2008年1月中旬


1/19(土)1/20(日)……石灰製フック

▼だいぶ更新が追いついてきました。ただ今後はちょっと仕事が忙しくなるし、書きためておいた分もほぼ放出したので、今後もサクサク更新できるかは怪しい感じです。ただ一時期は二十日分くらい更新が遅れていたのをようやく挽回したことですし、今後はもう少しきちんとやりたいです。せめて週刊誌が周回遅れにならない程度にはしていきたいところではありますが……。

【雑誌】COMICリュウ 3月号 徳間書店 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 最近意欲的な作品が多くてけっこう面白い。まずは作:梶尾真治+画:鶴田謙二「おもいでエマノン」が最終回。見開きシーンが実に美しくて、鳥肌立ちました。いやーやっぱ鶴田謙二は絵がうますぎる。人物だけでなく風景も雄弁。無機物も有機物も、しみじみとした情感を醸し出していて、しみじみいいなと思う。あと今号には「さすらいエマノン」の予告編も掲載されている。

 石黒正数「ネムルバカ」も最終回。レコード会社に目をつけられてメジャーデビューすることになった先輩が、後輩ちゃんと仲良く暮らしていた寮を出て、どんどん遠い世界の人間になっていく。変わっていく先輩のことを寂しく思う後輩ちゃんだが、しばらく経って開催された彼女のライブで、先輩はやっぱり先輩であることを確認する。勢いがあって爽やかな後味を残す、良い作品だった。百合、って感じでもないけれど、女の子二人の心のつながりも心地よく描かれていた。単行本は3月に発売予定とのこと。

 それから今号では魔夜峰央が初登場。隔月連載で「クレプスキュール」を開始。モノを見ると、その由来など、さまざまなモノを感じ取ってしまう邪眼の持ち主である少年・朝野君の活躍を描いていく物語。彼はその邪眼体質のおかげで、周囲からいろいろな事件の相談を持ち込まれてしまうのだが……。超ベテランらしい、こなれた芸風が小気味良く決まっておりまったり楽しい味わいがある。会話シーンなんかも軽妙で、テンポはすごくいいけど、いい感じに力が抜けている。まさに職人って感じでうまいなあ。

 読切、安藤維子里「いつかの話」。「いつか」という言葉に思い出を持つ男の追憶を描いた物語。淡々とした感じのタッチだが、彼が少年時代に出会った大人のお姉さんとの出来事は、ちょっとしたことではあるけれどとても艶めかしい雰囲気に満ちている。日常の中のふとした一瞬を、印象的に切り取っていてなかなか良い。まだこなれてはいないけどセンスは感じさせる。

 大野ツトム「大怪獣殺し屋」。「竜」と呼ばれる巨大生物を退治する保健所職員と、彼の刀を奪おうと付け狙う暗殺者少女が繰り広げるドタバタアクション。新人賞である龍神賞の第2回で、銀龍賞を獲得した作品。シャープな絵柄でアクションはダイナミック、女の子とかもきちんとかわいい。大野ツトムは絵は達者だし、何誌かで読切などを描いた実績もある。そろそろどっかひとところに定着できると良いんですが。

 平尾アウリ「まんがの作り方」も第2回龍神賞の銀龍賞作品。13歳のころ早熟の漫画家としてデビューしたけどその後泣かず飛ばず、19歳になって再び漫画を描き始めた女の子と、彼女のことを一心に慕ってくる後輩女子・森下さんの物語。先輩のほうは戯れで森下さんに「付き合っちゃうか」というが、森下さんのほうはその言葉に大喜び。その後先輩のほうも、森下さんのことをよく知るようになって、彼女に心を開いていく。清潔感のある可憐な絵柄の持ち主で、技量的には十分。女の子二人の関係性についても、暖かく描かれていて、なかなか良い。あと女の子二人が両方とも漫画を描く人であるというのも、漫画読者的に親しみが持てるポイントか。気持ちよく楽しめる作品だった。

 坂木原レムは「モンスターキネマトグラフ」の番外編読切12Pを執筆。興奮すると怪獣に変身してしまうマミヤさんだが、このお話は本編からだいぶ時間が経ち、マミヤさんの髪も白くなってからの物語。彼女が引き取って育ててきたクミがコミケに参加するってことで、内緒でそこを訪れてみたマミヤさん。そこで出会った本を見て、時代の流れをしみじみ感じるマミヤさんの姿が心温まる。あとオチがしょうもなくて素晴らしい。なお単行本には収録されてないお話なんで、単行本読んで気に入った人は雑誌も買っておくと良いでしょう。

【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平  [Amzn]

 作:あすか正太+画:天広直人「初恋マジカルブリッツ」後編。好きだった女の子・いのりちゃんに告白してOKされたばかりの主人公・鼓太郎。彼女ができてウキウキしていた彼だが、突然現れた謎の少女に、セックスしないと彼の体内に封印されていた「リリスの神臓」とやらが目覚めて魂が喰われてしまうと告げられる。それが元でいのりちゃんとの仲もピンチに陥るが……といった感じで後編突入。ちょいエッチありのファンタジーアクションバトルといった具合で派手め。絵は華やかだが、ただちょいと画面作りがゴチャゴチャしてて、頭にお話が入ってきにくいかなーと思った。エッチっぽいシーンはまずまずだし、悪くはないんですけどね。

【雑誌】月刊サンデーGX 2月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 榎本ナリコの新連載「世界制服」が開始。初回はバーチャルリアリティ空間に作られた、バーチャル制服美少女「初井美卯♥JK(じょしこーせー)」をめぐるドタバタギャグ。もちろん元ネタは初音ミク。最近の榎本ナリコは、こういう軽いノリの作品が多いですね。お話的には一話完結型のオムニバス形式にするのかな。いろんな制服少女が描かれていくことになりそう。

 高橋慶太郎「ヨルムンガンド」。元舞台女優だった美人おばさん武器商人、アマーリア・トロホブスキーにココが翻弄される。でも彼女と腹の探り合い、競争をしてるココの姿はイキイキしてて楽しそう。表情がイキイキしてていいです。読切、藤那トムオ「ラブえあー」。柔道部のマネージャー・静岡さんの彼氏が悪い男らしいことを心配して、彼女につきまとっている主人公・赤塚くんが、隠されていた静岡さんの意外な性癖を知る。画面がいくぶんゴチャゴチャしてて読みづらいかなあとは思いますが、ドタバタ賑やかなノリはまずまず。

【雑誌】チャンピオンRED 3月号 秋田書店 B5平 [Amzn]

 八神健「どきどき魔女神判!」は単行本も発売されてノリノリ状態。今度は主人公アクジに対して、女教師のイブ先生がちょっかいをかけてくる。詳しく書くとネタバレになってしまうのでアレですが、月刊少年漫画誌でエロい漫画が全盛だったころの作品を中心にパロディしまくっててたいへん愉快。現在30〜40歳台より下くらいの世代だと、分からないネタもけっこうあるかな? ともあれ本当になんでもアリで楽しそうに描いてるな〜と思います。

 作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」。すべての決着がついたかと思ったが、因縁の鎖はいまだ断ち切れずという感じか。現在の状態でどのように持っていくかは分からないけれども、再び激しい戦いが見られそうで、今後への期待は高まる。あの男が伊良子の才能を素直に肯定してるシーンは感慨深いものがある。

 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「ベクター・ケースファイル」。稲穂の前に強力なライバルキャラが登場。今回は緑化されたマンションの屋上でカタツムリが大繁殖。なるべく生態系を壊さず、自然の力を利用してカタツムリの増殖を抑えようとする稲穂だが、害虫駆除の専門家である中国人姉妹がその方針に異論を唱える。彼女たちのいうことにも一理があって、稲穂も逆らうことができず。なかなか手ごたえのありそうな相手ですな。それにしても、姉妹のお姉さんが胸の谷間やスリットが盛大なチャイナ服着てたりして、お色気要素は相変わらず無駄なくらい盛り込まれております。

 高橋てつや「ペンギン娘MAX」。バレンタインデー話。媚薬入りのチョコレートのおかげで、択捉さんがペンギンに対していろいろサービス。今回ちょっと感心したのは、尻の描写。尻肉の真ん中らへんにトーンを丸く貼ることで、パッと見、おっぱいみたいに見せかけているシーンあり。わざとそうしているのかは分からないけど、乳尻兼用なサービス技法として記憶に残しておきたい。

 吉富昭仁「BLUE DROP〜天使の僕ら〜」は最終回。なかなかぶっ飛んだ内容の連載で面白かった。ラストのセリフは爽やかだけど「ここでそれか!」って感じでちょっと笑った。和六里ハル「きんのたまご」も最終回。かわいくドタバタ賑やかにやってて楽しかった。3月19日に単行本も出るとのこと。

