2007年6月上旬


6/9(土)6/10(日)……Take me to 侍

【単行本】「GAMBLE FISH」1巻 作:青山広美+画:山根和俊 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 週刊少年チャンピオンでやっているギャンブルもの。物凄いキレ者の転校生・白鷺吐夢がエリートが集う学園に乗り込み、1か月で100円を100億にするとブチ上げ、学園で次々ギャンブル勝負を繰り広げていくという内容。本当に学生で100億なんてことが可能なのか……というのはともかくとして、その額に代表されるように、とにかくハッタリが利きまくっているのが面白い。濃いめの絵柄で画面構成とかもダイナミック。

 原作者は麻雀漫画「バード」など、ギャンブルものでも秀作をモノにしている青山広美。この人は自分で描かせてもけっこうな漫画巧者なのだが、ここに山根和俊の作画も加わって、本人作画とはまた違ったキレが出ている。とくに面白くなってくるのは、マジシャン少女の月夜野由佳が登場してくるあたりから。吐夢を目の敵にする悪役先生の前で実力を証明するべく、マジックを披露するが、そこでいきなり自分から全裸になっちゃうあたりは驚かされた。あとこの悪役先生の邪悪な表情とかもなかなか良い。ものすごく分かりやすく悪役している。

 1巻の時点では立ち上がり段階で濃さがまだ出きってない部分はあるものの、連載のほうはその後どんどん上り調子になっている。月夜野由佳戦が決着するあたりの強引すぎる展開には引き込まれたし、お色気系のサービスもなんかドバーンとあられもなくやっててとにかく印象に残る。この調子で行けば今後も面白くなっていきそうということで、期待の一作。

【単行本】「みつどもえ」2巻 桜井のりお 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 2巻も引き続き好調。かわいい小学生三つ子娘にぱんつなどのちょいエッチ系なネタもからませ、キュートかつドタバタパワフルにお話を展開。サブタイトルのオタクネタも楽しいし。それにしても「子供学級」のころと比べると、本当に線が色っぽくなりましたなあ。気軽に読めるしかわいいし、内容もノリノリだしでたいへん楽しいです。

【単行本】「竹光侍」2巻 作:永福一成+画:松本大洋 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 ここまでは穏やかに暮らしていた竹光侍・瀬能宗一郎だが、巷を騒がす辻斬り事件のせいで、周囲がにわかにざわつき始める……といった展開。この作品では非常に枯れたタッチを採用してて、お話のほうも落ち着いたテイスト。コマ割や構図取りは実に巧みで、しばしば感心させられる。ただお話としてすごく面白いかっていうと、静かに少しずつ動いてるって感じなんで、ぼちぼちといったところですが。

【単行本】「おたくの娘さん」2巻 すたひろ 富士見書房 B6 [bk1][Amzn]

 おたく男の家に、昔つきあっていた女性との間にできた子供がいきなり転がり込んできて、おたく父&ノーマル娘のドタバタ親子生活が営まれていく……というホームコメディ。娘に見られたくないオタアイテムを部屋にたんまりため込んでいるパパが、純真な娘さんを前に慌てまくる様子が楽しい。娘さんもカワイイ。あと今回は、女子高生なのにお母さんっぽすぎる管理人さんが見てて楽しかったです。

【単行本】「ももいろさんご」11巻 花見沢Q太郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 今回もお気楽にやっていたけど、さんごがキャバクラ嬢の仄ちゃんにハマってヒモ状態になり……という一連のエピソードはちょっとほろ苦いものがあった。男をダメにしてしまう魔性の女・仄ちゃんはなかなかかわいかったと思う。あとお話とお話の間にある4コマ漫画がなんかくだらなくて良かった。10コマくらいの絵をコピペして、セリフ変えて順番並び換えて、4コマを何本も作るというのをやっている。強引すぎる話の作り方が笑えた。

【単行本】「彼女を守る51の方法」4巻 古屋兎丸 新潮社 B6 [bk1][Amzn]

 東京を襲った大地震の後、お台場を脱出した一行は渋谷へと向かうが、渋谷は帰宅難民であふれて治安も悪化。センター街ではガラの悪い若者がたむろ、109には女たちが立て籠もり、地元老人たちは自警団を結成、さらには帰宅できなかったサラリーマンたちもストレスをためて爆発寸前と非常に不安な状態。ここでは災害直後の物理的な危機よりも、むしろ人災のほうにスポットライトが当てられる。その中でジンはカルト宗教団体に取り込まれそうになっており、不穏な展開。まあ「日本沈没」ほどの怖さはないけど、こちらもしっかり読ませてくる。個人的には、ジンを取り込もうと迫ってくる宗教団体にーちゃんのうさんくさい顔つきがイイ感じだと思いました。

【単行本】「バス走る。」 佐原ミズ 新潮社 A5 [bk1][Amzn]

 オムニバス形式の短篇シリーズである表題作と、その他数本を収録した作品集。「バス走る。」シリーズは、停留所から始まる恋物語を描いていく作品。佐原ミズの品の良い透明感のある絵柄で、爽やかな甘さのあるお話をそれぞれ作っていて、なかなか気持ち良く読める。そのほかの短篇についても安定したクオリティ。スッキリしててトキメキも十分あって、よくできてると思います。

【単行本】「しあわせ団地」10巻 蓮古田二郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ついにこの作品も10巻まで行ってしまったか……。相変わらずはじめとさなえのダメダメ夫婦はしょうもなく情けない生活を送っているが、巻を重ねるごとにどんどん夫婦仲が悪くなっているような……。でも結局二人ともお互いから離れない、離れられないあたりが、愛というよりも共依存って感じで、ダメダメ感をさらに募らせている。この二人は一生こうやって暮らしていくんですかねえ。

【単行本】「パプリカ」 作:筒井康隆+画:坂井恵理 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 筒井康隆の「パプリカ」を漫画化。といっても原作やアニメとはまったく違った内容となっている。お話のほうは、かつて夢の中に入り込む夢探偵・パプリカをやっていた女性が、もうパプリカをやめたにも関わらず、人々の夢に入り込む少女が現れて……といったところから展開。坂井恵理のすっきりした絵柄は好きだけど、お話としてはちょっと煮え切らない印象。もう少し悪夢っぽさを出すか、もしくは絵のきれいさを利用してピンと張り詰めたような話にするかしてほしかった。


6/8(金)……雪が積もる日ね

【雑誌】ヤングアニマル 6/22 No.12 白泉社 B5中

 作:原田重光+画:萩尾ノブト「ユリア100式」。100式、105式、108式の3人が勢ぞろいして、瞬介に迫っていくというお話。勢揃いの様子は賑やかではあるけど、瞬介にとっては迷惑至極。相変わらずの下らない展開で、ほのぼの感もあって楽しい。若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」。根岸の素のほうに、だんだんクラウザーさんが侵蝕してきている。この調子でどんどん行って、クラウザーさんが完全体になったら、今までよりもさらに恐ろしいことが起こるんでしょうな。相川さんが真の牝豚となる日もそう遠くなさそうだ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 6/22 No.13 小学館 B5中

 しりあがり寿の新連載「SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ」が開始。三池崇史監督による映画を公開に先駆けて漫画化。絵は実際の映画のキャストに似せて描いており、人物が登場するたびに、映画での役者名を欄外に入れるという試みを行っている。たぶんこれは「似てるー」「似てねー」とかいって楽しむべきものなのだと思うが、自分は実際の役者さんの顔とかパッと思い浮かばないので、正直あんまりピンとこなかった。作品単体で楽しむには、役者名の部分が邪魔になって、もう一つスムーズに読んでいけないかな。まああくまで映画のプロモって感じでしょう。

