2006年12月上旬


12/10(日)……用心棒は要人望

【単行本】「天然華汁さやか」1巻 佐能邦和 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 すごーくマジメそうに見えるけど、頭の中身はエロいことで一杯。教科書とか読んでてもエロいことにつながりそうな言葉があると敏感に反応しまくってしまう女の子、堤さやか16歳の日常をドタバタと綴っていくエロコメ系のギャグ漫画。絵柄がけっこうフレッシュでピチピチしており、エロ系のネタも、他愛ないけど押し出しは強い。絵柄的にはみやすのんきに近いけど、そこからも少し今っぽくした感じ。さやかのゴージャスな巨乳っぷりとかはなかなかええ感じだし、ノリが下らなくて、作風はカラッと明るい。わりと良さげな感じの人ではあるけど、これからの転がし方しだいかなー。うまくいけば伸びそうだが、雑誌の賑やかし的な無難な路線でまとまっちゃいそうな雰囲気もある。光るモノはあると思うので、うまく伸びていってくれると良いのだけど。

【単行本】「サナギさん」3巻 施川ユウキ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 いやー、やっぱ面白いですね。言葉遊びのセンスがとにかく絶妙。女学生のサナギさん、友達のフユちゃんの会話劇が中心ながら、着眼点がほかの人にはない独特さで、しばしばツボにハマって声を出して笑ってしまう。「しばしば」と書いたけど、これだけ「しばしば」笑わせてくれる4コマ漫画も珍しい。またザクッと鋭いことをやっていて、ときにシニカルであるにも関わらず、ほのぼの感も失っていない点は特筆に値するんではないでしょうか。すごくよくできてるなあと毎度感心。

【単行本】「神戸在住」9巻 木村紺 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻は10巻になるんでしょうか。というわけでその一つ前の第9巻。この巻は辰木さんの大学の友達のお話が多め。あと辰木さんがとある劇団の美術をお手伝いすることになって、そこで劇団員の人たちと親しくなったり……といったお話もあり。相変わらず辰木さんは控えめで大人しく、ちんまりしたかわいらしさがあって微笑ましい。まあ基本的に受け身なキャラがもどかしく感じたりする面もなきにしもあらずではありますが。とかいいつつ何気に辰木さん、おいしいところは持ってってるような気も。

【単行本】「大奥」2巻 よしながふみ 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 とても面白い。男ばかりが死ぬ病が流行したおかげで、徳川幕府の将軍が女になったパラレルワールド日本で繰り広げられる、男版大奥の物語。この巻では男大奥の原点となった、徳川家光時代の物語を、大奥に召し抱えられた美男僧侶・万里小路有功の視点で語っていく。着想がまず面白いし、特異な状況で有功と家光の恋が芽生えていく過程がしっかり描かれていてグングンお話に引き込まれる。超特殊な環境ゆえに歪められてしまった家光や、普段は物腰柔らかなようでいつつ、節目節目ではシャキッとしたところを見せる有功のキャラも魅力的。やはりキャラがそれぞれカッコ良さを持ってるところが強いです。この大奥がどのように推移していくのか、今後も楽しみ。個人的には綱吉のあたりがどういうふうに描かれるのかとかが興味ありますな。

【単行本】「乙女ウイルス」2巻 鈴菌カリオ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 なかなか勢いのある女の子の物語を描いてて気になる存在。オシャレな絵柄で馬鹿話を展開しているのが楽しい。例えば第7話の「アンラッキーナンバー3」では、イタリアに旅行にいった3人の女の子が、旅先でそれぞれの道を歩むというストーリーだが、一人は突然絵描きになったり、一人はチャイナ服来た乙女になったり、一人はサーカス団員経由で浮浪者になったりと、なんとも予想外な展開を見せてくれる。サバけた作風でカラッとぶっとび感のあるお話を展開してくる勢いの良さが身上。その奇を衒いっぷりがちと小賢しく思えたりもするものの、楽しい作品を描いていると思う。もう一段突き抜けることができれば、ジョージ朝倉の領域に近づけると思うけど、そこから先が難しいんだよねー。でもまあ期待はして押さえておきたい作家さんではあります。とりあえずちっちゃくまとめる方向には行かないでほしい。

【単行本】「NHKにようこそ!」6巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらの迷走ぶり。いったん実家のほうに引っ張られていった佐藤だけど、結局のところ実家の生ヌルい環境では何も変わらず。ダメ人間ぶりを見せつけ親御さんを呆れさせ、元のアパートに逆戻り。しかし戻った先には山崎も岬ちゃんもおらず、さてどうしましょうという案配。ぐるんぐるんとジェットコースター的にお話は動くも、気づいてみれば結局元の場所……という感じでお話は続く。どういうところでお話を落とすのかなーという感じではあるけど、まあ他人事なんで、どこで落としていただいてもまったくかまわない。とりあえず面白ければ個人的にはオッケーです。

【単行本】「マヒルの用心棒」1巻 大岩ケンジ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 こっちのほうでは大岩ケン「ジ」名義なんですね。何が違うのかはよく分かんないですが。お話のほうは、とある雑居ビルの屋上にある神社を管理しつつ、依頼によって用心棒を引き受けてるあんちゃん・幸人が主人公。彼が、神社の本来の管理人である小百合の妹であるマヒルの依頼に従って、用心棒業をやっていくというアクションもの。えーとまあアクションについてはけっこう派手で、絵もキレイ。女の子もかわいいし、ギャグ的な部分でのけれん味はある。ただお話のほうは正直いって印象が薄いかなあ……。なんか異能力を駆使して中国系マフィア連中と戦ったりしてるけど、なんかもう一つ、お話全体としてどこへ向かうのかが見えてこない感じ。次の巻も買うかどうかは微妙なところ。


12/9(土)……百合シーズ

【雑誌】ビッグコミック 12/25 No.24 小学館 B5中

 いわしげ孝「独身花日」。主人公とその初恋の人が、同窓会に出席して、そこで学生時代の制服を着させられる。んでもって二人で外に行くという罰ゲームも課されちゃったりして、焼けぼっくいに火をつけて風送りまくり状態。なんだかもう不倫推奨漫画って感じですなあ。作:小池一夫+画:森秀樹「花縄」。花太郎をめぐってお咲とお芳が一触即発状態。二人とも煮詰まって、殺し合いを始めんばかりになっている様子がけっこう怖い。こういうふうになるよう仕込んじゃったのは鬼平なんだけど、かなり無茶なことしてるよなー。けっこうみんな後先考えてない。最近のこの作品の展開は何気にけっこうぶっ飛んでて凄いと思う。

【雑誌】メガプラス Vol.39 コアマガジン B5平 [Amzn]

 みかん(R)「望み」が切なくて良かった。子供のころからずっと一緒にいた男子2人と女子1人。同じ部屋にたむろって一緒に遊び、エッチなことまでしていた3人だったが、男子2人にそれぞれ彼女ができたことで、残された女の子はすごく寂しく感じてしまう……といった展開。離れていきそうな2人を見つめる彼女の心細げな様子に心惹かれるものがあった。あとラストもほろ苦いけど暖かいものもあってなかなかいい感じだった。

 ジョン・K・ペー太「アートないけにえ」。「マンコに入れたままパイズリ」というプレイがなかなかすごいと思った。要するに挿入して、肉棒形に盛り上がったお腹の部分をおっぱいでしごくという形ですな。この人はなかなかエグいプレイを描きますわい。ゆきやなぎ「聖女学園〜ソルヴィエールの伝説〜」は8話め。学園の代表である「乙女」に選ばれた女子が、学園のパトロン連中に輪姦されちゃうよーんという展開。まだ突っ込まれてはおりませんが、あっちこっちから肉棒がにょきにょきして、身体にこすりつけられたりフェラチオさせられたりする様子がしっかりエロい。

【雑誌】ヤングコミック 1月号 少年画報社 B5中 [Amzn]

