高校2年生。ガキに興味のないアキオはいったんは彼女を拒絶する。でも、今の気持ちを大切にしようとする強い気持ちを持った女に弱いアキオは結局彼女と付き合うことに……というところまでで第一話は終了。なんとなくFEEL YOUNGとかにでも載っていそうな、カッチリクッキリとしていてそれでいて女性的な画風。でも女の子の顔とかは男好きもするタイプ。画風の中に適度な柔らかさがあるのがいい。楽しいラブコメになりそうな気配。中田ゆみ「メザメ ノ オト」は読切。「良い子」であるという自分のカラの中に閉じこもっていた優等生の女の子が、同じクラスのちょっと不良っぽい男と触れ合ううちに自分のカラを破ろうとするようになる……というお話。細めの線を束ねた、暖かみのある柔らかい描線がいい雰囲気を持っている。ラストはちょっと中途半端な感じがしないでもない。
 柴田ヨクサル「エアマスター」。美奈を助けるべく麻季が、不良の輪を蹴散らしながら進む。空中を舞いながら力強く攻撃する姿が実に痛快。「バリボ」「つきあってよ!五月ちゃん」の林崎文博が新連載。タイトルは「VF〜アウトサイダー・ヒストリー〜」。学園ケンカもののようだ。この人の描く女の子はしっとりと色気があって気になっていたのだが、この話で出てきた眼鏡娘もなかなかかわいい。克・亜樹「ふたりエッチ」は2本立て。今回は四十八手に挑戦である。発情したゆらさんと四十八手の体位でまじわると真に沖縄に伝わる裏手が伝授され……というのは「DEI48」だ。この漫画って、エロシーンは当然多いのだが、どうも実用的ではない感じがする。でもそのぶん、馬鹿馬鹿しさがあってお話としては楽しい。山口よしのぶ「名物!たびてつ友の会」。俺は鉄な人ではないが、この漫画を読むとその道も楽しそうだな〜と思えてくる。なんといっても毎回出てくる各地のおいしそうな食べものが非常にうらやましい。たびてつに対する愛を感じる。


11/12(木)……教えてあげよか、ぼく副産

 縁あって漫画家のZERRY藤尾さんとお会いしてきた。ZERRY藤尾さんがこのホームページを見てメールを下さって、そこから会おうということになったのだ。このホームページを作ってから、なんかこうした出会いの機会が増えた。うれしい副産物といったところか。
 池袋の芳林堂コミックプラザで待ち合わせ、その後飲み屋に行ってサシで飲む。っていうか飲んでいたのは俺ばかりだったような気がしないでもない。俺が生ビール5杯くらいなのに対し、ZERRY藤尾さんは1杯。俺は目の前に酒があると、ついつい飲んじゃうタチなんだよね。ちょっと仕事の話とかもしたのだが、おおむね漫画の話(といってもZERRY藤尾さんにとっては漫画が仕事なわけだが)に明け暮れる。延々4時間ほど濃い目の漫画話ができて楽しかった。それにしてもZERRY藤尾さんが少年サンデーデビューというのは知らなかったので、ちょっとびっくり(そのときのペンネームは「山田X」)。というわけでまたお会いしましょう!

