2007年4月上旬


4/10(火)……ローテクで拾うてく

▼アニメ新番組感想。

 「ぼくらの」。原作は鬼頭莫宏で月刊IKKI連載。あの作品のアニメ化としてはなかなか良い出来だと思う。15人の少年少女が夏休みを過ごしていたら、怪しい男の導きで、なんの因果かかロボットに登場して地球を守る戦いをさせられることになり……という導入部。原作未読の人にとっては「第1話の段階ではなんだかよく分からん」って感じかなとは思うものの、「少年少女が得体の知れない事態に引き込まれようとしている」というスリル、不気味な感触はよく出せていたと思う。作画のほうも上々。女の子の萌え度とかはアニメ版では2割増しくらいか。とりあえず興味を持って見ていけそうな出だし。気になるのは、原作が未完なのでそこをどうクリアしていくかってとこかなー。

【雑誌】イブニング 4/24 No.9 講談社 B5中

 くさか里樹「ヘルプマン!」のケアギバー編がおしまい。弟夫婦にボケ母を突然預けられて逃げられた主人公一家がどうなるか……というお話だったが、最後は心温まる締めくくりになって良かった。このエピソードでとくに印象に残ったのは、フィリピン人のヘルパー・ジェーンさん。彼女の明るい介護ぶりがお話を清々しいものにしてくれていて良かった。現実にもこういう外国人ヘルパーに頼らなければならないケースはこれからもどんどん増えるだろうし、今回のエピソードはこれで終わるけれども、やっぱり考えさせられるもののあるお話だった。

 読切では、イブニングの新人賞で古谷実大賞を受賞した真鍋誠「となりの殺人事件アナザーストーリー」が掲載。進級がかかったゼミ論文の締切でドタバタ中の大学生が主人公。タダでさえ忙しいのに、隣がガタガタしてうるさかったり、実はそれが殺人事件だったり、そうとは知らず強盗が入り込んで来たり、刑事を名乗るうさんくさいおっさんが来たり……とたいへん慌ただしい状態に。

 序盤から中盤はドタバタコメディ的にお話を展開し、終盤はそれぞれのキャラを生かしてきれいにお話をまとめた。各キャラの性格づけが面白いし、お話もヒネリが効いている。絵柄的にはまだ垢抜けてなくてクセがあるけれども、読みやすいし個性的でもある。個人的には面白いと思ったし、けっこう気に入った。今のところ「読切向きかな?」という感じだけど、たくさん作品描いて洗練されてくれば連載でも行けるのでは。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/24 No.9 秋田書店 B5中

 新連載、荒生直也「カノジョスイッチ」。主人公は内気で女の子がニガテなモテない男子・暮山君。彼は学校でも人気者なすごくかわいい女子・咲崎さんの幼なじみなのだが、なぜか彼女の首筋には暮山君だけにしか見えないスイッチがあり、そのスイッチを押すことで彼女の人格が豹変してしまう。普段の咲崎さんは大人しくて品行方正でちょっと天然系、でもスイッチを押すとはすっぱで恥じらいのないやたらエッチな女の子に変身する。絵的にはあんまりうまくないけど、垢抜けない味わいは悪くはないかな。ちょっと懐かしい味わいのある、ちょいエッチ系ドタバタラブコメといった感じ。

 読切、作:長尾エボシ+画:いくるみかおる「かえれないふたり」。一人暮らしの主人公の部屋に、夫とケンカした姉が転がりこんできて、ふたりの他愛もない様子が描かれる。エロ漫画ならここでイッパツやったりもしそうなもんだが、あまりそういう色っぽいところはなし。でもほのぼのしたお話作りと親しみやすい絵柄は好感が持てるし、わりと良いと思った。なおこのコンビの読切は次号にも掲載予定。

 あともう1本読切、吉沢緑時「呪いのフィギュア」。主人公の少女が、「祈るだけで誰にでも危害が加えられる」というフィギュアを手にして憎い相手に復讐するが、結局は因果応報、人を呪えば穴二つといった感じの作品。ものすごく迫力があるというふうではないが、ラストシーンはかなり悲惨で痛そう。

【雑誌】ビッグコミック 小学館 B5中

 脚本:九和かずと+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。海産物資源を守るために作られた管理機構、MSC(Marine Stewardship Council=海洋管理協議会)の活動内容についてレポート。今回はいつもみたく魚の見方・買い方・食い方についての話は出てこないけど、お話の内容についてはなかなか興味深いものがある。ただ食べる話をやるだけでなく、漁業の現在についても、魚河岸を通じてしっかり描いていこうとする姿勢は毎度感心させられます。

【雑誌】漫画サンデー 4/24 No.16 実業之日本社 B5中

 今号前号と森本サンゴ「噺家の女房」が面白かった。指定コンビでの落語合戦で、やんまが奥さんに支えられて、渾身の落語を見せる。今回のやんまは顔までハンサムで、いつもとはだいぶ違った感じ。落語家夫婦の心温まる暮らしを楽しく見せていて、地味ではあるけどとても安定した作品。毎回コンスタントに楽しめる。

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。今度は新潟市を舞台に、ロシアンクラブの女帝的な感じで君臨する、偉そうなロシア女をどうにかするというお話。国際試合になると躍動感のアップするこの作品だけに、どういうことをしでかしてくるか期待。あと今号には法田恵の読切「お見合いの法則」が掲載。相変わらずエッチはお手軽。でも好き。

【雑誌】コミック・ガンボ 4/10 No.13 デジマ B5中

 作:梶川良+画:河承男「覇道遥かなり」。斎藤道三outで秀吉in。というわけで後の豊臣秀吉となる木下弥右衛門が登場。これはかなりな猿顔ですなあ。作画者が韓国人作家なので、秀吉を描くのには複雑な想いがあるかもなーとかチラリと思ったりしたけど、とりあえずは気にしないでおく。物語外のことを気にしても得はなさそうだし……。

【雑誌】メガプラス Vol.43 コアマガジン B5平 [Amzn]

 鬼月あるちゅ「先生、透けてますっ!!」がピチピチ感あってわりと良かった。自分ではクールで厳しいつもりだけど、実はものすごい天然であると評判の女教師さんが、ノーブラでおっぱい透けまくりな状態で授業に出てきちゃって……というお話。と聞くと、そこからやれ輪姦だーとか思っちゃうかもしれないけど、そういうことにはならず、先生は教室から退場して、その後彼女のことが好きな男子生徒とのラブラブHになだれ込むという流れ。先生のちょいとあほっぽいところにかわいげがあるし、グラマラスな体つきもええ感じだった。

 反村幼児「ぷるぷるはにぃびぃ」は、ツンデレ巨乳ロリお嬢様とその世話係あんちゃんのエッチを描く。なんか今回はむっちり感が高くてエロっぽかった。お嬢様がちんちんをなめなめするシーンのトロけるような舌づかいとかは、うろたんをちょっと思い出した。尾崎未来「The Great Escape」。今回はあいちゃんが生徒会長のあんちゃんとエッチする話。相変わらず尻軽ぶりだけど、エロシーンは手堅く実用度高し。まあ基本的には男とっかえてやるだけのあっけらかんとした話なんで、回数重ねてもやることやテイストが変わるわけでなし、これからもコンスタントに行きそう。

【雑誌】ヤングコミック 5月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 大見武士のローションものが帰ってきた! というわけで「ろ〜ぷれ」に続き、今度は「ろ〜てく 〜輝くぬめりの宇宙へ〜」が開始。今回は、マンションの管理人になったあんちゃんが、いろいろとローションぬるぬる体験をしていくという感じでしょうか。ローションプレイものは大好きなんで、今回もこだわりに満ちた、いいヌルヌルぶりを見せつけていただきたい。

 えむあ「E-コミュニケーション」。幼なじみ男×1、女×2の三角関係ラブコメエッチ漫画で、女の子の片方が金髪外人ねーちゃんというお話。今回で3話めだがヒロイン両方ともわりと健気な感じがしてけっこう楽しい。金髪ねーちゃんもバタくさくはあるものの鼻につくほどじゃないし。

 水島空彦「苺の花嫁」は5話め。会社の秘密クラブで性奴隷をやっていたOLさんが、そのことを知らない新入社員の男に告白されて、彼と親しくなっていく。しかし今回は彼に秘密がバレてさてどうなるかといった展開。心は新入社員男のほうに向かいながらも、体の欲求には逆らえず……という描写がなかなかエロい。絵柄的にはスッキリしてるけど内容的にはねちっこいところが良いと思います。

 岸里さとし「つうしんぼ!」。血のつながらない兄にベタボレでずっとアタックをかけ続けている妹さんが、兄の恋人に嫉妬して実力行使に出るというお話。岸里さとしの描く女子はけっこう軽めでビッチっぽいところもあるんだけど、そういう女の子をすごくかわいく描くな〜と思う。この妹さんもやることは極端だけど、無邪気でまっすぐで愛敬がある。絵柄もずいぶんスッキリ洗練されてきて、万人受けしやすくなったと思うし。

【雑誌】失楽天 5/10 ワニマガジン B5中

 さめだ小判、いーむす・アキと、ワニマガジン系では今けっこう旬を迎えてきている作家二人の特集号。どちらも作品については再録がメイン。さめだ小判は「どきしまっ」「シスター・オブ・ペイン」「めいどinぷあ〜」「桃園学園男子寮にようこそっ!」「ナンノちゃんバレエ道」「マンキツ」「Virginity Lost」、いーむす・アキは「若奥様解放区」全7話を収録。

 どちらも絵がうまくてフレッシュ感があるが、さめだ小判はシャープな絵柄とカラーの美しさがウリ、いーむす・アキはなめらかでむちむち感のある作画。個人的にはねっちょりした感じのある分、実用面ではいーむす・アキのほうがグッとくるかな。見た目のキャッチーさではさめだ小判に軍配が上がる。まあどっちもなかなか良い若手なので、正直なところ「こんな増刊出してねえでとっとと単行本出してくれー」ってな感じではあり、同様の声は多いと思うんだけど、そこでなかなか出さないのがワニマガジンの不思議なトコなんですよね。焦らしたほうが良かったりとかするんでしょうか?

