2002年2月下旬


2/28(木)……コミック奴隷部

▼OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。3月は「歴史モノ&時代モノ」で行きます。いちおう「史実に基づいて描かれた漫画」を対象としますが、どこからが歴史モノでどこからがそうでないかの線引きについては投票者各人にお任せします。あんまりヒネらず「歴史モノ」といって素直に頭に浮かんでくる作品の中から投票していただければ、と。

▼2月の「ギャンブル漫画」のほうは、青山広美「砂漠の勝負師バード」と福本伸行「カイジ」が1位。「砂漠の勝負師バード」全2巻(→bk1)を、買いはしたものの開催期間中に読めなかったのは不覚なり。

▼未読物
【雑誌】メロディ 4月号 白泉社 B5平
【単行本】「おつきさまのかえりみち」 三浦靖冬 ワニマガジン社 A5 [bk1]
【単行本】「坂物語り」 作:大倉らいた+画:たなか友基 角川書店 B6 [bk1]

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 新僧 Vol.5 小学館 A5平

 この増刊はすごく好きだ。毎号すごく楽しみ。新人を集めて競作させるということで、荒削りだったり面白くない作品も多いんだけど、でもそんなことはどうでもいいと思えるむんむんとくるエネルギーがある。こんなに暑っ苦しくて刺激的な本もそう多くない。新人ばっかりで原稿料も安いだろうから、ある程度の部数さえ確保できれば意外と長続きするかもね〜、ていうか末長く続けてほしい。

 今回、バカなパワー満載で気に入ったのがえなみしんいち「プロジェクトM」。平常時105cmのエノキダケのようなちんこの力で宇宙船を飛ばし、地球を救おうというバカ漫画。下らなくてダイナミックで良い。山田未来「春一番」は、女子校でパンを売っている青年とその学校の女生徒をメインにした青春漫画。これはけっこうまとまりが良く、女生徒の表情がイキイキしてていい。須田信太郎「カーツの宅配便」は、なんでも運ぶ宅配便屋を名乗るカーツという男が、大家さんの依頼を受けて地図にない村を探す。ジタバタと諦めの悪い登場人物たちの息吹がアツい。あとはやっぱりツギノツギオ「スッパニタータ」が俺にとってのこの雑誌の目玉。こんなに生臭くて濃い漫画はなかなかない。アクが強すぎ。気がつけばもう8話め。単行本出してホスぃ〜。

(執筆陣)池田圭司、えにしだ真史、中村好夫+松田望、池部純一、えなみしんいち、中目黒セイイチ、白発中也、武田豪雄、山田未来、須田信太郎、中井みそか、はのいくみ、内田健敬、瀧澤純也、水上すずり、稲井雄人、信濃川日出雄、石井貴子、ツギノツギオ

【雑誌】コミックブレイド 4月号 マッグガーデン B5平

 というわけで26日の日記でも触れたとおり新創刊。エニックス系の主力作家をぼこぼこ引っこ抜いての創刊ってことでなんかいろいろあったようだけど、ガンガンは今までほとんど読んでなかったし、その手のゴタゴタには正直あんまり興味がなし。とりあえず面白い雑誌になってくれれば。

 で、読んでみた感想だけどなんかわりと女性系の作品が多めでステンシルとよく似た印象。掲載作品については、看板の桜野みねね「守って守護月天!」を筆頭に、今まで追ってなかった作品が多いのでなんともいえないけれども、小箱とたんの4コマ「スケッチブック」がのったりしたムードでいい感じ。あと気になったのはラッキー☆リバー「殺戮!!エンゼルさん」。この人ってたぶん吉川博尉だよね。絵柄からしてもペンネームからしても(「吉=ラッキー」「川=リバー」)。ちょっと分厚すぎるし重いので毎月購入するかどうかは微妙。天野こずえ「AQUA」改め「ARIA」は単行本で追えばいいかな。あと一つか二つビビッとくる連載があればたぶん買うと思うんだけど、現在のところは様子見といったところ。

(コミックブレイド第1号執筆陣)桜野みねね、東まゆみ、黒乃奈々絵、夢野もやむ、綱島志朗、浅野りん、ラッキー☆リバー、天野こずえ、斎藤カズサ、松葉博、森永あい、藪京介、村山渉、戸土野正内郎、小箱とたん

【雑誌】ヤングキングアワーズ 4月号 少年画報社 B5中

 二宮ひかるの読切「復讐のように」が掲載。とある飲み会の帰り、主人公の部屋に同じ大学の女の子が転がり込み、そのままずるずると居候することに。二人とも意地っ張りでぶつかったりするんだけど、どこかつながっているようでもあり。恋愛的空間の微妙にくすぐったい居心地を、実に鮮やかに描いている。なんかもう職人芸とさえ感じさせるうまさ。

【雑誌】ヤングサンデー 3/14 No.13 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」は、童顔巨乳な新ライバルさんがなかなかいい感じ……と思ってたら意外な展開が。ますます賑やかになりそう。村川和宏「葉弥 HAYA!!」(原案:かくまつとむ)は今回で最終回。

【雑誌】モーニング 3/14 No.13 講談社 B5中

 ついにあの男が帰ってきた! ってほどでもないんだが、島耕作が取締役になって新連載「取締役島耕作」(弘兼憲史)がスタート。まあ別にやることは変わってません。佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」は好調。やはり生と死をダイレクトに扱う医療というテーマはこの人の作風にあってる。アツいしボリューム感もある。こういう人が雑誌の看板張れるようになるといいんだけど。山下和美「不思議な少年」が掲載。今回は深い森の中で、空を行く定期便の飛行士たちのための灯台を守る人々の話。ただ二人の若者として、武骨な男と結婚させられてしまった少女は、外の世界を夢想し続ける。不思議な少年は彼女のほのかな希望となるも、月日は瞬く間に過ぎていく……といったお話。長いスパンのお話を、一話の中に凝縮し、美しく描いていく腕前はさすが。穏やかなラストも感動的。

 業田良家「百人物語」は、沼二郎さんにスポットを当てた新連載「ひどいよ!沼二郎」としてリニューアル。流し目で次々と女性を虜にする沼二郎爺さんの魔性の魅力を描く。独特のリズムで妙な面白さ。上野顕太郎「ひまあり」は、読者から「起」「承」「転」「結」をそれぞれバラバラに募集し、ランダムにそれを選び出してつなぎ合わせて一本のお話を作ってしまうというヤケクソなコンセプト。でもなんだかんだいってそれを描いちゃうところが上野顕太郎。桝田道也「朝倉家騒動記〜わらしべ〜」。通算10回めの登場なんだそうな。今回は金に困った朝倉家当主が金策に走るというお話。わらしべ長者的な展開を予感させつつ、常に話をはぐらかし続けるトボけた味が楽しい。この人はそんなにしょっちゅう登場するわけではないけど、掲載されたときはコンスタントに面白い作品描いている気がする。倉田真由美「GoGo!イブニング」。今回は倉田真由美が国友やすゆきに会い、コッコちゃんへのムカつきを告白。しかし国友先生はその上を行く。さすがだ!

【雑誌】ヤングジャンプ 3/14 No.13 集英社 B5中

 スゴイ! 高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」。Jリーグに沢田タケシがデビューするんだけど、あまりといえばあんまりなヘアスタイルに爆笑。しかも周りがそれにまったく驚いていないのもびっくり。おおひなたごう「犬のジュース屋さん」は、3週連続集中連載の3回め。で、今回は犬猿の仲の二人の物語。ギャグでないようでギャグである、独特のセリフ回しとかすごくいい。一見面白くなさそうで面白いのが素晴らしい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/14 No.14 秋田書店 B5平

 作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー☆バン」。ショーバンが増長しまくりなのが面白い。身体がちっこい努力型の選手というと、単に謙虚な頑張り屋さんであることが多いけど、この漫画の場合すぐいい気になっちゃうあたりリアルだと思う。作:今川泰宏+画:国広あづさ「七人のナナ」。なんかすごい展開。まさかあんなコスプレをするとは。杉村麦太「吸血聖女キリエ」は最終回。このお話だともう少し重厚感が欲しかったところ。

【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中

 月野定規「おませなプティ♥アンジュ」が巻頭カラー。ノリノリなバカ漫画でありつつしっかりエロいのが素晴らしい。何度見ても摩耶ちゃんがいいなあ。ちょっと強がってるけど脆いあたり。綾瀬さとみ「ポチャポチャ天国2〜ENGAGE〜」。うひょひょ。この前も思ったけど、この人って何気にバカ漫画うまいんだなあ。恋愛漫画と時代劇が交互に展開するトリッキーな作りで最初は「なんだこりゃ?」と思ったが、読み通してみて「なるほどそういうわけか!」とポンと膝を……打たないよ〜これは。こういうの大好き。

