2006年11月下旬


11/30(木)……かるた語るか

▼すでに告知済みですが、OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。2006年12月は「家族モノ」ということで。家族関係を描いた物語、ご家庭が舞台の作品などの中で面白い作品を挙げ、それらについて語っていくという感じのアンケートです。2003年8月にも同様のテーマでやったことがありますが、アレから3年以上経っているので、ラインナップも変化してきているのではないかと。12月といえばクリスマスとか大晦日とか家族で過ごすイベントも多いですし。というわけでアンケート期間終了までおつき合いくださいませ。

 2006年11月の「女装・男装・性別転換」については締めきらせていただきました。1位になったのは大方の予想通りだったと思いますが、志村貴子「放浪息子」。ノッている作品ですし、これは順当でしょう。「らんま1/2」「ストップ!ひばりくん」といったわりと古めな作品から、「ゆびさきミルクティー」「舞-乙HiME」「ニコイチ」といった近作までいろいろ挙がってきて、なかなか多彩な顔ぶれだったのではないかと思います。いろいろ面白げな作品が多かったので、読んでない作品については時間があれば個人的にもチャレンジしてみたいところです。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 1月号 少年画報社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 石田敦子「アニメがお仕事!」。再び一人で暮らすようになって自分のやってきた仕事に迷いが生じたイチ乃だが、知らず知らずのうちに身についていたスキルに気がついて、また復活。相変わらずいろんなことにつまづいては立ち直り、またつまづくの繰り返しだけど、イチ乃たちが着実に成長している様子は見ていてたのもしいものがある。青春してて良いですなあ。大石まさる「水惑星年代記」は、子獅子さんと八分儀くんの青春ラブラブストーリーである「宇宙を向いて歩こう」シリーズの最新エピソード。今回はちょっとトラブルもあったけど、この二人のおつき合いの模様は、暖かくて爽やかに甘くてとても好き。仲睦まじい二人の様子が微笑ましいです。

【雑誌】コミックバーズ 1月号 幻冬舎コミックス B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 うめ「大東京トイボックス」。企画として入ってきた新人ねーちゃんが元気に活躍中。へこんだりもするものの、面白いゲーム作りに一生懸命になってる様子は見ててワクワクするものがある。彼女につっかかる先輩あんちゃんも出てきたけど、ラブコメモード発動もありますかね。読切、吉崎凪「真実はいつも箱の中」。登校拒否中の少女が散歩の途中で、クラスメートの男子と出会う。ともに家庭に問題を抱えた二人は、束の間心を寄せ合うが……といった感じ。ホロ苦い青春ストーリーを、品の良いスッキリした絵柄で描いた作品で、まとまってはいる。ただ雑誌の中で目立つにはちとこじんまりまとまりすぎな気もするので、何かもう一押し欲しいところではある。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/14 No.1 秋田書店 B5平

 竹下けんじろう(堅次朗)が週刊少年チャンピオンで連載開始。タイトルはズバリ「かるた」。ゲーマーとしてブイブイいわせていた主人公が、かるた部部長の女の子にケガさせてしまったことに詫びるためかるた部に入部。競技かるたにチャレンジしていくという作品。かるたという題材でどこまで面白くしていけるかは未知数だけど、竹下けんじろうらしく、部長女子と主人公の幼なじみ系女子と美少女もきっちり配備。いざとなったらナオンさんを使った盛り上げ等も期待したい。

 森繁拓真「アイボシモドキ」が復活して連載化。顔がそっくりな、弱気な男子と激強な女子が繰り広げるドタバタコメディ。読切シリーズ時は、これからラブコメ度も高まって良くなりそうだな〜という感じだったんで、続きが始まってくれてうれしい。五島慶彰「キレルくん」は最終回。ギャグのキレがけっこう良い作品だったけど、やはり広く受けるタイプの作風ではなかったか。ラストはキレルくんと、彼女であるさやかちゃんのやりとりでほのぼの締めくくり。絵はうまくないけどギャグは面白い人だったので、次回作もぜひ見てみたい。

 読切、にくぼし「彼女の僕」は、美人だけどマイペースな幼なじみの恋人に翻弄される少年のお話。8ページショートでちょっとエッチっぽいシーンもあり。まあサクッと軽く顔見せという感じでしょうか。作:高橋葉介+画:近藤豪志「私は加護女」。なんだかメイドさんやらオタクっぽい奴らとかが一斉にモンスター化している様子が、おどろおどろしく、かつ馬鹿っぽくてちょっと笑える。高橋葉介が原作だけに、ホラーっぽい中にもユーモアが効いててなかなか良い調子。

【雑誌】モーニング 12/14 No.53 講談社 B5中

 10週連続登場の新連載、伊藤静「福助」がスタート。祖母が亡くなって天涯孤独の身となり、つき合っていた相手にも見捨てられながらも妊娠中の子供を生もうとしている女性・千晶が主人公。彼女に対して祖母が残した小箱の中から、「福助」と呼ばれる不思議な神様のような少年が出てきて、千晶と仲良くなっていくが、秘かに福助を狙う存在もあって不穏な気配、という感じの第一話。まだ序盤なのでなんともいえない部分もあるが、丁寧に描き込まれた画風や真摯な作風には好感が持てる。真面目にお話を作ろうって雰囲気がうかがえる。伊藤静は2004年7/1 No.29に掲載された「49Days」(感想は2004年6月17日の日記参照のこと)もなかなかいい作品だったんで、今後にも期待したいところ。

 塀内夏子「イカロスの山」。登頂が大詰めにさしかかっている。ドラマのほうもいいけど漫画としても相変わらずうまい。三上が上に向かって手を差し出したコマを見開きの最後で見せて、「何が起こるのだろう」と思わせながら次のページをめくらせるあたり、動きの見せ方がすごくうまいなーと感心させられる。

【雑誌】ヤングサンデー 12/14 No.53 小学館 B5中

 ガーン! とがしやすたか「青春くん」が最終回になってしまった……。17年間もコレやってたってのはやっぱりスゴい。まあ最近はさすがに旬を過ぎちゃってた感はありましたけどね。なお次号から新連載開始予定らしいけど、タイトルは未定らしい。まあたぶんやることはそんなに変わるまい。

【雑誌】ヤングジャンプ 12/14 No.53 集英社 B5中

 この前、奥浩哉「め〜てるの気持ち」を1話飛ばして掲載してしまったということで、お詫びに2話分連続で掲載。でも週刊で読んでると、適度に前の内容忘れてるから、飛んでても案外気がつかないんですよね。今回のはとくに「途中の経緯を省略して見せたのかな」って感じでもあったので、さほど違和感はなかったし。あと今号には作:高嶋哲夫+画:八坂考訓「アニマート ヒーローズ」の2話めが掲載されている。このシリーズは、災害時に活躍した人のお話を一話完結でやっていくという感じなので、震災の怖さを知るというよりは、普通にヒーローものとしてカラッと読めちゃう感じ。

【雑誌】エンジェル倶楽部 1月号 エンジェル出版 B5平 [Amzn][定期購読:Fujisan

 最近のこの雑誌における注目は、なんといってもHG茶川だ。この人の特徴は何度か書いたとおり超巨乳。乳首が膝くらいまで届きそうな、巨乳も爆乳を超えて、奇乳、魔乳の領域にまで突入したものすごい乳。乳輪も手の平くらいのモンスターぶり。今回の「LAST RELATION」では、そんな恐ろしき乳をぶんぶん振り回しつつ、幼なじみラブラブ初体験モノをやっている。巨乳好きとはいえ、さすがにここまでデカいのに欲情したりはしないが、とにかくこの乳はインパクト大。そこだけで1点買いな作家さんである。そろそろ単行本出ないかな。宮崎摩耶「ベタボレ」。絵柄を萌え系にシフトしてから、すごく手堅いなあ。今回は姉モノのラブラブエッチ漫画をやっている。内容的にとくに珍しい部分はないけれども、お姉ちゃんをかわいく描いて甘ったるくお話を展開しており、きちんとまとまってる。

【単行本】「涙そうそう」 作:吉田紀子+画:山田秀樹 幻冬舎コミックス A5 [bk1][Amzn]

 コミックバーズに1〜2話が掲載されて続きを楽しみにしていた作品。「涙そうそう」というと歌のイメージが強いが、この作品がバーズに掲載されたときは、思いのほか良い作品に仕上がっていたのでけっこう驚かされた。

 お話のほうは、兄が沖縄本島に引っ越したことで離れ離れになった血のつながらない兄妹が、4年の歳月を置いて再会。高校生になってすっかりキレイに成長していた妹に兄は驚きを隠せず。その後、二人は一緒に住み始める。以前からお互いに相手を最も身近な存在としていつくしみあっていた二人だが、成長したことで男女の意識も芽生え、さらに兄には本島でできた彼女がいたこともあり、しだいにその関係はギクシャクしていくようになる。

 本作でなんといっても良いのが、漫画化を担当した山田秀樹の作画。スッキリと洗練された絵柄だが、線に力強さもあり、キラキラした輝きを感じさせる実に鮮烈で爽やかな絵柄となっている。この絵で描かれるキャラたちも魅力的で、とくに妹のカオルはハツラツとしていてフレッシュな魅力に満ちている。この娘さんが兄を「兄ィニィ」と呼んで慕う様子はなんとも愛くるしく、萌えゴコロも激しく刺激してくるものがある。

 ストーリーのほうは1〜2話はとてもいい。兄妹が一緒に暮らす日々を楽しく、鮮やかに描き出していて、青春ストーリーとして申し分のない出来。恋愛感情が募っていく様子にも心華やぐものあり。ただ単行本になって追加された3〜4話については展開を急ぎすぎな感がある。妹を自分できちんと養っていくために料理屋を開こうと頑張る兄が、悪徳業者にだまされてそれまでの開店費用を全部失ってしまうあたりまではいいのだが、その後のくだりについては急展開すぎて違和感がある。苦い展開自体はありだと思うけど、できればもうちょっとページ数を使ってお話をうまく落とし込んで欲しかったところ。