 水島空彦が巻頭カラーで新連載。「苺の花嫁」。会社専属の肉奴隷とされているOLがヒロイン。肉奴隷として過ごす日々にすっかり慣れてしまっていた彼女だが、その事実を知らずに彼女に想いを寄せる男性社員が現れ、心が千々に乱れる……という第一話。OLさんはかなり乳がでかく、かつ柔らかそう。彼女が会社の男たちに散々にやられてイキまくる様子はけっこうエロい。コンビニ売りエロ雑誌としてはハードな出だしで実用面で期待が持てそう。今後はヒロインさんに惚れた男性社員が、彼女に幻滅するか、それでも愛し抜くか、どちらかっていう感じですかねえ。

 また今号では、「ストレンジ♥カインドオブウーマン」シリーズで人気を博した犬が初登場。「しゃきっとにーと」という読切を描いている。ニートというかヒモというか……というカレシが、ナースをやってる彼女の職場にやってきて、彼女にエッチなことを仕掛けるといったお話。犬の作画は相変わらずピチピチしていてとてもジューシィ。フェラチオ→パイズリ→本番と、いうエロシーンの流れも充実している。絵柄が華やかでむっちり感もあっていいですな。

 中田ゆみ「下町マドンナ食堂」。板前修業をしてみないかと誘われた信が、おかみさんと一緒にいることを選ぶか、彼女の元できちんと修行してみるかで悩む。とりあえずもう完全にラブラブ状態は確定。次号でいよいよ最終回とのこと。睦月のぞみ「TVの中からこんばんは」。怖がりだけど霊感は強い主人公の元に、美人のオバケが出てきてエッチしちゃうというドタバタコメディ。睦月のぞみのスタイリッシュでこなれた絵柄はけっこう好き。コミックPOTがなくなってから見る機会が減ってたんで、定着してくれるといいなーと思います。

【単行本】「百合星人ナオコサン」1巻 kashmir メディアワークス A5 [bk1][Amzn]

 かわいい女の子のみすずちゃん、彼女の姉を名乗る電波系宇宙人ナオコサン、みすず弟、みすずちゃんの親友である柊ちゃんといった面々が繰り広げる日常ギャグ漫画。と書くとなんだかすげー普通みたいだけど、ヘンでかわいくて楽しい作品です。ナオコさんの突発的な行動がとても下らないし、随所に埋め込まれたさまざまな小ネタギャグや毒分が、読む人(主にオタク系)の心の琴線をピンピン刺激してくる。ギャグはふんだんに織り込んでありつつも、それをうるさく押し出してくることがないさりげなさもいい案配。「ここがこう面白い!」と指摘するのはちょっと難しいタイプの作品かもしれないけど、センスが良くて楽しい1冊です。なお初回版は主題歌入りの音楽CD付き。まだ聴いてません。

【単行本】「ニコイチ」2巻 金田一蓮十郎 スクウェア・エニックス B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。会社では素のまま男の格好をしているけど、家や外では女装してママをやっている主人公によるドタバタホームコメディ。この巻では、女バージョンのほうが、会社のOLさんである菜摘と恋人チックになってしまい、さらにカミングアウトしにくい状態に。女バージョンのほうがラブラブになればなるほど、男バージョンのほうは菜摘との距離が遠くなるという状況が、実に面白おかしく描かれていて楽しい。作画のスッキリ感、あたたかみも内容にマッチしているし、たいへんよくできた作品だと思います。

【単行本】「ドヒー!おばけが僕をペンペン殴る!」 押切蓮介 太田出版 B6 [bk1][Amzn]

 そういえばこれ買うの忘れてた。この単行本はいろんなところに描いた短編を収録した作品集。ホラーネタをギャグにするというスタンスは「でろでろ」と同様。ちょっと間抜けだったりトボけてたりするノリが楽しい。今ほど描き慣れていないころの作品も含まれてるけど、そちらのほうがホラー的にはおどろおどろしい感じはあるかな。まあだからといって怖いとかいうのはなく、楽しく読めますが。

【単行本】「艶恋師」3巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず実にしょうもない。この巻の最初では、浅田真央みたいな女子フィギュアスケートの演技に、女性らしい典雅さを加えるため、菊之介がセックスを施す。「ここは”浮橋”」「ここは”唐草居茶臼”の気持ちで舞うのよ」とかいって演技するシーンなんかたまらんものが。さらに米国からやってきたポルノ女優との対決、さらにそのポルノ女優を寝取られたことに憤慨したスタン・ハンセンみたいなポルノ男優との日米セックス決戦と続き、最後は菊之介先生が中国に赴いて中華四千年の性の真髄をゲットしてくるという展開。

 外国人がからんだときの「艶恋師」のキレっぷりは毎度素晴らしいのだが、今回は米国編×2、中国編と続くので、実に満足度が高い。またフィギュアスケート編で、菊之介先生が着流し姿でスケートするシーンの間抜けさとかもいい味。「セックスで女を癒す」とかいいつつ、妙なところで格好つけたり、妙なところで格好つかなったりする不思議なバランス感覚が素晴らしいです。


12/8(金)……スパ湧く!

【雑誌】コミックバンチ 1/8増刊 蒼天の拳トリビュート号 新潮社 B5中

 バンチのこの手の増刊は本誌より面白かったり……。「蒼天の拳トリビュート号」とうたっているけど、漫画の多くは「蒼天の拳」とは無関係。でもそれが本誌では見られない多彩なメンツを起用しててなかなか見どころが多い。

 「蒼天の拳」関連では、ギャグ系が楽しい。とくにロドリゲス井之介「蒼天の霹靂」は、「世界の中心でくだをまく[仮]」の調子で、ロドリーと編集のやりとりを描いていてたいへんくだらない。大和田秀樹「オレたち拳王親衛隊」は、やられ役の親衛隊のメンバーさんたちにスポットを当てたお話。ちょっと「隊長のザクさん」とかに似た雰囲気ですな。だらだら感たっぷりなのがいいです。

 その他組。数々の新人賞で受賞歴を持ち、アフタヌーンでも「イハーブの生活」を連載していた小路啓之は「ドレミとソレミ」という作品を執筆。誰からも好かれる元気な人気者の女の子・ドレミと、ドレミの負の感情ををすべて受信する少女型ロボットのソレミが織り成す、不思議な物語。個性的な画風とちょっと変わったお話で読ませる作風は健在。中盤はちょっと息苦しくしておきつつ、ラストはほのぼのまとめてくる構成が巧み。やはりこの人は読切うまいなーと思うのだけど、それだと新人賞キラーの座を抜け出すのは難しい。痛しかゆしといったところかも。

 藤栄道彦「スパーク!!」は、犯罪が起きたときに漫画が叩かれることに異論を唱えるような内容。藤栄道彦は「コンシェルジュ」に漫画家のキャラを登場させていろいろ語らせたり、漫画に関してはけっこう熱い想いを抱えてそうだなーという気がする。岩岡ヒサエ「吉日」は6ページと短いながら、ふとした日常の風景をゆったり描き出してて落ち着いた味を出している。この人ってけっこういろんなところでちょくちょく描いてますな。

 カサハラテツロー「おにつぼ」。江戸時代っぽい感じの世界が舞台で、健気な旅の娘さんを、ふしぎな壺から出てきた魔神がお守りするというお話。アクションは派手だけど飄々とした味もある作品。鈴木みそ「マッチョ!」はルポ漫画。鈴木みそがボディビル大会を見に行って、その様子をレポート。筋肉もりもりなイベントの模様がしっかりレポートされていて、なんか妙に楽しい。筋肉系の話は見たり聞いたりすると面白い。まあ自分でやるかどうかは別として。

【漫画執筆陣・蒼天の拳関連】猫井ヤスユキ、ヒロモト森一、石原まこちん、ロドリゲス井之介、大和田秀樹
【その他漫画執筆陣】小野洋一郎、佐原ミズ、藤栄道彦、岩岡ヒサエ、しまんちゅ、カサハラテツロー、いのうえさきこ、鶴岡伸寿(原作:黒武洋)、松本ななこ、鈴木みそ、市原敬子、小路啓之、井之口陽一、黒藤広隆

【雑誌】ヤングアニマル 12/22 No.24 白泉社 B5中

 東雲太郎「キミキス」。光一と摩央姉ちゃんのエピソードはおしまい。これまでもアツアツ状態だった二人が、よりベタベタに引っついて締めくくり。このシリーズは実に甘ったるく、おねいちゃんもかわいくて、ずっと楽しませてくれました。ちょっとエッチっぽいシーンもからませつつ、甘ったるいながら爽やかさも保っていたのが良かったです。次回からはゲーム同様リセットして、新ヒロインでまたお話が始まるとか。なお次エピソード開始は来年1月26日発売のNo.3からとのこと。