【雑誌】ビッグコミック 6/25 No.12 小学館 B5中

 はしもとみつお「築地魚河岸三代目」(脚本:九和かずと)。今回は、色はきれいだけどいまいち美味しそうに見えない、でも塩焼きにするととても美味しいタカベを、刺身で食べるというお話。個人的にはあんまりなじみのない魚だけど、読んでみたらちょっと食べてみたくなった。刺身よりもむしろオーソドックスな塩焼きのほうで。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 7月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 間部正志「トツガク雀研」が2回めの掲載で連載化。間部正志というと、個人的には「ノーホシTHEルーザー」の印象が強いんだけど、そのころのクセのある作風と比べると、ずいぶんスッキリ洗練されたなあという感じ。大学の麻雀研究会が舞台のドタバタコメディだが、主役格の女の子はけっこうかわいく描いている。最近の間部正志についてはあんまりチェックしてなかったんだけど、女の子の目とか、小林立に似たようなタッチになってるのだなーと思った。

 このほか、しのすけ「護りのカイト」も女の子はわりと萌え系。小林立「咲 −Saki−」に刺激を受けたのか、雑誌的にも萌え要素を取り込もうとはしてる気配はうかがえる。ただ、こういうふうにつまみ食い的にやってもインパクトは小さいだろうから、どうせやるならもっとあざとくやっちゃっうのも手だと思うけど。いっそ近代麻雀系で萌え漫画増刊でも出してみるのも手かもしれませんな。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/22 No.23 日本文芸社 B5中

 六田登「クマトラ」は次回で決着とのこと。悪魔的なトラック、モビィ・ディックと決着をつけるという「白鯨」的ストーリーをやってるわけだけど、まあけっこうイカれた話ではありますな。ちょっとまとめて読んでみたい気がしてきた。作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。旬に惚れてる築地ねーちゃんが、彼をアナゴ釣りに誘うが、気の利かない旬は大吾カップルも誘ってしまい……ってなお話。まあツンデレっちゃツンデレなんだけど、このねーちゃん、ちょいとデレの進行が激しすぎではなかろうか。

【雑誌】コミックバンチ 6/22 No.28 新潮社 B5中

 原恵一郎の読切「悪党革命ラモン」が掲載。金さえ払えばなんでも揃える、ついでに武器を使って殺しを行うとこまで引き受ける武器商人が主人公のアクションモノ。まあストーリー的には予想の範囲内の展開ではあるけれども、ハッタリを利かせつつきっちりまとめている。手堅い仕事ぶり。

【雑誌】FEEL YOUNG 7月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」。大吉の家にコウキとコウキママがやってきてなかなかいい感じ。お互いシングルパパ&シングルマザーということもあり、そのうちくっつきますいかねえ。そしてりんとコウキが血のつながらない兄妹or姉弟となったら、多少萌え漫画脳を刺激されそうだが、まありんと大吉も本来は父娘ではないからそうはならないか。あとどうでもいいけど、コウキママはうるんだ感じの目とかがちょっと色っぽい。

 新連載、斉木久美子「モルヒネ」は、安達千夏の小説を漫画化した作品。幼少時に、父親による虐待で姉を失ったことがトラウマになり、それを抱えたまま31歳となった女性が、婚約者を置いて余命短い元恋人の元に走るというお話である模様。作画はキレ味が良く、まずまずの滑り出し。


6/7(木)……CAR BOOK者

【雑誌】モーニング 6/21 No.27 講談社 B5中

 作:デビッド・宮原+画:たなか亜希夫「かぶく者」。なんだかいきなり現代から江戸時代に時代・設定を変更し、伝説の歌舞伎役者・生島新五郎編がスタート。まあ現代のほうをもう少し掘り下げてほしかった気もするけど、こっちのほうがインパクトは強いかもしれない。とりあえず舞台を移してどう展開していくか、お手並み拝見。作:綱本将也+画:ツジトモ「GIANT KILLING」。プレシーズンマッチが終わった後の、達海と村越のやり取りが描かれる。達海のセリフがいちいちカッコイイ。ここらへんは漫画担当のツジトモの見せ方がうまいってのもあるんでしょうな。

 読切、宮本福助「この度はご愁傷様です」が掲載。「拝み屋横丁顛末記」の人。さんざん好き勝手やってきた父ちゃんが死んで、残された3人の子供と孫一人が、遺言に従い1億円の遺産をかけてダーツに挑まされる……という内容。親父さんの破天荒なキャラが見てて楽しく、残された人たちの会話も飄々とした味があって面白い。締めくくりもきれいで、完成された、後味の良い短篇だった。モーニングの誌面にもマッチしているし、相変わらず外部から作家さんを引っ張ってくるのがうまい雑誌ですなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 6/21 No.27 小学館 B5中

 島本和彦「アオイホノオ」が掲載。今回は若き日の炎燃が、若き日の庵野カントクが撮った「庵野ウルトラ」や、先輩の矢野健太郎といった才能に触れてガビーンとショックを受けまくるというお話。現実をネタにしながらちゃんとギャグっぽくストーリーを展開しててさすがにうまい。熱血っぽい絵柄でギャグあるいはコメディという島本和彦らしい自伝になっている。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/21 No.27 集英社 B5中

 ふなつ一輝「華麗なる食卓」。貝カレーという仮題に悩むマキトを気分転換させるため、ヘキルちゃんがミニスカポリスコスプレでマキトを強引にデートに連れていく……というお話。カレーとは関係なさげなサービスをざくざくやりまくっていて目に楽しい。強引なんだけど、この作品内だと今さら不自然とも思わないし。

 葉月京の読切「ファーストキスの悲劇」は、ものすごく鋭敏な嗅覚を持つソムリエにーちゃんが主人公。その勤める店に、学生時代の初恋の相手であり、彼が女の子とつき合えなくなってしまったトラウマの元凶である女性が訪れるが……といった感じで展開するラブコメディ。軽いノリながらきっちりラブラブはお話にまとめてあり、ちょっぴりお色気的な要素も入れていて手堅い。

 もう1本読切、佐々木拓丸「RES PARADOX」は、未来社会を部隊に、妻子のことを最後まで想いながら死んでいった優しい男の物語を描く。タイムパラドックスネタをうまく利用して後味の良い作品を作っている。絵柄的には高橋秀武をコミカルにしたみたいな印象(あくまで個人的な意見なんで異論はあるかもしれませんが)。なお佐々木拓丸は以前連載で「極道つぶし」をやっていた人。完成度が高く、なかなかうまい人だと思います。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/21 No.28 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ストライプブルー」。扉ページの幼なじみ二人娘のじゃれつきっぷりがなかなかかわいくていいのだが、今回は第3の少女が出現。アー坊の進学をめぐり、新たに私立高校も参戦。でもってその学校の野球部のマネージャーさんが、小悪魔っぽい美少女だったりするという設定。「ショー★バン」と比べてつとめて萌え度を高くしているこの作品の路線からいうと、この学校に決まりそうな気配ですな。

 作:青山広美+画:山根和俊「GAMBLE FISH」。ハスラー娘の人と美華お嬢様は百合的関係にあったんですか。一緒にシャワー浴びるし、昔は洗いっこもしていたようだし。お色気描写をしっかり入れてくる、ガツガツした姿勢が良いです。

【雑誌】MUJIN 7月号 ティーアイネット B5平 [Amzn]