 あとこの2人のほかには、北河トウタ「あれふぇちZapping!」、ウメ吉「純情サディスティック」、フエタキシ「ナースアタック!」、しらんたかし「たまにわ」の4作も併録されております。


4/9(月)……明日くれピアス

【雑誌】ヤングキング 5/7 No.9 少年画報社 B5中

 塩野干支郎次「ブロッケンブラッドII」が楽しいです。今回健一くん(桜子)は、以前潜入したお嬢様学校のご学友のお屋敷で、メイドに扮して怪盗に対する警備を行うことに。今回のコスプレはメイドってことでまあ基本だけどやっぱりかわいくてええ感じ。ノリの良いドタバタ劇が展開されていて、目に美味しく、コメディとしても面白い。健一くんがかわいいのも良いけど、それを見て萌えまくってる周囲の反応を見るのがまた楽しい。

 小池田マヤ「聖★高校生」。ジュンがまたしてもフランスに戻る。神保との御別れのシーンは、いろいろな事情にスッキリケリがついて清々しかった。これであとは神保が美園先生がらみの件をなんとかすれば……って感じだけど、まあこの作品だけにこれからもぐねぐね迷走していくんでしょうなあ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/23 No.19 講談社 B5中

 古谷実「わにとかげぎす」。怖いにーちゃんたちがらみの事件に巻き込まれてしまった富岡は、羽田さんに迷惑かけまいと、彼女と別れて失踪しようと決意するも果たせず。それにしても羽田さん堂々としてるなあ。いろいろ自信つけててカッコイイ。こういうふうに養ってくれるナオンさんがいるというのはたいへん羨ましい。というか金くれるんならナオンさんでなくてもかまいませんが……。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/23 No.19 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」。名越と伊藤の対談がどんどん煮詰まってきた。名越がこれまで隠蔽し続けてきたもの、心の奥に潜んでいたものがもりもりほじくりかえされていてスリリング。キャラの表情とかをいっさい描かず、全部スミベタ、あるいは目だけ浮き上がっている絵ヅラがたいへん不気味で不安を駆り立てる。この先にどんなものが見えてくるのか楽しみ。作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」は、阿部玲子編が終了。このエピソードではより大きな悲劇に向かう束の間、小野寺と玲子が愛し合うという内容で、逢瀬は短かったけど濃密で切ないものがあった。ここからの展開を、より悲痛なものにしてくれそう。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/23 No.19 集英社 B5平

 内水融の読切「アスクレピオス」。これはけっこう面白かった。ヨーロッパ中世系の世界で、教会によって異端の烙印を押されたメガネ男と少女の二人組が、「異端」と認定されたその能力を使って人々を助けていくというストーリー。作画はわりと品が良いし、作劇面でもよくまとまっている。ただちょっともったいないなーと思ったのが扉。まあぶっちゃけた話、煽り文句で「中世医術ストーリー」って書いてあるんだけど、これは余計だったと思う。この作品の場合、「異端とされている能力が、実は現代人=読者にとってはなじみのある医術だった」という意外性が面白さのキモでもあるので、扉で「医術」って書くとそれがネタバレになっちゃう。これは野暮だなあと思った。連載だったらそれでもいいとは思うんですけどね。

 叶恭弘「エムゼロ」はなんかきれいなねーちゃんたちが百合的な感じで、ちょっと心が華やいだ。このねーちゃんたちの名前とかは全然覚えちゃいないが、そこまで重要そうなキャラでもないので、とりあえずは深く考えず、目の前の刺激に反応していようと思う。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 5月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 近オリは最近ちょっとリニューアルをかけてきていて、萌え系な要素も取込み中。というわけで琴の若子の新連載「雀ちゃんリーチ!」が始まった。本来は少女漫画志望だったけど男性向け雑誌に配属されちゃった女の子が、先輩のいいつけで麻雀をやらされることになってしまって、下手ながらも頑張っていくというお話。主人公の雀ちゃんはちんまりして子供のよう。初々しいかわいらしさを発揮しており、誌面に華やかさをもたらしている。エロ方面でもそうだったけど、やっぱこの人は手堅いなあ。

 新連載では、カワサキカオリの雀荘レポ漫画「てんぱい!」もわりとかわいい系な絵柄。内容のほうはアキバのメイド雀荘をレポートしてます。阿部潤の新連載「ちんどんまん」は、骸骨みたいなヘンな衣装で雀荘のちんどん屋をやっている人呼んでちんどんまんが主人公のギャグ漫画。わりと馬鹿馬鹿しい感じでいきそう。さらにシリーズ連載として、森遊作「怪運!レッドキング」、間部正志「トツガク雀研」が開始。間部正志は「ノーホシザルーザー」とか好きだったので頑張ってほしいなあ。絵柄はだいぶ垢抜けてきたような。このほか、かどたひろし「夜狂物語 黒の衝動」が読切掲載。

【単行本】「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」3〜4巻 渡辺航 新潮社 B6 [bk1:3巻/4巻[Amzn]

 4巻でもって最終巻。ハチャメチャ探偵事務所コメディといった感じの本作だったが、この3〜4巻あたりになってからすごくノリが良くなって面白くなっていただけに、ここで終わらしてしまうのはもったいないなあ……というのが正直なところ。とくに最初はぶっきらぼうなスレンダー美女って感じで登場した華咲所長が、いきなり太ってぷよぷよ化してからの展開は面白かった。所長がぷにぷに太って幼女体型化したことで萌え度がぐーんとアップ。それに伴い、主人公・小金田一と彼が片想い中の女の子・しおりちゃん、そして所長の間で三角関係っぽい状態が構成されてラブコメ的な面白さがアップ。あと途中で探偵事務所のメンツを使って宇宙モノやったりと、ハチャメチャさも増していた。1〜2巻の売上が悪くて続かなかったそうだけど、3〜4巻が好評なようなら2もあるかもしれないとのこと。まあこういう場合は続編はないと思うけど、復活へ一縷の望みを託しつつプッシュしておきます。


4/7(土)4/8(日)……絵の具らしいや

▼アニメ新番組×4。

 「アイドルマスター XENOGLOSSIA[Amzn]。けっこう面白かった。これだけ見たら「巷で噂のアイマスなるものはロボットものだったのか〜」と思ってしまいそうだけど、アイドルもの的な部分と、ロボットもの的な部分をうまいことからませ、テンポ良くお話を展開。最初の出だしからすると、ロボットものになるのはぶっとび展開とはいえる。しかしお話運びがうまいので、ムチャな内容をさほど違和感なく楽しませてくれる。あとキャラクターはしっかりかわいい。パッと見「舞-HiME」シリーズとキャラデザはよく似てて、同じ人かな〜と思っちゃうけど違う人。でも「舞-HiME」シリーズとかでも作監やってた人らしいんで、なるほどなーという感じ。まあとにかく賑やかで華やかな滑り出しでまずは面白そう。「舞-乙HiME」みたいに盛り上がっていってくれればいいなーと期待。それにしてもサンライズはこの手の作品手慣れてきましたね。

 「ラブ★コン」。原作は別冊マーガレット連載の少女漫画。背のやたらデカい小泉さん、ちびっちゃい大谷くんの凸凹コンビが繰り広げる関西風ラブコメ。まあ原作も好きだしとりあえず……という感じで見たんだけど、案外手堅い出来で、ノリが良くて面白かった。原作の雰囲気もけっこう出せていたと思う。作画上々でテンポも良好。「どうかな?」と思っていた大阪弁もハズしてないレベル。とりあえず継続予定ではあるけれども、「原作読んでれば十分かなー」という気はしなくもないので、手が回らなくなったら切るかも?

 「地球へ…」。まあまあ悪くない出来。ただ誰もが思うことだろうけど、「今なぜこれを?」という気持ちにはなる。原作のほうはいわずとしれた名作なだけに、素材をどう料理するかは難しかったかも。思いきって今風の絵にすると元のファンが反発しそうだし、昔風味にしちゃうと今の若い人がついてこない可能性がある。とりあえずその中間くらいで落とし込んだ感じではあったけど、中途半端かなあという気もする。この作品も継続するかは様子を見てといった感じ。余談だけど、以前の映画版の主題歌だったダ・カーポ「地球へ…」を、作品のどっかで使ってくれたらうれしいなーとか思いました。

 「ウェルベールの物語[Amzn]。ファンタジー世界で姫と女盗賊のねーちゃんがコンビを組んで、国の危機を救うための旅に出るという内容。作画は悪くないが、特筆すべき点はあまりないかな……。つまらないというほどではないけど、個人的には引っかかるものが全然なかった。製作はProduction I.G。そういえば調べてみて気づいたんだけど、自分はProduction I.GのTVシリーズアニメで最初から最後まで見た作品が、これまで1本もない。これは自分としてはちょっと意外だったが、どうもI.G作品とはあんまり相性が良くないらしい。まあ伸びしろもあんまりなさげな気配なので、これは視聴中断ということで。

【雑誌】FEEL YOUNG 5月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 ジョージ朝倉「ピースオブケイク」。店長の浮気がほぼバレて、志乃がもう激しくブチ切れる。いやーまあ店長さんも悪いんだけど、やっぱり志乃の鬼の形相が怖いなー。かなりドロドロしてきたけどこの後どうなるのか、なかなかたいへんそうで楽しみ。

 天堂きりんは初登場。「恋愛アナグラム」。都会の繁華街で働きつつ不倫している女生徒、花屋づとめの不器用な青年のほのかな恋心を描くという感じの物語。すっきりと上品な絵柄でしっとりとしたお話を展開してて雰囲気はよろし。「第1章」と書いてあるんで続きも予定されているんでしょうな。なかなか良いと思います。こちらも初登場、水元ローラ「朝が来るまで」。いくえみ綾の影響がかいま見える絵柄。8Pと短いけど雰囲気はまずまず。今度はもう少し長いので。