 とはいえ山田秀樹の実力については、この作品を見ただけでも十分感じ取れる。絵は一級品。キャラクターは魅力的だし、漫画的に読みづらい部分もなく、かなりイイ線をいっている。お話のフィニッシュで物足りない部分はあるものの、ぜひチェックしておきたい作家さんといえる。せっかくだからこれっきりとはいわず、何か連載とか始めてみてくれないもんでしょうか。バーズで無理ならほかのところでもいいんで。

【単行本】「おたくの娘さん」1巻 すたひろ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 すたひろBOXにて連載されていたWeb漫画がドラゴンエイジでの雑誌連載になり、単行本も刊行。なかなかかわいい絵柄でほのぼのする楽しい一作。

 お話のほうは、ずぶずぶのオタク生活一直線だった主人公の住むアパートに、ある日突然小学生の女の子が訪ねてくるところからスタート。この娘さんは、主人公が高校生のころに憧れていた先輩女子と一度だけしちゃったときにできた子供であるとの由。彼女が借金で生活が苦しくなったため、娘さんだけ主人公の元に預けるといいだし、アパートに転がり込んで来たという構図。で、主人公のほうはエロ漫画は描くわエロゲはやるわ、部屋は漫画やエロゲばかりだわということでたいへんなんだけど、一緒に暮らすうちにだんだんなじんできて、親子としての絆が構築されていく……という感じになっていく。

 てなわけでオタクのあんちゃんに、突然子供が出来ちゃったらどうなるか、という話なんだけど、これがきちんと面白い。作画はスッキリしていて暖かみもあるし、ドタバタ感とほのぼの感が共存するお話も微笑ましくて楽しい。娘さんもけっこうしっかり者でありつつ、子供らしさも残しててかわいいし。Web漫画は話題性が勝負という部分もあるので、即興性のあるネタ的漫画が多いんじゃないかと思うけど、この作品についてはきっちりホームドラマを作って見せようというタイプの作品なので、雑誌連載として読んでもまったく違和感なし。作画レベルも十分高いし、好感の持てる一作です。なおWebのほうでも1〜10話、14話でも読めるんで、どんな作品か知りたい人はそちらで試し読みしてみるとよろしいのではないかと。


11/29(水)……あかるいロウション

【雑誌】週刊少年サンデー 12/13 No.52 小学館 B5平

 井上和郎「あいこら」。前回、ハチベエと天幕さんがイチャついてるのを見て怖い顔してた弓雁ちゃんのエピソード。まあ傷心のままの状態だけれども、ちゃんと彼女を好いてくれる男子がいるんで、ちゃんとしたところに落とし込めそうではあります。やはり三角関係の敗者に別のをあてがうのは基本ですから。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/13 No.52 講談社 B5平

 新連載、作:佐々木善章+画:若松浩「マグロ一本釣り伝説 あっぱれ瞬!」。タイトルを見れば誰でも分かるとおりマグロ一本釣りを題材にした漫画。いくらなんでも少年漫画としちゃジャンルが特殊すぎるだろう……とは思うし、絵柄ももう一つ垢抜けないが、特殊ジャンルなだけにどう転ぶかよく分からん。ストレートにスポ根的展開になるか、それともヘンな方向に弾けるか。とりあえずは注目。刃森尊「格闘料理人ムサシ」は順当に最終回。なんか合間エピソードみたいなお話で終わっちゃったけど、内容が内容だっただけに仕方ない。あのどうしてもマズそうにしか見えない料理の嵐はちょっと楽しみではあったけど、まあそれで買ってくれる層は少ないでしょうしなあ。

 小林尽「スクールランブル」。播磨が天満と仲良くしてるのを見てやきもちを焼いた沢近さんが、播磨の気を引くべく、ドジっ娘的行動にチャレンジするという内容。前回ものすごく怖い顔してたんでたまにはドロドロさせるのかと思ったが、ちと拍子抜け。でもまあラブコメ的にはドタバタしてて楽しいですが。あと、はっとりみつる「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」も、あむろ&静岡さんでラブコメモードが加速してて楽しい。わりと急展開ではあるので、連載終了の前触れでなければいいなあとは思うのですが。

【雑誌】快楽天 1月号 ワニマガジン B5中 [Amzn]

 フクダーダが快楽天初登場。「16度目の季節」。同窓会で久しぶりに会ったかつての恋人同士が、その帰り道で再びエッチというお話。彼女のほうは新婚さんなんだけど、ほぼセックスレス。久しぶりで盛り上がる様子を甘酸っぱい雰囲気で描き出す。独特の暖かみとボリューム感のある絵柄でエッチもちゃんとやって、きっちりまとまっている。

 いーむす・アキ「渚の乙女達」。フタナリ女と、彼女の恋人である女子のラブストーリー。フタナリの人のほうが女の子の処女も相手にあげたいと願うが、女子であるためそれは果たせず。そこでフタナリでない側の幼なじみ男子を代役として、女の子側ののほうでもするというお話。いーむす・アキの絵柄はつるつる滑らかな質感があり、品は良いけどけっこうエッチ。女の子二人の結びつきも切なく甘く、しっとりしたものがあった。

 尾崎未来「モンスター★Complex」。すごいデカすぎるちんこのせいで、それまでつき合ってきた彼女とエッチできないままでいた男子が主役。しかし新しくできた彼女のほうも、巨乳であることにコンプレックスを抱いていたことが判明し、デカチンとデカパイ同士でジャストフィット〜ってな感じ。明るくカラッとしているけど、ちゃんと実用に供せるだけのエッチさを醸し出す作風はさすが。このほか北河トウタ、かるま龍狼、ポン貴花田、いぬぶろとったところはいつもながら安定したクオリティをキープしている。

【雑誌】COMICパピポ 1月号 フランス書院 B5中 [Amzn]

 D.P「ポコのフィットルーム」。ごしゅじんさまとたぬき娘のポコが町にお散歩に出てお買い物。ペット用の服屋さんでいろいろコスプレ衣装を着てるうちにムラムラきちゃったごしゅじんさまは、大人モード&少女モードになったポコに欲情してエッチなことをしちゃうのでした、というお話。大ポコ&中ポコがラブラブな様子もいいし、小ポコの園児服姿もかわいらしかった。大中小すべてのモードのポコが見れて満足。赤銅茉莉「彼の沸点 彼女の氷点」は、一見クールそうに見える委員長女子が、彼氏にデレデレしてる様子がなかなか微笑ましい。赤銅茉莉の丸みのある絵柄も好感度が高い。

 そしてRIKIの4コマ「ラブラブポンチ」は相変わらずぶっ飛んでて素晴らしい。ねるねるねるねみたいなお菓子を食べて、ウパとモモカがぶっ飛んでる様子が、アホらしくテンション高し。

【雑誌】コミックニャン2倶楽部GOLD Vol.1 コアマガジン B5平

 「ニャン2倶楽部」ブランドではあるけど、コミックメガストア系と同じタイプの装丁のB5平とじエロ漫画誌。「美麗愛奴育成コミック」といううたい文句となっており、調教系のお話が多め。といっても基本的には美少女コミック系の流れだけど。全体としてはものすごく調教に徹してるってほどではないものの、まずまずのメンツが揃っているし、手堅い作りという印象。

 作家陣の中で目玉はやっぱり鬼ノ仁でしょうか。「SOAP FISH」というタイトルで、肉体関係もある愛する父親のため、コスプレソープで働いている美少女さんのお話。ストーリー的な奥行きとかはないけど、エロシーンは安定してハード。華もあるので凌辱をやってても殺伐としない汁気の多さも美点。天竺浪人「精癖」は、元カレの執拗な調教のおかげもあって、精飲が癖になってしまったおねいさんのお話。二人の部屋だけでなく、屋外やレストラン、温泉など、あらゆる場所で精飲を繰り返すヒロインの姿が淫靡に描けているのがいい。観光地の顔だし写真パネルで記念撮影しながらゴックンしてたり、シュールな絵がけっこうあるのも味わい深い。

 長谷円「人妻とくこの大暴走」。まあタイトルどおり人妻モノ。気の強そうな奥さんが貪欲にエロ行為にふける。長谷円の、ちょっとかすれたようでいながら肉感的な描線は、独特の味があってけっこう好きです。作:本所吾妻橋+画:けいじえい「Desire」も人妻モノ。ぷりぷりし質感のある肉体描写が瑞々しくて好み。あと咲良「調教ちゃん」は、この雑誌の中では例外的に萌え系な絵柄。わりとハードな作品が多めな中で一服の清涼剤に。こういう作品が1本あると、雑誌全体のアクセントになるし、お口直しにもちょうどい。

【漫画執筆陣】鬼ノ仁、伊駒一平、天竺浪人、長谷円、あいこ、たかねのはな、要青豆、けいじえい、牧部かたる、星野竜一、プロフェッサー☆プラス、宇美山ミサキ、咲良 【ショート】月野定規、MINE、幸せのかたち

【雑誌】キャンドール 1/12 VOL.36 実業之日本社 B5中 [Amzn]

 相変わらず安定した誌面。飛び抜けた作品はないけど、琴の若子、あずまゆき、すずきみら、むつきとつむ、島本晴海。など、みな手堅い。今回の掲載作品の中では、出縞臣「ラブ♥サピエンス」あたりがわりと好き。虫が大好きな野外生物研究同好会所属の少年少女がエッチしちゃうという内容。ちょっと吉崎観音を思わせるような、ぷにぷに感の高い絵柄。元気が良くてボリューム感がある。ほのぼのした雰囲気も良い具合。あまなつまこと「スノウ・スウィート」は、サンタ姿の女の子がロリロリでかわいい。あと小石川ふに「加納家の事情」は女の子が擦り寄って甘えてくる姿の威力を萌え〜っとばかりに描いてて、ページ数は短いけど印象に残った。氷室カモメ「寮母さまご用心」は最終回。

【単行本】「ろーぷれ 〜ぬめりの中の小宇宙〜」 大見武士 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 ローション好きを公言する大見武士が、ローションにこだわって描いた一作。お話のほうは、ボトル入りのローションが6室構成のアパートの各部屋を転々としていき、各部屋の住人たちがローションを使って気持ちいいエッチをしちゃうというもの。1話完結なのでメインとなるキャラは各話で交代。共通項はローションということで、完全にローションが主役となっている。

