2001年5月中旬


5/20(日)……蒸気王版

 とくに外に出ることもなく寝たり飯食ったりって感じでした。

【単行本】「夜の童話」 紺野キタ ポプラ社 B6 [bk1]

 同人誌に掲載された短編をまとめた単行本。とても完成度の高い、柔らかく暖かく美しい、上品な絵で紡がれる物語は、絵のイメージそのままに丁寧で優しいものが多い。この人の作品を見ていると、本当に「きれいな漫画」を描く人だなーと思う。きらきらと柔らかく輝くよう。「出てくれて良かったなあ」と思えるいい本です。

【単行本】「生きる 村田藤吉寡黙日記 増強版」 根本敬 青林工藝舎 A5 [bk1]

 1986年6月刊の「生きる」、1986年10月刊の「生きる2」の内容に、これまで単行本未収録だった作品を加えて全426ページと増強された。お人よし、人付き合いは下手、冴えないルックスの中年サラリーマン・村田藤吉の生活を描き続ける作品なのだが、どんなヒドい目にあってもとことんいい人である村田藤吉、およびその一家の暮らしぶりの救いのなさはかなりすごい。家族のほぼ全員がそれぞれの属するコミュニティ内でイジメを受けているし、ヘンで厚かましい奴らによって理不尽な迷惑を被ってばかりだし。村田藤吉さんは、毎日同じ時間、同じ場所で金を脅しとり続けるヤツをじっと待ってあげたり、大したことでもない親切に恩義を感じて転生しても自分の身を捨てて恩返ししたり、あまりにもいい人すぎる。それなのに、まったく報われることのない姿に人生の無常を感じずにはいられない。それにしてもこのボリュームでずっと「いい人がまったく報われない話」を読み続けてると、さすがにくらくらする。スゴイ本だ。

【単行本】「福神町綺譚」3巻 藤原カムイ 集英社 A5 [bk1]

 読者参加型コミックとして始まった福神町プロジェクトも、いちおうこれにてひとまず漫画のほうはお休み。しばらくはWeb(FRANKEN)のほうがメインとなる模様。参加した人が出したアイデアが漫画の中でさまざまな形で活用されていく様子は、参加者的には「次はどうなるのかな?」という楽しみがあって面白かった。その反面、Webとかを見てない人にはよくわからんという状態だったかもしれない。でもヴィジュアル面はすごく美しい。街の風景は隅々まで描き込まれているし、統一されたイメージは魅力的。あと、オスマンのほうは単行本データを追加しておきました。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」23巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1:1〜23巻/24巻予約

 ラス前。というわけで次の巻である24巻は、ほぼラストエピソード8話で占められることになりそう。最終巻近しという感傷は抜きにして単行本を読み返してみてもやっぱり面白い。一話一話、笑いありラブコメありで、アクションもワクワクするしホームドラマとしてもほのぼのしていいし。すごく良心的な作品。23巻データをオスマンのほうに追加。

【単行本】「首代引受人」 平田弘史 リイド社 B6

 後書きによれば、1971年芳文社の「コミックマガジン」に発表した「約束手形」と、その2年後にベストセラーズ社「ベストセラーズ」に掲載された「首代引受人シリーズ」を1冊にまとめた本。奥付を見ると初版年月日は1999/11/27。bk1のほうには在庫がなかったので、eS!BOOKSのほうにリンク張っておきます。

 物語のほうはアフタヌーンにまれに掲載される「新首代引受人」同様、戦国の世が舞台。いざというときに金がものをいうのは、現代も戦国の世も同じ。戦場においても、金を払うことを約束する手形と引き換えに命乞いするという行為は行われており、このときに約束された金のことを「首代」と呼んだ。その首代を、実際に約束した人間の代わりに取り立てるのを生業とするのがタイトルにもある首代引受人。「新首代引受人」では首代半四郎という侍が主役だが、こちらの単行本でも「首代引受人シリーズ」に彼が登場する。とはいえ、「約束手形」のほうでは半四郎は登場していないし、「首代引受人」シリーズでも半四郎が名乗る場面は少ない。

 雑誌掲載時の1971〜73年あたりは、さすがに今のようにMacはないので当然のことながら手描き。平田弘史の雄渾なタッチはこのころから健在で、堂々とした風格がある。殺陣のシーンもかっこいいし、首代を巡る悲喜こもごもの物語もドスンとくる読みごたえ。このころから面白いけど、「新首代引受人」になってからはさらにバッサリとくるキレ味が増していて気持ちいい読み心地になっているな、と思う。何はともあれ首代半四郎のルーツを知りたい人はこちらもどうぞ。


5/19(土)……特記事由

 新宿で軽く呑む。暑くなってきたのでビールがおいしいのだが、入った店が冷房きかせすぎだったのでちょっぴりもったいなかった。

 本日購入したうち未読分は以下。OURs LITEは早売りで購入。「月にひらく襟」はbk1で予約しておいたのが到着。これまで単行本未収録だった「回旋塔」「雲母王子」を新たに加えた改訂版とのこと。くー、青林堂/青林工藝舎の改訂版攻撃にはいつも泣かされるぜ。

【単行本】「夜の童話」 紺野キタ ポプラ社 B6 [bk1]
【単行本】「月にひらく襟」 鳩山郁子 青林工藝舎 A5 [bk1]
【単行本】「生きる 村田藤吉寡黙日記 増強版」 根本敬 青林工藝舎 A5 [bk1]
【雑誌】OURs LITE 7月号 少年画報社 B5中

【雑誌】ウルトラジャンプ 6月号 集英社 B5平

 あら、竹下堅次朗「Happy World!」ってもう1年もやってるんだ。最近ロリ漫画を思う存分描いて欲求を発散しているせいか、こっちも好調になってるような気がする。今回の扉ページは登場女性キャラが緑色のメイド服で揃い踏み。すごい漫画、介錯「魔法少女猫たると」は、今回もなんだか好調な感じがする。俺がときどき気になることの一つに漫画作品の「第x話」の表記の仕方があるのだが、まじかるにゃんにゃんの場合は「にゃーの1」といった具合。花見沢Q太郎「BWH」。今回から3号連続で演劇部編。演劇部のみんなが食中毒で倒れちゃったので、ベルウッドハウスのみんなで代わりに舞台をやるというお話。序盤でいなくなるだけあって、本来の演劇部のみんなの描写は、いい加減を絵に描いたかのごとし。このくらい力が入ってないと笑えるのでいい。それとは対照的に女の子はとてもかわいいなあ。

【雑誌】月刊サンデーGX 6月号 小学館 B5平

 みやすのんきが新連載。タイトルは「特機獣サツキ」。研究者の父を持つ少女が、父の発掘したミイラの手によって変身し迫り来る敵たちと戦うことになる、ちょっとオカルトっぽさもありのアクションものといったところ。こいずみまり「LET IT BE!!」。お嬢さまルックスの持ち主、桜小路さんが出てくるとラブコメムードが一気に高まってすごくいい。もっともっと桜小路さんを!! 落合尚之の読切「圧勝デモクラシー」は、ケンカで勝てば都知事……という未来の選挙戦を描くバトルもの。今号は前編。

 今号は全般的にぺースゆるめでいまいち。次号から始まる陽気婢の新連載「ロケハン」に期待かな〜。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 6月号 竹書房 B5中

 今号で目立つのは、単行本W発売記念のあっきう&みずしな孝之合作漫画「サボキャッちゃんだもん」かな。「サボキャン」と「あっちゃんだもん」をミックス。それにしても4コマ漫画雑誌の感想を毎号書くのは難しい。面白いと感じる作品はだいたいいつも一緒なんで。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/5 No.11 小学館 B5中

 汁は好きだがシールも好きだ!! というわけで今号はシールが付いてるのがうれしい。あ〜シールはいい。貼れるし。ほとんどが村松誠描くところの表紙絵なのだが、作家陣のシールも数枚。とくに西岸良平「三丁目の夕日」が4枚あるのがいい。で漫画のほうだが、今号も安定しまくりな誌面。あえてコレといいたくなるような目立つ作品はないんだけど、どの作品もいつもと変わらぬレベルをキープ。