 読切、服部三枝「無法少女スミレちゃん」。だまされやすいめがねっ娘のしおりを、強引でマイペースな魔法使いの血を引く少女・スミレがいいようにおもちゃにしちゃうというコメディ。エロ自体はむちゃくちゃやってるってほどではないけど、恥ずかしい衣装あり触手ありでなかなか賑やか。

【雑誌】月刊ヤングキング 3月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 膝枕カカトの読切「グルメの畦道」。女性店主は水着にエプロンというキワどいファッション、だけど味は極上というラーメン屋さんを描いたコメディ。巨乳で肉感的な女店主さんはわりと色っぽくはある。軽いノリのお色気系コメディを手堅くまとめた。この人の月刊ヤングキングでの作品もだいぶたまってきたので、そろそろ単行本になってくれるとうれしいんですが。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 2/5 No.3 小学館 B5中

 尾瀬あきら「蔵 クロード」。日系アメリカ人にして蔵の再興、日本酒造りを志す主人公・クロードが、彼を取材してきた新聞記者の真奈美といいムードに。これまでは居酒屋経営のせつとの話が多かったけど、恋愛的にもちとわかんなくなってきたか。文科系めがねっ娘なルックスの真奈美が、ちょっと色っぽくて印象に残った。

 岡崎二郎の読切「ガイア動物記」は、とある巨大な鯨の生き様を描いた物語。太陽に近いあたりの海では無敵を誇った大鯨だが、彼はより深い海の底にたどり着きたいという欲求をずっと持っていた。しかし極度に深い海への潜行は、彼をもってしても果たせず、積年の宿願としてくすぶり続けていた。人間が主役ではないながら、限界に挑むチャレンジャーの物語を描いていて趣深い。きっちりまとまっていて安心して読める作品。

【雑誌】花とゆめ 2/5 No.4 白泉社 B5平

 中条比紗也「花ざかりの君たちへ」の番外編が掲載。今回は瑞稀がすでに桜咲学園を去った後。瑞稀のことをかわいがっていたおぜうさま、聖ブロッサム学園生徒会長の花屋敷ひばりが、瑞稀がいなくなったことを聞きつけて、その事情を探るため男装して学園に占有する……という内容。てなわけで今回の主役は完全に花屋敷ひばり。美人だけど場違いにゴージャスすぎるひばりが巻き起こす騒動が、面白おかしく描かれていて、番外編としてはなかなか楽しかった。

 古都和子「ハートの国でお茶会」。クラスメートの少年に導かれて、ふしぎの国に迷い込んだお嬢様・ありすが大冒険を繰り広げるというファンタジーコメディ。斜めのコマが多めでちと画面構成はガチャガチャしてて読みづらいかな。なおヒロインの名前が「南ありす」で、昔のAV女優を思い出してしまいましたよ。まあ花とゆめの現役メイン読者層は知らないであろう人なので問題はないでしょうけど。

 ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河商店街」。高校1年生の最後で、ミケとクロの間の恋愛気分が高まって……という展開。各所でラブコメ状態になっており、見てて楽しい。で、このまま次回から高校2年生に突入とのこと。読切「雪の日、ダルマくん。」。雪の日になるとやってきて、雪だるまの横で好きな人を待ち続けている少年、通称・雪ダルマくん。その一生懸命な様子を見ているうちに、喫茶店でバイトしている女の子・キリちゃんは、彼に惹かれていくが……。雪の日の物語だが、暖かい雰囲気に包まれていてまずまず楽しく読める。


1/18(金)……DICE KEY

【雑誌】ビッグコミックスピリッツCasual 2/25 No.17 小学館 B5中 [s-book]

 書店やコンビニを回ってもなかなか見つからなかったので、業を煮やしてs-book.comで購入。大手週刊青年誌の増刊で定期的に出てるものとしては、ヤンジャン漫革、モーニング2、別冊ヤンマガ、ヤングサンデー増刊といったところがあるが、個人的な感触でいえばこの雑誌が一番コンビニで見かけない気がする。見かけない度でいえば、ヤングサンデー増刊もけっこうなもんだが、この雑誌はタメを張るか、それ以上ではないかと思う。執筆陣自体は悪くないラインナップで、読ませる作品もけっこう多いので、この流通具合だとちょっともったいない気はするんですが。

 伊藤潤二「ブラックパラドクス」2話め。前回は、自殺サイトを介して集まった4人がとある事情により自殺失敗……という状況が描かれたが、今回はその4人が再挑戦。これから毎回この4人でやってくのかな。異常な状況が描かれているのだけれども、2回めだけに「またやってる」という気分が先に立つので、読んでいるほうとしてはギャグという印象がより強くなっている感じ。なお、お話のほうは自殺メンバーの1人が吐き出した、奇怪な玉を巡って展開される。得体の知れない霊魂の詰まった玉が、ギミックとして面白い。

 きづきあきら+サトウナンキはスピリッツ系初登場。「エアラブ」。一見ワイルドないでたちだけど、実は甘いものやかわいいものが好きな男が、ネットで自分の素のキャラを出して親しくなった女の子と出会う。ネット上では甘ったるいつき合いをしてきた二人だが、主人公の実際の姿はワイルド系・ハードボイルド系が好きな人にはカッコ良く見えそうなタイプ。ネットではラブラブだった彼女の前で「実は優しい素の自分」をうまく出せない主人公は、つい外見どおりのイメージでぶっきらぼうに振る舞ってしまう。そんな状況の中でラブストーリーが生まれていく。主人公が外見と内面のギャップに悶々としながら、彼女と接する様子がなかなか面白く、ハッピー・エンドな締めくくりも後味が良い。まあこれで分かってくれるカノジョというのも、ちと都合良すぎな感じはあるけれども、素敵なファンタジーではあろうかと思う。

 加藤山羊「イノセントブローカー」。さまざまな裏の仕事を請け負うブローカー・藤井の仕事ぶりを描いていく物語。依頼者に対して信頼関係を求め、まるで子供のような大人しい外見ながら、裏切った相手は徹底的に叩き潰す藤井の姿が印象的に描かれていて、なかなか面白いシリーズ。藤井の外見はすごく地味だが、裏切られたときの逆襲の様子は静かな迫力がある。読ませる作品でけっこう好き。お話やキャラ作りはいいと思うんで、「闇金ウシジマくん」的なポジションを得られそうな作品だが、本誌とかでバリバリやっていくにはもう一段、絵に魅力が欲しいところ。また現在は読切ベースということもあり、インパクト重視で毎回似たようなパターンになっている面がある。連載とかだったらまた違ったパターンのお話も見られそうなんで頑張ってほしい。

 浅野いにお「17」。大人しい人畜無害なめがね高校生男子の日常を、青臭く描いた物語。ちょっとしたトキメキと、ほろ苦さの同居する物語はいかにも浅野いにお。きっちりまとまったこの人らしい作品だと思う。稲光伸二「みさきちゃんが来るよ!!」は、ある日、オナホールオタクな男の元に、「自分はオナホールである」と名乗る女の子が届けられる……というとこから始まるドタバタコメディ。「ユリア100式」みたいな感じです。

 あと山口かつみ「Is it My Favorite BIKE!?」は、山口かつみ自身の姿が描かれていて、そのエゴや葛藤が濃厚に出ていて興味深い。山口かつみは、作家としてはごはん系なタイプだと思う。きっちり仕事していてコンスタントに成果を挙げる。でもトンガったタイプではないので、熱狂的なファンはつきづらい。自分的には期待の新鋭作家とかよりも、こういう職人的な作家さんが、どういう想いで日々仕事してるかということのほうが興味あったりするんですよね。

【執筆陣】朔ユキ蔵、稲光伸二、きづきあきら+サトウナンキ、黒井大黒、伊藤潤二、滝沢聖峰、原克玄、尾形未紀、浅野いにお、北沢末也+梶川卓郎、加藤山羊、今井大輔、田口佳宏、山口かつみ

【雑誌】百合姫 Vol.11 一迅社 B5平 [Amzn]

 4コマやギャグ系の作品を集めた小冊子「Petit百合姫」が特別付録。東雲水生、かずまこを、武若丸、江戸屋ぽち、森島明子、南方純、城之内寧々、吉富昭仁、高木信孝、珠月まや、袴田めら、石見翔子、すどおかおる、南崎いく、速瀬羽柴、三国ハヂメ、CHI-RAN、時津風おとはが参加している。一つ一つの作品は短いのだけど、64ページあるのでけっこう読みごたえはあるかな。

