2007年10月上旬


10/10(水)……トーチョロジー

【雑誌】週刊少年サンデー 11/7 No.47 小学館 B5平

【雑誌】週刊少年サンデー 11/14 No.48 小学館 B5平

 No.47が10/24、No.48が10/31発売分。

 No.47で鈴木央が新連載開始。タイトルは「金剛番長」。内容のほうは、とにかくべらぼうに強くて、なおかつ男気にあふれた現代の番長オブ番長、男の中の男・金剛が、男としてのスジを通すため大暴れというもの。今どき番長漫画をやろうというのは大胆ですな。ウケるかどうかという観点からいえば、微妙なとこだとは思うのだけど、インパクトがあって分かりやすいネタ・キャラではある。この人は序盤はうまいけど、中盤以降がダレやすいタイプだと思うので、そこらへんはうまくやってほしい。

 井上和郎「あいこら」はNo.47でハチベエと天幕さんがお互いの気持ちをハッキリ口にしてかなりラブラブに。で、No.48では残りメンツだった忍者娘・鳳さんに歌手デビューの話が。着々と大団円に向けて近づいている。とかいったことをずっと書いてはいるけど、なかなか終わらないですね。まあ時間をかけてソフトランディングさせようとする姿勢は、いかにもサンデーらしい気はします。

 No.48、松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」は、叶翔との対決が決着した感じ。この一連のエピソードでケンイチの超人化はずいぶん進んだ。とはいえ、これまで努力と根性はむちゃくちゃたっぷり描いてきた作品なんで、勝利のほうにもカタルシスはある。強さがインフレしてるのは確かなんだけど、最初っから梁山泊の師匠たちが超人的だということが示され、時間をかけて慣らされてきてるのでそんなに違和感はないんですよね。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/7 No.47 講談社 B5平

【雑誌】週刊少年マガジン 11/14 No.48 講談社 B5平

 No.47が10/24、No.48が10/31発売分。

 No.47で森川ジョージ「はじめの一歩」はマルコム・ゲドー戦のエピローグ的なことが描かれて、この章おしまい。まあお話的には本筋とは外れていたけれども、キャラとしては今までにない曲者という感じで個人的にはまずまず楽しめた。No.48では西本英雄「もう、しませんから。」が連載150回め到達。なんとなく読んでしまう刺身のツマ的ポジションだが、けっこうちゃんと仕事しててわりと好きな作品。チャレンジする内容は、本気でキツそうなときと、案外ヌルそうなときとまちまちだが、まあどちらもそれなりに角が立たないよううまくまとめてるんじゃないかと思います。

【雑誌】ビッグコミック 10/25 No.20 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミック 11/10 No.21 小学館 B5中

 No.20が10/10、No.21が10/25発売分。

 いわしげ孝「単身花日」は、主人公・桜木とその初恋の人・桐野が二人旅に。不倫関係になるのかと思ったら、桜木に理想の父親像を重ねている桐野さんは情事を拒否。そして彼女が抱えている少女時代のトラウマが語られるのだが……。というわけでますますもって、お話は粘着感あふれる展開になっている。色気をぷんぷん漂わせながらもストーカー気質という、これまでのキャラ作りも十分面倒そうだった桐野さんだったが、新たに見えてきた側面ももっと厄介そう。このねっちょりした刺激が好き。

 なかいま強「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」は、草太の調子が上がってきてイケイケ状態になっており、なかなか楽しい。最近はマイト竿崎と同組で回っていることもあり、その掛け合い、リアクションも面白いし。このほか、作:西ゆうじ+画:ひきの真二「華中華」、画:はしもとみつお+脚本:九和やまと「築地魚河岸三代目」の食い物系2作もコンスタントに面白い。うんちく面が充実しているし、作られる料理も普通にうまそう。

【雑誌】スーパージャンプ 10/24 No.21 集英社 B5中

【雑誌】スーパージャンプ 11/14 No.22 集英社 B5中

 No.21が10/10、No.21が10/24発売分。

 No.21で東村アキコの新連載「高円寺チェリーボーイズ」が開始。保育園に通い始めた赤ちゃんが主役のドタバタコメディ。いちおうお母さんは花屋でパートをやってるという設定っぽいが、モデルは明らかに作者自身と息子さんでしょうな。まあ気軽に読んでいけそう。

 No.22では、星野浩宇「濱〜孫子異伝〜」が新連載。古代中国の孫子をモデルにした作品。「孫子」と呼ばれる人物は、兵法書を書いたほうという説がある孫武と、その兵法を実戦に適用したといわれる孫濱の2人がいるが、この作品ではタイトルどおり孫濱をメインに扱う。ちょっと垢抜けない感じの絵柄だが、お話的にはけっこう力が入っておりまずまず読ませる。絵柄的には「サイカチ」「ベクター・ケース・ファイル」のカミムラ晋作に近い系統かな。

 作:早川光+画:橋本孤蔵「渡職人残侠伝 慶太の味」。No.21掲載回では坂巻が餃子作りをやっていた。この前はかき氷とかやってたし、このシリーズは鮨だけじゃなくてなんでもやりますな〜。坂巻の万能超人ぶりが発揮されすぎてて愉快。あと万能超人といえば、作:愛英史+画:里見桂「ゼロ」。ときどき電波っぽい内容の回があるこの作品だが、No.21の回もけっこう面白かった。この回は、地球の磁極が逆転する「ポールシフト」の研究に生涯を費やしたアマチュア研究家の物語。この研究家がけっこうトンデモ系な感じだし、彼がゼロへの報酬として与えると約束した伝書鳩が、ゼロが手を差し出した途端ひゅっと飛んで来て肩に止まったりするシーンもなんか笑ってしまった。ゼロは本当になんでもできるんだなあ。

【雑誌】オースーパージャンプ 11月号 集英社 B5中

 10/17発売号。この号ではちょいエロ系作品を登用する「SJエロかわ祭!!」という企画で、玉置勉強「下着がお好き?それとも…」、北河トウタ「お月見」、和六里ハル「変身飯店」が掲載。玉置勉強と北河トウタはこの手の雑誌にも出てきそうな人だけど、和六里ハルを持ってきたのはちょっと意外な感じかな。ちなみにページ数はそれぞれ8Pずつとなっている。

 壬生ロビン「東京双六」は3話め。明治時代の中期に活動していた政治青年である壮士の団体に入った主人公と、その団体が「風紀を紊す」と付け狙う娘義太夫の間に生まれたほの暖かい想いを描いた物語。恋愛とまでは行かないながらも、瑞々しさのある物語はなかなかに好印象。壬生ロビンはけっこう面白い作品を描く人なので、もう一つなんかきっかけをつかめればなあと思う。

【雑誌】コミックレヴォリューション Vol.4 フランス書院 B5平 [Amzn]

 COMICパピポ増刊という扱いで出ている雑誌だけど、10月29日発売号でパピポが休刊。こっちのほうはどうなっちゃうんですかのう。続くとしたら別の雑誌の増刊扱いかな。次号予告がないのでよく分からんです。とりあえずフランス書院がエロ漫画誌から撤退しちゃうと寂しいものがあるので、なんらかの形では残ってほしい。

 凪妖女「盗聴ロジック」は触手モノ。「好きな人を夢に見ることができる」というおまじないをやってみた主人公少年だが、その夜、彼は自分が触手になって彼女にからみつくという夢を見てしまう。その内容には夢とは思えないほどやけに生々しい質感があって……という感じ。ぷにぷにしたヒロインさんの体つきと、触手のからみっぷりがいやらしく、けっこう実用的だと思った。

 BENNY’S「教えてね♥」。転校生の女の子と、彼女に新しい学校のことをいろいろ教えてあげていたクラスメート男子のラブラブHストーリー。ちょいと天然っぽいヒロインさんがなかなかかわいく、甘ったるいストーリーも樹上。まあいつもながらの味という感じで手堅い。あと井ノ本リカ子は表紙には名前があるけど、体調不良のため非掲載。

【雑誌】メガプラス Vol.49 コアマガジン B5平 [Amzn]

 にびなも凸面隊「変身!LUNATIC NIGHT」。ぷにぷにしたキャラ造形がなかなかよろしい感じで、うさみみ娘さんもかわいい。エロシーンはちんこ本数多めで、それなりのページ数もあるものの、パッと始まってパッと終わる感じなのでもうちょっとねっちり煮詰めていく感じは欲しいかな。

 初登場、NC「rain」。彼女が別にいる幼なじみ男子に、体だけ使われているけど彼への想いを捨てきれない少女の姿を切なく描いた作品。なかなか品の良い絵柄で、細かなペンタッチもきれい。きれいめな作品なので実用度はそんなに高いほうではないが、こういった絵柄の人でも断面図とかをがりがり描き込んでるあたりはイマ風だなあと思う。それにしても最近のエロ作家の人たちは、検索しにくいペンネームの人が多いです。検索避けにわざとやってるのかもしれないけど。

 要青豆も初登場。「お母さんの仕事」。人妻エロスをちょいクセのある絵柄でねっちょりやってて、ちょっと泥くさめながらけっこうエロさはある。吉田あぺぢ「真夏の昼の夢」。こちらも年上のおなご系。こなれた感じの女体のラインは好み。あとりゅうき夕海「あねパラ」は今号で最終回となっている。

【雑誌】ヤングコミック 11月号 少年画報社 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 大見武士「ろーてく〜輝くぬめりの宇宙へ〜」は最終回。このシリーズは前作の「ろーぷれ」と異なり、主人公&ヒロインは固定。最初のほうは生意気なおねーさんって感じだったヒロインの深見さんが、回を重ねるごとにデレ化していく様子がなかなかわいくて良かったです。単行本は11月28日発売予定。

 ジェームスほたての新連載「オモチャのお姫様」が開始。居候していた兄の部屋から追い出されて宿無しとなっていた主人公に、とある女の子が声をかけてきて、何がなにやら分らぬまま、超お得な空き部屋と、何やらいわくありげなバイトの情報を持ってくるのだが……という出だし。まあその女の子となしくずしでエッチな展開になった後、タイトルがほのめかしているバイト内容とつながっている。主人公が「八房」、ヒロインが「伏姫」という名前なのからも分るとおり、「八犬伝」みたいな感じで、バカ犬とご主人様というツンデレ構図を作ろうとしているのだと思われる。ヒロインさんがツンデレ系巨乳女子でピチピチしててけっこうかわいく、まずはジェームスほたてらしい手堅い滑り出しといった感じになった。

 すずきみら「運命のヒト」前編。ちょっと意外だったけど、ヤングコミックは初登場だそうな。お話のほうは、主人公の家に押しかけてきた天使を名乗るOL風の女性が、彼とその運命のヒトである女子をくっつけようとそそのかすという内容。運命のヒト候補である女の子がラブラブムードをぷんぷん放出していてなかなか。この人も安定してうまいですな。

 池上竜矢「実録素人あや20歳」。ビルの警備のバイトをやってたドジッ娘系のメガネっ娘が、警備してたビルで行われていたAV撮影に巻き込まれてエッチという内容。陽気でドタバタしたノリはけっこう楽しい。今回は頭身縮めたデフォルメ絵がわりと効いてるんじゃないでしょうか。あと巻末の金平守人「エロ漫画の星」は、エロ漫画絵師の絵を模写してみるというのをネタにしている。元絵とはかなり違った崩れた絵の模写やってるけど、この人はすごく器用な人だから、本気でやったら相当うまいこと模写するんでしょうなあ。