【雑誌】花とゆめ 6/5 No.12 白泉社 B5平

 毎度書くけど、樋口橘「MとNの肖像」が好きだ。今回はM少女みつるの兄(美形)が出てきて、ナルシス夏彦くんの心は穏やかならず。みつる兄も美形ながら、これはこれでまた変態であるようで、あれやこれやとドタバタ楽しい。ラブをすっかりコメディにしちゃうセンス、テンポの良さ、ええですのう。あとは日高万里「世界でいちばん大嫌い」あたりを面白く読む。


5/18(金)……オータム小茄子

■八千一
 Java版のPC-8001エミュレータが公開されております。以前から公開されていた『カセットテープの音をWAVにしたものを、PC-8001エミュレータ用の「CMT」形式に変換』するツールも含めてすげー。

■本日購入未読分
 以下のとおり。ウルトラジャンプは定期購読の早着。

【単行本】「SLAM DUNK 完全版」#5〜6 井上雄彦 集英社 A5 [bk1]
【単行本】「福神町綺譚」3巻 藤原カムイ 集英社 A5 [bk1:3巻未入荷]
【雑誌】ウルトラジャンプ 6月号 集英社 B5平

【雑誌】ビッグコミック 6/17増刊号 小学館 B5中

 表紙を見ても増刊と気づきにくい増刊。下手すると中身を見ても気づかない人がいたりして。

 オガツカヅオ「いついたるねん」が今回もいいなあ。霊が見えすぎてしまう体質の主婦・明日香、それから彼女にとりついた霊の少女を中心としたドラマ。今回は明日香の親友のこどもが貯水池に落ちたまま浮かんでこないという事件が起こり、彼女がその親友の家を訪れるところからお話が始まる。じっくり読ませていくお話の進め方はなかなかのもんだし、途中までの違和感を「ああ、そうだったのか」とスッキリさせる終盤のヒネリにも唸らされるものがあった。地味だけどいい作品を描く人だ。藤子不二雄A「サル」連載再開。毎度のことではあるが登場人物がヤケに濃い。スキンヘッドの女性コーチ・エンゼルは、戦隊モノの女司令官をやっても似合いそうだ。岡崎二郎「時の添乗員」。今回もきっちりまとまったショートストーリー。5月20日発売のビッグコミック本誌にも登場するとのこと。

【雑誌】エンジェル倶楽部増刊 Pure club Vol.1 エンジェル出版 B5平

 エンジェル倶楽部の増刊。「Pure club」という雑誌名を見るとヌルめなのかなと思っていたのだが、本誌同様エロは濃いめ。違うところといえばあずき紅などの、エンジェル倶楽部で最濃層は描いていないので、ちと若向けになったかなというくらい。で、漫画の執筆陣はミルフィーユ、鬼窪浩久、草津てるにょ、灰司、土師キューブ、奴隷ジャッキー、きゃらめる堂、ますやまけい、まあみ、ねりまよしと、笑花偽、unimaru。

 まずは巻頭カラーのミルフィーユ「悪友天使」からしていきなり濃いめ。放課後に男友達4人と一緒に、いつも「お楽しみ会」と称して4人のおちんちんをしゃぶる集まりを開催している女の子のお話。この娘は別にいやいややっているわけではなくて、その行為および男子の反応を見るのが大好きなのだ。途中から、ある事件によって女の子のおっぱいが大きくなったり、サービスたっぷり。似た路線ではあるけれど、あずき紅あたりと比べるとミルフィーユのほうが読後感爽やか。草津てるにょ「XXXメイミーちゃん♥」。変身少女エロエロ譚。けっこうこの人、バカ漫画っぽいのも描くのね。でもエロのほうも、肌ツヤの良い女体をもみくちゃにしてて充実。

 奴隷ジャッキー「おたんこ」。タイトルからピンとくるだろうけど、ナースものである。破滅的にドジなナースが患者さんによってたかってやられちゃうというお話。この人の作品は、ほっぺたぷにぷにかわいい絵柄でありつつ、やたらテンションが高いのが素晴らしい。怒濤のノリで一気に押し切っちゃう。「おたんこのクセにこの柔っこさ…たまんねぇ!!」←こういうセリフが好きです。もちろん「ヌポヌポぉ! ヌッポリンコぉぉお!!」みたいなのはもっと好き(今回はそこまでのはないけれども)。

【雑誌】ばんがいち 6月号 コアマガジン B5中

 むむっ。みかん(R)原作のアニメーションですと! 「STAIRS」が5月21日にVHS&DVD同時リリース。……その前に単行本出してよ。

 巻頭カラー、野田ハヤテ「射研ハヤテ」。労働支援用の美少女型ハイテクマシンによって仕事を奪われる経理部の男たちの物語。ノリ良く馬鹿なことやっててけっこうイケる。Hシーンになだれ込む展開やらラストのオチなど、かなり意味なさげでステキだ。ZERRY藤尾「忍者松本」。少女漫画家兼忍者な松本健の活躍を描く。忍者の任務が下らなくて良い。設定的に奇を衒いつつ、テンポ良く読ませる腕前はさすが。細かいことだけど「裏切り御面」は「御免」が正しいのではないかと。大見武士「おひっこし」。引越作業の最中にアツアツ気分が高まってしまうカップルのお話。ラブコメ臭が濃密でうれしい作品。ばんがいち漫画大賞からのデビューらしい。

【雑誌】銃漫 VOL.2 松文館 B5平

 御形屋はるか「そらとかのじょとぼうたかとび」。短いけれどもいい。家でおっさん相手の売春をさせられている少女の、ちょっと切ない想いを描いている。かわいいシーンでもエロいシーンでも効果的な柔らかい絵柄。この人のガッツンガッツンなエロも読んでみたくはあるが、そういうタイプでもないかな。A・浪漫・我慢「MY KID SISTER」。やっぱりうまい。この人はどの作品読んでもハズレがないな。今回は、才色兼備だったけど入院して子供のようになってしまった姉の見舞いに甲斐甲斐しく通う妹さんのお話。健気ではあるけれども、その陰にはなんともいえない複雑な気持ちもあって……といったところ。あじまる「忍者尻風録」。今回も丸顔のキャラたちがたいへんカワイイ。ショタっ気もあってトキメキいっぱい。何下にエロもしっかりやっている。中村みずも「BIRTHDAY PRESENT」は、鉛筆描きであるらしいタッチが美しく、うまいなーという感じ。

【雑誌】コットンコミック 6月号 東京三世社 B5中

 今号は隔月掲載の駕籠真太郎登場号。「駅前未来」。このところの駕籠真太郎は絵がずいぶん洗練されてきている。昔のクールな絵柄も好きだったが、今は女の子がかわいくなってきてちとオシャレだ。今回の内容自体はネタの羅列的になっちゃってて、お話としてのまとまりはいまいちかなといった感じ。


5/17(木)……園児はNG

 本日購入したもののうち未読分は以下。サンデーGXは定期購読のが発売日前に到着。ばんがいちは買い忘れ。

【雑誌】コットンコミック 6月号 東京三世社 B5中
【雑誌】銃漫 VOL.2 松文館 B5平
【雑誌】月刊サンデーGX 6月号 小学館 B5平
【単行本】「おまかせ!ピース電器店」23巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1:1〜23巻/24巻予約

【雑誌】別冊ヤングマガジン 6/1 No.020 講談社 B5中

 巻頭カラーで小松大幹の新連載「ネオジバン」がスタート。以前連載された「薄情青年」が青臭くもすごく面白かっただけに、この作品にも期待してしまう。お話としてはボクシングの期待の星が、なぜかキックボクシング界に入れられちゃって悪戦苦闘するというものらしい。作:筒井康隆+漫画:山崎さやか「NANASE」。「七瀬ふたたび」の漫画化だが、山崎さやかのうまさが光っている。どういう経緯でこの組み合わせが実現したのかは知らないけど、山崎さやかはかなり適任だったと思う。それから前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」が最高。きっと描いててすごく楽しかっただろうと思う。もうノリノリ。今回の繋ぎ女はヒーローショーでスネークマンピンクを演じる女性。アトラクションの会場が戦いの場と化し、破武男大活躍。え〜と、コレはちょっとネタをバラしたくないな。伝授シーンも実にスペクタクルでお見事でありました。