 今号の中身のほうでは、花津やや「だいすき」が良かった。学校の人気者である羽響と親友である地味な女の子・恵は、羽響と仲良くしていることで周囲の妬みを買っており、陰湿なイジメを受けていた。羽響と恵は実は二人で一緒に暮らしているのだが、羽響にはフツウの子ではなく、人にはいえない秘密がある。恵のことを想うあまりに暴走してしまう羽響の姿、そして羽響のしていたことを知ってしまった恵が選んだ道がともにものがなしい。荒削りな部分はあるけれども、透明感のある悲劇をしっかり作り上げていて、強く深く印象に残る。

 東雲水生「初恋少女」は最終話。少女たち同士の恋物語を各所で展開し、最後は華やかに終わった。単行本でまとめて読むと良さげ。袴田めら「ラブレター」。気持ちの良い短編。小説書くのが好きな地味な女子が、彼女の書くものを認めてくれたクラスメートに恋してしまう。手紙に込められた想いが切なく甘くていいですね。

【雑誌】ヤングガンガン 2/1 No.3 スクウェア・エニックス B5中

 作:イム・ダリョン+画:パク・ソンウ「黒神」。韓国からやってきた山神霊のナムが、ひょんなことからクロたちに拾われ、慶太の家に居すわることに。世間知らずではあるけど図々しいナムの暴れっぷりがなかなか面白い。大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。今回は犬塚の身体の秘密がだいぶ明らかにされた。次回からは新章突入。やっぱ特訓モードに入りそうな気配ですね。

 井田ヒロトの読切「彼女のエジキ」。学園中の女子が全員ゾンビと化して男を襲い出した中、数少ない生き残りである主人公が逃げ惑う。そんな中、女の子避けに頭にウンコを載っけた先輩が現れたり、シリアスとギャグが混在する状況でお話は展開。まあ最後の部分は賛否両論ありそうだけど、ちょっと色っぽさを感じさせるシーンもあり、それなりに楽しめる。

 勇人「はなまる幼稚園」。雪が降ったので、幼稚園のみんなで雪遊び。白い(んだと思う。モノクロだから分かんないけど)コートを着た山本先生がかわいいなあ。園児たちが遊んでいる様子も無邪気でとてもいい。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 2/1 No.4 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。満太郎と錠二のマッチレースが続く。なんかけっこうささいなことが、勝負の行方を左右するんですなあ。でも今回のが原因で満太郎が勝ったとしても、もう一つスッキリしないかな。ところでこの太巻き勝負では、錠二が短いハシを使ったことが奏効した部分があるんだけど、これって手づかみで食べるのではいかんのですかねえ。太巻きであれば、手で食べても別に邪道っぽくはないと思うんだけど。

【雑誌】コミックバンチ 2/1 No.7 新潮社 B5中

 渡辺保裕「OUT PITCH」。プロの1軍での登板を果たし、ライバル江神との対決の中で覚醒していく風児。かなり急ピッチな展開なので、最終回が近いかなあとか前回は思ったんだけど、今回のヒキでちょっと分からなくなってきたかな。続きそうでもあり、終わりそうでもある。バンチは大御所以外の連載はアッサリ切るので、ちょっと分からない。個人的には渡辺保裕の野球漫画は好きだけど、現在だとむしろ「ドカコック」の続きを読みたいという気持ちのほうが強いかな。

【雑誌】少女天国 3月号 ヒット出版社 A5平 [Amzn]

 犬星「お嬢様の憂うつ〜えまの場合〜」。お嬢様学校のおともだち連中の中で一番子供っぽい天然娘・えまが、電車内でエッチ体験しちゃう。普通にしてるシーンでも十分かわいいが、頭身縮めたコミカル絵もちまちまかわいくて見てて楽しい。目がぐりぐりまん丸になってる顔がかーいーですね。ゴージャス宝田「アナル合格!」。身長189cmとデッカいおにいちゃんのデッカいちんちんを受け入れるため、身長129cm26kgの妹さんが頑張っておしりを鍛えちゃう〜というお話。今回はわりと気軽で、エロは濃密ながら、ほのぼのしてるといえなくもない。


1/17(水)……儲かる賭場スター

【雑誌】モーニング 1/31 No.7 講談社 B5中

 作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」が連載1周年で表紙&巻頭カラー。ETUのメンツの雄姿が描かれた表紙の構図がなかなかカッコいい。この1年間でずいぶん出世した感がある。お話のほうはETUの快進撃が続く。ジーノは大活躍中だが、FWについては新メンツがレギュラー争いに火をつけそうな雰囲気。なかなか奔放で面白そうな人材ですな。

 山田芳裕「へうげもの」。利休の命運を決めるターニングポイントがついにやってきた感じ。秀吉、三成の仕打ちに衝撃を受ける利休の痛恨の表情が大迫力で圧倒される。やはりすごい顔を描けるっていうのは強い。利休と秀吉の決別はこれで決定的に。それを受けて両者と関係が深い織部がどう振る舞うかが気になる。

 あと今号では、中村光「聖おにいさん」がモーニング2から出張掲載されている。現代日本、立川のアパートでルームシェアしながら暮らす、ブッダとイエスが主役のドタバタギャグ。単行本1巻は1月23日発売、モーニング2でも表紙を飾っていたし、好調に推移している模様。

 矢寺圭太「マリさん」2話めが掲載。先輩の彼女・マリさんに憧れる大学生男子カトーくんのホロ苦い青春物語。マリさんは美人だけれども開けっぴろげで、彼氏以外の男にもガードがユルい。彼氏とエッチしてるとかだけならまだ耐えられるカトーくんだが、ほかの男にも……と考えると悶々。カッチリしたちょっとかわいい絵柄のわりに、後味はビター。たとえ彼がマリさんと関係するようなことがあっても、それは彼にとってはけして甘いばかりの体験とはなるまいなあと思う。青春ストーリーとしてはなかなかよい出来だと思う。余談だが、寝取られ系が好きな人間としては、マリさんに対する妄想が渦巻いてちょっと良かったことも付け加えておく。

【雑誌】ヤングサンデー 1/31 No.7 小学館 B5中

 北崎拓「さくらんぼシンドローム クピドの悪戯II」。まだ大きかったころからの想い人である渋江くんに告白しようとしてフラれてしまったれなは、激しくショックを受ける。泣き崩れる表情、一息ついて落ち着いた後の表情、どちらも印象的で良かった。この後、彼女はどうするか、そちて阿川たちとの関係はどう変わっていくのか注目。

 青旗のぼる「遊星ベイビー」がまた掲載。だいぶおなじみ感が出てきたかな。今回、宇宙からやってきたお子様カロンちゃんは、]主人公と一緒に買い物にいってはぐれてしまう。そして迷子の少年にくっつかれて困惑するが……。お子様キャラがかわいく描けていてほのぼの。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/31 No.7 集英社 B5中

 岡本倫「ノノノノ」。男装してスキーのジャンプ種目の選手をやっている悠太だが、寮に入ったらもう引き返せない。というわけで最後の名残に思いっきり女の子服でオシャレしてみるが……。ジャンプのシーンはけっこうガシガシやってるけど、こういうお楽しみシーンを入れ込んで来るところは岡本倫らしい。あと寮で同室になった先輩がホモっ気バリバリだったりして、今後楽しい展開が見られそう。

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。鬼将会の手がかりをつかんだ菅田は、久しぶりにメイド出張おそうじサービスを呼ぶ。サンタ姿で現れた受け師さんの姿に菅田は萌え萌え、持ってきてくれたケーキに感動の嵐。その初々しすぎる様子に思わずニヤニヤしてしまう。それにしても受け師さんの大食いっぷりは毎度すごいですね。そっちの道でもひとかどの者になれたのではないでしょうか。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/31 No.7 秋田書店 B5平

 集中連載、tatta「怪異バスター健二郎」が開始。絵的には荒削りなんだけど、これけっこう面白い。個人的にはツボにハマった。怪異(オカルト)バスターを名乗る男・健二郎が、腐った卵を投げつけてくるババァ妖怪にたたられている少年の依頼を受けて、ババァ退治に乗り出す。怪しい九州風の方言、ババァのしょうもないたたり方、馬鹿馬鹿しいバトルシーンなど、けっこうしょうもない。全体には力押しながら、インターネットの略語が出てくるたびにコロコロ変わるとか、小技が効いてるところも個人的には好み。少年チャンピオンらしい、混沌ととした味わいの作品。あまり単行本にはならなそうな作品なだけに雑誌で押さえておきたい。

【雑誌】コミックメガストア 2月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 今号はロリ方面がけっこう充実のラインナップだった。まずは御免なさい「いもうとロリボDX」。だいぶ扱いが大きくなってきましたね。今号は表紙の一番目立つ真ん中のところに「御免なさい」ってデカデカと名前が出ててすごく目立つ。あんまりペンネームには見えないけど……。お話のほうは、ロリコンな主人公が「タダでいい」といわれた昭和風味のレトロな妹ロボを引き取っていって、彼女の天然ぶりに悩まされつつもエッチな行為に耽るというもの。相変わらず細かい線で、幼女をかわいく、かつ艶めかしく描いていて良い。まるでワカメちゃんなルックスの妹ロボも無邪気でかわいかったりする。