10/9(火)……残響スパイ

▼イブニング、ヤングチャンピオンは10/9、23発売物件。漫画サンデー、ガンボは10/23、30の発売物件です。

【雑誌】イブニング 10/23 No.21 講談社 B5中

【雑誌】イブニング 11/13 No.22 講談社 B5中

 No.21で新連載、久保保久「よんでますよアザゼルさん。」が開始。悪魔を召喚していいようにこき使ってる探偵社で繰り広げられるドタバタギャグ。ファンタジー系だったりオカルト系といった色合いは薄くて、出てくる悪魔がなんかもこもこした犬みたいな感じの情けないヤツだったりして、まったりしたギャグを展開。さほど派手ではないけど雰囲気的にはまあわりと好きかな。

 5号連続新連載の第5弾、No.22で開始の竹本真「サンスパ!」は、とある電機メーカーで、いきなり産業スパイになることを命じられた女性が主役のドタバタコメディといったところ。まだ垢抜けない部分もある絵柄だが、お話としてはまずまず読みやすい。これは第1話の段階ではまだ判断がつかないので、今後の展開しだいといったところ。

【雑誌】ヤングチャンピオン 10/23 No.21 秋田書店 B5中

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/13 No.22 秋田書店 B5中

 吉田聡「荒くれKNIGHT 黒い残響完結編」が集中連載されているということで、表紙にしたり描き下ろしポスター付けてたりするんだけど、やっぱり「荒くれKNIGHT」はヤングキングというイメージが強いなあ……。

 No.22に読切で、作:長尾エボシ+画:いくるみかおる「あまからい生活」が掲載。同棲中のカップルの他愛ない日常を描写したコメディ。長尾エボシ+いくるみかおるのコンビはこれまでもときどき読切掲載されているが、いくるみかおるの肉付きの良い絵柄はまずまず好印象。あと吉沢緑時の日常トラウマネタのコメディ「ざんねんなこ、のんちゃん。」も、荒削りながらちょっと気になる絵柄。全体にちとマンネリ感のある雑誌なので、ここらへんの新鋭がうまく伸びてくれれば。

【雑誌】コミック・ガンボ 10/23 No.41 デジマ B5中

【雑誌】コミック・ガンボ 10/30 No.42 デジマ B5中

 No.41に読切で藤代翔「彼女が居る景色」が掲載。平凡なサラリーマンである主人公と、彼女がいつも同じ場所で見かけるユーレイの女性が織り成すハートフルストーリーといった内容。絵柄的にスッキリしてて、手堅くまとまってはいるものの、目立った特徴がいまいちなくてちと弱いか。

 No.42、画:はまのらま+作:どいーん「昭和バカ囃子」は、二ツ目昇進を賭けた木久蔵の高座の内容を、漫画で読ますという構成。個人的には「漫画で読む落語」的な構成にするよりは、音楽漫画みたいに話す側のパフォーマンスと客席の反応を見せてくれたほうが、カタルシスがあったかなあという気がした。

【雑誌】漫画サンデー 11/6 No.42 実業之日本社 B5中

【雑誌】漫画サンデー 11/13 No.43 実業之日本社 B5中

 No.42。内田春菊が東京大学の研究者・池ヶ谷氏を取材した漫画にする企画「イケガヤ・アフィセミオン・ルーム」が5回めにして最終回。まあのんびりとした内容。研究内容については軽く触れる程度って感じだった。なお「本シリーズは、コラボレーションのパートナーが変わって、再び登場の予定」とのこと。えーと内田春菊はそのままで、相手が変わるって感じかな? 漫画側が変わるか、それとも取材される側が変わるかはとくに記載されてません。

 No.43では作:西ゆうじ+画:引野真二「みんなのバス」が最終回。地味ではあったけど、作画作劇ともに手堅かった。あと作:かわさき健+画:ふんわり「歯かけの恋」もNo.43で第二部が終了。不格好で一本気なかませ犬ボクサーの生き様を描く物語。泥臭いけどけっこう読ませるし、わりと好きです。

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」は、遣り手婆をやってる五十路の女が、菊之介の「きぬた」を目撃して女を蘇らせるというエピソード。「……”きぬた”……あの伝説の性技を使う男が……ううん使える方がこの時代にいたなんて……」とかいってて思わず笑ってしまった。すでにすっかり日常のものとまで感じるようになってしまったきぬたが、そこまで凄い技だったとは知らなかった。感動だ。

【単行本】「オーレ!」4巻 能田達規 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 N2リーグ残留を賭けた上総オーレの戦いを描く第4巻。試合シーンだけでなく、試合の裏で行われる駆け引きのシーンなどもアツかった。最初は役人気質が抜けなかった中島が、すっかりチームの立役者的存在になり、クラブにのめり込んでいく様子に燃えるものがある。サッカー好きなら同じようなことしてみたいと憧れる人もけっこういるんじゃないでしょうか。連載のほうはすでに終わっちゃったけど、この調子でもっとサッカークラブ作りの話は読んでみたかった。

【単行本】「もっけ」7巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 コンスタントにしずしずと展開。世の中のいろいろな怪と、自然につき合っていく人たちの姿を端整に描写。まあお話のパターンがだいぶ固まっちゃったんで、もう少し動かしてもいいのかなとは思うけれども、キャラ造形、自然描写は気持ち良くて好感が持てるのは相変わらず。あとこの巻では、静流に妙になついてしまった女の子のお話が百合百合しててちょいとええ感じだった。もう少し煩悩成分は増やしても良いのかも。たぶんこの人はそういうのも描けるだろうし。作風の幅を広げるためにも、ときどき読切にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんな。


10/7(日)10/8(月)……天下ブーツ

▼いつも更新遅くてすみません。さすがに「いい加減にちゃんとしろ」と思われるでしょうけれども、ちゃんとできないんですよねー。いやー、男しばた35歳、すっかり衰えましたわい。ここのところずっと仕事が遅れがちで、さすがにそっちサボって更新してるわけにもいかず。ちと細かい仕事増やしすぎたなとは思うものの、それをしないで食っていけるほどでもなし。「追いつけないなら雑誌の感想なんかすっとばしちゃえよ!」という方もいらっしゃるかとは思いますが、自分は雑誌派なので、雑誌の話してるほうが楽しい。だからここは譲れないのです。自分用のメモという意味合いも大きいので。

OHP月極アンケート、2007年10月分「泣ける漫画」ですが、開始が遅かった&更新が滞ってPR不十分だったということもありまして、締切は11月1日いっぱいにします。いろいろ情けない状態ですみません。

▼本日の感想のほうですが、ヤンマガ、スピリッツ、ジャンプは10/22、10/29発売分のものです。日記の日付のほうは便宜的なものなので、気にしないでください。

【雑誌】ヤングマガジン 11/5 No.47 講談社 B5中

【雑誌】ヤングマガジン 11/12 No.48 講談社 B5中

 村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。宮本をめぐる男女関係がこじれにこじれ、そのしわよせが虎子に。これまで虎子は常に献身的だっただけに、切ない気分になった。なんか虎子は年々ブスキャラではなくなってきている気がする。あと気になる動きとしては、谷口の妹が赤木に惚れちゃったっぽいことでしょうか。オジロマコト「カテキン」。最近はお話が動いててちょっと面白くなってきたと思う。サチとアイちゃんがつき合い始めたが、アイちゃんはサチの思惑をよそに暴走中。軽いエッチ系の展開よりも、最近の迷走展開のほうが個人的には好き。

 No.47には岡崎武士の読切「レッツ☆ラグーン」が掲載。修学旅行中に遭難して無人島に漂着した少年が、そこで同じように流された同級生少女とトキメキ無人島生活といった感じ。ラブラブという段階までは行ってないけど、明るい調子でボーイミーツガールなお話をやっててまずまず楽しかった。女の子さんもわりとかわいいし。ちなみに久々登場の岡崎武士のコメントは「のんびりやりまーす。」とのこと。

 あとNo.47では作:原田重光+画:松浦まどか「魔嬢っ子リーナの不思議大作戦」も、別冊ヤンマガから出張掲載されている。本物の魔女が人間界にやってきて、小倉優子的なノリでキャバ嬢をやるというお話。魔女っ子の天然ぶりがキモな作品だが、これが本当に目の前にいたらけっこうイライラしそう。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/5 No.47 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/12 No.48 小学館 B5中

 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」は単行本100巻到達記念でカラーページをやったり。お話のほうは、消費者が気がつかない間に摂取している食品添加物について切り込むという内容。知識的な面ではなかなか面白いし説得力もある。まあ添加物について実際にどう捉えるかは、これ読んだだけで判断するのではなく、自分で調べてみて、多面的に考えたほうがいいだろうなーとは思うけれども。

 No.48では、松本大洋「竹光侍」の第四部が開始。今回は瀬能宗一郎の過去エピソードにも踏み込むことになりそう。花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。ちはるちゃんがどんどん魔性の女っぽくなっておりますなあ。田西よりも一枚上手なように見える。その分、ハナが最近初々しい感じもして好対照。作:小松左京+画:一色登希彦「日本沈没」はクライマックスといったところ。結城の行動によって錯乱する小野寺の様子に強烈なインパクトあり。やはり一色登希彦は、力のある絵を描きますね。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/5 No.47 集英社 B5平

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/12 No.48 集英社 B5平

 No.47。江尻立真「P2!」が連載1周年で巻頭カラー。一時期はかなり後ろのほうに行ってたけど、よく持ちこたえましたなあ。まあスジ自体は悪くない作品だったので、何かきっかけをつかめればという感じではあったけど。ただ、No.48では定位置あたりに戻っていたし、まだその他の看板作品と比べるとちとぶっとさみたいなのは足らん気がするので、もう一押し何かあるといいかな。

 あと最近のジャンプは話が頭に入って来づらい作品がけっこう多いとは思うんだけど、叶恭弘「エム×ゼロ」、矢吹健太朗「ToLOVEる」、河下水希「初恋限定。」あたりのラブコメ系作品は、いずれも読みやすい。「エム×ゼロ」はラブコメじゃないときも多いけれども。まあ多少ぶっとんだ設定であっても、展開自体は珍しくはないんで、30台後半に差しかかった自分のような人間でも追いてかれにくい。この2号のうちでは、No.48掲載の「ToLOVEる」での古手川さんのツンデレっぷりがなかなか良かったと思う。

【単行本】「アニメがお仕事!」7巻 石田敦子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。憧れていたアニメ業界に飛び込んで、厳しい現実を見せつけられながらも、頑張ってアニメーターを続けた二人の物語もついに完結。迷い道ぐねぐねの青春ロードではあったけど、二人とも悩みながらたくましく成長していって、最後は爽やかにしめくくった。現在のアニメ業界の話とはまた違う部分もかなりあるんだろうけど、石田敦子自身のアニメに対する想いも伝わってきたし、読みごたえのある作品だった。この作品をアニメ化してみるのも面白いかもしれませんな。まあ動かして面白くなる作品というわけでもないだろうけど、

【単行本】「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」2巻 作:横山光輝+脚本:今川泰宏+画:戸田泰成 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 ジャイアントロボのニューストーリーを激しく展開。戸田泰成のたいへん濃い絵柄もずいぶんジャイロボ世界にマッチしてきて、勢いを感じさせる。なんか大人の男キャラがみんなすごく怖そうなヤクザ面してるのがいい。大作くんでさえ、無垢な少年って感じでもないですしのう。このくらい濃くやってくれると立派。

【単行本】「仮面ライダーSPIRITS」13巻 村枝賢一 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ゼクロス編になってからは正直いって話がよく分からなくなってきてはいて、初期のころの痛快さはだいぶ失われた感がある。とはいえ局面局面での爆発力は健在。とくにV3の戦いぶりはアツかった。村枝賢一漫画の良いところは、照れくさがったりせずに、ストレートにアツさをぶつけたり、カッコつけられたりするところだと思う。それがヒーローものとよくマッチしている。

