2001年7月上旬


7/10(火)……餓狼転生

 すごい眠くて豪快な乗り過ごしを連発し、なかなか会社に到着せず。なんかしらんけど片道1時間ちょいのところを3時間くらいかかっちゃったよ。まったくもう。

【雑誌】ガロ 8月号 青林堂 B5平

 今号からリニューアルで隔月刊化。表紙もざらざらのに変更。個人的にはコート紙よりもざらざらした奴のほうが好きだけど、若干ぺなぺなし過ぎか。ちなみに表紙は津野裕子。とはいえ内容はそんなに変わらないかなー。まず目をひいたのが高浜寛「青い絵本」。絵の造形的にはちょっと沙村広明を思い起こすようなところがあるかな。質感は違うけど。それから津野裕子「ジェミニ」前編。相変わらず美しくて不思議な世界。続きが気になる。キクチヒロノリ「おばさんしりーず」はオムニバス形式というかなんというか。お話に脈絡をつけなくてもいいだけにもうやりたい放題でイカれた世界が展開。ネコと他の動物の合体動物の話なんか素晴らしいね。「ねぬ」とか。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/24 No.15 秋田書店 B5中

 岡田和人「教科書にないッ!」。なんか意表を衝くカップル誕生。でも似合ってはいるか。作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」は、また一人クセの強いキャラが逝く。それにしてもこいつら、ホントに何歳なんだ。濃すぎ。いや、そこがいいんだけど。

【雑誌】エースネクスト 8月号 角川書店 B5平

 石田敦子の新連載がスタート。タイトルは「魔女レーナ マジョリーナ」。なんとなくアクションでやってる「欲シガリーノ★ネダリーナ」を思い出すタイトルだけど、もちろん全然違います。始まりは、空太くんの気になるあの娘・二ツ木さんは眼鏡っ娘。でも実は彼女は魔女の仮の姿。その魔女には黒白両バージョンありまして……といったところ。つまりは「うさぎちゃんでCue!」のミミカみたいな感じですかー、というのはとりあえず置いといて。うたい文句では「まじかるラブ・コメディ」らしいんだが、石田敦子のことだからただのラブコメにはしないで苦いこともやるかもしれず。とりあえずこれからが楽しみ。岩原裕二「地球美紗樹」。ああ、お嬢さまが可愛いなあ、というのが今回の見どころ。

【雑誌】ビッグコミック 7/25 No.14 小学館 B5中

 青柳裕助「まぐろ土佐船」が今回で第一部完結。8月末に単行本の1巻が発売。一見地味だが、腰が据わってて中身もみっちり詰まってる。読みごたえのあるいい作品。それから森秀樹描くところの鞍馬天狗物語「天駆」もいい。こちらは今月30日に第1巻発売。

【雑誌】漫画アクション 7/24 No.30 双葉社 B5中

 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。ついに菜々美は痴女になってしまうのか〜!? というか今までのアレは痴女のソレではなかったというのか〜!?というお話です。それにしても今回はまんだらけみたいなところが舞台なんですが、まったくこの人たちは無敵だなあ。作:武王丸+画:ぐれいすの新連載「特殊家庭教師キキ」がスタート。コギャルな女の子キキが、自分に自信がない男をカテーイキョーシッ!というようなお話。わりと癒し系か。作:夢枕獏+画:木戸嘉実「魔獣狩り」は最終回。もう少し続けても良かったとは思うけど、アクションのリニューアルもあり、ちょっと運が悪かった。

【雑誌】コミックバンチ 7/24 No.9 新潮社 B5中

 最近、漫画を読んでるととみに泣きやすい俺だけど、今回もこせきこうじ「株式会社大山田出版仮編集部員山下たろ〜くん」とぐっと行かされる。ネタとしてはすごくベタなんだけど、でもやっぱり物語に力はあると思う。原哲夫「蒼天の拳」(監修:武論尊)。あ・ひ・たのジョー。笑わせるところとカッコよく見せるところ、どちらも素晴らしい。あと今回は柳川喜弘「眠狂四郎」(作:柴田錬三郎)の剣劇シーンがなかなかカッコ良かった。「ワイルドリーガー」渡辺保裕はジャコビニ流星打法らしい。

【雑誌】メガキューブ Volume5 コアマガジン B5平

 竹下堅次朗の好調ロリロリ連載「よいこの唄」。今回はいつもの香坂さんと徳永くんではなく、香坂さんのことが好きな上野くんと、眼鏡っ娘の博子ちゃんのお話。なんかもうイキイキと描いてますな。博子ちゃんが実はけっこうしたたかだったりして刺激的。竹下堅次朗は、今号イラストエッセイも描いてるんだけど、こちらもなんだか業が深い。瓦敬助「菜々子さん的な日常」。今回のテーマは濡れ透け。いいよね、濡れ透け。大好き。みかん(R)。やっぱりこの人はうまいなー。というわけでアニメ出すより単行本。


7/9(月)……不可立式

【小説】「フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人」 佐藤友哉 講談社ノベルス [Amzn]

を読了。メフィスト賞受賞作の中でも、かなりイカモノ系であるらしいとの噂を聞いて購入。妹がレイプされ自殺して逆上した兄が、そのレイプした男たちの娘たちをさらってくるという復讐に乗り出し、それに連続殺人鬼による犯罪がからんできて……といったお話。前評判で聞いていたところでは「筆者は19歳」「お兄ちゃんは妹萌え」「主要登場人物の名前はほぼすべてギャルゲーから」とかいった感じだったのだが、なんか読んでみたらだいぶまとまってて意外。

 主人公の妹の佐奈が登場するシーンは、お兄ちゃんが寝坊しているところに「おにーちゃん、おは」だし、「起きて起きて、ほらもうお昼だよ。お日様も出てるよ。こら、起きろ起きろ起きろー」である。主人公のねーちゃんも同人誌やってて「志保ちゃんニュース」だの「さくらちゃん」だの「ちぃ」だのいってたりはする。でも展開自体は案外ハードコア。正直も少しぶっ壊れたのを期待していただけに、前情報からするといまいちもの足りなく映った。少なくとも暴力シーンと釣り合うくらいの密度で萌えはもっとあっていい。せっかく美少女3人を拉致監禁するんだから、この娘たちのキャラがいまいち立ちきってないのはもったいない。なんかこれ読んで、改めて清涼院流水がいかにぶっ飛んだ作家だったかということを痛感しちゃったりもした。というとなんか否定してるみたいだけど、暴力要素あり萌え要素ありで、普通にエンターテイメントとして楽しめたことは確か。19歳にしては文章は上出来だし、濃さの種やいい意味での作家的な天然性みたいなものは持ってると思うので、うまくすれば大きく化けるかも。

