2006年7月上旬


7/10(月)……ねこにゃん・ザ・グレート

▼あ、ヤンマガ買い忘れてた。まあ後で後で。

▼アニメ新番組「N・H・Kにようこそ!」。主人公である佐藤の声は正直いまいちかなあと思ったものの、映像はきれいでなかなか出来は良かった。オープニングとかも江口寿史っぽい感じのコジャレたポップな作り。なんかバブル期のフジテレビの深夜番組を思い出したりもした。まあ基本的にはダラダラした日常シーンの多い作品なので、いかにそれをテンポ良く、嫌味にならないように見せられるか。演出が成否を分けるカギになりそう。とりあえずこれは継続。

 あとついでに12日に見た「ちょこッとSister」1話の感想も。まあこんなもんかな。作画はまずまずでちょこも原作とは多少違うもののまあかわいい。ただ、基本的に動きの多い作品ではないので間延びしがちで、見てるとダレる。ただこれは予想の範囲内。元々アニメ向きの話ではないと思うし、竹内桜の絵柄もアニメでは意外と再現しにくそうな気はしてました。それにしても第1話を改めて見て、やっぱりこれってけっこうぶっとんだ設定だなあと思った。なんつってもクリスマスの夜に、サンタさんが何年か遅れで願いごとを叶えてかわいい妹を持ってくるというお話なわけだから。漫画のほうは現在、ほのぼの日常+ラブコメで楽しい作品になってるけど、その展開と比べると、最初の設定だけ超常すぎて浮いてるような気さえしてしまう。あとエンディング曲が「ねこにゃんダンス」だったけど、これはポップすぎていまいちかなーと思った。アレは子供向けの曲なんだから、もっと子供でも歌いやすい感じにしたほうがそれっぽかったと思う。個人的には、昔細川ふみえが歌ってた「にこにこにゃんにゃん」みたいな、思いっ切り馬鹿っぽい電波ソングな感じにして欲しかった。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/24 No.32 小学館 B5中

 作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。うつ病になってしまった岡星を、究極の料理で直そうとする……というエピソードの3回目。このシリーズでは春夏秋冬それぞれの料理を岡星さんに食べさせるんだけど、今回でやっと春編が終了。もしかしてこのままずっと、うまいもの食べる→でも岡星回復せずというパターンを続けるのかな。まあだんだん良くなっていくんだろうけど、続けすぎると単調になっちゃうかも。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/24 No.32 集英社 B5平

 吉原薫比呂「受験戦士 大文字解II」は前号に続いての登場。テストで勝負するテスト番長的な野郎のお話。テスト勝負に「試験(テスト)ロイ」と名前をつけてるのはけっこう好き。雰囲気的には馬鹿馬鹿しくて悪くないのでもっとネタを練り込めれば。西公平「ツギハギ漂流作家」は最終回。作画とかは健康的でまずまずだけど、基本設定が直感的でなく、導入部でつまづいたのが最後まで響いた感がある。まとまった作風ではあるので、今回の失敗を生かしてそのうち再チャレンジしてもらいたいところ。

【雑誌】ヤングキング 8/7 No.15 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブ・ぽっ!」。ちょっと距離が縮まったかに見えた千夏子部長と鳴門くんの距離だが、ちょっとしたきっかけで鳴門くんの心はますます鳩子先生のほうに向かうことに。ラブコメとして勢いあって楽しいなあ。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。さんごがキャバクラに連れてかれて、そこの女の子と知り合って……ってな感じ。なんか今度はキャバクラにハマってしまいそうな感じ。相変わらずさんごくんは無軌道で面白いです。

【雑誌】ビッグコミック 7/25 No.14 小学館 B5中

 小林よしのりのシリーズ新連載「遅咲きじじい」が2号連続掲載で開始。定年退職して62歳にしてちょいワルじじいとしてのセカンドライフを満喫中のじいさんの日常を描いていく。いい歳してるのに子供レベルな意地を張りまくるじいさんの姿を面白くおかしく描写するという感じ。オーバーな表現でギャグを構築している様子はまずまず。まあ昔の小林よしのり作品と比べるとキレは悪いと思うけど、「ゴーマニズム宣言」みたいなのよりは、こういうストレートなギャグのほうが好きではあります。業田良家「男の操」はますます急展開。なんか思わぬ成り行きとなってきたけど、最終回は近そう。

【雑誌】ヤングコミック 8月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 ポン貴花田「天使のマシュマロ」。アイドルの女の子と冴えないサラリーマンのラブラブエッチもの。だんだんアイドル女子のほうが主人公に夢中になっててラブ度がアップ。エロも必要十分だし、相変わらずきっちりやってますな〜。女の子も巨乳でちゃんとかわいいし本当に手堅い。大見武士のローションプレイ漫画「ろ〜ぷれ」も毎回いいです。。今回は3話め。ローションのてらてら感を生かしたエッチを描きつつ、ラブコメとしても甘ったるくてよろしい。ローションは素晴らしい。


7/8(土)7/9(日)……せつげつかーすいもくきんきん

【雑誌】近代麻雀オリジナル 8月号 竹書房 B5中 B5中 [Amzn]

 谷口亜夢「まあじゃんかぞく」とくじらいいく子「雀荘風まかせ 愛じゃん」、作:鈴木たろう+画:神無月ひろ「たろ様の教え」が最終回。それぞれサクッとまとめた感じ。いずれも雑誌の中では地味なポジションにあった作品なので、大勢に影響はなしか。

【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 ジョージ朝倉「ピースオブケイク」。今回は、もしかして店長さんの前カノであるあかりなのではないか……という疑惑のある新進小説家・渋谷ナオミの小説を漫画にしたって感じですかね。まるまる作中作で1話というふうになっていて、いつもとは変わったちょっと新鮮な展開で面白かった。まあやりすぎない程度に適度にまとめてくれるとうれしい。

 松田奈緒子「雪月花」前編。明治時代の金持ちの家庭で育ち、対照的な人生を送った腹違いの姉妹の数奇な人生を描いていくという物語。姉は地味ながらも堅実だが、妹は派手で男好きのするルックスの持ち主。お互いに微妙な距離を保ちつつ二人は成長するが、やがて実家が経済的に没落したことで、二人の人生は決定的に分れていく……といった感じ。時代を感じさせる雰囲気作りが良好だし、姉妹のたどる運命もなかなか興味深いものがある。松田奈緒子の作風には読者を引き込むものがあるし後編も楽しみ。

【雑誌】COMICプルメロ 8月号 若生出版 B5中

 隔月刊のコンビニ系エロ漫画雑誌。新装刊ということで試し買い。LINDAがカラーで18ページ描いてるのが目玉かな。まあLINDA作品は熟女系ハードエロスで、いつものLINDAだなあという感じだけど、やっぱり手堅くエロいし見た目が派手。あとちょっと目立つトピックとしては、みやすのんきが久々に「ひろもりしのぶ」名義で「アイスクリームガール」っていうエロ漫画を描いていること。この人もいつもながらの変わらぬ味だけど、なんだかんだで華はあるし、個人的には好きです。このほかでは恩田チロ「夏色商店」がいいかな。主人公が、東京に出ていった高校時代の彼女と再会し、そこからエッチな気分が盛り上がる……といった感じのお話。恩田チロのまろやかな感触のある絵柄は好感が持てるし、甘いお話も後味は良い。

【執筆陣】宇宙帝王、LINDA、シロタクロタ、夢〜眠、にくきうー、終焉、恩田チロ、こうたろう、ひろもりしのぶ、四万十曜太、かわだ寛、てぃるよし、タナカ☆コージ

【単行本】「ドリル園児」 おおひなたごう 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 園児たちが身の周りのさまざまなことに疑問を抱いて、それに対して子供ならではの解釈を下していく……というのが初期段階のストーリー。園児たちは楽譜になんで5本しか線がないのかとか、箸はどうして2本しかないのかといった、細かいことだけどどうしてかといわれると答えに窮するようなことに対して次々と疑問を持つ。それに対する馬鹿馬鹿しいけどツジツマが合ってないこともないような気もする解答を楽しんでいく……といった具合。後ろのほうになると、素朴な疑問系のネタはだんだん少なめになっていって、それぞれのキャラを使ったドタバタ劇がメインになっていく。まあ派手ではないけど、ほのぼのとしてそこはかとなく楽しい作品ではある。