【単行本】「この恋は実らない」2巻 武富智 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 モテモテだったヤリチン男・輝が、無垢なお嬢様である百合子に本当の恋をする。しかしそれまでどんな女相手でも即ヤリだった輝だが、百合子の前ではカッコ悪い行動もついしてしまい、さらにSEXもなぜかできず……というお話。要するに「本当に恋した相手とは気軽にエッチできない」「心と体は別モノ」といったことがテーマのラブストーリー。武富智の絵は、相変わらず見る者をハッとさせる瑞々しさがある。お話のほうは輝がヤリチリンでいい加減すぎたこともあり、ノリにくい面はあり、少し上滑り気味にも感じられる。でもまあ連載ではラストのほうに行くに従って、輝の好感度も上がって盛り上がっていたので、次の巻をまとめて読みたいところではあります。

【単行本】「カラクリオデット」4巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 学校生活を通じて、アンドロイド女子・オデットが少しずつ成長していく様子を楽しく描く。オデットさんは相変わらず楚々としていて、なおかつ人情味もあってかわいい。この巻ではオデットよりも、むしろオデットの新たなおともだちとなった、体に触れた相手の心を読む孤独なお嬢様・白雪さんが目立つところも多い。まあキャラも少しずつ増え、友情物語、恋愛物語としてコンスタントに楽しくやっていると思う。

【単行本】「学園アリス」14巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 なんだか不穏な気配を漂わせた美少女転校生がやってきて、彼女に操られているのか、蜜柑を中傷誹謗する生徒が増え……という巻。わりと息苦しいシリアスなエピソードが増えてきており、ほのぼのでちょいラブコメといった持ち味は最近はあまり発揮されておらず。ずっと蜜柑の母親のエピソードを引きずり引きずりでやっているので、もうちょっとお話の展開は早めてほしいなあって気はする。

【単行本】「あいこら」9巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 いつもながらのドタバタ感。ラブコメ展開も多少増やし気味だけど、この段階ではまだ一話完結のドタバタ回が多め。楽しいことは楽しいけど、パターンが定まってからはちとダレ気味な印象も受ける。次の巻あたりからまとめに入るかなーという感じ。

【単行本】「喰いしん坊!」15巻 土山しげる 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]

 食いワングランプリの決勝が開始。4人の進出者、そして勝負食が決まってガチンコバトルがスタート。まあこれまで通りなんでとくに目新しいことはないけど、とにかく読みやすいし、内容もコンスタントでするする行ける。まさに「これやったらなんぼでもイケるデェ!」って感じの作品。とはいえ邪道喰いの新しいバリエーションはそろそろ見たいけど。

【単行本】「レモネードBOOKS」3巻 山名沢湖 竹書房 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。本がものすごく大好きな男の子とつきあうようになった女の子が、彼を通して本好きの生態やら、本のステキさとかに触れていくという内容。本好きな人ならうんうんと思うようなエピソードがいろいろ詰まってて、なおかつほんわかとした暖かい雰囲気で楽しいです。まあ自分の場合は、この彼氏さんとはずいぶん本の扱いがいい加減であり、「俺だったらこんなことしねー」という違和感もあったりはしますが、まあ理解できる範疇の差異ではありますね。

【単行本】「シグルイ」9巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 牛股権佐が鬼のごとき戦いぶりを見せる巻。伊良子と藤木の戦いについてもクライマックスではあるが、やはりこの巻は牛股でしょう。牛のごとき怪力で、人間をまるでごみのように砕き散らしていくその姿はまさに鬼。迫力満点で素晴らしい。ここまでのお話では解説役的なところがわりと多かった牛股だったけど、ここに来て本領発揮。カッコイイです。

【単行本】「ラブやん」8巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 なんかほったらかしといたら発売からずいぶん経っていて(7月23日発売)、しかも雑誌のほうでも話が進んでいるのですっかり懐かしい気分に。えーといつものごとく、カズフサとラブやんたちの生活は続いているのだけど、ラブやんにフラグが立ちかけたり、カズフサの幼なじみ娘がどうにかなったりで、意外と話は動いたりした。とはいっても下らないノリやオタクネタは相変わらずなんで、サクッと笑いながら読んでいける。時事ネタに頼るタイプのギャグじゃないんで、多少時間が経っても面白さがあまり変わらんのがいいですな。


10/6(土)……闘気妖夢重視

【雑誌】チャンピオンREDいちご VOL.4 秋田書店 B5平 [Amzn]

 アニメ版が始まったということで、ヤングアニマルあいらんどに続いてこっちでも「キミキス」を特集。糸杉柾宏「キミキス〜スウィートリップス〜」が2本掲載されているほか、別冊で「キミキスコミックブック2」がついている。コミックブック2の執筆陣は、松山せいじ、紺野あずれ、水城たくや、晴瀬ひろき、神楽つな、しもむらあるも、井上行広、大和田秀樹。この中では紺野あずれ「放課後コミュニケイト」、晴瀬ひろき「神様にお願い♥」あたりが好みかなー。

 そのほかの作品では、まず快楽天BEASTとかで活躍中のさめだ小判が初登場。「ボクがあの娘であの娘がボクで」。タイトルから分かるとおり、少年少女の肉体入れ替わり型コメディ。エロ方面でも目を引くキャッチーで達者な絵柄は、こちらでも十分目立つ。tenkla「ヨメイロちょいす」。「謎のはんなり美少女絵師」とか書いてあるけど、絵柄から察するに土居坂崎の別名でしょうか。乳などを中心に柔らかそうな肉体描写も土居坂崎っぽい。

 連載モノでは、吉富昭仁「BLUE DROP〜天使の悪戯〜」、おりもとみまな「メイドいんジャパン」はけっこう楽しい。とくに「メイドいんジャパン」。主人公が女装してメイド学校に通っているという設定で、エロっちい描写をふんだんにいれつつドタバタギャグを展開。描線のメリハリが効いた絵柄で、恥じらいなく、ノリのよろしいお話を描いてて、調子良くきているのではないかと。

 青本もあ「Lipsライム」。コミックアライブで「おまかせ精霊」を描いている人。こちらのほうでは、姿形は人間に見えるけど、正体はスライムである女の子の恋物語を楽しく見せる。彼女が恋している男の子によく見られようと、素っ頓狂な方法で彼にアピールする様子がなかなか面白い。絵的にもかわいらしいし、楽しい作品だった。

 炭山文平「羊達の眠る頃」。女子寄宿舎で繰り広げられる、少女たちのエロチックでミステリアスなストーリー。主人公のイルゼは、同室だったロスヴィータに弱みを握られて、彼女に肉の悦びを教え込まれてしまう。しかし新たに同室となった無垢な少女、フリデリケによって救いを見出す……といった内容。線がけっこうしっかりしてて見やすく、ダークな雰囲気を醸し出す画面作りもなかなか。明るい萌え系の絵柄の作品が多いこの誌面の中ではけっこう目立つ。炭山文平は、別冊ヤングマガジンで「P.I〜プラトニック・インベイド〜」とかを描いていたが、けっこう力のありそうで気になっている作家さんではある。うまいことどっかの雑誌に定着できるといいんだけど。

【執筆陣】糸杉柾宏、カイシンシ、さめだ小判、tenkla、吉富昭仁、おりもとみまな、みづきたけひと、佐藤健悦、大橋薫、やぎさわ景一、野上武志、青本もあ、藤島真ノ介、FLIPFLOPs、松山せいじ、瀬菜もなこ、そらのきのこお、炭山文平、しまだわかば、天瀬晴之、井上行広、岡田芽武
【別冊付録】松山せいじ、紺野あずれ、水城たくや、晴瀬ひろき、神楽つな、しもむらあるも、井上行広、大和田秀樹

【雑誌】ヤングキング 11/5 No.21 少年画報社 B5中

【雑誌】ヤングキング 11/19 No.22 少年画報社 B5中

 森見明日「よみがえりんね♪」No.21〜22では、陸上娘とのラブコメ編。主人公がだんだん普通にモテ状態になってきて、ハーレムラブコメ的にはまずまず楽しくなってきている。まあ前作の「ラブ・ぽっ!」のほうが好みではありましたが。佐野タカシ「イケてる2人」。小泉が人前でも佐次への好意を明らかにするようになってきたけど、彼女を取り巻く状況は少しずつ緊迫の度を強め……という感じ。これまでも何度か、小泉のピンチでお話盛り上げては元に戻しというぱたーんは繰り返してきたけど、今回はいよいよラストに向かってるのかなーという印象を受ける。まあまだまだ分からんですが。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 11月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 読切、城埜ヨシロウ「いきなりドラゴンロード」。城埜ヨシロウが、ゲームの「麻雀格闘倶楽部」に挑むというチャレンジ企画。これまで、「ウラセン」で高レート麻雀やらされたり、怖そうな人たちと卓を囲まされたりと、無茶なことをやらされていた城埜ヨシロウだけに、今回のはいささかヌルく感じてしまう。まあさすがに「ウラセン」みたいなのはやりすぎ感があったけれども。

 琴の若子「雀ちゃんリーチ!」は3話め。主人公・雀ちゃんの上司である河本のことを気に入っているグラビアアイドルさんが登場。賑やかなツンデレキャラでまずまず楽しい。近オリに萌え要素を注入するのが主眼の連載だと思うんで、女の子キャラは増えたほうがよろしいでしょうな。

【雑誌】FEEL YOUNG 11月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」。ダイキチのイトコが、夫の実家から子連れで家出してきて、しばらく大吉&りんの家に転がり込むことに。その事件がきっかけで、ダイキチは結婚について、親になることについて改めて考え込むことになるが……という回。ほのぼの親子ストーリーってだけじゃなくて、考えさせられる部分もけっこうあって面白い。

 赤みつ「東京無印女子物語」(原案:なるせゆうせい)。作家さんを回ごとに変えるシステムなので、連載第3話ながら、赤みつはFEEL YOUNG初登場。今回のエピソード「ウソコイ」は、強がってついウソをついてしまうクセのある女子・ミナコと、彼女と仲の良い友達男子の物語。赤みつの絵柄はわりとパキパキしたシャレた感じで、お話のほうもハツラツと展開できてると思う。テンポが良くて楽しめた。

 天堂きりん「恋愛アナグラム」。今回はヒロイン・小月の少女時代の思い出を描いたストーリー。母親がノイローゼ状態にあった小月と、脳の病気で体の半分がうまく動かない少年・龍の触れ合いを描く。暖かくて切なくほろ苦い物語が印象的。とくに龍くんの笑顔が心に残る。なかなか読ませるお話だった。

【雑誌】MUJIN 11月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 しなま「追姉[前編]」。受験のために一人暮らし中の姉の部屋に転がり込んだ弟だが、美しい姉の姿に欲情が抑えられなくなるが……という姉モノ。つやつや感のある絵柄で汁気も多く、エロ度は十分。あと最終ページでのヒキはなんだか唐突すぎてちょっと笑った。ホリエ「FOCUS」。大学写真部の先輩と後輩女子のラブストーリー。青臭い感じのお話に仕上がっててまずまず楽しめる。板場広し「し〜さいど」。プールで主人公が二人の女子にモテモテ。相変わらず女の子の体の描き方がキャッチーでパッと目を吸い寄せるものがある。

 小暮マリコ「みなみちゃんの恋人」はラブラブで甘ったるくて良かった。発明好きだけど内気な少年と、その幼なじみで元気いっぱいな少女のラブラブHストーリー。主人公をからかうようなノリだけど、恋愛ムードをぷんぷんまき散らしているヒロインさんがかわいくて良かった。小暮マリコ、というかジェームスほたてはコンビニ売り雑誌でも描いてるけど、続きモノよりもこの手の短編のほうが良さが出てる気がしますねえ。