 あと本日の未読分。なんでbk1は「BARレモン・ハート」の14巻以降を置いてないんだ……。まあそんなわけで本日からAmazonへのリンク張りも始めてみました。

【単行本】「BARレモン・ハート」17巻 古谷三敏 双葉社 B6 [bk1:1〜13巻[Amzn]
【単行本】「バサラ〜破天の男〜」1巻 作:さいふうめい+画:ミナミ新平 講談社 B6 [bk1]

【雑誌】ヤングキング 8/6 No.15 少年画報社 B5中

 中西やすひろ「愛DON’T恋」。うーむベタじゃのう。ようやく新しい恋人ができたと思ったら、どうしてまあこの人はこう脂っこい方向へとお話を持っていくのだろうかー。面白いじゃないか。

【雑誌】ヤングマガジン 7/23 No.32 講談社 B5中

 安達哲「バカ姉弟」。今回もゆるゆると面白い。これ単行本にするときはやっぱりフルカラーでやるのかな。それだとページ数少なくてもいけそうな。行ってください。古谷実「ヒミズ」。今回もダークになる展開。どんどんどんどん悪いほうへ悪いほうへ行ってるけど、ホントどうなるんだろう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/23 No.32 小学館 B5中

 もりやまつる「疾風迅雷」が始まった。扉のアオリを見ると「四志士が2001年の悪を斬る!!!!!!!!」のだそうだ。新撰組の4人組が現代にタイムスリップして……という話になりそう。今号では高橋しん「最終兵器彼女」がいい感jい。いよいよ最終局面を迎えようとする中、ちせの愛情と兵器としての機能が相克し、激しく切ない。んでもって次号はお休みで、No.34から最終章「ラブ・ソング」が開始予定。浦沢直樹「20世紀少年」もかなりの盛り上がり。ついに「血の大みそか」の真相が語られるんだろうか。それとも「MONSTER」ばりに引っ張るんだろうか。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/23 No.32 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。面白いですなあ。消えてしまうかもという予感に佐為は脅え、情緒不安定に。そろそろ終わりが近いのかなとも思うが、ジャンプなので佐為が誰かに転生して肉体を得てヒカルの前にたちはだかるみたいな展開もあったりして。樋口大輔「ホイッスル!」。今回はなかなかプレーの描写がダイナミックでかっこよかった。さほど現実にあり得ないことはやってない点にも好感が持てる。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 8月号 竹書房 B5中

 片山まさゆき「スーパーヅガン」が復活。今度は「スーパーヅガン・アダルト」というタイトルに。大人になってもやっぱり豊臣は豊臣でつかんぽであるわけだ。おおつぼマキ+福地博士「まんツボ」。おおつぼマキはいい具合に力が抜けてるなーと思う。麻雀必勝法と毎回のちょっぴりセックスシーン。どうにも陽気だ。それから「麻雀最強戦 作家雀豪大会」という企画があって漫画家とかがいろいろ参加してたみたいなんだけど、その企画記事でアイラでコラム漫画「乙女失格」をやってるベギラマが半ページほど描いてたのにびっくり。それにしても1位はあかほりさとるか……。6位神原則夫というのもなんとなく味がある。

【雑誌】月刊少年マガジン 8月号 講談社 B5平

 なんか学園パソコン部漫画、小川京美「OLC」が気になる。今回はホームページ作ろう編。「HTML」「タグ」「IMG SRC」などといった言葉が飛び交うが、別に「ホームページの作り方HOWTO」漫画になってるわけじゃなく、あくまでスポーツ漫画におけるスポーツとかと同じようなウエイトでHTMLとかが扱われてるのだ。こういうアプローチも、中学生くらいの世代にとって、パソコンやらインターネットやらホームページやらが当たり前に接するものとなってきたからこそ出来てきたもんなんだろうなあ。

【単行本】「あかりをください」 紺野キタ ソニー・マガジンズ B6 [bk1]

「きみとぼく」および「eyes」増刊「夢みる結婚」に掲載された作品を収録した短編集。収録作品は「あかりをください」「人魚の骨」「みあげてごらん」「ビューティフル・デイズ」で、おまけとして描き下ろしの「怪文書」が付いている。この人の作品に関する感想はいつもだいたい似たようなものになっちゃうんだけど、この本もすごく綺麗。線の一本一本が柔らかくて上品で、汚れがまったくといいほど感じられない。ふんわりと、とにかく好ましい。「あかりをください」の、義父に想いを寄せる女の子の心の浮き沈みなど、心理描写もすごく丁寧。この人もある意味、隙のない作家さんだ。

【単行本】「まりのゲリラ」 香愁麻沙美 三和出版 A5 [Amzn]

 アイラでの連載中からすげえぶっ飛んだ作品だなあと思ってたけど、単行本でまとめ読みしてその印象をますます強くした。この作品の主人公まりのは、自称「下町の天才バレリーナ」。バレエの修行と称していつもレオタードで生活している。彼女の住む下町は戦後の産業廃棄物がどろどろとたまった沼のほとり。そのせいでか知らないが、登場人物はみんなヘン。まずまりのからしてレオタード着てるのはもちろんだけど、いつもがに股で鼻くそほじってるし、その親父は娘の排便中にトイレに忍び込んでくるし。レオタードで歩いているところを警官に注意されたまりのはバレエ的跳躍で、その追撃をかわす。バレエ教室の同僚の一人は、なぜか沼に流れ込む下水と乳がシンクロしていて、乳が揺れれば下水が揺れるとかいった体質の持ち主。

 う、あらすじ全然説明してないな。でもいまいちなんと説明していいのやらよく分からない。M資金を狙うヤツらとか魑魅魍魎がうろうろしていたり、産廃くらって巨大化したザリガニの脅威とかが迫ってきたりはするのだが、その活躍を一本の筋としてとらえるのは難しく、ただただ眼前で繰り広げられる異様な光景に目が吸い寄せられてしまう。いちいち女の子たちはヘンな決めポーズを作り、踊りまくる。絵柄的にはけっこう華がある。でもノリはすごくヘン。そして妙に軽やか。う〜んなんといったものやら。でもすごく好き。単行本にまとまってくれなかったらどうしようかと思っていたんで、発売は素直に嬉しい。あ、ちなみにエロ漫画雑誌連載ではあるけど、セックスシーンもないし実用的ではたぶんないです。


7/7(土)+8(日)……小鮒つり

 7日の朝に家に帰ってちょろっと寝たらかえって緊張感が途切れてしまったようで、蓄積疲労がぶわぶわと身体から噴き出してきて8日は一日中だりーねみー状態。夕方くらいに仕事を終えて帰ってきて寝床で伸びをしたらまた足つっちゃったし。そんなわけでここも更新できてませんでした。どんどん読むべきモノ、やるべきことがたまっていく。でもいちおう仕事は一段落したんで、原稿書きとかにもそろそろ取り組めそうな気配。未読分の本は以下のようなものが追加される。単行本はいずれもbk1からの到着物。