 陽気婢「内向エロス」は、「七瀬ふたたび」の七瀬みたいに読心能力のある独身女性の旅路を追う物語。地味っぽいナリをしてるんだけどきれい。陽気婢の絵柄はもの静かにぴとっと寄り添うようで、いつも心をくすぐってくる。朔ユキ蔵「幻の人さらい」後編。後半の展開がスペクタクルで、この人らしい爆発力を感じさせる。で、次号から「少女、ギターを弾く」が再開。それからその号では、TAGROがひさびさに登場して、さらに板場広し、三浦靖冬、YUGと来る。うーん、次号のラインナップはすごく楽しみだ〜。

【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイニング娘。」シリーズの「Party Time2」は、シャイ娘。とファンが入り混じっての一大カーニバル状態。ものすごく混沌としてて大変だー。それでも槌はなんかのんびりムードだー。そしてデンジャラスKだー。今回とくにいやらしーなーと思ったのは、壱岐鞘香のおっぱいがテレビカメラにムニィと押しつけられているところ。高岡基文「まゆマテリアル」。ヒロインがコスプレすると人格も体型も変わるというジョーカー的な存在であるのに加えて、さらに淫乱な女の先輩は出すわ、巨乳めがねっ娘の同級生は出すわ。サービス精神旺盛。てんこ盛りですな。


2/27(水)……満場ウィッチ

▼昨日のサーバーダウンの原因は停電だったみたいです。でもそれは、これから人類に降りかかる災厄の前触れでしかなかったのです。

▼OHP月極アンケート2月「ギャンブル漫画」は28日いっぱいで締め切りです。投票お済みでない方ははお早めに〜。

▼未読物
【単行本】「カマキリン」 石山東吉 リイド社 B6 [bk1]
▼早売り
【雑誌】ヤングキングアワーズ 4月号 少年画報社 B5中
【雑誌】コーラス 4月号 集英社 B5平
【雑誌】阿ウン 4月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/15 No.6 小学館 B5中

【雑誌】スーパージャンプ 3/13 No.6 集英社 B5中

 村上もとか「JIN−仁−」が再開。幕末の時代にタイムスリップした現代の医師が、その医療技術を生かして世の中を変えていくという大河ロマン。今回からまたスケールが大きくなり、幕末の要人の中でも目玉的存在が登場。さすがにしっかりとした読みごたえで手堅く面白い。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/13 No.13 講談社 B5平

 巻頭カラーで、杉山まゆみ「スーパープロデューサーつんく♂物語」の「モーニング娘。デビュー編」が掲載。次回は「Loveマシーン大ブレイク編」で5月登場予定とのこと。なんかけっこう面白いなと思って読んだ俺。

【雑誌】週刊少年サンデー 3/13 No.13 小学館 B5平

 マガジンがつんくで来るならこっちはミニモニ。ですよ!とばかりにミニモニ。のグラビアを巻頭で。

 漫画では、佐藤周一郎の読切「ピー坊21」が気になるところ。腹話術の得意な婦警さんに、ピー坊21号という交通安全運動のイメージキャラクター型の腹話術人形が贈られたと思ったら、実はそれは警視庁の秘密兵器でありまして……という感じのドタバタギャグ。絵柄的にも安定感あるし、けっこうよくできてる。作:若桑一人+画:武村勇治「ダイキチの天下一商店」は集中連載終了。もしかしてこれで人気がとれてたら本格連載化とかいう「焼きたて!!ジャぱん」方式もあるのかな? あと久米田康治「かってに改蔵」の、改蔵グローバル化ネタはけっこう笑えた。

【単行本】「生きなさいキキ」1巻 ジョージ秋山 実業之日本社 A5 [bk1]

 物語はいきなりセンセーショナルに始まる。ヤクザ風の男が民家に押し入り、その家の主人の腕を長ドスで切り落とす。そして逃げようとするその女房(妊婦)を追うが、彼女は危機一髪、窓から飛び降りて近くの豚小屋に難を逃れる。しかしその場で彼女は産気づいてしまい、とりあげる者もなく赤子が生まれる。この子が本編の主人公・キキ。その後、キキの父は刑務所送りになり、残された母親は薬漬けになり体を売って生きていた。んでもってキキは豚小屋に押し込まれ、親からは虐待され学校ではイジメられるという最悪の生活を送る。内に激しいモノを抱えつつ鬱屈とした暮らしをしていたキキに転機が訪れるのが、刑務所から出てきた父の帰還。徹底的なリアリストである父のもと、キキの持って生まれた悪の素質が芽生えていく……というのが本編のストーリー。

 まああらすじを見てもらっただけでも分かると思うけど、非常に濃いお話。情念ドロドロ、恨みつらみを前面に押し出し、人間への呪いを込めて語られる物語は迫力満点。表現的にはかなりムチャクチャなところも多い。現実と回想のIN/OUTがまったく区別ないし、部屋の中で枯れ葉が舞いこがらしが吹くし、お母ちゃんはパンツはいてないし。でもなんかすごい迫力なんだよー、これ。業が深いよ。コピーの切り貼りはやたら多いし、ジョージ先生的にどのくらいの位置づけの作品なんだかよく分からないんだけど、独特の節回しにはとにかく圧倒されてしまう。キキ逝ってよし!

【単行本】「こんすとらくたーず」4巻 法田恵 少年画報社 B6 [bk1]

 安定して面白い。相変わらず梶と麻衣の間はギクシャク。麻衣は別の男と付き合っていながらも、やっぱり梶のことがどうしても気になってしまい……という様相。建設設計事務所という設定はあんまり関係なく、ちょいとHなラブストーリーとして居心地良く、刺激も適度にあって楽しく読める。とくに麻衣が、嫌とはいいつつも気持ちいいことに流されちゃう……といった風情がなんとも色っぽくて良い。

【単行本】「MとNの肖像」4巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1]

 こちらもコンスタント。相変わらず微笑ましいドタバタラブコメ。甘ーいときはもう容赦なく甘くって、コメディなときはもう止めどなく他愛ない。結論はどうやったってMとNでくっつくしかないわけなんだけど、まあやっぱり過程を楽しむってことで。

【単行本】「ANGEL WITCH」 天竺浪人 ワニマガジン社 A5 [Amzn]

 天竺浪人にしては異色の、軽めの作品を中心とした単行本。激漫でやってた日常漫画「笹暮草」も収録。この中では、行く先々で幼なじみ、学校の先生、後輩、委員長ってな具合にやりまくってる適当な男の一日を描いた「SHINE」が、ノリが良くて好き。エロ描写もいいし。この人はフェラチオ描写が近年飛躍的にうまくなったなあと思う。あと、家庭教師の女性によってマジメだった女の子が性のエキスパートとなっていく「たからもの」全3話もボリュームがあって読みごたえのある作品。「眠り姫」は意外や意外、あっま〜いラストでかなり意表を衝かれた作品。天竺浪人もこういうの描くんだなあ。まあそんなわけで、これまでの天竺浪人ファンにとってはまた新しい一面が見れたということで興味深いし、これから天竺浪人作品を読み始めようって人にも軽くて明るくてとっつきやすい作品集といえると思う。ちゃんと「たからもの」でディープめなお話も載っけていて、これから開拓していくさいの呼び水的役割も果たしているし。

【単行本】「PERFECT」 電光石火轟 シュベール出版 A5 [Amzn]

 面白い! 面白いよ、電光石火轟は。この作品は、とにかく豪快無比な男、石関宏司の爆発的な人生を痛快無比に描くなりゆき漫画である。その行動原理はあくまで俺ルール。気に入らぬ奴ばらは殴り倒し、やれそうな女を見ると、言葉巧みというか俺論理の俎上に引っ張りあげてパーンパーンとひとくさり犯し抜く。そして俺ルールが遂行されると「Perfect」とか言い残して、風のように去っていく。ラストはモー娘。的な奴らまで虜にしてしまう石関。「ペペロンチーノに精液かけたっていだろ〜!」「まあいい 好きにしろっ!!」。最高だっ。まさに嵐。まさに男。文句なんぞは受け付けない。だって彼はパーフェクトなんだから。