 で、これがかなりエロい。女体にローションがとろーりと塗り込まれて、おっぱいやおしりなどなどが、ぬめりに包まれててらてらと輝く様子をしっかり描写。ローションのぬめりと滑りを利用して、女体が揉みしごかれているさまは、かなりグッとくるものがある。乳が根本のほうからきゅるきゅる搾られ、ぬめりできゅぽんっと手が外れてぷるぷる揺れるとか、ローションプレイならではのアクションを執拗に描いている。あとローションプレイの魅力としてはヌレスケがる。服が濡れて下着が透ける、下着が濡れて地肌が透ける転々といった点についてもしっかり押さえている。

 キャラもけっこうかわいげあり。第2話のツンデレ系めがね女上司や、第4話の人妻さんなど、どのヒロインもなかなかいい感じ。大見武士のつるんとなめらかな質感のある絵柄も上々。お話のほうはラブラブな話が多い。というかローションで気持ちいいエッチをして満足して、恋人や夫婦の仲も円満……というのが定番パターン。なので後味も良く安心してエロを楽しむことができる。ローションの質感もいいし、何よりみんなすげー気持ち良さそうにエッチに耽っているのが良いです。

 マークなしの単行本なんで局部はほぼ消されているのだけれども、この作品の場合はむしろ魅力はローションに包まれた肉体の部分なんで、局部消しはあんまり気にならず、十分にエロを堪能できた。てなわけでローション好きの方には、ぜひオススメしたい一作であります。ついでに最近はAmazonでもローションを売ってるのでペペローシヨンにでもリンクを貼ってみましょう。

【単行本】「恋するふくらみ」 うさくん 茜新社 A5 [Amzn]

 うさくん3冊め。LO単行本しては2冊め。今回は限定ぱんつBOXは付いてないが、応募者全員サービスのオリジナル女児ぱんつは用意されている。

 で、内容のほうですが、うさくん作品はやっぱりいい。うさくん独特の丸みのあるもこもこした感じの絵柄はすごくかわいげがあって、見てて楽しい。LO掲載ということで「しあわせももりんご」とは違ってわりとストレートにエロをやってる作品が多いのだけれども、毎回最終ページにちょっとしたおまけ漫画的なものがあってけっこう面白かったり、おでこフェチやらおしりぺちぺちプレイやら、なんか楽しげなことも毎回そこかしこに仕込まれているので、ただエロってだけでなく心がぱっと明るくなる。うさくん作品は、かわいいだけでなく、遊び心にあふれている点がすごくいい。なんか作者がすごく楽しそうに女の子やエロを描いているように見えるんですよ。こういう作品は、読んでいるほうもとても楽しい。


11/28(火)……はむはむとはむを食む

【雑誌】イブニング 12/12 No.24 講談社 B5中

 寺沢大介「ミスター味っ子II」。陽一がなんか見慣れた感じの料理を作ってるなーと思ったら、これ一時期流行った鳥はむじゃないすか。もうすでに旬の時期はかなり過ぎてるけど、意外なもんを取り上げてきますね。細尾大樹の読切「プーリッシュ」。町営プールの清掃員をやってる男3人のウダウダな日常を描いた作品。ある日プールに水死体が浮かんでいるのが発見され、そのおかげでプールは珍しく閑散。人死にが出たっていうのに、バカ3匹は仕事がヒマになったといって大喜びするが……。まあ死体がからむ話ではあるけど、お話は基本的に飄々としてカラっとバカっぽい。肩の力の抜けたお話作りがけっこう楽しい作品だった。なお作画的には「サトラレ」の佐藤マコトに似たような雰囲気。

【雑誌】ヤングチャンピオン 12/12 No.24 秋田書店 B5中

 読切で、作:長尾エボシ+画:いくるみかおる「はじめてのおるすばん」が掲載。父母が再婚した過程の連れ子同士、姉と弟が一緒におるすばんして戯れるという内容。というとなんだかエロスな漫画かと思うかもしれないけど、別に姉と弟でエッチしたりとかいうふうにはなりません。てか弟のほうは子供だし。ただパンツが見えたり、弟のちんちんにおもちゃの吹き矢の管がハマっちゃってとれなくなっちゃうとかいうネタはあり。お姉ちゃんもなんか巨乳でミニスカだしサービス的なカットは多め。垢抜けないけど親しみやすくて、ちょいぷにぷに感のある絵柄は好印象ありです。

【雑誌】漫画サンデー 12/12 No.47 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:みね武「艶恋師」がなんだか凄い展開になってきた……。ススキノに風俗ビルを持つスケコマ師といよいよ全面対決。その勝負のやり方が凄うて、スケコマ師が持つ全5階のビルのそれぞれのフロアに、スケコマ師配下の風俗嬢を一人ずつ配備。彼女たちを撃破して最上階にたどり着いたら、スケコマ師本人と対決するという、ブルース・リー「死亡遊戯」や、ファミコンゲームの「スパルタンX」みたいなことをやらかそうとしている。実に馬鹿馬鹿しい展開が待っていそうですごく楽しみです。

 そのほか、今号ではカサギヒロシの読切「金五郎ゆ屋番日記」が掲載。今は風呂屋の番台さんをやってるが、かつては金庫破りの名人だった老人が、かつての相棒の孫娘のために、久々にその腕を振るうというドタバタ人情コメディといったところ。この人の描く女の子には独特のかわいさがあるのでけっこう好きなんですが、一般受けするタイプでもないだけに、なかなかひとところに定着できないのは残念なところ。

【雑誌】フラワーズ 1月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 さいとうちほ「ブロンズの天使」が最終回。プーシキンが死んだ後のそれぞれの様子を、ナターリアを中心に描いていって締めくくり。この作品は、そもそもロマノフ王朝期で主人公がプーシキンっていう段階で相当にゴージャス感バリバリだったが、お話のほうも浮き沈みが激しくてたいへん面白かった。途中でプーシキン夫人が美青年貴族ダンテスと不倫関係になっていくあたりは、なんか妙にエロチックでこれもまた良かった。これだけセーブをかけずに、堂々とゴージャスなお話を展開できるというのは、かなりスゴイことだと思う。面白かった。

 萩尾望都の読切「くろいひつじ」。家族モノだがどす黒い感情が渦巻いててなかなか怖い。音楽好きでよくピアノを弾いて子供たちと歌を歌い合っていた老母が死去。その子供たちが集まって一緒に歌を歌った日々の思い出話に花を咲かせるが、一人だけ歌をうまく歌えずノリについていけなかった長男は、思い出話の間に疎外感から来るドス黒い感情を腹の中にためこんでいく。幸福なご家庭の中に潜んだ怨念をまざまざと見せつける物語には、ゾクッとするものがあった。

 江平洋巳「白いバラの乙女」。この作品はなかなか面白い。主人公の美子は、同じ学園に通うお嬢さま・月子と知り合い友達になったと思ったが、実はその友情はうわべだけのもので、傲慢で気まぐれな月子によって手ひどい裏切りに遭う。しかし美子はそんな目に遭いながらも、月子の強烈な個性と美しさに惹かれていき、さらに翻弄されてしまう……といった内容。相手が悪女であると知りつつも吸い寄せられてしまう美子、そのストレートさにときおり戸惑う月子と、奇妙な二人の関係性が緊張感たっぷりに描かれていてスリリング。江平洋巳の柔らかで上品な絵柄も、お話とよくマッチしている。これまで見た江平洋巳の作品の中では、今のところはこれが一番イイかもしれない。まあ全作品詳細に覚えてるわけじゃないし、今後の展開にもよるので「かも」としておきますが。

【雑誌】コーラス 1月号 集英社 B5平 [Amzn]

 羽海野チカ「ハチミツとクローバー」のスピンオフバージョンがスタート。要するに番外編ですな。その一発目は、山田さんにホレていた商店街若旦那連中のうちの一人、一平さんの恋の行方にスポットを当てるというもの。一平さんはなんかたいへんイイ人そうで、野宮だの真山だのよりもだいぶ好感が持てる。でもやはり色男のほうが強いのだ。というのはさておき、お話としてはわりとガチャガチャした感じだけど、一平さんと奥さんになった人のなれそめを短いページながらも暖かく描いてて、まずまず楽しく読めた。

 渡辺ペコの新連載「ラウンダバウト」がスタート。これはなかなかいい感じの出だし。漫画好きな平凡な女子中学生・真の日常を描いていく作品。第一話では彼女が、最近不調っぽいお気に入りの作家さんを励ますべく、お小遣いをためてプレゼントを送ろうとするが……といったお話。まだお話はあんまり動いてはいないけど、よりにもよってプレゼントにプロテインを選んでしまう真のキャラが微笑ましい。また彼女のクラスメート男子とのやりとりも、真はまったく意識してないけど、恋愛感情の芽生えにつながっていきそうでこちらもなかなか。ちょっと「天然コケッコー」とかは思い出すような雰囲気(田舎ってわけじゃないけど)。うまくハマれば面白くなりそうなんで、今後の展開にも期待。

 佐野未央子「君のいない楽園」。大学生になって遠距離恋愛を続けている十萌周辺の模様を描いていく。八神くんとは仲はよろしいままだが、米国にいる彼とはなかなか会うことができず、想いは募っていく……ってな感じ。だいぶこの娘さんもオンナノコになりましたなあと毎度しみじみ。

【雑誌】コミック三国志マガジン VOL.12 メディファクトリー B5平

 今号は趙雲子竜特集。昔は好きな武将だったけど、今はそんなでもないかなー。最近はキョチョとか張飛みたいな馬鹿だけど裏表のないタイプのキャラのほうが好ましく思うようになっている自分としては、賢しいイメージのある趙雲にはあまり食指が動かされなくなってはいるのですが。まあそれはともかくとして、やっぱり佐々木泉が描いていない号の三国志マガジンは個人的にはイマイチ。今号もあえて読みたいって感じの作品は残念ながら見当たらず。題材は魅力的なんだし、もう少し作りようはあると思うんですけどねえ。

【雑誌】阿ウン 1月号 ヒット出版社 B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 師走の翁「シャイ娘外伝 VI来週」はお休みということで、最終回はまたもお預け。ただ今号には付録として「シャイニング娘。」の特製コミックスカバーが付いている。しかし「3種類のうちどれか一つ」という形。まあどの絵柄かは本をめくればすぐ分かるので、コンプすること自体は難しくなさそうではありますが。

 今号で良かったのは、田倉まひろ「お嬢様3分クッキング」。高飛車でツンデレな縦巻きロール系のお嬢様が、クラスメート男子の住む寮に毎日押しかけて、破滅的な手料理を食わせまくる……というところから、まあ例によってエッチになだれ込むという寸法。前半の料理がらみのドタバタギャグや、お嬢様のちょいバカさ加減、エッチになってからのデレデレぶりとかが見てて楽しい。絵柄のほうも明るくて親しみやすく、テンポも良好で面白く読めた。

 流一本「特別授業」は、マジメで優しい小学校の女教師さんが、生徒の手によってエロエロな特別授業に参加させられることに……ってなお話。登場キャラの中では、クラスの元気者男子にからかわれて泣きべそかいてたそばかす赤毛系女子がけっこうかわいかった。この娘さんについては、ラストのほうのラブラブ展開もそれなりに微笑ましいし。


11/27(月)……ショベリバ!