 佐々原憂樹「はんこうき?」もロリロリ少女がかわいい一作。再婚相手の連れ子である娘さんと、奥さんにはナイショでこっそりラブラブになっているお父さん。ちっちゃいけれどもエッチ。大胆だけれども恥ずかしがり屋でもある娘さんがかわいい。大きめな学帽が愛らしくていいです。みなすきぽぷり「つくろう!たんけんちず!!」。メガストアには久しぶりの登場。宿題である町のたんけん地図を作るため、近所のビルを調査していた女の子が、怪しい男2人につかまってさんざんに陵辱されてしまうというお話。けっこう痛々しいけれども、ヤラレ続けているうちに、彼女の表情がトロけていってる様子はエロっちい。きちんと描き込まれた作画はやっぱり達者で、可憐だけれども生々しさもある、いいロリ絵となっている。

 巨乳方面では、みつや「トマト」が印象に残る。農家で一生懸命にトマトを作っている青年のもとを、かつて彼に告白したことのある女性・マリナが訪れる。彼女にはすでに別の彼氏がいるのだが、二人で一緒にいるうちに、昔の気持ちがよみがえってくる。むちむちボリューム感のあるエロシーンをしっかり展開しつつ、お話のほうも爽やかな青春ストーリーにまとめ上げていてなかなか良かった。

 いけださくら「でこ。ぼこ。」。高飛車お嬢様と、気は弱そうだけど芯の強そうなめがね少年が、図書室で隠れてエッチするというお話。でこ娘なお嬢さんが、少年にベタボレでラブラブしまくってる様子が好ましかった。しでん晶は初登場。「貧乳巨乳ヒストリー」。弟さんに胸を叩かれて以来、なぜか胸がすごく大きくなってしまったお姉ちゃんが、その乳をぶるぶるさせて弟を誘惑する。自分はバックの体勢で腕をつかまれてズンズンってなシーンが、胸が強調されて好きなんで、そういうシーンがちょっとあったのがうれしかった。

 加藤じゅんも初登場。「ふたノ湯に行こう!!」。フタナリのお客さんがいっぱいのお風呂屋さんで、少女たちがサカりまくるというお話。盛大、かつあっけらかんと皆がおちんちんを讃美し、いじりまくっている光景は、RaTeや上連雀三平を思い起こさせる味わいがある。ボディシャンプー代わりにしぼりたての精液を使ったりとかいうネタがよろしい。


1/16(水)……悲鳴後、尖る

【雑誌】週刊少年サンデー 1/30 No.7 小学館 B5平

 作:尹仁完+画:梁慶一の「新暗行御史」コンビの読切「悪魔弁護士クカバラ」が掲載。地獄に連れていかれようとしている死者と契約を結び、死神と争って天国行きを勝ち取らんとする悪魔弁護士・クカバラの戦いを描いたアクションもの。ダイナミックでメリハリの利いた作風はこのコンビらしいし、お話としてもまとまってる。まず今回はゲストとしての登場だったが、そのうち週刊少年サンデーのほうで連載やることもあるかな?

 鈴木央「金剛番長」。新たな番長として剛力番長が登場したが、その正体は意外にも……という回。なんだかすごい武器使ってますなあ。ケロロのモアちゃんが振ってるアレを思い出した。それと四位晴果「メテオド」が今号で最終回となっている。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/30 No.7 講談社 B5平

 作:梶原一騎・川崎のぼる+画:村上よしゆき「花形」。今号からしばらくは星飛雄馬がメインに話が展開。というわけでもちろん伴宙太も出る。花形陣営が比較的まともな人間が多いのに対し、星陣営は、本人だけでなく伴、一徹とマッドな人材が揃っているので何をやってくるか楽しみ。この作品は最初はあんまり期待してなかったんだけど、ときどき妙な面白さを発揮する。野球をやってるときよりその他のシーンのほうが面白かったりするのがなんですが。

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」。いつもオタク狩りに遭っているパソコン部のオタク2人を、品川らが教育するという回。訓練の甲斐があって、やけにすごい迫力になったオタク2人の姿が笑えた。特訓シーンで盛り上げ、見開きでバンと見せるリズムがいいですね。小林尽「スクールランブル」。前回の気になるヒキはやっぱりマジモンだったのですか……。かなりシリアスな展開だけどどうなっちゃうのかなあ。先が気になります。もちろん天満・烏丸のほうもそうだけど、播磨がらみの三角関係もどうなるか予断を許さない。

【雑誌】オースーパージャンプ 2/25 集英社 B5中

 SJエロかわ祭枠で、恩田チロ「ひめごとガール」が掲載。サークルの飲み会で片想い相手の部屋に行った女の子が舞い上がってエロい気分になり、こたつの中でこっそりパンツを脱いでしまうが……。直接的なエッチシーンこそないものの、むちむちしたキャッチーな絵柄を駆使してエロかわなお話を展開しており、誌面に潤いを与えている。あと、最終ページのオチはやけにダイナミックでちょっと笑った。恩田チロは達者な人だし、メジャー系でも器用にこなしそう。

 作:倉科遼+画:有藤せな「ツインズゲーム」。大人しくてナヨナヨしている兄、ものすごく強くて活発な妹。性格は対照的だけど顔はそっくりな双子の兄妹が、服を取り換えて1日だけ学校を入れ替わるというドタバタコメディ。原作は倉科遼なのに、絵柄がわりとかわいいおかげで、ちょっと萌え系っぽい作品に仕上がっている。倉科遼ブランドってこういう話もやるんですね。

【雑誌】COMIC RIN 2月号 茜新社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 LEE「子供じゃないもんっ!」。お母さんとケンカしたといって仲の良いおにいちゃんの家にお泊まりに来た女の子が、エッチな気分になってそのままおにいちゃんと結ばれる……というお話。無邪気で活発な女の子さんがカワイイ。すっかり彼女気分なラストの様子がとくに良かった。

 MINITITY「発見!お宝エレクチオン」。白スク水&ヘンなマスク着用の女の子をはじめ、なんかクセのあるタッチな少女たちの様子が面白い。陰部描写とかもねっとりしててエロっちいし。綾乃れな「銀鏡伝 桃の抄」。甘酒と間違えて飲んだどぶろくで酔っ払っちゃったツインテール巫女さんが、ボーイフレンド少年とエッチにふけるという内容。相変わらずのぷにぷにバディと、適度な萌えで手堅いお仕事。ドタバタしたお話も楽しい。

 秋葉凪人「パンダ仮面の最期」。比較的ほんわかした作品が多いこの雑誌の中で、異色のダークな作品。下着泥棒の男が、少女2人によって拘束されてオモチャにされるという話。顔はパンダ柄のパンツなどで目隠しされ、何も見えない、口もふさがれている状態の彼を、少女たちがなじりながら玩弄していく様子はかなりサディスティック。ものすごく激しい行為をしているわけではないが、言葉がキツく、なぶり方も屈辱感たっぷり。ダークで救いのない話作りが強く印象に残る。


1/15(火)……プラナリア狩り

【雑誌】コミックエール! VOL.4 芳文社 B5平 [Amzn]

 秋★枝「純真ミラクル100%」。天然癒し系な性格と、ぷにぷにした体つきで売れっ子になったモクソン(木村)だが、彼女の二番煎じみたいなアイドルがぼこぼこ出てきて……というエピソード。そのパクリアイドルの一人である奥村さん(オクソン)と、モクソンがお近づきになる。オクソンのツンデレっぷりがなんかいいですね。すごくほのぼのしたお話となってて読んでて楽しい。木村をモクソンと読ますセンスも好き。

 新連載、黒渕かしこ「ポジティブスター★ポジティブスタイル」。上京してきて美大に入学予定の女の子・七瀬裕美が、友達を求めて、ヘンな人を募集中にオカルト系サークルに入ろうとする。内気で不器用でオドオドしていて、なおかつ不思議な体質の持ち主である裕美は、本当にうまくやっていけるんでしょうか……というドタバタコメディ。シンプルだけどキュートな絵柄で、お話全体の雰囲気はほのぼの。楽しくなりそうです。

【雑誌】コミックチャージ 2/5 No.3 角川書店 B5中 [Amzn]

 きたがわ翔作画で「成りあがり 矢沢永吉物語」が開始。初回は矢沢永吉の大ファンだった父が死んだ後、父の遺品を整理していた息子が「成りあがり」を読み始める……というところからスタート。まだ本編が始まってないんでどうなるかはよく分からないけど、まあさすがにちゃんとまとめて来そうではある。この手の企画できたがわ翔が漫画担当というのはちと意外。きたがわ翔が矢沢ファンだったりするんですかね。