【雑誌】月刊少年マガジン 8月号 講談社 B5中
【単行本】「あかりをください」 紺野キタ ソニー・マガジンズ B6 [bk1]
【単行本】「賭博破戒録カイジ」3巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「クーデタークラブ」3巻 松本光司 講談社 B6 [bk1]

 そういえばbk1は一周年を迎えたらしいんだけど、それを記念してオープン以来の売上ランキングを発表している。これによると、漫画では39位「陰陽師」10巻(作:夢枕獏+画:岡野玲子)が最高。以下41位のCLAMP「ちょびっツ」2巻、95位の浦沢直樹「MONSTER」の16巻が続く。やっぱり漫画の場合は、ネットで買うというのがあんまり根づいてんだろうなあということを感じさせる結果ではある。まあ活字本と違って、漫画は普通のネットでない書店でも比較的探しやすいので当然といえば当然なんだけど。とはいえ、作家別のランキングでいえば4位に高橋留美子、8位に井上雄彦、9位に手塚治虫、10位に岡野玲子と入っているところを見ると、それなりに買ってる人はいるっぽい。

 あ、あとbk1の宅配で16日からメール便を選択することが可能になるらしい。メール便の場合、宅急便と違ってポストにつっこんどいてくれる方式だから、配達時に家にいなくても受け取れるようになるわけだ。これはけっこううれしい。自分でもかなり大量に使っているだけに。

 7月20日に水野純子「水野純子のヘル・ベイビーズ」が発売になるらしい(→bk1)。発行はエディシオントレヴィルという聞いたことない会社で、販売元は河出書房新社らしい。2800円はちと高めだがいちおう購入リストに追加。

【雑誌】YOUNG YOU 8月号 集英社 B5平

 CUTiE comic亡き後、好事家の間でどこへ行くかが話題になっていた羽海野チカが読切で登場。タイトルは「空の小鳥」。フリーで布類小物を作ってる女性とその彼氏のお話。このヒロインが家事もできる可愛らしい女性なんだけど、あんまりきちんきちんとやりすぎててだんだんストレスがたまってきて、といった感じでお話は展開。好感度の高い達者な作画、軽やかなストーリー運びなど、さすがにきれいにまとまってる。ただ、読切だとやっぱいまいちキャラが立ってない感じはする。も少し続けてなんぼかなー。鴨居まさね「雲の上のキスケさん」。裂く中作の「このわたをどうぞ!」がすごく読んでみたい。

【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社 B5平

 今号から新装刊。といっても装丁が変わっただけで、中身は今までどおり。んでもって安野モヨコ「ハッピー・マニア」が最終回。一件落着というか落着してないというか。多少アッサリしてはいるけど、最後までドタバタと楽しかったんで良いんでないでしょうか。三原ミツカズ「DOLL」。今回は廃棄されたドールが、ジジババばかりの農村で、みんなの孫、娘として大切な存在になっていくというお話。なんとなくネタ的には意表をつかれた感じ。「ドールと老人たちのちょっといい話」といった感じかな。

【雑誌】花とゆめ 7/20 No.15 白泉社 B5平

 なんか個人的な好みとしてはいい具合になってまいりました。まず今号から高尾滋の新連載「てるてる×少年」がスタート。現代日本にいるお姫さまと、彼女に仕える忍者・才蔵のラブコメ。才蔵は線の細い眼鏡くん的美少年で、お姫さまのほうもちょっとタカビーそうなお嬢さま。どちらもそれぞれソソるものがあって楽しくなりそう。それから桜井雪の「ショート寸前!」も短期集中でまた連載。前号から望月花梨の連載が始まってるし、次号ではまたもや樋口橘「MとNの肖像」がスタートするらしい。日高万里「世界でいちばん大嫌い」は今回で終わっちゃったけど、羅川真里茂「しゃにむにGO」あたりも好調に推移してるし、全般に充実度が増してきたなーという感じ。

【雑誌】メガフリーク 8月号 フォックス出版 B5平

 久しぶりに買ってみたけど次号で休刊らしいですね。今回のお目当ては粟岳高弘の新連載「増殖改変体第5形態」。のんびりとしたSF風味。主人公の少年が好きな女の子が実は、その街で発生したぬめっとした生物であるところの「坂田生物」と関わりがあるらしく……というところからスタート。奇妙な味と、ちょっといいラブコメ風味がうまくマッチしてて好ましい。でもこれ次号でちゃんと収拾つくんかいな。そのほかにも見渡してみると面白げな作品はけっこう多し。鉛筆描きっぽいタッチが心地いいえびね「Codachito」、線の抜けが良くてきれいなまとまりを見せてる大空とわ「花八代景譜」、ゆるさにセンスを感じるはしもとしん「LDK」など。あと気になったのが、あらすじを見る限り「憧れの一人暮らしを始めた亮太。だが、部屋には戦前あった屋敷のメイドさん幽霊・あやのが住みついていた。(中略)そこに兄想いの妹・加奈、霊嫌いの謎の巫女さんが現れ一騒動!」な大古真己「ぼくのメイドさん」。ほかに必要そうなのは「幼なじみ」「眼鏡っ娘」と、あとえーと……。

【雑誌】コミックオルカ 8月号 司書房 A5中

 BENNY’Sの作品はやっぱりエッチぃなあ〜というわけで「露出マン」。前号でもやってた、眼鏡っ娘さんによるR(露出プレイ)モノ。といってもこれ、あんまり露出狂な人たち的な感じではなく、わりと堂々とした校内輪姦っつー感じか。るりるり「フェアリーテイル−FUTURE−」。いちおうこの一連のアンドロイドとそのマスターによるラブラブH物語の最終回っぽい。80年代〜90年代前半あたりのSF美少女系チックな雰囲気を残した絵柄がけっこう和むし、やることはけっこうやってる佳作でありました。

【雑誌】コミック天魔 8月号 茜新社 B5平

 取り立てて「こりゃすげえ」って感じの作品はないんだけど、全体的にクオリティは安定しててバランスのとれた誌面。ひよひよあたりが華やかな萌え路線を展開しつつ、たいらはじめやあうら聖児がベタな実用路線を担当。巻頭カラーの龍牙翔「がんばりましょう!!」は16ページ全編4色カラー。