【雑誌】コミックアライブ 1月号 メディアファクトリー B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 井ノ本リカ子「モモタノハナ」がとてもいいですなあ。今回は学園の文化祭のお話なのだが、主人公・桃太は、クラスの出し物で「ロミオとジュリエット」のロミオ役を演じることに。で、ジュリエットのほうは桃太が意識している女子のうちの一人、委員長の夏宮さゆりさん。劇を通じて彼女との距離が縮まっていく様子も良かったけど、もう一人意識しているお隣に住む女の子・冬野うめちゃんとも学園祭がきっかけで親密度がアップ。とりあえずどちらの女の子もかわいいし、恋愛的空気が濃厚に漂ってて実に甘ったるい。今後の展開にも期待です。今回の感じだと、うめちゃんのほうが本命になっていきそうな感じではありますが……。

 まだらさい「陰からマモル!」。山芽ちゃん登場編の後編。マモルが山芽のピンチを救ってめでたしめでたし、多角関係ラブコメは角が一つ増えました、といったところ。マモルが見せたカッコイイ姿にトキめく山芽ちゃんがかわいくて良かったです。まあここのところ、ゆうなと愛理がほとんど出てこなくて、そこらへんはいくぶん物足りなかった部分もありますが。やっぱりゆうなの天然ボケっぷりと、愛理のツンデレぶりはないとね。

 國津武士「神ぷろ。」も安定してかわいく楽しい。こちらはドタバタっぷりも見てて面白い。今回は悪魔っ娘さんが猛威を振るうが、おしまいのほうはラブラブな感じもあって良かった。あと元戦神の刀鳴ちゃんが酒飲んでノリノリになっているときの表情が、イタズラっ気たっぷりでグッド。ゴチャゴチャした展開ではあるけど読みやすいし、キャラもかわいいし。単行本1巻は1月23日発売ということで楽しみ。温泉エンジョイ部活漫画の武田みか「ゆるりずむ」は全6話で最終回。ちょうど単行本1冊にまとまる感じかな。こちらも1月発売とのこと。

【雑誌】電撃コミックガオ! 1月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 雅樹里「ef a fairy tale of the two.」(原作:御影・鏡 遊)は第1章がおしまい。紘とみやこが結ばれて恋人同士になり、紘の幼なじみ景との落とし前をつける、といった感じの締めくくり。このままだと景ちゃんがかわいそうだなあと思ったが、次号から始まる第2章は景と京介の物語ということになるようで、まあそこらへんはフォローされそうな気配。ちょっと安心。いわさきまさかず「ケメコデラックス!」は今回もきっちり楽しい。エムエムが三平太を恋愛対象として意識するようになってドキドキ……ってなお話。絵柄がきっちりしててカワイイし、ラブコメとしてもいい具合。安定して楽しめる良い作品であると思います。

【雑誌】ヤングキング 12/18 No.24 少年画報社 B5中

 森見明日「ラブ・ぽっ!」は最近動きが激しいですのう。この前は、知音が鳴門くんにキスしちゃったと思ったら、今度は鳩子先生と鳴門くんが部屋に閉じ込められて何やらいいムードに。ここ数話は千夏子部長の存在感が薄い。そろそろガッと反撃してほしいところではあります。まあそんなわけでラブコメとして非常に楽しく推移していると思うのでした。佐野タカシ「イケてる2人」もわりと良い。佐次に安西さんからメールが来てるのを見て、ヤキモチやいてしまう小泉が微笑ましかった。

【雑誌】ヤングマガジン 12/11 No.52 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。ゲンさんとショベルカーの「ショベ夫」の話を引っ張ってきた。巨大カレーの攪拌用にショベ夫が使われているのを見かねたゲンさんが、ショベ夫を強奪して逃避行。ショベルでアップルパイを作ったり、風呂にしたり、果てはオナニーまでしてしまうゲンさんの器用さに感動。それにしても最近のアゴゲンのアウトドア系のネタはキレがいいなあ。あの健康的だけどうさんくさい語り口は素晴らしい。それから今号には、恒例となりつつある村枝賢一のクリスマス読切「聖なる夜に散歩する」が掲載されている。リストラ親父がサンタ業を頑張るというお話。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/11 No.52 小学館 B5中

 山本英夫「ホムンクルス」が久しぶりに連載再開。名越がトレパネーションで開けた頭蓋骨の穴をふさごうと、伊藤に手術を依頼するが……といったところから再開後のお話はスタート。今回のエピソードでは、トレパネーションを持ちかけた当人であり、これまでは得体が知れなかった伊藤の内面に切り込んでいく話となるのかな。深い闇を抱えているっぽいキャラだし、砂の女子高生と違って物語の中核近くにいる重要人物でもある。それだけにお話としても盛り上がりそうで楽しみ。まあ問題はきちんと継続して載るかどうかですが。信濃川日出雄「fine.」。上杉への想いが破れ、自暴自棄になった斉藤さんが絶望的な道を選ぶ。彼女との物語は、かなり後味の悪い幕切れとなりそうだけど……。予断を許さない展開で先が気になります。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/11 No.52 集英社 B5平

 叶恭弘「エムゼロ」は引き続きツンデレさんキャラの観月さんが存在感をアップしてていい感じ。良くも悪くも普通の美少女タイプでしかないメインヒロインの柊さんよりも、こっちのほうが見てて楽しいのでいいかも。天野洋一「OVER TIME」、杉田尚「斬」はともに最終回。「斬」のほうはちょっとヘンな意味で話題になっちゃった作品だけど、持ってるもの自体はそう悪くないと思うんですよね。なんとなく人を惹きつけるような親しみやすさみたいなもんはあるし。でなければ話題にもならず、無視されて終わってたと思う。とりあえず技量を磨いて、なんらかの形で再チャレンジしてほしい気はする。

【雑誌】漫画ゴラクネクスター 1月号 日本文芸社 B5中

 神原則夫「エロせん」は常に変わらぬマイペース。といっても今回はいつもより多めの12ページが掲載。しかしいちおう「スペシャルバージョン」とかいってるのに、描いていることはエロせんの同僚ホテトル嬢とやって以来、不運なことばっかでストーカーに身を落としたおっさんの身の上話だけ。この飄々としたノリはやはりすばらしい。読んでると限りなくリラックスできる。


11/25(土)11/26(日)……少納言が超和んだ

【雑誌】アフタヌーン 1月号 講談社 B5平 [Amzn]

 今号には四季賞ポータブルが付属。秋のコンテストの受賞作を掲載。今回は完成度よりは、荒削りの原石的な部分を重視して選考したような印象。まず四季大賞の臼井仁志「死神」。主人公は、実は他人の死を1週間前から知ることができる能力の持ち主。その能力が彼に人生への冷徹な観念・諦念を植え付け、そこから来る捨て鉢な態度、不気味な雰囲気が周囲を恐れさせていた。しかし何が気に入ったのか、そんな彼に近づいてくる少女が現れるが、彼女もまた死に魅入られていて……。といったわけで死を身近に感じすぎてきたせいで、歪んでしまった二人の関わり合いを、この作品では描き込んでいく。作画技術はまだまだだし、クセがあって、読みやすいとはいえないものの、キャラの心理を掘り下げて一つのテーマをじっくり描き込んでいく作劇はけっこう読みごたえがある。ちょっとゴツゴツした感じの絵柄も、うまくはないのだが、こういうお話にはかえって合ってる気もする。

 四季賞・大岡智子「道のうえ」は女子耐久マラソンの選手と、そのコーチのド根性物語。こちらもうまいわけではないけど、妙な勢いと爆発力がある点は買える。池上遼一特別賞受賞の左右「その心臓を動かすものは、」は、3作の中では一番絵柄的に整ってるかな。ただその分、他の2作に比べるとインパクトが弱いかなーという気はする。

 で、本誌のほう。田中ユタカ「ミミア姫」が新連載。人が「天国」と呼ぶ雲の上の国に生まれた姫の物語。雲の上の民は皆、羽根を持っているのだが、ミミア姫は羽根も持たず「ちから」もない「神さまの子」として生まれてきた少女。その生い立ちと旅の模様を、田中ユタカらしく愛情たっぷり、泣かせ系で描いていくといった感じになりそう。あと、ちょっと設定がファンタジーすぎるのと、最初から作者のテンションが高まりすぎてる感はあり、その点で感情移入しづらそうになってるのは気になるところですが……。

