2008年1月上旬


1/10(木)……リヤカー道

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.49 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 志村貴子「青い花」の特集が掲載。志村貴子と松苗あけみの対談などが掲載。「青い花」本編のほうでは、新年度を迎えてふみちゃんらが進級。杉本先輩は卒業。というわけで新たな年度で新たな展開となったわけだけど、気になるのはあーちゃん周り。新しいクラスで隣になった女の子は、ちょっとふみちゃんに似た雰囲気の、背が高くておっとりした女の子。なんかしんねりした風情で油断ならなそうな娘さんですなあ。あーちゃんが寝取られたりしたらどうしよう、とか気が気ではありません。てなわけで相変わらず人間模様がいろいろ動いてて面白いです。志村貴子作品は、表面的な動きはさほど大きくはなくとも、常に一か所に止まらず、状況が動き続けてるってところが面白いですね。けしてルーチンワークや、同じ日常の繰り返しにならないところがいいです。

 古屋兎丸「少年十字軍」。少年たちばかりでエルサレムを目指す、少年十字軍が旗揚げ。旅立ちは村中の皆に祝福され意気揚々という感じではあるけれども、その道程を考えるといかにも危なっかしい。今後、この少年たちにどんな苦難が降りかかるのか、そして少年たちの人間関係がどうなっていくのか、とても気になる。ヒキの強い立ち上がりで楽しみ。

 中村明日美子「彼の左目」は、「ばら色の頬のころ」の番外編。かつて少年同士で愛し合っていたとして放校された、ジェリーとユージーンのその後を描く。憂いを帯びた美少年だったユージーンは、妖しい魅力を持った青年に成長し、ジェリーの心を悩ませ続ける。艶めかしい雰囲気の漂う物語に仕上がっていて面白かった。「ばら色の頬のころ」では脇役だった二人だけど、こちらのほうもお話としてはかなりドラマチック。なお本作は、4月中旬発売予定の短編集に収録されるとのこと。

【雑誌】増刊ヤングサンデー 2/10 小学館 B5中

 藤井五成「中嶋!!」。デザイン会社に就職した新入社員2人の青春と友情を描いた物語。青臭いけれども勢いがあって、「海猿」以前の佐藤秀峰を思い出すものがあった。絵はだいぶ違いますけどね。後味爽やかなお話に仕上がってて悪くないです。あとこの増刊では、内野文吾が読切描いててちょっと驚いた。タイトルは「A Miracle City」。現在は落ち目のアイドルの大ファンだった主人公が、ブログの書き込みがきっかけで彼女と二人で会うことになって、エッチまで行っちゃうというストーリー。まあお話的には普通の出来かな。

 あと今号には、山口かつみの福岡ソフトバンクホークス選手実録ストーリーシリーズの最新作「杉内俊哉物語」が掲載されている。相変わらず手堅い出来です。そこそこ似せつつ美化するのがうまい。

【雑誌】ビッグコミック 1/25 No.2 小学館 B5中

 中島徹「五月原課長のつぶやき」が連載200回記念。普段はあんまり触れることはないけど、いつも安定していてしっかり面白い。職人芸ですなあ。岩重孝「単身花日」。情緒不安定になった桐野さんが、しばらく桜木の部屋に泊めてほしいとかいってくる。で、布団が一組しかないので同じ床で寝たりして、どうにも困った事態に。こういう展開だと普通エロいもんの一つや二つも期待しそうなもんなんだけど、この作品の場合、そういうのよりは「厄介なことになってるな」という気持ちのほうが先に立つ。なんか奥さんのほうも不安定な状態になってきてるし、今後はもっとハードな展開になるのかも。怖い漫画だなーと思う。

【雑誌】モーニング 1/24 No.6 講談社 B5中

 弘兼憲史「専務島耕作」。五洋の買収をめぐって、私立探偵のグレさんが襲われてピンチに。島耕作的には凄く便利なキャラだけに、このまま死ぬってことはないと思うけどどんなもんですかねえ。先が気になる展開ではあります。

 鈴木小波「GREGORY HORROR SHOW」(原案:イワタナオミ)は最終回。サッパリとした品の良いスタイリッシュな絵柄には心惹かれるものがあった。ヒョロいメガネ青年が化物だらけの洋館に入居するところから始まった物語だが、きっちり作られていてなかなか面白かった。雑誌の中だと濃いメンツが多い誌面なため、いくぶん薄いかなという感じは受けたけど、単行本でまとめて読むとけっこう面白そうに思える。単行本発売予定は書いてないけどちゃんと出るのかな?

【雑誌】ヤングジャンプ 1/14 No.6 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。ゲームセンターでのネット対戦麻雀に菅田が勝利し、伝説のレアカードをゲット。そのイラストを描いている絵師とは……ということで、いきなり大物漫画家の絵が出てきて驚いた。これはあの人本人ですよね。でも個人的には最後のレアカードでこの人ってのはそんなにうれしくないかなあ。いや別にその人の絵が魅力的でないというわけではなくて、精力的に仕事する人だから、そんなにレアでもないかなあって。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/24 No.6 秋田書店 B5平

 竹下けんじろうの読切「釣り屋ナガレ」が掲載。さすらいの天才釣り少年ナガレが、魚が釣れなくて困ってる人の代わりに見事フィッシュだぜーっていう感じの作品。お話的にはまとまっているのだけど、なんかもう一つ特徴がないかなー。とくにチャンピオンの場合は、もう少しキャラなりネタなりにヒネリが欲しいところだけど。