【単行本】「ゲヘヘのヌベコ」1巻 鈴木一世 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ものすごいブスだけどフェラのテクニックだけは超一流。そんな女の子・ヌベコと、ものすごい怠け者でいいとこなしのフリーター・凡人(ぼんど)。バイトで一緒だったのがきっかけでくっついて、恋人同士となった二人の日常を描いていくストーリー。

 基本的にはヤンマガでは多い、二人暮らしモノ作品で、なんてことのないダラダラした日常をコミカルに描いていくという感じ。最初はおおいに妥協しあってくっついた二人だが、一緒に過ごすうちに離れがたくなっていき……という関係性は、いかにもヤンマガ風。とはいえだんだん二人の関係から愛も感じられるようになってきて、下らないけど微笑ましい空間を作り出している。ヌベコも作中では「ものすごいブス」という設定だけど、絵で見るとそこそこ愛敬はあるし。クセはあるけどわりと好きな作品です。

【単行本】「みつどもえ」3巻 桜井のりお 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 安定してかわいい&楽しい。笑えるレベルのちょいエッチ系のネタを織り込みつつ、三姉妹をわきゃわきゃと動かし、ドタバタギャグに仕立ててくる腕前は上々。お話としてもパターン、三姉妹の役割がすっかり定まってきて、ずいぶん安定している。ちょっと新書判サイズの単行本で読むと、ネタがみっちり詰まっててゴチャゴチャした印象を受けたりもするけれど、まあそんなに読みづらいってほどでもない。キャラクター的には、三姉妹はもちろんだけど、最近は杉崎さん、吉岡さん、宮下さんの3人組がわりといいかなあと思います。杉崎さんのみつばに対するツンデレぶりとか。佐藤くん大好き3人組もいいんだけど、あちらは個体認識がしづらい。見てて楽しいからいいんですが。

【単行本】「アイホシモドキ」4巻 森繁拓真 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 最終巻。最後の巻は学校に出没する謎の女ファイター「赤ずきん」、そして彼女を使役する少年と、相星さん元木くんが対峙するエピソードが何話か続いて、最後に二人の絆が確認されておしまい。恋愛といったところまでは至らないまでも、なんだかんだで信頼史合っている少年少女の関係を描いて、爽やかにお話を締めくくり。絵的には垢抜けないものの、主人公・元木くんも物語の中でちゃんと成長してたし、好感の持てる作品だった。というわけで森繁拓真については個人的にはけっこう好きなんだけど、一般受けを考えるなら絵的にはもう少し華が欲しいかな。そこさえクリアできれば、という気はします。

【単行本】「聖痕のクェイサー」3巻 佐藤健悦 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 乳を吸ってパワーアップしてバトルという、煩悩全開なバトル漫画。ちょっと画面がガチャガチャしているので、お話自体は頭にスラスラ入ってきにくい部分はある。そこらへんは「舞-乙HiME」とかのほうが良かったかな。とはいえドカーンと出てくる乳を楽しみながら読んでいく分にはまずまず楽しい。


10/5(金)……カンピョウねニッポン

【雑誌】コミックフラッパー 11月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 小原愼司「二十面相の娘」が復活新連載。今回の「二十面相の娘 うつしよの夜」は、前作の本編のちょいと前のお話という設定で、チコと二十面相が一緒に暮らしていた日々の物語を描いていく。チコと二十面相、そしてその仲間たちが事件をズバッと解決したりって感じだと思うんで、前作ほどにはシリアスでなく軽やかにお話を展開できそう。ところで表紙に「ビッグプロジェクト始動!」とか書いてあるのが気になりますね。メディアミックスでもあるのかしらん。

 読切、たきむらりゅう「きつねのねがい」。これはなかなか良かった。主人公である小学生女子・穂高さんの隣に座っている、ちょっと不思議なクラスメートの山根君。彼は穂高さんに、自分の正体は狐であることを打ち明けるが……。シンプルながらも雰囲気のある叙情的な絵柄で、少年少女の出会いと別れの物語を、やさしくちょっと切なく描き出している。絵にしっとりした味わいがあって、個人的にはけっこう惹かれるものを感じる。気に入った。

 もう一つ読切、森下剛光「つめたいホンキ。」。これもなかなか良かった。宝が出てくると信じてずっとドブをさらい続けている少年と、彼を批判的な目でみつめクールな言葉を投げかけるそのクラスメート。グズだけど純真な少年と、クールで常識に凝り固まった少年、二人の姿を対照的に描いた短編。コミカルでちょっともっちりした感じの、独特な絵柄が面白い。この人は7月号にも「もう一度俺を見てくれ」「目が覚めてもまだ眠い」という作品が掲載されたが、絵的にも話的にも味がある。わりと面白い人だなと思う。

 あと今号には新居さとし「うみちゅR」も掲載。主人公とコウモリダコ居候少女のドタバタギャグ。なんか主人公が人間、人外ともにモテモテ。ドタバタした下らないノリが読んでて楽しい。フラッパーのこの手の短編は、いかにも単行本にならなそうなのが厳しいところですが……。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 11/1 No.11 白泉社 B5中 [Amzn]

 西川魯介が新連載を開始。タイトルは「アシスタント伝奇 ケイカ」。いちおう漫画家のアシスタントが主役だけれど、忍者モノ的なことをやりつつエロもやる。この人らしくギャグをやりながらも案外エッチでもありということで、まあ気軽に楽しんで読めます。作:原田重光+画:瀬口たかひろ「オレたま」は、航太と恐怖の女王エマニエルが直接対決。まあそんな合間にも、エリスが航太に対してデレデレっぷりを見せているのが楽しい。安定してます。

あと、作:永久保貴一+画:増田剛「御石神落とし」が今号で最終回。と思ったら、今度はこのコンビで「性の神さま」シリーズをリニューアルして開始するとか。開始時期はまだ決まっておらず、後日詳細が決まり次第告知するとのこと。

【雑誌】ヤングガンガン 10/19 No.20 スクウェア・エニックス B5中

【雑誌】ヤングガンガン 11/2 No.21 スクウェア・エニックス B5中

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。武道の練習を始めたけど、いろいろ言い訳をして本気になることから逃げ続けている犬塚に対して、だいぶ責めがキツくなってきた。正直なところ「いってやっていってやって」という感じではある。とはいえ、ここに来てストレスフルな展開なので、これを乗り越えられたらカタルシスもけっこうありそうな感じ。とりあえず今後の展開を待つ、といったところ。

 金田一蓮十郎「ニコイチ」は相変わらずうまいですなー。息子の留守中に菜摘さんが家に泊まりに来て、男姿の須田とも距離を縮める。しかし一難去ってまた一難。この手のコメディだと、行ったり来たり状態でなかなか話を進めないってパターンも多いけど、この作品は遅々としているようで意外とサクサクお話を進めてると思う。そのおかげでお話がどんどん転がってる感が出てるのがいいです。

 勇人「はなまる幼稚園」。相変わらず楽しい。No.20はつっちーとの年齢差を意識した杏がしょんぼりするが……というお話だけど、心暖まるいい落とし方をしている。情景描写がうまいですな。No.21では、つっちーに恋する新たな園児が登場で、こちらはこちらで賑やか、かつほのぼのしてて楽しい。

 あとNo.20では、小林立「咲−Saki−」がいよいよ副将戦突入。和がペンギンのぬいぐるみをひっさげて出陣。どういう戦いが繰り広げられるか楽しみ。あと相手方の女の子さんたちがどういうパフォーマンスを見せるかも楽しみですな。いちおう派手なライバルが龍門渕透華だろうけど、今回顔を見せてない鶴賀学園の1年生が曲者っぽい。しかし個人的にはちょいぽっちゃり体型の風越女子・深掘さんがなんとなく気になるのだった。と、こう書き連ねていくと、結局のところ自分はわりと誰でもいいのだろうなーと気づく。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 10/19 No.40 日本文芸社 B5中

【雑誌】週刊漫画ゴラク 10/26 No.41 日本文芸社 B5中

【雑誌】週刊漫画ゴラク 11/2 No.42 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。喰いワングランプリ決勝は、なんだか満太郎の回想編に突入。いちおう大一番なんだけど、最近の展開は少しダレ気味に思える。まあ太巻きだけだとどうしても一本調子になってしまうので、変化をつけようとしてるのかなあとは思いますが。

 No.40では沖田龍児の新シリーズ「天災一家!!モモヤマダ」がスタート。カツカツの貧乏暮らしだけど、パパさん以外は、全員が学業や音楽などなどで天才的な才能を持っているという一家を描いたホームコメディ。パパさんは才能は全然ないけど、人一倍の頑張りで家族を支える。まあすごく面白いというタイプではないけど、普通に読みやすい。

 あとなんかゴラクの料理漫画でカンピョウブームが。No.40(と39)ではラズウェル細木「酒のほそ道」がカンピョウづくし。No.41〜42では、作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」でカンピョウ。まあ旬ってことなんだろうけど。こうなったら「喰いしん坊!」でもカンピョウ勝負だ!……と思ったけど、よく考えたら太巻きに入ってそうな気もする。

【雑誌】コミックバンチ 10/19 No.45 新潮社 B5中

【雑誌】コミックバンチ 10/26 No.46 新潮社 B5中

【雑誌】コミックバンチ 11/2 No.47 新潮社 B5中

 No.45に作:隆慶一郎+脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「柳生非情剣SAMON」の中編が掲載。徳川家光の剣術指南役であった柳生左門を描いた物語だが、その中で主題となっているのが家光と左門の愛。つまり衆道なんだけど、余湖裕輝の力強い作画のおかげもあり、なんだか非情に堂々とした愛の世界を描いている。直接的にまぐわってるシーンを描いたりするわけではないけど、二人のお互いを想う気持ちの強さは伝わってくる。不定期掲載だけど、後編がどうなるかは気になるんで、できれば中編の印象が残っているうちに読みたいところ。

 No.47では永井豪「新バイオレンスジャック」が連載再開。中断したのっていつだっけ……と思って調べてみたところ、2005年の8/19 No.36だった。でもまあ2年あいてても、なんとなく読めてしまう間口の広さは永井豪作品らしいといえるかもしれない。あとNo.47では「オオギリフェスタ」と題して、お題に沿ったショート漫画を競作するという企画をやっている。登場作家は三ツ森アキラ、ルノアール兄弟、佐藤真冬、小野雄史。今回のテーマは、飲み屋とかで最初に出てくる「お通し」だったけど、なんとなく各作家とも、どうヒネるか苦戦しているような印象を受けた。ちといじくりにくいネタだったかもしれない。

 渡辺保裕「OUT PITCH」は、主人公・幸村が、育成選手から支配下選手登録されて1軍初登板を果たす。なんか意外とあっさり1軍上がっちゃったなーという感じなので、今のところ「ワイルドリーガー」とかと比べると手ごたえ的には弱い。まあここから1軍で熱い勝負を繰り広げてくれれば面白くなってくるのではないかと。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 10/20 No.20 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 11/5 No.21 小学館 B5中

 脚本:北原雅紀+画:魚戸おさむ「玄米せんせいの弁当箱」はなかなか手堅い食漫画。農大が舞台で、食文化について語っていくという内容で、最初は発酵の話が中心になるかなーと思ったけど、いろいろ幅広く取り上げている。タマネギの皮でダシをとるって話はけっこう面白いなと思った。

 水島新司「あぶさん」は、あぶさんが4割打つかどうかってな話をやっている。なんかもうあぶさんだから、5割でも6割でも打たせちゃえばいいじゃん、と思わなくもない。とはいえ、最終試合の相手投手が西口(西武)だというのはいいですな。パ・リーグでは、先発投手としての実績は文句なくNo.1の投手だし。