【雑誌】コミックビーム 98年12月号 アスペクト B5平
 詳細な掲載作品リストはビームのページ参照。今月のビームはかなり充実していると思う。でも売れまいな。
 馬頭ちーめい「BREAK-AGE」は作者の腱鞘炎悪化のため落ちる。奥村編集長のお詫びの文章に男気を感じた。榧野友博「エンゼルの計画」はその穴埋めだと思われる。こうやってレギュラー陣がポコポコ原稿を落としてくれるおかげで、風変わりな新人の作品がちょくちょく読めるのがビームの魅力の一つだと思う。皮肉なことに。「エンゼルの計画」では、人類が死後の世界に友人探査機を派遣するのだが、その探査員が死後の世界を混乱させた罪で追い立てられる。逃避行の中で出会った少女との触れ合い……といった内容。どこかで見たような絵であんまりオリジナリティは感じられないものの、まあそれなりに楽しめる。
 桜玉吉「幽玄漫玉日記」はヤケクソな'80sへの逃避的回帰漫画。殴り描きの勢いに圧倒される。竹谷州史「PLANET 7」は、ぶっとくて力強い線を駆使したダイナミックな画面作りがいい。物語はだいぶ佳境に近づいてきた感じ。志村貴子「敷居の住人」はだんだんと面白くなってきている。それぞれのキャラクターが生きてきたなという感じ。脇役の保険委員系地味メガネ娘が健気でいい。平井和正+梁慶一「死霊狩り」もよくなってきた。黒人看護婦のおねーさんが色っぽい。
 カネコアツシ「BAMBi」。プラチナ・マスクの過去と現在のバンビとの死闘をオーバーラップさせながら話が展開する。強すぎて醜くて、そして脆い心を持つプラチナ・マスクの叫びが悲痛である。上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」は、短編連作ギャグ漫画になるらしい。ネタをバラすことになるので詳しくは書かないけど、相変わらず下らない。「やりよるな」という感じではあるが、オチはもうひとヒネリ欲しかった。小池桂一「ウルトラヘヴン」はドラッグをキメているかのごときイメージが、次から次へと送り出されてくる。かなり病的な感じもするが、目は吸い寄せられる。いましろたかし「釣れんボーイ」。ほんっとーにやる気がない作風。こりゃだめだーと叫びたくなるような日常を、なんのクライマックスもなく、淡々と描き続けるところがすごくいい。大越孝太郎「フィギッシュ(後編)」。フィギュア界にうごめく、さまざまな妄執を描いたちょっとサイコホラーっぽい作品。まあまあかな。絵は文句ない。ゆうひらゆきのり「ときめき▽カップル」は、女の子が唐沢なをきの描くところの女の子みたいな感じでけっこうかわいい。前から思っていたのだが、唐沢ギャルはかわいいのだ。
 そして次号では、園山二美「蠢動」が再開!単行本も11月25日に出る!買う。買いまくる。買わずにいられるものかよ。

【雑誌】ヤングサンデー 11/26 No.50 小学館 B5中
 山本英夫「殺し屋-1-」。ついにイチがキャバクラねーちゃんの暴力亭主を惨殺。しっかし、本当に殺しっぷりが汚いなー。血みどろ。その禍々しさ、汚らしさがまたいいんだけど。業田良家「フォークソング」。ギターを抱えて街角で歌い続ける二人の男の青春物語。二人でいるから響き合う、歌も楽しい。片方だけ芸能プロダクションから引き抜きがくるが、でもやはり絆には代えられない。ってなわけでかなり青臭い物語になっている。けど爽やか。読むと元気が出てくるタイプのお話。竹下堅次朗「カケル」では、カケルが葵を抱こうとするが、そのときに葵のツラい過去が判明する。女の子がかわいいのはいつものことだが、悲劇性も加われば無敵だ(っていうほどでもないけど)。山田玲司「アガペイズ」。トラキへの愛のため、ユリが再びマウンドへ。野球シーンはどうにもインチキくさいのだが、なかなか盛り上がって泣かせに入ってきた。投げるたびに一つひとつ大事なものを失うっていう仕掛けが悲愴感をどんどん盛り上げている。でもやっぱインチキくせえわ。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」はヒグマドンが猛威を振るう。荒れ狂う圧倒的な力の猛威が、迫力のある描線で迫ってくる。小手先でない、デッカい面白さを持った漫画だと思う。

【雑誌】モーニング 11/26 No.50 講談社 B5中
 井上雄彦「バガボンド」。又八に裏切られて泣きじゃくるおつうがかなり天真爛漫でかわいい。そして武蔵は、自分が生き延びるために容赦なく人を殺しまくる。血塗れな生きっぷりが野性的でかっこいい。守村大「考える犬」は父・文左衛門が男を見せる。この漫画は地味なんだけど、作画も確かだし、決めるところはビシッと決めてて読ませる。木葉功一「キリコ」。キリコが妖艶でしなやかで色っぽい。引き締まった細い肉体がいいねえ。
 巻末のほうにアフタヌーン四季賞のお知らせがあるのだが、今回はイラストを小田ひで次が描いている。「進行中の新作にご期待下さい」とのこと。してますとも。いわれなくとも。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/26 No.51 秋田書店 B5平
 能田達規「おまかせ!ピース電器店」は100回記念&巻頭カラー。読んでいてホッとする漫画である。末長く続いてくれてもいいし、新しいのを始めてくれてもいい。水島新司「ドカベンプロ野球編」はかなり亜空間入ってる。西武ライオンズの優勝も、山田のホームラン王のついでな感じである。そして舞台は一気に日本シリーズ。そういえば、ベイスターズには土門がいたのだなあ。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」では、ゴードンが新しい形態にパワーアップ。最近はちょっと痛快さと無駄なくらいの色っぽさが薄れ気味な気もするけど、この流れでは仕方あるまいな。ゴードンはストイックな奴だし。