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。いちおう意味はあるけど、かなり強引に女の子2人を下着姿に。燃え盛るコークス入りの鍋が上から迫ってきて大ピンチというさなかでも、こういうサービスを忘れないところは素晴らしい。ミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」は、勢いのある脱がしっぷりが爽快。しっかりアクションしてて健康的なのも良い。

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。お嬢さんがアー坊たちを遊園地に連れていくが、彼女のたくらみに勘づいた幼なじみーズもそれに同行。いやーすごい勢いでラブコメってて楽しいです。野球は完全にそっちのけ。マツリセイシロウ「マイティ・ハート」もおだんご頭の女の子・エリカが出てきてから、三角関係ラブコメ風味が強まっててええですなあ。

【雑誌】コミック0EX Vol.02 コアマガジン B5平 [Amzn]

 犬星「みやびdream」が巻頭カラー。親御さんたちの前では憎まれ口を叩くも妹だが、実は兄のパンツをオカズにするようなお兄ちゃん大好きっ子で……というお話。ツンデレ感あふれる妹さんがキュートでエッチ、甘ったるくて良かったです。なお妹さんはつるぺた幼女系。それにしてもまたしても他誌の有力作家がコアマガジンか、って感じではあります。

 イコール「開運大吉!ももみくじ」。神社に初詣にやってきておみくじで大凶引いちゃった女の子が、神主さんにいいくるめられてエッチするという内容。明るいタッチだけど、ぷりぷりむちむちしてエロい絵柄が今号も秀逸。豊かでむちむちしたおっぱいなどはもちろん、丸みのあるちんこのフォルム、ちろちろレロレロした舌づかいなどもエロっちい。インモラルな感じこそしないものの、十分実用的だと思う。

 ねんど。「現象3〜遊星からの物体ex〜」。無口な不思議系少女・空夢と、彼女とつき合っている少年・矢追くんの物語。ハルヒシリーズの長門さんをもう少し幼くちまちまさせたみたいな感じの空夢がかわいくて、なかなか楽しい。空夢はしゃべらないけれども、ラブラブ度は回を追うごとに高まってて、いい感じで推移してるんじゃないかと思います。

【雑誌】ヤングコミック 2月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 前号から北河トウタが表紙描いて、さらに雑誌内でその娘さんがエッチするという表紙連動シリーズをやっている。快楽天とかでもやってるけど、このパターン流行ってきてるんですかね。まあ表紙絵の女の子はカラーだし、気合い入れて描いてることが多いので、表紙だけで使い捨てはもったいないという気持ちはよく分かります。まああと読むほうとしても、「表紙と中身が違うじゃん!」って感じにはならんですしね。

 すずきみら「運命のヒト」が再登場で2号連続掲載。天使を名乗るオンナが訪れてきて、主人公を運命のヒト候補の女の子とくっつけようとするというシリーズ。前回の5年後という設定で、職場娘2人が候補。。きっちりエロをやってラブラブ度も出して……ということで相変わらずうまい。

 初登場・浜岡ポン太「二人でねこカフェ♥」は、ねこのいる喫茶店、つまりねこカフェの常連さんである主人公と、店員のめがねっ娘がくっつくというラブラブストーリー。ねこネタであるだけにねこ耳コスプレなんぞもする。ペンタッチはまだこなれてないところがあるものの、ほんわか暖かい雰囲気は悪くない。ホッとする作風。


1/9(水)……銀杏かー

【雑誌】スーパージャンプ 1/23 No.3 集英社 B5中

 大河原遁「王様の仕立て屋」。今回は太った人用のスーツの話。初っぱなからダイエット器具の通販番組から始まってて、なんかすげーノリがいい。ベタベタなネタなんだけどついニヤリとさせられてしまう。この人はちょっとしたギャグもうまいですね。ギャグのシーンは、絵についても脱力感のあるタッチでさらさらーっと描いてるのがいいと思います。まあ実際の執筆時にさらさら描いてるかどうかは知りませんが。三田紀房+関達也による就職活動漫画「銀のアンカー」は今回で第一部完。といっても打ち切りではなくて、さらに取材して春ごろから連載再開予定とのこと。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/23 No.6 小学館 B5平

 椎名高志「絶対可憐チルドレン」はやっぱりアニメ化でしたね。本編のほうは新章突入。3人娘と皆本が出会った当時のことを描いていくという展開に。でも薫のほうは昔のほうがやさぐれてて大人っぽい感じがしなくもない。井上和郎「あいこら」。最後でヘソを曲げた天幕さんに対し、ハチベエが捨て身のラブアタック。全校生徒の前で臆面もなく告白しまくる姿、断られても諦めない様子はけっこうカッコイイ。イイ男ですな。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/23 No.6 講談社 B5平

 新連載、篠原知宏「鉄腕ブレイク」が開始。熱血アイスホッケー漫画といった感じで、主人公の浜名アキはアイスホッケーをするために、東京からやってきた転校生。しかしその学校では、天才アイスホッケー選手だった先輩が死亡して以来、アイスホッケー部は苦境に立たされていて……といった出だし。新人とのことだが、作画のほうはまずまずなレベル。ウケるかなあというと微妙なところかなと思う。ただ、アイスホッケーというスポーツ自体は面白いと思う。全然詳しくないけど昔テレビで中継されてたころは「けっこう面白いなー」とか思いつつ見ていた。パックの動きはスピーディだし、ぶつかり合いは迫力あるしでカッコいいんですよね。力強さのほうは大丈夫だと思うけど、あのスピード感が漫画でどれだけ出せるかって点は気になります。