 こうのこうじ「ピンクとレッド」。ヘンな作風でたいへん惹かれるものがあった。クラス内でハブにされている地味な眼鏡娘が、彼女に萌え萌えになり自室に招いて戦隊モノのコスプレをさせるようになった教師によって自分の居場所を見つけていくというお話。どう見ても先生はオタクで変態なのに、それでも癒されちゃう女の子がかなり天然でヘンだ。だけどいいお話であるところがまたヘンだ。いいなあこの人。こういう人が出てくるからヤンマガの別冊は好きなのだ。野部優美「ノー・サレンダー」前編。実際に網膜剥離から復活したプロボクサー・飯泉健二の生き様を描く実録モノの模様。かなり力強い作風。飯泉健二と野部優美のツーショットの写真が掲載されてるんだが、最初、野部優美のほうがボクサーかと思った。名前は女みたいだが作家自身は男である模様。ベンチプレス130kgを上げるんだそうだ。  

【雑誌】ヤングサンデー 5/31 No.24 小学館 B5中

 すごいベタなネタから入った遊人「PEACH!」。相変わらずすごい漫画です。なぜオナニーしてるんですか、この女子は。そして温泉行くのにどうしてそんな格好してるんですか、このコスプレ少女は。山田玲司「NG」最終回。いま一つ地味なまま終わっちゃったかなーという印象。

【雑誌】モーニング 5/31 No.24 講談社 B5中

 国友やすゆき「コッコちゃん」。なんか期待どおり、お色気ありのベタな展開になっていてうれしい。さすがに国友先生、期待を裏切らない。高梨みどり「Order-Made」。手堅く面白いな〜。きっちり人間ドラマを作って、服の話をうまいこと絡ませている。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/31 No.24 集英社 B5中

 作:滝直毅+画:能田茂「どっかん!」が新連載。高校野球→メジャーリーグと活躍した主人公が、日本に帰ってきて野球をやるのかと思いきやいきなり政治家に転身……という破天荒な男物語になるようだ。で、この作品、本宮ひろ志がプロデュースらしい。ベテラン漫画家がこうやって若手のバックについてなんかやってくっていうのはけっこういいんじゃないかと思う。最近余計なお世話であるとは承知しつつもちょっと考えているのが、ベテラン漫画家が第一線を退いた後、プロスポーツのコーチや解説者みたいな形で漫画に関わっていくことはできないだろうかということ。創作能力が衰えたからといって、即漫画界から消えたり、だらだらとその状態のまま描き続けていくというのももったいないし寂しい。後輩の指導や漫画に関する解説といった場面で、ベテラン漫画家および編集者の豊富な経験を生かしていくとかいうのもあっていいような気がする。そういった観点から見てプロデュースというのは、何やってるんだか分からないけどちょっと面白い形態なのかもしれないなあと思ったしだい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/31 No.25 秋田書店 B5平

 近代麻雀系の雑誌で麻雀漫画とか、ヤングキングで「間男」を描いていた沖田龍児が登場。新連載「家族のオキテ」。桁外れの乱暴者である少年が主人公。で、彼がとある保護司の家庭に引き取られていくのだが、そこには元からいたその家の子供やら主人公と似たような不良たちがいたりして、なんかたいへんなことになりそうな気配……という出だし。脂っ気が多めでなんだかあれよあれよという間に読ませてしまう沖田龍児の作風は、確かにこの雑誌に合ってるな、という気がする。伯林「しゅーまっは」。うお、まはにこんな萌えアイテムを追加するとは。やってくれるな〜。八神健「ななか6/17」。元の状態に戻ったななかはまた周りの人たちから嫌われだしさてどうするといった展開。そろそろクライマックスが近いのかなあ。松山せいじ「エイケン」。どこをどうしたらそんなとこにウォーターベッドが。111cm小学生を今週はチェキするといいらしい。111cmって、もしかして身長より上ってことはあるまいな。

【雑誌】コミックメガストア 6月号 コアマガジン B5平

 まずは、彼氏に裏切られた女の子が教師のオモチャにされる鬼ノ仁「SWITCH」で、巻頭からばっちりエロい。それからラブラブさ加減がすごく気持ち良かったたちばなとしひろ「ハッピー☆トラップ」がハッピーエンドを迎えた。最後まで楽しく、かつ甘く気持ち良く、いい連載だった。みなずきぽぷり「巴ちゃんよく来たね」は、かなりエロチックなロリもの。局部描写とかねっちりしててかなりエッチい。西安「THE 不思議の家」は相変わらず線がカッコよく、さらにはエロも気合い入った充実のエロワールドを展開。この絵でこの濃さ。強力だー。そのほかの作品も全般に粒が揃ってるし、最後のほうには口直しの古賀亮一「忠犬ディディー」もある。ハードエロとラブコメっぽい作品が、濃いめでバランスが取れている。680円という価格設定は高めではあるんだけど、さほどそれを意識させない充実度をキープ。勢いを感じます。

【単行本】「BECK」7巻 ハロルド作石 講談社 B6 [bk1]

 毎度のことながらすごく面白い。最初は冴えなかったコユキもすっかり成長してきて、類まれなるボーカルとしての才能を発揮するシーンも多くなってきた。コメディ的な要素を入れながら、本当にテンポ良くぐんぐん読ます。こういうよくできた作品は読んでて本当に気持ちがいい。講談社漫画賞はコレになって欲しかったなー。オスマンのほうのデータ追加。


5/16(水)……買うたろうキシリトール

納税者番付(その他部門)
 へー、漫画家では峰倉かずやのほうが赤松健よりも全然上なんだー。意外。ところでなんで漫画家は「作家部門」じゃいけないんだろう。
TINAMIX更新
 今回の連載ではコミックバンチについて触れてるけど、原稿の締切の関係上、読んでない段階で書いてます。読んでからのレポートは次号で。あと今回から単行本紹介にはbk1へのリンクも張ることに。いちおうbk1のほうにはあらかじめメールして「そっちからも張ってOK」という許諾はもらっておいた。まあどっちみちそんなに売れるもんでもないとは思うんで、さほど期待してはいないけど。個人的にbk1へのリンク張りはボランティア活動みたいなもんだと思ってるし。ポイントはまあモチベーションの維持のためのおまけ程度のもんかな。だって売上の3%ってことは1万ポイント稼ぐのには33万円、つまり1000円の単行本を330冊売らないといけないんだから、どう考えても労力に見合わんでしょ。ポイント稼ぐのが目的だったら読者書評を投稿するほうがなんぼかいい。1本で300ポイントもらえるらしいし。

【雑誌】オールマン 6/6 No.11 集英社 B5中

 作:荒木飛呂彦+画:鬼窪浩久「タイ・カッブ」の後編が掲載。「変人偏屈列伝エピソード2」とあるように、タイ・カッブという人物はたいへんエキセントリックでアクが強い。アップダウンが激しくて面白かった。ただ、気になる点が一つ。それはヤスリで削るボールも「スピットボール」っていうのだろうかという点。唾をつけるからスピットなんじゃないの? まあ何はともあれこのシリーズの次作はいつになるんだか分からないが、そのうちやってくれることを期待。んでもって「ニコラ・テスラ」と合わせて単行本にしてくれるといいなあ……とか思ったら、次号で「ニコラ・テスラ」再掲載じゃん。うひょー。以前掲載されたときにちゃんとキリヌキしてなかったんでこれは著しくうれしい。六田登「千億の蟲」が最終回。これは単行本でまとめ読みが吉かな。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/30 No.24 小学館 B5平

 あら、あだち充「いつか美空」が最終回。ちとあっけないな。この人ってそろそろ本格的に青年誌に活躍の場を移したほうがいいかもなーと最近なんとなく思う。スピリッツで大学生ラブコメとか描いてほしい。作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!Xi」。さすがだなあ。激戦の中でもあざとくロリ方面へ意識を持ってくるあたり。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/30 No.24 講談社 B5平