【単行本】「TWIN SPARK GIRLS」2巻 桐生知彦 ワニマガジン B6
 激漫連載作品。格闘一家で生まれ育ったメチャ強女子高生双子がヒロイン。彼女たちがちょっとHな目に遭いつつも、その力と技で寄ってくる卑劣な男達を撃退するって感じのお話。ストーリーはおおむねコメディタッチで気楽に読める。エロは決定的な描写はないものの、絵がうまくむっちりしててそれなりにソソる。使うってほどじゃないけど。この作品でいつも感心するのは、コギャルファッションがかっこいいこと。ルーズソックスなどが、まるでアーマードスーツか何かのようにビシッとフィットしているのだ。やたらスカートが短く、パンツも見えまくりだがけして下品になってはいない。ビシッと決まった線、ツンと立ったエッジ、キャラクターたちの個性的な目つき、ダイナミックなアクション描写。なかなか見ないタイプの絵柄である。
 話自体は正直いってもの足りない部分もある。でもまあ、このスタイルがビッと決まった絵柄を見て楽しむだけでもいいかな、とも思えてしまう。


11/11(水)……蠢動、蠢動、雨、蠢動

 8万ヒットめは自分でゲット!全然うれしくないぜ!
 コミックビームのメールサービスが届いたのだが、そこに11月25日発売予定のコミックスの情報があった。「B.Q. THE MOUSE BOOK」「B.Q. THE FLY BOOK」(カネコアツシ)ももちろんうれしい。でも、でも、でも!!! なんといってもこれだ!「蠢動」(園山二美)! いやー、もうすっかり単行本化は諦めてたのに。うれしぇええええ!アスペクト偉い!

【雑誌】週刊少年サンデー 11/25 No.50 小学館 B5平
 ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミンUp!」は、なんか最近やけにベッタベタに甘いラブコメをしている。うおー、甘ったりい〜。でもこのくらい甘ったるいとつい嬉しくなる。何かと過剰なものが好きな俺だ。作:森末慎二+画:菊田洋之「ガンバ!Fly High」。オリンピック目指して新展開。時間をかなりすっ飛ばして、藤巻は高校3年生に。すっ飛ばしすぎな気がしないでもないが、ダラダラやってもしょうがないのでこんなもんかな。北崎拓「なぎさMe公認」は、なぎさの馬鹿っぷりが微笑ましい。この娘はちょいと足りない。そこがカワイイのだ。久米田康治「かってに改蔵」は、何気に毎回女の子がかわいいと思うのだ。とくに細くてあんまり曲がらなそうな脚がスラーッとしているあたりがいい。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/25 No.50 講談社 B5平
 森川ジョージ「はじめの一歩」。今回はギャグな回。連発されるダジャレの波が、くっだらないだけに圧倒される。しかもそれがいつもの力強い絵で展開されるもんだから、不覚にも笑ってしまったって感じ。塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」は、富永が無念のレッドカードでピッチを去る。これで浜本の出番、と思うと同時に「これで控えに上條も入るな……」とか思った。本島幸久「蒼き神話マルス」は、過剰なゆえの間抜けな描写がわりと愉快なのだが、女の子が意外と色っぽいというのも魅力の一つ。「MAYA」もわりと好きだったんだよな。そういえば最近、判型と装丁を変えて再版されているみたいだけど。

【雑誌】弥勒 12月号 平和出版 B5中
 らーかいらむ「COLOR寿司」は閉店間際のデパートのエレベータの中で、エレベータ嬢にみんなでよってたかって奉仕させるという話。わりとストレートなエロで、にょきにょきたくさんあるおちんちんがいやらしい。小林少年「よだれ牛」は、男子トイレの大のほうに閉じこもり、男が来るのを全裸で待つというプレイをさせられている女教師の話。こちらも実用重視の作品。変態女教師がいやらしくていい。きたる三月「グノシェンヌ」。この人はなかなか絵が達者で、雑誌に載っているとつい目をひかれてしまう。スラリときゃしゃで壊れてしまいそうな美しさを持つ、女子新体操選手のピーンと反った背筋のラインがHだ。