【単行本】「空飛べ!プッチ」 おおひなたごう 秋田書店 A5 [bk1][Amzn]

 おおひなたごうもう1冊。帯には「おおひなたごうの初の本格少女漫画!!」と書いてあるけど、少女漫画というよりは、普通にファンタジーって感じかなあ。空飛ぶウサギたちの国の生まれながら、空を飛べないウサギのプッチが、生き別れたお母さんを探して頑張るというお話。おおひなたごうらしいちょっとトボけた味で、ほのぼのとしたお話をやっててまずまず楽しめる。ウサギたちのキャラがもこもこしててかわいいですな。

【単行本】「ぼくらの」5巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 いい感じで面白くなっていると思う。この巻では少年少女たちの戦いの意味が明らかにされ、またしてもシビアな選択がつきつけられることになる。訳が分からないまま、世界の運命を背負わされた少年少女たちの苦悩や望みなどを、とても丁寧に描いてて読みごたえあります。あと最初はワンオブゼムって感じだった個々の子供たちのキャラが、順番が回ってくるたびに浮かび上がってきて、それぞれの事情を見せてくれるのも面白いところ。

【単行本】「平凡ポンチ」4巻 ジョージ朝倉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。最後までムチャな勢いがあって面白かった。主人公の真島監督と、その被写体であるミカの逃避行は、どんどん思いもよらない方向に転がっていって刺激的だった。真島監督の顔や容姿は、そのときどきで何の説明もなくガラッと変わっちゃうし、ミカの性格もくるくる豹変。何が起きるかまったく分からない、いい意味での適当さが面白い作品だった。あとこの巻には読切作品の「シルバラ」も収録されている。

【単行本】「ピースオブケイク」3巻 ジョージ朝倉 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 店長さんの前カノであるあかりがいなくなった後、執拗な求愛行動が実って、ようやく志乃と店長がラブラブ状態に。というわけでこの巻は二人がかなりいちゃいちゃしまくる。まあ驚くような展開はなかったものの、恋心がどんどん突っ走っていく様子は見てて楽しくはあり。でもまあこのままめでたしめでたしでは終わらんのでしょうなあ。まだいろいろ波瀾はありそう。

【単行本】「スクナヒコナ」4巻 南Q太 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 最終巻。彼氏の賀次の急死で沈んでいた紺だが、のんびりした雰囲気を持つ富尾と知り合ったことで、じょじょに寂しさから立ち直っていく。途中トラブルは多少あったものの、ようやく紺が自分の居場所を見つけ、幸福になってくれてホッとした。途中の不幸スパイラル状態のときはいったいどうなっちゃうんだろうと思ったが、最後は優しく締めくくってくれて良かったです。ラストシーンもきれいで後味良かったし。

【単行本】「バガボンド」23巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 吉岡道場の当主となった伝七郎と、宮本武蔵の果たし合いのときが迫る。当主という金看板を失うわけにはいかない吉岡道場は、門下の人間たちが佐々木小次郎を当主代理として果たし合いをさせようと画策。しかしそれは伝七郎のプライドを傷つける行為であった……という第23巻。この巻は派手な斬り合いこそないけど、安定して面白くはあります。個人的には武骨で愚直で不器用な伝七郎さんはけっこう好きなキャラ。ドズルさんっぽい。


7/7(金)……自由時間殺人事件

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 8/1 No.8 白泉社 B5中

 DMCの若杉公徳が「ちょこッとSister」アニメ版のアフレコレポートを描いておりますが、ちょこがどうにも似てなくていいなあとか思いました。その後、高島知宏も同じくレポ漫画を描いており、ここで多少声優さんの話とかをフォローしております。また、今号では鬼ノ仁の読切「十字館殺人事件」が掲載。殺人事件の犯人となったデザイナーの妻の心中告白的な感じで進められていくお話。中核になっているのは犯人女性の夫の、妹に対する妄執。結婚してもなお妹との関係を捨てず、実際心も一貫して妹のほうに向いていた夫に対し、妻が嫉妬の炎を燃やし……という展開。まあ兄妹のエロシーンが見どころで、ちょっとゴチャゴチャした構成ではあるけれど、とにかく濃い味付けでお話を進めていくあたりは鬼ノ仁らしくてインパクトはある。妖艶なムードも充満していてまずまずな出来。

【雑誌】ヤングガンガン 7/21 No.14 スクウェア・エニックス B5中

 Webで話題を呼んだ(らしい。よく知らないんですが)、さと「いわせてみてえもんだ」が雑誌連載に。2話が一挙掲載。お話のほうは、主人公のメガネ男子がすごくメガネの似合う女子に一目惚れするが、彼女はすっごいオタクで、主人公に自分の好きな漫画の登場人物のイメージをやたら重ねてきて決めゼリフまでいわせようとしてくるので、主人公さん困惑……という出だし。まあWebからいきなりデビューということで、紙媒体的な洗練度はもう一つかなという気はするものの、ヒロインさんが主人公にめがねをつけさせる見せ場シーンとかはなかなか印象的だし、内容もけっこう楽しい。うまいこと波に乗ってくれるといいですな。

 作:原田宗典+画:井田ヒロト「戦線スパイクヒルズ」。今回はチサトばあさんに対して、キクチさんがつっかかるが……という展開。キクチさんに対してチサトばあさんが見せる優しさがしみる展開。チサトばあさんいい人だなあ。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 7/21 No.27 日本文芸社 B5中

 立原あゆむの新連載「ポリ公」がスタート。「0課」と呼ばれる警察のハズレ者が回される部署に配属された青年が、その中で独自のポリ公道を歩んでいくといった感じのお話。風俗のおねーちゃんとか、いかにも立原あゆみって感じでいつもながらの変わらない味。

【雑誌】コミックバンチ 7/21 No.32 新潮社 B5中

 作:今泉伸二+画:田中良昭「自民党総裁選−小泉純一郎の挑戦−」「民主党代表選−前原誠司の決意−」の間に、長田悠幸「天の覇王 北斗の拳 ラオウ外伝」が挟まってる構成がちょっと面白かった。小泉さんが総裁選に勝ったーってなページの次に、「天の覇王」とかデカデカとタイトルが出てるんで、小泉さんが覇王になったみたいな感じ。

【雑誌】MUJIN 8月号 ティーアイネット B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 小暮マリコ「夕立」前編は巻中カラーでの掲載。背の高い担任女教師と、男子生徒が雨宿りのために入った倉庫でエッチ……というお話。表面上は反発しつつも、年上で美人の女教師さんにどんどん引かれていく少年の姿を描いているが、女教師さんにむんむん色気があってなかなか良い雰囲気。後編も楽しみ。しなま「義姉電」。ずっと弟の世話を焼いたりしてたけど、本当の気持ちを伝えられないでいたお姉ちゃんが、弟とつながろうと一計を案じるというお話。絵のキレがけっこういいし、甘甘なお話作りも上々。ZUKI樹「イヤよイヤよは好きのうち」。言葉ではキライとかいいつつも、スケベな彼氏にメロメロな女学生さんが主人公。この人のシャープだけど甘味もある描線はなかなか面白い。初単行本「スクールガール」は8月4日発売予定とのこと。

【単行本】「無敵看板娘N」1巻 佐渡川準 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 アニメ放映開始に合わせてリニューアル。Nは「ナパーム」の略。無印版とはちょっとキャラクターも変え、近所にできたスーパーの看板娘である伊原カンナも加えて、見た目がより賑やかに。個人的には無印版で出てきたキャラに愛着があったので、茅原先生とか出てこなくなったのはちと寂しい部分はあるものの、まあ続けていけば新キャラにも愛着が沸いてくることでしょう。相変わらず激しくアクションしつつ、カラッと明るくギャグをやってて、安定した楽しさを発揮してると思います。

【単行本】「喰いしん坊!」8巻 土山しげる 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]

 満太郎vs.ミスターオクレ(みたいな人)のステーキ勝負が決着。満太郎のやってることも正道食いなのかといわれると疑問だけど、まあなんだかんで迫力あります。あと後半のほうは、TFFのナンバーツー熊田が、インチキ野郎のマジック坂多とお好み焼きで対決。熊田がまたしても一杯食わされてる様子が微笑ましい。それにしてもこれ読んでると、やっぱりステーキやお好み焼きが食いたくなりますな。邪道食いがこの作品の華ではあるけれど、なんだかんだ出てくる食い物がおいしそうで、それをうまそうに食ってるってのは美点だと思います。