【雑誌】MUJIN 8月号 ティーアイネット B5平

 甘詰留太「アキバの休日」。やっぱりいいなあ。南の島のお姫さまと、おつきの男のラブ&Hという感じのお話。女の子の表情がイキイキしてるし、甘さ、アツアツさも十分。古事記王子「チビちゃん教師うさこ120%」は、うさこ先生の昔のお話。でも別に今と変わらず。教師がロリっ娘であるという点は「桃ちゃん先生」を彷彿させるところもあるけれど、こちらはエロもやる。可憐な絵柄とごつごつしたおちんちんの対比がいやらしい。それにしても毎度達者な絵だなあ。見てるだけでも単純に楽しい。斉藤佳素理「オメガの日」。とある少女が授業中に男のちんちんをほうばってるところからお話はスタート。実は彼女は「オメガ」と呼ばれる、各学校に割り当てられている性欲処理用の肉奴隷だったのだ……というお話。彼女に優しくする男も現れるが、彼もしょせんはオメガを人間扱いしてない、というか周囲の目に耐えて彼女を守ってくれるほどでもなく、オメガはいつまでも一人ぽっち。救いのないお話であります。  それからこっちでもたいらはじめはベタなことを……。仕事人ですなあ。

【雑誌】桃姫 8月号 富士美出版 B5平

 木静謙二「Deviation」がいい。眼鏡娘とその彼氏の、放課後の図書館での逢瀬を描く。まあずっとSEXしてるだけではあるんだけど下品にはならず、ちゃんと女の子の微妙な想いが描けているあたりしっかりしている。この人の単行本は出たら買わねば。あ〜る・こが「よりみち」。ロリ対おにーちゃん。ロリ娘がおにいちゃんのおちんちんの先っぽを好奇心に任せてぷにっとつまんだり、ぷにゅーと潰してみたりしてるところが、いかにも子供っぽくてイイ。しろみかずひさ「なぶりっこ」。これまで麻理果は調教されるシーンが目立っていたけど、今回はそのしたたかさが目立った。おそるべし麻理果。それにしても最近の麻理果は、なんかまた愛らしくなってきてるなあとか思う。


7/6(金)……マングローブ根

 ガツガツ苦戦して仕事のほうはようやく一区切り。3泊めまで行ったけど、辛うじて土曜日の朝に帰宅。そしたら学生さんたちの通学時間帯にぶつかっちゃって電車が混んでてもわーんとした気分に。なんか気の利いたことの一つも書きたいけど、ふだんでさえ書けないうえに、今はさらに頭が動いてないのでこの程度で。さーてまた出勤するかねー。いやだいやだ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/27 No.15 小学館 B5中

 画:吉本浩二+作:秋月戸市「こまねずみ常次朗」(監修:青木雄二)。常次朗はマグロ船に乗ることになる。展開としてはなんとも生臭くてエグい。ただ、今回のサブタイトルが「解け始める呪縛」であることを考えると、マグロ船から降りた後あたりから逆襲が始まったり……するんだよね? しなかったら悲惨だなー。作:村上かつら+画:まなべゆう「LOVE?」は第2話。恋人は作れるんだけど、異性の友達は作れないタイプの女の人のお話。きれいにまとまってるけど、インパクトは弱いなーという印象。村上かつらの素朴な絵のほうが、こういうお話はより居心地が悪くなって刺激がありそうな気はする。東陽片岡「お三十路の町」。メンチカツとニラを卵でとじたメンチカツ丼が著しくうまそう。あとネコがええ顔してます。

【雑誌】ヤングヒップ 8月号 ワニマガジン B5中

 充実してるなー。わりと捨て所なくみんないい感じ。まずは井荻寿一「霊能探偵ミコ」。ミコさんがストーカー華月によって犯されそうになってて、すごくソソる。まだそんなにすごいことはやってないんだけどね。セキケン「業!業!ガール」。むちむち肉付きの良い女の子がいいなー。A-10はヤングヒップ初登場。読切「ニードフルシング」。人間フェチの竜と、天然で食いしん坊なお姫さまと、女装フェチの勇者が繰り広げるドタバタHコメディ。つや消し的な質感のあるタッチが気持ち良い達者な絵。ドタバタも楽しいし、お姫さまが竜根をちゅうちゅうしているさまはたいへん気持ち良さそう。

 もっちー「魔法のプリンセスプリティー美沙」。今回、美沙さんはお休みでマジカルあずさが主役。この人にも幸せになっていただきたいもの。絵は濃いけどほのぼの。西川魯介「ラブ装填☆電動ファイター」。今回は新たにレズな眼鏡っ娘登場で、ますます高まるラブコメ風味。くどうひさし「妄想科学少女桜子」。この人のシンプルでちょっとシャレた伸びやかな絵柄はやっぱり目を惹く。単行本が出るくらいまでがんばってほしいところ。

【雑誌】夢雅 8月号 桜桃書房 B5平

 THE SEIJI「瞳ちゃん行政代執行」。自立支援センターという公共の機関の女の子がホームレスの人たちに自立を勧めて歩いているうちに、なんだかみんなで入れる風呂を作ることになり、その後まあエロ漫画だけにそういう展開に……というお話。ムチムチした身体がエッチだし、シチュエーション的にも好み。意外と下卑た感じになってないところが読みやすくて良いです。フジヤマタカシ「マジカルライムパニック」。この人は絵が華やかでいいな。くりくりした目の描き方が特徴的。今回は猫耳な感じの長衣的なものを来た魔女っ娘がかわいいです。

 大規模な凌辱シーンで注目の存在、柿ノ本歌麿「HARD・CORE・ASAKA・SATELLITE」。人気女子アナが大凌辱されるというお話。今回も「会社の同僚と外部スタッフ計百数十名による輪姦か……」などということを、こともなげに呟いてたりします。第2話ってことはまだ続くんだよね、これ。諸井愛「女王様のおつとめ」は、絵柄がこなれててぱっと目を惹く。Hシーンも女の子二重奏でちんちんも多めで充実。


7/5(木)……ヒはヒヨコのヒ

 2泊め。しばらく紙媒体から離れていたこともあり、会社で2泊するのは1年半ぶりくらい。

 太田出版のF&EROTICSの掲示板によると雁須磨子の作品集「ピクニック」は7月10日搬入の12〜13日ごろ発売になった模様。

【雑誌】コミックフラッパー 8月号 メディアファクトリー B5平

 今号は若手作家がええ感じ。

 浅見淳「海へ去る者」。これは絵がかなりいい感じ。ペンタッチが美しくて艶もあって。騎士団、飛空艇、銃などなど、未来的なモノと中世ヨーロッパ的なモノがごたまぜになった世界が舞台。平和な町の保安官とそのなじみの少女に、指名手配犯であるらしいおっちゃん、その追手の女性などがからんで活劇を展開。こういう設定の場合も少し長尺でやったほうがいいような気もするけど、絵が気持ち良くてお話もちゃんとまとまってる。即連載とかにもってっちゃってかまわなそうな完成度。