 小暮マリコ「姉じゃなくなる日」後編。一つ屋根の下で姉弟同然に育ったいとこ同士が、一線を越えて恋人に……というお話。相変わらず瑞々しくボリューム感たっぷりの絵柄で、甘ったるいラブラブHを展開している。弟を甘やかしまくりのおねえちゃんが包容力たっぷりでいいですのう。

 藤原俊一「UNDER TRIP」。MUJINでは初登場。お話のほうは、オタク系の主人公が学校で彼をさんざんからかってくる生意気娘に対し、不良の旧友の力を借りてコマしちゃうという内容。絵柄的に洗練されているというタイプではないけど、けっこうねっちょりしたエロさのある作品を描く人なんで、個人的にはわりと気になっている。これまでは桃姫がメインだったけど、最近は描いてないからこっちがメインになるかな? 桃姫で連載された「憧れの女」は単行本出してほしいところではあるけど。

 いのまる「いとしの絵里子さん」。生徒と女教師が内緒の温泉旅行。主導権を男子生徒側に握られてる女教師さんが、混浴に連れていかれて放置され、酔っ払いオヤジたちにレイプ寸前のところまでエロ責めされるシーンがなかなかエロかったです。


6/6(水)……犯人はうたう

【雑誌】週刊少年サンデー 6/20 No.27 小学館 B5平

 新連載、作:伊坂幸太郎+画:大須賀めぐみ「魔王」が開始。昔、自分に超能力があると信じていたが、成長するに従ってそんなわけないと諦め、好奇心を封じ込んでいた主人公が、とある事件をきっかけに目覚める……ってな感じの超能力モノかな? とりあえずまだ少年自身の能力のなんたるかはよく分からんし、お話がどうなるかも見えてこないけど、初回としてはまずまずハッタリは効いている。絵のほうも悪くない。まずはしばらく様子見。

 鈴木央「ブリザードアクセル」は最終回。演技のシーンはかっこ良かったし、技術的な部分の説明もちゃんとやってて面白かったんだけど、途中から凄い演技→ライバルびっくり→凄い演技→またびっくり……の繰り返しで、一本調子になってしまったのが残念だった。見せ場の各局面は良かったんだけどね。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/20 No.27 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」。ライバル登場で、生徒会選挙編はけっこうもつれるかと思ったら意外とあっさり。でも新キャラの人は多少恋のライバル的な感じになったりしますかね。あとは品川に惚れる後輩とか幼なじみ女子でも出してくると良いと思う。そうすると別の漫画になっちゃうか。萌え漫画脳の恐怖。

【雑誌】花とゆめ 6/20 No.13 白泉社 B5平

 高屋奈月の新連載「星は歌う」がスタート。父親に捨てられて、いとこのあんちゃん・奏と一緒に暮らしている女の子・サクヤが主人公。奏は事情があって家に引きこもっていて、家計はもっぱらサクヤがバイトして支えているのだが、それまでひとりぼっちだったサクヤにとって奏は精神的な支えとなっており、毎日の生活は幸せだった。でも周囲が奏をろくでなしととらえて悪くいい、サクヤを憐れむような言葉をかけてくることを、サクヤ自身は気に病んでいた。そんな折、サクヤの前になんだか不思議な少年・チヒロが現れるのだが……という出だし。第1話の段階ではまだなんともつかみどころがないけど、基本的にはサクヤとチヒロのラブストーリーって感じになるのかな。

 羅川真里茂「しゃにむにGO」。伊出vs.佐世古のインターハイでの対決がついに決着。圧倒的優位かと思われていた佐世古に対し、伊出が粘ってじょじょに押していく展開はなかなかアツくて面白かった。恋愛関係もこれで決着? 佐世古くんは外人テニスねーちゃんとくっつくほうが良いでしょう。なお連載はこの後しばらくお休みで、8月4日発売号から再開予定。

【単行本】「アゴなしゲンとオレ物語」25巻 平本アキラ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 下品ギャグという芸風を変えることなく25巻到達。衰えたり枯れたりすることなくここまで来たのは本当に凄い。この巻でも「キンタマが動くのを見つめているだけで幸せな気分になれる」といったエピソードとかは、実にしょうもなくて素晴らしいなあと思った。近年になって、自分内の平本アキラ評価はますます高まっている。

 あとこの巻には、本作の本当の第1話として称してデビュー初期のバージョンが掲載されている。第1巻に収録された第1話と内容は同じらしいんだけど、平本アキラって最初はこんなに絵が下手だったのか……。今の絵と比べるとあまりの違いに驚かされる。

【単行本】「闇金ウシジマくん」8巻 真鍋昌平 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いや〜、借金怖いですねえ。今回は「フリーターくん」編だけど、定職につかずぶらぶらして鬱ブログなんぞを開設している宇津井よりも、その母親に対する追い込みがこの巻は強烈。ネットでの株取引に手を出して、ダマされてあれよあれよと転んでいき、正気を失っていくさまがたいへん怖い。それまでけっこう普通にやってきた御家庭なのに、失うときは一瞬だもんなあ。下手なホラーよりもはるかに怖い。また借りてる側の切羽詰まった顔、ウシジマらハメる側の腹黒さがにじみでた顔など、表情の描き方もドスが効いてて凄い。

【単行本】「イケてる2人」25巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 いつも変わらぬ安定ぶり。雑誌のほうでは連載が250回に到達。月2雑誌で、しかもラブコメ1本でここまで続いてるってのはやっぱ大したモノではある。マンネリっちゃマンネリだけど、こういう作品はそれでいいんだろうなーと思う。

【単行本】「少年ブランキーJET」2巻 佐野タカシ 一迅社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。エリート育成のための学校において、弱小部活に引導を渡す特殊活動をしている集団「ブランキーズ」にスカウトされた少年が、仲間である美少女たちとともに頑張るというドタバタアクション。なんか最後のほうは、ブランキーズが廃部の前にチャンスを与える救世主的存在的な扱いになり生徒会と対立……みたいな感じになっちゃってて、もう一つ軸が定まってないような印象も受けた。佐野タカシとしては慣れない少年漫画分野ということもあってか、今一つしっくりこないままだったかな。


6/5(火)……公園財務

【雑誌】チャンピオンRED いちご VOL.2 秋田書店 B5平 [Amzn]

 ヒロイン全員U-15の萌え萌え雑誌2号め。今号から隔月刊行スタートとのこと。秋田書店、調子に乗ってるなあ。作家陣的にも、おりもとみまな、天瀬晴之らを加えて、相変わらず貪欲にエロ要素を取り込んで来ている。まあU-15ってことで、さすがにセックスまではできなかったりしますが、寸止めというラインさえ守っておけば、かえって好き勝手できるかも分からんですな。

 で、2号めの特別付録は「キミキス」の描き下ろしコミックブック。「キミキス」キャラを使って執筆陣が思い思いの作品を描くという感じ。意外とギャグとかは少なめで、普通にラブコメを展開している人が多かった。一番人気は摩央姉ちゃんですかね。あと本誌のほうでも、糸杉柾宏版「キミキス」が掲載されている。それぞれ甘ったるい青春ラブストーリーをやってて、個人的にはけっこうどれも楽しめた。

 あと今号の掲載作品については、どれも萌え系の絵柄で自分としてはまずまず楽しめたんだけど、一番印象に残ったのはやぎさわ景一「ちょっきんぱにっく☆」かな。はさみを幼女に擬人化するという内容だけど、要するに股の部分がはさみの刃の合わせ目部分という設定で、なんだかたいへん露骨なことをやっておられる。カップラーメンの汁物の袋を切ったがために、股間部分がベトベタになっていたりと、アホなんだけどエロっちい構図を展開。そういうことやりつつも、ドタバタギャグとしてちゃんと面白くなってるのも良かった。いつもはここまで露骨なネタはやってこない人なんで、より印象に残ったっていうのもあるかもしれない。