7/6(木)……ある魔獣

【雑誌】モーニング 7/20 No.32 講談社 B5中

 秋月りす「OL進化論」が800回記念。もう16年もやってるのかー。浮き沈みなく着実に仕事してて大したもんですなあ。こちらも長期連載、うえやまとち「クッキングパパ」。久しぶりに竹田さん夫妻がやってきて、九州の山奥の川辺で素敵な休日を過ごすというエピソード。自分は酒も飲まずにホスト役に徹する荒岩さんのいい人ぶりが相変わらず素晴らしい。

【雑誌】ヤングサンデー 7/20 No.32 小学館 B5中

 作:金城一紀+画:秋重学「SPEED」。佳奈子が特訓を受けるようになって、だいぶアツくなってきたかな。汗だくになって頑張る佳奈子の姿がちょっとエッチっぽかったりもして、いくぶん調子が上がってきた感じ。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/20 No.32 集英社 B5中

 「エルフェンリート」の岡本倫の読切「アルマージュ」が掲載。ハリウッド女優を目指して渡米したが顔の出ないスタント仕事ばかり……ということでクサっていたヒロインに、今度はちゃんとした役者の仕事が舞い込む。ちょっとウキウキした状態にあるときに、兄の結婚式のために日本に一時帰国した彼女だが、その最中にホテル火災に巻き込まれ、スタントで培った抜群の身体能力を駆使して、取り残された少年少女の救出に挑む。てなわけでアクションバリバリで展開される作品だけど、ところどころで兄妹ネタを入れたりとけれん味もあって、けっこう面白く読めた。なんか甘ったるい後味を残すラストもまずまず。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/20 No.32 秋田書店 B5平

 アニメ化記念ってことで、佐渡川準「無敵看板娘N」が巻頭カラー。それにしても西山はこのまま行くんですかねえ。なおアニメ版の第1話はまだ見てません……。録画はしてあるのですが。そのうち見て感想書きます。読切で作:赤川次郎+画:冨田はじめ「三毛猫ホームズのバースデー・パーティ」が掲載。絵柄的にも内容的にもまずまずの出来。まあ「そんなんで人殺すのかー」的な感じだし、推理モノとしてはたいへんアッサリしてますが。

【単行本】「スワンパン」 一條裕子 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 スワンパンとは「算盤」、すなわちソロバンのこと。ソロバンを正義の味方が使う武器かなんかと勘違いしてしまった少年が、ソロバン塾に通い始めるというところから始まって、彼とその周辺の人々の日常が飄々と描かれていく。別に「ソロバン格闘術」みたいなものが編み出されたりすることはなく、日常はひたすら地味に展開していく。その日常模様は平凡といえば平凡なんだけど、どこか持って回ったようなノリが独特の味を出してて、楽しく眺めていくことができる。一條裕子らしい作品だなあと思いました。

【単行本】「ライドバック」6巻 カサハラテツロー 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 世界統治軍(GGF)に捕らわれた琳は、そこでライドバック部隊の隊員として厳しい訓練を受け、兵士としての意識を植え付けられていく。しかし軍隊の掲げると理想と現実のギャップに対する違和感は拭えず。といったわけでこの巻では、軍隊に入れられて兵士として訓練されつつも、人間的にはどんどん萎んでいくかのごとき尾形琳の姿が描かれる。ライドバック少女として鮮烈な姿を見せていた彼女が、兵士となっていく様子は見ていてかなり切なくやるせないものがある。お話としてはかなりハードなものとなってきたが、その分読みごたえはあり。また琳がライドバックで自由に疾走する、ハツラツとした姿も見られると良いのだけど、そういう気楽なことはしばらくは許されないかな。ともあれこの先どうなるか、やっぱり楽しみな一作。

【単行本】「龍」41巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 物語はいよいよ最終盤。広島に原爆が落とされ終戦間近。そして各国の思惑が揺れ動く中、龍は皇帝の秘宝を甘粕からも隠匿し、人類の未来のために行動する。そんなわけで長年かけて築き上げられて来た大河ドラマも大詰めで、次が最終巻だったかな。ここまで骨太なドラマを見せてくれたこの作品だけど、やはりガッチリ面白い。最終巻が出たら、そのうちまとめて読み返したりもしたいところだけど……。

【単行本】「Landreaall」8巻 おがきちか 一迅社 B6 [bk1][Amzn]

 学園編がだいぶ長くなっちゃってますが、DX・イオン兄妹がご学友たちとお戯れになっている様子は、とてもほのぼのしてて楽しいです。とくに舞踏会のあたりは、イオンのおめかし姿が見られたり、竜胆が女装したり、いろいろ華やか賑やか。ファンタジー世界を舞台にして、シャレた感じで楽しいお話を展開できている。このぺースだと本筋進めるのにどんくらい時間かかっちゃうんだろうと心配になったりもしますが、まあ楽しいんでいっかーとも思います。

【単行本】「ラバーズ7」5巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ラブコメづいてて安定した楽しさ。今回はなつきとひろみの距離がちょっとずつ近づいていってて恋愛面では順調〜といった感じだけど、むしろメインとなってるのはそれを複雑な気持ちで見つめているムネノリのほう。高校時代の想い人であったなつき母も登場したりして、いつもは大人として振る舞っているムネノリの心はかき乱されまくり。その様子がわりとかわいいので、そこらへんを堪能するとおいしい巻だなと思いました。


7/5(水)……未踏峰でミーとウホッ!

【雑誌】コミックフラッパー 8月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 岡本一広「トランスルーセント 彼女は半透明」。みんなで夏祭りに出かけるという、なんかギャルゲー的シチュエーション。といっても今回は、唯見・白山カップルがメインの話ではなく、自分の恋心に決着をつけようとする大河内さんが中心のエピソード。この人もいい娘さんなので幸せになっていただきたいところではあります。あと唯見・白山の二人が、夏祭り中どういう感じだったのかというお話もあるといいですな。

 作:桑島由一+画:たぱり「神様家族」。漫画版もわりといい具合にラブコメしてるかな。感想は書いてないけど、アニメ版も録画はしてます。ただ、1話見ただけで残りが全然見られてない状態でして……。1話めはまずまずだったので、残り見たら日記で感想書くと思います。原作:菊地秀行「退魔針」の新シリーズも始まっている。今回は作画がシン・ヨンカンという韓国作家で、舞台もソウルとなっている。

【雑誌】マンガ・エロティクスF VOL.40 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 40号記念特別企画として「山本直樹トリビュート」というのをやっている。浅野いにお、安野モヨコ、伊藤理佐、鬼頭莫宏、朔ユキ蔵、沙村広明、二宮ひかる、吉田戦車、町田ひらく、中村明日美子、奥浩哉、河内遥、とがしやすたか、安田弘之といった面々が、山本直樹漫画をネタにちょっとしたイラストや漫画を描くというモノ。まあそれぞれは1〜2P程度と短いんだけど、いろんな作家さんが山本直樹漫画をネタにしている様子は、ファンとしてはけっこう楽しいものがありました。それにしても40号。よく続いたもんですなあ。頑張ってると思います。

 志村貴子「青い花」。ここまではアツアツだったふみと杉本先輩の関係に変化が……。今回はふみが杉本先輩のおうちに招待され、その環境にびっくりしたりするも、その後ちょいとキビしめな展開も待っていて、という状態。今後この二人はいったいどうなっていくのか、そして奥平のあーちゃんはどうからんでくるのか。不安と期待が入り混じる展開ながら、まあどう転んでも面白くなるだろうなーとは思います。そのくらい信頼度は高い作家さんなので。

 渡辺ペコ「キナコタイフーン」。初登場初連載。主人公は新進気鋭の女性映画監督だが新作の出来が散々。その状況にいたたまれずプロデューサーをぶん殴ってしまった彼女に、AV監督をやらないかというスカウトが来て……という出だし。まだどんな感じのAVを撮っていくとかいう道は見えてないけど、渡辺ペコの作風のカッコ良さには期待してるんで、今後の展開が楽しみ。沙村広明「ブラッドハーレーの馬車」5話め。今回は孤児院でずっと仲良く暮らしていた二人の少女の仲を、ブラッド・ハーレー家の養女になるという話が無惨に引き裂く。結局養女に選ばれても待っているのは悲惨な運命なのに……と思うと、たいへん切なくやるせない。ページ数も30以上あるし、このシリーズはかなり力入ってると思う。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/20 No.14 小学館 B5中