 山崎童々の読切「ラバーズストア」。とあるコンビニでバイト中の主人公女子が、そのお店にお客として通ってたころから好意を抱いていた男が新しいバイトとして入ってきてトキめく。しかし彼は実際に話してみるとかなり几帳面で手厳しいヤツで、ヒロインはたじろぐも恋する心は止められず……といったお話。朗らかな絵柄でホッとする味わいもあり、けっこう楽しかった。

【雑誌】MUJIN 5月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 しなま「キモチイイの大好き!」が巻頭カラー。エッチが大好きなスキモノ系彼女の荻野さんと、告白してきたクラスメート女子・椎名さんの間で主人公が揺れるという三角関係物語。といっても主人公の気持ちは基本的に荻野さん一本槍なんだけど、椎名さんは彼のことが諦めきれず。エロはかなり濃い目にやってるし、ヒロイン二人もそれぞれに魅力があって、学園三角関係ラブコメとしてもけっこう楽しめる。ピチピチ瑞々しい肉体描写もフレッシュだし。続きもあるようで、椎名さんの反撃模様が楽しみなところ。

 小暮マリコ「姉じゃなくなる日」。本当の姉弟のように育ったが、実はいとこ同士だった二人のラブラブエッチストーリー。ボリューム感と華やかさが共存した作風は相変わらず手堅く、エロさも甘ったるさも濃厚。笹川ハヤシ「特別練習」。剣道部女子先輩が、お気に入りの後輩男子にエロ特訓をかますという内容。やってることは大胆だが、実は女子先輩は後輩男子が好きということがいいだせなくて……というラブコメ話。ツンデレで萌えさせつつ、エロシーンもガッツリちゃんとやっていて楽しめる。

 くりつよしひろ「My fairplay Lady」後編。ちょっと野暮ったい絵柄だけど、その分むっちり感はあって、エロシーンの密度も高い。肉襞などの描き方もねっちりしててエロ描写はげしめ。輪姦シーンバリバリながら、最後はなんだかちゃんと女の子二人の友情物語として締めくくっていて、やりまくりではあるけれども後味はけっこう甘い。

 あとこのほかでは、初登場のまるキ堂「証明プレイ」が濃くっていいですなあ。クラスの男子みんなの憧れだけど、実は真性マゾの素養バリバリな女の子が、保健室でそのことに気づいてしまった男子と何度によって鍛えられて、どんどんマゾ趣味をエスカレートさせていく。マルキ堂のたっぷりとしたちょっとゆるめな感触の絵柄が独特で、プレイの模様も熱に浮かされたような激しさと勢いがある。女の子の半分白目向いたヨガリ顔なんかもインパクトあるし。アクは強いけれども、個人的には今号の掲載作ではこれが一番好き。

【雑誌】COMIC CROSS 5月号 ジェーシー出版 A5平 [Amzn]

 椎木冊也「大人になるってどういうこと?」。いつもながらのロリものだけど、ヒロインのめがねっ娘さんがなかなかカワイイです。学校ではガリ勉タイプとかいわれそうで、地味な顔立ちだけれども、表情の描き方が愛らしい。あと彼女の大人と子供の間で揺れ動く気持ちを、「薬用リップクリームを買うか、口紅いらずの色付きリップクリームを買うか迷っている」という一事をもって表現するあたりがなかなかうまいなーと思った。こういう日常的なアイテムをうまく生かす着眼点はなかなか良いです。

 DISTANCE「したくて。」後編。幼なじみ男女のはじめて物語。年上である女の子のほうがエッチになると初々しい様子なのが微笑ましい。あとボリューム感たっぷりのおっぱいがばいんばいん揺れる様子はやっぱり見応えがあるし、断面図描写とかエロのツボはきっちり押さえてて達者だなーと思います。

【単行本】「めっちゃキャン」3巻 作:九十九森+画:国広あづさ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 築地魚河岸の老舗仲卸の十代目を張る元気者ねーちゃん・天海いちご14歳の奮闘記。まだ若いけれども魚介類についての知識、嗅覚が半端でないいちごは、それを生かしてさまざまなトラブル・事件などに体当たりでぶつかっていく。ビッグコミックでやってる「築地魚河岸三代目」は魚のうんちくがメインだけど、こっちは少年誌向けということでお話の演出は派手め。魚介類をつかった料理勝負的なお話が多いし、パンチラとかもふんだん。知識は詰め込みつつも、威勢良く展開しててまずまず面白い。いちごもちょいとがさつではあるけど、まあわりとカワイイと思うし。

【単行本】「バンビ〜ノ!」8巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 伴がホール修行を終え、ようやく厨房に戻されることに。で、今度こそ本格的にイタリアンをやるのかと思ったら、ドルチェ(要するに甘いモンですな)を作る部署に回されて、無愛想な上司のもとで悪戦苦闘していくことになる。個人的にはもっと炎を使ってガッチャガッチャやる料理の話が読みたかったりはするんだけど、甘いモンの話もこれはこれで興味深いものはある。

【単行本】「チェリーナイツ」2巻 小田原ドラゴン 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 年季の入ったキッツい童貞の江藤と、彼が唯一威張れる相手のバカな後輩の田村。二人の情けなくしみったれた日常を描いていくギャグ漫画。この巻でも二人の生活は実にしょうもなくて江藤の虚勢の張りっぷりは実に痛々しい。あんまりにもアホらしくて笑えるんだけど、読んでるとなんだか切ない気持ちもこみ上げてくる。そして2巻の最後のほうでは衝撃の展開が! まあそれがどういう顛末を迎えるかは連載で読んでるのですでに知ってるけど、とりあえず決着部分は単行本にはまだ収録されてないので次巻を待つべし。

【単行本】「実録!関東昭和軍」2巻 田中誠 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 欲望まみれの高校野球ストーリー2巻め。秋の大会をずんずん勝ち進む関東昭和だが、準決勝でついに力尽くも、見にくすぎる悪あがき続行。「青春」「健全」というイメージに塗り固められた高校野球の裏側の部分を、面白おかしく描いたストーリーはたいへん愉快。まあさすがに露悪的に描きすぎてる部分もあるにはあるけれども、取り上げ方、話の持っていき方がうまいんで、ちゃんとギャグになっている。とくに高野連がらみの話は面白い。おそらく野球ファンだったら、高野連には多かれ少なかれ「うさんくせえ組織だなあ」という印象は抱いていると思うけど、この漫画はそのモヤモヤにズバズバ風穴を開けてくれる。実に痛快。

【単行本】「ふたばの教室」2巻 八神健 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 背がちっちゃくて童顔で、どうやっても子供にしか見えない小学校教師のふたばが、ともすれば生徒たちに侮られたりしながらも、体当たりで頑張っていくという物語。この巻でおしまい。ふたばが力及ばぬながらも一生懸命生徒たちにぶつかっていく様子は、学園物語として心暖まるものはあるし、読みごたえもまずまず。ハートウォーミングでまずまずよくできてはいる。

 ただ全般的に見るともう一つ地味でインパクトは不足気味な印象。2巻は生徒同士の恋愛話、はじめてのブラジャー話とか、わりと心華やぐ回もあったんで、こういうのを早いうちから適宜ちりばめていっても良かったかもしれない。まあ別に萌え漫画にしようってわけでもないだろうから、その手のエピソードばっかりになると本筋からはハズレちゃうとは思うけど。例えばふたばのことを好きになっちゃう男子とか出してみても面白かったかもしれませんなー。

【単行本】「猟奇刑事マルサイ」 大越孝太郎 コアマガジン A5 [bk1][Amzn]

 なかなか出なかった単行本だったがようやく。ニャン2倶楽部Zでの連載だったのね。どうりで読んでなかったわけだ。

 お話のほうは、猟奇的な犯罪を操作する特別捜査班「マルサイ」の面々が、驚くような変態的で猟奇的で官能的な事件を目撃していくというもの。いちおうタイトルだと刑事が主人公みたいだけど、これはもう完全に事件の中身を描くほうが主眼。解決されなかったり、そもそも刑事たちはちゃんと捜査してるの?って感じの事件もけっこう多いし。

 で、事件の内容のほうはかなり濃いいです。例えば屍姦愛好家のために、薬で仮死状態になって彼らに輪姦され続ける倒錯性愛者の少女とか。例えば自らの四肢を斬り落とした状態で、セックス漬けの日々を送らんとする女医とか。ゴミ屋敷内に近所の人を拉致監禁して非人間的な生活を強要しつつゴミの分別を徹底的に教え込むオヤジとか。大越孝太郎の作画がすごくシャープで美しく、また生々しさを感じさせるものだけに、その変態行為の数々も読者にググッと迫ってくる。

 やってることは実に濃厚で、サディスティック、マゾヒスティック、パラノイアックその他いろいろ……って感じなんだけど、グロテスクとか怖いというだけでなく、かなり官能的でもある。自分はあまりこういう性癖はないけど(ていうか自覚してないだけかもしれないけど)、それでもいくらか憧れ的なものをかきたてられたりもしなくはない。なかなか刺激的な一冊。

【単行本】「ポコとワンダフル」 D.P フランス書院 A5 [Amzn]

 たぬき娘・ポコとごしゅじん様のほのぼの&Hライフを描いたシリーズ2冊目。ポコは普段は2頭身な癒し系キャラだが、ときどきグラマラスに変身してごしゅじん様とエッチ。ちびっちゃいときはそのかわいさでほのぼのし、グラマラスバージョンではエロさを楽しむという感じで、一粒で二度おいしい作品。作画もペンタッチが美しくて達者。