【単行本】「月下輪舞」 緋村まさる 久保書店 A5
 1/20で感想を書いた、「月下輪舞 ルナの夏盛り」の前編。探していたのだが今日ようやく秋葉原のコミック虎の穴でゲット。この「月下輪舞」シリーズは、ルナ先生という女教師が生徒に調教されて性の奴隷となるという、大ざっぱに要約するとそれだけの話だ。しかし、その描写が常軌を逸して間抜けで素晴らしいのである。繰り返し出てくるのがルナ先生を素っ裸にして、四股を踏ませるといシーン。ルナ先生は恥ずかしがりもせず、大股を開いて蹲踞(そんきょ)の姿勢までとる。その間、顔は終始貼り付いたように同じ笑顔。あまりの開き直りっぷりとそのぶざまなポーズのインパクトは強烈。作者が女の人を嘲弄するのに異様な快感を見出している感じで、実に底意地が悪い。
 ルナ先生のセリフや振る舞いのスゴさはこれだけに終わらない。「先生にとってセックスは三度の食事より簡単よ」といってみたかと思えば、生徒のちんちんに腰かけ「よーしケツを振りまくるわよーっ」などと気勢をあげる。生徒に輪姦されながら「気持ちいいかい」と聞かれるとピースピースとVサインを作って応えるその間抜けぶりはかなり強力。挙げ句の果ては生徒に「中出しして子供ができたらどうするのか」と聞かれると、「もう三ヶ月だから」といけしゃあしゃあと答える豪快ぶり。「〜ルナの夏盛り」では行為がさらにエスカレート。夏祭りの会場で全裸&ひょっとこの姿で盆踊りを踊りまくった後、やぐらにのぼって群衆に小便をひっかけるという、あまりといえばあんまりな暴走ぶり。それをなんだかやけに無邪気に喜々としてやっているんだから、もうキチガイの領域。恐ろしくさえある。
 絵はうまくはない。っていうかなんだかマネキンか何かがギクシャクと動いているような、ちょっとほかにない不自然で独特な絵柄である。それだけに上記のような異常さや間抜けさが引き立つのだ。かなりヘンテコな作品であるため、読者を強烈に選ぶが俺はあえてオススメする。耐性のある特定の人たちに。

【単行本】「ねこらんち」 久我山リカコ ふゅーじょんぷろだくと A5
 初単行本「BE少女生態系」(富士美出版。95/06/20初版)が出る以前から読んでいるが、非常に器用な人だなーという印象がある。最初のころから作品ごとに画風を変えたり、純愛ものをやったりギャグをやったり、ストレートなエロをやったり。今回収録された作品の中では「コバルトアワー」の画風が一番好み。輪郭線は細いペンで、ベタは太めの水性ペンかなんかでシャシャシャッと、いずれもラフに仕上げている。一人の男が男と女を同時に愛してしまい、3人セットの恋人関係が始まる……という話で、絵もお話もライトでフワッと抜けるような爽やかさがある。それから夏の照りつけるような日射しの中、真っ黒に日焼けした少年が意味も分からず男女のSEXシーンを目撃してしまい……という話である「残暑− ラストサマー −」。こちらもいつもとタッチが違っていて、筆ペンのような描線。空気にこもった熱まで感じとれるような、空間の描写がなかなかいい。すごい面白いかというとそんなでもないが、その小器用さに思わず感心する。さほどいやらしいってわけでもないのに、常にそれなりに読める作品を描いているというのはなかなかどうして大したもんだ。

【単行本】「ぱんつがない!」 うらまっく ふゅーじょんぷろだくと A5
 パイクおよびその増刊に掲載された作品を収録した作品集。うらまっくの魅力はなんといっても、くっきりとしている線だけど、全体としては柔らかくなめらかで、健康的なかわいらしさがある画風。見ていて楽しくなってくる。昔の陽気婢に近いものを感じるが、その後線が細くなり繊細で甘酸っぱい作品を描くようになった陽気婢に対し、うらまっくは線がよりくっきりしたのと同様、ストーリー的にもストレートで明るいコメディタッチな方向に進んだ感じがする。作風としては全体にヌルい。でも、かわいい。そして、うまい。一話一話読者を喜ばせるような仕掛けを施し(まあそれがあんまりベタで見え透いていると不快に感ずる人がいるかもしれないが)、それなりに笑わせたりして、オチもきっちりつける。後味も爽やか。俺としてはこの作品集の中で唯一の96年発表作品(ほかは97年98年)である「今宵あなたと」が、絵がまだ素朴で実は一番好みだったりする。あと、ウルトラマン系コスプレが好きな女のお話「遊星より愛をこめて」は楽しんで好き勝手描いている感じで楽しい。描き下ろしの「海風」はいつもより線が細くて好み。


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