 本誌出張中の石塚真一「岳 みんなの山」が良かった。今回は登山中に行方不明になった息子を探し続けている親御さんのお話。三歩が半年以上経った息子さんの遺体を発見するが、それを最初は受け入れられなかった父親が、最終的に現実を受け止めようとする姿が泣けた。一つ一つの動作や感情の動きをしっかり描いているのが素晴らしい。これが初連載とは思えないくらいの円熟味だなあ。あと今号では福本伸行「最強伝説黒沢」も泣けた。チンピラとの戦いで黒沢さんがズタボロになるけど、その戦いぶりの必死さに心打たれた。黒沢さんが本当に、人の心を動かすカリスマになってきてるのは驚き。

【雑誌】花とゆめ 7/20 No.15 白泉社 B5平

 鈴木ジュリエッタ「カラクリオデット」は今回もなかなか。恋を知らないオデットさんに一目惚れしてしまった少年のお話。どういう状態が人間の「好き」なのかはよく分かってないオデットだけど、それを知りたいとは思ってて、いろいろ人に聞いてみたりする様子が楽しい。あとオデットさんのいい娘さんぶりは、やっぱり惚れるよなあという感じで面白いです。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/19 No.31 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。みんなの期待を一新に背負って清麿くん久々の復活。なんか怒りでものすごい形相になっちゃってて、シリアスなシーンなんだけどちょっと笑った。井上和郎「あいこら」。フェチ男の渋沢龍之介に惚れる後輩のデコ娘がわりとかわいい。まあ今後登場頻度が増えるかどうかは微妙なとこではありますが。そもそも渋沢自体がそんなに出てくるわけじゃなし。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/19 No.31 講談社 B5平

 読切、佐藤友生「妖怪のお医者さん」。テレビでも有名な霊能力者の孫で霊は見えるけど、退治する能力はない女の子が主人公で、その娘のクラスにやってきた少年が実は……という感じ。退治まではしないけど妖怪系のお話。絵はわりとかわいくまとまった作風。次号でも続きが掲載されるようだけど、評判が良ければ連載化もありって感じかな。ところで背景のモブキャラで「090〜えこといっしょ〜」のヒロシみたいなのが描かれてるけど、アシスタントの人かなんかだったりするんでしょうか。

【雑誌】桃姫 8月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 東鉄神「制服の乱れは性の乱れ」。エロ本とかを没収しまくってた風紀委員女子が実は欲求不満で、没収したエロ本でオナっていたところを男子生徒に目撃されて……ってな感じの内容。滑らかな絵柄で女体やらちんこやらがぷりぷりしててエッチい。内々けやき「コンビニ奥さんは夜間も営業中だったのだ」は、コンビニでパートをやってた人妻さんが、バイト仲間の男衆にダマされてマワされちゃうという話。といってもまあ夫と没交渉でタマってる状態だったので、ノリノリではあり、そんなに殺伐とした感じではありません。内々けやきは、ちょっとコミカルで照りのある特徴的。けっこう好きなタイプです。まあ毎度のことながら、人妻ネタだってのも個人的に良かったというのもありますが。あと島本晴海。「苺★TIMES」は今回で最終回。単行本も近日発売とのこと。

【単行本】「カリスマ探訪記」 雁須磨子 白泉社 A5 [bk1][Amzn]

 雁須磨子が、各界のカリスマたちを訪問していくというインタビュー系漫画。雁須磨子の場合、こういうルポ漫画をやるよりはオリジナル作品のほうが面白いと思うけれども、まあいろんな人に会って刺激を自分に刺激を与えていくというのも、たまにはいいかもしれない。この漫画自体はいつもの雁須磨子作品ほど面白くはないと思うんだけど、ユルい取材っぷりに味はあるし、取材経験からなんらかのエネルギーやら着想を得て、なんか面白い作品を描いてくれたらそれでオッケーという気はします。

【単行本】「イカロスの山」3巻 塀内夏子 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いろいろメロドラマ的展開が多かった本作だが、この巻はいよいよ山登りのほうが本番に。8000メートル級の15番目の未踏峰が発見され、三上・平岡たちがそれに挑むべく遠征に出発。これまで未踏だっただけあって、その山の難度はむちゃくちゃに高そう。ハードな登山と人間ドラマをしっかり織り交ぜながらの展開は、さすがにベテランらしく非常にうまい。谷口ジロー的なストイックさとはまた別の路線で、ウェットさを物語に生かしててしっかり面白いです。


7/4(火)……夜伽重視

▼ずぶずぶ更新遅れ中。アニメは少しずつ見てます。新番組チェックは3本分。

 「おとぎ銃士赤ずきん」。別世界からやってきた赤ずきんらのファンタジーキャラが、主人公の少年らといっしょに現代世界で魔物たちと戦う……って感じかな。ぷにぷにしたキャラデザインはとてもかわいらしい。ただアニメとしての出来は、アクションなどのテンポが今一つかなあという気も。赤ずきんが武器を出すさいのアクションは、これから何度も出てくるだろうからもう少し面白みが欲しかったような。

 「ゼロの使い魔」。普通の人間の少年が失敗ばかりのドジっ娘魔法少女によって魔法世界に召喚され、その使い魔となることに……ってな感じから始まるドタバタラブコメ。作画はまずまず。良くも悪くも軽いノリで、そこそこ楽しそうではあるけど、ちとキャラが分かりやすくツンデレ過ぎる気も。同じくJ.C.STAFF制作の「灼眼のシャナ」と、似たような感触。見ても見なくてもいいが、まあ余裕があればといったところ。

 「つよきすCool×Sweet」。こちらはもっと分かりやすくツンデレ路線。作り的には全体に安めではあるものの、場面転換時に各キャライラストのアイキャッチを入れてきたりするたいへん分かりやすい萌え路線は、続けて見てると味が出てくるかもしれない。ぶっとび度かまったり度が上がってくれば。

【雑誌】漫画アクション 7/18 No.14 双葉社 B5中

 作:かわさき健+画:郷力也で新連載開始。「キャバ嬢ナガレ」。さまざまなキャバクラを渡り歩く、伝説の超美女キャバ嬢・ナガレ。どんな男も虜にしてしまう魅力の持ち主であるナガレだが、実は14歳で処女だという噂。そのナガレのキャバ嬢としての華麗かつシビアな生き様を描いていくという感じ。さすがに主人公が女の子なんで、「ミナミの帝王」みたいな形相で叫んだりはしないけど、ハッタリ利かせた作劇は郷力也らしい。まずまずの滑り出しか。

 土山しげる「極道めし」。おせち料理争奪のめし自慢話大会は、なんだかあっけなく中断し、本勝負は大晦日に持ち越し。次回掲載は9月5日発売号までおあずけ。うーむ、もどかしい。谷口ジロー「シートン」(原案:今泉吉晴)の第3章「サンドヒル・スタッグ」は最終話。これはやっぱ単行本でまとめて読み返して楽しみたい。第4章は10月17日発売号からとのこと。

【雑誌】漫画サンデー 7/18 No.27 実業之日本社 B5中

 法田恵の読切「ヒート・アイランドの夜」は、残業中の暑苦しい夏のオフィスで一緒に居残ったサラリーマン&OLが親しくなってエッチ……という内容。エッチシーン自体はページ数は少ないけど、法田恵らしい気安さと甘ったるさはあって、安心の読み心地。

【雑誌】コミックメガストアH 8月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 和六里ハル「電車でイタズラ」。主人公の少年とそのお友達が、主人公の隣の家に住むおねいちゃんが電車で寝てる間にエッチなイタズラをして、そのままもっとすごいことを教えてもらっちゃうという展開。かわいい少年をいい感じにねぶり回してる様子は、和六里ハルのかわいい絵柄が生きててエッチで楽しい。あと日焼け跡がくっきりな、おねいさんのピチピチ健康的な肢体もグッド。明朗快活だけどエッチでもある。