 もう1本新連載。木村紺「巨娘」。こちらは素直にカラッと笑えて楽しめる作品。以前にも読切で掲載された作品で、体がデッカくてやたら豪快な女子・ジョーさんの、暴力と愛にあふれた日々を描くというほのぼのギャグ漫画。とにかくやることが豪快で、ムチャ強く、かわいい彼氏に欲情しまくったりする巨娘さんの様子が見ててなかなか楽しい。「神戸在住」とは打って変わって陽性で元気もいいお話だけど、これまたけっこう面白い。お話のテンポもいいし、キャラもユニーク。ギャグのほうの才能もあるんだなあと感心させられます。

 須藤真澄の読切「ナナナバニ・ガーデン」は、どう見てもワニである「バニ」という生き物と、バナナみたいな「ナナナ」という果物でいっぱいの「ナナナバニ園」が唯一のウリみたいな島を舞台にした、コメディ+ファンタジーといった感じのお話。須藤真澄ファンタジーとしては少々物足りないけど、まあ軽い調子でサックリ読めます。植芝理一「謎の彼女X」では、椿クンに近づいてくる後輩女子が登場。積極的でカラッと明るく、卜部さんとは正反対。でもそれもまた見てて楽しいかな。あとちょっとヤキモチ焼き気味な卜部さんの様子が、けっこうかわいくてええ感じです。

【雑誌】月刊IKKI 1月号 小学館 B5平 [Amzn][定期購読:出版社/7andyicon

 原一雄「のらみみ」。魔女っ娘型のキャラと少年のエピソードの後編。少年は、一緒に暮らすうちに彼女を一人の女の子として意識するようになってしまい、二人の関係はぎこちなくなるが……といった内容だが、このお話はとても良かった。少年の恋のほろ苦い結末を、キャラの能力が皮肉にも美しく飾り、切なくも暖かい気持ちにさせてくれる。とくにクライマックスシーンは幻想的でとても良かった。原一雄はやはりうまいです。

 青野春秋「生きる」は、自殺しようとしていた女の子と、冴えない40男が偶然出会い、それが契機となってお互いに前向きな気持ちとなっていくというお話。ペンネームからしていかにも青春系のお話という感じ。抑制の利いた飄々とした作風で、まずまず読ませてくれる。まあこの手のジャンルは、作風のかぶりが鼻につきやすいというところがあるので、後発の作者的にはちと不利ってところはあるかもしれない。でもお話としてはきっちりまとまっているし、全体的な味も悪くないので、自分ならではのものを確立していければってとこでしょうか。

 戸田誠二「美咲ヶ丘ite」シリーズ第2話「オムライスはいらない」は、元気な小学生の少年が直面した、苦い日常を描いたお話。クラスの中でイジメというほどではないけど敬遠されている大人しい男子の家での出来事などを通じて、じんわりとした周囲の抑圧、無言の強制みたいなものの息苦しさを描いた内容が印象的。派手な話ではないけど心にもやもやしたひっかかりを残していく一作。

【雑誌】少年エース 1月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 2007年3月のアニメ化に先駆けて「REIDEEN(ライディーン)」の漫画版がスタート。かつて人気を集めた「勇者ライディーン」の現代風リメイク版で、アニメ制作はProduction I.G。漫画版は烏丸匡が担当している。とりあえず最初の出だしは「新世紀エヴァンゲリオン」に近い感じかなあ。頭はいいけど、周囲と関係を持つことを嫌う、低血圧な感じの少年が主人公で、彼が不思議な力に誘われてライディーンを操ることになるといった具合。絵柄的には大岩ケンヂにちょっと近いかな。アニメ版のほうは絵はまずまずな感じだけど、Production I.Gってとこが微妙。「味のない」タイプの作品を作りがちなトコなんで。

 片岡人生+近藤一馬「交響詩篇エウレカセブン」の漫画版は最終回。アニメ版は個人的な評価は低くなっちゃったけど、漫画版はけっこう面白かったと思う。レントン少年とエウレカの関係性を主軸にしたストーリーは、アニメと比べてブレが少なく、納得の行く展開をしていたと思う。

【雑誌】ガンダムエース 1月号 角川書店 B5平 [Amzn][定期購読:出版社

 安彦良和「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」は、新章「オデッサ」編に突入。これまで「出てこないの?」といわれ続けてきたミハルも、ようやくちゃんと出てきた。お話自体はもう知ってるけど、これからどう描かれていくのか楽しみ。大和田秀樹「機動戦士ガンダムさん」は、「宇宙島のガルマくん」と「隊長のザクさん」の2本がすっかり乗っ取ってしまった感がある。それにしても今回のザクさんは不憫だ……。前回さんざん持ち上げておいて、いきなりガクンと落とす。とくにギャンちゃんはヒドいですね。

 左菱虚秋「ガンオタの女」は新連載。普段はバリバリにできる美人OLだが、実は重度のガンオタであるヒロインが、それを周囲に隠そうとして必死になるうちにどんどん墓穴を掘っていくというドタバタギャグ。展開が下らないしOLさんにも愛敬があって、まずはけっこう楽しめた。唐澤直泡(今回だけ唐沢なをき改め)「猛犬連邦軍あむくろ二等兵」は、「犬ガンダム」の特別編で「のらくろ」パロディをやっている。唐沢なをき的にはすでに何度もやってるおなじみのネタだけど、ガンダムと合わさったことでちょっと新鮮な感じに。あとこのほかでは、徳光康之「妹ガンダム」が相変わらずしょうもなくて面白かったですな。

【雑誌】コミックガム 1月号 ワニブックス B5平 [Amzn][定期購読:7andyicon

 「GR −GIANT ROBO−」の漫画版が本格連載スタート。漫画版担当は稜町しろー。アクションは派手だが、作品全体としてのインパクトは正直なところいまいち弱いかな……。泉ゆうじ「ぬいぐるみっくす♥」。今回は公太がおふろに入っているところに妹ちゃんも入ってきちゃって……という感じ。幼女の裸、ぱんつで攻めてくる作風は相変わらずまったく恥じらいがなく、明るすぎるくらい明るい。この悪びれぬぱんつ主義は、スコーンと突き抜けた馬鹿さ加減にあふれてて好きです。

 かかし朝浩の短期集中連載「平安凸凹絵巻 暴れん坊少納言」。なんか意外と萌え度が高いかも……。清少納言を「この女 いとツンデレなり」ということで、賑やかなツンデレ女子として描いていくお話は、ドタバタ感たっぷりで楽しい。また意外とやんちゃで乱暴な清少納言さんがイキイキしててかわいらしい。今後彼女のツンデレぶりがどう描かれていくのか、楽しみであります。

【雑誌】月刊少年シリウス 1月号 講談社 B5平 [Amzn]

 なんだかにわかにホラー漫画に力を入れ出してきた。今読切で作:木原浩勝+画:木静謙二「木守り」のほか、森ふみ、マツオユキタカ、大関やすただ、金子十一屋がショートホラーを執筆。新居さとし「あくはむ」、いちば仔牛「圏外です♥」、中村恵三朗「ツクコエ」もホラーがらみ。あと押切蓮介のホラーギャグ「ゆうやみ特攻隊」も連載スタートしている。

 この中で個人的に気になるのは、エロ系で活躍していた木静謙二の「木守り」。お話としてはなんだかあっさりしてる感はあるが、木静謙二は作画は達者だし落ち着いた雰囲気もあるので、エロ以外の作品にもけっこう合ってる感じ。今後もときどき非エロのほうでもやってくれるといいかな。もちろんエロのほうも描いてほしいですが。この人の描く熟女は大好きなので。あと押切蓮介「ゆうやみ特攻隊」は、凄い霊能力を持つ部長がいるという心霊探偵部に、気の弱そうな少年が入部願いするところからスタート。ギャグ色は「でろでろ」よりは低めで、その分お話重視な感じになってくるかな。すでに「でろでろ」で実績を残している人だけに安定感がある。

 あとこのほかでは、作:イダタツヒコ+画:士貴智志の新連載「×BLADE(クロスブレイド)」が連載開始。イダタツヒコは原作デビュー。主人公がトラブルに巻き込まれたさいに、1本の刀とそこから出てきた少女に出会い、バトルな日々が始まっていくというアクションもの。イダタツヒコ原作だけど、まず第1話は士貴智志のイメージのほうが強いかな?

【雑誌】ビッグコミック 12/10 No.23 小学館 B5中

 岡崎二郎「アフターゼロNeo」が掲載。今回は「ファミリーペットSUNちゃん!」が主人公のシリーズで、サンちゃんが37年前に出会った、化石好きな二人の男の末路を見届けるというもの。サンちゃんの存在感は薄かったものの、復讐劇のドラマに、化石に関する知識をからませてきっちりお話を組み立てているあたりはソツがない。


11/24(金)……拇印本

▼30日に24日の日記を書いてるというダダ遅れっぷり。毎度どうもすみません。いちおうここ数日は1日に1回ずつは更新してるので、まあ安定してるといえなくもないんですが。まあそれはともかく、OHP月極アンケート2006年11月分「男装・女装・性別転換漫画」は30日いっぱいで締切ですんで、ラストよろしくお願いします。

【雑誌】ヤングアニマル 12/8 No.23 白泉社 B5中

 若杉公徳「デトロイト・メタル・シティ」は、タワレコにおけるコラボイベントのレポート付きで巻頭カラー。本編のほうでは富士ロックみたいな謝肉祭が始まっていて、早くもDMCとフランスのバンドが激突しそうな気配。弟の俊くんも再登場してるし、いろいろ面白そう。あと今回は豚の梨元さんの活躍が楽しみ。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」は今回もこれまたなんと申しますか……。池田くんは童貞なのに、卓越したテクニックで東子ちゃんをコマシまくり。しかもそれが終わった後、高まった肉欲に悶々として、ひだりちゃんがどうのこうのいうくだりがもうたまりません。池田くんはなんかビッグすぎる。この人は将来、艶恋師にでもなるといいと思う。