 あとよく知らないけど、登場人物はたいていモデルがいるみたいで、漫画家の人とかアニメーターの人とかがビシバシ登場している模様。そのあたりに詳しい人は、そういう面からもニヤニヤできるんじゃないかと。ちなみに下記のまぐろ帝國の単行本のおともだちコーナーに登場したときのコメントを見ると、電光石火轟は昔「アリオン」のころ、安彦御大の後ろの席で原画マンをやっていたとのこと。あのガンダム的な絵はやっぱりそういうことなんすね。

【単行本】「みんなといっしょ」 まぐろ帝國 シュベール出版 A5 [Amzn]

 けっこうヘンな味のある作品を描くということで、最近気になっている作家さん。ストレートなエロから、ヒネリの利いたシュールな作品まで、いろいろやってて面白い。例えば「神様がくれた一日」なんかは、自分を大事にしてくれるご主人様への思いがダッチワイフを一日だけホンモノの女の子にしてくれる……という、わりと心暖まる物語なんだけど、主人公がダッチワイフをお姫様だっこして公園を散歩してるラストシーンなんて、いい光景に見えてハタから見ればすごくアブないし。こういうことをサラリとやっちゃうとあたり、気が利いてるしなかなかうまいと思う。あと肝腎のエロシーンも肉感的で個人的にはけっこうヒット。


2/26(火)……NOCしてもしもーし

「コミックブレイド」創刊号 ▼2月26日の24時過ぎから朝5時くらいまで、picnic.toサーバーのレンタル元であるプロックスシステムデザインのネットワークオペレーションセンターの回線がイカれてたようで、アクセスができなくなってた模様です。picnic.toサーバーだけでなく、ore.toサーバーなど、プロックス系のサーバーはかなりの数が止まってたはず。何はともあれご迷惑おかけしました。

▼今月末日はこれでもかこれでもかとばかり雑誌が出るはずなので、今のうちから早売りを活用して負担の分散を図っている。おかげで今日は荷物が重かった。で、買ってきたものは以下。まみやこまし「女教師綾子2002」は、フランス書院文庫で出ていた「女教師綾子96」に、「今日はお○×△の日!!」「かっぱっぱ!!」「JOHNNYとあそぼう!!」を追加したもの。いちおうこの3本は初収録になるのかな? マッグガーデンのコミックブレイドは2月28日創刊。いきなり700ページ超、厚さ約45mmの大ボリューム。漫画の執筆陣は以下のとおり。

(コミックブレイド第1号執筆陣)桜野みねね、東まゆみ、黒乃奈々絵、夢野もやむ、綱島志朗、浅野りん、ラッキー☆リバー、天野こずえ、斎藤カズサ、松葉博、森永あい、藪京介、村山渉、戸土野正内郎、小箱とたん

▼早売り
【雑誌】コミックブレイド 4月号 マックガーデン B5平
【雑誌】快楽天 4月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】ラッツ 4月号 司書房 A5中
【雑誌】エンジェル倶楽部 4月号 エンジェル出版 B5平
【単行本】「女教師綾子2002」 まみやこまし フランス書院 B6
【単行本】「Orange」 森山塔 フランス書院 B6

【単行本】「コペルニクスの呼吸」1巻 中村明日美子 太田出版 A5 [bk1]

 ああ、これは美しい。サーカスに生まれ育ち、弟を失ったことを悔やみ続けて生きている道化師の美青年・トリノス。団長に肉体関係を強要され、虚無な日常を生きていた彼を、サーカスの客であるニッポンの外交官が身受けする……というところから始まる、美青年の懊悩を描いた物語。均質に引かれた線は艶めかしく、とても魅惑的でかっこ良い。甘美で妖艶。カッコイイだけじゃなく、物語としてもミステリアスでしっかりとした読みごたえがあるし面白い。この作品が連載されているマンガ・エロティクスFは、最近かなり有望な新鋭を輩出しているけれども、中村明日美子はその代表格。すでに世界ができているし完成度は高い。エロティクスFが隔月になっちゃうので進行が遅くなっちゃうのは残念だけど、今後の展開にも期待が高まる。

【単行本】「青春ビンタ!」2巻 私屋カヲル 少年画報社 B6 [bk1]

 この巻もすごく楽しいなあ。サービスたっぷりな学園ドタバタラブコメなのだけど、本当にドタバタしてるし、本当にサービスもたっぷり。主人公を追っかけ回す幼なじみのアミちゃんはおっぱいデカいけどバカだし、女教師はセクシーターミネーターだし、登場人物の様子は揃いも揃っておめでたい。「適度」よりもちょっと多めなサービスのおかげで、もうスルスルすーるする読める。ザッツエンターテインメント。面白いッス。

【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.22 ビブロス B5中

「カラフル萬福星」休刊号  ありゃー、休刊ですかー。というわけでコレが最終号でございます。オールCGコミックというコンセプト、それから表紙に厚めのコート紙を使用した中とじ形態と、かなり個性的な誌面を作っていた雑誌だっただけに残念。A10や春沢一の完成度の高い達者な絵柄、粟岳高弘の肌になじむ暖かみを持った妙にHくさいSFテイストなお話、けろりんの美しい彩色によるラブラブHなショートなどなど、けっこう印象深かった。最後ということで執筆陣も記録しときます。

(漫画)田中浩人、藤岡タマヱ、粟岳高弘、ロケット兄妹、大林森、呼我たかひろ、けろりん、橘セブン+NAKADO、しけたみがの、とがわはなまる、SHION、春沢一、A10、広瀬総士、井上眞改
(グラビア)オオシマヒロユキ、志崎多結、カズフミ、本町圭祐、天原埜乃、田中壱歩

【雑誌】少年エース 4月号 角川書店 B5平

 ひな。の新連載「ちま×2ぱぺっと」がスタート。めがねの内気な美少年・里見くんが主人公で。ある日、町で告白相手と待ち合わせ。でも女の子はあんまり彼のことが眼中にないようで。んでもってその様子をハラハラしながら見ていたのが、クレーンゲーム中にいた巫女さん姿のぬいぐるみ。気晴らしにゲームをやってみてそのぬいぐるみをゲットした里見くんの前に現れたのは、ぬいぐるみと同じかっこうをした女の子でした〜という具合なお話。初っぱなからぷにぷにと、プリチーなパワーが全開。面白そう。

 そして今号の巻頭カラーは竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」。今回もお下品なネタでノリノリ。単行本化? ドーンとやったったらええやないけー! ゴツボ×リュウジ「ササメケ」。ガーン。ちゃんとサッカー漫画になってる〜。オチはなんかぐちゃぐちゃとはいえ、正攻法な青春漫画としてもちゃんと面白いと思う。みんな不用意に応援するべし(そうるすと半永久的に連載が続くらしいゾ!)。大岩ケンヂ「BAMBOO」。中国の唐の時代を舞台にした剣劇アクション。絵はうまいしアクションも派手でいいんだけど、お話はちと断片的にすぎるかなー。SAA「TYPE-Rにるちゃな!」(原案:椎名丼)。めがね娘の萌えパワーと、欲情した男子の勢いがいい具合に出てて馬鹿馬鹿しくも面白い。

【雑誌】漫画アクション 3/12 No.11 双葉社 B5中

 表紙の江川達也描くところの石原莞爾が俺と似ているような気がしてならない。というわけで江川達也「2.26事件における石原莞爾」前編が掲載。2.26事件のときに石原がいかに動いたかを記す歴史ドラマ。ながしま超助「ぷるるんゼミナール」の巨乳パレードを、上空から見た図に爆笑。ヤベエ。なんか見るたびに笑っちゃう。作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」第三部完結。なんだかパートのしめくくりとしてはアッサリしているような。第四部は3月19日発売号からスタート。

【雑誌】ヤングチャンピオン 3/12 No.6 秋田書店 B5中

 作:須藤靖隆+画:蔵持賢一「俺はどしゃぶり」。進学校に新設されたアメフト部に情熱を傾けようとする教師が主役。なんかいきなり脂ギトギトなラーメンをもりもり喰ってたりして、ボリューム感あり。

【雑誌】コミックバンチ 3/12 No.13 新潮社 B5中

 世界漫画愛読者大賞エントリー作品5本めは、江口孝之「灰色の街」。検索してみたところ、この人は以前、1997年のコミックビンゴに「Home Sweet Home」という作品が掲載されたことがある模様。探偵に彼女の浮気調査を依頼した男が、現実の厳しさに涙を流しのたうち回る。青臭くてガムシャラな風味とラフな作画がマッチしている。でもこれまでのエントリー作品同様、グランプリにはやっぱり足りない気が。