 フクダーダ「この胸とまれ」。親友に内緒でその妹とエッチしている少年のお話。今回もおっぱいがたっぷりしてて良かった。独特の暖かい感触のある絵柄も親しみやすい。草津てるにょ「姉っくす♥ウナギ編」は、タイトルどおりの姉弟もの。姉の水着姿に欲情しちゃった弟のおちんちんがポロリと飛び出て、お姉さんがなんとかしてあげるってな感じ。まあやってることは他愛ないノリだけど、いつもながらのツヤツヤした女体を駆使した作風でしっかりエロい。

 こんもり「ヤル気の出し方、教えます。」は、受験生のあんちゃんに大人な女教師さんがエッチな指導を施してあげちゃうってな漫画。奔放だけど優しい、ツリ目系な女教師さんが魅力的。おっぱいはカナりデカめ路線。あと今号では高津「お手柄でしたね少年探偵」が良かった。少年探偵が3人組の美女怪盗を捕まえてみたら、正体は自分のお母さん&近所の奥さま×2。しかし3人組は逆に少年探偵くんを捕まえて、みんなでもみくちゃにしちゃうのでした。お話はとてもノリが良くて、少年のかわいさと奥さま3人組のイタズラっ気が見ててとても楽しい。エロもガッツリやってるし、ええ感じで読めました。

【単行本】「Fine.」1巻 信濃川日出雄 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 最近ビッグコミックスピリッツでは花沢健吾が「ボーイズ・オン・ザ・ラン」でイタイ青春路線を描いているけど、こちらもまたイタくて苦い青春ストーリー。

 主人公の上杉は27歳でありながら大学時代の青臭さを引きずったまま。自分はアートをやりたいんだと言い張り、ずっと続けてきた絵も売れぬまま。個人でネットラジオをやったりして、日々の憂さを紛らわすという散々な日々。そんな彼の日常が、大学時代につき合っていた美大仲間の女の子・りおからルームシェアを持ちかけられたことをきっかけに動き出していく……というのが大ざっぱなあらすじ。

 先ほどイタイと書いたけど、主人公の上杉がかなり厳しい状況。商業主義に迎合することはできないでいるが、自分の才能には確信が持てず、実際描いている絵も蛍光色が奇抜なだけでどうもパッとしない。自分の道を貫こうとしているというわけではなく、ほかに道も見出せず仕方なくそうしているという、逃避まがいな部分も多い。そこらへんがどうにも透けて見えてしまってやりきれない。でも漫画としてはけっこう面白いと思う。なんだかんだでキャラの心情描写は丁寧だし、グッと身につまされたりはしながらも、少し上向きなエネルギーも感じたりはする。

 まあこれからの展開次第だとは思うけど、信濃川日出雄は読切でもけっこう面白い作品を描いてた人だし、読ませる力はあるので期待してます。今はどっちかというと「ボーイズ・オン・ザ・ラン」よりこっちのほうが楽しみなんだけど、同じ雑誌に載っちゃってるのは惜しいですなあ。やはり読者としては「またかよ」って目で見ちゃいがちだと思うので。

【単行本】「ボーイズ・オン・ザ・ラン」3巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ちはるちゃんにフラれて撃沈した田西だが、ちはるがその後、青山に遊ばれて捨てられたことを知り、憤怒の中で行動を起こす……という展開。着々とお話を進めてて面白く読めるし、やっぱうまいと思う。まあこの巻は準備段階なあたりなんで、この後ドカーンと爆発してほしいなあと期待。

【単行本】「乱漫」 加藤伸吉 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 小説現代やエソラで描いた2〜4P程度のショートストーリー連作がメインの作品集。独特の土臭いような不思議な味のある描線で、さまざまなイメージを描き付けている。お話のほうはシニカルなものあり、ハートウォーミングなものあり実に多彩。ただ、短いお話ばかりだし、絵柄も特殊なので一見さんにはとっつきにくいとは思う。またそのうち長編もやってほしいなあ。

【単行本】「カラクリオデット」1巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 最近の花とゆめではけっこう気に入ってる作品。アンドロイド少女のオデットが、人間に近づきたいと学校に通い始め、友達と触れ合いながら少しずつ成長していくという物語。姿形は人間と変わるところはないが、ロボットなのでまったく同じようには振る舞えない。でも自分のできる範囲で少しずつ適応していこうとするオデットの健気さ、優しさがとても好ましい。一見そっけなさそうな外見だけど、人間以上にたいへん良い娘さんに描けている。友情物語にもちょっとほろっとさせらりたりして、気持ち良く楽しめる一作。

【単行本】「潔く柔く」3巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 相変わらずのうまさ。読みやすく力を抜いているようでいて、恋愛のトキメキなんかは十分に描き出し、スムーズにお話を進めていく手際は実に鮮やか。毎度感心する。ヒロインが彼女のいる相手が好きになっちゃうとか、これまでも数え切れないほど描かれてきたシチュエーションであるにもかかわらず、それがこの人の手にかかると新鮮な手触りの物語になってアウトプットされてくる。申し分ないです。

【単行本】「NHKにようこそ!」5巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 煮詰まりまくってブッ倒れた佐藤くんが、ついに親御さんに収容されてしまうが、久しぶりの実家は居心地悪いこと甚だし。環境は健康的になったけど、いたたまれなくなった佐藤くんは、そこでこれまでのぬるま湯生活のかけがえなさを知る……という感じ。まあどんづまりではあるけど、見ている分にはイタ楽しくはあって、コンスタントなぺースで来ていると思います。岬ちゃんは登場頻度は少なめだけど、その分たまに出てくると余計かわいく見えちゃったりするし。まあイタさもさらに増してはいるんですけどね。彼らが最終的にどういう方向に行くのか、他人事なので基本的には別にどうなっちゃってもかまいませんが、それなりに楽しみ。


7/3(月)……日本ふるチン

▼遅ればせながら単行本購入スケジュールを作成。データはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼7月購入予定
7/5 「Melty Pink」 赤銅茉莉 フランス書院
7/6 「しゅごキャラ!」1巻 PEACH-PIT 講談社
7/7 「無敵看板娘N」1巻 佐渡川準 秋田書店
7/7 「ドリル園児」1巻 おおひなたごう 秋田書店
7/7 「空飛べ!プッチ」1巻 おおひなたごう 秋田書店
7/7 「げんCha!」 宗田豪 一迅社
7/7 「ピースオブケイク」3巻 ジョージ朝倉 祥伝社
7/7 「スクナヒコナ」4巻 南Q太 祥伝社
7/中 「CRAFT」Vol.29  大洋図書
7/10 「平成COMPLEX」1巻 小だまたけし 少年画報社
7/11 「説得ゲーム」 戸田誠二 宙出版
7/12 「こどものじかん」2巻 私屋カヲル 双葉社
7/14 「090〜えこといっしょ〜」2巻 亜桜まる 講談社
7/15 「みにみみ」 LEE 茜新社
7/18 「あいこら」4巻 井上和郎 小学館
7/18 「ブリザードアクセル」6巻 鈴木央 小学館
7/18 「Bless You!聖使徒学園喫茶部活動日誌」 竹下堅次朗 コスミックインターナショナル
7/18 「はえてる女の子」 掘骨砕三 三和出版
7/19 「貧乏姉妹物語」3巻 かずといずみ 小学館
7/19 「秘密の新選組」2巻 三宅乱丈 太田出版
7/19 「虹ヶ原/ホログラフ」 浅野いにお 太田出版
7/19 「幸福喫茶3丁目」4巻 松月滉 白泉社
7/19 「ES」 ICHI コアマガジン
7/19 「放課後は淫魔」 ベンジャミン コアマガジン
7/19 「ホスト一番星」1巻 小田原ドラゴン 集英社
7/下 「Dutch Dool」 松本充代 青林工藝舎
7/下 「Juku−私の実録新宿歌舞伎町」 清水おさむ 青林工藝舎
7/21 「サルタン防衛隊」 高寺昭彦 講談社
7/21 「しおんの王」4巻 作:かとりまさる+画:安藤慈朗 講談社
7/21 「神社のススメ」4巻 田中ユキ 講談社
7/21 「俺と悪魔のブルーズ」3巻 平本アキラ 講談社
7/21 「巌窟王」2巻 前田真宏 講談社
7/21 「ぼくと未来屋の夏」2巻 作:はやみねかおる+画:武本糸会 講談社
7/21 「はるか17」12巻 山崎さやか 講談社
7/21 「暁星記」6巻 菅原雅雪 講談社
7/21 「不思議な少年」5巻 山下和美 講談社
7/21 「水の色 銀の月」1〜2巻 吉田基已 講談社
7/21 「妹LOVE」 うさぎのたまご 司書房
7/24 「ご破算で願いましては」 雁須磨子 幻冬舎コミックス
7/25 「あまえないでよっ!!」6巻 作:ボヘミアンK+画:宗我部としのり ワニブックス
7/25 「モン・スール」 きづきあきら ワニブックス
7/25 「伝染コンプレックス」 きづきあきら ワニブックス
7/25 「OPERA」Vol.3  茜新社
7/25 「とかげ」1巻 灰原薬 一迅社
7/26 「金平deR」 金平守人 エンターブレイン
7/26 「Astral Project 月の光」3巻 作:marginal+画:竹谷州史 エンターブレイン
7/26 「無頼侍 2巻 鈴木マサカズ
7/26 「以下略。」 平野耕太 角川書店
7/26 「ケロロ軍曹」13巻 吉崎観音 角川書店
7/26 「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」2巻 高橋脩 角川書店
7/26 「時をかける少女 -TOKIKAKE-」 原作:筒井康隆 角川書店
7/26 「水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社
7/27 「おうちでごはん」2巻 スズキユカ 竹書房
7/27 「もえねえ」 BENNY’S 晋遊舎
7/27 「セックスセンス」 Gody 晋遊舎
7/27 「視力矯正少女恋愛学」 へかとん 晋遊舎
7/28 「さらい屋五葉」1巻 オノ・ナツメ 小学館
7/28 「LA QUINTA CAMERA 〜5番目の部屋」 オノ・ナツメ 小学館
7/28 「ヨイコノミライ! 完全版」2巻 きづきあきら 小学館
7/28 「日本沈没」3巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館
7/28 「QUOJUZ」2巻 柏木ハルコ 小学館
7/28 「」42巻 村上もとか 小学館
7/28 「バンビ〜ノ!」5巻 せきやてつじ 小学館
7/28 「カムイ伝全集 第二部」6〜7巻 白土三平 小学館
7/28 「みたむらくん」5巻 えりちん 白泉社
7/28 「殴るぞ」10巻 吉田戦車 小学館
7/28 「ハニー・ダーリン」 北河トウタ ワニマガジン