 作:竹内桜+画:雑破業「ちょこッとSister」。おお、川越くん思いきりましたなあ。管理人さんがお見合いをすると聞き、いてもたってもいられなくなったあんちゃんが、珍しくシャキッとしたところを見せる。ようやった、という感じでした。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。児玉くんと乃木東子さんメインのエピソードなんだけど、やっぱり池田くんはすげー。友達に対してでも「顔殴ったら殺す」と宣言するこの男、尋常ではない。恐ろしい男だよう。

 八神健「ふたばの教室」は最終回。うーん、もう一つ盛り上がりに欠けたかなあ。健全な教育ものではあったけど、「先生は背がちっちゃいので子供視点でモノが見られる」という以上の特徴が出てこなかったか。ふたばに恋しちゃう男の子とか、もう少し遊び的な要素があっても良かったような気がする。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/1 No.1 小学館 B5中

 作:北原雅紀+画:あきやまひでき「昆虫鑑識官ファーブル」が最終回。殺人事件をなんでもかんでも虫で事件を解決してしまうあたり、なんだか変わった作品でした。なお次号からは同じコンビで、「〜快釣海上捜査線〜あんこう」という作品を開始予定とのこと。今度は海&魚で同じようなことやるんですかねえ。魚をおいしく食うという要素が入ってきそうな分、「ファーブル」より間口は広いかも。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 12/22 No.49 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。肉まん勝負がスタート。もう邪道と正道を分ける基準が分からね〜。とりあえずおいしく食えれば正道と理解するほかないですな。六田登「クマトラ」。35話まで来ているのに今さらではあるけど、これはけっこうイカれた話だよなー。主人公が、白鯨・モービーディックのごとき呪われたトラックを追いかけ続け、「ネジ一本までバランバランにして海の底にたたき込んでやりてェ!」とか呟いてるのは、はたから見たら相当ヘンだ。まあ六田登らしいといえばらしいんだけど。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 1月号 竹書房 B5中 [Amzn]

 短期集中新連載、しのすけ「パイリゾート 雀トピアへようこそ!」。市役所の戸籍課勤務だった女性が、いきなり麻雀による町起こしを目指す「麻雀まちづくり課」の責任者に任命されるというところからお話はスタート。町の雀荘を一か所にまとめてカジノを作るため、昼行灯っぽいけど実は凄腕の部下を引き連れて、雀荘を回っていくという展開。絵はまずまず。お話は土台からして相当無茶なので、この無茶っぷりをエスカレートさせていく方向で行ったほうが良いと思うけど、作風的にはわりとこじんまりまとめてきそうな感じがしないでもない。

 あと今号では作:河本茂樹+画:富田亜紀良「トキタ こちら現代麻雀編集部」、作:海斗湧氣+画:土光てつみ「武闘派雀士ナギサ」、森遊作「堕楽の城」の3作が最終回。次号では、もりしげの読切シリーズ「朱雀〜歌舞伎町・雀姫伝〜」が掲載予定とのこと。

【雑誌】FEEL YOUNG 1月号 祥伝社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 青木光恵「モテかわ★ハピネス」。好調なようで巻頭カラー。モデルをやっててすごくかわいいけど中味はオタクで、少女漫画を描いて持ち込みなんぞもしている女子の物語。すっぴん時の天然ぶりが見てて楽しい。まあちょいと今回のは天然すぎる気もしますが、かわいいからオッケーということで。ジョージ朝倉「ピースオブケイク」。またしても波乱の気配。この作品のことだから最後までお話としては落ち着かないとは思いますけどねー。宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」。りんがもうすぐ小学校ということで、ダイキチも責任感を新たにす、という感じ。ほのぼの楽しく親子ものをやっていてよくできてます。


12/7(木)……棚と酢

【雑誌】モーニング 1/1 No.1 講談社 B5中

 一色まこと「ピアノの森」が連載再開。今回はコンクールに出場する期間、カイが世話になることになった、ピアノのある酒場でのエピソード。それまで荒れ放題だった酒場をカイが片づけ、ピアノを奏でるようになり、酒場は見る見る活気を取り戻す。カイのピアノの魅力をうかがわせる、気持ちの良いお話でございました。井上雄彦「バガボンド」。武蔵と又八が再会して酒を酌み交わすが、又八の心を占めるのは、武蔵に対する劣等感ばかり、というエピソード。又八は情けない状態がずーっと続いているし、立ち回りも見苦しいけどなんだか憎めない。けっこう好きなキャラです。

【雑誌】ヤングサンデー 1/1 No.1 小学館 B5中

 新連載、落合裕介「タナトス 〜むしけらの拳〜」(原案:竹原慎二)がスタート。原案の竹原慎二がボクシングの元世界チャンピオンだったこともあり、この作品もボクシングものになる模様。不良たちの代わりに相手をぶちのめす町の喧嘩屋をやっていた男が、ボクシングでのし上がっていくというお話になる模様。まあボクシングものとしてはたいへんオーソドックスな筋立てですな。まあそれだけに手堅そうな感じはします。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中

 読切で掲載のKUJIRA「あまくにがく」が良かった。かわいいのだけど頭が軽くて惚れっぽく、学校内でもヤリマンとして有名な女の子と、その幼なじみ男子の物語。この二人の間には男女の関係はないのだが、男子のほうは、彼女のそばにずっといるために、「ヤラれて捨てられる彼女の最後の”とりで”」というポジションを守ることで自分を納得させていた。しかし彼女が本当に好きになりそうな男が現れたことで、その気持ちが崩れ落ちそうになる。甘く切なくほろ苦い恋心を丁寧に描き出した作風と、あっさりとした品の良い絵柄に引きつけられる。ヤンジャンはどちらかというと大味な作品が目立つ雑誌だが、ときどきこういう繊細な作品も載っけてくるから油断がならない。なおKUJIRAを自分日記で検索してみたところ、以下の3作が引っかかりました。
「チョコレイト」(MANGA EROTICS 2000年冬号)
「レンタル」(マンガ・エロティクスF 2001年 Vol.9)
「世界のすべてに」(ヤングジャンプ 2006年8/17 No.36)

 高橋秀武「妖怪人間ベム」が掲載。今回はこれまでちと影が薄かったベロにスポットを当てる。ベロに、目の見えない人間の女の子の友達ができるが……というお話。今回はちょっとあっさりしてるかなという気はしなくもないけど、ベム・ベラ・ベロのキャラをきちんと消化して、高橋秀武独自のスタイルで描いた作風は毎度好感が持てる。わりと楽しみにしているシリーズ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/1+4 No.2+3 秋田書店 B5平

 西川淳「王様のオーパーツ」が連載開始。すごい力を秘めたアイテム「オーパーツ」をゲットするため、主人公の少年がファンタジー世界で冒険を繰り広げていくという作品。まあハッキリいって「ONE PIECE」フォロワーという感じが強すぎて、既視感は拭えない。そこらへんをクリアできるかが鍵でしょうか。高橋てつや「ペンギン革命」は戦い終わって、廃墟の中で学園生活再開といったところ。敵方だった女の子もレギュラー化したようで、さらに賑やか。相変わらずゴチャゴチャしてはおりますが、絵はかわいくて華がある。佐渡川凖「無敵看板娘N」。今回はめぐみがサンタ姿で活躍。いつもの格好でないとだいぶ感じが違うなあ。これもまた良しですが。あとお話のほうも相変わらずカラッと明るく、安定して楽しい。

【雑誌】MUJIN 1月号 ティーアイネット B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 板場広し「嫌い≒好き」。相変わらずコンスタントにエロいですなあ。今回は主人公男子に対して素直になれずに、ツンケンした態度をとってしまう女の子がいじましくてけっこう良かった。美崎志づ魚「秘牝事」。アパートの管理人さんがヒロインの年上女性もの。絵柄的には飛龍乱っぽいけど、飛龍乱のフォロワーって本人の実績のわりに案外少ないような気がする。