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」。珍しくラブコメな展開だったのでホコホコした。といっても花がメインではなく、今回は花の子分であるおねーちゃん・凜風にラブレターが届くというお話。生徒会編になって以降の凜風はもう一つキャラが薄かった気がしたけど、今回でだいぶ回復。品川とのからみはこれまでうっすらって感じだったので、それがハッキリしたのもお話的には良かったかな。そういう関係性があったほうがこれからイジりやすかろうし。

 小林尽「スクールランブル」。なんかすごくサラリと物語を大きく動かしてますねえ。。播磨と天満が一緒に歩いてる見開きも良いけど、やっぱ今回はラストのコマ。ここからどう持ってくつもりなんですかねえ。

【単行本】「Kiss×sis」2巻 ぢたま(某) 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 2巻めも、姉×2と弟×1はイチャイチャベタベタしまくる。姉たちと同じ高校を受験すると決めた弟・圭太だが、あこ&りこのキスやらもっとエロいラブラブ攻撃の前に、なかなか勉強が手につかず。本番まではいたしませんが、エロ行為についてはどんどんキワどさを増しており、いつ一線越えてしまっても納得というか、越えないのが不思議なくらいの状態になってきている。ギリギリのパッツンパッツン状態を保ったまま、ノリノリで進んでいて、たいへん面白いです。絵柄はライトな部類なのに、なんとも甘ったるく濃密な一作。あと2巻は肉欲度がわりと強かったんだけど、今後は精神的な部分での好きよ好きよ愛してるん的な要素もより強まってくるといいなあと思います。

【単行本】「キミキス −various heroines−」3巻 東雲太郎 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 3巻は超お金持ちなお嬢様であらせられる祇条深月さん編。階段でのアクシデントで偶然キスしてしまった事件をきっかけに、光一と祇条さんがお近づきになっていく……という展開。この巻も東雲太郎の瑞々しい作画が冴えて、キスから始まる恋物語を甘く、濃密に展開している。祇条さんについては大人しめなイメージなので、パッと見は押しが足らんように思えてしまうのだけど、見返してみるとわりと積極的で交際のほうもスムーズにいった感じ。サクッと金持ちのお嬢様をゲットしている様子に、「うまくやりやがったな若僧」という気持ちも湧いてこようというもの。

 まあそれはともかくとして相変わらずラブコメとしてはたいへん面白いです。摩央姉ちゃん編とかと比べると、個人的にはいくぶん物足らないけど、キスシーンは印象的だし、お互いの気持ちが高まっていく様子をしっかり描いている。あともちろんほのかにエッチっぽい描写も素晴らしい威力。「キミキス」のゲームのほうはやったことないけど、コミカライズとしては「これ以上望むのは酷」ってくらいのことをやってるんじゃないですかねえ。それとこの巻には、「キミキス」ヒロイン総登場の番外編も掲載されている。よりどりみどりってな感じで、こちらもたいへん華やか。

【単行本】「すてんばいみ〜!」2巻 本井広海+本澤友一郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 完結。都会から田舎の小学校に転校してきた、美少女だけど性格のキツい女の子・さくらと、彼女と同じクラスになった元気者の少年・ショートを中心とした学園友情ストーリー。お互いのイヤな部分を見せながらも、しっかりと紡がれていく子供たちの友情物語が、とても爽やかで鮮烈な作品だった。初連載ということもあり、2巻になるといくぶん息切れ気味に感じられる部分はあったが、全体的には心地良い物語にまとまっていて後味は良好。白黒のコントラストの効いた独特の絵柄にも新鮮味があり、イキの良さは感じさせてくれた。

 本作は月刊ヤングキングに掲載されたが、本井+本澤のコンビは現在はヤングキングアワーズで「オニギリ!!!」を連載中。独自の味を持ったコンビなので、連載を続けていく中で伸びていってもらいたい。

【単行本】「日本沈没」8〜9巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館 B6 [bk1:8巻/9巻[Amzn]

 8巻は阿蘇山の噴火と総理の錯乱から始まり、9巻ではいよいよ核爆弾を使った日本沈没阻止計画が動き出していく。ちょっと前の巻ほどには人死にの模様は描かれないけれども、事態は着々と絶望的な方向へ進行。凄い迫力でお話は進められていく。この2巻でとくに印象的だったのは、小野寺の友人・結城の変節。その苦々しく歪んだその表情が凄いんですよね。群衆劇のほうも迫力あったけど、個人のドラマもまた力強い。


1/8(火)……酒家跡めぐり

【雑誌】イブニング 1/22 No.3 講談社 B5中

 小林有吾「House Of Blue Light」。第6回イブニング新人賞THE CHALLENGEで、幸村誠大賞を受賞した作品。かつて仕事のために家族を犠牲にしようとしてしまったことが、心の負い目となっていたバーテンダーが主人公。そんな彼に、関係が冷めきっていた妻から離婚届と娘が送りつけられてくるが、娘との触れ合う中で、自分にとって本当に大切なものが何だったのか気づかされる。主人公の現在と過去を見つめて、未来への希望を感じさせるけっこういいお話。きちんと読ませるお話が作れていると思う。作画的にはまだいくらか固いところがあるけれども、これは作品数を重ねていけばこなれていきそうなタイプに見える。次回作も読んでみたいですね。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/22 No.3 秋田書店 B5中