【雑誌】ヤングマガジン 7/17 No.31 講談社 B5中

 小松大幹の新連載「ウイニングチケット」(原作:河村清明)がスタート。競走馬を見ることに関して天才的な才能を持った男が主人公。騎手でもなく調教師でもない視点から、競馬の世界を切っていくという感じの物語。コンセプト自体は競馬漫画としてはユニークではある。ただ小松大幹には、もっとアツくて青臭い作品を描いてほしいなあ。原作なしのほうが持ち味出るタイプだと思うんだけど。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/17 No.31 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」が最終回だが、ラストは今一つ物足りないかなあ。ジャイアント安藤Jr.も意外とあっさり片づいちゃったし、虎嶋との決着も曖昧な感じ。まあガチンコな殺し合いみたいな世界が描きたかったわけじゃなく、プロレスならではの適度なええ加減さ、そこから埋もれる面白みを描きたいという気持ちが強かったんだろうけど、いくぶんあっさりした印象がある。同じラストに持っていくにしても、そこまでにもう1段階か2段階ステップを踏んで欲しかった気はする。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/17 No.31 集英社 B5平

 新人読切、吉原薫比古「受験戦士 一文字解」が掲載。いろんな学校で勉強のデキる学生たちにテスト勝負を挑んでいる、はた迷惑な男の物語。絵柄的には車田正美的なテイストを取り入れたコミカルな感じのもの。テストでバトルというジャンルだと「とどろけ!一番」という有名な作品があり、なおかつあっちはギャグメインでないにも関わらずナチュラルにぶっとび度がむちゃくちゃ高く、その点ではいくぶん不利な点はある。ただ今のジャンプ読者で一番を知ってる人もさほど多くはなかろうし、お話自体はけっこうバカげてて悪くない印象。続きもあるらしいので、派手にやってもらいたい。

【雑誌】COMIC XO 8月号 オークス A5平

 氏賀Y太「デスパンダ」が最終回。パンダらの動物がぐっちゃんぐっちゃんな殺人を犯していく様子は、凄惨だけど独特のユーモラスさもあって、妙な楽しさはある作品だった。結局最後はいちおう愛の物語っぽく締めてるけど……。この作品はまとめて読みたいですな。狩野蒼穹「おねいちゃん計画 その後の顛末編」。弟にずっと片想いしているがその想いを伝えることはイケないと重々承知、そこで「彼女とするときの練習」と称して弟とHをして、身体だけでもつながろうとするおねいちゃんのお話。ちょっぴり切なく、そして後味は甘ったるくお話を展開してて楽しい作品。この人の絵柄はシンプルかつかわいらしくていいですなあ。

【アンソロジー】「日本ふるさと沈没」 徳間書店 A5 [bk1][Amzn]

 いろいろな漫画家が、「自分の故郷が沈没しちゃったらどうよ?」ということをテーマに漫画を描いたアンソロ本。まあ別にあんまり深刻なネタはやってなくて、どの作家さんも基本的にギャグっぽいお話を描いている。参加作家は以下に示すとおり、なかなかのメンツ。ただお話的には飄々とした軽いギャグって感じで終わらせてるものが多いので、すごく面白いってほどではないかな。この中では、鶴田謙二の美しい作画がと、唐沢なをきのいつもながらのギャグが光っていたと思います。

【参加作家】吾妻ひでお、あさりよしとお、唐沢なをき、遠藤浩輝、伊藤伸平、西島大介、鶴田謙二、恋緒みなと、米村孝一郎、ひさうちみちお、トニーたけざき、空ヲ、いしいひさいち、寺田克也、TONO、宮尾岳、安永航一郎、ヒロモト森一、ロマのフ比嘉、とり・みき

【単行本】「日本沈没」1〜2巻 作:小松左京+画:一色登希彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 日本沈没漫画もう1本。こちらは現在、ビッグコミックスピリッツで連載中の「日本沈没」の漫画版。実は原作のほうを読んでないので、内容のほうについては詳しいことは知りません。ただ個人的にはけっこう面白く読んでます。科学的考証とか、ビジュアル化についてはSF畑の人とかから見るとツッコミどころは多いんだろうなーとは思いつつも、「得体の知れないすんごくスケールのデッカいタイヘンなことが起こっている」という感じがビンビン伝わってくるし、ハッタリの利いたドラマチックな作劇作画もスペクタクルで読みごたえがある。やっぱいい加減、原作も読んでみたほうがいいんでしょうな……。

【単行本】「モーティヴ −原動機−(0) リフュールド」 一色登希彦 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ヤングジャンプ、ヤングキング、ヤングサンデーに掲載された読切版「モーティヴ」を収録して、描き下ろしを加えた完全版。今回は単行本未収録分も含まれており、ちょっと厚めの本となっている。この作品では、バイクにいろいろな想いを寄せる人たちのドラマが描かれているけど、どれも熱がこもってて面白いなあ。同級生のバイク少女のことが好きになった少年、プロのレーサー、プロを諦めて趣味でバイクを選んだ男、神戸大震災のボランティアにバイクで駆けつけた男……と、いろんな人々の物語が綴られる。そのどれもが情熱的に描かれていて、なんだかとてもグッと来る。エンジンの振動が身体を通じて魂を揺さぶってくる、ワクワクするような、いたたまれないような、衝き動かされるような、独特の興奮が沸き上がってくる。一色登希彦の作品は、ちょいとラフな作画といい、なんともいえないアツさがあっていいです。

【単行本】「ちょこッとSister」6巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ニュー妹というかオールド妹というかな存在、小夏が登場。主人公である川越はるまを昔から兄として、そして一人の男として慕ってきた従妹さんなわけだが、彼女が現れたことでアパートの人間模様にも変化が。管理人さんがはるまを好きだったこともバレちゃって、恋愛方面の鞘当てが盛り上がり中。まあ相変わらずちょこはかわいかったりするわけですが、この巻はいくぶん存在感が薄い。というわけで管理人さん、小夏の巨乳娘対決にしばし注目といったところ。