【雑誌】漫画サンデー 3/12 No.10 実業之日本社 B5中

 藤峰子?そんな女は知らねえなあ。藤蜂子なら知ってるが。……ってなわけで過去日記の分の誤字は直しておきました。小田扉「マル被警察24時」。ジョージ秋山「生きなさいキキ」。怖いよキキ! 足がむちむちした女子高生のねえちゃんと風呂に入ってたと思ったら、いきなり「その声で蜥蜴くらうかほととぎす」と一言。何者だ貴様は。無残やな兜の下のきりぎりす。

【雑誌】コミック天誅 Vol.6 ホーム社 B5中

 作:東板前二+画:桑澤篤夫「華の大吉」が最終回。昏睡状態だった爺さんが復活し、ヤクザから街の公園を取り戻すというお話なのだが、「桜山一家も大吉の存在によって一つになれた… 日本にも本物の救世主が待たれる」という〆のお言葉にポカーン。あと、作:宮崎克+画:坂口いく「男たちのリベンジ」も最終回。リストラされた男たちが一念発起、大量生産では不可能な、自分たちの理想のカメラを作り上げるというお話。こちらは正統派の人間ドラマでけっこう面白かった。


2/25(月)……763314106

▼漫画製作用ソフト「ComicStudio」を出してるセルシスが、ComicStudioの無償貸し出しから導入後のアフターケアまで面倒を見る「プロ作家支援サービスプログラム」というのを始めるらしい(ニュースリリース)。開始は2月28日から。なかなか偉いかも。これからは出版社サイドも、こういう制作支援的なことにもっとお金を出していくべきなのかもしれませんな。

▼未読物
【単行本】「雲のグラデュアーレ」3巻 作:木原浩勝+画:志水アキ メディアファクトリー B6 [bk1]
【単行本】「こんすとらくたーず」4巻 法田恵 少年画報社 B6 [bk1]
【単行本】「青春ビンタ!」2巻 私屋カヲル 少年画報社 B6 [bk1:1巻/2巻
【単行本】「ゆみこ倶楽部」 町野変丸 久保書店 A5 [Amzn]
▼早売り
【単行本】「PERFECT」 電光石火轟 シュベール出版 A5平 [Amzn]
【単行本】「みんなといっしょ」 まぐろ帝國 シュベール出版 A5平 [Amzn]

【単行本】「ナルミさん愛してる」 山川直人 少年画報社 A5 [bk1]

 待ってました。すごく久しぶりの山川直人の商業誌単行本。この作品は、心優しい一人暮らしの女性ナルミさんの生活を、彼女のお気に入りのぬいぐるみの「ドミノ」が見つめるというお話。ドミノはぬいぐるみなのでもちろん口はきけないのだけど、ナルミさんの様子に一喜一憂。ナルミさんは、ドミノならずとも応援したくなる健気ないい娘さん。惚れるねえ。カケアミを駆使した画風とあいまって、非常に暖かみのある美しいファンタジーとなっている。そしてラストは、切なくて優しくて、素直に感動できる締めくくり。やっぱりこの人の作品はいいです。

【雑誌】アフタヌーン 4月号 講談社 B5平

 弐瓶勉「BLAME!」が映画化されるそうな。詳細は次号に掲載。さすがOHP月極アンケート「他メディア化したら面白そうな作品」第4位(といっても6票なんだけど)。

 四季賞2001年冬のコンテスト受賞作品2点。かわぐちかいじ賞の吉岡康二「春雨」は、田舎から出てきて一人暮らしを始める女の子の心細い気持ちを丁寧に描き出した作品。一本一本の線を丁寧に描いた作画は、垢抜けないけれど印象に残る。地味な女の子が、本当に地味に描けているのがいい。雨で湿った空気の感じもよく表せていると思う。佳作の佐原ミズ「ROBOT」。ホンモノの人間が希少になり、クローンやロボットが入り混じる未来世界を舞台に、寄るべなく暮らしている少年少女の姿を描いている。少年と少女の様子が、静と動、陰と陽といった感じのコントラストを見せる。洗練された描画で、完成度の高い一本。

 アフタヌーンシーズン増刊の看板的存在、漆原友紀「蟲師」が本誌に掲載。ちょっぴり番外編っぽくもあるかな。ネタバレしないように書くのがちと難しいのであんまり詳しいことは書かないけれども、今回も非常に端整に仕上がってる。自然の描写は美しいし、蟲とからめて人間の気持ちの動きを鮮やかに描き出している。木村紺「神戸在住」。今回は巻頭カラーでしんみりとしたいいお話。とはいえ、もうすぐ30歳、独身でフラフラしている親不孝モノにはちょっとズキッとくる。くそっ、二十歳か……。

 遠藤浩輝「EDEN」。今お話としては、エリヤとヘレナの関係がどんどん深まってるんだけど、遠藤浩輝作品であるだけに悪い予感しまくりなんですが。頑張れヘレナ。生きろ。ちなみに鬼頭莫宏「なるたる」も不吉な前振りがビシバシ。北道正幸「ぽちょむきん」。芸はあるけど今回飛ばした人多いだろうなあ。実は私も。篠房六郎「空談師」は「現実のネットで早くも話題沸騰!!」というアオリがちょっと面白いなと思った。「つまりリアルなバーチャル空間で話題沸騰の、漫画というバーチャルな空間内でバーチャルリアリティをリアルに描いた作品」というわけですな。

【雑誌】別冊ヤングサンデー 3/25 No.14

 双川直也「OKOSAMA-GUN」がいい。年端もいかないように見えて(実際8歳なのだが)、すご腕の殺し屋である少女「仔犬」ちゃんの生き様を描く。シンプルでハートウォーミングなお話でも描きそうな絵柄なんだけど、展開は何気にかなりハードボイルド。ページ数的にも読みごたえあり。面白い作風の持ち主である。再登場に期待したい。成田学「ボクのおネエちゃん」。お転婆だけど、外っ面はいい姉と、彼女にいつも悩まされている弟の絆を描いた作品。秋重学にちょっと似た爽やかな絵柄。お話も元気がいい。成田学で自分日記を検索してみたところ、エクストラビージャン1999年4/30号「ユウジ」(感想は1999年3/26の日記)、ビッグコミックスペリオール2001年2/6増刊SEX BOOK 2001(作品についての感想はなし)がヒット。

【雑誌】ヤングキング 3/18 No.16 少年画報社 B5中

 中西やすひろ「愛DON’T恋」から目が離せねぇ! というのはウソだが、ストーカー野郎の武彦が最高に最低。この脂っこさ。たまんねえ〜。なんかこの漫画読んでると、マゾヒスティックな快感がありますよ。マゾヒスティックといえば、小池田マヤ「聖★高校生」は本格的にSMを。「からだの傷なら癒せるけれど、心の痛手は癒せはしない」などと、「時の過ぎゆくままに」の歌詞を思い出したりした。小野寺浩二「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」は、寒中水泳ネタということでこちらも忍耐なんだけど素直に楽しい。そして水着。ベタなオチ。良い。ちなみに4月に単行本1巻が出るそうな。

【雑誌】ビッグコミック 3/10 No.5 小学館 B5中

 作:斎藤健次+画:青柳裕介「まぐろ土佐船」は第二部最終回。すでに青柳裕介は死去しているものの、第三部は5月17日発売のビッグコミック増刊号より、青柳プロダクションの制作で再開される予定。石ノ森章太郎「HOTEL」方式。

【雑誌】ヤングマガジン 3/11 No.13 講談社 B5中

 山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」。金田君のエロ男としての振る舞いに感服。アユちゃんのエロっぽさも素晴らしい。単行本になってほしいなあ。阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。男・石井がかなり不気味。あの舌がねえ。古谷実「ヒミズ」。そろそろクライマックスか。でもまだまだ波瀾はありそう。普通の人間のドラマであるだけに怖い。人間は容易にここまで追い込まれ得るし、救いなんかない。絶望。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/11 No.13 小学館 B5中

 のりつけ雅春「高校アフロ田中」。野郎のむさくるしさが出ていてけっこう面白いと思う。これも単行本にまとまってくれるといいのだが。江川達也「日露戦争物語」。コンスタントに面白いと思う。露悪的にならず抑制が利いているので親しみやすい。露悪的なのも好きだけどね〜。それにしても江川達也は、最近すっかり歴史漫画の人になりつつあるな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/11 No.13 集英社 B5平