 石川たくみ「DTマティック」は最終回。「30歳まで童貞だと魔法が使えるようになる」という童貞魔法使いの物語。途中のラブコメ展開、それからラストの盛り上がりはけっこう面白かった。ラストのオチもくだらない。あと今号に予告が出ていたんだけど、2月19日発売号から藤沢とおる「アンはぴっ!」がスタート、山田貴敏のシリーズ連載「COMPLEX」も近日開始予定とのこと。テコ入れにかかってきたかな。

【雑誌】近代麻雀 2/15 竹書房 B5中

 創刊30周年記念号ということで付録DVDをはじめ、特別企画がいろいろ。1992年に描かれた、近代麻雀の人気作総登場の合作企画「史上最強戦’92」も再録。あと近代麻雀漫画の中から印象に残ったシーンを選ぶ「ベストシーン10」も掲載。9位に高橋のぼる「ジャンロック」が入ってるんだけど、アレは本当にすごいぶっ飛んだ漫画で面白いので、単行本化してくれないもんですかねえ。

 天獅子悦也「むこうぶち」。大会では負けた鉈切だが、今度は傀も含めての勝負。何かと安永にたてついていた鉈切だけど、実は安永ファンだったんですね。これまでの態度は愛情の裏返しですか。鉈切→安永→傀と片想い連鎖。なかなか濃い。でもまあ鉈切は傀にあっさりヤラれちゃいそうな気がしますが。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中

 安達哲の読切「カメコとマダム」が掲載。原作は梶田正剛。美人だけど年齢がちょっと行ってるレースクィーンのレイコと、10年ほど前に彼女と同じクラスだった大学写真部の青年の物語。この青年は語り手っぽいキャラだが、どちらかというと落ち目でどんどんエロ系の仕事をやらされるようになってきているレイコのほうがメイン。まあそれなりに楽しめはするんだけど、安達哲作品としてはこじんまりとしちゃってて、もう一つ物足りないかな。やっぱ原作付きで光るというタイプではないのかも。

【雑誌】漫画サンデー 1/29 No.4 実業之日本社 B5中

 作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパーPARTIII」。源さんとトモヨさんがくっついたことで、椿屋と距離を置くようになっていた君江が復帰するか……というエピソード。まあやっぱり君江もいたほうが人間模様としては面白いと思う。なお今回分の原稿は本来は2007年12月に掲載されるはずだったけど、松森正急病のため今号にズレ込んだとのこと。

 作:みね武+画:倉科遼「艶恋師 放浪編」。今回の桃太郎編での菊之介は散々。バイクを駆ってさらわれた女の子の救出に向かうが、結局ヤレないわケガはするわで泣きっ面にハチ。あと借り物のバイクも壊しちゃうし……。主人公のくせに著しくカッコ悪かった。そういうところが憎めない。


1/14(月)……日記少女の二期症状

【単行本】「この世界の片隅に」上巻 こうの史代 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 戦時中の昭和18年、呉に住む男の元へ嫁入りすることになった平凡な女性・浦野すずの日常を描いていく物語。「戦時中」ということで非常にハードな物語を想像されるかもしれないが、この巻の段階ではお話のほうはかなり穏やか。もちろん戦争をやっている最中なので、物資は乏しいし生活はつましいのだけれども、すずの嫁入り先で営まれる生活は平穏で平凡。とてもほのぼのしている。

 しかし日常生活がほのぼのしていればいるほど、人の想いが暖かければ暖かいほど、彼らのこの先の運命を考えると胸をキュッと締めつけられるものがある。世界全体から見ればお話にならないほどにちっぽけな幸せが、なんともかけがえのないものに感じられる。

 こうの史代の描写は全編を通じてとても暖かい。日常のちょっとした出来事をユーモラスに描いているし、最初は突然の嫁入りで戸惑っていたすずと、彼女の夫の気持ちが通じ合って行く様子も心暖まる。戦時中ならではの節約食の作り方なんかも興味深い。そして絵がまた素晴らしい。こうの史代のしみじみとした情感のある情景描写が、物語の折々で心に染み渡ってくる。とても丁寧に作られた、しみじみ良い作品。次の巻が楽しみであり、怖くもある。この幸せがずっと続いてほしい、でもそれは叶わぬ願いなのであろうなあ……と考えてしまうとものすごく切ない。

【単行本】「鈴木先生」4巻 武富健治 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 どえらく濃い。鈴木先生がもう語る語る。この巻ではカーベーこと河辺さんと、現在引きこもり中の竹地がセックスしちゃってるんではないか、それもナマで……という問題に鈴木先生が取り組む。その中で鈴木先生の「ナマでする」ことに関する考察が披露されていくわけだが、その理屈っぽさたるや凄まじい。物凄いセリフの量に圧倒されてしまうし、その内容も読みごたえがありまくる。正直なところ「生徒たちは本当にコレ理解できてるんか?」と思ってしまうぐらいのマシンガントークである。かつてこれほどまでに、ナマですることに対して掘り下げまくった漫画があるだろうか。

 しかし、内容がどえらくシリアスであるにも関わらず、思わず笑えてきてしまうのはこの作品の大きな特徴。何か事件があったときの鈴木先生のうろたえぶり、小川さんを通して喚起される鈴木先生独特のフェティシズム、河辺さんの男殺しっぷり、そして怒涛のナマトークなど、物凄い過剰さが笑いを誘う。この笑いがあるからこそ、堅苦しい鈴木先生の教育論もイヤにならずに読めるという部分がある。

 漫画で教育に関する持論を展開しようとするときは、語り口を柔らかくするとか、ちょいと子供じみた表現にするとかいうアプローチを取るのが一般的だと思う。でも武富健治は逆により過剰に、理屈っぽくすることで興味を引き、フレンドリーな語り口と同等かそれ以上の効果を出している。これだけ笑える状態だと、やっぱ読むしかないですからね。この作品を読むと、「ギャグなのかシリアスなのか分からん」と感じるけれど、ギャグとシリアスどっちか片方ってのではなく、同時にやろうとしているんだろうなと思います。

【単行本】「マイティ・ハート」1巻 マツリセイシロウ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 正義のヒロイン、マイティ・ハートと、悪の組織の戦いを描いたドタバタコメディ。主人公の天河十市は、悪の組織で幹部・怪人ヴォルケンとして活動中だが、いつもは普通の高校生として生活している。その学校にある日やってきた美少女転校生・舞島心。彼女は誰がどう見ても、正義のヒロイン、マイティ・ハートだった……。

 というわけで、正義のヒロインと悪の幹部の中の人が、同じクラスになっちゃったという状況でお話は展開。マイティ・ハートは変身ヒロインだけど、戦闘力は激弱。ただし羞恥心が高まると強烈な爆発エネルギーを発動させる。で、毎回のように窮地に陥り、そのたびに悪のヤツらによってエッチな目に遭わされては爆発して逆転というパターンが繰り広げられる。

 そんな感じでアクションシーンとかはサービス精神が非常に旺盛。マイティ・ハートは肉付きが良くってムチムチだし、マツリセイシロウの作画もピチピチしてて華やかさがある。そのおかげでサービスシーンはかなり目に楽しいモノとなっている。また学園フェーズも良い具合。心は最初はツンケンしてたけど、だんだん十市との距離が近づき、ラブコメづいてくる。また十市のことを子供のころから慕う妹分キャラも登場して、ラブコメムードはどんどん加速。

 ノリの良いギャグと、健康的なお色気と、甘酸っぱいラブコメが同居してて楽しく読める作品。連載は週刊少年チャンピオン。毎回楽しみにしてます。

【単行本】「能田達規作品集 おまたせ!ピース電器店」 能田達規 ジャイブ B6 [bk1][Amzn]

 能田達規の短編集。コミックRUSHで描かれた「おまたせ!ピース電器店」2本と、読切の「科学探偵ムー」「絶対安全大作」「マッドレイダース」「電撃ネネコ」「あそぼーロボットあかまるくん」を収録。発表時期は古くは1994年からあるので、絵柄的にバラツキはあるけど、どの作品も健全な遊び心にあふれてて面白い。とくに「おまたせ!ピース電器店」は、ひさしぶりにピース一家の活躍や、ケンタロー&モモコのイチャイチャぶりが見られて楽しかった。

 この本読んでて思ったんだけど、能田達規の描く女の子はカワイイですね。モモコはもちろんなんだけど、「絶対安全大作」に出てくる身体のほとんどがロボットになった少年・大作に惚れるめがねっ娘の工藤さんとか、たいへんよろしい。「科学探偵ムー」に登場するオカルト少女の由美もいい。

 あと全般的にいえることだけど、能田達規はやっぱり少年漫画が適所なのかなあという気がする。科学や発明ネタのギミックは夢があっていいし、健全でほのぼのした作風、アクションシーンの快活さもいい。また少年漫画の連載も読みたいです。