【単行本】「年上ノ彼女」4巻 甘詰留太 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 最近の展開は、すっかり恋人同士状態が板についてきたアゲハ&勉が、ときどき不安になったりしつつもイチャイチャしまくるというのが基本。まあ大きなヤマ場自体はないんだけど、恋愛成就というクライマックスが終わった後、二人がどうしていくのか……というのを丹念に描いているのはけっこう面白い点。恋人として長くつき合わないと分からないようなこととかもねっちょり描いてて、ラブラブで楽しい。個人的には、男だけ、女だけの飲み会の席で、アゲハと勉がそれぞれにちょいとエッチなノロけ話をやる回がアホらしくて好きです。勉くんはちんこデカいのだなあ。


7/2(日)……海街で生みまちた

【雑誌】フラワーズ 8月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 吉田秋生の新連載「海街diaryI 蝉時雨のやむ頃」がスタート。これはなかなか良かった。鎌倉の街で一つ屋根の下に暮らす3姉妹のもとに、子供のころに家を出ていった父親が死んだとの知らせが届く。とくに父親への感慨はなかった姉妹だが、いちおう遺産の問題などもあるので葬式には出席。その席で彼女たちは、父親が死ぬ前に一緒に暮らしていた家族、そして父ば別の女に生ませた腹違いの妹らと出会うが……という感じでお話は進む。3姉妹は上が超シッカリ者、真ん中が美人だけど飲んだくれ、下がマイペースな変わり者で、それぞれ個性的。彼女たちが織り成すホームドラマも、テンポ良くてなかなか楽しい。結局のところ3姉妹+1で新生活がスタートしていくって展開になりそうだけど、ほのぼのとした中にもキリッとしたところもあって、「BANANA FISH」とかの路線とはだいぶ違うようだけど、なかなかに面白くなりそうな雰囲気。2話め以降も期待。

 江平洋巳「天の鳥 花の夢」は最終回。無垢な少女と天界の神様の触れ合い、恋心を優しく切なく描いた作品で、ラストはちょいとほろ苦くもきれいにまとめた。独特のふわふわした絵柄も上品。さいとうちほ「ブロンズの天使」。今回も相変わらず色っぽいですなあ。プーシキンとナターリア、ダンテスとナターリア姉、夫婦が同衾してるだけなのに妙に背徳感が。いつもながらゴージャスで素晴らしい。

【雑誌】コーラス 8月号 集英社 B5平 B5平 [Amzn]

 そろそろ最終回が近い羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。なんのかんのいいつつ収まるべきところに収まったと考えていいんかな。ラストは後悔のない、良い締めくくりにしていただきたい。榛野なな恵のアガサ・クリスティー作品漫画化シリーズ第3弾「ソルトクリークの秘密の夏」。このシリーズは、クリスティーの作風が榛野なな恵の作画とマッチしていて雰囲気としては上々。ただ読切1回に話を収めようとしているためか、1ページあたりのネームが多くなっていて、ゴチャゴチャして読みにくくなってる感もある。前後編くらいに分けてもいいんじゃないですかね。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 今号から隔月刊だったっけかな。で、ちょっとボリュームアップで新装刊。でも全体的な印象はあんまり変わらないかな。まあそれはそうと、よしながふみ「大奥」は相変わらず面白い。男だけの逆転大奥発祥のエピソードをここのところずっとやっていて、今回は、初期大奥に連れてこられた元僧侶の有功の苦悩を描いていく。男版大奥ではあるけど、新人イビリや権力闘争があったりするところは、女版となんら変わりなし。ユニークな設定を生かしてしっかりしたストーリーを構築してて、毎回読ませます。あと以前は別冊付録形式でやってた、ひかわきょうこ「お伽もよう綾にしき」は、別冊じゃなくて通常形式での掲載となっている。個人的には別冊だと管理が面倒なんで、通常スタイルのほうが好き。

【雑誌】快楽天 8月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 ムサシマル「Campus Play」。交換留学で6年間アメリカ行ってから帰ってきたハーフ女子が、中学時代から好きだった男に告白してエッチってな感じのお話。女の子が金髪で名前がエリスなんで、ちと「Canvas2」シリーズみたいですな。キャラ的には男言葉でクールな天才少女だからだいぶ違うけど。ムサシマルの絵柄はシャープできれいだし、ラブコメHとしては上々の出来。

 かるま龍狼「へべれけ」。エッチな家政婦さんシリーズ5話めだけど、お話としては単行本「おとなり」に収録された、隣の絶倫じーちゃんのセックスを覗き見して欲情していた奥さんのお話とリンク。エロ家政婦の酔子さんとを交えた3Pとなっていて、展開はコミカルだけどしっかりエロい。相変わらずのうまさに感心いたします。いーむす・アキ「若奥様解放区」は最終回。団地妻たちが昼下がりに集まり、若い男の子たちとやりまくっているという状況は個人的には好みではある。でもわりと奥さまっぽくないキャラも多いかなー。

 このほかでは、北河トウタ、ぼっしぃ、尾崎未来あたりが良い。あとMGジョーの「みなの先生」も相変わらずの手堅さ、エロさで小じっかり。

【雑誌】COMICパピポ 8月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 赤銅茉莉「ヒートアップ!愛魂」。家庭教師のおにいさんとつき合っている、内気で不器用な女の子がわりとかわいい。控えめだけどものいいたげな目つきで、恥ずかしがり屋さんなところがなかなか。D.P「SAME DAY」は、「ポコといっしょ」シリーズ。ただし今回はポコはあんまり出てこなくて、御主人様がキツネ姉妹にとっつかまってエロ責めされるという内容。ポコの出番が少ないと癒し成分も減るけど、まあ基本的に線が美しくエロもうまいんでまずまず満足できるかなといった感じ。

【雑誌】キャンドール 8/12 Vol.31 実業之日本社 B5中

 あまなつまことの巻頭カラー「デリバリカ」は、子供にしか見えないロリ妻の梨香が、夫の忘れ物を届けようと会社へおじゃましちゃうというお話。人妻さんではあるけどロリ度は強めでなかなかかわいい。お話もほのぼの。中田ゆみ「女神さまの言うとおり」は最終回。ハーレム状態で酒池肉林、きっちりかわいくエロもやって賑やかにまとめた。さすがに手堅いです。

【雑誌】エンジェル倶楽部 8月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 命わずかが初登場。「フタナリ委員みづき」は、タイトルどおりフタナリもの。学校のフタナリばかりの委員会に、カワイイ男子が女装して紛れ込んで……ってなお話。ピチピチとした萌え度もある絵柄が目立つ。あとちんこはかなり気合いを入れて描き込んでる感じで、皮のあたりのフォルムもしっかりしててエロめ。デカちんの尿道に、包茎ドリルちんこを差し込むなどといったこだわりの特殊プレイもあり。PARADISE”D”「魔女っ子サンデー」。こちらはスラリとした頭身の高い絵柄が相変わらずカッコ良くい。この人の描くキャラは足が長いなあ。肉弾系な作品が多いこの雑誌の中では群を抜いてスタイリッシュなので目立つ。

【単行本】「トランスルーセント 彼女は半透明」4巻 岡本一広 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 読むたびに、すごくいい作品だなあって思う。身体がじょじょに透明になっていく病気の少女・白山さんと、そのボーイフレンドである唯見くんの学園生活を、実に暖かく爽やかに描き出している点はこれまでと同様。この巻では、精神的に不安定になった白山さんの病状が一気に進行。一時は完全に身体が透明になってしまう。誰からも見えなくなってしまう恐怖と不安の中で白山さんは、唯見くん、そして親友であり恋のライバルでもある大河内さんの思いやりに触れて、また前向きな気持ちを取り戻していく。

 今回はとくに、白山さんが大河内さんの前でハッキリと唯見くんへの想いを口にした後、唯見くんと向かい合うシーンが実にいい。見える状態と見えない状態が不安定な透明病の特徴を生かした演出がとても印象的だったし、白山さんの表情も実に良かった。それから唯見くんの裏表のない真心にはいつも泣かされるし、複雑な想いを抱えつつも良い娘さんぶりを発揮している大河内さんも好感の持てるキャラ。まあ全体的に見ると、同じことの繰り返しになりつつあるような部分もあるけど、恋愛部分がじょじょに強まって来ているのは興味を引かれるところ。毎度心洗われる作品です。