12/6(水)……いろんなナイロン

【雑誌】週刊少年サンデー 1/1 No.1 小学館 B5平

 兼山臣「助けて!フラワーマン」は最終回。花屋さんが事件を解決という道具立ては悪くないとは思うものの、インパクトはいまいち不足。少年誌なので、花を武器にするとか、もっと弾けたお話にしちゃっても良かったかも。井上和郎「あいこら」は、弓雁ちゃん失恋編は一段落ってとこでしょうか。まあとりあえずちょっと気になる男もできたけど、基本線はこのまま変わらず継続という感じになりそう。あと明らかにハチベエに片想いしてそうなのは、くびれねーちゃんだけかな。こちらのほうのエピソードも何かありますかね。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/1 No.1 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」が巻中カラー。ブラウスの胸の部分をはだけて、谷間が覗いている様子がちょっとセクシーで良かった。作:さいふうめい+画:星野泰視「少年無宿シンクロウ」は最終回。なんだかノリ切れないまま終わっちゃったなーという印象。短命に終わった感があるが、全48話だからいちおう1年近くはやってたのか。あんまりそんな気もしないけど。

【単行本】「最強伝説黒沢」10〜11巻 福本伸行 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 完結。最後は「えっ、これで終わっちゃうの?」という感じではあった。しかしそれでもなお、これは凄い作品であったとは思う。人生の盛りを完全に過ぎてしまった男が、今の状態の不毛さに気づき、あがきまくる様子は、笑いと涙を同時に誘い、心を打つものがあった。

 10〜11巻についても、チンピラたちに公園を追い出されようとしているホームレスたちのために、黒沢さんが立ち上がり、彼らを鼓舞、身体を張って戦う様子はすごく泣けた。黒沢さんの言葉はいちいと心をゆさぶるものがあり、思い返すたびに涙腺がうるうるきてしまう。11巻なんかは本当にいい言葉が山盛り。「損得だけで生きて何になる…?」とか、「敗者にも意味がある」「敬意を払うべきだ」「立派に生きた人達に」などなど、熱いセリフがどんどん押し寄せてくる。

 「もっと読みたい」「黒沢さんにもっと幸せになってほしい」という気持ちはどうしても残ってけれども、こうやって読むとこれはこれで良いラストだったんじゃないかなという気もする。この先、黒沢さんがさらなる人望を得て、大勢力を従えてうんぬん……なんて話になったら、それは「らしくない」と思うし、10〜11巻あたりの展開が盛り上がった分、続けるとしても作者的にはこの後どうすればいいか困っちゃうんではなかろうか。まあ読み足りないくらいのところで終わっておくほうが華という気もするし。

【単行本】「片目の軍師」 平田弘史 少年画報社 B5 [bk1][Amzn]

 武田晴信(信玄)に仕えた軍師・山本勘助の一代記。連載は週刊少年キングの昭和44年(1969年)2〜14号ということで、40年近く前の作品ということになるけど、独自の作風はしっかり確立している人なので、読んでみても古さはとくに感じなかった。お話としては立身出世のためなら、手段をまったく選ばない勘助の狡猾な生き様が迫力たっぷりに描かれていて読みごたえ十分。まあそれ以上の感慨みたいなものはあまりないけど、山本勘助について知りたいという人は読んでみると良いのでは。

【単行本】「ユリア100式」2巻 作:原田重光+画:萩尾ノブト 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 1巻に引き続き、この巻でも明るいエロコメをドタバタ賑やかに展開。人型ダッチワイフであるユリアが、ことあるごとに瞬介にエッチなことをしようとしてズッコケる様子が笑えるし、ラブコメ色も増してきた。この巻では新型ダッチワイフのユリア105式も登場したし、瞬介のいいなづけであるまりあがやきもち焼いているようすも面白い。テンポが良いので、下らないネタでカラッと笑えるのが何よりいいところ。エロネタをやっても下品になりすぎることもないし。あとこの巻は、表紙のユリアがけっこうかわいいなと思った。鼻を省略してるのがいいんですかね。

【単行本】「ナイロン100%」 ナイロン ワニマガジン A5 [Amzn]

 最近のエロ漫画家さんは、初単行本だというのにうまい人が増えましたねえ。といったわけでこの人も初単行本。基本的にはスタイリッシュでスッキリした絵柄なのだけれども、肌にぴちぴちした質感があり、あえぎ顔も華やかでいろっぽく、エロ度も十分なものを兼ね備えている。カラーページの塗りもつややかで、むっちりした乳や、とろとろの液体描写がエロ心をそそる。

 お話のほうはわりといろいろ。恋人同士のラブラブエッチあり、輪姦あり、女子先輩2人が後輩男子とエロにふけったり、女装メイド×お嬢さま、幼なじみ……とバラエティに富む。話自体がすごく面白いっていうことはないけれども、どれもまとまってはいるし、下品にはならないけれども色っぽい。どれもきちんとヌケるレベルに達していて、お買い得感はある1冊といえそう。


12/5(火)……プラ白鳥

【雑誌】コミックフラッパー 1月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 環望「ダンス イン ザ ヴァンパイア バンド」。前回はバトルが激しかったし、姫様とアキラの結びつきも濃厚に描き出していたが、今回はわりとほのぼの。アキラへの片想いが破れた形の幼なじみ女子・由紀が、姫様とおともだちになって仲良くしている様子が微笑ましい。本筋的にはこれからもバトルとかは激しくなりそうだけど、今回はホッと一息ってとこでしょうか。小原愼司「二十面相の娘」は次回で最終回。かなり長く続いたお話だけどどう着地させるのか。メイドのトメさんと、チコのお友達の小糸さんも最終話には登場してほしいところ。

 竹本泉「さくらの境」のほうは、いつもながら佐々さんふたちゃんがべたべた仲良しっぷりを披露。回を重ねるごとにふたちゃんの甘えっぷりが進行し、ぐにゃんぐにゃんになっている様子が楽しいです。もちろん女の子二人ということもあって目にも華やかだし。作:富野由悠紀+画:中村嘉宏「オーバーマンキングゲイナー」。ゲイナーvs.シンシアのファーストバトルはいちおうおしまい。シンシアの冷酷で艶っぽい表情がカッチョエエです。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 1/15 Vol.55 集英社 B5中

 井上三太「TOKYO GRAFFITI」。これまではグラフィティライター(というらしい。壁にスプレーとかでなんか描く人たち)のラヴと、アイドル桃子がつき合うようになるあたりが中心だったけど、今度は新キャラ女子が登場してくる模様。まだハッキリ顔は出てないが、同じくセンスのいいグラフィティを描く女ライターさんみたい。正直なところ自分とは全然なじみのない世界だし、軟派な雰囲気ではあるものの、「こういう青春もあるのだなあ」とか思いつつけっこう楽しみながら読んでます。

 袈裟丸周造「Good. Merry Christmas. 〜よし、メリークリスマス〜」。冴えない受験生の少年に訪れた、クリスマスの夜のちょっといいお話を描く。枯れた味わいの絵柄だが、シャレた味もあってまずまず。河合孝典「GOD DREAMS」。野球モノの読切。「野球が好きだ」という気持ちを正面から描こうとした作風は清々しいけど、作画面はもう一つ粗いかな。とくに野球好きをうたうわりに、選手たちのフォームがぎこちない点は、野球オタ的には気になってしまう。

【雑誌】漫画アクション 12/19 No.24 双葉社 B5中

 武富健治「鈴木先生」は今回も存在感があって面白いなあ。クラスの中でのトラブルは、女生徒・中村さんの背中にコンパスの針が刺さるという事態に発展。しかしコトの本質は、小川蘇美をめぐる男子間の緊張状態にあり……ということで、なかなか複雑な様相。これはかなりこんがらがりそうだが、鈴木先生がどんな困った表情を見せてくれるのかがすごく楽しみになってきた。あと中村さんが、鈴木先生のこと好きとか言い出したりしないかも気になる。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/20 No.24 小学館 B5中

 11月増刊号に読切で掲載された菊田洋之「プラスわんっ!」が本誌にも登場。増刊のほうでは今後、連載に昇格する模様。お話のほうは、犬のしつけ教室にで働くことになった、新人訓練士の女性の奮闘ぶりを描いていくという内容。まとまりは良いもののインパクトに欠けるという印象は読切のときと変わらないが、連載で手堅くやっていけそうな作品ではある。ただ増刊だと隔月になり印象が薄くなりがちなので、一話ごとにどう印象づけていけるかがポイントになってきそう。