 コータロー復活。というわけで蛭田達也の新連載「コータローまかりとおるL」。LといえばラブのLかなあ。とりあえず新キャラも登場してまた華やかに。

【雑誌】メロディ 6月号 白泉社 B5平

 今号は読切が多くて楽しいな。まず一番印象に残ったのは、武市志穂「てのひらの宇宙」。この人なかなかいい。絵が整っててきれいで可愛らしいというのもあるけど、作劇がとても丁寧。やんちゃで何事も自分の目で確かめてみなくては気が済まない好奇心旺盛な少年と、彼を暖かく見守る女の子のお話。それからこなみ詔子「死島使い」も。南の島に住む兄弟と、母親が娘を虐待しているらしい母子の物語。伸びやかな線が気持ち良いし、よく出来てる。読切ではこのほか、六本木綾「とかげ」、新人・八湖広美「姉の結婚」が掲載。不定期掲載シリーズの安孫子三和「みかん絵日記」も楽しくていいな。連載陣も安定感があるし(「陰陽師」は今回掲載されていないけど)、何気に捨て所がない。いい具合に充実してる雑誌だ。

【雑誌】純愛果実 6月号 光彩書房 B5平

 隔月発行で毎回肉感的なエロをやってるこの雑誌。今回もストレートにエロな作品が多くて頼もしい。肉弾系のエロ、でもあんまり殺伐とはしない作品が多く、雑誌コンセプトがしっかりしてるなという印象。

 エロ方面の筆頭は友永和「SUZUKA」。人妻女子アナが人前で犯されまくってて、密度がかなり高い。それから藤茗みえる「HUNTERS FILE」、うーりん「Twin Heart」もむちむち感が高くて目を惹く。天誅丸「いけない絆」は重みを感じさせる乳の描写が俺好み。むちむちといえば当然巻頭カラーのゼロの者は特筆モノ。タイトルは「遠距離至近距離」。同じ学校に通っていて家も隣同士なのに、今までは携帯電話を使ってのテレホンセックスしかしてなかった二人。その理由の一つに彼女のほうが学校でイジメを受けていたというのがあったのだが、ある日を境にその距離が縮まっていく。エロとラブがともに高いボルテージで融合してて、さすがにうまい。汗のじゅくじゅく感、ふよふよトロけるような肉の質感も素晴らしい。

 それから鉛筆描きタッチでやたらうまい司人形の「隙マ」(マの字は門がまえに魔)。今回も描き込まれててクオリティは高い。そろそろ単行本でも出ないかな。玉置勉強「足りないお姉さん」。うわ、これはええな。頭の足りないおねえさんが、弟との生活費を稼ぐために身体を売っているというお話。とくにラスト。おねえさんの無邪気なセリフが後味を非常に苦〜いものにしていて、ズンとくる。沙村広明のSMイラストコーナー「人でなしの恋」も健在。兄妹モノが多いなと思ったので数えてみたところ、宇岐多冬悟、葛城ゆう、素崎彰、美女木ジャンクション、片瀬ゆうと5本。そんなでもないか。ただ、天誅丸は姉弟ものだし玉置勉強の作品でも弟が姉に売春させてたりと、肉親がらみのモノは多いのは確か。

【雑誌】コミックマオ 6月号 晋遊舎 B5平

 カナタ「少女キネコ」。ハードな内容ながら、お話全体としてはわりと美しくまとまっている。キネマで働いていて客をとらされている少女という設定に惹かれるものあり。ANI「セメントの森」は、本来予定されていた「FROTTAGE」が間に合わなかったので掲載。再録なのかな? でも作画クオリティはすごく高いし、俺は未読だったのでいいや。CGのようだけど「FROTTAGE」の前の回を読んだときも思ったように、やっぱりフルカラーで見たい漫画ではある。おかのはじめ「春一番ノ風ガ吹ク…」。途中までモノクロで、見せ場は4色カラー。その対比が鮮やか。塗りも美しいし。大正乙女という風情がいいですな。


5/15(火)……まぼろしバンティ

■ホームズ
 「名探偵ホームズ」のDVD-BOXを購入。化粧箱に入って5巻組。なかなかいい感じ。でもいつ観ようというのか。
■大江戸線
 とある発表会のため、青山一丁目→都庁前で利用したんだけど、大江戸線って分かりにくいね。ホームが二つあって片方が「六本木経由都庁前行」で、もう片方が「光が丘行」って書いてあるもんだからつい「六本木経由都庁前行」のほうが近いと思って乗っちゃったんだけど、電車はてまるっきり反対方向に。環状線なのでこういうことが起きるのだが、おかげで発表会は遅刻。

【雑誌】コミックバンチ 5/29 No.1 新潮社 B5中

 今日はなんといってもコレでしょう! 話題の大型創刊。すごく久しぶりの週刊漫画誌創刊ということもあって、かなりワクワクしている。というわけで今回長いです。

 この雑誌については広告戦略や意気込みにはかなりなものがあり、雑誌、というより漫画作りのコンセプトの面でもいろいろ注目すべきところがいっぱいあってとても期待していたのだが、内容的にはジャンプ色の強さもあってちょっと危惧するところもあった。で読んでみたけど……ああ、いいじゃないっすか、これ。想像した以上に充実している。掲載漫画は以下のとおり。

原哲夫「蒼天の拳」(監修・武論尊):北斗神拳
北条司「Angel Heart」:「CITY HUNTER」後継
今泉伸二「リプレイJ」(原案・ケン グリムウッド):おっさん人生やり直し
おおつぼマキ「貧民の食卓」:ほのぼの路線を一手に担当? 簡単貧乏料理ホーム漫画
作:柴田練三郎+漫画:柳川喜弘「眠狂四郎」:円月殺法
次原隆二「Restore Garage 251」:クルマ修理屋人情譚
渡辺保弘「ワイルドリーガー」:プロ野球モノ

 というわけで漫画の本数はなんと7本しかない(その分価格も安くて220円になってるんだけど)。じゃあもの足りないかというとそんなことはなくて、一本一本の密度が高く、きちんと読むと通常の青年誌よりも読みごたえは上なような気さえしてしまう。「蒼天の拳」は北斗+アテルイテイストといった具合に原哲夫節バリバリで笑いつつも度胆を抜かれる力強さだし、前作ファンは「ええ、そんな〜」と思っちゃうようなところから入る「Angel Heart」もやっぱり次の展開が気になってしまう。「眠狂四郎」あたりはけっこう絵もシャープでカッコよく期待持てそうだし、「ワイルドリーガー」も悪くない。このメンツの中で一番ウケが悪そうな今泉伸二と次原隆二も、何気にヒネリとかしっかりしているちゃんと作劇してるなーと思う。「貧民の食卓」はいい息抜き。っていうかおいしいなこのポジション。

 当初は制作を担当するコアミックスのシステムに興味がより行っちゃってこともあって、漫画の内容はどうなんだろうとは思っていた。ジャンプ色が強いということで、下手するとオールマン、スーパージャンプに似た感じになるかなという危惧も正直あった。でも読んでみて安心。「 ネーム直しに耐えられない作家は使わない」という編集方針通り、どの作品もきちんと作り込まれていて納得できる。手を抜いたところが感じられない。少年誌の漫画作りってロジック+鍛錬→熟成という印象があるんだけど、それをきちんと青年誌に持っていけてる。

 まあハッキリいってこの雑誌を全然面白くないと思う層もけっこういるはず。でもそんなのはどんな雑誌でも同じ。賛否両論出るのは当ったり前で、出ないほうがかえっておかしい。まさに80年代ジャンプが正常進化し少年がオトナに成長したみたいな本なんで、あの時代のジャンプが好きだった人はたぶんかなりの確率でヒットすると思う。逆にあの時代のジャンプがとくに好きでなかった人たちにはまったくヒットしないこと疑いなし。考えてみると、どこかで見たような感じもする作品が多く基本的にオーソドックスではあるんだが、今までこういうテイストの雑誌って意外になかったような気がする。少年ジャンプ臭は当然残しつつも、味わいはけっこう違うように思えた。焼き直しっぽく見えて、意外とそうでもない。読みやすいことは確かなんだけど、意外と立ち読みレベルでなく、ちゃんと読み込まないと伝わらないタイプの面白さかも。かなり硬派な作りだ。