【単行本】「片恋の日記少女」 中村明日美子 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 中村明日美子といえば、エロティクス系での耽美な作品の印象が強いけれども、こちらはメロディなどで発表された少女漫画系の読切を収録した短編集。収録作品は「父と息子とブリ大根」「待ち人キタリ」「娘の年頃の娘」「とりかへばやで出会いましょう」「原色メガネ男子標本」「片恋の日記少女」「みたいなメモリー」。

 まあ少女漫画系とはいっても、例えば「父と息子とブリ大根」は、性転換して女性になった主人公の家に、離れて暮らしていた父親が押しかけてくるなんていうお話だし、いかにも少女漫画って感じの作品はあまりない。「とりかへばやで出会いましょう」なんかも、姉の代わりに弟が女装して出会い系で知り合った男とデートするって話だし。ラブコメ色が一番強いのは、カタブツな教師で会った父の残した日記を頼りに、その息子さんが、父が惚れていたらしい女学生を探す「片恋の日記少女」でしょうか。でもいずれも鮮やかで面白い。

 どの作品も、ちょっと変わった状況を呈示して、軽やかにお話を展開しててとても楽しい。作画もエロティクスFとかでやってるときと比べると、軽め明るめに調整。耽美系もうまいけどドタバタコメディ、ラブストーリー、青春物語もしっかりこなす。クセが強いようでいてけっこう器用な人だなと感心させられる。

【単行本】「魔法少年マジョーリアン」2巻 石田敦子 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 かわいい少年二人が魔法ヒロインに変身して大活躍☆ という軽めな調子で始まった作品だが、石田敦子らしくお話はどんどんシリアスな方向へ。ものすごくなよっちくて女の子みたいで友達もなかなか作れないことがコンプレックスなイオリ、それから腕白少年のマサルの心のうちにぐいぐい入り込んでいって、そのエゴをさらけ出していく。パッと見華やかではあるけれども、やることはシビアで人間ドラマはドロドロ。緊張感があります。この先、石田敦子がこの少年たちをどのようにいじり回していくのか気になるところ。

【単行本】「わがまま戦隊ブルームハート!」2巻 石田敦子 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 こちらのほうも少女たちが変身ヒロインをやってるという物語。メインのヒロインたちである少女戦隊ブルームハートの中で、いつも目立たず面倒な役割をこなしていたゆりが、ライバルの少女戦隊に引き抜かれる。ブルームハートのリーダー格であるのばら、仲間を裏切ったゆりの相克を中心に、お話はずっと息苦しいムードで展開していく。

 「魔法少年マジョーリアン」もそうだけど、この作品でもかわいいキャラたちをどんどん苦しい局面に追い込む。それも敵との戦いとかじゃなくて、仲間同士の関係性をこじれさせていくという方向で。このあたり石田敦子は本当に容赦がないなあ。そこが面白いところなんですが。

【単行本】「イカロスの山」9〜10巻 塀内夏子 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ずいぶん発売から時間が経ってしまったけど、最終2巻をまとめて読んだ。ついに初登頂を果たした平岡と三上だが、下山の途中で平岡が行方不明になる。最後の最後のギリギリの状態の中で、平岡と三上の本当の気持ちが浮き彫りにされていく。

 山岳モノといえば、作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」(オスマン)や、最近では石塚真一「岳」などがあるけれど、本作はそれらの作品と比して非常にウェットで、下界の事情を山に多く持ち込んでる作品だと思う。登頂・下山の過程はもちろん力を入れて描かれていたけれども、それと同じくらい平岡と、三上の妻・靖子の学生時代からくすぶり続けてきた想いの決着にも力点が置かれていた。

 そんなわけでものすごくメロドラマチックなテイストにはなっているのだけれど、これはとにかくストイックだった「神々の山嶺」とかとはまた違った面白みはあった。「神々の山嶺」の主役は山だった。もちろん羽生丈二・深町といったメインキャラのドラマでもあったけれど、山の存在感が抜群だった。一方、「岳」や「イカロスの山」の主役はあくまで人。そして「岳」は山に関わる多数の人々のドラマを描いているが、「イカロスの山」は徹底的に個人の事情を掘り下げている。

 こうやってメインキャラを立て、人間同士のぶつかり合いを描いていくスタイルは、塀内夏子の山岳モノの初期傑作「おれたちの頂」にも通じる。ドラマのアツさという意味では「おれたちの頂」のほうが勝っていたように思うけれども、「イカロスの山」にも熟成された味がある。「おれたちの頂」の第1巻が出たのが1984年。すでに20年以上も前のこととなる。現在も古本屋とかでは楽天ダウンロード(1巻/2巻)とかでも読めるので、この機会に改めて読み比べてみるのもいいかもしれない。


1/13(日)……そして誤認買いなくなる

【単行本】「そして五人がいなくなる」 作:はやみねかおる+画:箸井地図 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 爽やかかつほのぼのした名探偵モノ。岩崎家の隣に引っ越してきた夢水清志郎は、自らを名探偵というヘンなおじさん。そんな彼に、岩崎家の中学生になる娘さんがなついて、毎日のように夢水宅に入り浸るようになる。そんな折り、「伯爵」を名乗る怪人の手により、4人の子供たちが立て続けに遊園地で消えるという事件が起きる。

 といったわけでこの作品では、岩崎家の娘さんたちが、夢水清志郎が子供消失事件を鮮やかに解決する過程を見つめていくという形で展開。はやみねかおるは少年少女向け小説で有名な人だけど、この作品もいかにもそういう人らしい、実に健全な内容。陰惨な人死にとはなく、明るく楽しく、そしてちょっと冒険ありで物語は進められていく。ドキドキ要素を入れつつ、暖かく爽やかにお話を作っていてとても気持ちがいい。

 あと箸井地図の絵も物語によくマッチしている。スッキリした線で非常に見やすいし岩崎家の娘さんがとてもかわいらしく描けている。描線自体はすごくシンプルなんだけど、スッとしててシャレてて気持ちがいいんですよね。お話が1冊できっちり終わってる点もありがたい。長すぎず短すぎず、適度なボリューム感。気持ち良く楽しめました。

【単行本】「虐殺魔法少女ベリアル☆ストロベリー」1巻 作:日日日+画:倉藤倖 マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]

 悪魔が人間界を支配している状況に、ほとほと嫌気が差していた女子高生・恐山京が主人公。彼女は、ある日出会った妖精のジンに力を与えられたことで魔法少女となるが、その後すぐ悪魔をぼこぼこに虐殺してしまう。いちおうこの世界にはこの世界なりの秩序があり、魔法少女といえど殺しはいけないというのがルール。てなわけで京は「虐殺魔法少女ベリアル☆ストロベリー」として指名手配されることになるのだった……といったストーリー。

 その後は京がより強き敵を求める断罪天使と呼ばれるライバル的存在や、そのほかの魔法少女と出会ったり、ドタバタとお話は進められていく。倉藤倖は現在「電撃コミックガオ!」でやってる「わたしたちの田村くん」がけっこう面白いので買ってみたけど、この作品については、今のところなんともいえないかなー。ドタバタ賑やかではあるけれど、まだお話が出だしなんで、キャラの魅力が確立されていない感じ。2巻以降は気が向いたら買うかなといったところ。

【単行本】「eensy-weensyモンスター」2巻 津田雅美 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 2巻できれいに締めくくり。とても面白かった。最初は学園の王子様としてモテモテだった葉月が、地味でちっちゃな女の子・七花に思い上がりを指摘されて改心。それをきっかけに葉月は彼女のことが好きになるも、七花はなかなか彼の気持ちに気づかない。まあそんな感じの二人の日々を、ほのぼの楽しく描いていくストーリー。

 この作品で良かったのは、まずは主人公の二人がとてもかわいくて微笑ましかったこと。葉月がどんどん七花をかわいいと思うようになり、トキメキまくる様子はすごく楽しかった。七花もちまちましててかわいい。思わずなでたくなるような形の良い頭、くりくりした目つき、ちょこまかした動きと非常にキュート。あと葉月が完全に堕ちてから見せるようになった、七花の天然小悪魔っぷりもなかなかに面白い。

 同じ出来事を、二人のそれぞれの視点から描いて、対照的に見せていたのも印象的。「こっちがこう思ってることを、あっちはこう感じているのか」っていうのが分かりやすく描写されててユーモラスだった。見開きを使って、片ページが葉月視点、片ページが七花視点というのを何度もやってたり、表現面でも面白い。それ以外のシーンでも、シンプルながら効果的な画面構成が実に見事で、その技法の洗練ぶりに感心させられた。まあそんなわけでかわいくて、とても楽しい一作だった。2巻という適度なボリュームでまとまったのも良いですね。