 東雲太郎「キミキス」は今回もキラキラしててええですのう。甘ったるいラブコメムードがあふれだし、作画のほうもぴちぴち鮮烈。摩央にメガネをかけさせたり、トキメキ感充満。摩央姉ちゃんの表情もいちいちイイです。お話のほうはいよいよ告白しちゃうんですかね? だいぶクライマックスに近づいてきてる雰囲気だけど、けっこう短期で終わらせちゃうのかな。それとも別キャラのエピソードに持っていくのか……。とりあえず現在やってるラブコメ作品の中でも、威力はトップクラス。今後の展開も楽しみに待ちます。重野なおき「のの美捜査中!」。今回はのの美に対するストーカーが出現し、軍平が彼女をガードして、お部屋に初めて入っちゃうという内容。なんだかものすごくラブコメ度が高くてええ感じでした。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 12/8 No.24 小学館 B5中

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」がアニメ化ですか! 「TVアニメ史上最大の制作費」とかいってるけど、うーむ、どうなるんだろう。放映は2007年春からWOWOWで。金かかってるってことなら当然、ノンスクランブル枠じゃないよなあ。ウチはWOWOWは契約してないので、無料のノンスクランブル枠しか見られないんだけど、このために契約するかどうか。最近はWOWOWのスクランブル枠のアニメはけっこうあるんだけど、1シーズンにつき見たいのはせいぜい1本なんで、そのためだけに金払うのは悩むとこなんですよね。なお今号は連載のほうはお休みです。

【雑誌】週刊漫画ゴラク 12/8 No.47 日本文芸社 B5中

 土山しげる「喰いしん坊!」は羊羹勝負編決着。まあ勝敗は明らかだったけど、熊田が最後に見せた。カッコイイんだかマヌケなんだか……という感じではありますが、さすがにおいしいところかっさらいましたな。でも今回は相手が邪道喰いってほどでもなかったのがなんですが。村生ミオ「SとM」。最近の村生先生は見開きパワーがすごい。今回も主人公の顔面ドアップがすごかった。あと妻が犯されそうになっている現場へ、驚異の跳躍。どうにもスペクタクルだぜ。

【雑誌】コミックバンチ 12/8 No.52 新潮社 B5中

渡辺航「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」は新キャラのめがねっ娘さんがなかなかカワイイ。ツリ目で態度はツンケンしてるけど、ねこ好きでわりとかわいいところもあり。主人公にちょっとだけ心を許した模様で、それを照れくさがってる様子がなかなかグッド。いじりやすそうなキャラでもあるしこれからの活躍が楽しみ。

【雑誌】LaLa 1月号 白泉社 B5平 [Amzn]

 藤原ヒロ「会長はメイド様!」が巻頭カラー。今回は運動会で会長さんが、女子の権利を守るため、あらゆる競技に出まくって大活躍。しかし頑張りすぎる彼女を見かねた碓氷が助け船。ドタバタ感たっぷりで中盤まで見せて、ラストは甘ったるく締めくくり。楽しいエピソードでございました。最初のうちはコマ割りとかゴチャゴチャしててちと読みにくいなと思ってたんだけど、最近はだいぶ読みやすくなってきたし、伸びてきてる感じはします。

 田中メカの読切「月とひまわり」。これはなかなか良かった。学校の人気者である男子・赤井朝日くんのところに、ある日、超真面目な優等生タイプの女子・紺野さんが「1か月だけお試しでつきあってみる」という依頼を持ちかけてくる。赤井は本来優等生タイプは苦手なのだが、つきあっていくうちに紺野さんの面白いところ、イイところが見えてきて、だんだん本気で好きになっていってしまう。しかし紺野さんがそんな依頼をしてきたのには深刻な理由があって……といった感じでお話は展開。真面目すぎるくらいな紺野さんの行動が面白いし、ふとした瞬間に見せる表情もかわいらしい。微笑ましいいいラブコメで仕上がっております。

 津田雅美「eensy-weensyモンスター」は2話め。好きの反対は嫌いじゃなくて無関心、という感じですなあ。主役格の地味少女・モテ男子の二人は反発し合っているけど、なんかのきっかけで恋愛モードに発展していきそうな予感。ドタバタやっててけっこう楽しい。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」では、桜と正がラブラブになりそうな感じであったが、そこで三男がストップをかけようとする……ってな展開。こちらもラブが止まらないって状況で微笑ましく読んでいけます。

【単行本】「小悪魔と仔羊と子猫たち」 De 晋遊舎 A5 [Amzn]

 にゅーあきば.comでも取り上げたDeの初単行本。そちらでも述べているとおり、この人はとにかく絵がカワイイ。最近の萌え系の絵師の中では、かなりイイ線いってる作家だと思う。目とほっぺたの白の入れ方に特徴があり、スッキリしていながらちょっと淡いタッチがなかなかに面白い。女の子たちは腰が細くてお尻がちっちゃく、ボディラインがしなやか。恥じらったり甘えたり、はにゃ〜んふにゃ〜んと喘ぎまくる表情は実に萌え度が高いです。

 キャラはまあ基本的にはロリ系。といっても幼女ではなく、少女なあたり。ツンデレ系を中心に、かわいいキャラが揃ってるし、メイド、妹、スク水、ツインテール、猫耳などなど、萌えギミックもふんだんに配置してあってこちらも目に楽しい。お話のほうも基本的には女の子たちがエッチなイタズラ的なことをされて感じまくっちゃうという感じ。ラブラブで甘ったるいけど、絵柄がシャレているおかげでしつこくなりすぎない。ってなわけでなかなか良い作風の持ち主だし、安定感もありそうなんで楽しみなところであります。

【単行本】「夢のおもちゃ工場」 駕籠真太郎 三和出版 A5 [Amzn]

 駕籠真太郎らしい奇想あふれる短編集。発行元が変態モノの殿堂、三和出版だけあって、人体改造ネタ、死体いじりネタ、うんこやら痔瘻やら、なんでもオッケー。それを駕籠真太郎テイストで、軽々とナンセンスギャグとしていじりまくっているのはさすが。まあ淡々とやってる感じはあるし、駕籠真太郎作品に慣れてる人には「いつものアレ」という感じかもしれないけど、やはりこのセンスは唯一無二なんで見応えはあります。あとこの人の作品読むと思うけど、内臓だのぐちゃぐちゃな傷痕だの人体断面図だの排泄物だのを描くのが、すごくうまいですよねえ。

【単行本】「ナカダシャー」 土居坂崎 幻冬舎コミックス A5 [Amzn]

【単行本】「ボインボン」 土居坂崎 幻冬舎コミックス A5 [Amzn]

 最近「エロ絵戦士」シリーズなど、けっこうヘンなエロ漫画を描くようになってきた土居坂崎の単行本を2冊。「ナカダシャー」が11月発売の新刊、「ボインボン」は昨年の9月に出た本。個人的には最近のギャグが好きで買ったんだけど、巨乳スキーにとってはなかなかいい感じの乳を描く人なので、そちらの面でも注目。この2冊についてはギャグよりは普通なエロのほうが多く、豊満な乳がたっぷんたっぷんするさまが楽しめて、けっこう実用的。ただちょっと古めでギャグに走ってる作品については、ちょっと上滑りしてる感じがあって個人的にはもう一つかな。


11/23(木)……1本どう?

【雑誌】モーニング 12/6 No.52 講談社 B5中

 山田芳裕「へうげもの」。秀吉、左介それぞれのセックスのお話。秀吉さんの趣味がけっこうディープである様子がなかなか面白かった。さすがに山田芳裕の絵だと大金時様がお喜びになるようなものではないですけどね。かわすみひろし「プラチナ」は、連載化してからの最初のエピソードがおしまい。心温まる結婚式に仕上がってめでたし……といったところ。さすがに手堅い出来です。弘兼憲史「専務島耕作」。Nyaccoが出てきた〜。なんかものすごい勢いで人相変わってる〜。以前のNyacco編は弘兼憲史のオヤジくささが爆発した妙な味のあるエピソードだっただけに、今回もかなりワクワクしてます。

【雑誌】ヤングサンデー 12/7 No.52 小学館 B5中

 高橋留美子「1ポンドの福音」が今号から5号連続で掲載。長いこと不定期で続いてきたシリーズだけど、これが最終章になるとのこと。今回のシリーズでは、畑中が幸運にも東洋太平洋チャンピオンとのタイトル戦に挑むことになる。それに勝ったらシスターにプロポーズと意気込む畑中だが、相手となるチャンピオンはかなり異色なボクサーで……といった感じ。押しも押されもせぬベテラン作家だけに、最終章もきれいにまとめてくることでしょう。

【雑誌】ヤングジャンプ 12/7 No.52 集英社 B5中

 奥浩哉「GANTZ」がようやく連載再開。「め〜てるの気持ち」のほうも並行して進めていくらしいのでタイヘンだろうけど、「GANTZ」でガチなものを描いて、「め〜てる」でリフレッシュみたいなサイクルにできれば、作者にとってもイイんじゃないでしょうか。まあそううまく行くかは分からないけど。きたがわ翔の読切「ジンジャーさんがゆく」。女装して街を闊歩し、原宿の名物男として人気者になった主人公と、その娘さんによるファミリードラマ。お話的にはきっちりまとまってるし、ホームドラマとしてほのぼの感もあってまずまず。

 柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」。覚醒した菅田=ハチワンダイバーは、かつてその名を将棋界に轟かせた浮浪者真剣師との戦いで圧倒的な力を見せる。そして受け師さんの乳揉み権をゲット。今回は内容も面白かったけど、最終ページの柱の言葉もちょっと笑った。こばやしひよこ「おくさまは女子高生」。麻美の弱みを握った天海が、彼女に対してお仕置き調教を展開中。尻を叩いたりパンツを脱がせたり、放置&羞恥プレイをしてみたりと、なんだか若いくせにええ趣味をお持ちですなあ。というわけで今回はなかなかエロっちかった。ただこの少年に関していうならば、もったいぶらずに、とっととイッパツ決めるなりなんなりしておいたほうがいいと思う。何か事件があって、好き勝手出来なくなってからでは遅いですからのう。しかしこんなのにつき合う麻美もたいがい頭が弱いと思う。