【雑誌】漫画サンデー 12/19 No.48 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師 放浪編」。菊之介と、スケコマ師の繰り出す性の刺客との勝負がスタート。一番手は最強のフェラテクを持つピンサロ嬢だ! 彼女が「ディープ・スロート」「トルネード・フェラ」といった超絶テクを繰り出すさまはすごい、というか笑ってしまう。今後もなんかすごい人たちが出てきそうで楽しみ。

【雑誌】花とゆめ 1/1 No.1 白泉社 B5平

 トビナトウヤ「潔癖少年完全装備」。これまで不定期掲載の読切シリーズだったが、今号から3回連載スタートとのこと。これで好評だったら通常の連載になるって感じかな。今回は潔癖症な中学一年生・千田くんと遠距離恋愛中である彼女・愛内さんが、外国から一時帰国することになり、千田くんはウキウキ。千田くんは自分の友達を愛内さんに紹介したい、でも千田くんに片想い中のツンデレ女子がそれをジャマする……ってな感じでドタバタ。絵がきれいで賑やか、ラブコメ度も高めでけっこう面白い作品なので、この3回連載にも期待。ツンデレ女子さんをうまく使って、ラブコメ的に盛り上げてくれると良いなと思います。

 樋口橘「学園アリス」。こちらはアリスストーンをめぐってラブコメムードが花盛り。おいしいところはやはり棗が持っていくということで。椿いづみ「親指からロマンス」。クリスマス前で、ケーキを用意したりみんなそわそわ。ヒロインの千愛とその彼氏の陽介がアツアツな様子が微笑ましくて甘ったるい。

【雑誌】コミックフェロモン 1月号 東京三世社 A5平 [Amzn]

 むむ。休刊ですか……。コミック哀姫とコミックミニモンが合体して創刊。2006年10月号からスタートしたが、全4号で終了してしまった。ほりほねさいぞう、ほしのふうたといったところが掲載される貴重な雑誌だったんですが……。後継誌については予告されていないけど、うーん、受け皿はあるのかなあ。

 まあそれはともかくとして、今号の掲載作品のなかでは、きあい猫「ふたなり」が面白かった。タイトルどおり、ふたなりで露出狂な女子高生が主人公。彼女の露出癖とおちんちんを満足させてあげるために、女子校のクラスメイトたちが協力。修学旅行先で、彼女に下半身を露出させ、その周りを取り囲んで旅館や市街を練り歩いたりといったプレイを繰り広げる。露出ネタといっても鬼畜なところはなく、みんなで仲良くやっているのでなんだかほのぼの。でもエロシーン自体はそのおちんちんをいろいろねぶってて、なかなか気持ち良さげでエッチ。話の面白さとエロさが両立してて好きなタイプの作品。

 ほしのふうた「てなぐさみ」。幼い女の子が公園のベンチで寝てるふりしてこっそりエッチな行為にふけっちゃう……という内容。この人の描く幼女はやっぱりとてもかわいい。「いけないことをしてドキドキ」って感じのいたずらっぽい表情がとても良いです。まるキ堂「裏道のマゾ肉便器」。公園で露出&放置プレイをやってる女の子を、新しい御主人様が見初めるという内容。肉付きの良いむっちり感のある絵柄がなかなか良い。それにしてもこの雑誌は露出ネタ多いなあ。湊谷俊作「雨に歌えば」もそうだし。

 妄想低気圧「ちっちゃな美奈子はパパ狂い!」。父親によってエロエロ調教済みな巨乳小学生のお話。精液大好きで父棒を求めまくる美奈子ちゃんがテンション高くエロさを発揮。彼女がちんこにむしゃぶりつく様子はなかなか凄みがあって見応えあり。松任知基「陛下の晩餐」。ひでー話ですのう。革命家の青年と駆け落ちしようとしたお嬢さまが、軍人である父によって皇帝陛下の肉奴隷にさせられるというお話。青年と一緒のときに政府の攻撃によって負傷した娘さんは、手足をすべて失い、そのままの姿で牝犬調教を受けることに。それだけでも鬼畜だけどオチも十分鬼畜。でもまあそのキツさ、ピリピリ感がこの作品の面白さだったりするわけですが。自分的には面白いと思いました。ヒドい人ですなあ。

 といったわけでこうやって見るとけっこう変格派な作品が多く、読む人は選びそうだけど特徴のある面白げな誌面だったとはいえる。今はフラミンゴRもなくなっちゃってるだけに、こういうことやれる雑誌が休刊しちゃうのは惜しいところではあるのですが……。

【雑誌】桃姫 1月号 富士美出版 B5平 [Amzn]

 藤原俊一「憧れの女」がエロいと思った。同人誌をやってるカップルのお話で、現在は10話め。前回は主人公の彼女が、エセ編集者に「大手雑誌でデビューさせる代わりに奉仕しろ」ってな話を持ちかけられ、クスリなんかも盛られて、この男にヤラれてしまう。そして今回はこのエセ編集者が、彼女をねっちり調教し、エロ責めしているところを彼氏に見せつけるという展開。要するに寝取られモノ。彼女がフェラチオを強要されたり、彼氏の眼前でヤラれちゃったりする様子はグッとくるものがあった。連載10話の間に、ちゃんとラブラブなシーンもしっかり見せていただけに、寝取られたときのチリチリ感もアップ。藤原俊一はさほど絵がうまいほうではないのであまり大向こう受けはしなさそうだけど、描写がねちっこく、個人的なツボにハマる回がときどきあります。

 ゆうきつむぎ「アイカギ」も寝取られもの。主人公の幼なじみ女子がチンピラ連中に媚薬使って輪姦されちゃってる様子がエロい。天誅丸「団地妻楠先生」。女教師が男子生徒と同じマンションに住んでいたことが分かり、図々しい男子生徒は彼女のお部屋に上がり込んでエッチに持ち込んでしまうというお話。まあ個人的には、人妻モノに女教師だのナースだのといった別要素はいらぬ、とは思うものの、巨乳先生がよがりまくる様子はしっかりエロいのでいいです。

 内々けやき「姉が戻れば道理が引っ込む」。一度結婚した後出戻ってきた近所の憧れのお姉さんと主人公がエッチしちゃうけど、そのせいで初恋の思い出が散々なことに……という内容。内々けやきのピチピチつやつやした絵柄が見てて楽しいし、お話のほうもカラッと明るくしょうもないところがあって面白く読めた。宮社惣恭「遅延恋慕」は、彼氏とまるでつき合ってないかのごときボーイッシュな女子が、ちょっとしたきっかけでやたらデレデレ状態になる様子が楽しい。景えんじ「ガラスノヒトミ」前編。素っ気ないようでいながらセックスには積極的、そして執着するかと思えばあっさり離れていこうとする彼女に、彼氏のほうは翻弄される。なかなかつかみどころのないキャラをミステリアスに描いているけど、後半でどう展開させるのか気になるところ。

【雑誌】COMIC CROSS 1月号 VOL.2 ジェーシー出版 A5平

 「あねもえ特集」ということで、椎木冊也、DISTANCE、ちば・ぢろう、エロティカヘブン、藤宮博士の5人が姉モノの漫画を執筆。この中で目立つのは椎木冊也「お姉ちゃんは大変だ」。このほか姉モノ以外でも「からっぽの胸に。」という作品を描いており、2本一挙掲載。椎木冊也は旧名義「みなすきぽぷり」の人だがペンタッチが美しく、ほろ苦いお話作りでちょっと高級感のある、おっと思わせる雰囲気をかもしとくに出している。とくに姉モノである「お姉ちゃんは大変だ」のほうは、弟にかいがいしく料理を作っているシッカリ者の姉が可憐でよい。