 石塚真一「岳」は、本誌で毎号連載になってからはだいぶ落ち着き気味だけど毎号コンスタントに読ませる。あと阿倍夜郎「深夜食堂」が毎度シブくて、食い物が地味においしそうで好きです。別段珍しい食い物ではなく、そこらへんにあるようなもんばっかりなんで、つい夜食とかに食いたくなってしまうので困る。また食ってる人の表情が良かったりするんですよね。

【雑誌】花とゆめ 10/20 No.21 白泉社 B5平

【雑誌】花とゆめ 11/5 No.22 白泉社 B5平

 No.21から音久無「花と悪魔」が集中連載に。悪魔のビビが、気まぐれで人間の女の子・はなを拾って育ててしまったことから始まったほのぼのストーリー。一緒に暮らすうちに、はなはビビにとって大事な存在となったが、ビビは悪魔の力ではなを傷つけてしまうことを恐れて、なかなかはなに触ることもできずにいたのだが、はなの純粋無垢さがビビの心を溶かしていく。はながちんまりかわいらしく、ビビとの間の絆も心温まるものとして描かれていて、なかなか楽しく読める作品。全3回の集中連載らしいけど、うまく行けば本格連載もありますかねー。

 No.21掲載、トビナトウヤ「セクシーハートライアン」。背が高くて毅然とした美少年のごとき容姿で人気を集める女の子・アキラ。彼女が学校の名物研究会「セクシーハント部」の面々に巻き込まれて、自分の中に眠っているセクシーさを開花させちゃうというドタバタコメディ。絵的には華があっていいんだけど、お話的には少々ゴチャゴチャしてて読みづらい。この人は「潔癖少年 完全装備」もそうだったけど、絵が達者なわりに、ゴチャゴチャして読みづらく感じられる部分が多いのが課題だと思う。

 No.22からはモリエサトシ「学校ホテル」が集中連載に。夜の学校でひっそり運営されていて、癒しを求める人をもてなす「学校ホテル」。それを運営している生徒たちを中心に描かれる学園コメディ。こざっぱりした絵柄にはなかなか好感が持てるが、「学校ホテル」というものが何をやるかパッと聞いたときにイメージしにくいのはちょっと不利な点か。まあ絵的には良いと思うので、短い集中連載の期間中にどれだけまとめられるか見ていきたい。

【雑誌】桃姫 11月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 瀬奈陽太郎「センパイ妄想癖」。前回に続いて「センパイ」シリーズの過去エピソードを展開。美人なセンパイと、スケベな後輩男子・小林くん。エッチなことをしまくりだけどラブラブな二人の物語を楽しく展開した内容は、気楽に楽しめるし、エロ度も十分で毎度面白い。ちゃんとラブラブなのもいいっすね。

 Dr.P「襲ってほしいの?」。学校の帰り道で好いたらしい少年に「送り狼」を頼む、めがねっ娘の谷木さんをエッチに描く。地味めだけどナイスバディ、誘うような目つきのヒロインさんがなかなかエッチでよろしかった。ぷにぷにした質感のある絵柄が良好で、話もいたずらっ気があるのがいいところ。内々けやき「歩く姿は百合の花 座れば股間が濡れている」。最近絵柄がだいぶ大石まさるライクになっていたが、今回は絵柄をいじって、そこにつやつや感をプラスしてきた。主人公に甘えてくる天然エロ娘とのエッチを甘ったるく描いている。ドタバタ感もあってまずまず楽しい。

 景えんじ「宇宙からこんにちは2」。宇宙から来たお姫様と、彼女に見込まれた地球人男子のラブラブHライフを描く。スッキリとした絵柄もあり、この人の描くラブラブ話は、くどくはないけど甘ったるく仕上がっていて好き。そろそろ単行本出ないですかのう。


10/4(木)……銭湯キツイ

【雑誌】モーニング 10/18 No.44 講談社 B5中

【雑誌】モーニング 10/25 No.45 講談社 B5中

【雑誌】モーニング 11/1 No.46 講談社 B5中

 No.44。かわすみひろしの新連載「営業の牧田です。」がスタート。体育会系なビール会社で営業をやってる28歳のサラリーマン・牧田の恋物語を描いていくという内容。これまでは元気さをウリに営業してきた牧田だが、ふと気づいてみると仕事に疲れ、なかなか素直に笑えない日々。しかし会社の飲み会で知り合った経理の女の子にトキめいたのをきっかけに、恋人が猛烈に欲しくなってしまう……という出だし。かわすみひろしといえば女性を描くのがうまいことで定評があるけれど、第1話に出てきた経理の小松さんなんかはすごくグッとくるものがあった。なんだか独身男にとっては、身につまされたり、「彼女欲しい〜」と悶々とさせられたりする悩ましい作品になりそうな気配。

 No.45では三田紀房「エンゼルバンク」がスタート。今回のテーマは転職。副題で「ドラゴン桜外伝」とあるが、お話は「ドラゴン桜」に登場した頭にアンテナついてるみたいな髪型の女教師・井野が、教師やめたいといいだすところから始まる。ちなみに今回の井野は髪型が変わり、アンテナはなくなった。転職するかどうかで迷った井野は、ビジネスコンサルタントとして売れっ子になっている桜木の元を訪れることになるが……という出だし。ネタ自体は受験から転職へと変わったが、ハッタリをきかせて読者を引き込み、分かりやすくたとえ話を交えながらノウハウを描いていてく手腕はさすがにうまい。三田紀房は現在、スーパージャンプで新卒の就職モノである「銀のアンカー」もやっているけど、同じ元ネタが「エンゼルバンク」でも生かされてきそう。なんかこういう「一つのネタで出し方を変えて何度も稼ぐ」っていうのは、いかにも三田紀房らしいノウハウを実践してるなーと感心したりもする。

 No.46からの新連載、鈴木小波「GREGORY HORROR SHOW ANOTHER WORLD」は、タイトルどおりホラーものらしい。どうしても都会に住みたいという22歳のフリーター・竹ノ塚だが、どの不動産屋へ行っても物件の紹介を断られてしまう。そして最後に行き着いた店で勧められたのは、何かものすごいいわくつきのアパートだった……という出だし。竹ノ塚は絵で見ると普通の青年という感じだが、何やら彼も問題のある人物らしい。そして入居先の管理人もヘンで……。上品で達者な絵柄で、画面作りもときに全体をぐにゃぐにゃ歪めてみたり凝った見せ方もする。初回はまずまずだったんで、今後も注目してみたい。

 福満しげゆき「僕の小規模な生活」。講談社と他社で同時期に連載がとれそうになったが、講談社から他社で連載しないよう圧力がかかり、作者が苦悩する様子が実に生々しく描かれている。これは本当にストレスたまりそうな展開ですなあ。こんなにぶっちゃけて描いちゃっていいんだろうかとハラハラドキドキ。まあ載ってるんだからOKなんだろなということは当然分かってはおりますが。

 田中誠「実録!関東昭和軍」。夏の県予選編が終了。なんか予選の最後のほうは、関東昭和の連中がやけに普通の高校球児らしく頑張ってて、爽やかでさえあった。まあいろいろ汚いことは描きつつも、高校野球自体は好きなんだろうな〜と思う。作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」は試合開始。今回はETUが勝ちそうな予感がプンプンで、実際強豪相手に健闘しててのっけから全開でワクワク。

【雑誌】ヤングサンデー 10/18 No.44 小学館 B5中

【雑誌】ヤングサンデー 10/25 No.45 小学館 B5中

【雑誌】ヤングサンデー 11/1 No.46 小学館 B5中

 北崎拓「さくらんぼシンドローム クピドの悪戯II」。No.44から5号連続カラーと好調。内容のほうもやっぱり読ませる。阿川と麻生さんの気持ちがすれ違い、その隙に阿川を誘惑しようとするおっぱい女の人も現れて、トラブル続発状態。ちょっぴりエッチっぽいサービスもあるし、恋愛方面でもお互いの気持ちをちゃんと描いてるし、うまいなあと思います。

 河合克敏「とめはねっ!」。書道合宿編。地味な練習が続く中で、部員連中がちゃんと腕を上げていく様子が伝わってきてワクワクする。書道だけど、スポーツ漫画と同様、やはり特訓シーンというのは楽しかったりするもので。あと恋愛方面も多少動きつつあるかな〜というところで先が気になるところ。

【雑誌】ヤングジャンプ 10/18 No.44 集英社 B5中

【雑誌】ヤングジャンプ 10/25 No.45 集英社 B5中

【雑誌】ヤングジャンプ 11/1 No.46 集英社 B5中

 No.44で武富智「この恋は実らない」が最終回。最初のうちは軽薄そのものなヤリチン主人公・輝がいまいち好きになれなかったけど、最後のほうは成長して、そこそこ好感持てるキャラになった気がします。なお本作の特別編が、漫革 Vol.60(10/16発売)に掲載。No.45では野部利雄「ALAS〜輝ける翼〜Monacoの空へ2」が終了。こちらも12月中旬発売予定の漫革Vol.61にエピローグ編が掲載予定。

 No.46、作:三浦しをん+画:海野そら太の新連載「風が強く吹いている」が開始。個性派集団10人が箱根駅伝を目指す、青春駅伝ストーリーといった感じ。海野そら太は「女子アナ魂!」でも、ものすごく目立つというわけでもないが、けっこう楽しめる作品を描いていたけど、本作も滑り出しはまずまず。原作付き作品ということもあり、きっちりまとめてきそう。

 あとNo.45には読切で、竹下けんじろう「OTAKU LADY」、森子たか思「増設フローズン少女」、東條仁「ブローバック家族」が掲載されている。「OTAKU LADY」は、以前読切掲載された作品の続きで、会社ではバリバリの有能OLとして通ってるけど、実はオタクな女性が主人公のドタバタコメディといったところ。最近多いネタですね。

 3号通してだと、柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」がやっぱり面白い。斬野師匠との対局でぽっちりとした肉付きをからかわれた受け師さんが、ものすごい勢いで逆襲する。相手を見据える視線の鋭さがカッコよいだけでなく、勝負の間にふと見せる菅田へのいとおしげな態度にもトキめくものがある。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/18 No.45 秋田書店 B5平

【雑誌】週刊少年チャンピオン 10/25 No.46 秋田書店 B5平

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/1 No.47 秋田書店 B5平

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」が凄いですねえ。月夜野さんが下剤を飲まされて、トイレで悶絶しているシーンから始まったサイコロ勝負。負けたほうが脱衣というルールまで加え、とにかく刺激的に展開。絵ヅラだけでもインパクトありまくり。脱いだ〜また脱いだ〜というところに目が行ってしまって、正直ギャンブルの内容がどうでも良くなってしまったりもする。といいつつギャンブルの内容も、「サイコロの出目を利用して素数を作る」というものなんだけど、そこで使われる論理展開の強引さはものすごい。ムチャやってて面白いです。

 板垣恵介「範馬刃牙」はずーっとムチャなことやってますなあ。いったいどういう方向にお話を持っていくつもりなのか……。あまり考えてはいなさそうだけど、この得体の知れなさは凄い。

 No.46で開始のみさき速「殺戮姫」。放っておくと人を殺し続けてしまう女の子・流(るう)に唯一いうことを聞かせることのできる少年・王士。この二人が救いようのない悪人どもを裁いていくという物語。悪人側には徹底的にヒドいことをやらせ、それを負けじと残酷なやり方で裁くあたりにカタルシスのある作品。とりあえず滑り出しとしてはまずまずインパクトあったと思います。