 以前、「尾玉なみえ=こおろぎあぼじ」説で話題になった「少年エスパーねじめ」が連載化(参考リンク:2001年10月29日の日記)。超能力を、悪気はないけど人の迷惑なことにばっかり使っている少年・ねじめが主人公。ヘンなキャラによるクセのあるギャグワールドがこの作品でも展開されそう。期待大。河下水希「いちご100%」は連載第2回め。華やかでパンチラもしっかり。それにしても眼鏡ありなしで、そんあにわからんもんですかのう。秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。今回の両さんはちょっとかわいそう。彼は同僚に恵まれてませんな。


2/24(日)……γの納豆

▼週末ということでまた雑誌整理。久しぶりに雑誌の切り抜きにとりかかる。要切り抜きということで取り分けておいた約100冊程度を処理。残りはまだいっぱいあるけど、3時間くらいかかってさすがに疲れたので本日はここまで。長い闘いになりそうだ、ていうかまあ雑誌を買い続ける限り終わりのない闘いともいえる。

▼PDAがちょっと欲しくなっている。でも、どれも自分にとっては帯に短く襷に長い感じ。用途としては、住所録、スケジュール管理、メモ、文書作成といったところが考えられるが、住所録とスケジュール管理は今使っているPHSがわりといい具合なので必要なさそう。メモについてはなんだかんだいって紙の手帳が一番楽な気がする。今5000円を切っているPalmも悪くないが、解像度がちともの足りなかった。

 となるとPDAの用途としては、自分的には文書作成がメインになりそう。それならばやっぱりキーボードが欲しい。個人的には「普段持ち歩くなら500gが限度、できれば300gまで」と考えている。それ以上重くなると、大量の本を持ち運ぶことが多い身にはちとこたえる。シグマリオンIIはいいんだけど、キーボードの配列が著しく変則的なのが気になる。で、300g程度でキーボード付きと考えたときに、ふとポケットポストペットが思い浮かんだ。アレなら重さは315g、値段もすごく安いし(楽天で探すと4000円くらい)噂によればWindows CE化して使えるらしい。これだ、ってなわけで買っちゃいました。

 Windows CE化はココとかココを参考にしてやったら10分くらいで終了。なるほど、これはちょっとおもしろい。液晶も意外とキレイ。用途はまあ限られると思う。付属のIMEだと日本語入力がちょっとやりにくいし。当初の目的であった文書作成にはあんまり向かないかもしれないが、いちおうポケットポストペット上で動く表計算ソフトとかお絵かきソフト、ゲーム等もあるので楽しめそうな気はする。あまり使えなかったとしても、値段的にはまあ諦められないこともない。とりあえずしばらく遊んでみます。

【雑誌】アックス Vol.25 青林工藝舎 A5平 [bk1:Vol.1〜24/Vol.25

 今号はあらいあき「チュウチュウカナッコ」が載っていないけれども、全般にけっこう面白かった。たまには、ってことで漫画執筆陣も記録しときます。

 まず今回の特集は佐伯俊男。蛭子能収や米沢嘉博との対談から始まり、「情念魔我人版天才ばかぼん」「まるい月夜の孫次郎」が再録されている。昔の絵物語みたいな感じのノリと不道徳なお話で妙におかしな感触。なかなか面白さを言葉にしにくいな。猥雑なんだけど美しくもある。吉田光彦「帰ってみれば」後篇もエロティック。「うらしまたろう」を元にしたお話。下品ではないけれども、ぬったりと官能的で淫靡な世界。

 中野シズカ「シナモン」。これはええなあ。絵がすごく美しい。ときに主線を省略して、トーンの切り貼りだけでモノの形を表す作画はセンスよし。シナモンの香りを漂わせた女学校の不思議な先輩との物語。ミステリアスで美しいファンタジー。後藤友香「正義隊」。疲れたOLさんが電車の車庫の中でヘンな男と出会い、彼の遂行せんとする正義のミッションに参加していくことに。ラフな絵柄で強引にストーリーは展開。何か意味もなく使命感が漂っているあたりが面白い。福満しげゆき「子供が終る子供が泣く」は、複雑な読後感を残す作品。自分だけの隠れ家を作ってそこで遊んでいた少年と、彼と仲良くなりかけたお姉さんとの苦い思い出。ノスタルジックなんだけど、けっこうショッキング。それにしても福満しげゆきの描くおっぱいの大きな女の子は妙に色っぽい。赤らんだほっぺたがまたいい。

(漫画執筆陣)佐伯俊男、みうらじゅん、河合克夫、島田虎之介、後藤友香、三本美治虫、オカダシゲヒロ、中野シズカ、鳩山郁子、西岡兄妹、安西肇、津川聡子、福満しげゆき、萩原利夫、東陽片岡、根本敬

【単行本】「ヒドく澄んだ瞳」 秋重学 河出書房新社 A5 [bk1]

 近代麻雀ゴールド 2001年3〜5月号に掲載された「ヒドく澄んだ瞳」と、GOTTA 2000年4月号に掲載された「タンデム」を収録した作品集。「ヒドく澄んだ瞳」は、渋谷で名前を売ってるカリスマ雀士の凜、それから彼と一緒に澄んでいる弟子的存在なジョー、二人の男を中心とした麻雀青春漫画。ジョーのキャラがいまいち生きてなくて消化不良な感じはあるものの、凜は透明感のある人物としてカッコよく描けている。「タンデム」は、学校では冴えないけど外ではバイク少年として走り回っている男子と、同じ学校の女の子が、町で出会って二人乗りして海まで飛ばす。女の子のイキイキした様子が輝いている爽やかな佳作。というわけで掲載作品についてはそれぞれ満足できるんだけど、4本、漫画は120ページ程度で952円というのはちと高いのでは。

【単行本】「ウルトラヘヴン」1巻 小池桂一 エンターブレイン A5 [bk1]

 よくぞ出してくれました! むちゃくちゃカッコイイよ、この作品。舞台は退廃的な近未来。ドラッグに溺れた男の、ドラッグ漬けの生活をドラッギーに描いていくという作品。ドラッグドラッグいってるけど、この作品読んでると本当に目がぐるぐる回ってくる。小池桂一のものすごく精密でリアルな描線で描かれるトリップ体験は、めくるめくイメージの連続。お話のほうもどこからが正気でどこからがヤクによる脳内体験なのか、どんどん境界線が曖昧に、どうにもぐっちゃぐちゃになってくる。でもそういう世界を描くときにありがちな、もやもやと霧がかかったようなわけのわからんイメージにするでなく、夢とも現ともつかない光景を、これまたリアルに描き出している。ものすごく説得力ある。酒を呑みながら読んだらさぞかし酔っ払えることだろう、と思えるすごい漫画。

【単行本】「トニーの背骨はよく曲がる」1巻 鮪オーケストラ エンターブレイン A5 [bk1]

 これもよく出たなあ。恐ろしく柔らかい身体を生かして、数々の殺し屋を撃退し続ける世界最強の古本屋店員・トニーの壮絶なる人生を描く物語。漫画に登場するヒーローは数あれど、ここまで身体が柔らかい男はそういない。そして展開のあまりの破天荒さ、力強さには毎回びっくりさせられる。シンクロナイズドスイミングにより作られる、「驚天動地」の「凄まじき芸術性」の圧倒的な迫力、迫り来る殺人的なボウリングの球、奇矯なキャラの数々など、まさに奇想天外。スペクタクルの極み。アクはかなり強いと思うけれども、2巻もちゃんと出てくれることを切に願うものであります。

【単行本】「八戒の大冒険 2002 REMIX」 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1]

 「八戒の大冒険」収録作品からのチョイスと、初収録作品をごたまぜにしたリミックス版。というと新規部分は少なめに思えるかもしれないが、案外多いです。だからファンとしてはやはり買うしかあるまいという感じ。最初の「八戒の大冒険」に入ってるモノの中では「必殺フィンガーファイター」を読んで、唐沢なをきはこのころから「親指スターウォーズ」みたいなことをやってたんだなあとか思ったりした。あと新規収録作品では、唐沢なをき自画像キャラのぐるぐるや眼鏡や髪の部分で遊び倒した「うずまきくん」が面白かった。これ読んじゃうともうあのぐるぐるがいったいなんだったのか、よく分からなってくること請け合い。あと「撲殺!佐藤ちよこさん」と「空とぶ教室」は女の子がすげーかわいいなあと思ったり。

【単行本】「オトナの漫画」1巻 作:ダークマスター+画:泉晴紀 エンターブレイン A5 [bk1]