 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作「アマミにおまかせっ」は、「サイカチ」に出てきたビートル・クイーン、アマミちゃんのその後を描く。それにしても「ベクター・ケースファイル」といい、「サイカチ」本編の主人公だった真夏くんはここでも完全に無視されまくりですな。まあ潔いといえば潔い。吉富昭仁「BLUE DROP 〜天使の悪戯〜」は、RED連載の「BLUE DROP 〜天使の僕ら〜」の番外編的なお話。こちらは百合系でモリモリ。最近の吉富昭仁は、吹っ切れたように煩悩丸出しでなんか面白い。

 晴瀬ひろき「子えんざいむR13」。パッと見かっこいいんだけどマッドサイエンティストでロリコンな後輩に恋してしまっている先輩女子が、彼の作った薬のせいで幼女化。それを利用して彼を誘惑しようとするが……といったラブコメ。明るく華やかな絵柄だし、ラブラブ度も高くてなかなか楽しかった。後味も甘ったるくて読後感良好。

 おりもとみまな「メイドいんジャパン」は、男なのにメイド学校に通わされている主人公が、ツンデレ系お嬢様のもとに実習でお仕えにあがる……という内容。おりもとみまなの描線はわりとクッキリしているので、こういう萌え系たっぷりの雑誌の中に入ってもけっこう目立つ。ネタがちゃんとハマれば、この雑誌にもけっこう合うんではないでしょうか。

【本誌執筆陣】糸杉柾宏、FLIPFLOPs、みづきたけひと、野上武志、高遠るい、目黒三吉、佐藤健悦+吉野弘幸+樋口達人+駒都えーじ、松山せいじ、晴瀬ひろき、やぎさわ景一、仏さんじょ、吉富昭仁、むっちりむうにい、藤島真ノ介、カイシンシ、カミムラ晋作+藤見泰高、しぐにゃん、おりもとみまな、井上行広、しまだわかば、天瀬晴之、瀬菜モナコ、憧明良、石本千夏、宇佐美渉、ひねもすのたり
【キミキス別冊付録】くろがねぎん、オダワラハコネ、水城たくや、清水栄一+下口智裕、速野悠二、神楽つな、秋★枝、山西正則、まさきち

【雑誌】コミックフラッパー 7月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 新谷かおる「クリスティ ハイテンション」と、環望「ダンス イン ザ ヴァンパイア バンド」のコラボ企画あり。「クリスティ〜」に、「ダンス〜」の主人公である姫様ミナがゲスト出演。でもなんだかミナだけ新谷かおるタッチになじんでなくてちょっと浮いてるような気が……。

 柳沼行「ふたつのスピカ」。ここ数回の急展開を受けてのエピソード。残された人たちの姿、表情を見ているとなんとも切なくて泣けてくる。しんみりした描写の一つ一つがしみてきます。読切で登場の森下剛光「もう一度俺を見てくれ」「目が覚めてもまだ眠い」絵柄はシンプルだが、飄々とした、ちょっと不思議な感触のお話を展開してちょっと気になる。コミカルだけどブラックなところもあって、なかなか味のある作風といえる。

【雑誌】漫画アクション 6/19 No.12 双葉社 B5中

 武富健治「鈴木先生」。小川さんは誰が好きか問題が片づいたと思ったら、またしても厄介な事件が持ち上がる。その中心にいるのが、少女ながらなんだか妙に色っぽい雰囲気を醸し出している女の子・河辺さん。彼は不登校な竹地くんとつきあっており、彼と性行為を繰り返しているとの噂、状況証拠があり……といったところ。文字通り生々しい話になりそうで、続きがすごく気になる。あと鈴木先生びいきの中村さんが、いきなり告白してきたりしないかも気がかりですぞ。

 土山しげる「極道めし」。新章は、刑務所の別の房で同じようにうまいもの自慢大会やるのかな……と思ったら、なんだか刑務所全体を巻き込む一大イベントになっていきそうな気配。同じことを繰り返すのではなく、ちゃんと新しい要素を織り込んでいこうってわけですな。今後も楽しみ。

 読切、曽山彦介「篭の姫」。京都精華大学卒の新人らしいけど、なかなかシブめの作風。民を蔑ろにする暗愚な戦国大名を父に持つ、武芸に長けた姫が、その失政をただすため立ち上がるという内容。まだ線にちょっと固いところはあるものの、背景の描き込みやお話の作り込みが丁寧でなかなか読ませる内容。絵柄的にはちょっと佐藤宏之を思い出した。描き慣れてこなれてくると面白そう。

【雑誌】コミックチャージ 6/19 No.6 角川書店 B5中 [Amzn]

 3話連続集中連載の作:夏緑+画:ちくやまきよし「バンケン」が開始。普段は冴えない総務課のサラリーマン、その裏では凄腕のエージェントって感じのお父さんの活躍を描くアクションもの。裏の顔のある昼行灯系妻子持ちサラリーマンが主人公で、彼に惚れてる天然系のOLさんがいるというのは、最近だと細野不二彦「ダブルフェイス」を思い出す設定。まあまあ面白そう。ちくやまきよしの絵も個人的にはけっこう好きだし。

 海瀬壮祐のショート漫画「ますみパーフェクト」は3回め。彼氏と完璧な初Hを決めるべく凝りすぎて、結局できないままでいる美人OLさんが主人公のドタバタコメディ。短いながらもちょっぴりHっぽい描写もあってけっこう楽しい作品。青年誌だとこういう軽めのお色気系作品は確実に需要ありそうだし、レギュラー化してもいいんじゃないすかね。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 6/20 No.12 小学館 B5中

 作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド 〜入矢堂見聞録〜」が最終回目前。さまざまな謎が明かされるとともに、関わった人々も次々消えていく。ちょっと途中でちゃんと読んでなかった部分もあるので、連載終わって単行本全部出たらまとめて読んでみたいところではある。

【雑誌】漫画サンデー 6/19 No.23 実業之日本社 B5中

 久寿川なるおの読切「彼女はA-Girl」。こういう人も腐女子ネタを描いたりするんだなあ、しかも漫画サンデーで、といった感じで生暖かい気分になった。お話のほうは、普段はC.A(以前「スチュワーデス」といわれてたアレ)の教育係をやっているお堅いヒロインが、実は同人もやってる腐女子だったという内容。なんかヒロインが見てるアニメが「グレンラガン」だったりするし(作中では「天空突破グランガラン」)、なんだかニヤニヤしてしまった。ベタベタにオタクっぽい人がやるよりも、こういう人がやるほうがなんか微笑ましい。

【雑誌】コミック・ガンボ 6/5 No.23 デジマ B5中

 小田原ドラゴンが登場。いろんなところに出てくるなあ。「W.C.」という連載の2回めを担当。第1回は石原まこちんが描いていたんだけど、二人の当番制でやっていくと考えていいのかな。どういう経緯でそうなったかはよく分からないけど、なんか変則的ですなあ。作:上野毛あさみ+画:黒岩よしひろ「ステージガールズ」は、カメと現在コンビを組んでいる、歌手・女優志望のガキさんが、だいぶお笑いに本気になってきたという展開。誰とコンビを組むかでドラマが動いていきそうな感じで、まずまず面白い展開になってきている。

 あと今号から、川口憲吾の4コマ新連載×2「座敷がえる」「徹さん」が始まっているほか、瑞穂大の読切「虫サッカー」も掲載。「虫サッカー」はタイトルはいいんだけど、今どき出てくるサッカー選手がラモスだったり、個人的にはもう一つな印象。