【単行本】「東京トイボックス」2巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。ゲーム屋・天川太陽と、ひょんなことから彼に関わることになった敏腕OLの月山星乃。ゲームを一緒に作るという過程を通して、ゲームへの熱き想いが盛り上がり、二人の距離も縮まっていく様子を描いた青春ストーリー。後半のほうはゲーム屋の意地や曲げられない部分を描くとともに、ラブストーリー度も高まっていった。作者のうめは前作の「ちゃぶだいケンタ」でも、作品の途中で激しく絵がうまくなった作家さんだが、今回もまた途中でグッとカッコイイ絵を描くようになった感がある。とくに星乃さんはどんどんキレイになってて良かったな。終盤のブチ抜きのコマなんかは、かなり鮮烈な印象があったし。まあそんなわけで良いモノを持った人だと思うし、次回作も早いとこ読みたい。


7/1(土)……一瞬防止

【雑誌】ヤングキングアワーズ 8月号 少年画報社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 大石まさる「水惑星年代記」が絶好調ですなあ。今回は表紙&巻頭カラーだけど、相変わらずとても面白い。今回は女子軽音楽部所属のボーイッシュで後輩からもモテモテな高3女子と、その親友の女の子の物語。ヒロインさんは進路に迷っているけれど、親友女子と一緒にちょっとした放浪生活をしてみて、自分の進むべき道に気づく。このシリーズは丁寧なカケアミ調のタッチが美しいし、爽快感のある話作りもいい。またこの人らしいちょっぴりエッチな描写も、ベタベタしない範囲でありつつ作品に適度な甘美さを追加してて、これもまたお楽しみポイントの一つ。単行本第1巻は7月26日発売。オススメ。

 石田敦子「アニメがお仕事!」。ようやく二人とも吹っ切れた状態になったイチ乃&二太ツインズの会話が楽しげでよろし。あと二太とめがねっ娘アニメーターさんの恋の行方も気になるところ。あ、でもよく考えてみると今カノ格ののんのも、以前つきあってた三鷹さんもどっちもめがねっ娘さんか。どっちかってーとのんのさんのほうがええです。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 PEACH-PIT「Rozen Maiden」。金糸雀のところのマスターであるみっちゃんがジュンのおうちにやってきて、ローゼンメイデンたちに囲まれて感激〜という回。アニメ版第2期のほうは、途中の展開がぐだぐだだったりすっ飛ばし気味になってたけど、漫画のほうはじっくりお話を膨らませつつ展開していってもらいたい。みっちゃんももう少し活躍するといいですな。

 ハラヤヒロ「ハカセのセカイ」は最終回。安定感のあるコミカルでけっこうかわいい絵柄でまずまずの作品だった。もう一つ大人しくインパクトに欠ける部分もあったんで、そこいらへんを改善して再チャレンジしてほしい。宮野将一「いっすんぼーし」。一寸法師が大きくなってみたら巨乳女子だったという話。短くてボリューム感はないが、絵柄的にはキャッチー。読切、此元和津也「ダミー」は幻冬舎コミックス新人漫画賞で審査員特別賞を受賞した作品。とあるコインランドリーを舞台に展開される、現代風のサスペンス激。絵柄は山本英夫に近いタッチ。意外な展開が連続する物語はスリリングでまずまず面白い。ただパサついた作風は好き嫌い分れるかな。もう少し薄気味悪さや怖さみたいなもんが、強く前面に出てくると良いんですが。

【雑誌】モーニング 7/13 No.31 講談社 B5中

 「ギャンブルレーサー」でおなじみ、田中誠の高校野球漫画「実録!関東昭和軍」が、今号から5週連続で掲載。とにかく体罰のオンパレードの恐怖政治、ラフプレーで鳴らす高校野球チームが、激戦区・神奈川でのし上がっていくという物語。高校野球といえば爽やかがウリだけど、こちらはとにかくガラが悪い。軍隊式っていうよりも、やることはチンピラノリで、鉄砲玉のような感じで勝利をぶんどろうとする選手たちと、彼らよりもさらに腹黒な監督・コーチ陣の様子が面白い。まあ実際にここまで極端な学校ってのは普通ないだろうけど、こういう極端さはいいですな。あと田中誠の描く野球選手の体型とかフォームはコミカルで個人的にはけっこう好き。このフォルムのままの野球ゲームがあったらなんか良さそう。

 塀内夏子「イカロスの山」は、なんかまた仲間が死んじゃいそうな気配ですなあ。かわいそうなので骨折くらいに止めておいてあげられないものか……ってムリでしょうな。

【雑誌】ヤングサンデー 7/13 No.31 小学館 B5中

 小田原ドラゴン「小田原ドラゴンくえすと!」。今回は小田原ドラゴンが5年間取材し続けている「世界一モテる男」正博さんのお話。相変わらず「Let's笹原」の笹原そのまんまですねえ。正博さん的なモテるというかヤる秘訣は、選り好みをまったくせず、厚かましくマイペースで行くってことのようで。参考に……あんまりならないよな、さすがにこれは。大谷じろう「下北GLORY DAYS」。新メンバーは巨乳の外国人女性になる模様。萌えはしないけど派手ではありますね。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/13 No.31 集英社 B5中

 甲斐谷忍「LIAR GAME」。なんかヒロインのねーちゃんはいつも面白いようにダマされるなあ。もう少し頭使うなり勘を働かせるなりしたほうがいいと思う。秋山のヘルプを仰ぐ感じになりそうだけど、彼女自身も多少は強くなったほうが今後の展開的にも良さげな気はするけど、やっぱダマされ役もいたほうがいいか。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/13 No.31 秋田書店 B5平

 佐藤健悦「舞-乙HiME」は最終回。アニメ版も面白かったけど、こちらも同キャラ、別ストーリーでなかなか面白い作品に仕上がった。マシロ姫が男という大胆な設定が良かったし、ガルデローベの娘っこたちもそれぞれかわいかった。ちょっとエッチな描写も織り交ぜ、たいへん賑やかに華々しく展開した良い作品でした。ところで漫画版については、今秋から新シリーズ開始が予告されている。ってことはアニメ版もあるのかな? アニメ版も「舞-乙HiME」でかなり面白くなったんで、ぜひもういっちょやってほしいとこだけど……とか思ったら、公式サイトでもすでに「第3弾始動」って告知されてますね。OVAになるみたいですな。

 森繁拓真「アイボシモドキ」は2話め。顔はそっくりだけど、軟弱でふぬけな男子と、豪快で激強な女の子の物語。なんだかだいぶラブコメチックな様相も呈してきたが。楽しみにしている作家さんなんでうまく続いてほしい。

【雑誌】近代麻雀 8/1 竹書房 B5中

 前田治郎の新連載「ナグモ」。一攫千金のバクチを打つことができる、その名も「バクチ島」で繰り広げられるギャンブルの模様を描くという内容になる模様。最初はその島入りする権利をめぐって、主人公らが船の中で麻雀勝負をする。演出とかはかなり福本伸行っぽいノリ。タイトルも「アカギ」みたい。前田治郎は近代麻雀ギャンブルCOMで、福本伸行プロデュースで漫画描いてたけど、この作品はオリジナルなのかな。

【雑誌】ビジネスジャンプ 7/15 No.15 集英社 B5中

 作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」がついに最終回。かなり最初のほうからぐだぐだだったけど、シュールなくらい強引にエロシーンに持ち込んでいく初期のノリは、かなり下らなくて面白かった。まあエロ展開が途中で弱まって、パワーが落ちた感はありましたが。それにしてもまさかこんなに長く続く話だとは思いませんでしたな。こういう漫画がなんだかんだいってずっと続くのは、ビジネスジャンプらしいトコだと思います。

【雑誌】ポプリクラブ 8月号 晋遊舎 B5中 [Amzn]

 今号はBENNY’S→単行本作業、井ノ本リカ子→コミックアライブって感じかな。両方ともお休み。

 あかざわRED「きゅーけつさぶじぇくと」が最終回。ツンデレ吸血鬼少女と、巫女姉妹がかわいい少年争奪戦……ってなラブコメ。最後はわりとあっさりめな感じだったけど、ドタバタしててまずまず楽しい作品だった。真田鈴「フリっち!」は、ツンデレ的姉御肌おねいちゃんが、エロい年下幼なじみ男子に甘えられて、心ならずもメイド服コスプレエッチってなお話。キレのいい華のある絵柄で、ラブコメ&エロもなかなか楽しい。初単行本は8月発売予定とのこと。


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