 春輝「センセ。」が連載に。男女で校舎が分かれている学校の女子校舎のほうに配属された新米教師が、いきなりすごい美少女の生徒にキスされて……というところから始まる学園ラブコメ。というお話よりも、あまりにも絵が桂正和「I’’s」なので、それがどうにも気になってしまう。まあ前から似た絵だったから今さらどうこういってもしょうがないのかもしんないけど、今回のはそのまんま過ぎる気がしますなあ。

 宮一学「めくりの真斗」。すごい美少年なんだけど、学校中でスカートめくりしてまわっている少年が、風紀委員娘たちと対決……というサービスもりもり系学園コメディ。パンツおよび尻がてんこ盛りで、ビジュアル的にはさすがに目立つ。あと葉月京「恋愛ジャンキー」は、実は親友である姿子にものすごく依存していた詠美の心情が語られ、なかなかスリリングな展開だった。でもまあこれでエイタロー・姿子の復縁も見えてきましたかね。

【雑誌】漫画サンデー 1/22 No.3 実業之日本社 B5中

 森本サンゴ「噺家の女房」が安定した面白さ。今回は極楽亭門下に弟子入りした元ヤクザのデビルがメインなエピソード。存在だけでウケをとってしまうデビルは、落語そのもので笑わせてるのではない状況に悩むけれども……。登場キャラはだいぶ増えてきたけど、それぞれに特徴、味があるので見分けがつかなくなることはないし、賑やかな状況になってて楽しい。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 2月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 もりしげ「朱雀−SUZAKU−」。決定的なアガリが出た瞬間に、女の子たちの裸が見える演出は今回も健在。「いやー」「らめー」というやる気なさげな嬌声がちょっと面白かった。「裸をとってつけてるんですよ」といわんばかりのノリです。片山まさゆき「雀賢者ポッチカリロ」は次号で最終回。まだ終わってはいないけど、最後までなんだかつかみどころのない作品でしたな。

【雑誌】FEEL YOUNG 2月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」が巻頭カラー。りんが風邪をひいてしまい、このような事態は初体験のダイキチは右往左往するというお話。見ていてとても「タイヘンそうだなー」という気持ちになる回だった。まあお子様のいる御家庭ではよくあることではあるし、赤ん坊でないだけまだいいのかもしれないけれども、ダイキチの場合は最初から育ててたわけじゃないですからねえ。これはこれでまた慣れないし、タイヘンなものがあるのだろうと思ってしまう。あとその後、コウキママが風邪ひいてしまったりもするんだけど、ちょいと苦しそうな表情が色っぽくてこちらはこちらでタイヘンですわいと思ってしまったしだい。

 ねむようこの読切「デイジーガーデン」。会社で働き始めて3年、仕事にも慣れ彼氏もいて生活が軌道に乗って来ていた主人公女子が、研修でやってきたデキる女子の教育係をおおせつかって凹まされるが……というお話。品の良い達者な絵柄で、働くおねえさんの物語をきっちりまとめている。ものすごくインパクトがあるって感じではないけど、手堅く読ませる。

【雑誌】桃姫 2月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 Dr.P「関さんノンストップ!2」。前回は担任の先生のことが好きすぎる女子・関さんが、彼のアパートに忍び込んで下着の匂いをかぎつつオナニーとかするなどの奇行を経た後、先生と結ばれるというお話が展開された。で、今回は両想いになった関さんが学校でも欲情しまくり、先生のことを求めてきて先生困ってしまいましたわい、という内容。Dr.Pのぷりぷりむちむちした絵がエロっちいし、関さんの暴走しがちなキャラも見てて面白い。ラブラブで後味も良く、なかなか楽しい作品だった。この人は安定していい感じだと思います。

 RaTe「シスタースレイブ」。フタナリ姉妹+後輩女子でちんちんいじり。デカい生ちんちんをごしごしする様子がたいへん気持ち良さそう。相変わらずいいちんちん描くなあと思う。尾野けぬじ(景えんじ)「微笑う彼女」後編。男にフラれた腹いせのように、後輩男子に身体を預け、つきあうことになった彼女。後輩男子のほうはずっと元カレのことを意識し続けるが、彼女のほうはだんだん元カレとは関係なく後輩男子のほうを好きになって来ていて……という物語。ちょっと青くさめのストーリーは読ませるものがあるし、愛情あふれる締めくくりも爽やかで良かった。

【雑誌】MUJIN 2月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 第8回MUJINチャレンジカップTOP賞受賞作、炎川哲とし「ピンク」が、アクが強くて気になる。負けたら殺されるという地下闘技場で戦い女闘士のお話で、戦いの最中にヌルい態度を見せた彼女がコーチのおしおきを受ける。絵はウマクないんだけど、コーチのアゴくらいまで届きそうなほどにめっちゃ長く血管が妙に浮き出してたり、ブリッジしながらフェラチオさせたれたり、SEXの最中に殴り合いのバトルを始めたりとかなりヘン。しかもそれをほかの選手とかも通行する、地下闘技場の通路のど真ん中でやってるってのもシュール。けしてうまくはないし、うまくなっちゃうとインパクトは弱まるタイプかもしれないけど、こういう奇抜でパワフルな作品は好き。


1/6(日)1/7(月)……パン屋だろう

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 2/10 vol.62 集英社 B5中

 武富智の読切「どんぐり飴」掲載。あめ玉がのどに詰まって窒息しそうになった少女が、その苦しみの中で自分のこれまでを走馬灯で想起する……というストーリー。その中で彼女は、自分に厳しく当たる母親の真意、幼なじみの少年とのことを、次々思い返していく。まあ掌編ではあるけれども、さほど長くないページの中できっちりお話はまとまっていて、後味も爽やか。局面局面でのキャラの表情がフレッシュなのが良い。