 雑誌全体から「今のスタッフでやれることは全部やった」という雰囲気は感じる。賞金総額なんと1億円、5000万円の副賞が与えられるグランプリを読者投票で選ばせるという漫画賞「世界漫画愛読者大賞」についてもその一環なのだと思う。コアミックスの方針として、「漫画で稼いだ金はすべて漫画に再投資」みたいなのがあるらしく、それを考えると1億円ってのもありかな、と思ったりもした。担当作品の売上に応じた編集者へのインセンティブ提供、アシスタントの共有、複数の雑誌に漫画コンテンツを供給する配信会社を目指すなど、今までの出版社ではできなかったような面白いコンセプトもいっぱいあるそうで、そういう意味でも個人的にはかなり期待している。漫画制作の現場も、長の年月の間にけっこうシステム疲労があちこちで出てしまっているらしいので、うまいことそれに風穴を開けれるような存在になってほしいものだと思う。

 あとは売れるかどうかなんだけど、たぶん滑り出しはそれなりに行くんじゃないだろうか。ただ、あんまり売れすぎて店頭になくなっちゃうと本棚に存在することによる告知効果がなくなっちゃうし、売れないのはもっと困るし、新創刊雑誌の部数設定って難しいなと思う。とくに週刊漫画雑誌のゼロからの立ち上げなんてちょっと記憶にないくらい昔のことになっちゃうと思うんで(あんまりよく知らないが)、参考になるデータもほとんどなかったんじゃなかろうか。成功しそうな気もするし失敗しそうな気もする。その点についてはよく分からん。

 いささかオヤジっぽいなとは思う。味付け濃すぎかもとも思うし、ジャンプ作品の続編ものはどうよとも思う。ただジャンプ系作品の続編という路線も、おそらく最初のうちだけなんじゃないかなー。だってもっともっと長いスパンで雑誌作っていくことを考えてるんだろうし。とにかくこれだけ大規模で、気合いが伝わってくる創刊劇というのは近年ちょっと記憶にない。ぜひ成功例となっていただきたいんで応援したい。しばらく投資すること決定。なんつっても1号220円、1ヶ月買い続けても880〜1100円なのだ。なんにせよ毎週火曜日の楽しみが一つ増えた。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 6/5 No.11 講談社 B5中

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。今回は話にちょっと進展ありか。オズが飛ぶシーンはかなり爽快。ナオのキャラがかなりウエートを増してきているみたい。がちゃがちゃしてて楽し。堂高しげる「全日本妹選手権!!」。今回もまた馬鹿馬鹿しくていい。さりげないカットにもサービスバリバリで、それがギャグにもなってるのがいい。この作品があるとないとでは、雑誌全体の印象がだいぶ違うな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/1 No.12 集英社 B5中

 作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。出たっノー脈絡エロス。なんだか今回のは久々に爽快に意味がなかったような。もしかしてここから「警視総監」への道を本当に歩み出すのではあるまいな……とオチを読んで思った。甲斐谷忍「ONE OUTS」。なるほど。でも何度も通じる手ではないような。根本的な決着はまだつきそうにないな。

【雑誌】漫画アクション 5/29 No.22 双葉社 B5中

 ながしま超助「ぷるるんゼミナール」が巻頭カラーに来たと思ったら、なんだかもうすごいことになってるなー。「セクハラを奨励する企業」で、菜々美の乳を狙い社内騒然。今さらいうまでもないけどとても「セクハラ」なんてレベルじゃなくなってる。どうしてこう馬鹿な展開に行くんだろう。素晴らし〜。次回での登場がほのめかされれている「あの男」のシルエットでまた爆笑。好きだわこの漫画。かるま龍狼「エロパック」。久々登場で3号連続掲載。これまで宅配便で箱詰めされた女の子が届くという展開だったが、今回は思いもよらぬことが。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。野球真剣勝負が一段落したけれども、次号がかなりなことになりそうな気配で注目。あのテンションの高い外人さんに期待だ。


5/14(月)……2なら以下

■バンチ
 これを書いている15日はいよいよコミックバンチ(新潮社)の創刊日。個人的にはすごく楽しみ。売れるか売れないかは分からないけど、あえてこの時代に週刊雑誌を立ち上げようという意気込みは応援したい。予告を見る限りでは旧ジャンプ色が濃そうで、今の時代、それから自分の感覚にどれだけマッチするのかつかみかねるところは多いにある。でも俺の感覚なんてほんとアテにならないからなー。漫画マニア的には全然おいしくないコンテンツが、一般にはよく売れることってけっこうあるわけだし。漫画雑誌でいえばヤンジャンなんかその典型だと思う。実際、バンチに先行して出ていた300円コミックスのシリーズもけっこうな部数が出ていたらしいし、コミックバンチも220円という価格ならけっこういっちゃうかもしらん。何はともあれ、かなり期待している。
■続ゼビ
 「スーパーゼビウス」のCDはsawadaspecial.comを見たらまんが王倶楽部へのリンクが張ってあって、そこから予約できるようだったんでさっそく予約してしまう。これで買い逃しなし。「魔女の宅急便」のDVDはどうしようかなあとちょっと悩む(買うことは買うと思うけど)。
■ぐば
 やっとゲームボーイアドバンスドを購入。ゲームはいちおう「F-ZERO」を。あとニチガンのサンフィルター(製造元:サンクレスト)という、液晶保護フィルターもついでに。売り文句によれば「反射防止」「キズ防止」「紫外線低減」に効果があるそうだ。とりあえずGAME Watchのレポートにもあるとおり、液晶面への映り込みはだいぶ軽減できたような気がするのでだいたい満足。500円だし。

【雑誌】ヤングキング 6/4 No.11 少年画報社 B5中

 やっぱり花見沢Q太郎「ももいろさんご」。今回は三悟がHな目に遭うシーンは最近の展開と比べると弱めだが、それでもやはり羨ましい状況を見せつけてトロトロに骨を抜いてくれる。

【雑誌】ヤングマガジン 5/28 No.24 講談社 B5中

 CLAMP「ちょびっツ」復活。今回は4色カラーもあり。ちぃのぱんつといいノートパソコンの体操といい、あまりにもピンポイントに豪速球を投げ込んでくるCLAMPにほとほと感心させられる。ウイニングショットをきちんと持ってるってのは強い。ロクニシコージ「すべてに射矢ガール」。今回のテーマはカナブン。あすみちゃんが自分の今までの姿を冷静に見るきっかけをつかんだことで、また二人の関係は変わるのかな。ちばてつや賞大賞受賞作「春の手紙」。風景画ばかり描いていた少年が、一人の少女と出会うことによって変わっていく青春物語。絵的にはそんなうまいというわけではないんだけど、なんだか妙に読ますものを持っている。セリフにも独自の味があるし。うまく化ければかなり面白い存在になれるかも。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/28 No.24 小学館 B5中

 柏木ハルコが新連載。タイトルは「花園メリーゴーランド」。人々の性に対する意識はけっこう地方や時代によっても違うということを前置いたうえで、一人の少年が山奥の村へたどり着くというところからお話がスタート。たぶんこの村は、都会などからは隔離されていることによって古来の性慣習を残しているのであろうと予想される。日本古来の「夜這い」システムとか「肉蒲団」とかそういうテーマになるのかな。この人らしいテーマではあり、何をやってくるんだか楽しみ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/28 No.24 集英社 B5平

 かずはじめの新連載「鴉マン」がスタート。バットマン的な少年ヒーロー勧善懲悪モノといった感じかな。作:ほったゆみ+漫画:小畑健「ヒカルの碁」。今回はすごく面白かった。佐為vs.塔矢名人のネット対局クライマックスから、いよいよヒカルの実力がホンモノになってきている様子へと流れ込んでいく展開には燃えるものがあった。世代交代……ではないんだが、ヒカルが佐為を超えて成長していくのを自然な流れとして描けている。

【単行本】「ニナライカ」 作:川崎ぶら+画:秋重学 河出書房新社 A5 [bk1]

 ついに長年の宿願、「ニナライカ」が単行本に!! 今は亡きビッグコミックスピリッツ21で最も楽しみにしていた作品だったのだが、その後スピリッツで連載された「D-ASH」がちゃんと単行本になったのにこれはならずイライラしていたものだった。どこかがいずれ単行本にするだろうと思いつつも、もしかして単行本化されないかも……という気にもなってきつつあっただけにこれはすごくウレシイ。なおOHP月極アンケート 2000年3月分「単行本化希望の未収録作品」でも10票を集めて7位だった。