 前号でフラッパーの新人漫画大賞佳作受賞作が掲載されていた深木紹子が再登場。「よこのひ。」という作品。とある女子高生が目覚めると、なぜか自分だけ重力が横方向に働く状態になっていた……ってところから始まるドタバタコメディ。横方向に重力が働くってことは要するに、ほっとくと横方向にひゅーんと飛んでってしまう状態なわけだ。前号で掲載された作品は絵的には面白いけどいまいちお話が頭に入ってきづらかったが、今回のは着想が面白いしけっこうイケた。あと末弘「推々敲先生」。この人もフラッパーの新人漫画賞出身。怪を封じるのを生業とする僧とその弟子が、魔物と激闘。この人も作画はなかなかのレベル。白黒のコントラストが利いた画面が印象的。ただ、導入部でもっと読者をお話に引き込めるとよかったんじゃないかなーという気はした。

 連載陣。新居さとし「女神の鉄槌」はあいかわらずのほほんとマイペース。カラッと明るくて陰がない。巻中カラーももらってるし、もうすっかり定着してる感じ。それから和六里ハル「魔法のエンジェル グリグリビューティー」。やっぱこの人は、ちょいとHで恥ずかしい衣装を描いてこそ。いやあいいですなあ。竹本泉「トランジスタにヴィーナス」。今回もマイペースにお色気を振りまいてる。おもしろいなあ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/20 No.14 小学館 B5中

 どの作品も安定してクオリティをキープ。でもその分目新しい話題はとくになし。あ、西岸良平「三丁目の夕日」は今回、茶川先生編だ。いいなあ茶川先生。

【雑誌】ヤングサンデー 7/19 No.31 小学館 B5中

 作:七月鏡一+画:藤原芳秀「闇のイージス」。うわー、女の子がすごくいいなあ。吊り目気味のしなやかな少女。いやはや美しい。いわしげ孝「花マル伝」。デュマ戦最高潮。読んでて力が入る。

【雑誌】モーニング 7/19 No.31 講談社 B5中

 田中誠「ギャンブルレーサー」の野球編がまたまたスタート。今回は優坊のラストサマー。またしてもわんさかわんさかブスが出てくるんだろうか。出てくるんだろうなあ。上野顕太郎「ひまあり」が今回は掲載されてるけど、なんかほのぼのしてて地味。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/19 No.31 集英社 B5中

 本宮ひろ志がプロデュースしている作:滝直毅+画:能田茂「どっかん!」。けっこう面白い。本宮ひろ志系らしい、「豪快男」の豪快な行動が痛快。さすがにハッタリぶちかますのはとてもうまい。あと別冊ヤングジャンプの発売は7月10日になった模様。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/19 No.32 秋田書店 B5平

 作:ピエール瀧+画:漫$画太郎「樹海少年ZOO1」。第2回めだけど、こりゃまたブッ飛ばしてるなあ。少年、くしゃみをす。何度も何度もくしゃみをす。なんかもう細かいことなんかいってもしょうがない。ストレートに爆笑。これでもかとダメを押す呼吸、それから表現のダイナミックさ。すげー気持ちいい。ワイルドなんだけど実はテンポとかリズムとかもすごくいいな、これ。松山せいじ「エイケン」。「ラブひな」の例を見るまでもなく、「PEACH!」の例を見るまでもなく、「ぎゃるかん」の例を見るまでもなく、こういう漫画の場合、やはり温泉に行かねばなりませぬ。そして小学生の111cm砲などを景気良く炸裂させなければなりませぬ。作者コメントもいいね。「アシさんとオジャ魔女トーク。ちなみに自分は玉木に萌え〜〜♥」とのこと。素晴らしき天然のエンターテイナーぶりだ(もしこれがすべて計算づくだったらそれはそれでまたすごいけど)。八神健「ななか6/17」。今回は掲載順が一番最後(でじこよりは若干前)。でも雨宮さんの水着姿に心トキめきまくり。


7/4(水)……シャワーセの時間

 なんかこのところ2日に1日は会社泊まりぺース。でも今回は肉体的にも精神的にもツラくはないんでまあいいや。1年くらい前に引っ越してきた社屋にはいちおうシャワールームもあるし。さっきちょっとひとっ風呂浴びてきたので、わりと今はいい感じ。これでビールがあればなー。ビールといえば先月の1日にやったnamashibori.comの飲み屋的漫画話中継、ちかぢかまたやることになりそうです。たぶん11日。俺の誕生日。

 それと未読分。家に帰ってないんでまだよく分からないけど、bk1から出荷報告が来てたんで、今ごろ自宅には以下のモノが届いてるんじゃないかと思います。関係ないけど今おいしい親子丼がむちゃむちゃ食いたい。食いたいなあ。

【単行本】「ナインハンドレッド」3巻 カサギヒロシ 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「シザーズ」3巻 橋口たかし 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「新宇宙戦艦ヤマト」2巻 松本零士 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「殺し屋イチ」10巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「球魂」13巻 岩田やすてる 小学館 B6 [bk1]
【単行本】「電動侍」1巻 花見沢Q太郎 大都社 [bk1]

【雑誌】キングダム 8月号 少年画報社 B5中

 私屋カヲル「青春ビンタ!」。今月は表紙も飾っており非常に好調。たいへん強引な展開でサービスシーンを提供する職人魂に感心。ドタバタラブコメとしても元気がいいし、甘みも十分でとても楽しい。ぞしてやはり大きくて美しい乳は素晴らしい。それにしてもこの雑誌は全体に巨乳率は高い。佐野タカシ「イケてる刑事」とか筆尾悟「渚」とか。

【雑誌】オールマン 7/18 No.18 集英社 B5中

 今号から毎号新連載。8連発だそうな。にわかに活気づいてきたなという感じだけど、これもやっぱりバンチとかがのしてきたことへの危機感の表れだろうか。なんにせよこうやっていろんな雑誌が今までと違ったことをどんどんやってくってのはいいことだと思うんで、とりあえずは歓迎。あとは新連載が面白いものになることを願うのみ。で、第一弾は原案:栗田卓也+構成・画:蔦二郎「跛者と鬼」。時代劇系のお話だが、主人公であるらしいキャラは、信州の山あいの村に封印されている人と鬼の中間のような者。村を狙う野盗も迫っていていろいろと激しく動く話になりそう。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/18 No.31 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」。今回はルシール。オートマータさんたちよりもかなり冷酷でカッコイイ。でも哀しい展開でもある。草葉道輝「ファンタジスタ」。なかなかいい感じで面白い。ファンタジスタ同士の対決にわくわくさせられる。それから田中モトユキ「リベロ革命」は試合に出てなくても要が見せ場を作り、試合がますます面白く。皆川亮二「ARMS」は第四部が完結……まだ先があるのかー。No.33から最終章がスタートするそうだ。なんかこう、最後の敵が「地球が生まれたころから存在している悪の想念の塊」とかではないといいなあとか思ったりしてます。コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」。今回からプニャリンの子供時代。なぜ彼は漫画を描くようになったのか、ペペロンチーニを好んで食すようになったのかとかいうことに迫るらしい。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/18 No.31 講談社 B5平