 梅田阿比「フルセット!」。毎度男の子たちがカワイイこの作品ですが、これまで無口であまり目立ってなかった色黒少年のカミちゃんが、ここにきて活躍。この少年もけっこうかわいいと思っていたのだが、みんなに注目されて顔を赤らめてる様子はかなりグッと来た。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。監督のワガママ娘であるお嬢・空がアー坊たちを引き回して暴走モード。でもちょいとフラグも立ち始めたような気配。相変わらずアー坊くんはモテモテですなあ。あんまり野球のほうは上達してるようには見えないけど……。

 ミッチェル田中「ヤンキーフィギュア」は引き続きラブコメ度がタカマリ中。最近はフィギュア娘の桜井さんが、ヒツジと美星が仲良くしてるのにヤキモチまで焼くようになってきた。ギャグのドタバタ感もいいし、けっこう好きです。マツリセイシロウ「マイティハート」もラブコメ度がさらにアップ中。こっちはサービスシーンに偏り気味なところはあるけど、わりと女の子キャラがかわいいのでよろしいかと思います。なんか幼なじみキャラも登場してきたし。あと未単行本化組では、安部真弘「侵略!イカ娘」も下らなくてほのぼのしてて良いですね。安定感もあるし、いい箸休めになる。

【単行本】「翠 水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]

 相変わらず楽しく読める。全体的にこの巻は、少年少女冒険物語的な話が多いかな。とくにちょっとクールだけど頭の回る転校生・洋を中心に、学校内で探偵団が結成される「平賀少年少女探偵係。」がこの巻の目玉的エピソード。少年少女がイキイキと動き回り、ちょっとした恋愛要素も取り混ぜながら、一夏の冒険を描いていく内容はストーリーはなかなか楽しい。賑やかな話が多い分、ちょっとゴチャゴチャしてるかなという印象もあるけれども、今やすっかり大石まさるの特徴となった、カケアミを多用した柔らかい画面作りはやはり魅力的。暖かくてキラメキもあって、見ててとても気持ちがいいです。

【単行本】「大東京トイボックス」2巻 うめ(小沢高広+妹尾朝子) 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 ゲーム屋稼業に身を捧げる男たち女たちの物語。この巻も面白い。まだ実際の制作には入っていないけれども、開発費のかかる次世代機にあえてチャレンジしてみるかどうか、また他の会社と組むかどうかでゴタゴタ駆け引きしている様子がなかなか読みごたえがある。あと、お話のテンポが良く、作画も整理されてることもあって、とても読みやすいのもいいところ。連載のほうは、現在作者が産休に入ったとのことで雑誌では番外編エピソードが展開中。「さあゲーム作るベ!」と盛り上がってきてるところでおあずけ状態になってしまっているので、早いとこ出産子育てに目途が立って、本編が再開できるようになるといいですな。

【単行本】「一騎当千」13巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 相変わらず、女の子たちがパンツをもろ出しにし、乳を揺らしながら得体の知れない戦いをしている。いつもこの作品を読むと思うことですが、楽しげにお色気を発散しまくり、バトルも激しいながら、「この人たちは何のためにこんなことをしておるのか?」という根本的な疑問が常につきまとうシュールさがやっぱり凄い。下手に説明されるとかえって興が削がれるので、最後まで説明なしで行ってほしいなあと思います。


10/3(水)……コード網のじかん

▼ずいぶん遅くなりましたが、10月の単行本購入予定。すでに買っちゃったものもけっこうありますが……。データはまんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼10月単行本購入スケジュール
10/5 「みつどもえ」3巻 桜井のりお 秋田書店
10/5 「アイホシモドキ」4巻 森繁拓真 秋田書店
10/5 「カテキン」5巻 オジロマコト 講談社
10/5 「でろでろ」11巻 押切蓮介 講談社
10/5 「アゴなしゲンとオレ物語」26巻 平本アキラ 講談社
10/5 「ゲヘヘのヌベコ」1巻 鈴木一世 講談社
10/6 「うさぎドロップ」3巻 宇仁田ゆみ 祥伝社
10/12 「ちゅーぶら!」1巻 中田ゆみ 双葉社
10/12 「ファンブル5」 桝田道也 SBCr
10/17 「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」7巻 はっとりみつる 講談社
10/17 「おれはキャプテン」15巻 コージィ城倉 講談社
10/19 「突攻!メイドサンダー」2巻 やぎさわ景一 秋田書店
10/19 「ベクター・ケースファイル」2巻 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作 秋田書店
10/19 「キミキス 〜スウィートリップス〜」1巻 糸杉柾宏 秋田書店
10/19 「言葉だけじゃたりない」 春風道人 コアマガジン
10/19 「やればできる子」 EB110SS 茜新社
10/19 「ヘヴンズ・ドライブ」 山本マサユキ 集英社
10/19 「ヨルムンガンド」3巻 高橋慶太郎 小学館
10/20 「Dogwalker」 高岡基文 ヒット出版社
10/23 「爆音列島」11巻 高橋ツトム 講談社
10/23 「大江戸ロケット」1巻 浜名海 講談社
10/23 「ヴィンランド・サガ」5巻 幸村誠 講談社
10/23 「ZOOKEEPER」4巻 青木幸子 講談社
10/23 「乱飛乱外」4巻 田中ほさな 講談社
10/23 「GIANT KILLING」3巻 作:綱本将也+画:ツジトモ 講談社
10/23 「実録!関東昭和軍」4巻 田中誠 講談社
10/23 「イカロスの山」10巻 塀内夏子 講談社
10/23 「ムーたち」2巻 榎本俊二 講談社
10/23 「しおんの王」6巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社
10/24 「ねくろまねすく」1巻 玉置勉強 幻冬舎コミックス
10/25 「ゲロゲロブースカ」 しりあがり寿 エンターブレイン
10/25 「アワヤケ」3巻 羽生生純 エンターブレイン
10/25 「FRONT MISSION DOG LIFE&DOG STYLE」1巻 C.H.LINE スクウェア・エニックス
10/25 「メイド諸君!」3巻 きづきあきら+サトウナンキ ワニブックス
10/26 「KEEP OUT」 乙 茜新社
10/26 「すくスク 性徴期」 ほかまみつり 茜新社
10/26 「日常」2巻 あらゐけいいち 角川書店
10/26 「惑星のさみだれ」4巻 水上悟志 少年画報社
10/26 「空想科学X」1巻 saxyun メディアワークス
10/27 「極道めし」2巻 土山しげる 双葉社
10/27 「サイコスタッフ」 水上悟志 芳文社
10/29 「年上ノ彼女」6巻 甘詰留太 白泉社
10/29 「まじかるストロベリィ」6巻 まつもと剛志 白泉社
10/30 「バンビ〜ノ!」10巻 せきやてつじ 小学館
10/30 「日本沈没」8巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館
10/30 「竹光侍」3巻 松本大洋 小学館
10/30 「誰かが犯した」 天野英美 東京三世社
10/30 「花輪和一初期自選作品集(仮)」 花輪和一 青林工藝舎
10/30 「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」2巻 SABE ワニマガジン社
10/30 「しかって!双子姉妹」 ゆきやなぎ ワニマガジン社
10/31 「電脳コイル」 久世みずき 小学館

【雑誌】週刊少年サンデー 10/17 No.44 小学館 B5平

【雑誌】週刊少年サンデー 10/24 No.45 小学館 B5平

【雑誌】週刊少年サンデー 10/31 No.46 小学館 B5平

 畑健二郎「ハヤテのごとく!」がいいですね。ヒナギクが西沢さんを観覧車に誘い、その中で自分のハヤテに対する気持ちを打ち明けるNo.44は、恋愛ストーリー的にけっこうグッと来た。その後の見開きシーンの使い方も印象的で何やらジーンとくるものもあるし。そうかと思えば、No.45では連載3周年記念のカラーをわりとどうでもいい話で飾ってみたり、No.46では「ネギま!」ネタをぶちかましてみたりと、軽やかで自在な作風を披露。オタクネタが目立つ人ではあるけれども、それだけじゃない漫画家としての地力みたいなのも感じます。

 鹿賀ミツル「ギャンブルッ!」。頭を使ったいささか姑息な手段で勝ちを重ねていた秀才高校生・伊達を、マサルがじわじわ追い詰めていく。まあタネが分ってみると「マサルの敵じゃねえな」という感じのする相手ではあるものの、マサルのクールで容赦ない追い詰めっぷりは相変わらず見応えがある。

 No.46からの新連載、緒里たばさ「クナイ伝」。普段は平凡な中学生だが、実は悪しき忍びを刈る役目をしている一族の末裔である少年が主人公の、現代忍者アクション。2/7 No.8に読切版が掲載されたが、連載に昇格。絵柄的にはなかなか整っており、主人公のクナイ少年もかわいらしいルックスをしている。お話のほうもまずまずで、きれいにまとめている。もう一つ爆発的なインパクトみたいなのはないけど、きっちり行きそうなタイプの作品。

【雑誌】週刊少年マガジン 10/17 No.44 講談社 B5平

【雑誌】週刊少年マガジン 10/24 No.45 講談社 B5平

【雑誌】週刊少年マガジン 10/31 No.46 講談社 B5平

 小林尽「スクールランブル」。No.44での播磨と八雲のアクシデントの模様に心トキめきました。あとそれを見ていた沢近さんの反応が怖くて、なかなかにスリリング。福本伸行「賭博覇王伝ゼロ」は指詰め勝負に突入。これは単純に痛そうなんで、見ててハラハラする。緊張感の出し方、盛り上げ方が相変わらずうまい。あとどうでもいいけど、主人公がお目目キラキラ系キャラなのはまだ違和感があるなあ。まあすぐ慣れるだろうけれども。

 咲香里「スマッシュ!」は翔太が復活してきて、また一つレベルアップしたプレーを披露。「強いぜ翔太〜」という感じでなかなかスカッとするものがある。あとNo.44では優飛が口をきけなくなったころの話を描いた番外編エピソードが掲載。No.45には、吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」で、二人が高校に入学する前を描いた番外編が掲載されてるけど、なんかマガジンではこういう本編の前日譚やるのが流行ってるんでしょうか。

 No.46から新連載、勝木光「ベイビーステップ」が開始。なんでもかんでも病的なまでにキッチリキッチリやらなきゃ気が済まない、超優等生だった主人公が、彼とは対照的にルーズだけどテニスに情熱を燃やす女の子と出会ったのをきっかけに、テニスに目覚めていく……という感じの作品。絵柄の印象的としては、瀬尾公治とかハロルド作石とか阿部秀司とか曽田正人とか、いろいろ混ざったような感じ。まあ基本的には読みやすいタイプで、ストレスなく読めた。まずまず手堅そう。

【雑誌】COMIC XO 11月号 オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 のぎまこと「あるこリズム」17話め。修学旅行によりみんなで南の島にやってきたところ、なぜだか主人公の住人をずっと昔から好いていたという南国美少女が現れて……という展開。まあ唐突ではあるのだが、ラブコメ感は高め。女の子連中もけっこうかわいいので読んでいて楽しくはある。さすがにベテラン作家さんだけあって、手際が良いしうまい。

【単行本】「キミキス -various hiroines-」2巻 東雲太郎 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 2巻はサッカー少女・咲野明日香さん編。すでに読んでいる人には説明不要だけれども、東雲太郎による「キミキス」漫画版は、主人公は相原光一で固定。1巻分のエピソードごとに、ヒロインだけ変えて、別個に恋愛ストーリーを描いていくという構成。