 水無月すう「SEVEN OCEAN」。なんか話が大きくなったなーと思っていたが、これで最終回かな? このまま終わっちゃうとするとブツ切れ感が強いので、もう少し読みたい。河合孝典の読切「ロビンソンのマイホーム」。1868年、開拓中のアメリカに新妻と共に引っ越してきた青年実業家のロビンソン。ビジネス自体は頑張っているんだけど、家を建てた町の有力者親子が彼にやたらとつっかかってきて、二人の生活が脅かされる……という内容。けっこう元気のいい絵柄で女の子キャラもかわいげはあり、好感の持てる作風ではある。

 あと今号の目次ページによると「春から漫革が大リニューアル!? YJ本誌の続報を待て!」とある。平とじにもでなるんですかねえ。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 2/1 No.2 白泉社 B5中 [Amzn]

 甘詰留太の新連載「ナナとカオル」がスタート。モテない童貞少年・杉村薫は、SMに興味のある17歳男子。勉強そっちのけでその手のグッズを買い漁ったりしてたのだが、ある日、母親がそれらを取り上げ、薫の幼なじみである奈々にそのグッズを預ける。奈々は薫とは違って美人で優等生なのだが、けっこうカタブツで息抜きが下手。そんな彼女がカオルのSMグッズを見て興味を持ってしまう……という内容。今回の作品は「年上ノ彼女」とかと比べてエッチめに責める予定だそうで、サービスシーンも最初から多めになっている。まあどの程度やるか分からんけど、とりあえず派手めな出だしではある。

 作:永久保貴一+画:増田剛の「御石神落とし」コンビの新連載「えっちの神さま」は、またしても道祖神とか出てくるお話。今回は「御石神落とし」よりは、コメディ色は強めな感じかな。まあ1話の段階ではなんともいえないですけど。

【雑誌】ヤングマガジン 1/25+29 No.6+7 講談社 B5中

 押切蓮介「でろでろ」。外が寒いということで犬のサイトーさんを家に入れたところ、サイトーさんが順応しすぎて人間みたいになっちゃってタイヘン……というお話。こたつ入ったり、箸でごはん食べたり、風呂入ったりとくつろぎまくるサイトーさんの姿がなんかかわいかった。

 岡崎武士「レッツ☆ラグーン」は今号から不定期連載化。昨年の11/5 No.47に第一回めが掲載された作品だが、修学旅行中に遭難した少年少女の無人島ふたりぼっちストーリー。一緒に暮らすうちに二人はだんだん親しくなって、ほの暖かい気持ちも芽生えてきてるって感じでなかなか甘酸っぱい。今後はラブコメ色がどんどん強まっていきそう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/26+29 No.6+7 小学館 B5中

 新連載、深海魚「男魂!!インポッシブル」。オナニーのやりすぎで恋愛をしようとせず、日本の少子化の原因になっている男共を奮い立たせるため、政府が作った特務機関、通称セクシャルGメンの活躍を描くちょいエロ系コメディ。この世界では異性に興味を示さない男のことを、年に一回しか発情しないパンダになぞらえて「パンダ野郎」と呼んでおり、彼らを美人ねーちゃんがどうにかしていくという筋立て。実際のところ男がそんなふうになるもんかいなあと思わないでもないけど、まあドタバタしててコミカルな作品で、安定はしていそう。

 真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。今回もエグいなあ……。「サラリーマンくん」編は、メインキャラの小堀はとくに悪いことしてないだけにたいへん不憫。いたたまれない気分になりますわい。作:神尾龍+画:中原裕「ラストイニング」は今回も面白い。強打者が遅い球を打ちあぐむ理由を、しっかり説明しているのがいい。なんとなく分かるようで分からないままだったことを、分かった気にさせるってのはやっぱ重要。


1/4(金)1/5(土)……出たとごまかせ

▼新年に入ってから、年末に手をつけられないでいた読了雑誌の切り抜き整理作業を始めました。けっこうサバいたんですけど、やっぱ予想通りやってもやっても終わんない。300冊くらいは作業したと思うけれども、これでも要整理雑誌の10分の1くらいじゃないかなあ……。雑誌の切り抜きはおっくうな作業なんで、連続してやれるのは個人的には2時間程度が限度。それだけやってもさばける冊数は大したことない。中とじと平とじで作業に必要な労力は変わるけれど、手早くやっても1冊につき1分くらいはかかる。最速でやっても2時間で120冊。で、切り終わった後の雑誌をゴミ出しできるように縛るので、またそれなりの時間がかかる。今後もヒマを見つけてはちょこちょこやっていきたいとは思ってるんですが、終わる日がいつになるか予想さえできない……。

 なお、以前は切り抜きをスキャンしてパソコンに取り込むなんてこともやっていたんですが、結局それは諦めました。ある程度以上の量になると、そんなことやってられなくなるんですよね。上記で切り抜きに1冊1分とか書きましたが、スキャンするのを見越して紙を裁断して状態を整えるにはもっと時間が必要。さらにフォルダ作ってスキャンして整理する……なんてことを考えると、1作品あたり5分や10分くらいはかかっちゃうだろうから、切り抜き量が多くなってくるととてもじゃないけど対応できない。ただでさえ時間かかるのに、そんなことやっちゃいられない。

 まあそんなわけで、今のところは、とりあえず切り抜いたものの整理は後回しにして、切り抜きを進めていく方針でやってます。でも仮に切り抜きが終わったとしても、単行本の整理もしなきゃなんないんですよねー。どうしたもんかなあ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/29+30 No.6+7 集英社 B5平