 ケンカがバカ強くて伝説的なヤンキーにいちゃんが、偶然出会ったアイドルのお姉ちゃんとトモダチになり、それを追っかけて芸能界入り、スタアを目指すというお話、作:吉田滉一+画:椿アキラ「Big Star大吉」がスタート。女の子を描くときの線はわりと細くて柔らかめだけど、基本的には少年マガジンヤンキー漫画テイストを色濃く受け継いでる。ただ、デッカい「!?」とか「!!」とかはとりあえずないようだ。寺沢大介「喰わせモン!」。ラーメンの次はカレー。やっぱりラーメンだけではなく、いろんな料理をやってく漫画になるようだ。


7/3(火)……公権力の乱

 おれたち黄巾賊。えーと入手済み未読物件は以下のような感じ。ゆるゆると読んでいきます。

【雑誌】コミックメガフリーク 8月号 フォックス出版 B5平
【単行本】「坂口尚短編集3 闇の箱」 坂口尚 チクマ秀版社 A5 [bk1]
【単行本】「薩摩義士伝」1巻 平田弘史 リイド社 A5 [bk1:1巻 / 2巻予約

【雑誌】ビッグコミックSPECIAL増刊 8/2 小学館 B5中

 時代歴史コミック特集と銘打たれた増刊で、オール新作オール読切。正直なところ購入時はそんなに期待してなかったんだけど、これがあにはからんや、けっこうイケる。江戸時代がメインだけど、明治大正昭和あり、果ては中国の三国時代ありで意外とバラエティには富んでたりする。

 まず巻頭カラーのさいとう・たかを「刺客 怨み葵」は、駿河大納言・徳川忠永に仕えた実直な男が、その怨みを継ぎ、柳生の草を斬る刺客となるまでを描いた物語。熟練の話運びでサクサク読ませる。駿河大納言といえば時代モノの悪役の定番で、山田風太郎の小説とかにも「御前」とかいってよく出てきまくる人だけど、この作品の駿河大納言はわりといい人っぽい。そういうえば柳生のほうも「桃太郎侍」とかでは悪役だったっけか。

 木村直巳「怪盗ピカリ」。これはやられた。俺がすごく好きな、これやられるとイチコロな時代設定。日露戦争のあとあたり。怪盗紳士な青年と、黒髪のおぜうさまの恋物語。ええとなんていうんですかあのヘアスタイル。んでもって和服でリボンつけてとかいわれた日には、あっという間に陥落。いけだたかし「御存知三国英傑伝 外」も掲載。今回は呂布が主役。なんか顔がつるりとしているせいであんまり呂布感はないけど、お話としてはまとまってて面白く読める。

 平田弘史「大いなる愛の舞」は、親を殺された仇討ちから始まり、数奇な運命をたどった女性剣士の半生を描く物語。さすがにどっしり落ち着いてて読みごたえあり。それにしても巻頭がさいとう・たかをで巻末が平田弘史という固め方は、かなり隙がない。あと全4話掲載されている、むらまつり誠「大江戸つれづれ草子」がいい味。若い大工・信吉が、町娘のお千代と夫婦(この場合は「めおと」と読んでいただきたい)、アツアツの若夫婦時代を経て、歳をとって親として息子を見届けるまでを描く。最初は町娘の様子が初々しくて心惹かれ、最後は人情モノとしてきれいにしめくくり。ほのぼのしっとりしてて短いけどいいお話。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/17 No.14 講談社 B5中

 押川雲太朗「不死身のフジナミ」が巻頭カラーと絶好調。今回は一転、フジナミが窮地というか武器の出どころが抑えられてしまうハメに。全面戦争となりそう……ってもうなってるか。神崎将臣「鋼」。なんかあんまり必然性なさそうなお色気シーンの開き直りっぷりがステキ。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。意外な人間関係が明らかにされたと思ったら、今度はオズにいいよる新たな女の子出現で、合宿編はヒートアップ中。それにしてもこの漫画はいったいどこへ行くのだ。まあ楽しければどこへ行ってもいいんですが。

【雑誌】漫画アクション 7/17 No.29 双葉社 B5中

 あらら。柳沢きみおの新連載がスタートしたと思ったら「翔んだカップル21」でした。リバイバルブームもここまできた。でもよく考えてみると、俺自身は「翔んだカップル」ってちょっとしか読んでないような気がする。まあ20数年ぶりの復活らしいので当然といえば当然なんだけど。ラブコメというジャンルは同時代性が強いので、連載終了後、読み返されることは少ないような気がする。この作品にもそういったところはあるかも。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。菜々美は自分は痴女にはなれないといってるけど、最初っから十二分に痴女だと思う。ツッコミどころ多数。しかも多数の人にツッコまれております。

【雑誌】コミックバンチ 7/17 No.8 新潮社 B5中

 バンチは最初っから、適度に作家さんを休ませていくことで品質の維持を図るという方針を打ち出していたのだが、個人的には原哲夫と北条司という二本柱にそれをちゃんと適用できるかどうかを心配していた。ところがびっくり。今回から「公権力横領捜査官中坊林太郎」を復刻掲載していくことにより、原哲夫の不在を原哲夫で埋めるという戦略に出た。原哲夫自身も目に病気を抱えているそうで、いずれ休みはとっていかなくてはならない状況らしい。戦略としてはなかなかうまい。

 ギャグものの新連載、坂本タクマ「屈辱er大河原上」がスタート。上から見ても下から見ても顔に見えるってな感じの容貌をした男、大河原上を主人公とした作品。自動販売機のジュースをとるのにかがむとかいった行為からも屈辱を感じ、それを肯んじない誇り高すぎる男。とりあえずキャラは立ってる。バンチには骨休みできるギャグ作品がこれまでなかったので、いい箸休め的存在になってくれるといいんだけど。

【雑誌】アックス Vol.21 青林工藝舎 A5 [bk1]

 またサブカル色が強まり気味かな〜。今回良かったのは西岡兄弟「釣り師の悩み」。釣りに出かけようと思った男が、段取りがまく行かずに町をさまよい歩くといったお話。各場面が少しずつおかしく、それが積み上げられて全体として非常に奇妙かつファンタスティックな様相を呈している。一枚絵としても雰囲気のあるような絵柄も見てて面白い。それから松井雪子「渋谷くるくる寿司」。「マヨネーズ姫」のシリーズであるっぽい。けっこういろいろなタイプのお話を器用に描きこなしちゃう松井雪子だが、今回は不思議ファンタジーモードなほう。幻想的かつ絵柄はキュート。こっちのモードはすごく好きだー。