 で、内容のほうだが、改めて読んでみてもやっぱり面白い。祖父から譲り受けた古いライカを操り、プロ志向ではなくあくまで趣味として楽しく写真を撮り続けるニナという少女の物語。自由奔放で魅力的なニナのキャラクターと、秋重学の爽やかな画風がマッチして、すごく気持ちのいいお話に仕上がっている。増刊掲載ということで連載ペースがゆっくりしていたことから一話一話がすごく丁寧に作られているな〜という印象を受ける。写真を写すほうも写されるほうも実に楽しそう。カメラで3次元の空間を切り取る構図取りを意識していることもあって、漫画の画面作りも面白くなっている。こういう漫画を読むと、思わず銀塩カメラを手に街をぷらぷら歩いてみたい気持ちにさせられてしまう。こういう写真との関わり方っていいなあ。それにしてもこんなに面白い漫画が、5年以上も単行本化されずに下手すると埋もれていたかもしれないと思うとなんかうまい小部数出版のシステムって作れないものかなあとつくづく思ってしまう。それはともかく、カメラの知識はなくともとても面白く読める本なのでぜひどうぞ。

 bk1のほうには表紙画像入ってるね。よしよし。でも値段が1000円になってるけど(15日朝5時現在)、これ1200円の間違いじゃないかな。というわけで指摘のメールを送ってみたのだった。


5/13(日)……バークシャーの空に爆射!!

■熱
 暑い。自室にいるときはたいていPCの電源をつけっぱなしなんだが、電源がついてるときとついてないときで温度が5℃くらいは違うような気がする。実際違うのだろう。ギガスロンが俺に汗を噴き出させ、体力を搾り取る。イヤな季節になってきた。まだ先は長い。ビールがうまいのだけが救いだ。
■ゼビ
 おおっ! 6月20日にスーパゼビウスのCDがっ!! という情報はモナー板@2ちゃんねるのこのスレッドで見たんだけど、495あたりから遠藤雅伸さんが出てきてる〜。最近あちこちでお見かけしますな。あと遠藤氏のWebでは小説ゼビウス「ファードラウト・サーガ」が全文公開中。
■指輪物語
 久々に映画版「指輪物語」のWebサイトに行ってみたところ、壁紙とスクリーンセーバーが公開されていたのでさっそくダウンロード(「THE LEGEND」の項にあり)。今、ウチのデスクトップのスクリーンセーバーは黒の乗り手。

*   *   *   *   *   *  *

 本日は同人誌も。これで5/4コミティアの俺買い本はおおむね読了。あとは兄買い本を読めばオッケー。次のコミティアには楽勝で間に合いそうだ。で、今日読んだ本は以下。感想は0504tia.htmに。

【同人誌】「PADRE」 オノ・ナツメ <KENNEDY U.S.M.>
【同人誌】「YOUR SMILE LIKE THE CARTOON SHORT STORIES」 オノ・ナツメ <KENNEDY U.S.M.>
【同人誌】「失調古地」 三島芳治
【同人誌】「ラヂオキッチン2」 <ラヂオキッチン>
【同人誌】「Fish Pieをめしあがれ」 Saku <Lapp>
【同人誌】「marguerite」 Saku <Lapp>
【同人誌】「自転車盗まれ侍」 らいだゆず <HATA HATA>
【同人誌】「有触れた二人・3」 おざわゆき
【同人誌】「ONE THE HILL」 おざわゆき
【同人誌】「Over The Rainbow」 袴田めら <逆ギレ刑事>
【同人誌】「BITTER CAKES」 きづきあきら <GRAIL>
【同人誌】「RECOLLECTIONS」 きづきあきら <GRAIL>
【同人誌】「Abaddon」 瀧元駱駝 <GRAIL>
【同人誌】「SF少女エス子ちゃん3」 はしもとさちこ
【同人誌】「ノット ア サウンド ワズ ヒアド」 上倉旧 <ロボ音>
【同人誌】「楠ノ瀬古書店」 本井広海 <メタルジグザグ>
【同人誌】「ジ・ガレガレ」 堀池さだひろ <TADONMARIMOLTD>

【アンソロジー】「貧乳計画」 あまとりあ社 A5平 [bk1]

 おなじみ小乳系アンソロジー(既刊@bk1はここらへん)。貧にして平だが卑ではない。というか平らでつるつるぺたぺた質感の気持ち良さを感じさせてくれたり、ちっちゃい娘さんの可愛らしさで、世の人間たちをダメにするような、そんな作品がてんこ盛りであります。これはいかん。というかたぶんすでにダメになっている人たちが買う本なのでむしろいい。

 で、漫画の執筆陣は山野紺三郎、流星ひかる、フェニキア雅子、かにかに、地底怪獣、ガビョ布、栗東てしお、みはらじゅん、茅薙隆裕、桐原小鳥。まずは山野紺三郎描くところのたぬ耳ロリ奥様奮戦記「たぬきの嫁入り」で先制パンチ。かなり強力。かにかに「恋人の家庭教師」の滑らかで伸びやかなタッチもいいねえ。この人は表紙も描いている。それからガビョ布「心霊現象同好会」は小学生的楽しさ、それからけっこうなHさがあって、個人的にはほしのふうたにも通じるものを感じたりした。みはらじゅん(いいんかこの名前)「まじかるファーマシー」も頭身低くてかなりロリい。そのほかもいい感じでかわいいのが多く充実度高し。全国のダメなお友達、いっしょにダメになろう!

【単行本】「爆射!弓道MEN」1〜3巻 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1]

 週刊アクション連載の「ぷるるんゼミナール」(→bk1)でおなじみ、ながしま超助の前作。全3巻一挙購入。「ぷるるん」の無意味なほどに明るいオッパイギャグで今にわかに注目を集めている(?)ながしま超助だが、この作品も素晴らしい。もっ最高。

 お話の舞台は百年の歴史を持つ名門、私立漫高校(すずろこうこう。愛称マンコー)。マンコー弓道部の男子部は、それまで女子部が圧倒的に強くて虐げられてきたのだが、一人の美人教師の出現により変わり始める。弓道部を自らのセックスパラダイスにせんと企むその女教師は、男子部部長の石田をセックスマシーンへと変貌させようとする。その過程で彼は「的とやりたいオマ○コをオーバーラップさせる」ことにより、的中率をアップさせる「マンコー射法」を会得する。マンコーというのはむろん漫高校とオマ○コのダブルミーニングである……えー、なんかマジメに書くのが早くも馬鹿らしくなってまいりました。まあそんなわけで「マンコォー」とか叫びながら矢を射たりしつつ、顧問の美人教師やその他の女生徒とHしまくるわけだ。というとなんか部長の石田君の青春セックス物語って感じなのだがさにあらず。物語の途中で石田君は失踪、マンコー射法およびセックスマシーンの座は後輩の中森、さらには水野くんへと受け継がれていき、そのたびに主人公は交代。ストーリーにもキャラクターにもまったくこだわることのない、あっけらかんとしまくったスタイルに驚かされる。こういう人だから「オッパイ大きすぎてごめんなさ〜い」という希代の名セリフも生まれるのであろう。

 爽快な描写には全編事欠くこかない。巻きワラにちんちん突っ込んで「弓道の練習だ〜」とかいってるし、最後は主人公3人組が一堂に会して青空に「爆射〜!!」とかいってるし、ホントに馬鹿だ〜。なんだろう、この気持ちよさは。とりあえず性的興奮ではあんまりなさそうなのは確かだ。なんかつまらないことで悩むのがとても馬鹿馬鹿しくなる作品。ハッ!? 俺、こんなんで癒されてるよ……。

【単行本】「DOLL」3巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5 [bk1]