 DISTANCE「しちゃおう!!」は、姉が好きすぎてかえって頑なな態度をとっていた弟が、姉が部屋に転がり込んで来たことで興奮しちゃって一線を越えるというお話。DISTANCEらしく女体にボリューム感があるし、ラストのオチも甘くて楽しい。ちば・ぢろう「ピンク・スパイダー」は、弟を濃厚すぎるほど愛する姉が、その愛情・劣情を弟にぶつける。強すぎる執着の描写に迫力があるし、弟を愛欲の世界に引きずり込もうとする姉の姿はしっかりエロい。あねもえ特集以外では、幼なじみものの四万十曜太「雨上がりに」が良かった。これは幼なじみもの。8ページと短いが、ぷにぷに感たっぷりの肉体描写に惹かれるものあり。


12/4(月)……ハンズるより生むがやすし

【雑誌】ヤングマガジン 1/1 No.1 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。中年になってもゲーム少年を続けている「あらし」みたいな人・ぴゅう太が再登場。彼の相棒であった、今はおばさんであるジャレ子との生臭い男と女の物語を展開。ぴゅう太・ジャレ子のキャラがなんか強烈だし、ネタもしょうもない。やっぱうまいですね。あと作:山田風太郎+画:せがわまさき「Y十M」は、敵方の鷲ノ巣廉介が、女二人をつかまえてひんむいて身体にまきつけてぶんぶん振り回す。だいぶ山田風太郎らしくなってきた感じ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/1 No.1 小学館 B5中

 皆川亮二の読切「S.O.L.」前編が掲載。全然ツキがなくてしょぼくれていたサラリーマンが、ママチャリに乗って爆走するおばさんに拾われて、スペクタクルな目に遭うという感じ。ママチャリおばさんがアクションスターばりに大暴れするミスマッチが見どころといった感じのコメディ。発想自体はまあ普通かなあと思うんだけど、さすがに絵はいつもながら達者で手堅く見せている。

 小田扉「団地ともお」。以前出てきた、かつて愛した女・カナに復讐されて団地にたどりついた男・寿々木が再登場。まさかこの人がもう一回出てくるとは意外。しかも前の話はシブかったのに、今回は語り口はシブめだけど、内容は間抜け。この意表つきっぷりはさすがですな。信濃川日出雄「Fine.」。サイトウさんはどうなっちゃうのかー。というわけで次回が気になるところだけど、さすがにこれはヤバいですかねえ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5平

 小畑健の新連載「BLUE DRAGON ラルΩグラド」がスタート。原作は鷹野常雄でもちろん巻頭カラー。「カゲ」と呼ばれる化物たちに蹂躙されているファンタジー世界が舞台。そのカゲの中でも最強クラスの竜を身に宿したまま封印されていた少年・ラルが解き放たれ、世界を救う戦いに臨むという感じの出だし。今回は「デスノート」と違ってかなりファンタジーテイスト(まあ「デスノート」も死神の部分はけっこうファンタジーといえばファンタジーなんですが)。初っぱなからラルの教育係の巨乳めがねっ娘ねーちゃんが脱がされて乳揉みされたりしてて、サービス精神も旺盛。わりとこのラル少年はスケベなんですかね。まだどうなるかはよく分からないけど、相変わらず小畑健の作画は達者だし、コメディ的な部分もあるんで楽しく読んでいけるかな〜といったところ。

 叶恭弘「エムゼロ」は、観月さんの存在感が増して、三角関係ラブコメ度がアップしたことでずいぶん良くなってきた。メインヒロインの柊さんのほうも触発されて、やきもち焼いたりと動きが出るだろうから、自分の色が出てきやすそう。板倉雄一のハンドボール漫画「HAND'S」は短期間で連載終了と残念な結果に。ハンドボールという素材自体は悪くないと思うんだけど、出だしで競技の魅力を見せられなかったのは大きかった。これはちょっともったいない。またキャラや作画作劇ももう一つ魅力薄だったか。


12/2(土)12/3(日)……勿怪と黙契

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中

 画太郎先生の新連載が始まったよー。というわけで漫☆画太郎「世にも奇妙な漫☆画太郎」がスタート。この連載は1話完結のオムニバス形式の連載になる模様。それだけに好き勝手な作品を描けそうな気配で、最初から飛ばしている。いきなり「まんゆうき」を思い起こさせるタッチでかわいいナオンさんが出てきたと思ったら、その後はぶっ飛んだタイムスリップものが展開される。オチとかもムチャクチャだしさすがです。今後もぶっ飛んだ奴をどんどん描いていってほしい。かわいい女子が出てくるのも歓迎。

【雑誌】BJ魂 1/1 No.32 集英社 B5中

 ペット漫画特集ということで、甲斐谷忍、くじらいいく子がイヌ編を、とみさわ千夏、松苗あけみ、和田ラヂヲがネコ編を担当。この中では松苗あけみの作品がわりと興味深いかな。12匹も猫飼ってるのかー。タイヘンそうだ。

 昌原光一「マスター・オブ・ライト」は2話同時掲載。15年前に廃刊になった週刊誌が復刊、その雑誌で名物編集者だった人の素顔に、若手女性編集者が迫る……という内容。なんだか講談社のKINGを想起させるようなネタですな。昌原光一は、最近は枯れたタッチで落ち着きのある作品を描いているけど、この作品も、若手編集者と一線を退いた男とのちょっといい触れ合いみたいなのを描いててしみじみした雰囲気を醸し出している。まあ正直なところ、ちといい話にしようとしすぎてて、あざといなと思わなくもないですが。

【雑誌】コミックメガストアH 1月号 コアマガジン B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 ED「Cheers of LOVE」は、11月号に掲載された「チアーでV!」の続編。幼なじみ男子にぞっこんなんだけど、強情な性格なんで素直にその気持ちを口にできないチアリーダー部所属女子がヒロインのお話。前回で初Hして正式につき合い始めたけど、いまだドキドキしちゃって恥ずかしくて素直になれないヒロインさん。今回はいつも作ってあげてるお弁当のことでひとモメ。照れたり怒ったりやきもち焼いたり涙ぐんだり、ヒロインの喜怒哀楽がやたら激しくて見てて楽しい。ラブストーリーとしても実に甘ったるくて快感。あとエロシーンも相変わらず濃厚で、絵のほうもキレが良くてキュート。きれいな絵なんだけど、エロシーンはメリハリがきいてるし、ストーリー面でもグッと来る押しの強さがあっていい調子です。

 和六里ハル「大妹×3」。このシリーズは好き。かわいい兄と、彼にベタボレでエッチを迫ってくるデカ妹さんのラブラブエッチ物語。ドタバタした展開が楽しいし、エロシーンの密度も高い。明るくかわいい和六里ハルの絵柄がストーリーによくマッチしているし、キャラクターがよく動いている。今回は兄が妹とのエッチを控えようとするも、結局理性決壊でエロエロ展開に……というお話。ついついやっちゃう二人の様子やノリの良さがとても面白い。

 上乃龍也「姉妹REC」前編。弟が年端のいかない妹とヤッちゃっているビデオを見て、弟に注意しようとした姉。でも結局返り討ちに合っちゃうというお話。つやつやした質感の肌がいつもながらエロい。ちんこと巨乳、まんこがこすれ合う様子もえらく気持ち良さそうだし、喘ぎ顔も色っぽい。このヌカせパワーはやはり一級品です。吉村竜巻「彼女のフマン」はパイズリ大好きの彼氏にいつもつき合わされている彼女が、今度は逆襲しちゃうぞって話。ローションをぬりゅぬりゅさせた状態でのパイズリシーンが、巨乳好きとしてはなかなか見応えがあって良かった。

 野良黒ネロ「遠い日の約束」。都会暮らしをしていた主人公の元に、田舎にいたころずっと好きだった幼なじみ姉貴分女子が訪ねてきてエッチ。柔らかい絵柄でいかにも姉モノな内容を展開。甘ったるいし巨乳もゆさゆさしてて好きなタイプの作品。オノメシン「悪魔少女マリア★ショコラ」もわりと似たような系統。ボリューム感がある女体に見応えあり。ベンジャミン「思い出つくろう!」。メガストアHはわりと久しぶりかな。ちっちゃい娘さんがセーラー服姿でエッチ。スッキリしてるけどほんのり甘い絵柄はやはり独特の質感がある。めがねっ娘さんがなかなかかわいらしくていいです。

【雑誌】COMIC XO 1月号 オークス A5平 [Amzn]