 明日香編はヒロインがスポーツ少女ということで、1巻の摩央姉ちゃん編よりは、活発で爽やかな印象。でも見せ場のシーンの熱っぽさは変わらず、キスシーンのアツアツぶりや、思い余って足とかにキスしちゃうシーンなどのちょっとエロっちい部分はやはりインパクトが強烈。もうこれでもかってばかりに恋愛ムードを煮詰めていって、それで決め手の告白シーン、キスシーン、ちょっとエッチっぽいシーンやらをズガーンと出してくるのでたまらない。もうラブラブムードにズギューンとやられてしまう。

 絵のほうも相変わらず実に達者。それから肝心要のシーンをものすごく印象的に見せる演出力も、昔と比べるとずいぶん向上していると思う。今後のエピソードも引き続きとても楽しみ。あ、あとどうでもいいことなんだけど、光一くんが咲野さんとつき合ってるってことは、その陰で泣いてる摩央姉ちゃんがいるってことですよねえ。タイヘンですのう。

【単行本】「はなまる幼稚園」2巻 勇人 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]

 幼稚園ほのぼの漫画第2巻。1巻のころ(レビュー参照)と比べてとくに変わっているわけではないけれども、ものすごくほのぼのしててかわいいお話は、読んでてとても気持ちがいい。杏をはじめ子供たちがこのうえなくかわいいし、それを見守る大人たちも暖かくて、たいへん和やかな気持ちにさせられる。あとこの巻で登場したキャラとしては、杏ママの桜が顔出ししたのと、つっちーの妹・さつき(兄ラブ)が目立つところ。とくにツンデレ妹なさつきは見てて楽しい。

 まあとにかく、なんつっても理屈抜きにかわいいです。ちまちま動き回る子供たちの姿は、1枚絵で見てるだけでも微笑ましいし、それにきっちりしたストーリーがついてるんだから文句なし。あ、あと2巻はカバー絵もいいですね。青空がバックだった1巻よりも、夕暮れの空がバックの2巻のほうが暖かみがあって好みです。

【単行本】「こどものじかん」4巻 私屋カヲル 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 面白いです。小学校教師・青木先生と彼に恋する生徒の九重りんちゃんを中心に、大人と子供の人間模様を展開。小学生なのに、かわいくてエッチっぽいというだけではなく、ストーリーのほうでもずんずん読ます。とくにこの巻は、表面的にはほのぼのと楽しい学校生活が進行しているかのように見えて、個々のキャラが少しずつ迷い道に足を踏み込んだり、想いがすれ違ったりと不穏な空気も高まって来つつあり、「どうなっちゃうんだろう」という気分になってくる。

 恋愛方面でも青木先生についてはさほど意識しないまま。青木先生がかわいいと萌え狂っている様子は楽しいけれど、子供たちのほうはけっこう痛々しい。りんの恋路は険しく恋に破れたら精神的に不安定になってしまうんじゃないか……という感じだし、りんのおともだち二人についてもかなり危なっかしい。あんまりヒドいことにならないといいんだけど、現在の展開やヒキを見るに、ストレートに「何もなくて良かった良かった」というふうにも行きそうにない感じですなあ。ともあれ続きを楽しみに待ちます。

【単行本】「よつばと!」7巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 毎度文句なしの完成度。元気いっぱいな女の子・よつばの日常風景を、実に楽しく描写。別にものすごい大事件とかを描いているわけではないし、よつばの行動だって突飛ではあるけど日常の範囲内なのに、驚かされたり笑わされたり感心させられたり。読んでいてとても愉快。この巻ではとくに、よつばがお父さんらと一緒に牧場行く話がなんかしみじみ楽しそうで良かった。よつばのうたう牧場のうたも秀逸。糸電話のエピソードも面白いです。

 あとこれはあくまで自分にとってっていうことなんですが、この作品でいいなーと思う点としては、なんというか教条的でステロタイプな、教訓やらテーマやらが頭をかすめないことが挙げられる。これだけほのぼのしていながらも、「子供は純粋だから」とか「やっぱり家族がいちばん」とか「父と子の絆」とか、そういう模範的でよくあるタイプのテーマ性なり主張なりを意識させない。まったくそういう要素がないってわけではなく、むしろありまくりなんだけど、取り扱いが実にさりげないんですよね。

 読んでるときにその手の言葉が頭をよぎると、なんとなくお行儀が良くなりすぎちゃうというか、躍動感や軽やかさが失われちゃうじゃないですか(異論はあるかもしれないけど少なくとも自分はそう)。そういったものがない分、フラットな気分で、「あははははー」と素直に笑いながら、気持ち良く楽しんでいくことができる。この透明感はなかなか出せるもんじゃないだろうし、すごいことだなあと思う。それでありながら読んでいる最中は「すごい技巧である」とか感じさせたりはしない。うまいのに、あくまでひょいと自然体に見えるところがまたすごい。

 そういえば本日は、偶然にもこどもがらみの単行本の感想を3冊分書いたわけですが、3冊ともそれぞれ異なる味わいがありますなあ。


10/2(火)……「行け!」「無理」スナイパー

【雑誌】漫画アクション 10/16 No.20 双葉社 B5中

【雑誌】漫画アクション 11/6 No.21 双葉社 B5中

 武富健治「鈴木先生」。学校を揺るがした生事件が一段落し、鈴木先生が好調期に突入か。麻美さんとの仲も進んで良かったなあとしみじみ。幸せに打ち震える鈴木先生がものすごく微笑ましい。あとお話のほうは、鈴木先生がかつて担当した印象深い生徒についての回想エピソードに突入。これは、短編集にも収録された「掃除当番」を鈴木先生の視点から見た話になるんですかねえ。

 森下裕美「海へ還るバス」。夏子がこれまで封印していた、母に関する過去の記憶が蘇る。なかなか緊迫したお話を展開している。これは単純にレズ愛憎劇を描くだけのお話では終わりそうにないですなあ。クセの強いキャラにも独特の味があるし、読ませるし面白いです。

【雑誌】コミックチャージ 10/16 No.14 角川書店 B5中 [Amzn]

【雑誌】コミックチャージ 11/6 No.15 角川書店 B5中 [Amzn]

 秋の新連載攻勢が開始。No.14から作:宮本延春+画:清水洋三「オール1の落ちこぼれ、教師になる」が連載開始。これはタイトルどおりの内容で、書籍の単行本化である模様。

 No.15からは阿部潤「ラーメン王子」が開始。少年のころに遭難して10年間無人島暮らしをしていた美青年が拾われてきて、日本でラーメンを食いまくる作品。実在のラーメン店のガイドブック的な内容も兼ねる。メインのストーリーをやりつつ、なおかつお店紹介をするということで、漫画アクションでやっている山田浩一「ラーメン大百科」に近い構成。チャージとアクションは発売日も一緒だし、ガチンコ勝負になりますかね。

 また読切作品で、No.15に木村ひかげ「HIKAGE’S SLOW COMIC」が掲載。少年エースとかでもやっていたシリーズなので、再開を望んでいた人もけっこういたのでは。漫画については、相変わらず品の良い絵柄でゆったりと話を展開してて気持ちがいい。内容のほうは、少年エースとかでやってたころと比べると大人寄りにシフトしてるかな。ファンタジー風味は抑えめだけど、暖かみのある作風は健在。この雑誌は元々はビッグコミックスペリオール的なことがやりたかったんだと思うけど、木村ひかげも登場し、大塚英志色が日増しに強まっている。

 石川たくみ「DTマティック」。童貞のみが使える魔法を身につけた主人公・貞春がモテモードに突入。しかも女の子は2人。ラブコメムードがググッと高まってきて、なんだか楽しくなってきた。我ながら単純だとは思いますが。

【雑誌】漫画サンデー 10/16 No.39 実業之日本社 B5中

【雑誌】漫画サンデー 10/23 No.40 実業之日本社 B5中

【雑誌】漫画サンデー 10/30 No.41 実業之日本社 B5中

 No.40で作:松森正+画:ひじかた憂峰「湯けむりスナイパーIII」が復活新連載。シブくて愛敬もあるこの作品が戻ってきたっていうのはやはりうれしい。なお連載は月イチペースになるとのことだけど、No.41にも連続掲載。お話の基本線自体はとくに変化なさそう。

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」は祇園編が一件落着。最初は思わせぶりに始めといて、意外とあっさり終わらすのはこの作品のいつものパターン。今回の話では、菊之介の出生の秘密が語られたのが新しい展開だった。倉科遼作品では「実は大物の隠し子だった」パターンは定番ですな。

【雑誌】コミック・ガンボ 10/2 No.38 デジマ B5中

【雑誌】コミック・ガンボ 10/9 No.39 デジマ B5中

【雑誌】コミック・ガンボ 10/16 No.40 デジマ B5中

 10月に入ってようやく単行本「ガンボコミックス」が発刊。第1陣は、はまのらま「昭和バカ囃子」、江川達也「坊ちゃん」、吉田ひろゆき「黒草子」、木村直巳+香川まさひと「朧」、村上もとか「クライマー列伝」というラインナップ。あとこのところ、本誌連載を使って商品のPRをするタイアップ漫画も少しずつ増えて来ている感じ。ビジネス的には多少上向き加減なのかな? この雑誌はとにかく読んでて肩が凝らないので、最近個人的な評価は上がってきてます。「ものすごく面白い」ってわけではないのだけど、とにかく気楽にツルッと読める点を評価してます。

 で、この雑誌の中で自分が単行本買いそうなのは路みちる「ぼうえいえにっき」くらいだけど、これは1話ごとのページ数が少なめだし、2〜3号にいっぺん掲載ペースなのでまだまだ単行本化は先か。その「ぼうえいえにっき」はNo.40で表紙&巻頭カラー。弟の笑顔のため、タコ宇宙人を家族として受け入れようとするハルオが、マフユちゃんに対して「ぼうえい隊やめる」と告げる。幼なじみでツンデレでかわいいマフユちゃんとのすれ違いの様子がけっこう切なくてキュッとくるものがある。かわいい絵柄の楽しいショート漫画だけれども、このところお話もだいぶ読ませる感じになってきていい調子。

 作:どいーん+画:はまのらま「昭和バカ囃子 林家木久扇物語」は毎度手堅い内容。お話も、木久扇(当時は木久蔵)の二ツ目昇進の話が出てきて、お話的にも一つのヤマ。No.41では二ツ目昇進のためのテスト的な一席を描く回で、「道具屋」をノーカット版で描くとのこと。漫画で落語を一席まるまる描くというのは珍しいけれども、どういう演出で見せてくるかちょっと楽しみ。

【雑誌】コミックメガストアH 11月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 無望菜志「テンタクル・ラバーズ」が最終回。魔法を使えるお姫様と、彼女によって触手生物に変えられてしまった少年のラブコメという、ちょっと変わった道具立てだったがなかなか面白かった。エロシーンはかなり勢いがあって派手だし、ラブコメとしても悪くない。触手とマジラブという変わり種な部分が楽しかったし、ラストも甘く爽やかに締めくくられており、面白く読める作品だった。

 DISTANCE「エンゲージ×インサート」。元気はつらつ天然系な幼なじみ娘と、一緒にAV見てて欲情してエッチになだれ込み〜という作品。明るく軽いノリではあるけれども、エロシーンが始まるとやっぱりボリューム感たっぷりできっちり実用的。なんだかんだラブラブなお話も甘さ十分で好印象。うまいです。フクダーダー「ハニーブロンド」は2話め。ブロンドな巨乳彼女と流れるプールのある遊園地で。こちらも甘ったるくていいです。フクダーダはちょいクセのある絵柄だけど、ラブコメ力はなかなかのもの。