【雑誌】桃姫 7月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 Dr.P「フミさんの憂鬱」。すごく尻好きな先輩に告られてつき合いはじめたヒロインさんが、先輩が好きなのは尻だけなのかと不安になって、ほかの部分もおねだり、というお話。大きなお尻同様、顔だち、体つきがふくよかでぷにぷにした感じのヒロインさんがなかなかかわいいなあと思った。ほっぺたがやわらかそうなのがええと思います。

 景えんじ「それでも僕らは…」。少子化で人口が激減した世界が舞台。その世界では子作りを推奨しており、学校内でもローテーションを組んで、男子と女子にセックスの実習をさせていた……という設定。そんな特殊な環境の中でも恋をし、つながっていく少年少女の物語。相変わらずエロ的には地味だけど、スッキリしたほの甘い絵柄は自分の好みに合う。今回は続きモノのようですな。


6/4(月)……大山メイドして鼠一匹

【雑誌】ヤングマガジン 6/18 No.27 講談社 B5中

 きらたかし「赤灯えれじい」。チーコが元カレと会っていた件をめぐって、二人の間のしこりが解消されず、うじうじした展開が続いている。ずいぶんシリアスで息苦しいお話になってきてますなあ。まあいずれは仲直りすると思うけど、そこまでにどういうステップを踏んでいくのか、先の展開が気になるところ。村田ひろゆき「好色哀歌 元バレーボーイズ」。ここまでずっと引っ張り続けてきた谷口の負傷の件だが、相当深刻そうな感じ。こちらもどうなっちゃうのが気になります。押切蓮介「でろでろ」。今回印象に残ったのは犬山君を今まで犬扱いしていた女の子・白石さん。告白シーンとかはけっこう萌えるものがあって良かった。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/18 No.27 小学館 B5中

 最近あちこちの漫画で鉄道系の話を見るようになってきたような気がするが、今回は小田扉「団地ともお」まで。委員長が実は鉄だったというのはちょいとオドロキ。それにしても歩くよりも遅い電車が普通に走っていたなんて、なかなかのどかで良い町ですね。あと松本大洋「竹光侍」は第三章に突入。辻斬り事件を受けて瀬能宗一郎は再び剣をとりそうな気配。今回は今までのようなのんびりとした路線とは違って、血なまぐさくなりそう。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/18 No.27 集英社 B5平

 江尻立真「P2!」。耳ずきんをかぶってる卓球娘・川末晶さんが良いですな。今回の展開はかなりラブコメっぽい。まあさすがに幼なじみねーちゃんにはかなうまいとは思いますが。作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。最後の決め手はやっぱりセナ+モン太ということで、今回もなかなかアツかった。最近は動かしやすいキャラということもあってか、むしろモン太がらみの部分のほうがアツいですな。

【単行本】「メイド諸君!」2巻 サトウナンキ+きづきあきら ワニブックス B6 [bk1][Amzn]

 だいぶお話が生臭くなってきた。メイド喫茶でバイトしている女の子・チョコ(千代子)を主人公にして、メイド喫茶に関わる人々の心のうちに立ち入った物語をズンズン展開。といってもメイド喫茶の業務などのディティールをリアルに描こうというわけではなく。

 メイド喫茶のメイドさんは、「メイド」役を演じる役者的立場なわけだけど、別に訓練された役者さんではなく普通のバイトさんなので、なかなか素の自分との切り替えが難しい。メイドとしてのご主人様への接し方、それから生の自分サイドの特定人物に対する恋愛感情や嫌悪などの気持ち。そこらへんの兼ね合いを生々し……くはないかな。でも掘り下げて描いた物語は、お話が進むにつれて読みごたえが出て来ている。

 あと素の自分と、メイド喫茶での自分を切り離すのが難しいというのはお客さんサイドも同様。チョコの営業スマイルを勘違いし彼女に店外でも粘着しようとする客は、メイド喫茶内の事情を外まで持ち出そうとするタイプ。チョコが素の状態で参加した合コンのノリを店内に持ち込もうとする客は、外→内というタイプ。そちらは無自覚でやってるけど、切り分けしなきゃと自覚している鳥取君も、チョコちゃんから好意を向けられて頭が混乱している状態。

 またメイド喫茶内では仕切り役なあるみは、精神的に裏番長的存在の灰音に依存しきっているのだが、この巻では灰音の兄に店外でも仕えろと命令される。これはメイドによる、メイド喫茶内ルールの外への持ち出しって感じですか。

 メイド喫茶というファンタジー空間における虚構と現実のせめぎ合いを、じくじくねちねちと描き出していく、ねちっこい語り口がスリリングで刺激的で面白い。メイド喫茶自体が、ファンタジー空間として作り込みが甘い、要するに安っぽいだけに、ファンタジーと現実の繋ぎ目の部分(例えば着ぐるみでいえばチャックみたいなもの)が目につきやすく、つっつきやすいってのはあるかもしれませんな。

【単行本】「二代目はこすぷれーやー♥」2巻 甘詰留太 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 コスプレイヤーであるヤクザの娘・ゆーしーと、若頭の慎之助を中心としたドタバタコメディ。ラブコメ的な展開もあり、まあ気軽に読んでいける。ただ甘詰留太作品としてはいまいちパンチが弱いかなーという気もする。「年上ノ彼女」のときの序盤の盛り上がりや、エロ漫画時代のラブストーリーのすごい甘ったるさ、また陵辱系のときのねちっこさみたいな強いインパクトが、今のところこの作品だとあんまりなくて、良くも悪くもお話は軽め。まあその軽さ、明るさみたいなのを楽しんでいけばいいんでしょうけど。

【単行本】「探偵儀式」4巻 箸井地図(原作:清涼院流水+原案・脚本:大塚英志) 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずスケールがでかくインチキくさくもある探偵モノを展開中。インチキくさいのにお話自体に緊張感があるのは、箸井地図の絵柄がカッコいいのと、ハッタリ効かせながらちょっとずつお話を進めていくストーリー運びが大きい。やっぱ箸井地図の絵はスッキリ美しくて小気味いいです。お話のほうでは本当にポートピアで連続殺人が発生。JDCシリーズだけに何が起ころうと不思議じゃないし、まともに推理とかしようとしても無駄なんで、とりあえず流れに任せて読んでます。

【単行本】「よにんぐらし」3巻 宇仁田ゆみ 竹書房 A5 [bk1][Amzn]

 ほのぼのご家族物語。若き父母と、娘1息子1のご家庭での子育てライフを楽しく描写。あっさりとした絵柄で日常生活を楽しく暖かく描き出している。物語的にはなんてことないけど、きちんと読ませるし、子供のいる暮らしはタイヘンだけど楽しいってことをしっかり描いてて好感度大。

 ところで最近こういう子育てモノで良い作品をちょくちょく目にするけど、自分がたまたまそういうのも読むようになってるからですかねえ。まあこういう作品のせいかは知りませんが、最近ちょっと社会全体に「子育ても楽しいじゃん」的な空気が、ちょっと前よりも強くなってきているような気がしないでもないです。景気が良くなってきたからってのもあるんですかね。

【単行本】「カズン」3巻 いくえみ綾 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。平凡な女の子ボンちゃんが、恋して一念発起してやせて、その後失恋してまた太ったり……といった等身大恋愛ストーリーという感じ。恋をして「キレイになりたい」と思ってやせようとする、ごくごく普通な女の子の姿がかわいく描けていて楽しく読める。まあ別段珍しいことをやってるわけではなく、本当にボンちゃんは平凡な女子なんだけど、そこがまあ癒し系でカワイイといいますか。相変わらず漫画がたいへん上手なので、するする読まされてしまいます。