 という感じなんだけど、読んでいるとポコがちっちゃいバージョンでいるときのほうが断然楽しいな〜と思う。ぷにぷにした姿は愛らしいし、ちょいとアホっぽい行動も面白い。。大きくなったポコは色っぽいねーちゃんではあり、絵的にはたいへん華やか、エロシーンも描写は濃厚なんだけど、絵がきれいすぎるせいかあんまりエロくは感じないかなーというのはある。まあ作者あとがきにも、ファンから「エロいらね」との声が挙がっているといったことが書いてあるけど、正直なところ自分もわりとそんな感じ。でもエロシーンがあるからこそ、普段のちびポコの存在感が際立っている感じもしなくもないんで、バランスが難しそうな気はします。


4/6(金)……クロノ系役者

▼アニメ新番組。

 「かみちゃまかりん」。原作がコゲどんぼであるだけにキャラはかわいい。ただ演出が全般的にいまいち。もう少しテンポを良くしてほしかった。コゲどんぼキャラ目当てに見続けたい気もしなくはないが、今季は本数が多そうなのでここで見切る。

 「シャイニング・ティアーズ×ウインド」。ゲーム原作のファンタジー異世界冒険モノ。作画はパッと見まずまずだが、演出がたいへん安く、モンスターたちもチャチい。例えば人間界に現れた獣人が暴れるシーンとか、目の前に食えそうな人間(主人公たち)がいるのに、それほったらかして学校のベンチをガリガリかじってるとか、いくら異世界から来て慌ててるからといってそりゃないだろうと思ってしまう。超展開を期待して見るという手もあるが、そこまで余裕はなさそうなんで問題なく1話で切る。

 「DARKER THAN BLACK −黒の契約者−」。「契約者」と呼ばれる異能力者たちが暴れる近未来アクション。キャラクター原案は岩原裕二。作画は整ってて雰囲気も良さそう。ただお話についてはまだ最初の部分が語られただけなんでなんともいえず。設定とかもわりと大きめなものがありそうで、うまくハマれば面白くなるかなーという期待はある。ただ製作がBONESだけに物語面はちと不安。なんとなく同じくBONES製作の「KURAU」と似た匂いを感じる。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 5/1 No.5 白泉社 B5中 [Amzn]

 甘詰留太「年上ノ彼女」。アゲハの妊娠を知ってうろたえまくりダメ男道一直線な努だが……ってな展開。今回の最後で腹をくくったアゲハさんの決意みなぎる力強い表情が良かった。読切、作:大久保拓也+画:浜田純一「インフルエンザA女子高生型」。インフルエンザのウイルスが女子高生型をしているというメチャメチャな発想がユニーク。絵のほうも丸みがあって、カワイイけれどもちょっとホッとする味もあり。個人的にはけっこう気に入りました。なかなかいいです。

【雑誌】ヤングガンガン 4/20 No.8 スクウェア・エニックス B5中

 勇人「はなまる幼稚園」が巻中カラー。やっぱりかわいいですのう。今回のお話はみんなで花見編。酔っ払った巨乳先生や、おとなの皆さんにおしゃくしたりかわいがられたりする杏が見てて楽しかった。4月25日発売の単行本1巻[Amzn]も今から楽しみ。

 小林尽「咲 −Saki−」。タコス娘が引き続き苦戦中。まあ麻雀的にはなかなかアガれずに息苦しい展開なんだけど、いつもながらの巧みな見えそで見えないアングルが連発するので、眺めているとしっかり華やぐ。リーチかけるシーンで机とかは描かずにローアングル、でもパンツ部分は麻雀牌で隠すといったテクニックが巧み。見せないテクがすごく多彩で感心する。

 金田一蓮十郎「ニコイチ」。カミングアウトするのかなーしないのかなーといったあたりでたいへんヤキモキさせる。案外だらだら引っ張らずにスパッと明かすのかもしれない。個人的にはバラしてスッキリさせてさてその後どうするか、ってやったほうが気持ちいいし面白いだろうなと思う。大高忍「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」は、犬塚との二人っきり特訓権を賭けて、女子たちがアツい火花を散らす。あらぬ妄想で目を輝かす女子連中の様子が楽しい。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 4/20 No.15 日本文芸社 B5中

 村生ミオ「SとM」が強烈すぎて困る。沙耶が残した主人公とからんでいる写真を見て、沙耶に恋慕していた部下の小坂が超ブチ切れ。心臓がバクバクいって赤血球が高速で移動(本当にそういうコマがある)。そして怒り心頭に達した小坂の体中に、マスクメロンのごとく血管がぶちぶち浮かび上がる。頭から始まり、首筋、手、そして陰茎にまで。スーツを通してさえくっきりと浮き出る力強き網目模様に圧倒されてしまう。この力強すぎる馬鹿馬鹿しさ。村生先生スゴすぎる。最近の暴走ぶりは尋常ではない。

 4号連続集中連載、作:森高夕次+画:太田正樹「花とおじさん」がスタート。一流商社につとめ、幸せな家庭を持つエリートサラリーマンであるおじさんと、昔から彼になついていたがコッソリ芸能界デビューしてしまったその姪。おじさんは彼女がデビューしたということを聞いてなぜか激昂するが……ってな出だし。作画的にはクセがあるけど、女の子は随所でまずまずかわいさを見せてたりもする。森高夕次だけにハッタリ効かせてグイグイいきそう。それにしても森高夕次=コージィ城倉は本当に精力的ですなあ。

【雑誌】コミックバンチ 4/20 No.19 新潮社 B5中

 能田達規「オーレ!」。オーレの残留を賭けた最後の決戦が大詰め。だいぶ盛り上げてきてはいるが、見せ場シーンのわりに展開は早い。次号1回お休みで21号で決着がつくらしい。できれば昇格争いのとこまでは読みたかったところではあるんだけど……。

【単行本】「アイホシモドキ」1巻 森繁拓真 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 ナヨナヨしてて女の子によく間違えられる男の子・元木くんと、とにかく大ざっぱで男らしすぎる女子・相星さん。性格や行動は実に対照的だが、顔は双子のように瓜二つな二人の学園生活を描いていくというドタバタコメディ。森繁拓真はヤンマガの増刊とかで描いていたころからなかなか面白い作品描く人だなーと思って注目してたけど、これがようやく初単行本となった。

 「アイホシモドキ」については、絵についてはまあパッと見そんなにウマイってほどでもないんだけど、読んでみるとけっこうイケる。まあ萌え度という意味では、最近の週刊少年チャンピオンのきれいどころと比べると弱めなんだけど、その分落ち着いてて雰囲気がイイ。お話が進むにつれてだんだん良いコンビぶりを発揮していく二人の様子が微笑ましかったりする。ツンデレとか帯には書いてあるけど、それよりもむしろ角が丸まってるっていうか、なんかほのぼのしたホッとする味わいがある。派手ではないけどじんわりとした面白みのある作品。

【単行本】「かるた」1巻 竹下けんじろう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 にゅーあきば.comのレビューでも紹介した競技かるた漫画。  格闘ゲームの全国チャンピオンだった少年・太一が、学校でおさななじみ娘の由利子と戯れていたさいに階段で転んでしまい、それに巻き込まれたかるた同好会部員・千歳を骨折させてしまう。太一はそれに責任を感じてかるた同好会に入部希望する。最初は責任感だけだった太一だが、かるたの世界の奥深さや厳しさを知って夢中になり、かるたにハマっていってしまう。

 といったわけで競技かるたをスポ根的に描いていくんだけど、太一が速く札をとるためにオリジナルの必殺技を編み出すとか、札をとるために戦略を考えたりとかいった勝負の面白みもしっかり描いていてなかなかアツい。相手方のほうもけっこう卑怯な手を使ってきたりするんで、それをやっつける太一のカッコ良さも引き立つ。

 また男女混合競技なんで女の子もけっこうよく出てきて、これがわりとかわいかったりする点も良いところ。正直、勝負のボルテージは下げない範囲で、もう少し萌え系描写をあざとくやってもいいくらいかなーという気はしないでもないが、意外と試合のシーンでは男対男の対決が多い。竹下けんじろう自身は案外ガチで競技かるたを描こうとしているんだなという雰囲気もあったりする。ちょいと地味な世界ではあるけれども、けっこう燃える漫画に仕上げて来ており、これからの展開も楽しみにしている。

【単行本】「怪物王女」4巻 光永康則 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この4月からはアニメのほうも放映開始(感想はとりあえずOHP+のほうにメモしときました)。この巻でも姫に対していろいろな刺客が襲いかかってきて、それを撃退していくという展開が続く。これまでは距離を保っていた吸血鬼女子の令裡もお仲間として定着。血みどろの戦いを繰り広げつつも、ちょいとほのぼのした感じもあるのが楽しい。あとは姫やシャーウッドがヒロに血を飲ませるときのエロっぽさとかも毎度心華やぐものがある。


4/5(木)……鉄の超酷使

▼12日に書いているので1週間遅れの更新。OHPはゆっくりズムを推進するウェブサイトです。ということにしておきます。

【雑誌】コミックフラッパー 5月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 新谷かおる「クリスティ・ハイテンション」が落ちたようで、目次に名前はあるけど掲載はされていない。その代わりに掲載された、立花未来王とダイナミックプロ「鉄の彫刻師」がけっこう面白かった。彫刻が好きで芸術的な作品作りを目指している女の子が主人公なのだが、その先祖は昔から美少女フィギュア的なものを作っていた家系であることが判明。そして彼女が作るものも、なぜか自然とアキバ系なフィギュアっぽいものになってしまう……というドタバタギャグ。ヒロインの元気のいいキャラが見てて楽しし、賑やかで忙しい展開や、ダイナミックプロならではのネタも楽しい。あと絵柄も丸みがあっていいと思う。ヒロインの女の子が料理のときに包丁代わりに彫刻刀使っちゃうとか、カレーに入れるじゃがいもやニンジンなどをつい仏像風に削ってそれで料理しちゃうとかいった小ネタも効いている。