 現代の悩む大人の不思議な物語を綴った短編漫画集。プロローグ編である「ダークマスター」も収録しており、こちらのほうは原作者が狩撫麻礼で初出は1995年のヤングチャンピオン(残りはすべてコミックビーム)。全体に地味ではある。でもなんか得体の知れない不吉な感じは全編に漂ってて、不思議な読後感が残る。分かりやすいカタルシスが得られるわけでなく、何か漠然とした大人的欲求不満が、いつまでももやもやとわだかまり続ける感じ。エモーショナル。

【単行本】「ロングロングウェイホーム」 かかし朝浩 大都社 A5 [bk1]

 最初なんも考えないで読み始めたら何がなんだか分からなかった。それもそのはず、ページのめくり順は右→左方向なのに、コマの流れは左→右方向だったのだ。まあそれはともかくとして、内容としては、ベタなオタク男子の生態を赤裸々に綴った、コマゴマとした漫画を集めてきた作品集といったところ。出てくるのは同人オタだったりアニオタだったりエロゲオタだったりするわけなんだけど、なんだか読後感は妙に清々しい。悪びれることなくオタク的もろもろをギャグに昇華できているのがいい。最初のほうは確かに読みにくいのだけど、それはどっかに置いといて読んでいくと、思わぬズンとくる展開も待っていたり。この人は漫画うまいなーと、いつも思う。

【単行本】「魔男」 草津てるにょ 司書房 A5 [Amzn]

 娘の命の恩人の手で、みっちり淫らな女に仕込まれていく人妻さんを描いたエロ漫画。この人の描く女体は相変わらずとてもエロい。つるつるツヤがあって熟れ熟れで。責めも執拗で実用的にかなりいい具合にくる。反面、ストーリー面はかなりとっちらばってたりするんだけど。ところで今回の「魔男」シリーズは雑誌掲載時と比べて描き下ろされた話が2本ほどあり、その点は良い。ただ、なんだか省かれちゃってるところもある。確か奥さんが媚薬を塗られ、ノーブラでお茶屋さんの店頭に立たされるというシーンがあったはずなのだが、そこがすっぽりなくなっちゃってる。そのものズバリなシーンでこそないものの、あそこは羞恥責めでけっこう良かったのにー、などと思った。


2/23(土)……犬の従者さん

▼3月購入予定
 bk1の漫画新刊予約のページなどからピックアップしたもの。このうち、「カネヒラデスカ?」「振袖いちま」は4月25日、「吉田戦車ゲーム四コマ大全」は5月25日に延期とのこと。でもいちおう予約だけはしておく。中村明日美子「コペルニクスの呼吸」は確か今月中に出るはず。あと以下の本を注文するついでに、幸村誠インタビューと小田扉の漫画が載っているらしい「クイック・ジャパン」Vol.41も注文。「アックス」もそうだけど、書籍扱いの雑誌はネット書店で買えるから楽だ〜。コミック・ファンとかもネット書店で置いてくれると人に勧めやすいんだけどなー。

3/上 「コペルニクスの呼吸」1巻 中村明日美子 太田出版
3/上 「よいこの唄」 竹下堅次朗 コアマガジン
3/上 「瀕死のエッセイスト」 しりあがり寿 ソフトマジック
3/1 「暗黒叙情」Vol.2  一水社
3/1 「坂物語り」 作:大倉らいた+画:たなか友基 角川書店
3/1 「CRAFT」Vol.12  大洋図書
3/6 「クーデタークラブ」6巻 松本光司 講談社
3/6 「賭博破戒録カイジ」5巻 福本伸行 講談社
3/6 「NANASE」2巻 作:筒井康隆+画:山崎さやか 講談社
3/6 「エリートヤンキー三郎」9巻 阿部秀司 講談社
3/7 「七人のナナ」1巻 作:今川泰宏+画:国広あづさ 秋田書店
3/7 「しゅーまっは」4巻 伯林 秋田書店
3/7 「出張ボーイ いがりくん!」 ピロンタン ワニマガジン
3/8 「イヌっネコっジャンプ!」5巻 はっとりみつる 講談社
3/8 「女の子は特別教」 タカハシマコ コアマガジン
3/8 「いけない少女」 小川甘藍 松文館
3/8 「痛快!!マイホーム」2巻 池沢さとし 新潮社
3/8 「眠狂四郎」3巻 柳川喜弘 新潮社
3/11 「唐沢商会 マニア蔵」 唐沢商会 スタジオDNA
3/11 「自殺サークル」 古屋兎丸 ワンツーマガジン社
3/12 「独身寮空室あり」2巻 矢凪まさし 双葉社
3/12 「ぷるるんゼミナール」5巻 ながしま超助 双葉社
3/13 「ハッピーエンド」 朝倉ジョージ 講談社
3/15 「女教師綾子2002」 まみやこまし フランス書院
3/15 「Orange」 森山塔 フランス書院
3/中 「ゴールデンラッキー」1巻 榎本俊二 太田出版
3/18 「焼きたて!ジャぱん」1巻 橋口たかし 小学館
3/18 「ロケハン」 陽気婢 小学館
3/18 「軍鶏」15巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社
3/19 「警視総監アサミ」6巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
3/19 「学校の快楽」 来鈍 コアマガジン
3/20 「ななか6/17」6巻 八神健 秋田書店
3/20 「コメスタセブン」 塩崎雄二 大都社
3/22 「恋風」1巻 吉田基已 講談社
3/22 「バガボンド」13巻 井上雄彦 講談社
3/22 「ヨコハマ買い出し紀行」9巻 芦奈野ひとし 講談社
3/22 「お花畑で会いましょう」 増田剛 ぶんか社
3/22 「臥夢螺館」 福山庸治 講談社
3/22 「しりももSHAKE」 榎本俊二 講談社
3/23 「DEAD SPACE」1巻 SUEZEN 幻冬舎コミックス
3/23 「Bstreet」Vol.8  幻冬舎コミックス
3/23 「パラノイアストリート」3巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー
3/23 「魔法のエンジェルグリグリビューティ」 和六里ハル メディアファクトリー
3/25 「よみきりもの」2巻 竹本泉 エンターブレイン
3/25 「カネヒラデスカ?」 金平守人 エンターブレイン
3/25 「吉田戦車のゲーム四コマ大全」 吉田戦車 エンターブレイン
3/25 「象の怒り」 吉田戦車 エンターブレイン
3/25 「しりあがり寿の景気ばくはつ。」 しりあがり寿 エンターブレイン
3/25 「弥次喜多 in DEEP」7巻 しりあがり寿 エンターブレイン
3/25 「振袖いちま」1巻 須藤真澄 エンターブレイン
3/25 「マフィアとルアー」 TAGRO スタジオDNA
3/28 「ORANGE」2巻 能田達規 秋田書店
3/28 「エイケン」4巻 松山せいじ 秋田書店
3/29 「穴があいてる」 うらまっく 実業之日本社
3/29 「藍より青し」8巻 文月晃 白泉社
3/29 「ハネムーンサラダ」5巻 二宮ひかる 白泉社
3/30 「龍」30巻 村上もとか 小学館
3/30 「花園メリーゴーランド」3巻 柏木ハルコ 小学館
3/30 「MOONLIGHT MILE」3巻 太田垣康男 小学館
3/30 「まぐろ土佐船」2巻 作:斎藤健次+画:青柳裕介 小学館
3/30 「Dogma Erotica」 牧部かたる ヒット出版社
3/下 「命」 竹下堅次朗 河出書房新社
3/下 「ウオの目くんパーフェクトコレクション」1巻 山野一 青林堂
3/下 「児嶋都作品集」2巻 児嶋都 ソフトマジック
3/下 「タイトル未定」 かかし朝浩 FOX出版
3/下 「町田ホテル」 町田ひらく 太田出版
3/下 「山本直樹エロティック短編集(仮)」 山本直樹 太田出版

【単行本】「蟲師」2巻 漆原友紀 講談社 B6 [bk1]

 この巻もいいです。普通の人には見ることができないけれど、自然界に存在していてさまざまな怪異を引き起こしたりする「蟲」。この蟲という存在が、あくまで自然現象であるのがいい。「人間に敵対する邪悪な意思の塊」とかそんなんでないところが。蟲とはいいつつも、非常に植物っぽい感じがする。で、その蟲たちが原因となって引き起こされる物語を、非常に丁寧に美しく描いている。西洋的でなく、あくまで和風なファンタジー。とくに蟲たちの怪異を文字に記し続けている少女の出てくる「筆の海」が印象的。文字というものをああいうふうに扱うというのはかなり新鮮だった。

【単行本】「犬のジュース屋さん」1巻 おおひなたごう 集英社 B6 [bk1]