【単行本】「俺と悪魔のブルーズ」4巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 犬こえー。これがこの巻の素直な感想。RJに対するリンチが行われようとしていたその前日、クライドが牢屋に忍び込み、二人はマクドナルドの元から逃走する。その追手として人間のほか、マクドナルドがかわいがっている3匹の猟犬が放たれる。この犬たちの禍々しさといったらない。口から涎を垂らし鋭い牙を誇示するようにしながら、RJたちを追い詰めていくその姿はまさに地獄の番犬とでもいった感じ。目の光も実に恐ろしい。黒々としたおどろおどろしい画面のおかげもあり、恐怖がヒシヒシと迫ってくる。闇がものすごく濃密で、読むほうも息苦しくなってくる。本当に凄い。

【単行本】「あいこら」10巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻ではハチベエにちょっと試練。新任教師がハチベエのパーツ愛ぶりを見て、彼への厳しい弾圧を始める。しかしその教師がハチベエを目の敵にするのは、彼に悲しい過去があったからで……。ハチベエの根幹に関わる部分ではあったけど、まあ持ち前のバイタリティもあって、お話的には前向きにまとまった。あと女版ハチベエというか、ハチベエの手を見て惚れてしまった女の子・千鶴が登場したり。シリアスな展開もあったけど、笑いありラブコメありで賑やかなのは変わらない。

【単行本】「ハチワンダイバー」5巻 柴田ヨクサル 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もやっぱり有無を言わさぬ面白さ。二こ神さんとの修行を終えた菅田は、かつて彼をボコボコに負かした相手・斬野に再戦を挑む。修行を経て一回りも二回りも成長した菅田の将棋っぷりが実にカッコイイ。またビシバシ打ちながら、受け師さんへの想いを力いっぱいぶちまけるシーンはなんとも素晴らしい。勝負の緊張感、アツさがありながら、ニヤニヤ笑っちゃうような微笑ましさも同居している。勝負も恋も圧倒的に力強い。剛腕ぶりにうなります。「このマンガが〜」系で軒並み1位を獲得しているのも納得。面白いといわざるを得ない。

【単行本】「怪物王女」6巻 光永康則 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず姫は美しくてカッコイイです。あと、ふがふがいってる人たちもかわいい。お話のほうはじょじょに姫を狙う王族の攻めが厳しくなってきて、よりシリアスなピンチが増えてきた感じでしょうか。

 独特のつるんとした造詣のキャラたちを見ているだけで、個人的には十分に楽しいのだけれども、お話とお話のつながりについてはちと弱いかなあと思う部分もある。5巻の最初は裁判を控えた姫やヒロらが一時的に刑務所へ入れられるというエピソードで、それが終わったら次は裁判かーとか思ったら、単発エピソードがずっと続く。あと一つ一つの戦いが、お話全体の中でどういう意味合いを持ってるのかという点も分かりづらい。まああんまりそこらへんのつながりは考えずに読んでいくべきなんでしょうね。

【単行本】「ぬいぐるみっくす」3巻 泉ゆうじ ワニブックス B6 [bk1][Amzn]

 女の子わんさか、ぱんつもりもり、ぬいぐるみもたくさんの学園ドタバタラブコメ。主人公コータが元々所属していた手芸同好会と、正規手芸部の間で、コータの取り合い状態に。ていうかまあ複数の女の子たちの間で、コータの引っ張りっこになっているという状況。正規手芸部の部長であるツンデレ娘・八乙女さんが見ててわりと楽しいキャラ。

 かなりカオスな漫画で、ぱんつを見せたいということ以外はどこに向かうか、正直よく分からない。とはいえお話的にすごくアッパーな作品なので、頭を使わず、サービスシーンを堪能しながら読み進めていく分にはけっこう楽しい。まあ「こういうものだ」「ぱんつ」と割り切ることが肝要な作品だと思う。ノリが命な作品ですな。


1/12(土)……攻守右翼上

【雑誌】コミックビーム 2月号 エンターブレイン B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 志村貴子「放浪息子」が今号の表紙。水彩調(本当に水彩かもしれないけど最近はCGの場合もあるのでいちおう「調」で)の淡い色使いがきれい。あと作品のほうの扉ページは久々な感もある修一くんの女装姿。やっぱかわいいねえ。本編のほうでは、あんなちゃんとつき合っていつつも、女装したい気持ちがだんだん膨れ上がる修一くんの様子が描かれる。彼が今後成長していく中で、女装欲とどうつき合っていくのか興味深い。喉仏が出てきたり声変わりしたりヒゲ生えてきたりしたらショックだろうなあ。あと、現在修一くんがあんなちゃんとつき合っている面白くない状況に、千葉さんがどう対応していくのかも引き続き気がかり。

 森薫「エマ番外編」。次号で本当に最終回ということで、前回からオールスターキャスト。今回はついに、二人の結婚式の模様が描かれる。これまでのお話を彩ってきた人々の人間模様を眺めるのも楽しいし、花嫁衣装にもホーッと溜め息が出る。次号でどんな締めくくり方をしてくれるのか、すごく楽しみ。

 入江亜季「群青学舎」。とある宿屋を訪れたワケアリっぽい男女。女性のほうのマージは滞在中宿屋で働くことになるが、その宿屋の跡取り息子が彼女の美しさに惚れてしまい……。今回は前編でお話のほうはまだゴタゴタがありそうだが、マージの美しさはかなり鮮烈な印象で、ハッと目を引き寄せるものがある。この人はカッコ良くてきれいなおねえさんを描くのがすごくうまいですねえ。

 タイム涼介「アベックパンチ」。試合の最中に初恋が訪れてしまったヒラマサ。その相手であるコルビーナに対する、不器用すぎる振る舞いがなんだかすごく微笑ましい。元々が暴虐無頼な奴だけに、彼が顔を赤くしてもじもじしまくる様子がより初々しく映る。それを生暖かく見守っているイサキの姿も楽しい。イイ男だなあ。須田信太郎「年金未納者ミャーキ」は最終回。パワフルで暑苦しく、なんだか不思議な雰囲気のある作品だった。まあ例によって単行本化は難しいかな……。

 あと今号には読切でヤマザキマリ「THERMAE ROMAE」が掲載されているが、これはけっこう面白かった。ローマ時代、公衆浴場のデザイン、プロデュースをしていた建築技術者のルシウス。新しい浴場のアイデア出しに困っていたルシウスだが、風呂の排水口の先で、想像もできなかった浴場の姿を見る。なんか語り口とかはシリアスな調子なんだけど、ページが進むにつれ、ちょい間抜けでトボけた味わいが出てきて面白くなっていく。ギャグ的には三宅乱丈っぽい雰囲気があるかな。

【雑誌】ヤングキング 2/4 No.3 少年画報社 B5中

 塩野干支郎次「ブロッケンブラッドIII」が開始。シリーズ第3弾となるけど今回もノリノリで楽しいです。女装してアイドルやらされている少年・健一が、今回はフィギュアスケート会場で暴れたり、バレエ教室行ったり。レオタード姿で恥じらう様子とか、カワイイし見てて面白い。健一君の妹の愛ちゃんもけっこうかわいかったりする。それと、健一君の女装姿を見て萌え萌えになってる周囲の反応が愉快。とくにやたらと鼻血吹く明日香が面白い。

 森見明日「よみがえりんね♪」。今度は天才音楽系前世娘の奏が再登場。主人公とのユニゾンが忘れられなくて一人えっちしちゃったり、彼女とヤリたいという想いから蓮数してフルート(ですよね。楽器詳しくないけど)の腕を上げてる主人公の姿を見てポーッとしちゃったりと、初登場のときと比べてかなりラブコメ脳が進行している。今後のラブラブ展開の高まりに期待が持てそう。

【雑誌】漫画アクション 1/22 No.2 双葉社 B5中

 本そういち「零戦少女」の3回目が掲載。萌え萌え少女+零戦という非常に割り切った作品だが、今回はヒロインの朝子のライバル的少女・ケラがいいところを持っていった。零戦が着陸しようとしている滑走路に立ちはだかり、その後ヘソまでまくれる盛大なパンモロ。本そういちが本気になったときの萌えパワーはけっこうスゴいものがあるが、この作品ではそれをあざといくらいに前面に押し出していてご立派。不定期連載なのが惜しい。とか思ってたら、今度は1月19日発売の月刊ヤングキングで戦艦+少女でピンナップカレンダー描くんですね。