 アキヨシカズタカ「双月巫女」は物語大詰めで次号クライマックスとのこと。最初のほうのゆったりムードから、後半はちとごちゃごちゃしたかなーという雰囲気もある。まあとりあえず次号の展開を楽しみに待ちます。あと今号には読切でチームOZZ「エンジェルバレット」、吉葉香与子「OVERHAUL」が掲載されている。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 4/20 No.8 小学館 B5中

 なんか最近、西岸良平「三丁目の夕日」に萌えてしまう。今回は社内で評判な完璧美人が、実は主人公の幼なじみだった、というお話。彼女は、昔とは違っておしとやかにしてるけど、実は高校時代は荒れてて有名なスケバンだったという設定。普段は取り繕ってるけど、主人公だけには昔の素顔を見せる彼女がなんだかたいへんにツンデレ感が高い。これはいかん。いや、いい。

 あと今号では、安倍夜郎が描いているビッグコミックオリジナル増刊の宣伝漫画3ページが短いけどユーモアが効いてて良かったです。

【雑誌】モーニング 4/19 No.18 講談社 B5中

 塀内夏子「イカロスの山」。前回の盛り上がりを受けて、今回もガンガン来ている。二人がどうなってしまったのか……と持ってきて、読者を安堵させたり不安にさせたり、グラグラ揺さぶる思わせぶりな演出はうまい。ベタベタではあるもののやっぱり一喜一憂させられる。この持って行き方はさすが手練という感じだった。作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」。今回は達海率いるETUが初の対外試合。プレシーズンマッチに登場。達海監督の戦術を小出しに見せていく展開にワクワク感が高まる。どんなサッカーを見せてくれるのか、とても楽しみ。

【雑誌】ヤングサンデー 4/19 No.18 小学館 B5中

 河合克敏「とめはねっ!」。書道部部活コメディを和気あいあいと展開。みんなが楽しげにお話している様子は見てて微笑ましい。なんか老師的じーちゃんが出てきたけど、これで主人公あんちゃんが飛躍的に伸びるとかするんでしょうかねー。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/19 No.18 集英社 B5中

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。おっぱいを揉む揉まないがそこまで将棋に影響するのか……。二こ神さんと菅田の会話がユーモラスで面白い。話の内容も下らないけど、受け答えのテンポもいい。奥浩哉「め〜てるの気持ち」。慎太郎とはるかがエッチしようという話になるが……ってな展開。はるかの乳はデカいなあ。乳首はよく見えないけど。慎太郎のも、はるかが怖がるほどデカいらしい。とりあえず挟むといいと思う。

 読切、作:瑞智士記+画:森下穂高「ヴァルハラ」は、第1回YJ原作大賞受賞作。体内で麻薬を合成し、口移しで投与する「バイオ・リアクター」(ヴァルハラ)の少女をめぐる物語。主人公はその取引を阻止しようとすると捜査官だが、彼はヴァルハラの少女に、今は亡き恋人に似たものを見出してしまって動揺する。「人間麻薬」といった感じの設定はわりとユニークだし、それを悪と決めつけるでなく描いていくストーリーも悪くない。ただ主人公の恋人のくだりとか、「そこからどうするか」といったあたりはもう少し掘り下げ、ひねりがあると良かったかな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/19 No.19 秋田書店 B5平

 新連載、平川哲弘「クローバー」。これでチャンピオンに哲弘が二人になった。というのはともかくとして。内容のほうは、バイクいじりが趣味の学校では孤立気味な少年・トモキと、久しぶりに戻ってきたトモキの昔の友達で暴れん坊なやんちゃ者・ハヤトの青春うだうだストーリーといった感じ。作画的には井上雄彦と高橋ツトムを混ぜたような感じで、元気良くワイルドにケンカあり遊びありの日常を展開してくといったところ。この手の作品としては、目新しいところはないけどまあ手堅そう。

 桜井のりお「みつどもえ」。三女ひとはが戦隊向け特撮番組が好きになるものの、それについて一緒に話せる相手がいなくて悶々。そういうときは商店街で八百屋をやってるお兄さんと話せばいいのに……。というわけで佐渡川準「無敵看板娘N」もタイミング良く太田メインの特撮話でした。

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。うわー、なんかすごい展開になってきたなあ。学園でギャンブルやるだけの話かと思ったけど、いきなりダイナミックで血みどろ。まあ学園で100億稼ごうってんだから、このくらいのことはしなくちゃならんかもしれませんなあ。佐藤健悦「舞-乙HiME嵐」は2回めだけど、テンポ良くノリノリ。すでにそれぞれのキャラはつかんでいるだけに、うまいことイジっていると思う。ナギ太公の後釜について「なるほど、こうなるのか」という感じ。まあある程度今後の展開も読めるキャラ設定だけど、楽しいからいいです。

【雑誌】花とゆめ 4/20 No.9 白泉社 B5平

 ふじもとゆうき「キラメキ☆銀河町商店街」が巻頭カラー。なかなか好調なようで。今回は商店街主催の運動会的なクイズ大会が催されることになって、2人ペアになってみんなが参加。いつもの6人組の中では、クロに片想いしているめがねっ娘サトちゃんが微笑ましくて良いです。あと太い女子のイバちゃんもけっこう好き。

 樋口橘「学園アリス」。よく分からんアリスを持った転入生少女がやってきて棗にくっつくようになり、蜜柑が不安になっちゃうというお話。雲行きは怪しいけどまあ大したことはないかな。松月滉「幸福喫茶3丁目」。またしても新キャラが登場。この作品は基本線は良く楽しいんだけど、すぐ新キャラを出してくる点についてはちょっと気になっている。あまり出しすぎるとそれぞれのキャラを覚えきれなくなるので、もう少し人数を絞ってお話を濃密にする方向を模索していってほしいなーという気はするんですが。

 読切、磁ロックス「魔女っ子モモカ」。魔女っ子アイドルに憧れた主人公女子モモカが、悪魔の力を借りて魔法を使えるようになるけど、どうも失敗ばかり……ってな感じのドタバタコメディ。絵がなかなかかわいらしくてほのぼの。8ページと短いけど存在感は十分ある。中村世子「友嬢サバイバル!」も読切。団地住まいの庶民女子と、親の会社がなくなって零落した元お嬢様の友情ストーリー。ドタバタした展開が楽しく、友情モノとしても好感が持てる。お嬢様はかなりツンデレキャラであります。あ、庶民のほうもそうか。

 トビナトウヤ「潔癖少年完全装備」は集中連載第2回。潔癖少年・沙汰くんが、愛内さんと仲良さそうにしている親友にちょっとジェラシーを抱きつつも、彼のためにサッカーを頑張っちゃうという内容。ラブコメも友情モノも頑張っていて楽しいけど、ちと画面がゴチャゴチャしてて読みづらい部分もあり。とくにサッカーのシーンは、沙汰が実はすげーうまいというところを描いているんだけど、絵ヅラからそれが伝わってこないのは惜しい。ここのところもう少しダイナミックに画面使えるとカタルシスがけっこうありそうなんだけど。

【雑誌】桃姫 5月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 景えんじ「体育会系なカノジョ」前編。ガタイがデカくて大ざっぱで不器用な彼女と、そのカレシのラブラブエッチ物語。ぎこちなく初めてのエッチに臨もうとする二人の姿(というか主にカノジョのほう)が見てて楽しい。エロ度は高くないものの、表情やキャラがいいです。最終ページを見る感じ、この人は「ラブロマ」好きそう(似たような表情のコマが1個あるというだけの話ですが)。

 内々けやき「特選!大人の幼稚園」は、おかあさん二人が保父のあんちゃんを奪い合って、結局3Pしちゃうという内容。大石まさるチックな表情の人妻キャラがチャーミングで、肉付きも良くて好き。5月下旬に単行本発売予定とのこと。MARUTA「とらぶるTRYアングル」は12話め。エロなしの青春ストーリーだけど、作画も達者で見てて楽しい。この作品は最初のころはあんまり注目してなかったので、出だしのほうのストーリーがあんまり記憶にない。そろそろ単行本にまとめてくれるとうれしいんですが。


4/4(水)……義眼的本塁打

▼アニメ新番組×4。

 「大江戸ロケット」。まあまあかな。アフタヌーンでやってる漫画版(作画:浜名海)は木葉功一に似た絵柄でアダルトな雰囲気もあるが、アニメ版は少年漫画テイストの元気な絵柄。キャラデザは複数人で分担? 脇役のコミカル系キャラがみなもと太郎絵なのが目立つ。でも造形が著しく違うキャラが、案外違和感なく調和しているのは面白い。物語のほうは、奢侈が禁止されてるお江戸で花火を打ち上げ続けている職人・玉屋清吉の元に謎の少女が転がり込んで来て、「月まで届く花火を作ってくれ」と依頼するところから始まる。まだなんともいえないけど、元気良さげな作風はまずまず好感が持てる。混沌とした中から何が飛び出てくるのか期待しつつ、しばらくは視聴継続。

 「ひとひら[Amzn]。極度の引っ込み思案である女の子が、それとはあまりにもかけ離れているかに思える演劇同好会に入部。そこから始まる学園演劇部ストーリー。第1話はちょいと百合っぽい要素も交えつつ、手堅く滑り出した印象。髪の毛のツヤの部分がやけにピカピカした絵作りはなかなかキレイ。この1話だけでは「すごく面白い!」という感じではないけれども、継続視聴には足る出来。まあたぶん見続けるんじゃないかと。

 「ながされて藍蘭島」。これは楽しかった。よくできてる。女の子ばかりの島に男が一人のハーレムラブコメ。ハーレムものはいかに女の子をかわいく描けるかが非常に重要なポイントだけど、第1話はかなりええ感じ。この手の作品の中では相当いい部類の作画レベルだったと思う。あとお話のほうも非常にテンポ良くたたみかけてきて、ドタバタ感が心地よかった。この調子が続くようであればかなりいい。てなわけで視聴継続決定。