【雑誌】マンガ・エロティクスF Vol.6 太田出版 B5平 [bk1]

 駕籠真太郎「六識転想アタラクシア」が最終回。これは今月単行本が出るんで、それでまとめ読みするのがよろしかろうと思う。まとめ読みするとかなりクラクラ来そう。安田弘之「紺野さんと遊ぼう」。今回は紺野さん、好みのタイプの仏像を摸索。変わった娘さんだが愛らしい。松本耳子「ポラロイド」。短期でやってきたイケてる実習生に女子高生がまとわりつこうとするも、その実習生もなんだかけっこうチャラくて女先生とかほかの女生徒とかとやりまくりだったりして、彼女の男ゲットの野望はなかなか満たされないのでありました、というお話。微笑ましくまとまってて楽しい。この人はなんか汎用性広そうな作風だから、も少し活動範囲広げてメジャーな方向行っちゃってもOKっぽい気はする。女性誌ならFEEL YOUNG、男性誌ならアニマルかヤングキングあたりが似合いそう。

 華倫変「ねむる部屋」。なんかすっかり定着しつつあるような。何はともあれ、華倫変の作品がちょくちょく読めるのはすごくうれしい。で、今回は、インターネットの女の子生活ライブ中継なバイトでお金をもらってるものの、部屋の中で全然動こうとせずごろごろしてるだけの女性と、その雇ってる会社の従業員のお話。あんまりにも動かない彼女は絵面的につまらんということで、この従業員は彼女とセックスすることになるも、引きこもりの女性の意外なたくましさに遭遇……といく感じかな。全体に空気がのったりしてて読んでいると妙な気持ちの良さがある。

 月子「泥」。筆だか筆ペンだかのタッチが自然な感触で気持ちいい。犬彦・フィッツジェラルド「ランドスケープ」は、カラーが異様にうまい。現代の恋人っぽいテイストがかっこよく描けているように思われる。巻末ではみぎわパンの4色カラー4ページ漫画「からだとわたし」が掲載。いろんなものをごった煮で詰め込んだ画面は見てて単純に楽しい。で、今回は卯月妙子と南Q太がお休み。

【雑誌】エンジェル倶楽部 8月号 エンジェル出版 B5平

 巻頭カラー、ミルフィーユ「大切な時間」は母子相姦モノ。肉付きむちむち、エロシーンのボリューム感もばっちり。この人けっこう安定してエロいな。なんか今回はやけにかわいい絵柄から入ったなと思った奴隷ジャッキー「会長!! どうします!?」は、途中からやたらテンションが上がる。生徒会長さんがHなことして絶叫。「おまんプー!!」。「我慢できんから!!」「できんマン!!」「マンマン!!」「我慢マン!!」……。すごいぜ。この人の漫画はホントに面白いので、そろそろまた単行本出してほしいところ。

 中華なると「檻護婦冴子」後編。看護婦さんが院長に調教されてるお話。絵柄は比較的あっさりしてるわりにセリフがねちこくていやらしい。なんかすごくセリフ回しがエロ小説的だ。あとでんでんま「ぬるみDEレッスン」。この人はわりと新鋭な人だと思うんだけど、けっこう気に入っている。ぷりぷりとボリュームがあr絵柄は明るく華やかで楽しげ。さらにエロシーンの充実ぶりもけっこうなもの。寸詰まり気味でお乳がおっきすぎなクセのあるボディラインもインパクトがある。ええ感じなので、またちょくちょく登場してほしいところ。


7/2(月)……生ハム喰らってろ

 寝床でせこせこ文章を書いていて、ちょっと一息ついて目を閉じたらあっという間に気絶。気がついたら出勤時間。だらだらと仕事しているうちにまた泊まり。またしても職場でコレ書いてるなり。なんか一日一日の印象が薄いぜよ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/31増刊 新僧 小学館 A5平

 IKKI、山田X号に続いてまたしてもスピリッツの増刊が増えた。スピリッツ系の若手をごちゃごちゃと集めてきて発表の場を与えるという本。なんか珍しい人がいっぱい描いてて、個人的にはなんかほくほくしてしまった。執筆陣とタイトルは以下のとおり。

 乗附雅春「中途退学物語」 / 池田圭司「ネル」 / ツギノツギオ「スッパニタータ」 / 見ル野栄司「マンガンブラザーズ」 / 白發中也「カスミガウラー」 / コンダレーシング「ビリヤードスター」 / 上西淳二「柔道山脈大俵」 / 中村裕「リーゼント2001」 / 西崎泰正「ジャイアンツの星」 / 耳原一雄「Eの食卓」 / 橋口コウジ「紅葉〜kureha〜」 / いわしたしげゆき「潜水少年」 / 堀内浩樹「大脱走」 / 三浦明「十手無用」 / 上野景照「Blue.Blue」 / ユタ「ハンプ」

 この中で取り分け目を惹いたのが、知能を持った邪悪な猿と人間の闘いを描いた怪作「サルハンター」で知られる(あんまり知られてないか)、ツギノツギオの「スッパニタータ」。コレはかなりスバラシイです。シャカの生涯を漫画で読んで心打たれたアブない少年が、性欲のほとばしりに悶々とし続けるという作品。とにかく主人公の少年の造形、言動、行動、すべてにクセがありまくり。絵柄もそう。妙にアンバランスで、かつギラギラしたものがあって、得も言われぬ迫力。少年が悶々としているさまはかなり生臭く、むんむんくるものを感じる。この人はやっぱりスゴいと思う。一般受けは絶対しないけど特殊系なモノの愛好者は間違いなく吸い寄せられるものを持ってる。

 それからいわしたしげゆき「潜水少年」。「放課後戦隊ゴタッキー」のそらみみくろすけなんで全然若手じゃないんだけど、まあそれはいいとして。この人が今も漫画を描き続けてくれてるってのはうれしいなあ。お話の内容としては、若手漫才コンビの青春ストーリーという感じ。ちょっと意外性もあるし、ラストはきれいにまとまってる。乗附雅春のうだつのあがらない男子のお話、「中途退学物語」は飄々とした感じがなかなか楽しい。全般的に小学館メジャー系の若手だけあって、けっこう読ませる人が多くてけっこう面白い本だった。メジャー系で週刊連載とまではいかないけどって人たちの作品を読めるというのはありがたい。定期的に出してほしい……と思ってたら、ちゃんと8月31日に次号が出るとアナウンスされている。たぶんさほど売れる雑誌ではないと思うんだけど、種まきだと思って気長に続けてほしいもんです。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/16 No.31 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」。なんか毎度書いてるけど毎度面白いな。出てくるキャラ出てくるキャラみんな濃い。リアクションも笑えるし。プロレスシーンは今回ないけど、試合前の入場だけでも楽しませてくれる。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。生ハムのすげーいい奴であるらしい「クラテッロ」がえらくうまそう。食いてー。それにしても何日か取材しただけでイタリア対決とかしちゃうあたり、なかなか大胆だ。作:矢島正雄+画:環ちひろ「365歩の竜太」は最終回。サラリーマン漫画ながらベタベタしたとこがなくてけっこう面白かった。