 作:西尾維新+画:小畑健の読切「うろおぼえウロボロス!」が掲載。主人公の柿崎柿(かきざき・こけら)はマイペースな転校生。しかしそんな彼が、ものすごく乱暴なことで学園で恐れられている姉妹に目をつけられる。実際に乱暴なのは姉のほうだけなんだけど、その姉が妹とつき合えと命令してきたのだ。で、その後はこの姉妹にはこの姉妹なりの葛藤があり……といったところに転校生少年が迫っていく。それぞれのキャラに「なんでも世界一:」とかいうプロフィール項目が設定されていたり、制服が妙なカッコつけたデザインだったり、ディテイールの部分はちょっと変わっている。お話のほうも後半は格闘アクション系で展開するのだが、このアクションも個性的。でもそのようなギミックは変則的だけど、お話自体は普通にアクションヒーローものであり、さほど分かりにくいわけではない。ハッタリは効いてるし、作画も達者だし、まずまず楽しめる作品に仕上がっている。

【雑誌】ジャンプSQ. 2月号 集英社 B5平 [Amzn]

 秋本治の読切「時は…」が掲載。若い漫画家と編集者の二人が現代から、昭和31年にタイムスリップ。そして当時のトキワ荘に行き、漫画界の巨星たちの若きころに遭遇して感動する……というお話。まあ「行った・遭った・感動した」というシンプルな作品ではあるけれども、短編としてはきっちりまとまっている。あと今号の中では面白さはともかく、読みやすさとしては群を抜くものがあって、さすがに見せ方がうまいなと思った。

 小林尽「帰ってきた変態仮面」。なんで小林尽がこれを……とちょっと思ってしまうけど、本人がすごく好きらしいっすね。確かに作品読んでみても、けっこうノリノリで描いてるな〜というのは伝わってくる。ちなみに自分の場合、変態仮面は印象には残ってるけど、さほど思い入れはないんですよね……。15年前の作品だから、自分は当時20歳前後。もう少し若いころに読んでたらだいぶ違ってたのかも。

【雑誌】コミックフラッパー 2月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 小原愼司「二十面相の娘」がアニメ化決定。連載が復活したのでもしかしてそういうことかなと思ってたので、やっぱりという感じ。公式ホームページはhttp://www.chico-tv.com/。設定画とか見た感じ、あんまり小原愼司っぽくはないですね。柳沼行「ふたつのスピカ」。宇宙学校の最後のふるい落とし試験は、今までにもまして過酷。友達を大切にするアスミには内容的にもツラい。ますます切ない気持ちにさせられます。

 読切、話民「カントリー☆ボーイ」。ど田舎から上京してきて、ちょっとズレてはいるけれど都会生活を満喫していた主人公・ユタカだが、その元に田舎から姉が押しかけてきて、田舎っぺ的風習をおしつけてきて大迷惑……というドタバタコメディ。今どき田舎っぺギャグをやってるところに、「おら東京さ行ぐだ」的感覚があって、妙になつかしいものを感じた。絵的にはけっこうカワイイです。

 西川淳の読切ギャグ「JK」。和歌山県の女子高生が、文化祭で何を出すかということを話し合う過程で、梅干しの話が盛り上がる。くだらないがけっこう勢いはあってまずまず。西川純は少年チャンピオンで「王様のオーパーツ」を描いてたけど、こういう女の子を前面に押し出す話のほうがいいかもしんない。

【雑誌】ヤングガンガン 1/18 No.2 スクウェア・エニックス B5中

 新連載、小玉有起「ダイサイズ」。昔はバカやってたけど20歳になって家をおんだされた主人公が、ふざけて西郷さんみたいな銅像が持っていた剣を抜いたところ、それがきっかけでヤバい冒険に巻き込まれることに……ってな感じかな。まだ第1話の段階ではどういうふうにお話が転ぶか分からない。ファンタジー世界に行ったりとかするんですかねえ。とりあえず次号以降を見て判断。

 読切では、私屋カヲル「めがね→ちゃん」が掲載。コンビニでバイト中の男女。ちょっと不器用な先輩男子と、天然系のちびめがねっ娘女子。実は内心では両想いなんだけど、うまくやれなくてスレ違っちゃう二人の様子をユーモラスに描く。眉毛太めでちんちくりいんな感じのヒロインさんがかわいらしく、ちまちました落ち着きない動きも賑やかで見てて楽しい。

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。そろそろ犬塚株は底値を打ったかな? 今回犬塚はちょっとだけ反省したものの、行動自体は最悪で、さらに大暴落。これは山ごもりくらいしないとどもこもならん感じだけど、いちおう今回のラストに出てきた人物を見るに、特訓フェーズに入りそうな気がしますが……。

 勇人「はなまる幼稚園」。今回はつっちー妹がまた登場。幼稚園のみんなも一緒に初詣にゴー。つっちーが山本先生に目を奪われたり、園児たちにかまいっぱなしなので、ブラコンな妹さんはちょいやきもち。その様子がなかなかかわいくて微笑ましい。あと妹さんのほうを放置したままにしないで、ちゃんとつっちーにフォローを入れさせるところが、優しさが持ち味のこの作品らしいです。