 「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」。ロボットバトルものだが、これもかなり作画は気合いはいってた。製作は「かみちゅ!」を手がけたブレインズ・ベース。後藤圭二+門之園恵美+きむらひでふみは「うた∽かた」スタッフ。ちょいとしつこめな感じの唇の描き方とか、ひざの裏とかをしっかり描く作画は、キャラデザが同じということもあり「かみちゅ!」に通じるものがある。目がギョロリと見開かれたドールみたいな独特の絵作りはさほど好みではないものの、クオリティはかなり高い。動き・構図も凝っている。このクオリティを保つのは難しいかな?とも思うけど「かみちゅ!」での実績を考えるとけっこうもちそうな気もする。ただ個人的には、「うた∽かた」の物語・演出面は納得いかない部分が多かったんで、期待と不安が入り混じる。とはいえ今のところ期待のほうが上回ってるし、テレビ東京では「ながされて藍蘭島」と続き時間帯ということもあるので視聴継続するつもり。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/18 No.18 小学館 B5平

 西森博之の新連載「お茶にごす。」が連載開始。生まれついての悪魔顔(要するに怖い顔)のせいで、不良・チンピラにからまれてばかりだった主人公・船橋が、平穏な学園生活を送ろうと頑張るドタバタコメディ。何をやるのかなーと思ったら、タイトルどおりのことをするらしい。喧嘩もムチャクチャ強くてボコスカ他人を殴るくせに、自分は普通、優しいと自称する船橋の行動がマイペースで面白い。全然他人の話を聞かないし、言動もなんかズレてるし。主人公がユーモラスで、やることも外見とミスマッチ。キャラ作りも話運びもうまくて面白かった。なかなか良い感じで滑り出せたなーと思う。

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」。宇宙編が終了……という話ではなかったんですが。宇宙に連れ去られそうになったナギをハヤテが救出するシーンは、ラブコメ感もあふれててなかなか良い感じでござった。ハヤテに抱き締められて悶えるナギの表情がイイです。モリタイシ「レンジマン」は全般に地味かなーという気はするんだけど、最近は風香の恋心が高まるとともにラブコメ度も上昇しててけっこう楽しい。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/18 No.18 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」。終業式の日に、二人がいろいろあった1年間を振り返るというお話。なんかしみじみした感じで最終回的な展開だったが、ちゃんと2年に進級して続くようで一安心。西本英雄「もうしませんから。」は、「金田一少年の事件簿」の推理をみんなでやっちゃおうというお話。そのものズバリなネタバレがあるので要注意。とりあえず金田一のほうを先に読んでおけばノープロブレムですが。

【単行本】「団地ともお」9巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずうまいなあ。飄々としたギャグあり、しみじみ系のネタあり、すごく技巧的な回ありと、いろいろバラエティに富んでいる。この巻でとくに感心したのが、今ともおが住んでいる部屋に昔住んでいた人が書いていた日記と、現在の風景をシンクロさせた「ズレは気になるかいともお」。日記部分で書かれているところと、絵のほうで描かれていることが微妙にズレたりシンクロしたりするのがずっと続いて、読んでいるとふわふわした不思議な気分になってくる。パッと見地味な回なんだけど、かなり高度なことをやっており、しかもそれを誇るふうでもない。そのさりげなさに改めて惚れる。

【単行本】「医龍」13巻 乃木坂太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらのしっかりした読みごたえで面白い。この巻の主役は朝田ではなく、伊集院と霧島。朝田のもとで叩き上げられ、自分では気がつかないうちに飛躍的な成長を遂げていた伊集院。しかし平凡な医者にもできる治療を目指す霧島の主義主張にも惹かれるものを感じてしまう。朝田、霧島、強烈な個性を持つ二人の間で揺れるメガネ男子。なんか萌えるかも。

【単行本】「ラバーズ7」6巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻では、ひろみと仲よさげにしている松沢さんに対し、なつきがヤキモチをやくまでに。それを見て心穏やかならぬは店長ムネノリ。というわけでラブコメ的にはだいぶ盛り上がって来ている。まあひろみ&なつきは鉄板かなあとはいう情勢だが、勝ち目薄いながら店長さんが頑張ってて、むしろこっちのほうが主役であり萌えキャラという感じではあり。いっそ店長となつきをくっつけて、ひろみと松沢さんをくっつけて終わらしちゃうのも良いかもなーという気もする。何気に丸く収まりそうな気がしないでもないし。でも店長は負け役のままのほうが萌え度は高いかも。

【単行本】「喰いタン」7巻 寺沢大介 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずの食いまくりっぷりと強引な推理っぷりで安定して楽しい。この巻では親子丼の話があったのが良かった。丼物の中では一番好きなので。親子丼についてはもっともっとやってほしいくらい。自分で作ろうとすると、簡単なようで難しいんですよね、アレ。

【単行本】「バガボンド」25巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 武蔵と吉岡伝七郎の果たし合いが決着。伝七郎は剛直で不器用でなかなか愛すべき人物だったので、ちょっと名残り惜しい。その後は武蔵対吉岡一門の断ち難い因縁の戦いがいよいよ本格化していくことに。まあそんなわけでこの巻もしっかり面白かった。あと強くなるとともに落ち着きを増してきた武蔵の姿は見てて頼もしく、痛快でもある。

【単行本】「武死道」3巻 差鵜:朝松健+画:ヒロモト森一 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 元白虎隊で、土方歳三の最期にも立ち会ったサムライ・志波新之介の放浪と戦いが続く。この巻で新之介は、旅先で出会ったアイヌの娘・アギを守るために死力を尽くすが……という展開。ヒロモト森一の激しくダイナミックな作風は健在だが、たいへん荒々しい分、物語的にはちょっと追いづらくもある。でもまあ話はあんまり理解していなくても、その迫力は楽しめるんですけどね。


4/3(火)……新曲紹介

▼アニメ新番組感想×4。

 「キスダム -ENGAGE planet-」。なかなかに気合いの入った第1話。設定は大きそうでまだよく分からないけど、世界中で大異変が起こりパニック状態になっていくシーンはかなりの迫力。異常事態をたたみかけるように次々見せていく展開にグイグイ引き込まれた。とくに虫がじょわじょわ飛んでるシーンはかなり不気味で「これから何が起こるんだろう」という気持ちを駆り立てられる。アクションシーンもなかなかの出来。このクオリティが続くようなら凄いだろうけどさすがに無理だろうなあ……。とりあえず視聴継続。

 「CLAYMORE」。原作は八木敦広で掲載は月刊少年ジャンプ。原作は読んでないんですが、かなりハードコアで本格的なファンタジー世界バトルをやっている力作という感じは伝わってくる。アニメのほうは、第一話だけでは「すごく面白い」って感じではないものの、手堅い作りで面白くなりそうな気配は感じさせる。「DEATH NOTE」と続き時間帯ということもあるし、まあしばらくは見るでしょう。

 「この青空に約束を− 〜ようこそつぐみ寮へ〜[Amzn]。へんぴな島の学生寮で繰り広げられる、ほんわかラブコメ&友情の青春ストーリーという感じか。作画レベルは高くはないが、主人公男子の勢いはそこそこ好感は持てる。この手の萌え系ハーレムラブコメは嫌いではないけど、作画レベルがこのままだと弱い。優先度は低めで、視聴中断の可能性高し。

 「神曲奏界ポリフォニカ[Amzn]。初っぱなから作画レベルが低い〜。ストーリー的にもあんまり見るべきところはないのでスパッと1話で視聴中断。

 あと新番組じゃないけど、「DEATH NOTE[Amzn]の第25話「沈黙」は、かなり凄い出来だった。前半の区切りであり、原作でも最も話題を読んだあたりの話だっただけに相当気合い入れて作り込んだんだろうと思われる。全般的によくできたアニメだけど、この1話に限っては本当に文句なし。「原作は読んでいたけどアニメは見てない」という人も、この話だけは見てみると良いのでは。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/15増刊 マンタロー2007 集英社 B5平

 新人競作をメインとした増刊号だが、客引き要素として実績組の作品も掲載。柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」、さんりようこ「B型H系」、原泰久「キングダム」、作:金成陽三郎+画:藪口黒子「ギミック!」の番外編。それから奥浩哉による、読切漫画の描き方講座が掲載。

 この中ではやはり「ハチワンダイバー」番外編が今ノッている作品だけあって目をひくし、51ページとボリュームもある。お話のほうは、アキバの受け師さんと、現在本誌のほうで菅田とやり合ってる最中の斬野の勝負が描かれる。受け師さん、斬野の底知れぬ強さが、ユーモラスな要素も交えながらビシビシ伝わってきて面白い。また奥浩哉の読切講座も参考になりそう。「B型H系」番外編は、山田たちが中学生だったころのお話で、語り手は主に山田親友の竹下さん。今のノリはそのままだけど、そこにちょっぴり初々しさもプラスされてて微笑ましい。

 また、この増刊の目玉企画として、人気投票1位で連載決定という新人競作イベントが行われている。描いているのは大瀧晶、中村珍、鈴木獏朗、早川広幸、中川英二、石田力也、青木裕平、若山佳子、稲葉みのり、笹尾真っ青、くぐのあつし、星井博文+中道枝理子。

 作:星井博文+画:中道枝理子「デスカッション」は、不気味な迫力を湛えた凄腕観察医が、首吊り死体の謎を解き明かすという内容。中道枝理子ってこんな絵だったっけかなあ。もう少しスッキリしたイメージがあったんだけど、今回はネウロみたいな感じの絵柄にしてきている。まあこっちのほうがインパクトはあると思いますが。お話のほうは短い中で事件をきっちり描いてて、まずまずまとまっている。