6/3(日)……ダクシードライバー

【単行本】「暁星記」7巻 菅原雅雪 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 描き下ろしで煉獄編が続く。物語が各所で同時進行しているためちょっとつかみづらい部分はあるものの、骨太で壮大な物語には引き込まれる魅力はある。まあ連載開始当初の期待度から比べると、少し物足りない気はしないでもないけど……。この作品はJ・R・R・トールキン「指輪物語」の影響が色濃いけれども、中盤で主要キャラが分散し、それぞれの場所で並行してお話を進めていくというのもちょっと似た感じ。次の巻が最終巻。あと1巻で広げた風呂敷をどう畳むのか。正直なところ、もう数巻使ってじっくり描いたほうがいいような気はするけど、描き下ろしだとそれもキツいか。何はともあれ2007年冬発売予定の次巻を待ちたい。

【単行本】「ディアスポリス −異邦警察−」4巻 作:リチャード・ウー+画:すぎむらしんいち 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 だんだん面白くなってきてると思う。不法滞在外国人たちが日本の裏社会で仁義なき戦いを繰り広げている様子はミステリアスでスリリング。この巻は道を踏み外した殺戮中国人留学生編がメイン。久保塚はここまでの巻よりは目立たないけど、その分、中国人留学生コンビが見せてくれる。好き勝手やった連中ではあったが、彼らの末路はもの哀しく。日本人同士の抗争だとどうしてもウェットになってしまいがちだけど、不法滞在外国人という設定がかもしだすうさんくささ、アヤしさが、どこか別世界的でドライな風味につながっている。それがB級アクションによくマッチしている。

【単行本】「しおんの王」5巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 トーナメントが続き、ついに紫音と義父・安岡八段の対局が実現。試合を重ねる中で、着実に成長を遂げている紫音の姿が頼もしい。あと斉藤さん、二階堂さんと、女流の若手として活躍していたそのほかの2人にもそれぞれ変化が訪れている。将棋シーンだけでなく、盤外の部分でもお話を盛り上げてきてて、堅調に面白く来てるのではないかと。TVアニメ化も決まっているけれども、アニメ版ではこのトーナメントの終了あたりまでやるって感じですかねえ。

【単行本】「あくはむ」2巻 新居さとし 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 黒魔術好きの女の子・つつじと、ハムスターにしか見えない大悪魔のハムル・キンスキー2世。そしてそれを取り巻くおともだちキャラが織り成すドタバタギャグ漫画。明るく呑気でけっこうほのぼの。ギャグのほうも勢いが良くてけっこう楽しい。あんまり小ネタとかには走らず、あくまでドタバタで笑わせようとする姿勢に好感が持てる。まあなんといってもカラッと明るくて元気なのが良いですな。

【単行本】「ユキポンのお仕事」12巻 東和広 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 とくにこれまでの巻と変わることもないぺース。ユキポンが働き、アケミちゃんがなまける。ただこの巻では、80年間無敗の卑怯な老格闘家・猫車さんが、格闘大会に出場して闘うという続きモノエピソードがあり、そこらへんはこの作品にしては大きな見せ場。この作品ではすごく珍しいことに見開きもある。猫車さんがちょっとカッコよく見えた巻でありました。

【単行本】「NHKにようこそ!」7巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 佐藤が実家から飛び出して、先輩の部屋に転がり込んだり、まあいつもながらの迷走ぶり。くっついたり離れたりゴロゴロ転げたりしてる様子は、ここまでの展開で慣れているので今さらなんてこともないけど、ひきこもったままやれることはだいたいやっちゃっので、お話のほうは「終わりに近づいてる感」がだいぶ漂ってきている。てなわけで次が最終巻。

【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」15巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 この巻はまるまる1冊ミハル編。ジャブローとオデッサの順番が、アニメ版と漫画版では逆なので、ようやくミハルの出番となった。アニメ版でも印象的なエピソードではあったが、漫画版ではカイの人間くささがさらにしっかり描き込まれていて、読みごたえのあるものとなっている。ミハルのしたたかなようで、けっこう純朴なキャラも好感が持てるだけに、結末は悲痛。ところでこの巻では、アッガイに乗っておおはしゃぎしているカラハ軍曹のものすごいテンションの高さがいい感じだなあとか思ったりした。

【単行本】「Landreaall」10巻 おがきちか 一迅社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず楽しい。竜胆を救うため、DXらは旅に出て、その道中が描かれる。一方イオンら学校に残っているメンツのやりとりもきちんと描写。10巻とだいぶ長くなってきたけど、気楽な楽しい学園生活あり、シリアスな物語展開ありで楽しんで読んでいける。ストーリー展開自体は遅めだけど、その分、個々のキャラの魅力を掘り下げて描いていってるのが良いですな。

【単行本】「Dark Seed −ダークシード−」2巻 紺野キタ 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 魔法学校の落ちこぼれだった主人公の少女・セレストが、偉大な魔法使いから、闇の力を封じる「番人」の役目を継承して……というファンタジー。謎めいた物語の中に、紺野キタらしい女子寄宿舎的な要素も組み込まれていて、華やかではある。ただちょっと登場人物が多すぎるきらいがあって、なんかゴチャゴチャして読みにくい気はする。さまざまなディティールが詰め込まれているのに加え、アクション的な部分が少なく会話劇でお話が進行してるのも、読みにくくなってる一因かと思う。紺野キタの上品な絵柄、キャラ作りは魅力的なだけに、ちょいともったいないかなという気がする作品。

【単行本】「学園アリス」13巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻はわりと細かいエピソードの連続で、学園生活の模様を楽しげに描写。他愛ないけど皆さん仲良さげで微笑ましい。個人的には、お子様連中がシンドい目に遭うお話より、こういうワイワイ賑やかな内容のほうが好みではあります。


6/2(土)……10タックル

【雑誌】コミックヴァルキリー 7月号 キルタイムコミュニケーション B5平 [Amzn]

 最近どうなってるかなと思って久々に試し買い。「闘うヒロインオンリーマガジン」ということで、最初の号を買ったときは触手ヌルヌル系の印象が強かったけど、現在は格闘系とかも増えてそれほど触手触手いってるわけでもないかな。エロもだいぶ薄めになってる気はします。

 連載モノについては、ここまでのお話をずいぶん読んでないのでパッと見ただけではよく分からないけど、とりあず武礼堂「レッする!アイドル」とかは、美少女ハチャメチャレスリングものという感じで分かりやすい。エロ表現もコメディとしては適度かなと。そのほかでは、かぢばあたる「トクタイ 特殊対象対策室」の、なんていうんですか、頭の側面で髪をリボン的なものでくるくる巻いてまっすぐ束ねる髪型? アレをやってる女の子さんがわりといい感じだなと。少し抑えめなトーンの絵柄がこの雑誌内では目立つ。あと三峯徹氏は相変わらずこの雑誌にも投稿してるんですね。

【雑誌】コミックメガストアH 7月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 舞望菜志「テンタクルラバーズ」は4話め。このシリーズはなかなか面白いです。魔法使いである姫様によって触手生物になってしまった主人公が、ガチで姫様とラブストーリーを展開するというお話。触手のままなのにラブコメやってるというのが面白いし、主人公がときどき制御不能になって、教室でのエロエロ騒ぎに発展しちゃうとかいうドタバタ展開も楽しい。ノリが良くてエロもちゃんとやってて好調だと思います。