 ゴージャス宝田「キャノン先生トばしすぎ」は4話め。いつもながら面白い。小学生エロ漫画家のキャノン先生、今回は主人公・貧太のバッグに潜んで、エロ漫画誌の忘年会に潜り込み、憧れの作家さんの素顔を覗き見る。お話のほうは、なんか忘年会の席上で貧太が、幼女輪姦漫画の売れっ子に創作姿勢を説教されるという展開。扉ページの煽り文句にあるような、エロ版「マンガ道」みたいなことをやらかしている。でもその後の、貧太とキャノン先生のエッチシーンはいつにも増してテンションが高い。ラストのオチもキャノン先生の面白い性格が出ていて楽しかった。あと今回は、貧太のことを気に入っているらしき大人女性なエロマンガ家のラセン先生がわりといい感じだった。彼女も加わって三角関係になったりもするんですかねえ。

 狩野蒼穹「弟になんか感じない!」前編は巻頭カラー。女女男の3姉弟で、弟を溺愛している長女が、次女と弟がエッチしているのを目撃しちゃって悶々……という内容。狩野蒼穹の作画は相変わらず柔らかくて暖かみがあってかわいいなー。そして姉二人も、優しいおっとり型の長女と、元気なツンデレ系の次女と、二人ともいい感じ。今回は長女のエッチはなかったが、そこらへんは後編に期待といったところ。

【単行本】「続・水惑星年代記」 大石まさる 少年画報社 A5 [bk1][Amzn]

 大石まさるの短編連作シリーズ2冊目。「2巻」ではなく「続」になってますな。柔らかくて暖かいタッチで、気持ち良い物語を毎回展開していて、たいへん素晴らしい。これは本当にイイ作品だと思う。

 とくに今回は前後編で描かれた「AROUND THE WORLD IN 8DAYS」が良かった。これは女性助教授のフィオナと、その助手の青年・フミオが、8日間で世界を一周する気球レースに出場する……という物語。空の上でフィオナとフミオの仲がどんどん接近していって結ばれる様子の、爽やかかつ濃厚な甘ったるさは格別。とくにフィオナのキャラは魅力的。フミオと比べると10歳くらい年上だけど、そんな彼女がフミオに信頼を寄せ、怒ったり笑ったり、ときには甘えたりスネたりする様子はすごくかわいい。また空にぽっかり気球が浮かんでいる様子、そこから見える風景の描写も美しく爽快感がある。最後のほうの展開もダイナミック。すごく良い気持ちになれるエピソードだった。

 あとこの作品ではおなじみ、子獅子さん&八分儀くんの高校生カップルの青春ラブストーリーである「宇宙を向いて歩こう」もグッド。今回は八分儀くんになついて気をひこうとする後輩女子が登場。彼女もなかなかいい娘さんということもあり、子獅子さんはやきもちを焼いたりしてしまう。その様子がなんとも微笑ましい。「廃線跡のひみつ」は「りんりんDIY」の番外編的エピソード。この作品だけは「りんりん」シリーズと同様のカッチリしたタッチで描いていて、そちらのほうのファンにとっては懐かしさを感じさせるお話となっている。

【単行本】「もっけ」6巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 静流が高校に進学。その学校が寮付きということもあって、静流・瑞生の姉妹は離れて暮らすことになる。姉のサポートが受けられず自分で怪異に対処しなくてはならなくなった瑞生、おじいちゃんと離れてこちらも一人になった静流、それぞれの事情が描かれていくという感じ。まあ環境自体は変わったけれども、怪異と共存していく生活を、相変わらず落ち着いた調子で描いていて安定感十分。キャラがかわいく、背景が丁寧な作画も好感度が高い。ところでこの巻での注目ポイントといえば、瑞生が中学生になって、スカートをはくようになったことでしょうか。これまではジーンズとかが多かったけど、これもまた似合っててかわいい。

【単行本】「ふたつのスピカ」11巻 柳沼行 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 相変わらず地味だけどしみじみとしたストーリーを着実に展開。ストーリー展開は遅いけど、この作品で描いたいのは、たぶん「宇宙にいってどうこうする」って話でもないと思う。むしろ地上から宇宙を見上げるちっぽけな存在の中にあるかけがえのない想いを、丁寧に描き出していくほうが大切なんでしょう。ここまでは仲良くやっていた宇宙学校の仲間たちが、この後どうなっていくのかは引き続き気になるところです。

【単行本】「ちょこッとSister」7巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻は、はるまと管理人さんのラブ気配が高まるのを見つめて、苦悩する小夏を中心に展開。なんとなくおじゃま虫的な感じで登場した小夏ではあるけれど、最近はけっこうかわいそうな感じになってきていてだいぶ切ないご様子。まあそれとは対照的に、はるま&管理人さんの奥手な二人組が、じょじょに距離を縮めていく様子は初々しく、見ててほのぼのするものがあります。絵は相変わらずたいへんキレイでかわいく、各女の子キャラも見てて楽しい。それにしても最近ちょこは影が薄いなー。


12/1(金)……乞う宴会

▼12月の単行本購入予定を作成しました。毎年のことなんですが、年末はまとめて単行本・雑誌が出るのでキッツいことになりそう。とくに20日以降は怒涛の勢いですな。

 なお発売日のデータはbk1まんが王倶楽部の新刊予定を参考に作成。リンク先はAmazonのワード検索。リンク先URLはスクリプトによる自動生成なので、まだAmazonのデータベースに登録されておらず、該当物件が表示されないリンクもありますのでご了承ください。

▼12月購入予定
12/上 「ナイロン100%」 ナイロン ワニマガジン
12/4 「JIN −仁−」6巻 村上もとか 集英社
12/4 「太臓もて王サーガ」5巻 大亜門 集英社
12/6 「天然華汁さやか」1巻 佐能邦和 講談社
12/6 「アゴなしゲンとオレ物語」23巻 平本アキラ 講談社
12/8 「サナギさん」3巻 施川ユウキ 秋田書店
12/8 「めっちゃキャン」2巻 作:九十九森+画:国広あづさ 秋田書店
12/9 「百合星人ナオコサン」1巻 kashmir メディアワークス
12/9 「彼女を守る51の方法」2巻 古屋兎丸 新潮社
12/9 「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」2巻 渡辺航 新潮社
12/中 「ぶっせん新装版」下巻 三宅乱丈 太田出版
12/13 「HOT LIQUID」 高岡基文 ヒット出版社
12/15 「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」4巻 はっとりみつる 講談社
12/15 「スミレ16歳!!」2巻 永吉たける 講談社
12/15 「鉄コン筋クリート all in one」 松本大洋 小学館
12/15 「竹光侍」1巻 作:永福一成+画:松本大洋 小学館
12/16 「まなびストレート!」2巻 作:ufotable+画:たあたんちぇっく メディアワークス
12/16 「よつばと!」6巻 あずまきよひこ メディアワークス
12/16 「レモネードBOOKS」2巻 山名沢湖 竹書房
12/18 「学園アリス」12巻 樋口橘 白泉社
12/19 「ハチワンダイバー」1巻 柴田ヨクサル 集英社
12/19 「REC 6巻 花見沢Q太郎
12/19 「貧乏姉妹物語」4巻 かずといずみ 小学館
12/19 「チャイドル天使ラ・リルクル」 柿ノ本歌麿 コアマガジン
12/下 「大地獄城・血だるま力士」 平田弘史 青林工藝舎
12/20 「聖痕のクェイサー」1巻 作:吉野弘幸+画:佐藤健悦 秋田書店
12/21 「こんこんここん」1巻 コゲどんぼ ソフトバンククリエイティブ
12/21 「人でなしの恋」 沙村広明 一水社
12/21 「Yesterday,Yes a day」 岩本ナオ 小学館
12/21 「ニ代目はこすぷれーやー」1巻 甘詰留太 白泉社
12/22 「げんしけん」9巻 木尾士目 講談社
12/22 「宙のまにまに」2巻 柏原麻実 講談社
12/22 「もやしもん」4巻 石川雅之 講談社
12/22 「怪物王女」3巻 光永康則 講談社
12/22 「魔法使いのたまごたち」2巻 作:雑破業+画:石川マサキ 講談社
12/22 「イカロスの山」5巻 塀内夏子 講談社
12/22 「ムーたち」1巻 榎本俊二 講談社
12/22 「ロボとうさ吉」5巻 加藤和恵 講談社
12/25 「銀河宅配便マグロ」1巻 おおひなたごう エンターブレイン
12/25 「庭先案内」2巻 須藤真澄 エンターブレイン
12/25 「すもももももも 〜地上最強のヨメ〜」6巻 大高忍 スクウェア・エニックス
12/25 「Landreaall」9巻 おがきちか 一迅社
12/25 「エビアンワンダーREACT」2巻 おがきちか 一迅社
12/25 「塾師べんちゃん」上下巻 ビッグ錠 小学館
12/25 「発育っちゃうぞ」 ほかまみつり 茜新社
12/25 「咲 −Saki−」1巻 小林立 スクウェア・エニックス
12/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」14巻 安彦良和 角川書店
12/26 「妹ガンダム」1巻 徳光康之 
12/26 「フライングガール」2巻 笠辺哲 小学館
12/26 「ぼくらの」6巻 鬼頭莫宏 小学館
12/26 「ライドバック」7巻 カサハラテツロー 小学館
12/26 「Fine.」3巻 信濃川日出雄 小学館
12/26 「黄金のラフ 草太のスタンス」19巻 なかいま強 小学館
12/26 「」3巻 石塚真一 小学館
12/26 「PLUTO」4巻 浦沢直樹 小学館
12/26 「カムイ伝全集 カムイ外伝」4〜5巻 白土三平 小学館
12/26 「ラブごめ!」 ポン貴花田 双葉社
12/27 「最後の制服」3巻 袴田めら 芳文社
12/27 「甘くて危険な帰り道」 おがわ甘藍 松文館
12/27 「エロマンガみたいな恋しよう」 ヤスイリオスケ 晋遊舎
12/28 「かみちゃまかりんchu」2巻 コゲどんぼ 講談社
12/28 「わにとかげぎす」2巻 古谷実 講談社
12/28 「しゅごキャラ!」2巻 PEACH-PIT 講談社