【雑誌】ヤングサンデー 1/21+24 No.5+6 小学館 B5中

 山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効く薬」。堀井雄二へのインタビュー。月刊OUTのころの話とか出ててなつかしかった。今回はまあ当然のことながら「ドラクエを作った男」という扱いだけど、自分的には堀井雄二はドラクエよりも、「ゆう坊のでたとこまかせ」の人であり、「ポートピア連続殺人事件」「オホーツクに消ゆ」の人って感じがするんですよね。「軽井沢誘拐案内」も好きだった。結局作られなかったけど、「九龍の牙」や「白夜に消えた目撃者」もやってみたかったなあ。当時としてはかなり画期的なシステムが雑誌に紹介されてて、若いころの自分は興奮しながらログインを読んでたものでした。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1/20 No.2 小学館 B5中

 石塚真一「岳」。三歩と正人、二人の高校時代の恩師についてのエピソードの後編。今回は雪中の事故ということで寒そうだったが、二人と先生の信頼関係には確かさに心暖まるものがあった。やはり三歩たちの恩師だけあって、先生もシッカリしたええ人だなとか感心。あと、水島新司「あぶさん」だけど、来年も現役続行だそうです。まあこれについてはネタバレしてもかまわないでしょうな。誰も引退するなんて思ってないだろうから……。

【雑誌】花とゆめ 1/20 No.3 白泉社 B5平

 ふじもとゆうき「キラメキ銀河町商店街」。これまで恋愛とは無縁の世界におったミケが、ついにクロを激しく意識して、胸をドキドキさせるようになってしまったーという回。クロの前で顔を真っ赤にしているミケが初々しくて良いです。だいぶミケもテンパってるので、そろそろ告白だのなんだのもありますかねえ。あと日高万里「V・B・ローズ」は、前回を経て、黒峰と市橋露さんがすっかりイチャイチャ状態になっていて良い感じです。甘ったるいねえ。

【雑誌】COMIC XO 2月号 オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 永井道紀「ふんどし少女」。タイトルどおりふんどし少女モノ。お兄ちゃんのことが大好きな妹が、久しぶりに帰ってきたお兄ちゃんにお祭り衣装のふんどしで迫る。初登場の人だが、元気な明るい作風でなかなか。妹さんの兄への甘えっぷりがかわいくて良いです。


1/1(火)1/2(水)1/3(木)……ハッテン交遊記

▼明けましておめでとうございます。これ書いてる時点でもう1月12日になってますが、いちおう白々しく新年のご挨拶は書いておこうかと。2008年についてはもう少しちゃんとしようとは思ってはいるのですが、全然自信がないので明確な目標とかは書かないでおきます。

OHP月極アンケート2008年1月分、「ベスト雑誌2007」やってます。やっぱり更新頻度が下がるとホームページのアクセス数は減る。アクセス数が減るとアンケートの投票数も減るんですよねえ……。今年はなんとかしないと。

▼3が日は酒飲んだりであんまり漫画は読めなかったので、今回の日記では年末年始に見たアニメ最終回&初回の感想をまとめて書きます。12日に書いているので1/1〜3の時点ではまだ放映されていなかった分の作品も含みますが、まあ気にしないでください。

▼まずは最終回から。「げんしけん2[Amzn]。なかなか面白かったです。その要因としては、前作よりも作画クオリティが上がったことが何より大きい。あと荻上さんの妄想から、笹原×斑目のネタをたっぷりやった中盤もノリが良くて面白かった。原作と比べると、荻上さんの過去についての掘り下げはなかったのは残念だったけど、アニメ単体で考えるとよくまとまってたんじゃないでしょうか。

 「スカイガールズ[Amzn]。美少女とメカで最後まで。ストーリー的にはどうってことないんだけど、それでもけっこう楽しく見ることができた。その要因はやっぱキャラでしょう。スラリとした気持ちの良い体型の女の子たちがわらわらはしゃいでる様子は単純に楽しかった。ストーリーの薄さも、キャラを楽しむことのジャマにならないという意味ではかえって良かったのかもしれない。キュートでほのぼのまったりした良い作品だったと思う。

 「BLUE DROP 〜天使達の戯曲〜[Amzn]。最終回はブツ切り感バリバリで「そりゃないよ〜」ってな感じだったけど、個人的にはかなり楽しく見た。とにかく途中までの百合百合しい展開がとても良かった。何かにつけてほっぺたを赤らめまくる少女たちが、ときにぶつかりあったりしながらも和気あいあいと学園生活を送っていく様子は楽しかった。まあ異星人が地球にやってきてどうのこうのっていうのは本筋であるのかもしれないが、正直なところ、その本筋はなくてもいいくらい。ただの学園モノとしてやってくれても良かった。機会があればなんか別バージョンとか見たいです。

 「ef - a tale of memories.[Amzn]。最初は変則的な画面作りが目立って期待度は低かったんだけど、最後まで見たらすごく面白かった。構図取りがとてもユニークな映像面がラブストーリーに意外なほどよくマッチしていたし、2本同時平行という変則的な構成で進められた物語もかなり盛り上がった。主要キャラたちが、美少年美少女ばかりのラブストーリーには珍しく、芯が強く自分を持っていた点も印象的。自分が見た2007年10〜12月期作品ではこれがベスト。

 というわけで見終わった秋アニメについて、自分的に点数をつけてみる。6.0が標準点。評価保留にしてる作品については、未視聴分がたまっちゃってる奴。追いつけてない作品が多いです。「電脳コイル」は8.0に近い7.5。