 武田弘光「ボクの生徒で新妻で」。タイトルどおりの内容。生徒である美少女と結婚している先生のお話。彼女はけっこうHに積極的なんだけど、卒業するまではと先生のほうは我慢。この人の描くエッチシーンは、つやつやピチピチしててなかなかいいです。今回のためてためてエッチするという感覚もなかなか。

 てりてりお「恋は無軌道」。相変わらずめがね娘がかわいい。明るくノリの良い話作り、キャラ作りも見ていて楽しいし。甚六「ふたりでおべんきょ」は、幼なじみ男子とのエッチに備えて準備万端な娘さんがかわいい作品。尻も乳もボリューム感があるのがうれしい。この人は乳もいいけど、尻にとくに迫力があり、まんぐりがえしのシーンとかはかなり見映えがする。

 和六里ハル「ヒミツのヒトミ」。つき合っている彼氏のおうちに行ったら、実は彼は性同一性障害で、家では女の子の格好したりしているのだった……というお話。ちょっと変則的な女装少年モノなんだけど、彼氏のかわいさにだんだんムラムラしちゃってノリノリになっていく彼女の様子は見てて面白いし、ラブラブな締めくくりも後味が良い。楽しく読めるいいお話だったと思う。このほか女装系では、ゆりかわ「おきがえのじかん もーいっかい!」、夏木清人「私のお兄(ねえ)ちゃん」もなかなか。

 イソラシ「千春のふわり」。パンチラ激写小僧と、彼にやたらつっかかってくる女子が、パンツ履き忘れをきっかけにラブラブになっちゃうというお話。独特の絵柄と後味のいいお話作りが気持ちイイ。旭「愛安明伝」。この人はひさびさの登場。相変わらず、すごいボリュームで、とろけるように柔らかそうな質感の巨乳が魅力的。それからまひるの影郎「スキンシップが大事です♥」は人妻系。父親の後妻が主人公に濃厚なスキンシップをはかってくるという内容。フェラチオシーンとかの舌づかいとかがたいへんねっとりしつこいのが気持ち良さそうで、けっこう実用的でした。

【雑誌】COMIC XO 7月号 オークス A5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」は今号から毎月連載に。お話のほうはだんだんシリアス度が高まっていて、これまで美少女だけど人気エロ漫画家なキャノン先生とヤリまくり、依存していた主人公・貧太が、本筋に立ち返って漫画を描こうとするも進まず、どんどん追い詰められていってるという状態。今回はキャノン先生とのセックスはなし。貧太のことを思ってオナニーをするキャノン先生の姿が痛々しく、お話としてもかなり盛り上がってきた。ちょっと痛みを伴うラブストーリーもしっかり構築できる人だし、これからもますます楽しみ。あー、そういえばコミックメガストアで連載された「クラッシュ!」は単行本にならんのでしょうか。

 狩野蒼穹2の新連載「こみっくろーど」。第1話は漫画描くの好きだったけど学校をやめようとしている主人公が、今は漫画家やってるかつての後輩女子に再会して告白され、エッチにいたってしまう……という内容。主人公は、この人の作品らしくちょいショタっ気のあるかわいい男子。エッチの様子も微笑ましいものがある。あと主人公には、彼のことを想ってオナニーしちゃうほどに兄ラブな妹さんもいて、とりあえず三角関係にはなりそう。安定して良い人だけど、長編でどれだけ力を発揮してくるか楽しみ。ところでペンネームが今回は「狩野蒼穹2」表記で、上付きの2がついてるけど何か使い分けとかしてるんだろうか?

 のぎまこと「あるこリズム」13話め。相変わらずツンデレ系お嬢様女子・流能さんがいいですな。前回はオナニーで、今回は手コキとフェラチオ。小出し小出しな感覚がなかなか。

【雑誌】Comicmモエマックス 7月号 モエールパブリッシング A5平 [Amzn]

 創刊2号め。大波耀子「うそつきなきみ。−ひみつな恋−」。ずっと兄になついてきた妹に、ついに彼氏ができる。でも妹はまだ兄のことが好きで、そのことが分かっている兄は、その恋に区切りをつけるために乱暴なエッチをする……という内容。エロシーン自体は少なめであっさりしてはいるものの、妹さんはかわいいし、ストーリー的にはまずまず読ませる。

 馬波平「エレドル」。マンションのエレベーターの中で、いろんな男たちにいたずらされていた女の子が、エレベーターが事故で止まってついに犯されちゃうというお話。おさげな娘さんがわりとかわいい。あとはりゅうき夕海「愛しのベビーフェイス」が、ロリ顔巨乳なヒロインさんのむっちり感あふれる体つきたがなかなかエロっちくて良かった。

【雑誌】COMIC CROSS 7月号 ジェーシー出版 A5平 [Amzn]

 ありゃ、今号で休刊ですか……。各作品の最終ページに次号の発売予定日とか書いてあったし、読者アンケートページにも当選は次号で発表とか書かれてるし、休刊が決まったのはけっこう急だったのかな、という印象。椎木冊也をはじめとして、けっこう楽しめる部分もあったのでちと残念。

 その椎木冊也「つゆもよう」だが、今回も良かった。普段は超がつくほどマジメだが学校の先生と関係を持っていた少女・吉田さんが、子供のころから仲の良かった男の子に告白されたことで、晴れやかな気持ちを取り戻すというお話。相変わらず細かくてていねいなペンタッチが気持ち良く、少女の初々しい姿をフレッシュに描き出している。そして最後のページがいいなあ。1ページぶちぬきの状景描写と、印象的なセリフで、なんだかしみじみジーンとさせられる。この人についてはどこか別の雑誌でも読みたいもんですが……。

 DISTANCE「しちゃった!?」は、どっかで読んだなと思っていたら、昨月発売された単行本「しちゃう?」に収録済みの作品だった。しのざき嶺「噂」。乳輪がすごくデカい少女と、ちんちんがすごいデカい少年のH。乳肌と乳輪部の境界部分があいまいな感じの描き方がちょっと新鮮な感触。あまりこういう描き方する人は多くないですからね。

【アンソロジー】獣 for HEAVEN in DVD 一水社 A5平

 タイトルどおりの獣姦系アンソロジーでDVD付き。DVDのほうは獣系の実写アダルトDVD27作品の見どころダイジェスト紹介。同社では獣姦モノのアンソロジーとして「獣 for ESSENTIAL」も出しており、その流れを汲んだものとなっている。

 獣姦モノというと、だいたいは犬が多いんだけど、これはすでに何冊か出していることもあってか犬率が案外少ない。カモシカ、サル、熊、馬、ゾウなどと出てくるけど、個人的に一番インパクトあるなーと思ったのは月森雅十「獣陵域」のイノシシかな。目つきが怖くて毛並みがモサモサした大イノシシが存在感たっぷり。あと和風な味わいで、ぽってりとした肉感が気になる古賀燕はここで描いていたのですなあ。今回の「視線」は、相手の獣の種類がちょっと判然としないけど犬か狼かな。鳥居が描いてあるから狐かなとも思ったけど、そこまで顔は細くないのでまあ違うでしょう。

【執筆陣】月森雅十、服部ミツカ、久遠ミチヨシ、山田たひち、ほさかゆーいち、スギサンダー、五割引中、古賀燕、竹壱おこめ


6/1(金)……柳都ダービー

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 7/1 No.7 白泉社 B5中 [Amzn]