 おおひなたごうってなかなかギャグが枯れないなあ。というか年々洗練されて良くなってきているような気がする。このお話の主人公は犬をミキサーにかけてジュースにして売っている変態……ではなくて、野球場の一二塁間でジュース屋さんを営んでいる犬さん(しまった、主「人」公じゃないじゃん)。ライバルのクマさんと勝負したり、相棒の立体君にツッコミを入れられたりしながら、犬さんの日常がまったり展開。スゴく面白いネタをやってたりするのに、それを目立たせようとしないでさりげなく埋め込んでいるのが心憎い。

【単行本】「ネコの王」2巻 小野敏洋 小学館 B6 [bk1]

 女の子。パンツ。そして猫。小野敏洋の絵柄は滑らかで華やかですごくキャッチー。今回は委員長がすごくサービスもたっぷりで素晴らしい。収録されている中では、ブルマーをたくさん集めて魔法をかける敵が出てくる「禁断魔法!!」の回が最大の見どころでしょう。バカなことやってるけど、この人の場合は突き抜けてるから気持ちいいッス。

【単行本】「イエスタデイをうたって」3巻 冬目景 集英社 B6 [bk1]

 今冬目景がやってる作品の中ではこれが一番好き。しっかり青春してる。恋に悩んだり、これからの行く末について考えてみたり。ハルの高校時代の同級生で、リクオをライバル視する恋敵も出てきて状況は混沌。考えてみると、これ、例えばあだち充が同じもの描いてたら単純に「ラブコメ」といって差し支えないんじゃないかと思う。基本的には三角関係的なものから始まって、どんどん角数が増えていくという展開だし。でも冬目景の絵だと「ラブコメ」「ラブストーリー」というより、「青春漫画」といったほうがしっくりくる。絵の効果ってデカいなあ。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 4月号 竹書房 B5中

 福本伸行「天」が最終回。わりと穏やかに終了。新連載、カサギヒロシ「あげマン鳳凰記」は、新興宗教の教祖の弟子が、股間に鳳凰を持つあげマン女を探して全国麻雀行脚に出るというなんだかよくわからんお話。でもカサギヒロシらしい暑っくるしさは出てていいんじゃないだろうか。カサギヒロシは実はけっこう好きな作家さんなので頑張っていただきたい。でも麻雀の面白みが出る漫画にはなりそうにない感じ。新連載もいっちょ。金井たつお「THAT’S まくりDEロン」(原作:南条一寛)は、「われめDEポン」みたいな番組のアシスタントをやってる女子アナの女の子が、なんにも知らないようなフリして実はバカ強で、不心得な芸能人をズタボロにしてしまうという話。こういうお話は実は嫌いじゃなかったりするけど脱力はしますな。

【雑誌】LaLa 4月号 白泉社 B5平

 若生まさみ「おまけの小林クン」。う〜ん、ハッピー・バレンタインですなあ。なんかすごく楽しげで良い。微笑ましいじゃありませんか。もうバレンタインじゃないけれども、なかじ有紀「ビーナスは片想い」も相変わらずほのぼのアツアツ。津田雅美「彼氏彼女の事情」。キツい展開だけれども、有馬暗黒面編はスリリンングで面白い。筑波さくら「目隠しの国」も並木の内面に踏み込みつつ、きれいにお話をまとめている。雑誌全般に高値安定という印象。

【雑誌】恋愛天国 VOL.2 竹書房 A5平

 厚出のH多めの少女漫画本。池部ハナ子、大久保ニューに加えて、今号は東雲水生、中田ゆみも登場。掲載陣の中でとくにいいなと思ったのは、雛木しずか「スイートラバーズ」。繊細なタッチで、なかなか見目の良い、端整な絵を描く人。中田ゆみ「内緒のバージンブレイク」と東雲水生「無敵のダーリン!」は、男性系でも描いている人だけあって、ピチピチ瑞々しく男であるミーにとってはわりと読みやすかった。池部ハナ子「トモダチのミチ」は幼なじみの男女がHしちゃうというお話だけど、それぞれに別の彼女彼氏がいて、浮気というんではなしにHをする。インモラルな感じはなく、あくまで清々しく描けているのがいいと思う。

 それはそうと、この雑誌は巻末アンケートが4ページもあるのだが、Q17が「アナタのカンじる部分はどこ?そこをどんな風に愛撫されたい?(髪、耳、唇、首、胸、乳首、指の間、背中、おヘソ、クリトリス、膣、アナル…など」で、Q18「バイブなどの道具って使ったコトある?どんなのを使ってみたい?」とくる。赤裸々だ。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中

 安定しまくってるのであんまり書くことはなし。かたぎりわかなの4コマ1本が主な目当てだけど、そのほかの作品もしっかりしてる。ただ、みずしな孝之「幕張サボテンキャンパス」が、ヒキの強い展開をしておきながら「つづきはまんがくらぶ4月号で」というのはなんともかんとも。


2/22(金)……黄色い木

▼珍しく一生懸命仕事してたらちかれたー。あと本が重かったというのも。bk1の漫画新刊予約のページが3月分になっていたけど、買い物リストを作る気力がなかったので、明日の更新時にでも。そういえば、新文化によるとbk1は2月25日からコンビニでの料金後払いサービスを開始するそうな。これは便利かも。クレジットカードなくても買い物できるし。あとはエロ系の本をもっと置いてくれればなあ。

▼未読物
【単行本】「えの素」6巻 榎本俊二 講談社 A5 [bk1]
【単行本】「クロ號」3巻 杉作 講談社 A5 [bk1]
【単行本】「THE END」2巻 真鍋昌平 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「坂口尚短編集4 きずな」 坂口尚 チクマ秀版社 A5 [bk1]
【単行本】「ロングロングウェイホーム」 かかし朝浩 大都社 A5 [bk1]
【単行本】「バード」全2巻 青山広美 竹書房 B6 [bk1]
【単行本】「あまいぞ!男吾 弐 ぶっとび中学生編」 Moo.念平 英知出版 B6 [bk1]
【単行本】「あまいぞ!男吾 参 がむしゃら青春編」 Moo.念平 英知出版 B6 [bk1]
▼早売り物件
【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.22 ビブロス B5中

【単行本】「黄色い本」 高野文子 講談社 A5 [bk1]

 たしか6年ぶりだったっけか、の単行本。これがまた実に素晴らしい。表現は自然体で片肘張ってないけれども、洗練された冴えを至る所から感じさせる。賢しい感じじゃなくて、本当に作家さんの身についたものがスゥッと出てきているような。今回の収録作品は「黄色い本−ジャック・チボーという名の友人−」「CLOUDY WEDNESDAY」「マヨネーズ」「二の二の六」。どれも軽やかで素晴らしいのだけど、とくに「黄色い本」には惚れ惚れしてしまう。「チボー家の人々」を読む女学生の日常を追うというお話なんだけど、「本に熱中している人」の感覚をこれだけきれいに描き出した作品ってほかにあんまりないんじゃないかな。日常は日常で普通に送っているんだけど、ふとした拍子に本の中の言葉がオーバーラップして空想に浸る。それはふとした拍子に破られて普通の生活が営まれ、そしてまた本に向かい合ってはまり込む。わざとらしいところのまったくない表現がまた実に素晴らしい。特別だけれども、同時に日常でもある「読書体験」ってものをすごくよく表せていると思う。まったく良いモノを読ませていただきました。

【単行本】「大合作」 トニーたけざきほか 講談社 A5 [bk1]

 いやーこんなに「混沌」という言葉が似つかわしい本も珍しい。アフタヌーンの作家がどさどさ参加。総勢74名。ストーリーは当然のことながらぐちゃぐちゃ。だけどまさにお祭り騒ぎ。ええじゃないかええじゃないかと爆発している感じ。1997年2月号と2001年2月号に掲載ということで、その二つの執筆陣を比べてみるのもけっこう興味深い。そういえば「オメガマン」って「湯けむりスナイパー」の松森正だったんだなあ、とか。平田弘史おいしいな、などなど。お祭りを後から眺めるとけっこうしみじみするもんですな。2話だけで1冊というのはページ数的には足らないんだけど、その分はアフタヌーン作家陣がほかの人の作品のイラストを描くという「大合作ギャラリー」で埋められている。こっちもけっこう興味深い。

【単行本】「続 紺野さんと遊ぼう」 安田弘之 太田出版 A5 [bk1]