【雑誌】ヤングマガジン 7/16 No.31 講談社 B5中

 こしばてつや「LOVE GOD」が最終回。最後もしつこく、でもそれなりにスッキリとおしまい。この漫画、どんどん濃くなっていっててけっこう好きだった。なんとなく村生ミオにも通じるような脂っこさがあって。こういう読むと強烈にイヤな気分になれる作品は、刺激的でいい。古谷実「ヒミズ」連載再開。今回も煮詰まってる。うーん、どうなっちゃうんだろう。先がすごく気になる。藤寿男「佐藤陽一(24)」。「湾岸ミッドナイト」の代原っぽい。この人の絵ってあっさりしてるけどけっこう味があって好き。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/16 No.31 集英社 B5平

 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。ヒカルの成長ぶりが頼もしい。でもその成長が、佐為を必要としなくなるということを意味しているあたり複雑。成長の気持ち良さと別れの予感を同時に進めていくってのはうまい。島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」。今回なかなかシュールで面白かった。というか一時期ダレ気味な感じだったんだけど、ここのところまた盛り返してきてるような気がする。新人・大場敦の読切「STARTING POINT」は、人間に捨てられたゴミ処分場で暮らしていた人形たちが織り成す物語。まだ荒削りだけど、お話としてはけっこう読める。


7/1(日)……アマゾーン23

 あ、スピリッツ増刊「新僧」買ってなかった。まあいいや。明日明日。

 bk1ブリーダーズプログラムの売上報告6月分が到着。なんか伸びてます。売買成立件数63件/売上額6万4306円/ポイント1929。先月に比べるとポイント的には7割増くらい。それより何より売買成立件数が3倍くらいになってる。手間のわりに2000円分にもなってないんだから非常に効率は悪いんだけど、なんだかんだいってモチベーションは上がる。内訳見ると、なんかウチで紹介してない本が半数以上だったりするのが不思議だったりはするんだけど。

 ただ、bk1の場合は品揃えがいまいちなのが気になっている。とくにネットでない普通に店構えている書店で置いてないようなマイナーなエロ漫画とか、そういうのに限ってデータがない。書影もあんまりないし。オンライン書店としては、データベースの充実ぶりといいコンビニで受け取れる発送システムといい、eS!BOOKSが最強だと思う。例えば新井英樹で検索すると初単行本の「八月の光」とかまで出たりするし。アレは著作データベースとしても有用。でもeS!にはサイト提携プログラムがないからリンク張りへのモチベーションが上がりにくい。てなわけで間をとってAmazonのアソシエイト・プログラムという奴の申し込みをしてみた。まだ使いやすいかどうか全然わからんので、とりあえず今までbk1に置いてない本をカバーするためにeS!に張ってた分をAmazonのほうでやってみて、それでちょっくら試してみるつもり。

 とはいえbk1のほうにもいいところはあるんだよね。最近個人的にもよく使っているけど、AmazonやeS!よりも予約で買える本の種類がだいぶ豊富。それから通しモノの全巻注文用のデータが用意されているのも魅力あり。ほかのとこだと「ピース電器店」24巻一気買い〜とかいうときは24ページ分アクセスしなきゃならないっぽいので、これはちとめんどくさい。1巻ものが多い小説の場合はともかく、シリーズものが多い漫画の場合はかなり便利な機能だと思う。eS!BOOKSに予約と一気買いの機能がついて、ついでに使いやすいブリーダーズプログラム的なものがあったらまず間違いなく乗り換えるんだけど。以前eS!でもアフィリエイト・プログラムっていうのをやってたけど今なくなっちゃったし、実際使ってみたけどアレはかなり使いにくかったんだよね。どこもなかなか理想通りにはいかないもんです。

【雑誌】ステンシル 8月号 エニックス B5平

 天野こずえ「AQUA」は表紙に名前は載ってるけど休載。南京ぐれ子「QPエンジェル」。かわいい女の子が主人公なわりに、もりもりタコ焼き食いまくり。勢いあって楽しかった。それと読切の霜月かよ子「晴れのちのち雨」は、初々しい恋愛模様の描写に好感が持てた。あとはちょっと毒気ありのギャグモノ、エノロッコ「ベイビートロンン」は2本立てとなっている。

【単行本】「女大太郎」全6巻 出口竜正 講談社 新書判 [bk1]

 以前から気になっていたものの単行本は買ってなかったのだが、気になるんだったらやっぱ買いだよなあとか思って一気買い。読んでみると分かるんだけど、とにかくこんなおめでたい漫画はなかなかない。主人公の大太郎はフツーの男の子だったのだが、実は自分が日本で唯一、一夫多妻が認められている女家(そういう名字なのである)の次期当主であることが告げられる。そして腕っこきの美人4人の婚約者をつけられ、彼女たちと共にいろいろな修行を繰り広げるのだーとまあそういう漫画。この大太郎は女の子の涙を見ると、「怒張」という状態になってスーパーパワーを発揮したりするのだが、怒張すると身体がカタくなったり大きくなったりもうタイヘン。

 出口竜正は以前からけっこうHな絵描く人だなーと思ってたけど、この作品に出てくる女の子もみんなムチムチ。画面的にぱーっと華やかで明るくダイナミック、このうえなく元気良し。展開がどんどん大きくなっていくのも痛快。後半なんて競技場に集まった女の子4万人のスカートを、手を使わずにまくる競技とかやって「4万パンチラ〜」とかいってるし、怒張で地球を救ったりするし、ボディビル=ゲイツなんて怪人が出てきたりするし、まあホントにやりたい放題。各所のこまごまとしたギャグなんかもヒット率が高く、実に愉快痛快。こーゆースケールの大きい馬鹿漫画は大好き。いや〜買って良かった。

【単行本】「ちょびっツ」2巻 CLAMP 講談社 B6 [bk1]

 通常版。この巻では最初の「美少女型パソコン」が「落ちている」という設定に対する衝撃も多少緩和され、だいぶ落ち着いてきた印象。その分、ちぃやらそのほかの登場人物に対する掘り下げが進んできている。ちぃやらノートパソコンやらのキャッチーなキャラでまずはぐぐっと読者を引き込んだけど、単純な萌え漫画では終わっておらずけっこう読ませる。うまいです。


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