 人間そっくりの機械人形DOLLと人間たちの織り成す物語。基本的に一話完結エピソードが連続する形だが、どれもおもしろい。DOLLにすがらないと自分を維持できない人間の身勝手さや悲しさ、そしてその人間たちの道具として扱われてしまうDOLLの哀しみなどがさまざまな角度から描かれている。とくに、周囲からイジメられて味方が誰一人いなかった少女と、恋人に逃げられた男の憎悪をその恋人の代わりとしてぶつけられているDOLL、それぞれが結末で思わぬ形で結びつくLIST 17は、ストーリーといい構成といい実に見事。ハズレエピソードもほとんどないし、コンスタントにとても面白い。


5/12(土)……悪質な空室

 そろそろヤバくなってきたので雑誌を整理。いちおう中身をチェックしてから切り抜きして縛って捨てる準備。まだかなりの量の要切り抜き指定雑誌(切り抜く作品があるので付箋を挟んだままの状態で保留しているもの)が残っているので、来週はそこらへんにでも手をつけてみたいとか思った。思うだけなら簡単だ。素晴らしい。

【雑誌】コミックビーム 6月号 エンターブレイン B5平

 仲能健児! うれしい! そんなわけで今回の仲能健児は読切シリーズ「西蔵童話」で登場。「西蔵」は「チベット」と読む。お話としては、チベットはラサの街で暮らしている男が、オンボロのバスとその持ち主であるオババの日々を観察するといった内容。古びたバスの趣を気に入ってしまった男のほれ込みぶりがなんだか楽しいなと思って読んでいたら、ラストはかなりゾクゾクするものに。こりゃすごくいいわ。何気にこの人、ペンタッチがすごく細かくて絵的にも完成された美しさがあるし。第一話となっているのでまた登場がありそう。楽しみ〜。

 今回の巻頭カラーは作:TKD+画:竹谷州史「LAZREZ」。極彩色の扉がカッコイイし、内容も非常にハードで刺激的。物語的には荒削りだと思うけれども、荒れ球豪速球で勝負するような作風には魅了される。志村貴子「敷居の住人」。今回もやられた〜と思った。キクチナナコ良すぎる。恋しちゃいそうだ。いや、もうしちゃってるかもしんないよ! うぅ、たまんねえ〜。それにしてもこの人、毎度むちゃくちゃうまいなあ。いつもラストのセリフで一気にハートを射抜かれてしまうのだ。吉田戦車「象の怒り」は連載第2回。象には驚かされっぱなしだ。スパイがパンを食う姿がなんだかいい。吉田戦車キャラの食事シーンは毎度味がある。

 桜玉吉「幽玄漫玉日記」。漫画家日常漫画の中では破格の面白さだとやはり思う。さほどものすごいことをしているわけではないのにまったく先を読ませない。このお話の持ってき方はすごい。こういう普通の日常漫画だからこそ、より演出力、構成力が必要になるんだと思う。ただ事実を羅列しただけじゃこうはならない。小林哲也「hug」。何かずいぶんアート系っぽいのを持ってきたなという印象。彼氏と別れた女(美大系か)とその友達の日常。ぺースとしてはのんびりしているんだけど、描線や構図取りに緊張感あり。ストーリー面ではすごく面白いってタイプじゃないが、どのページを見てもカッコ良し。

 あと木崎ひろすけ死去についての奥村編集長の文章が泣けた。たぶんあの1ページ程度では想いのほどは書き尽くせていないのだろうけれども。この文章を読んで一気に湿っぽい気分になってしまい、その後の金平守人「カネヒラデスカ?」をいつもの調子で読めなかった。その分は次号、表紙&巻頭カラー(!)らしいのでそこでの爆発に期待。

【雑誌】コミックバーズ 6月号 ソニー・マガジンズ B5平

 作:森博嗣+画:浅田寅ヲ「すべてがFになる」。次号が種明かし篇っぽい。あれ?こんな短い話だったっけ。うーん、小説読んだのずいぶん前だからあんまり覚えてないや。ともち「れ・り・び」はいいねえ。ヘンな形で始まった夫婦生活だけどトキメキたっぷり。この練れた絵もたいへん良い。ちょっぴりお色気シーンもあるし、これがあるとないとでは雑誌全体の華やかさが全然違う。

【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊 Summer No.7 講談社 B5中

 今号は全般に大人しめな印象でちょっと弱いかなと思ったが、神原則夫「67000」が良かったんでだいぶ印象アップ。この作品は、娘にネットオークションで6万7000円で売られちゃった49歳ハゲオヤジが、買われていった先の家庭で主夫としてのシアワセをつかむというもの。行き場のなさそうな中年オヤジを描かせるとこの人は抜群。セリフも飄々として味わい深いし。「とんぼ」に引き続き感動的な作品。ちょっと泣けた。それにしてもこの人の単行本出ないかなー。新人賞入選作品だけでも一冊出せそう。

 熊倉隆敏「もっけ」は、柔らかで優しい読み口のもののけモノ。安定感あるし、すっかりこの増刊の中心メンバーとして定着してきた感あり。成長といえば、この人はもう柱といっていいだろう漆原友紀。「蟲師」の今回のエピソードは、蟲が起こす奇跡に頼って人々が生きる孤島のお話。乱れなく美しいしボリューム感もある。弐瓶勉「NOiSE」は最終回。この作品は「BLAME!」同様単行本でまとめ読みしたいな。

【雑誌】別冊マーガレット 6月号 集英社 B5平

 巻頭カラーで新連載、木村文「問題のない私たち」。うわ、いきなりイヤな話だなあ。それまでクラスを仕切っていた女の子が、よりスター性のある転校生の登場により地位陥落。それまでイジメる立場だったのが一気にハブに。それまで親友だと思ってたクラスメートにも見捨てられ……という展開。1話めからしてラストが「私は耐えられるだろうか?」「これから始まろうとしている地獄の日々に……」である。かなりエグそう。いや、喜んでるんだけどね。中原アヤ「ひみつきち」。第2話め。今回も恋愛模様が爽やかでよろし。

【雑誌】アイラ Vol.8 三和出版 B5平

 天竺浪人の新連載「裏口」がいいねえ。息子を立派なSへと育てあげんとしている母親が好き勝手やりまくりな第1回。双子のもう一人は普通に明るい少年として育て、その差をことさら意識させる。爽快に人格がブッ壊れていてすごく楽しい。香愁麻沙美「ソニアソニック」も新連載。これはヘンテコ魔法少女モノといった感じか。相変わらずヘンなノリでヘンな漫画描いてるなあ。かなり刺激的だ。ええと、あと巻末の名前書いてない人(以前はベギラマ嬢と書いてあった)の「乙女失格」。このシリーズも自分のスカトロエロモデルとしての濃い体験を漫画にしちゃってて面白い。作画面でもかなりセンスありげでうまいし。そのうちもっとページ数ある作品も読んでみたい。卯月妙子みたいにええ味出しそうな気がする。まあ若いうちにもっと濃いネタを仕込んでからでもいいとは思うけど。

【雑誌】カラフルBee 6月号 ビブロス B5平

 巻頭2作、琴の若子「召しませエルフ星人」、作:関 準+画:B.たろう「リトル・シスターはいじっぱり」は、両方とも滑らかさと華があるキュートな画風でいかにもこの雑誌らしい。それからA 浪漫 我慢が登場。タイトルは「男の子↑↓女の子」。性別が入れ違ってしまう病気にかかってしまった男の子と女の子によるH。女の子がもともと意地悪で男の子を何かといじめていたという関係だったのが、それがきっかけでラブめいてきて……といったあたり、読んでいて甘がゆくて心地いい。いい作品描きますな、この人は。ちなみにこの作品での作者名表記は「A 浪漫 我慢」。Aと浪漫と我慢の間は半角アキなのだ。

【雑誌】コミックオルカ 6月号 司書房 A5中

 BENNY’S「忍者香取君!!」前後編が掲載。といっても各8ページずつなんで合計16ページだけど。この人らしい明るくて、かつエロも柔らかみがあって十分に濃いお話。ところでこのところ忍者系のH漫画を見る機会が心持ち増えてるような気がしないでもないんだけど、メイド、巫女の次はやはりくノ一ですか?(んなわきゃないか……) 羽田としひろ「LIVING LEGEND 〜生きた伝説〜」は魔法少女のHコメディ。端々の表情でパッと目に留まるものがあるし、けっこう伸びそうな人だ。るりるり「フェアリーテイル」。SFほのぼのHな連載だが、今回はエロシーンもだいぶ充実。多人数プレイもあるし。この人、下着つけたままのHがうまいね。