 作:阿智太郎+画:板場広志「かの女は忍具ムスメ!」がスタート。戦国時代に最強とうたわれた忍者の使っていた刀が、女の子となって現代に甦って、その忍者の子孫と思われる少年にご奉仕しちゃうといった感じのドタバタコメディ。ラノベのことは知らないけど、阿智太郎が「陰からマモル!」を描いた人だというのは知ってる。軽いノリで女の子いっぱいって感じで展開するんですかね。まあ気楽に読んでいけそう。

 甘詰留太は今号2本立て。まずはスペシャル企画として「二代目はこすぷれーやー♥」と「年上ノ彼女」のコラボ企画。アゲハさんがアキバでコスプレしたり。それから「年上ノ彼女」は、就職活動がうまくいかず、すっかりダメ男化している努に転機が訪れるか……といったあたり。まあ今回は彼が一方的に悪いので、何発かぶん殴られるほうがいいでしょうな。

 読切、山田みらい「iPet」は、ポストペットみたいなキャラクター型メールソフトのキャラが、本来プログラムにない女の子型になってしまうというお話。絵柄的には天野明似。まずまず整った作品ではあるが、個人的には「今どきポスペか……」と思ったりもした。ちょっと旬を過ぎたネタのような。。

【雑誌】ヤングガンガン 6/15 No.12 スクウェア・エニックス B5中

 木村太彦「瀬戸の花嫁」が出張してきて特別編が掲載。といっても4ページだけ。出張ってことでちと大人しめかなあ。もうちょっと遊んじゃっても良かったと思う。勇人「はなまる幼稚園」。おかあさんがぷりんを食べちゃったのでブチ切れた杏が家出しちゃうぞ〜というお話。といっても幼稚園児なので、まあ大したことはできないけれども。途中で最初の目的を忘れちゃって、つい楽しんでしまう無邪気さがかわいくてよろしいですな。まあいつもかわいいんだけど。

 読切、わたなべともみ「英雄−悪人の家−」は、目が合っただけで死にたくなるようなすげぇ英雄を待ち続けてきた悪人と、そこを訪れた英雄のお話。黒々とした画面作り、キレのある描線はカッコイイけど、お話的には雰囲気重視で曖昧模糊とした感じ。

【雑誌】近代麻雀 7/1 竹書房 B5中

 渡辺保裕「特命ティーチャー」。3話集中掲載の最終話だけど、今回はかなり馬鹿馬鹿しくて良かったですよ。まず最初の扉ページの見開きからして、主人公が床に麻雀牌を広げて、その上に全裸で寝っ転がってるという「毎朝の儀式」からスタート。ちんこ周辺に山のように盛られた麻雀牌が笑いを誘う。それから悪者教師との対戦も馬鹿だなあ。突然ぶちきれた特命ティーチャーが、相手を殴りつけたと思ったら、相手方も適当な理由で適当に改心。最近の渡辺保裕は、ギャグがけっこうキレてていです。ゴツい絵柄とのミスマッチがたまらん。

 神原則夫「西校ジャンバカ列伝かほりさん」。ビリーズブートキャンプネタが下らなくて良かった。72時間連続で徹マンする後ろで、筋肉おじさんがハイテンションでトレーニングし続けてる様子が実にアホらしい。

【雑誌】ビジネスジャンプ 6/15 No.13 集英社 B5中

 小田原ドラゴンの新連載「桜田ファミリア」が開始。関東在住のどこにでもいるような家族を描いたホームコメディ。父母、姉弟、それから姉の婿に、姉夫婦の間に生まれた赤子。6人家族という構成だが、弟のほうは姉とは年が離れていてエロいことに興味津々、それから婿は嫁とのセックスに嫌気がさしている状態。まあありふれた普通のご一家を描く中で、情けなかったりしょうもなかったりする小田原ドラゴンテイストを出していくという感じの作品。とりあえず地味めで、普通の滑り出しといったころ。これからどうなっていくかは分かりませんが。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 6/15 No.22 日本文芸社 B5中

 作:倉科遼+画:和気一作の新連載「柳都物語」が開始。新潟の花柳界で育った女が、日本初の女性宰相を目指してのし上がっていくという一代記。「女帝」とかも芸者をやりつつ日本を陰で動かすなんていうことをやっていたが、今回は政治家のほうがメインで、その中で花柳界で培った女の武器を使っていく感じになるんですかね。まあいつものこのコンビの漫画という感じです。

【雑誌】コミックバンチ 6/15 No.27 新潮社 B5中

 渡辺保裕「OUT PITCH」。ラストチャンスで見せた快投のおかげで、幸村はなんとかプロへの入口にたどり着く。連載開始時の扉イラストから予想されたとおり、やっぱり育成選手としての指名の模様(背番号100番台は育成選手)。まあここまでがプロローグといった感じで、プロ野球編はNo.30から開始予定とのこと。スローペースな出だしだったんで、まださほど面白くなってはいないけど、プロ野球編になればどんどんアツくなっていくんじゃないでしょうか。まあレッツプレイツーってことで。

 佐原ミズ「マイガール」。コハルちゃんが小学校に通い始めてからしばらく経ち、子供なりに悩んだりする……というエピソード。ちょっと育って髪が伸びてきたコハルちゃんがかわいいですのう。それにしてもコハルちゃんは小娘でありながら、1話の間にリボンつけたりおさげにしたり、おだんごにしたりと髪型がくるくる変化する。ここらへんの描写の細かさは女性作家ならではって感じがします。

【雑誌】ポプリクラブ 7月号 マックス B5中 [Amzn]

 ヤスイリオスケ「ちょっとくらい腐ってるのが美味いんですよ?」4話め。今回もいい感じですな。主人公男子をめぐって、腐女子なカノジョと、幼なじみ女子がバチバチ火花を散らすも、結局は3人でのエッチになだれこむ……という展開。どちらの女子もかわいくてハーレムラブコメとして美味しいし、ドタバタしたストーリー展開も楽しい。あといつもながら、つやつや感抜群の女体描写はエロっちく、巨乳もボリューム感たっぷり。ヌケるだけでなく、お話のほうも面白くなってきてかなり好調。

 井ノ本リカ子「くすりゆびハニー」は5話め。主人公とその婚約者の女の子はますますラブラブ。トロけるようなエロシーンもこのうえなく甘ったるい。お話的には今回はちょっとヒキの強い終わり方。二人のラブラブ度は回を追うごとにどんどん高まっていたけど、この先どうなっちゃうのかな。まあ基本的にはハッピー・エンドに落ち着くんだろうけど。BENNY'S「るすばんおくさん」は、夫が学生、妻が主婦、年が離れて母子に見えちゃう二人のラブラブエッチ物語。こちらもいつもながらの安定感で手堅い。

 しぐにゃん「エマにお願い♥〜妖怪屋敷へようこそ〜」は、美少女妖怪さんのぷにぷにおっぱいがボリューム感があって良かった。華やかでキュートだけれどエロもしっかり両立。綾乃れな「ナイショの秘密基地」。ショタっぽい男の子と、幼なじみのツンデレ女子が、子供のころの思い出の秘密基地でエッチ。お祭りの風船すくいの風船みたいに、丸くてたぷんたぷんしたおっぱいに、独特の質感があってソソられる。

 中年「俺が犬で彼女が主で」。口では彼氏を犬扱いしつつ、迫ってこられると顔を赤らめて恥ずかしがるクーデレ女子がなかなかかわいくて良かった。エッチなことをされてるときでも口調はあくまで高圧的。でも強がっているのがモロバレな態度がなんともええ感じ。口調的には「ゼロの使い魔のルイズ」(「バカ犬」とかいうし)。ルックス的には黒髪ストレートロングの和製美少女。この人もコンスタントにいいので、そろそろ単行本出ないかな〜。


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