 ちょいと変な、だけど妙に色っぽい紺野さんをじーっと見つめ続けて2冊め。この巻もうまい。脱がないエロチシズムを徹底して追求している。実験的ともいえるんだけど、そういう実験臭はまったく感じさせずにエンターテインメントとして成立させているのが素晴らしい。紺野さんって一重だし目がキラキラしてるわけでもないけどソソる。萌えなのかどうかは知らないけど、なんとなくつんつんつっつきたくなる。何より頭の形がいいですな。ぐりぐり撫でてみたくなる。

【雑誌】ヤングアニマル 3/8 No.5 白泉社 B5中

 うわー「BEAVIS&BUTT-HEAD」だー、な川村純児「ヒトシとヨーイチ」は第11回YAチャレンジ佳作受賞作品。「BEAVIS&HUTT-HEAD」とは、MTVで放送されている「ギョヘ、ギョヘヘヘヘ」とイカれた笑い声をあげるクレイジーな二人の子供が出てくるアニメのこと。「ギョヘ、ギョヘヘヘヘ」を聴きたい方はここらへんをどうぞ(たぶんQuickTimeのプラグインが必要)。田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。最終回まであと5回。いろいろな経験を経て、イクルとあいの愛がすごく澄み渡ってきている。素直に感動できる。

【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平

 羅川真里茂「しゃにむにGO」が巻頭カラーで連載再開。面白い。試合中に足を痛めたけれどもそれを隠してプレーし続ける伊出と、それを察してか察しないでか、さりげなくフォローする滝田。ダブルスならではの良さというものを味わわせてくれる。

【雑誌】ドルフィン 4月号 司書房 B5中

 北河トウタ「委員長日誌」。めがねっ娘でいかにも清楚で真面目そうなんだけど、でもHな委員長さんがイイ! キュートでなおかつ実用性も兼備。愛澤銀次「おこめけん」。イッパツネタだけど強引で面白い。ノリがとてもいいしパワフル。あわじひめじ「PIKUTIN」。宇宙船が未知の惑星に墜落。乗組員だった姉妹が、その星に住んでいる小型生物「ピクチン」によっていい心持ちになるというお話。名前から分かるとおり、もちろんアレのパロディだ。あわじひめじの和み系な作画も良い。このほか、LAZYCLUB、じゃみんぐあたりもさすがに手堅くベタなエロスを展開。

【雑誌】ファンタジーライズ 4月号 メディアックス B5中

 EB110SS「おしぼり三姉妹2」。本当にこの人はいい幼女をお描きなさる。一日中やりまくりだし自由はないけどパラダイス。伊沢慎壱「放課後の戯れ」。ちんちんをいらう描写がねっちりしてていい感じ。乳首で刺激するとことか実に気持ち良さそう。ちなみにあにいもうとモノ。あとジェームスほたて「姉ちゃんのヒミツ」も。家では強気だけど、実は外では男性恐怖症な姉の素顔を見てしまった弟。ジェームスほたては絵も瑞々しくなってるし、腕を上げてるなあと思う。


2/21(木)……迷子の迷子の真鯉さん

▼高野文子の新刊「黄色い本」が22日発売(→bk1)。大地がまっ黄色に染まるくらい売れるといいなあ。

▼未読物
【雑誌】ファンタジーライズ 4月号 メディアックス B5中
【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平
▼早売り物件
【雑誌】ヤングアニマル 3/8 No.5 白泉社 B5中
【雑誌】ドルフィン 4月号 司書房 B5中
【単行本】「蟲師」2巻 漆原友紀 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「無限の住人」12巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1]
【単行本】「大合作」 トニーたけざきほか 講談社 A5 [bk1]
【単行本】「魔男」 草津てるにょ 司書房 A5 [Amzn]

【雑誌】OURs LITE 4月号 少年画報社 B5平

 今号からB5平とじにリニューアル。値段は580円に上がったけど、その分、多少ボリュームも増している。せっかくだから執筆者一覧も下のほうに書いときます。

 まずリニューアルされて目新しいところでは、猪原大介+オオシマヒロユキのコンビの連載「UNLOCK」が始まっている。4人姉妹+男の子1人の泥棒一家を中心としたドタバタコメディ。男の子は普通はわりとマジメな少年なのだが、鍵を見ると我を忘れてしまう鍵フェチくん。正体を隠しながら学園生活を送るため苦戦する彼の日々を描くという感じ。作画はいうまでもなく気持ちいいし、安定感もある。これでストーリーも面白くなってくれればいうことなし。ってなわけで期待してます。アワーズガールからの移籍組、芳崎せいむ「金魚屋古書店出納帳」は、次号から本格連載。それから新登場組では、COLORFUL萬福星で描いていたけろりんが目立つ。タイトルは「あたしの純愛」。なんか袋とじとかになっている。この人はこっちでもカラー4ページなんだな。瑞々しくて甘味たっぷりのHシーンは読んでて幸せになれる。

 読切、小伝馬内規「荒馬と女」。メル友に会おうと思って町に出た女の子が、援助交際の疑いをかけられたりしているうちに、あれよあれよと馬に乗っての逃走劇へと突入してしまう。なんか不思議に目を惹かれるタイプの絵柄。見開きの使い方とかカッコイイし、けっこう見せ方がうまいなと思った。元気もあるし。なんかほかのところで実績ある人だったりするのかな。山名沢湖「迷子になる」。独自のふんわり軽やかなお話作りがとてもいい。町角のメルヘンという感じですな。そのほかのアワーズライトでおなじみのメンツたちもそれぞれ安定。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」は萌え馬鹿力で突っ走ってるし、西村竜「大きなワタシと小さなワタシ」も小人な女の子と普通の男の愛ある生活をサッパリと気持ち良く描いている。石田敦子「純粋!デート倶楽部」も再開したし。なんか捨て所がない雑誌だな。

(執筆者)猪原大介+オオシマヒロユキ、芳崎せいむ、犬上すくね、がぁさん、石田敦子、おがきちか、騎崎サブゼロ、どざむら、川崎郷太+伊藤伸平、小野寺浩二、芦田豊雄、西村竜、けろりん、森見明日、ひぐちきみこ、山名沢湖、小伝馬内規

【雑誌】ヤングサンデー 3/7 No.12 小学館 B5中

 秋重学「學ビノ國」。じょじょに盛り上がりつつある感じ。オデコちゃんな小野寺さんが健気でよい。しっかり青春しております。

【雑誌】モーニング 3/7 No.12 講談社 B5中

 井上雄彦「バガボンド」が次号から3週間ほどお休み。最近は佐々木小次郎の生い立ちの話になっていてちょっとスローペースになっているけれども、やはり早いとこ続きは読みたいなー。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。大沢がベトナムを離れることになりそうということで、ホアの心は揺れる。それにしてもかわすみひろしの描く女性はいい表情している。それから第11回MANGA OPENでわたせせいぞう賞を受賞した、ミサワハヤト「スプートニク」もけっこう面白く読んだ。マンション販売の営業をやっているサラリーマンが、自分たち家族を捨てた父親と再会。厚かましくからんでくる父親の存在をうっとうしがる主人公だが、その再会によって忘れていた何かを取り戻すきっかけを得る。あまり派手ではないけど、しみじみとした親子のドラマを、ちょっとロマンで味付けしつつしっかり構成してる。オーソドックスな作風が気持ち良い作品。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/7 No.12 集英社 B5中

 MEGUMIは本当に乳がデカいなあと詠嘆。そしておおひなたごう「犬のジュース屋さん」の素晴らしい論理展開に感嘆。はらざきたくまと同一人物ではないかと噂されていた「わごむ」という作者の読切「LOVE&PEACE」が掲載。たぶん間違いないとは思うけれども、違ってたらごめんなさい。内容的には鬱々として暮らしていた主人公がえらく喧嘩の強いギャルと出会い、彼女と一緒に「正義の味方」をやらないかと誘われる。合い言葉はラブ&ピース。謎めいた少女のスラリとした立ち姿がかっこいい。細身で足がとても長い。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/7 No.13 秋田書店 B5平

 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」が最終回。なんかまったくいつもと変わらない。これだけ変わらないというのもすごいかもしれない。そして浜岡賢次は3号置いて、3月20日発売のNo.17から新連載の予定。と、まあしらじらしく書いておきますわい。あと水島新司「ドカベンプロ野球編」の展開の妙にはうならされっぱなしですわい。プロ野球ってシュールだ。それから八神健「ななか6/17」では、ねんじにいきなり告ったかと思ったらオヒョヒョヒョヒョ笑う、頭のイカれたねーちゃんが登場。ちょっといいかも。


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