 武富健治「鈴木先生」。夏休みに突入するも、先生たちの心は休まらず。夏祭りの夜に厨房たちの思惑がいろいろ蠢き、隙あらばやんちゃしようといたしている。とくにカワイイ女子をめぐって火花散る様子がスリリングで面白い。最近では中村さんに男子の注目が集まりつつあるようだけど、彼女はやっぱ鈴木先生ラブですかねえ。鈴木先生が夏祭りの見回りに来ると聞いて大喜びしてるし。彼女が鈴木先生に告るとかいうエピソードもそのうちあるかもしらんですな。あと今回は、例のヤッちゃってる小学生妹の現物が出てきたのが生々しくて良かったです。

 国友やすゆき「新・幸せの時間」。社長に昇進した後も、やっぱり良介はアホくさい。秘書の遠藤さんとか取引先のパツキンとかとはガンガンやりまくってるのに、義妹の小夜子とヤレないということで悶々。家で彼女が入浴してるときに脱衣場に忍び込んで、パンティちんこに巻いてオナニーと、やってることがしょうもなさすぎる。やっぱたまんねえ〜。

【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平 [Amzn]

 咲坂伊緒の新連載「ストロボ・エッジ」が開始。初回の1コマめを、雑誌の表紙にしちゃうという見せ方はなかなか大胆。主人公女子・仁菜子が片想い相手の蓮に告白するシーンがその1コマめ。お話としては告白してフラれた仁菜子だが、その後も蓮くんとの友達関係は維持しつつ、学園生活を送っていくという内容。失恋から始まるけれども、明るい感じのお話で、ラブコメとしてはけっこう楽しげ。

 河原和音「高校デビュー」。毎回書くようだけど毎回面白い。今回は二人きりの旅行もあって、ますます仲良しな晴菜とヨウを見て、ヨウの妹である麻美がヤキモチやくというお話。麻美ちゃんは晴菜に対してツンツン当たるけど、お話全体としてはほのぼのした感じに仕上がってて楽しかった。ちゃんと女の子友情物語もやってるところが爽やかで良い。

 椎名軽穂「君に届け」。貞子と風早くんが初詣で二人になって、なんかイチャイチャしまくる回。だいぶお二人さんの距離も縮まってきててラブラブムードをまき散らしている。いい加減どっちか告りなさい、とか思ってしまう。まあ貞子側からというのは難しいかもしんないので、風早くんがとっととどうにかしろ、という感じ。

 藤村真理「少女少年学級団」。マラソン大会の練習の仕切りをめぐって、主人公・遥のライバル的男子・渡くんがイジメられちゃうという展開で、前回はけっこう痛々しかったが、今回は一件落着。丸く収まって良かった。あと今回の最後のほうは、初恋気分が盛り上がっていてほんのり甘酸っぱくて良かった。渡少年の陥落はけっこう早かった。なお連載はちょっとお休みして、6月号から再開予定とのこと。

【雑誌】快楽天BEAST 2月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 カラーページが豪華ですねえ。さめだ小判「BUKKAKE保健室」、ゆりかわ「ハタチのやくそく」、兼処敬士「Varie de nectar〜花蜜繚乱〜」、安倍学「すぽいる!」、中央東口「Contract」、八十八良「Do My バスト」と皆達者。さめだ小判は相変わらずものすごくキャッチーだし、初登場のゆりかわはピンク色に染まった女体描写が実に華やか。安倍学描くところの妹キャラも初々しくて印象に残った。下着姿の可憐さと、あどけない表情がいいです。あと八十八良「Do My バスト」は幼なじみカップルのラブラブエッチ模様が楽しい作品。オチもきっちり決まっている。カラーの達者な人は本当に増えたなあ。大したもんです。

【雑誌】comic天魔 2月号 茜新社 B5平 [Amzn]

 けものの★「ぐる〜みんぐっ!!にゃお〜ん♥」。兄のことが好きで好きでたまらなくて、身体でもなんでも使って誘惑してくる妹の前に、兄が流されまくっちゃうというシリーズ。このシリーズは妹のパワフルなキャラが愉快で、ドタバタしていながらもラブラブでけっこう面白いです。今回も兄を籠絡するべく策を練りまくる妹の活動が、たいへん楽しく描かれている。兄のほうも妹の誘惑にテンパってることだし、お話的にはそろそろクライマックスが近いかな。

 みづきるうず「Oh!taboo」。一緒に勉強してると、ついついエッチな気分になっちゃうバカップルさんのお話。めがねっ娘である彼女がなかなかかわいく、つるんととしたボリューム感のある体つきも魅力。ちんこのフォルムがおざなりなのがちょっと惜しい。柚木’N「英国少女」。ツンデレお嬢様と執事あんちゃんのラブラブ物語。奔放で高飛車だけれども、執事男にベタボレなお嬢様がかわいい。

 シャケカマボコ「イソウロウ」は第2話。幼なじみ娘の家で居候することになった主人公が、第1話めで彼女の母に誘惑されてエッチ。今回はそれを目撃して嫉妬した幼なじみ娘に迫られて……という内容。まあたぶん次回では母娘どんぶりになるんでしょう。そこらへんはまあいかにもという感じではあるんだけど、むちむちぷにぷにつやつやした肉体描写、ちょっと太めな感じの肉付きのいいヒロインたちが個人的には好み。モテモテラブラブなお話作りも悪くない。


1/11(金)……GO!解散

【雑誌】ヤングアニマル 1/25 No.2 白泉社 B5中

 克・亜樹「ふたりエッチ」。最近は優良さんの好き者ぶりがエスカレートしつつあってなんか面白い。最近では少しSMとかにも興味を持ち始めているのだが、今回はいつもとは逆で優良さんのほうから責めるのにチャレンジ。淫乱化の進む彼女が今後どうなっていくのか楽しみ。あー、真が単身赴任か長期出張しないかなあ。

 東雲太郎「キミキス」。少しずつ光一と二見さんが仲良くなり始めていて、いよいよ恋の実験のほうもスタート。なんか東雲太郎版の二見さんは案外ものごしが柔らかくて、さほど鉄壁って感じはしませんなあ。文月晃「海の御先」。ナギと火凜とのデートはラブラブなうちに終了。たいへんラブコメづいてて楽しかった。で、今回からはカタブツ系めがねっ娘のそよびとのエピソードが開始。今のところ二人はちょっと衝突気味だけど、まあ遠からず籠絡されてデレ度は増していくと思われます。それが早いか遅いかでしょうな。

 作:原田重光+画:瀬口たかひろ「オレたま」の番外編が掲載。今回は本編よりも時を遡ったしばらく前の物語。アンゴルモアの大王が1999年のときは何やってたのかーってなエピソード。本編のほうとはキャラも違ってるけど、やるかやらないかでドタバタする展開はこちらも同様でまずまず楽しい。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/25 No.3 小学館 B5中

 星里もちるの読切「スイーツメモリーズ」の前編が掲載。すごく天然であまりにも空気読めない彼女に嫌気が差して、別れてしまおうと考えている彼氏。そんな二人がアヤしい男から不思議な物体を託されたのをきっかけに、タイムスリップすることになり、そこで二人が一番仲良かったころに戻る……という内容。前編はドタバタしたノリで展開してるけど、後編はもう少ししっとりした感じになるかな。とりあえず後編を読んでから是非は判断。ヒロインの天然娘さんはわりとかわいいです。

 三田紀房「マネーの拳」が巻頭カラー。外資系ファンドの構成によって、T-BOXが買収されるかどうなのか……という展開に。巻頭カラーページはいきなり時代劇風にお話を初めており、「なんじゃこりゃ」って感じのインパクトがある。ネタとしてはかなりベタベタだし、作画もアシスタント任せっぽいけど、演出としては効果的。さすがにつかみがうまい。

【雑誌】コミックバンチ 1/31 No.6 新潮社 B5中

 永井豪「バイオレンスジャック」。顔は少女、身体は犬の人面犬少女がイイっすね。ナイススタイル。渡辺保裕「OUT PITCH」。一軍で実戦経験を積むうちに、幸村が凄い勢いで覚醒していく。なかなかアツい展開ではあるけど、ちょっと展開が急ピッチすぎる気もする。もしかすると最終回近いかな?

【雑誌】週刊漫画ゴラク 1/25 No.3 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。大食い風林火山イベント回想編が今回で決着。意外とあっさりとした幕切れでしたな。まあこれで決勝戦も最高潮になるかと思うけど、そこはあえて外してハンター錠二の回想編とかも始まるかもしれませんなあ。考えてみると彼の内面描写はここまでほとんどされてなかったし。

 村生ミオ「SとM」。窮地を脱するため、戸田とビショビショ秘書ねーちゃんが一生懸命マナ板ショーをやって痴態を見せつける。その合間で展開される、小坂という男の性根を象徴するエピソードが秀逸。戸田と一緒に食事をしたときに、カツ丼のカツをつまみ食いしたかしないかって話を、かなりマジにやってて笑ってしまった。豪快さんの「嵐のカツ丼」かーっってな感じ。毎回なんかしれネタが仕込まれていてスゴい。


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