【雑誌】キャラフル Vol.1 少年画報社 B5中

 ヤングキングの「カラフルなキャラクターに逢える新増刊」とのこと。葉月京、克・亜季の4色カラー、花見沢Q太郎の2色が目玉だけど、最近のエロ漫画雑誌のカラーイラスト構成を見てると、そんなにカラフルっていう印象はないなあ。まあ基本的には軽めのコンビニ売りエロ雑誌という感じだけど、実際にエッチまでしちゃう漫画はあまりなく、かわいい絵の人を集めてサクッと読めるエロコメをやるといったところ。

 掲載作品の中で気になったのは、中臣亮「あかは捕り物帖」。名義は違うけど、絵柄からいってこれはムサシマルと同一人物でしょう。時代劇研所属の女子高生が、十手を片手に校内の事件を解決……というお話。エッチシーンはあんまりなく、基本的には学園ドタバタもの。絵は相変わらずキレがあって美しいけど、エロがない分、ちと大人しめか。ポン貴花田「めしべおしべ」は、喫茶店でバイトが一緒の男女がくっつくというエロコメ。こちらもエロは薄いけど、明るくピチピチした絵柄で相変わらず手堅くまとめている。けっこう実用的なエロも描ける人だし、この手の雑誌の描き手としてはやっぱトップクラスでしょう。

【漫画】葉月京、克・亜樹、花見沢Q太郎、佐野タカシ、ポン貴花田、ひのき一志、堀博昭、THE SEIJI、ジェームスほたて、中村卯月、RAYMON、中臣亮
【ショート】甘詰留太、はっとりみつる、大和田秀樹、北川トウタ、麻生我等

【雑誌】純愛果実 1月号 光彩書房 A5中 [Amzn][定期購読:7andyicon

 ゼロの者「隣人注意報5」。主人公がなにくれとなくかわいがってた隣の家の女の子が、彼がその姉にかかずらわっているうちに、友人の手によってエロ調教されてしまい……という感じで暗雲ただよう展開。さてどうなりますか、と続きが気になるところなんだけど、ここで第一部・完。ぬぬ……。全然お話としてキリが良くないし、ここを区切りにする理由が思いつかないんですが。第二部もちゃんとあるんですかね? さすがにここで尻切れトンボじゃもやもやするので、ケリはなんとかつけてほしいとこですが。

 Cuvie「Rainy Girl」。雨の日は体を動かせなくてムシャクシャするというわけで、クラスメート男子とエッチすることにしてしまった女の子。そんなことを続けるうちに、雨が降るとエッチな気分になるくせが身についてしまい……といったお話。ちょっと変わった趣味の二人を描きつつも、恋愛風味を漂わせ、かつエッチもきちんと。なんかCuvie作品についてはいつもいうけど、毎回コンスタントできっちりいい仕事してます。かつ多作なところも凄い。木谷椎「ふたりの境界」。一度は離れようとしたものの、結局一線を越えてしまった兄妹の愛情物語。華やかな甘ったるい絵柄でラブラブ。

 オイスターは純愛果実初登場。「便所穴」というタイトルで、気の弱いめがねっ娘が学校で男子たちに便所として陵辱されまくるお話をやっている。女の子は学校の中で毎日所構わず犯され、何度も中絶を繰り返し、金属バットとツッコマれたりマットですまきにされたり。実に殺伐とした話で、読んでいて胸ふさがれるものはありますが、その路線で徹しきっている分、陵辱モノとしては突き抜けたモノがあって、その点は買える。

【雑誌】ドルフィン 1月号 司書房 B5中 [Amzn][定期購読:7andyicon/Fujisan

 この雑誌は相変わらず調子がイマイチですのう。今回はくどうひさしも載ってないし、天崎かんな「翔べ!爆乳キャスター 安西さん」はとくにアナウンスもなく再録だし。今号で一番面白いと思ったのは、米沢氏の通夜の日の出来事(といっても通夜そのものについては触れず)を描いてたDr.モロー「毒田モロ男のリッチな生活」、RIKIの爆裂内容なし2P漫画「ちんちん♥かもかも」なんだけど、それではさすがにエロ漫画雑誌として厳しかろう。かつての名門だけに頑張ってほしいのですが。

【単行本】「実録!関東昭和軍」1巻 田中誠 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 これはけっこう面白い。甲子園に出るためだったら暴力はなんでもあり。とにかく軍隊式の精神注入を是とし、徹底的に部員をしごきまくる高校の野球部の様子を描いていくという作品。これがもう、高校野球のくせしてさわやかミラクルってな雰囲気は全然ナシ。もうとにかく下世話で卑劣で暴力的。校長は悪徳経営のために甲子園出場を狙い、監督・コーチはボーナス目当て。グラウンド内外を問わず、部員たちは監督・コーチにぶんなぐられまくり、部員たちも上級生が下級生を鬼のようにこき使う。殴るわ蹴るわ尻バットはするわ。言葉のほうもとにかくムチャクチャで、下級生は虫以下の扱い。

 てなわけで実にムチャクチャで、「おおきく振りかぶって」みたいなさわやか青春漫画とは対極的なのだが、これがアクが強くてすごく楽しい。あとこの作品でいいのが、部員たちは人間的な扱いはされず、シゴキまくられ殴られ蹴られ、メシも満足に食えないという状況なのに、それがジメジメ陰湿な感じにはならない点。田中誠のコミカルな絵柄、軽妙な語り口のおかげで、それがきちんと笑えるギャグになってる。語りのテンポがいいのでスルスル読めるのも良いところ。

 さすがに「実録!」ってのは嘘だろうとは思いつつ、「実際の高校野球でも似たようなことはちょっとはやってるんだろうなあ」みたいなことも感じる。でも上記のようにギャグとしてやってるので、「高校野球の暗部をえぐる」「現代野球へのアンチテーゼ」みたいな重苦しさはみじんもない。なんだか「バカとバカがやってるんだからこんなもんでいっかー」「もっとやれー」と、すごく野次馬的な感覚で楽しめるのが素晴らしいです。

【単行本】「トランスルーセント 彼女は半透明」5巻 岡本一広 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 ついに最終巻。体が透明になる「透明病」にかかった女の子・白山さんと、彼女を見守り続けるちょっとバカだけど優しい少年・唯見くんの青春物語。これまでに何度も書いてきたけど、すごく爽やかで暖かな気持ちになれる、非常に読後感の良い作品。作者は初連載ということもあって絵柄的には垢抜けないのだけど、それがかえって初々しさを醸し出してて、作品全体を気持ち良いものにしてくれていた。

 まあ内容的には、途中から同じパターンの繰り返しになってしまったきらいはあります。たぶん2〜3巻くらいがちょうどいい分量だったのかもしれない。とはいえ「透明病」という題材は新鮮だったし、透明病にかかってしまったことによる心細さや悩み、苦しみを丁寧に描いた物語はたいへん好感度が高かったし、唯見くんの優しさ・素直さにも心洗われるものがあった。ラブストーリーとして見ても初々しくて微笑ましい。唯見くんに片想いしていた高飛車女子の大河内さんのほろ苦い恋模様も良い具合だった。

 といったわけで、至らない部分はあるものの、それを補って余りあるだけの魅力を持った良作でした。次回作にも期待してます。


11/22(水)……当抗菌グッズ

【雑誌】コミックハイ! 12月号 双葉社 B5平 [Amzn]

 桐原いづみ「ひとひら」がアニメ化ということで表紙&巻頭特集。2007年放映スタートとのこと。華やかになりそうでけっこう楽しみ。スタッフは監督の西森章をはじめ、「ぺとぺとさん」がらみの人が多い模様。私屋カヲル「こどものじかん」。子供である自分は、青木先生の恋愛対象にはならないのかと、りんちゃんが真剣に悩み始めるという展開。楽しい&ちょっとエッチなだけでなく、切なさもだいぶ増してきて、ラブストーリーとしても盛り上がってきた。先生との意識の開き幅も大きそうだし、今後どうなっていくのか目が離せない状況。まあこれまでも目は離していたわけじゃありませんが……。

 タカハシマコの読切「うしろの百子タン」。オカルト的なものが苦手で、それを克服するためオカルト関連ブログをやってる少年のクラスに、不気味な転校生少女がやってきて……って感じのドタバタコメディ。転校生少女も行動が突っ走っててなかなか面白いけど、少年のクラスメートで、こっそり彼に片想いしているツンツン女子がえかった。まったく素直になれない様子がいじらしくて楽しいし、空回りしまくりな行動がかわいくもある。

 かがみふみを「まちまち」は相変わらず実に微笑ましい。身長差カップルの少年少女が少しずつお互いの距離を縮めていく様子が初々しくてええですのう。安定してかわいいです。石田敦子「魔法少年マジョーリアン」は、恋愛方面がゴチャゴチャ混線中。女装ネタあり、弟のことが好きで好きでしょうがない姉もおり……といった感じで心が華やぎます。まあおねいさんのほうはなんか表情が邪だったりもいたしますが。単純に楽しいだけの作品を描く人でもないので、この後けっこうキツい展開もあるかも。そう考えるとけっこうスリリング。

【雑誌】週刊少年サンデー 12/6 No.51 小学館 B5平

 井上和郎「あいこら」。ハチベエと天幕さんが完全にラブラブ状態ですなあ。ハチベエは天幕さんの気持ちを確かめようとするが、学校の友達の手前、「なんとも思っていない」という言葉を繰り返す彼女にハチベエ落胆という展開。まあそのあとはちゃんと誤解も解けるわけですが。それにしても弓雁の最後の表情がかなり気になるところ。なんか反撃がありますかね。ドロドロした展開もたまには良かろうかと思います。若木民喜「聖結晶アルバトロス」は最終回。絵のほうは相当かわいかったんですが、お話についてはもう一つ吸引力が足らず。個人的にはいまいちピンと来ないままだった。まあ繰り返しになりますが、絵がうまいだけにちょっともったいなかったかな。