【単行本】「独身寮空室あり」1巻 矢凪まさし 双葉社 B6 [bk1]

 矢凪まさしの漫画は読むたびにそのヌルさが心地よい。経営が苦しい男ばかりの独身寮が初めて女の子二人を受け入れ、そこからそのうちの一人である真理と、もともと寮にいた幸治が恋仲になっていく……というお話。まあ基本的にラブコメHで、明るく微笑ましく、かつHもそれなりの量という感じで華やかな世界を展開している。この人のHシーンはそんなにボリュームがあるわけじゃないんだけど、女の子が感じちゃってわけわかんなくなっているところとかの表情のつけ方がうまくて、濃厚でないわりに妙にクる。中心となる二人以外のキャラが生きてないとか残念なところもあるんだが、それを補って余りある微笑ましさ。


5/11(金)……バリウム試薬

 土日の俺は寝てばかりだ。それはもう呆れるくらいに。そのライフスタイルを支えるため、つまりは土日に外出しなくても済むように、金曜日は前もって本を仕入れておく。つまり早売り書店に行って本を漁るのだ。そんな理由から購入してある未読物件は以下のとおり。

●たぶん早売りではないもの
【雑誌】コミックオルカ 6月号 司書房 A5中
【アンソロジー】「貧乳計画」 あまとりあ社 A5平
【単行本】「DOLL」3巻 三原ミツカズ 祥伝社 A5
●早売り(12日物件)
【雑誌】アフタヌーンシーズン増刊 Summer No.7 講談社 B5中
【雑誌】コミックビーム 6月号 エンターブレイン B5平
【雑誌】コミックバーズ 6月号 ソニー・マガジンズ B5平
【雑誌】アイラ Vol.8 三和出版 B5平
【雑誌】別冊マーガレット 6月号 集英社 B5平
【雑誌】カラフルBee 6月号 ビブロス B5平
【単行本】「爆射!弓道MEN」1〜3巻 ながしま超助 双葉社 B6
【単行本】「独身寮空室あり」1巻 矢凪まさし 双葉社 B6
●早売り(15日物件)
【単行本】「ニナライカ」 作:川崎ぶら+画:秋重学 河出書房新社 A5

 この中で好事家の目をひときわひくのが、おそらくは「ニナライカ」でありましょう。ちゃんと出ました。ありがとう河出書房新社!

【雑誌】COMIC CUE VOL.100 イースト・プレス A4平 [bk1]

 VOL.10だとばかり思っていたら10〜99は飛ばして一気に100に。うーんこういうのはあまり好きでないなあ。大した必然性もなさそうだし。判型もA4平でムックのような薄いものにチェンジ。装丁はオシャレでカッチョイイんだけど今までのモノと判型が違うからまとめて保存はしにくいな。内容的にもカラーページが中心で、きれいだけど短い作品が多く今回は画集を眺めるように楽しむのが吉っぽい。というわけで画集はあんまり好きでなくて漫画オンリータイプな俺にとっては読みごたえ的に大きく不満。「スカしてんなあ」という印象が強い。でもまあ考えてみれば、かつてのCUEみたいなハイクオリティ漫画総集合的な路線の雑誌は増えてきている。IKKIの出現が決定打だったとは思うのだが、それを考えると最先端に立つべき(なんであろう)雑誌であるCUEのリニューアルは、必然だったのかもしれない。少なくとも今回は俺好みな誌面ではないけれど、ここから新しい何かが生まれてくることは期待したい。というかこれだけ変えたんだから、そういう何かが生まれてきてくれないとイヤだ。

 ちなみに今回の執筆陣は、groovisions、ばばかよ、朝倉世界一、100%オレンジ、吉田戦車、サトウナオコ、かわかみじゅんこ、しりあがり寿、寺田克也、タカノ綾、水谷さるころ、中河いさみ、やまだないと、本秀康、魚喃キリコ、黒田硫黄、おおひなたごう、南Q太、古屋兎丸、Nendo graphics(草野剛)、大畑信太郎、西島大介、とり・みき、和田ラヂヲ×大竹信朗、小松崎茂、横山裕一、地下沢中也、水野純子。

 カラー部分では奇妙なまったり感の吉田戦車、かわかみじゅんこの淡い配色、タカノ綾のくりくりしたキャラ、黒田硫黄の飄々としたお話(これはカラーでなくてもいいかな)、南Q太のぼうっと光っているような色使い、それから古屋兎丸の描く少女の地味な可憐さとかが目についた。モノクロ連載組の地下沢中也「兆−sign−」、水野純子「ドリームタワー」(ともに第5話)はさすがに読みごたえあり。とくに「兆−sign−」のSF的な盛り上がりにはワクワクさせられる。これが11月発売のVOL.101まで待たされるなんてもどかしいなあ。

【雑誌】ヤングアニマル 5/25 No.10 白泉社 B5中

 二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。このところキツい展開が続いていただけに、今回のようなシアワセな展開にホッとさせられる。きちんと揺り戻しをしつつ、でもお話はちゃんと進んでいる。一日一歩三日で三歩、三歩進んで二歩下がるといった感じか。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/25 No.11 小学館 B5中

 たしかにこれはすごいな。池上花英「キャバクラ研ちゃん」。さえない男が新宿No.1のキャバ嬢に弟子入り、男を磨くというストーリーらしい。漫画としてはさほど面白いとは思わないんだけど、最近急激に脂ぎりオヤジ系雑誌色を強めているスペリオールのさらなる一手としてちょっと驚いた。作:やまさき十三+画:幸野武史「沙堂やん」は、山中貞雄=沙堂やんの初監督作品が公開される。しっかり面白い。

【雑誌】ビッグコミック 5/24 No.10 小学館 B5中

 青柳裕介「まぐろ土佐船」(原案:斎藤健次)が、力入って面白い。まぐろ漁船のハードな遠洋漁業の日々を描いているのだが、肉類よりもむしろ野菜が取り合いになるなど、地味な部分の描写に説得力があるのがいい。こういうのを見ると、キャベツの千切りとかが無性に食いたくなる。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/24 No.23 集英社 B5中

 高橋ツトム「スカイハイ」連載第2回め。霊界系現世怨み晴らし物語。絵は相変わらずカッコイイけれど、お話は若干安め。

【雑誌】エースネクスト 6月号 角川書店 B5平

 岩原裕二「地球美紗樹」。表紙&巻頭カラーで、すっかりエースネクストの顔という感じ。角川っぽくはない顔だが。それはともかくとして単行本1巻が6月1日発売決定。角川のコミックスはわりと早めに出回るので、たぶん今月末くらいには書店に並ぶかな。ほかは作:大塚英志+画:森美夏「木島日記」とかはさすがにカッコイイし、小本田絵舞「あしはまファミリー計画」、森田屋すひろ「プリプリプリン」とかは読みやすいけど、全般にあんまり印象に残らず。

【雑誌】天魔 6月号 茜新社 B5平

 今号からB5平とじにリニューアル。厚さは約2cm。エロ系のB5平とじはこのくらいのボリュームがちょうどいいような気がする。中身を見ると、まずはひよひよの巻頭フルカラー16ページな妹モノ「Love Evolution」が目玉。妹萌えでかつこの彩色。強いね。あと、みずきえいむ「初めての体験」も絵柄がかわいくて良いですな。そういえば慌てたときとか目が潤んでいるとかのときを、ぐるぐる○で描き始めたのは誰なんじゃろう。最近増えたような。「どこでもいっしょ」のトロで広まったのかもねー。

 あんまり目立った特徴はないんだけど、萌えありハードエロあり、だけどさほど後味は悪くなくバランスのとれたスタンダードな美少女誌という感じ。

【雑誌】MUJIN 6月号 ティーアイネット B5平

 MUJINのエロは、ハードなんだけど個人的にはあんまりヒットしないのが多い。ちょっと分厚すぎな感じもする。斉藤佳素理(=蜈蚣Melibe)や北原武志は好きだけど、MUJINの本流のあたりではたぶんないと思うし。


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