 中村珍「GALDY STANCH」。主人公・孝太郎は性同一性障害で現在は性転換しているが、元はバリバリの武闘派暴走族。孝太郎が暴走族に入っていたのは、ゾクのリーダーに憧れていたからだったのだが、大人になって帰省した孝太郎はそこで彼と再会し、若き日の恋にケリをつける。原哲夫調のゴツい絵柄だが、恋心の描写は鮮やか。ちょっとアクは強いけど、キャラクターに特徴があって印象に残るし、なかなか読ませる一作。新人競作の中では個人的にはコレがイチ押し。

 若山佳子「パーフェクトマッチ!!」は熱血バレーボール漫画。ものすごくバレーボールが好きで練習の虫だった主人公が、凄い才能を持つアタッカーの先輩によって才能を目覚めさせる……というお話。作画が整っているし、お話としても分かりやすく爽快感がある。汎用性は高そう。

【雑誌】漫画アクション 4/17 No.8 双葉社 B5中

 なんと福満しげゆきがアクション進出。新連載「うちの妻ってどうでしょう?」という作品をスタート。福満しげゆきとその妻の暮らしを4コマ漫画で描いていくというモノで、これがなかなか面白い。もともと福満しげゆきのシンプルで味のある絵柄は4コマ漫画に向いているし(以前ガロの投稿コーナーでもそういうのやってたし)、本人&妻のキャラも見てて楽しい。4コマ漫画としても通り一遍な落とし方ではなく、独特の間、ヒネリがあって楽しい。それにしても奥さんかわいいなあ。ぷにぷにもっちりしててイイ。福満しげゆきの描く女の子は何気にけっこうかわいいんですよね。土山しげる「極道めし」は、食い物自慢話が1巡してとりあえず最初の闘いは終了。最後の〆も旨そうでした。次から新展開とのこと。

 あと、今号の国友やすゆき「新・幸せの時間」はちょっと面白すぎるんですけど……。妻の妹・小夜子との不倫がバレるのを恐れて、もう一人の不倫相手、ストーカーOL・遠藤くんに泣きつく良介。まあそんなわけで良介は、遠藤くんハウスに招き入れられ、デッカい良介の顔写真が飾ってあるベッド・ルームにて例によってズンズンやりまくる。そのさいに遠藤くんが差し出したのは……。というわけで、アナルファック、顔射、それから所かわって妻が良介の不倫を疑うシーンなど、しょうもない展開がこれでもかこれでもかと続いていく。もうたまらんです。

【雑誌】コミックチャージ 4/17 No.2 角川書店 B5中 [Amzn]

 高田靖彦のバレーボール漫画「HOVER!」がエンジンかかってきた。バレーボールは全然やったことがないとぬかす、インチキくさい物理教師の、底の知れない実力の一端が示される。「彼が本格的に指導するようになったらどうなるんだろう?」というワクワク感がある。最近のスポーツ漫画は、作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」や、作:神尾龍+画:中原裕「ラストイニング」など、監督を主人公にした作品がけっこういい感じだと思う。

 作:朝田次郎+画:ながやす巧「壬生義士伝」は予告編が掲載。主人公は南部藩を脱藩して新選組に属した侍かな。精緻で迫力もある作画がカッコよく読みごたえはありそう。ただ、本連載開始が秋なのに、今予告編やられてもなあという気は正直する。そのほか、今号では作:鳴海章+画:千葉きよかず「レディイーグル」が連載スタート。戦闘機の操縦士をやっている女性自衛官を主人公としたスカイアクションである模様。まだどんな話になるかは分からないけど、とりあえず手堅そうな出だしではある。

【雑誌】漫画サンデー 4/17 No.15 実業之日本社 B5中

 作:井川香四郎+画:やまだ浩一「くらがり同心」がスタート。見た目はのほほんとしているけど、実は未解決の事件ばかりを担当している切れ者同心が主人公の捕物帖漫画といった感じ。事件が始まったばかりなので面白くなるかどうかはこれから。まあまあの滑り出しか。作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。夜這い村編終了。前号までが思わせぶりだったわりに、結末編はすごいアッサリしてるなあ。まあこれはこの作品ではいつものことだったりするわけですが、もう少し村にまつわる因縁話みたいなのをやって、濃い目の内容にしても良かった気はする。

【雑誌】コミック・ガンボ 4/3 No.12 デジマ B5中

 作:上野毛あさみ+画:黒岩よしひろ「ステージガールズ」。芸能プロのお嬢様がライバルというか黒幕というかな感じで盛んに活動するようになってきて、わりと盛り上がりつつはあるかな。やはりどっちかっていうと、漫才やってないドラマ部分のときのほうが面白い気がする。

【雑誌】COMIC XO 5月号 オークス A5平 [Amzn]

 ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」。お話的にだいぶ盛り上がってきた。これまでどおり、ドエロ漫画家変態少女であるキャノン先生の性行為に耽る貧乏漫画家・貧太だったが、彼女との夢のような生活に流されて、漫画家としての精進を怠っていた現実にふと気づいてしまう。ここから貧太はいったいどうするのか……といったところで以下次回。隔月連載なんで次は2か月先だけど、続きがたいへん気になるところ。グッとくるストーリーも構築できる人だけに、今後のストーリー展開には期待大。

 初登場、探検はらはら「らぶまいしすたぁ♥」は、なんだか独特の味のある作風。お話のほうは、妹のことをものすごく愛しまくっていてメロメロで、彼女にもなつかれてもいる姉が主人公。しかし無邪気な妹がある日、誕生日プレゼントといってエロエロな行為をしかけてきて、それが日を追うごとにエスカレートしていって大変なことに。ペンタッチに独特の柔らかみがあるし、天然っぽいキャラの描き方、ネームの進め方もあんまり普通の美少女漫画っぽくない。これまではアンソロジーがメインだったようで知らない人だったけど、ちょっと気になりました。

【単行本】「エマ」8巻 森薫 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 この巻から番外編がスタート。これまでのエマを中心とした物語ではなく、本編の物語を彩った脇役さんたちにスポットライトを当てていく。この巻では、ケリー奥さまの若いころのお話、エレノアおぜうさまのその後、「新聞」をキーアイテムとしたさまざまな人たちを描いていくお話、それからエマの同僚だったメイドのターシャさんの実家のお話……と4エピソード全6話を収録。

 どのお話も楽しいけれども、とくに好きなのはケリー奥さまの若いころのエピソード。彼女と、若くして病死した夫の仲睦まじい様子が楽しめるし、ラストも切なくも暖かく締めくくられていてジーンとくるものがある。あとその後のエレノアさんについては、こんんあ若僧に嬢ちゃんはもったいねえ、とは思ったりもするけれども、失恋ショックの後でなんとか立ち直れて良かったなあとしみじみ。あとエレノア溺愛中のおねいさんもやはりいい。

 新聞のエピソードは裸。乳。肉付きの良い女体が美しい。えーとほかにもいろいろ描かれてはいるんだけどまあいいじゃないですか。ターシャさんは見てて楽しい。明るくて裏表がなく周囲の空気を暖かくしてくれる。いい娘さんだなあと思います。てなわけで各話ごとにいろいろと見どころがある番外編シリーズ。この後のお話も楽しみです。

【単行本】「シグルイ」8巻 作:南條則夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 ついに藤木源之介×伊良子清玄の直接対決が開始。藤木は今や虎眼流の当主、伊良子は破門された盲目の剣鬼。立場は対照的ではあるけれども、どちらも異能であることに変わりなし。二人が切り結ぶ、一瞬一瞬の濃密なことといったらない。魔剣・秘剣・邪剣がぶつかりあい、刃が火花を放ち、肉が切り裂かれる血みどろの戦いは迫力満点。読んでいるほうも1ページ1コマたりとも気の抜けない戦いが繰り広げられてて、まさに圧倒的。1巻だけで満腹になるほどのボリューム感なのに、早く続きが読みたくなる、ぶっとい面白さにあふれた作品。


4/1(日)4/2(月)……サド蛙

▼アニメ新番組感想。まずは1日2日分から。

 「天元突破グレンラガン」。ガイナックスの新作で、男の夢・ドリルにこだわった元気なロボットアニメ。作画レベルはさすがに高く、お話のほうも勢いはある。ただそれがストレートに面白さにつながってるかというと、今のところはまだ微妙。「馬鹿なことを無駄なくらい力入れてやる」というのは面白いことではあるけれども、ちと小賢しい感じもあり、それが鼻につくようになるとこの手の作品としてはマイナス。もっと馬鹿馬鹿しさが前面に出てくれば良いのだけど。

 「ハヤテのごとく!」。まあまあ。若本規夫のナレーションはしゃべりがそれだけで面白くはあるが、アレは内容というよりは、しゃべり方で笑わせてる感が強い。アニメ版は、ナレーション、随所に顔を出すオタクネタなど、「ケロロ軍曹」を参考にしている感じ。作画はもう一つかな。原作は雑誌で読んでて大いに楽しんでるけど、アニメにしたことによる独自の面白さが出せるかといえば、ちょっと難しそうな気もする。少し様子見して、プラスアルファがないようであれば視聴中断も視野に。

 「ヒロイック・エイジ」。けっこうスケールが壮大な感じの宇宙英雄譚といったところ。まだ設定が見えてない部分が多くてなんともいえないけれども、作画はしっかりしてるし面白くなるかも……という感じはある。しばくは様子見で。

 「瀬戸の花嫁」。これは面白かった。溺れていたところを人魚に救われた少年が、その人魚の娘の婿にならんと殺すといわれてジタバタする第一話。とにかくドタバタ劇のテンションが高くて賑やか。監督は岸誠二。「マジカノ」をやった人だけど、OPの踊りが「マジカノ」のEDにちょい似てるなと思った。ああいう感じでドタバタやってくれれば今後も期待できそう。

 「エル・カサド」。監督:真下耕一+音楽:梶浦由記で美少女コンビガンアクションを展開。キャラがかわいく作画は良好。ストーリー面は弱そうだが気楽に見れそうな感じではある。まあまあといったところで、とりあえずしばらくは見る。