【雑誌】週刊少年マガジン 12/6 No.51 講談社 B5平

 吉河美希「ヤンキー君とメガネちゃん」はじょじょにラブコメづいてきててなかなかよい感じです。これまで恋愛とは無縁だったメガネちゃんが、恋について聞いてくるようになり、ヤンキー君のほうが意識してキョドキョドするという展開。メガネちゃんの賑やかな性格も見てて楽しいし、なんだか微笑ましい。小林尽「スクールランブル」。沢近さんの誕生日会に播磨も来て、ラブラブモードになるかと思ったら一転。サンデーの「あいこら」の弓雁ちゃんも怖かったけど、天満と仲良くしている播磨を見つめる沢近さんの迫力はそれ以上。ここからどう転がしていくのか楽しみ。あと村上よしゆき「花形」では、宿命のライバルのあの人が出てきた。と、名前を伏せてもしょうがないですな、この作品の場合。というわけで飛雄馬登場。顔の3本線もちゃんと入っているのだなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/7 No.52 秋田書店 B5平

 哲弘「椿ナイトクラブ」は学園祭編がおしまい。最後はなぜか女装してしまった茜を学校のみんなで追回し、ブルマをはかせる&そのほかをひんむく大会になってしまい、もうゴチャゴチャ。てなわけで茜の恥じらう姿がたっぷり見られて楽しかった。佐渡川凖「無敵看板娘N」。太田さんがカッコイイ……。テレビでヒーローものに関するクイズのチャンピオンになった少年が、無謀にも太田さんに挑戦。太田さんの業の深さが遺憾なく発揮される。やってることはしょうもないが、太田さんのいってること、やってること、表情には一本ビシッとスジが通っており、無駄にかっこいい。本当に無駄なところが難ですが。

 作:赤川次郎+画:冨田はじめ「三毛猫ホームズの宝探し」。このシリーズの漫画化は7/20 No.32でもいっぺん掲載されたが、今回はその第2弾。まずまず手堅く、絵も悪くはないのだが、チャンピオン掲載作品としては薄味に思えてしまう。もう少しムチャなほうがこの雑誌らしいような。ミッチェル田中「ヤンキーフィギュアnano」は久々に復活、読切掲載。ヤンキーねえちゃんがある日突然フィギュア並に小さくなってしまい、同じクラスのオタク男子と一緒に住むことになる……というドタバタコメディ。エッチっぽいサービスも旺盛で、肩が凝らずわりと楽しく読める。なお今号で細川雅巳「星のブンガ」は最終回となっている。

【雑誌】スーパージャンプ 12/13 No.24 集英社 B5中

 今号では作:城アラキ+画:画:長友健篩「バーテンダー」が良かった。バーのオーナーさんと、その旧友の仲直りを、佐々倉がバーテンダーとしてサポート。バーだけに会話劇が中心ではあるが、その中できっちりお話を盛り上げて、渋味のある人間ドラマを展開していた。けっこうジーンとくるいいエピソードだったと思う。大河原遁「王様の仕立て屋」も相変わらず好調。お気楽なシーンとシリアスなシーンの配分がうまい。今回はシリアスな方向に寄せたお話。これまでは鮮やかな手腕が目立ったオリベに痛烈な一撃。成功してばっかだと締まりがなくなるので、時折こういうふうにガツンといわせるお話があると、物語全体に緊張感が出ていいです。

【雑誌】別冊漫画ゴラク 12/17 No.555 日本文芸社 B5中

 作:倉科遼+画:池田文春「愛人形」。なんだか危険な領域に突っ込んできた〜。初っぱなから秋葉原の景色が見開きでドーン。そして「電脳マルチメディアは専門知識を有することから”オタク”といわれる人種を生み出した」「”萌え”の波は芸能界にまで押し寄せ”アキバ系”のアイドルが生まれ始めている」などと来る。この作品は主人公の人が佐賀県のメイドキャバクラで見つけた女の子を、アイドルとして仕立て上げていくという内容なので、まあそういう話が出てくるのは自然なんだけど、倉科遼の脂っこさとオタク系のネタの食い合わせがどうかというのはとても気になるところ。いきなり売り出し戦略としてネットアイドルがどうのこうのいってるし、売り出しのキーマンとして「投稿キング」とかいうカメラ小僧まで出てくるし……。どれだけ生臭い状況になっていくのか、ちょっと楽しみになってきましたよ。


11/21(火)……鼻かみ中

【雑誌】コミック電撃大王 1月号 メディアワークス/角川書店 B5平 [Amzn]

 脳みそホエホエ「夜明け前より瑠璃色な」が巻頭カラー。いつも書いてるけど、この作品は本当にいいラブコメですね。今回は告白の後、菜月&達哉がキスとか意識してちょっとぎこちなくなっちゃうけど……というお話。つき合いはじめたばかりの初々しさにあふれてて、実に楽しい。絵も相変わらずカワイイ。それにしても菜月のおともだちの翠ちゃんが今回は目立っておりましたなあ。えーとこの娘さんは達哉と菜月のどっちが好きなんですかのう。

 あらきかなお作画の「乙女はお姉さまに恋してる」もけっこうイイ調子。今回が3話め。こちらもアニメ版が放送されてますが、あちらとはまた違った魅力がある。鳴子ハナハル「かみちゅ!」は最終回。最後まで楽しくほのぼの締めくくり。鳴子ハナハルの絵はたいへん達者で、漫画版のほうもきっちりまとめた。序盤は思いのほかコマがちまちましてる感じがあったけど、最後のほうは大ゴマもきっちり使ってて気持ち良く見せられてたし。でもまあこの作品はアニメのほうが見てて気持ち良かったかな。なお今号は、「よつばと!」と「灼眼のシャナ」はお休み。

【雑誌】ビッグコミック 12月増刊号 12/17 小学館 B5中

 山本おさむ「どんぐりの家〜それから〜」は、いつもながらドスンと来る内容。聴覚障害を持つおばあさんを訪問介護するというお話だが、耳が聞こえないことで生じる、健常者には思いつきもしないような問題を生々しく描き出す。描くほうにも読むほうにも覚悟のいる作品です。

【雑誌】漫画アクション 12/5 No.23 双葉社 B5中

 国友やすゆき「新・幸せの時間」。義妹の小夜子と唐突に新幹線の中で再会した良介さん。出会ったと思ったらいきなりパツイチ決めるその絶倫ぶりに感動。今回は相手が義妹ということで発奮した良介さん。キュウリ叩きつけとは無縁の、気の入ったセックスを展開。電車内なんだし、もう少しくらい我慢しろよ……。あとそのシーンを目撃してしまったストーカーOL遠藤クンは今回もスゴいです。鬼の形相で駅弁(注:ファックではなく本当の弁当のほう)に対して割り箸をドカドカ打ちつけて、もう何がしたいのやら分からない。これぞ駅弁ひとり旅。あまりにも国友的な展開の連続に感動すら覚える。

 武富健治「鈴木先生」。今回、鈴木先生のクラスで勃発した問題はけっこうシリアス。前回は鈴木先生のレインコート&長靴フェチという思わぬ趣味に笑ってしまったが、その長靴ネタをこういうふうに引っ張ってくるとは。小川さんを巡る恋愛バトルがどう進展するかも楽しみ。この奇妙な迫力に満ちた独創的な作風は本当にスゴいです。有無をいわさず引き込まれる。

【雑誌】漫画サンデー 12/5 No.46 実業之日本社 B5中

 鬼窪浩久の新連載「恋人はYOUレイ」がスタート。女上司とつきあっている冴えないサラリーマンの家に、鏡に封印されていた、ご先祖さまを名乗る女性の幽霊が住みついてしまい……という感じでスタート。タイトルからしてこの幽霊さんが恋人状態になっていくって感じですかねえ。法田恵の読切「派遣調査いたします」は、天然系のヒロインが派遣された先の会社で事件に遭遇。なんのかんのでそこのちょっとカッコイイ上司とエッチしてしまうが……ってな内容。お話的にはアッサリしているが、まあ例によってちょっとエッチもありで手堅い内容。お話的な面白みは少ないものの、法田恵のぷにぷに絵は好きなんでまあオッケーです。

【雑誌】COMIC LO 1月号 Vol.34 茜新社 B5平 [Amzn]

 裏次郎「はらませ!」は最終回。最後まで愛情たっぷりで楽しかた。作画のほうもかわいいし、方言丸出しの妹さんがたいへん微笑ましかった。まあ孕ませネタ自体はあまり好きじゃないのですが、この作品はインモラルというよりは、まずまずギャグ的な昇華もできていたし、お話として楽しかったのでオッケーです。朝木貴行「夢中でイッちゃう♥」前編が巻頭カラー。巨乳めがねっ娘小学生との静岡さんと、彼女とつき合っている担任教師のお話。ページ数は8Pと短いものの、静岡さんはかわいいし、カラーページも華やかでエロい。まあLOなので巨乳というのは好き嫌いが分かれる部分かもしれませんが。

 鬼束直「最果ての兄妹」はタイトルどおり兄と妹のエッチ話。「北の国から」みたいな生活に憧れるオヤジさんのせいで、極寒の地で暮らしている家族という設定。スッキリとしてほんのり甘味のある絵柄は相変わらず気持ちがいいし、ラブラブかつイタズラっ気もあるお話も後味良く、読んでて楽しかった。甚六「ぼくのでぃあぶる♥」は、小学生H漫画。カラー4P含む。なめらかな絵柄が良い感じ。自分はスク水には全然興味なしだが、日焼け後については色白な部分がパッと眼に飛び込んでくるので好きです。

 mizu「あなプリ −BirthDay−」。とある小国から留学してきた小学生のお姫様が、担任教師を見初めてエッチしてだんなさんにしちゃうよーんという内容。ドタバタしていつつ甘い内容がなかなか。絵柄もぷにぷに感があって上々。ねんど。「Early Lemon」は小学生アイドルの女の子と先生(このパターン多いですな)のエッチ。LO向きにしっかり絵をかえてなじんだねんど。だけど、こちらでも毎回かわいくて手堅い。あと今月は珍しく、うさくんが巻末カラー。「結婚記念安全日」。8ページとちと短め。今回はエロだけで、いつもの最後のショートギャグみたいなのがないので、その点は少し物足りないか。うさくんの場合は、カラーであることより、ネタが練れてるほうがうれしい。


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