 和六里ハル「三姉妹物語」は2話め。幼なじみの三姉妹が18歳になったばかりの主人公に、「およめさんにして」とジェットストリームアタックをかけてくる作品。おっとりめがね系、無口ツンデレ系、妹系と3タイプの幼なじみが、それぞれエッチなサービスを仕掛けてくる様子はとても華やかで満腹感あり。かわいさとエッチさが共存しており目に楽しい。

 てりてりお「学園ドロップキック」は、愛情が濃くて押しの強すぎる先輩女子によって、毎日精気を搾り取られている後輩男子が主人公。ラブラブな気持ちに任せて突っ走る先輩女子がなかなかかわいいです。容姿のほうはショートカットでボーイッシュ系。そういえば今回はめがねじゃないな。エロシーンも派手でよろし。

 武田弘光「ムネ★ヒメ」は、おっぱいいじりすぎて乳首が大きくなっちゃったツンデレ娘さんがなかなかエロっちい。長すぎる乳首は、実際にそういうの見たらどう思うかはともかく、漫画内ではちゃんといやらしく機能している。あと初登場のボボボ「ファンタジスタ」はちょっと気になるところ。サッカー部マネージャーの女子が、物凄い右足を持つ男子をスカウトしようとしたところ、足に見えたのは実はとんでもない巨根で……という作品。絵柄的には多少クセがあるけれども、勢いの良さは買える。うまく伸びてくれれば。


10/1(月)……珍自由クラブ

▼更新ダダ遅れなので、今月も雑誌感想まとめ書きします。日記の日付は気にしないでください。
(2007/10/17)

【雑誌】ヤングマガジン 10/15 No.44 講談社 B5中

【雑誌】ヤングマガジン 10/22 No.45 講談社 B5中

【雑誌】ヤングマガジン 10/29 No.46 講談社 B5中

 No.45にて宮下英樹「センゴク」の第一部が完結。第二部への布石を十分打ち、余力を残しながら、晴れやかに一区切りつけたという感じ。宮下英樹は前作の「ヤマト猛る!」から進境が著しかったが、この作品は最初っから充実していたし、現在はすでにヤンマガの中でも「押しも押されもせぬ」といった感じの存在になったと思う。こういう正攻法な作風で叩き上げて、力をつけてきたというのはすごく頼もしい。第二部は12月17日発売の2008年No.3+4合併号より開始予定とのこと。こちらも楽しみに待ちます。

 No.46からは平本アキラの新連載が開始。「アゴなしゲンとオレ物語」をしばらくお休みして、「やりすぎコンパニオンとアタシ物語」を連載。暴走しがちな温泉コンパニオンの女性が主人公のドタバタギャグ漫画。力ずくでしょうもないことをやるというのはアゴゲン同様だが、女の子が主人公である分、こちらのほうがだいぶ華やか。まあ個人的にはアゴゲンのほうがギャグとしては好みっぽいかなあとは思うけど。今回の作品はエッチネタで押すというのがコンセプトみたいだが、けっこう女の子キャラもエロっちくはあるなあ。平本アキラはホントに器用だし懐が深い。まだまだ引き出しがありそう。

 No.44、松本秀雪「珍獣王国のワカコさん」。別冊ヤンマガからまたしても出張掲載。ペットショップ勤務の女の子ワカコさんが、動物の神秘を前にいろいろトラブったりするというギャグ漫画。今回は動物の陰茎のすさまじさにワカコさんがショックを受けるという内容。ドタバタした内容はわりと好き。あとNo.44には鈴木一世のシリーズ連載「ゲヘヘのヌベコ」、No.45には蓮古田二郎「しあわせ団地」も掲載。

 押切蓮介「でろでろ」はこのところお話が動いている。兄・耳雄のデマっぷりに幻滅した妹・留渦が、「妹やめます」という書き置きを残して一人旅に出てしまうという展開。今までなんだかんだで仲睦まじかった二人が別行動というのは、「どうなっちゃうんだろう」という気分を多少かき立てる。まあこの漫画のことなんで、しばらくやったらまた元に戻るんだろうとは思うけど。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/15 No.44 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/22 No.45 小学館 B5中

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 10/29 No.46 小学館 B5中

 No.44から作:椎名理央+画:戸田尚伸「GTR GREAT TARO REVOLUTION」が連載開始。日産自動車広報部主任・北太郎を取り上げ、GT-Rの開発物語を描いていくという作品。自分は車についてはまったくもって無知なので、この内容が車好きにとってどんなもんなのかはよく分らない。ただ戸田尚伸の作風自体は、手堅く仕事する人だなーという印象は持っている。門外漢ながらも普通に読んでいけそう。

 作:神尾龍+画:中原裕「ラストイニング」は好調。最近の野球漫画では一番面白いと思う。一球ごとの駆け引きが面白いし、鳩ヶ谷の采配も見ていて痛快。意外性があるだけでなく理にもかなっているし、それがズバズバ決まる様子は見ていて気持ちイイ。リアリティについても、実際に高校生がこのレベルのプレーができるかというと難しいとは思うけど、現実離れってほどではないラインはギリギリで保っている。ここらへんの力加減がうまいのが、この作品の面白さにつながってると思う。もちろん中原裕の漫画のうまさもすごく大きいけど。

 花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。あの人(ネタバレいちおう回避)の再登場でお話がずいぶん盛り上がっている。あとわざわざ自分を追っかけてきた田西を前にドギマギするハナもけっこうかわいいし。あの人については、なんだかすごく面倒な事態になっているけどここからどうするのかー、ということで興味がそそられます。

 このほか、けっこう楽しみにしているのが浜田ブリトニー「パギャル!」。読んでいると脳味噌がトロけそうなギャルイズムがたまらない。すごく頭悪そうな内容の漫画ではあるが、描いているほうは頭悪くなさそうな気もする。野生の勘、じゃないけどなんか直感力に秀でていそう。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/15 No.44 集英社 B5平

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/22 No.45 集英社 B5平

【雑誌】週刊少年ジャンプ 10/29 No.46 集英社 B5平

 No.44から河下水希の新作「初恋限定」がスタート。少年少女の恋模様を描いていく作品で「連続展開式ラブコメディー」とある。まあ要するに舞台的にはつながってるけど、各話ごとにメインとなるキャラはリレー方式で交替していくという感じ。オムニバス形式に近い。「いちご100%」同様に、河下水希の絵柄はキャッチーで、女の子たちの容姿は華やか。恋愛の甘ったるいトキメキ感がぷんぷん漂ってていいんじゃないすかね。メインキャラ交替方式にしたのは、「いちご100%」で見られたようなダラダラ感を抑え、フレッシュ感を保つためか。この人の作風的にはそのほうがいいかも。

 No.45では冨樫義博「HUNTER×HUNTER」が連載再開。10号連続掲載予定。個人的にはもうあんまり興味はないんですが、楽しみにしている人も多いだろうし、そういう人たちを失望させないようにやってくれれば。「冷淡なものいいじゃのう」と思われるかもしれないですが、単行本買ってないし、こんだけ間が空いちゃったんで中断前の話も覚えてないですし、まあ許してつかあさい。

 No.46。ジャンプSQ.創刊記念で、浅田弘幸「テガミバチ」が掲載。これまでの話は読んだことなかったけど、さすがに達者ですなあ。空気がキラキラ光ってるような描写が印象的。

【雑誌】ビジネスジャンプ 10/15 No.21 集英社 B5中

【雑誌】ビジネスジャンプ 11/1 No.22 集英社 B5中

 No.21掲載、作:香川まさひと+画:住谷昭博「雨もまた良し」。お客様の満足にできる限りこたえることをモットーとする旅行会社の物語。その旅行会社は夫婦二人だけでやっているのだが、奥さんのほうは実はすでに死去した幽霊で、夫が願ったときだけ使うことができる力で、お客様に素敵な旅の一時をプレゼントする……という内容。絵柄的にはちとこなれていないところもあるが、しっとりと落ち着いた雰囲気のある作風には好感が持てる。しみじみした情感のある作品。

 No.22掲載の読切、山花典之「ノエルの気持ち〜エールを君に〜」。主人公の妹は天才的な才能を持つ美少女フィギュアスケーター。二人には血のつながりはないが、妹はその事実を知らぬまま兄に恋していて、兄のほうも妹に対する気持ちが沸き上がるのに悶々としているという構図。山花典之的にはすでに実績のあるジャンル・妹モノということもあって、あざといといえばあざといが、恋愛描写などはさすがにうまいしツボを押さえている。またそのうちこういう連載もやってもらいたい。

 漫☆画太郎「世にも奇妙な漫☆画太郎」。No.21掲載の第21話に出てくる薄幸の美少女がかなり萌える。イジメられっ子の標的になっている彼女が、川原でそいつに追いかけ回されるシーンはまるでエロ漫画みたいな雰囲気でちょいとドキドキした。No.22の回に出てくるショートカットのギター少女もなかなか。この人の描く女の子キャラは「意外といい」ということで定評があるけど、やっぱかわいいですねえ。

【雑誌】近代麻雀 11/1 竹書房 B5中

【雑誌】近代麻雀 11/15 竹書房 B5中

 11/1号から作:荒正義+画:岡村賢二「どうするジロー」が連載開始。アウトローな男が主役の麻雀漫画、ということでストーリーや道具立て的にはあまり珍しくない。ただ連載の最終ページで「次のセリフの内容を当てろ」とかいうクイズが出されて、読者が携帯電話でそれに対する答えを送信する……という読者参加型企画となっている。この手の仕掛けって有効なもんなんですかねえ。よく分らん。

 押川雲太朗「リスキーエッジ」は手堅く面白い。毎号緊張感があるし、漫画としても読みやすいし。一打一打が細かく描かれているというわけではないものの、きっちり麻雀勝負で読ませる作品。前田治郎「ナグモ」。なんかナグモに彼女っぽい女の子が出現。デレデレしてるナグモの姿に心が和んだりした。

【雑誌】ポプリクラブ 11月号 マックス B5中 [Amzn]

 今号は井ノ本、BENNY'Sコンビはお休み。あかざわRED「絶対少女ism」は最終回。カワイイ少年をお嬢様2人が奪い合い〜という感じ。ドタバタコメディテイストで賑やかに攻め、ラブラブなシーンもあり、短いながらも楽しい作品だった。ヤスイリオスケ「ちょっとくらい腐ってるのが美味しいんですよ?」は毎度見てて楽しい。男1人に女3人状態になってハーレム状態。今回はHシーン率は半分程度ながら、相変わらずのつやつやおっぱいが見応えがある。甘甘ラブラブな展開も好き。

 綾乃れな「Berry’s Beat Camp!」は、タイトルどおりビリーネタ。もうさすがに旬は過ぎたネタだが、まあそれを反映してはいるし。お話のほうはダイエットのインストラクターのねーちゃんが、主人公のもとに押しかけ訪問販売にきてエッチするという内容。この人らしいぷにぷにした女体描写は気持ちよさげ。軽いノリの話も楽しい。そういえばBENNY’Sブートキャンプという手もあるな……と思ったけど、どこかでやってそう。

 De「お嬢様はお仕置きがお好き♥」。ロリ少女でお尻ペンペン。相変わらず軽やかでかわいい絵柄ですのう。この人の作画では、ほっそい腰、ちっちゃいお尻が特徴的だけど、ペンペンされて真っ赤にそまったお尻というのもなかなかいい塩梅ではある。中年「こまこ性を学ぶの巻」。この人の良い絵。今回は、体は育っているのに、心は幼女のままのヒロイン・こまこちゃんが、無邪気にエッチする様子がかわいかった。実際にこういう娘さんがいたら、正直うっとうしいだろうとは思うが、漫画の中だからいいんです。こまこちゃんの、お孫的な雰囲気を残したぷっくらほっぺが良い質感。


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