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 1/1 No.1 白泉社 B5中

 肥谷圭介の読切「ベリーベリーアイラヴユー」。リストラされて路頭に迷った35歳で妻子もいるサラリーマンが、すごく怪しげな会社の就職面接に応募。よく分からん審査をくぐりぬけた先に待っていた仕事は、想いもよらないものだった。肥谷圭介のバサバサした描線による作画はけっこう特徴的で、お話のほうも風変わりでユーモアが効いている。追い詰められた妻子持ちの男が、ヤケクソで頑張る様子は楽しく読める。ホラー系も似合いそうな絵柄であるにも関わらず、お話は明るく、読後感の爽やかなお話に仕上がっている。荒削りではあるけど、けっこう面白い才能だと思う。

 川津健二朗「恋花温泉」は巻頭カラー。恋人限定ということもあり、やたら忙しい恋花温泉のクリスマスのお話を甘ったるく展開。まあいつもどおりではありますが、明るくラブラブでけっこう楽しい。TAGROによる「ひまわりっ!」漫画版は今号で最終回。元の作品のイメージを保ちつつ手堅くまとめたな、といった印象。

【雑誌】ヤングガンガン 12/15 No.24 スクウェア・エニックス B5中

 勇人「はなまる幼稚園」は毎度良いです。今回はつっちーが風邪ひいてお休みしているところに、杏が押しかけてきて世話を焼いてみちゃおうとするお話。幼稚園児がかいがいしく動き回ってる様子が実にほほえましく、杏ちゃんの天真爛漫な様子に心和みます。小林立の美少女麻雀漫画「咲−Saki−」は連載再開。高校生麻雀大会の県予選がスタート。麻雀でこんな華やかってのはないだろー、などというのは野暮。その程度のムチャをやる麻雀漫画なんざ山ほどあるのですから。とりあえず美少女がわんさか出てきて麻雀で対決という様子を素直に楽しみたいところ。個人的にはなんでもいいから巨乳な人を応援したいと思う。

 大高忍「すもももももも〜地上最強のヨメ〜」。やっぱ日常コメディのときのほうが正直楽しいなあ。今回は久々に横暴体育教師・日体大五郎が登場。ももこの意外な弱点が判明し、日体大五郎は調子に乗るが……という感じでドタバタコメディを展開。カラッと明るく賑やかで良かった。あと今回はその他大勢クラスメート女子がいっぱい出てきたのが華やかだった。

【雑誌】近代麻雀 1/1 竹書房 B5中

 今号の巻頭4コマはかかし朝浩「東風戦の間にできる麻雀クッキング」。この人はドルフィンでも麻雀関係の漫画やってたし、ハマると面白い人なんで、近代麻雀に定着してくれるとわりといいかなーという感じではあります。萩原玲二の読切「彼女、麻雀を打つ」は美人レイヤー雀師が、アキバで麻雀対決という漫画。キャラがプリキュアや真紅、モアのコスプレをしてたりして、まあある意味ズルいといえなくもない作品。真紅なんかかなりそのまんまだし。ただとりあえず目は引く。アンケートの結果しだいでは続きもあるとのこと。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 12/15 No.48 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」。喰いワンの舞台で、満太郎がかつて苦杯を呑まされた因縁の相手・ドンブリ食いの横川安男と対決。で、ネタのほうもやっぱり肉まん。今回は横川の邪道喰いが進化してるらしいので、どんな食い方をするのか楽しみ。最近あまり派手な邪道喰いが出てなかったですからのう。村生ミオ「SとM」。引き続きやたらスペクタクル。月をバックに旦那さんが空を飛んでる見開き扉とか、しょうもなさすぎて素晴らしい。今この雑誌の中では一番アツい作品だと思う。

【雑誌】コミックバンチ 1/1+5 No.1+2 新潮社 B5中

 渡辺航「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」。なんかいきなり宇宙編。いつものキャラをそのままに宇宙を舞台にしちゃうという感じ。適当なノリで突っ走っちゃうあたりは渡辺航らしくて楽しい。もっとむちゃくちゃやってもいい気もしますが、バンチだと難しいかな。能田達規「オーレ!」。中島が上総オーレを改革すべく、主要サポーターの意見を聞く。それがきっかけとなって中島が地元後援会を作るべく奔走することに。中島もだいぶクラブに入れ込むようになってきており、アツくなりつつある。今のところまだ徒手空拳って感じではあるものの、サカつく的物語に、現実味を持たせつつどれだけ盛り上げていけるか、期待したい。

【雑誌】ポプリクラブ 1月号 晋遊舎 B5中 [Amzn]

 相変わらず好感度の高いラブラブエッチ系のお話が多い。中でもBENNY’S「おなかいっぱい♥」は、同じ学校に通うイトコのお姉さんとのエッチ模様を激甘で描いており、やっぱりうまいです。年上のお姉ちゃんが甘えてくる様子がたいへんかわいくラブラブ度満点。大きなおっぱいを駆使して、パイズリだのをたっぷりいたすエッチシーンもしっかり。

 それから吉川かば夫「腹黒母さん大行進」はノリが良くて楽しい作品。息子のある男やもめと結婚して義母になった妻の人が、夫がかまってくれず、息子はヒキコモリで打ち解けてくれずということでストレスをためまくり。しょうがないので趣味のコスプレに打ち興じるが、それを息子に目撃されてしまう。しかし欲求不満が募っていた義母の人は逆ギレしてしまい、息子を押し倒してエッチに持ち込んでしまうのでした、といった感じ。カラッと明るくてドタバタした展開が楽しいし、義母のヤケクソでうかつでノリのいい性格も面白い。吉川かば夫の漫画はツボにハマったときはすごくいいですな。

 中年「おさなななじみ」は、主人公が2歳年下の妹分的おさななじみ女子に好き好きと迫られちゃって、結局一線を越えてしまうという漫画。いつもながらスッキリした絵柄が印象的。ラブラブなお話も後味がよろしーです。しぐにゃん「スペシャルなお隣さん」。ずっと憧れていたお隣の女性がファンだったエロ漫画家で、なおかつ主人公のことを好いていた……という実に都合の良いエロ漫画。でもまあその分ウハウハ感はあるので、甘ったるさを楽しむには良い案配です。


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