【雑誌】ヤングマガジン 4/16 No.18 講談社 B5中

 村田ひろゆき「元工業哀歌バレーボーイズ」。卒業、母の死といろいろあった後、谷口とその弟妹たちも再出発。前途は多難そうだがまずは前向きに進んでいける状態になって良かった。まあ谷口がマジメに働くかどうかはまだ分からないけれど……。きらたかし「赤灯えれじい」は、チーコが元カレとどうにかなってしまうのかーということで、わりとドキドキ感のある展開。色っぽい絵じゃないから寝取られとかそういう興奮はないけれども、先が気になるところではあります。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/16 No.18 小学館 B5中

 巻頭カラーは山本英夫「ホムンクルス」。名越vs.伊藤がだいぶ佳境に入ってきた。それぞれが身にまとった虚飾がはがされていくに従って状況は緊迫。このやりとりの結果、どういう地点に二人が行き着くのか、たいへん気になるところ。

 作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」。小野寺と玲子が二人だけの一夜を過ごす。長々と描かれているわけではないけれど、二人の触れ合いの様子は濃密で、それだけに最終ページのセリフがグッと切なく迫ってくる。やっぱり一色登希彦はうまいなあ。穏やかだけれどすごく痛切な別れをしっかり描いている。

 ヒラマツ・ミノル「毎月父さん」は地上最強の男、鈴木・グレーテスト・総四郎が、最強の相手を多数伴って日本に帰国。鈴木本人もスゴいバカだが、兄貴もやっぱりバカだった。たいへんしょうもなくて、次にどんなことしてくるのか楽しみ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/16 No.18 集英社 B5平

 福島鉄平「サムライうさぎ」。2話め以降はもう一つ煮えきれない展開かなーという感じ。ただ今回出てきた、主人公弟子のお姉さんである巫女さんはちょっとかわいいなと思った。飲んだくれだが、酔っ払った目つきが色っぽいし。江尻立真「P2! −let's Play Pingpong!−」。新展開なんだけど相変わらず大人しいなあ。もう少し派手にガツガツやってもいいと思うんですけどね。上品なんだけどハッタリが効かせられないので、やはりジャンプの中だと弱く感じてしまう。

【雑誌】近代麻雀 5/1 竹書房 B5中

 今回の巻頭ショートギャグ漫画ゲストは、田村信「えめめ大戦」。いつも変わらないノリ。また読切では大島やすいち「クイックマスター早業」(原作:二条凜)も掲載。マジックを麻雀のイカサマに使う男を、バーテンダーをやっている凄腕マジシャンがやっつけるというお話。ベテランらしくキッチリまとめているものの、このタネでここまでだまされるかなあ……という気もする。マジックっていうのはそういうもんなのかもしれないけれども。作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「麻雀破戒神DARUMA」は最終回。最後は意外と大人しかったかな。もう少しムチャクチャやってほしかった気はする。

【雑誌】ビジネスジャンプ 4/15 No.9 集英社 B5中

 読切で原案:金成陽三郎+画:野間ろっく「追跡者 大神冬馬」が掲載。足跡一つからさまざまな情報を読み取ることのできる技術を持つ山岳ガイド・大神が、その特殊能力でもって、山奥に逃げ込んだ傷害事件の犯人を見つけ出すという内容。足跡一つからでもその人間のいろんな情報が読み取れる……というくだりが、推理モノとしてはなかなか面白そうに描かれている。絵のほうも浦沢直樹っぽい安定感のあるもので、手堅い作品という感じ。

【雑誌】コミックメガストアH 5月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 号によって波はあるものの、最近はときどき本誌よりもいいんじゃないかと思うこともあるくらい強力になってきたなーと思う。

 甚六「Nonstop!剣持先生」は、かわいい男子生徒に夢中な巨乳女教師さんが、その仰山な乳球を使って彼を誘惑しちゃうというお話。まあ女教師モノなんですが、先生がたいへん無邪気に彼のことを好いている様子が楽しい。大人の女っぽく振る舞いつつも、内面は初々しいところがええ感じです。あとエロシーンも乳だけでなくちんことかもちゃんと描き込んであってしっかり実用的だし。

 フクダーダ「いつのまにか二人は」は幼なじみカップルエッチもの。すでに何度もやったことのある二人のお久しぶりエッチだが、二人が軽口を叩きつつもラブラブな様子が微笑ましい。あと最後のオチの部分も見せ方うまくて面白かった。槍衣七五三太「赤面症の彼女」。こちらも小学校からずっと一緒なカップルのお話。普段は明朗快活でクラスの人気者なんだけど、主人公の前ではすぐに顔が真っ赤になっちゃうヒロイン女子が良い。作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」に似た雰囲気。

 最近注目中のけものの★は、今回は「クビワナビ」という作品を執筆。田舎育ちのせいか、世間一般の若者とは感覚がズレまくりの不思議女子・直恵さんと、彼女にメロメロなその彼氏のラブラブ模様を描いた作品。吊り目で紋切り型口調、恥じらうポイントが人とはかなり違った直恵さんがなんともかわいく楽しく描けている。いつもながら表情が多彩でいいですねえ。

 野良黒ネロ「メイドマスター!?のど香」。世間知らずなハウスキーパーの女の子を、主人公がだまくらかしてメイド服着せてエッチしちゃうというお話。ちょっとヌルめの柔らかい線に、ホッとする味わいがある。でもエロシーンもけっこうちゃんとやってたりするところが今風ですな。紺野あずれ「スクール水着でお願いします」はタイトルどおりのスク水エッチ。今回はおしりではなく前でした。

 大嶋亮「担任教師のイケナイ放課後」は5話め。タイトルは担任教師だけど、お話のほうは女の子みたいにかわいい男の子・美作くんと、そのクラスメートのツンデレ系女子・柊さんのラブラブ度が盛り上がってエッチ。次回で最終回とのこと。無望菜志「テンタクルラバーズ」もなかなか面白かった。魔法の力を持つお姫様の力でタコ型化物になってしまった少年のお話。今回は彼が学校で暴走して、教室が触手乱舞のエロエロ空間に。そんなことをやりつつも、触手主人公とお姫様がけっこうラブラブだったりするのもユニーク。触手は素晴らしい。

【雑誌】ポプリクラブ 5月号 マックス B5中 [Amzn]

 今号では、ヤスイリオスケと中年がとくに良かった。まずヤスイリオスケ「ちょっとくらい腐ってるのが美味いんですよ?」。今回もつやつや感あふれる巨乳っぷりが素晴らしい。あとお話のほうでも、主人公、腐女子めがねっ娘とツンデレ幼なじみの三角関係でラブコメムードをグッと盛り上げ、ラブラブ度もさらに上昇させてていい案配。今回で3話めだけど、キャラが見てて楽しいし、いい調子できていると思う。

 中年「ご令嬢の過剰な愛情」。こちらもキャラが良い作品。主人公男子にこのうえなくベタボレで、行きすぎな行動をとりまくってしまう超お金持ちお嬢様の様子が楽しく描かれている。あまりの熱烈求愛に引き気味な彼に、なんとか振り向いてもらおうとするお嬢様が、涙までポロポロこぼしながら必死に頑張る姿がたいへんかわいい。

 井ノ本リカ子「くすりゆびハニー」。こっちでは順調に連載が続いている。コミックアライブの「モモタノハナ」は連載中断しているのに。なんとかあっちも単行本出るところまでは持っていってほしいんですけどねえ。BENNY'S「おしおきねえちゃん」。姉のことがすごく好きな弟と、彼のことが好きなんだかよく分からん天然姉ちゃんの、シリーズ2話め。ほわほわやらかい肉体描写で相変わらず甘ったるくエッチ。3作めもあるかな?

 綾乃れな「H.P.P.」。兄妹学校Hという感じの内容。いつもながらぷにぷに感あふれる女体描写がええですのう。あとチビキャラデフォルメ絵もけっこうかわいい。あかざわRED「ろりあね」が最終回。まあ最後はちと急ぎ気味だったけど、ドタバタ感たっぷりな明るい作品でけっこう楽しかった。

【単行本】「かみちゅ!」2巻 鳴子ハナハル メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 これでおしまい。中学生神様・ゆりえちゃんの活躍を、鳴子ハナハルの美麗な作画で描いた一作。原作の内容を踏まえてきっちり漫画化しているし、絵のほうもさすがうまくて、ゆりえちゃんたちが愛らしく描けている。ただちょっと残念なのは、意外とコマ割がチマチマしてたこと。この作品の場合、もっと大きなコマ使って、ドーンと気持ち良く見せたほうが、お話も鳴子ハナハルの絵も生きたと思うんですよね。とくにゆりえが神様能力を使うシーンとか、風景描写とかは、1ページぶちぬきとか見開き使ってバーンといっても良かったと思う。まあ限られたページ数で、原作の内容を消化しなくてはならず、なかなか難しかったんだろうなーとは思いますが。

【単行本】「ふたつのスピカ」12巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 フラッパー4月号でビックリ展開を見せた本作品。単行本ではちょうどそこまで収録。宇宙学校5人組が、それぞれの将来を意識するようになって、みんなで思い出作りに訪れた唯ヶ浜。優しく暖かいけれどもとても切なくもある状景が展開されていく。それにしてもこの展開を受けて、今後どうなってしまうのか、すごく気になるなあ。1巻6話収録だから、単行本で読む人はあと半年はどうだったかということが分からないのですな。続きが待ちきれない人は、現在発売中の5月号で続きが読めるのでそちらでどうぞ。

【単行本】「職業・殺し屋。」9巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ロシアン・コンバット編は終了で、その後は単発エピソード1本の後、元お犬番の超絶剣士との死闘編に突入。ロシアン・コンバット編は、四条と赤松中心で、蜘蛛や蟷螂が出てこなかったけど、ようやくこの2人が戻ってきたという感じ。やっぱ蟷螂の極悪淫乱ツンデレぶりがないと、個人的にはちと物足りなかったり。


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