視聴完了---------------------------------------------------
7.5 「電脳コイル[Amzn]
7.0 「ef - a tale of memories.[Amzn]
6.5 「スカイガールズ[Amzn]
6.5 「げんしけん2[Amzn]
6.5 「BLUE DROP 〜天使達の戯曲〜[Amzn]
継続中----------------------------------------------------
6.0 「灼眼のシャナII[Amzn]
6.0 「キミキス pure rouge[Amzn]
5.5 「DRAGONAUT[Amzn]
評価保留---------------------------------------------------
BAMBOO BLADE[Amzn]
スケッチブック[Amzn]
素敵探偵ラビリンス[Amzn]
機動戦士ガンダム00[Amzn]
みなみけ[Amzn]

▼続いて1月からの新番組。「H2O 〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜」。まあまあかなあ。田舎の学校に転校してきた主人公が盲目の少年で、メインヒロインの一人が村八分で激しいイジメに遭っていて……という不穏な出だし。でももりもりパンツとかは見せるし、普通にラブコメしそうな雰囲気も十分。正直まだどのような話になるのか予想はつかないが、ヒキは強めなんでとりあえず視聴継続。

 「ロザリオとバンパイア」。原作のほうはジャンプSQ.で読み始めてだいたいの感じはつかめてきた。ただアニメのほうの出来は低調。作画・作劇ともにチープな出来。ハーレムラブコメ系で嫌いなタイプではないけど、この調子だとあんまり期待できないかなあということで1話切り。

 「PERSONA −trinity soul−」。ゲームのほうはやったことないけど、なんかスタンドみたいなのを出して闘う系ですかねえ。絵はシャープな感じでますまずカッコイイ。ただこの手のバトル系はあまり興味はそそられない。もうちょっと見てから判断。

 「君が主で執事が俺で」。主人公少年が執事になっていろいろ頑張るドタバタコメディ。女の子はいっぱい出てきて華やかで、この手の作品としてはまずまずといったところか。そこそこ面白いとは思う。継続していくかどうかは今後の伸びしだい。

 「シゴフミ」。作画はかなりなもの。死後の世界から生者に手紙を届けるメッセンジャー少女が、人間たちのドラマを見つめていくという感じの物語。初回のエピソードは甘酸っぱさと苦み・痛みの共存するなかなかドラマチックなもの。作画レベルは今季の1回めとしては出色の出来だけど、この手の「死神くん」系の「超越的な存在が人間を見つめる」タイプの作品は個人的にはもう一つピンと来ない点がある。超越的な存在によってワンクッション置かれてしまう分、一つ一つの物語は単体でやるより軽めになりがちで、なんか引いた視点で見てしまう。その点をクリアするだけの仕掛けがあれば、といったところ。

 「破天荒遊戯」。美少女がイケメン2人を引き連れて旅するって感じですか。イケメンさんを旅の道連れにしたり、魔法使ったりといった展開がいささか唐突で、なんか物語自体もたいへん軽く感じられてしまう。いまひとつ引き付けられるもんがないので、これは視聴中断。

 「狼と香辛料」。旅の行商人の青年と、狼娘が一緒に旅を続けていくというお話。ドタバタした展開でまずまず楽しい。まあ余裕があったらチェックって感じでしょうか。

 「俗・さよなら絶望先生」。前作の無印「さよなら絶望先生」は途中で見るのやめちゃったんだけど、俗のほうも1話めは見てみた。変則的な画面作りとかはすでに定着しており、お話の進め方も安定。ちゃんと作ってあって面白いと思います。でもまあ前作と同じように、自分としてはアニメでどうしても見たいって感じではないのでここまでかな。

 「みなみけ〜おかわり〜[Amzn]。前作のほうは録画はしてあるんだけど、見るほうは途中で止まっちゃってます。ただ前作とはスタッフが変わってて、作画がつやつやてらてらした感じになったなというのは分かる。最初はいくぶん違和感があったが、わりとすぐ慣れた。まったりのんびりした味わいは健在なんで、見ればそれなりに楽しめそう。まあ絵の質感は以前のほうが好きですけどね。

 「true tears」。tvkなのに超額縁でなくてHD放送だったんでちょっと驚いた。絵本作家志望の田舎の造り酒屋の家に生まれた少年と、少女たちが織りなす学園ラブストーリーって感じでしょうか。お話的にはまだつかみどころがないけど、作画はけっこう良かったし、お話的にも先が気になったりはするのでとりあえず視聴継続。

 「のらみみ」。原作のほうは愛読しているけど、だいたいそのイメージを踏襲。「キャラ」という概念がアニメだと理解してもらいにくいかなとも思ったけど、そこらへんは序盤ということでけっこう丁寧に作っていた。まあシンプルな絵だけに作画は大きな崩れはなさそう。原作読んでるから別にいっかーとも思うんだけど、TBSでは「灼眼のシャナII」との続き時間帯なのでこのまま見続けるかなーといったところ。

 これで新番組でチェック予定だったものについては全部チェック完了。で、初回の印象を元に点数付け。前期同様、今季も全体に小粒。「是が非でも見続けたい」って感じの作品は今のところないなあ。「ef」みたいなうれしい誤算があるといいのですが……。

視聴継続---------------------------------------------------
6.5 「true tears
様子見中---------------------------------------------------
6.5 「シゴフミ
6.0 「PERSONA −trinity soul−
6.0 「H2O 〜FOOTPRINTS IN THE SAND〜
6.0 「狼と香辛料
6.0 「のらみみ
6.0 「君が主で執事が俺で
6.0 「みなみけ〜おかわり〜[Amzn]
視聴中断---------------------------------------------------
5.0 「破天荒遊戯
5.0 「ロザリオとバンパイア


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