2002年10月下旬


10/31(木)……大衆無我

OHP月極アンケートのテーマ入れ替え。11月は「ラブストーリー」で行きます。「ラブコメ」は以前やったことあるんで今回はなし。あくまで「ラブストーリー」ということで。何をもって「ラブストーリー」とするかはいつものように各人のご判断におまかせいたします。思いつくままにゴリゴリ投票してやってくださいませ。

▼10月の「サラリマンまん」は、本命は「島耕作」で、その次が「宮本から君へ」くらいかなと思っていたのだが、結局は作:一色伸幸+画:山本直樹の「僕らはみんな生きている」がトップに。高橋しん「いいひと。」は意外と伸びず3票のみ。まあわりと萎え系のジャンルだけに、投票数自体あんまり多くなかったんだけど……。

▼未読物
【単行本】「ギャラリーフェイク」26巻 細野不二彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「サユリ1号」3巻 村上かつら 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「アフター0」7〜8巻 岡崎二郎 小学館 B6 [bk1][Amzn:7巻/8巻
【単行本】「イケてる刑事」5巻 佐野タカシ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「低俗霊DAYDREAM」4巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Dr.リアンが診てあげる」2巻 竹内元紀 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】モーニング 11/14 No.48 講談社 B5中

 石川雅之「週刊石川雅之」の第3回め「自分を信じた男2」は、存在感がなさすぎる二人の男が良からぬ相談をするというお話。自分に都合のいいように物事を考える人間が二人集まると、とんでもないことになるということですな。弘兼憲史「社長島耕作」は、最終ページの柱の文句が毎回けっこう笑える。今回は「上海でも変わらぬ島耕作の魅力。それは何に対しても誠実であるという事。」とのこと。どの口がそんなことを。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。かわすみひろしの描く女性は本当にいいなー。そのうちまた女性キャラがばりばり出まくるようなお話も描いてほしい。

【雑誌】ヤングサンデー 11/14 No.48 小学館 B5中

 いわしげ孝「新・花マル伝」。花田vs.木元の勝負がついに決着。世界レベルでも頂点の大会だし、そろそろ最終回は近いかな。秋重学「學ビノ國」は、だいぶ落ち着くべきところに話が落ち着いて来ており、次号はいよいよ最終回とのこと。あと次号では、尾形圭士郎「ジャカジャカめん」も最終回。暑苦しくてナンセンスでけっこう面白かったと思うんだけど……。岩田やすてる「極リーマン」は今号でおしまい。どうも連載入れ替わりの時期に来ている模様。その後の連載がどうなるかは次号で発表があるらしい。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/14 No.48 集英社 B5中

 桂正和の新連載は「ZETMAN」。バットマン好きと伝えられる桂正和の趣味バリバリな連載になるのかな。とりあえず濃くいってくれるとうれしい。山花典之「妹 あかね」。なんかもの想いに耽るシリアスな回なのに、パンチラや下着姿など、サービスしまくり。シュールであるとさえ思う。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/14 No.49 秋田書店 B5平

 今年の「ドカベンプロ野球編」の日本シリーズはどういうふうにするんだろう……というのはさておき。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。ショーバン君には全然女っ気がないが、弟くんはモテモテな模様。そういえば連載100回以上行っているのに、この漫画にはヒロインらしいヒロインが出てないな。ストイックだ。佐渡川準「無敵看板娘」はサブキャラもずいぶん奇天烈になってきているような。単行本1巻は11月14日発売。松山せいじ「エイケン」は、エイケン部の危機に伝助が立ち上がる……という展開なんだけど、今回はけっこう笑った。「銀天蝶に潰されたクラブの輩だ!!」「奴らはゾンビみたいなもんだ 話は通じなさそうだな!!」。……なんで部活がなくなったくらいでゾンビに。

【単行本】「しゅーまっは」6巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 コンスタントに可愛く面白い。この巻ではとくにかたつむり型しゅーまっはの回が笑った。殻のついているポジションが嫌すぎる。漢方薬を作る保健医の林先生は若干キャラが弱いような。藤宮さんは変態ぶりが増してきててだいぶ面白い。

【単行本】「恋愛ディストーション」4巻 犬上すくね 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 アワーズライトが休刊してしまったためこれにて最終巻。恋愛のいろいろなシーンを切り出してきて、うまいこと物語にしちゃう腕は大したもの。その切り出し方もけっこう独自な視点のものが多く、正統派な恋愛モノでもまだまだいろんな発見があるじゃんと思わせてくれる、恋愛漫画再発見的な連載だった。もの柔らかな可愛い絵柄でありつつ、ドキッとするような鋭さを秘めていたりして油断がならない。カバーを外した中表紙を見ててますますそう思ったりした。まだいろいろ企んでいたっぽいな、と。

【単行本】「シュガータイム」 あんみつ草 三和出版 A5 [Amzn]

 ミルクコミックさくらなどの表紙などが印象に残るあんみつ草の初単行本。絵を見ると、ああこの人かと思う人も多かろうかと思うので、作者Webへもリンク。「恋愛ディストーション」と続けて読んだせいか、なんか地続きな感じがちょっとした。もちろんこっちのほうはH漫画雑誌に掲載された作品なので、Hが基本にある時折鬼畜っぽいお話もあるけれども、基本的には後味の良い恋愛譚が主体。整った柔らかい絵柄は見ていて気持ちがいいし、口当たりが良い。


10/30(水)……秘薬蔓延

▼OHP月極アンケート10月分「サラリマンまん」は31日いっぱいで締め切りますんで、投票お済みでない方はお早めにどうぞ。

▼未読物
【単行本】「泣いちゃいそうよ」 タカハシマコ 芳文社 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「プロキシマ1.3」 粟岳高弘 FOX出版 B6

 粟岳高弘初単行本。リンク張りたいんだけどbk1にもAmazonにもまだない……(10月31日朝7時の時点)。成人向けだからbk1に入らないのはしょうがないとして、AmazonについてはいつもだいたいFOX出版の本はデータベースに登録されるのが遅いんだよなー。そんなわけでFOX出版の紹介ページのほうにリンクを張っておく。そちらのページの紹介にもあるけれど、「プロキシマ1.3」はカラフル萬福星に掲載された作品を中心に、粟岳高弘の商業誌発表作品のほとんどを集めた単行本。エロ漫画ではあるんだけど、作風としては少々変わっていて、少なくとも「いかにも美少女漫画」という感じではない。でもこれがちゃんと面白い。

 SF風味は確かにあるんだけど、別段設定とかがすごくきっちりしているわけでもなさそう。でも雰囲気はすごくある。それは作品世界が「なんらかの風変わりなルールに乗っかって作られているな」という感じがあるから。女の子たちにからむのが、普通の人間だけでなくぶよぶよした感じの異生物とかがけっこう出てくるのだが、何かそれが当然のごとく受け容れられるような空気がある。それプラス、良い意味での田舎っぽさ。とんがってないマイルドなSF風味あふれる世界観は、妙に肌になじんで心地よい。登場する少女たちもいい。なんというか、クラスで一等目立つというタイプじゃないけれども、愛敬があって心惹かれるタイプの女の子という感じで、かなりフツーっぽい。そんな女の子たちが開けっぴろげにHなことをしているものだから、手に届く範囲でいけないことをしているような感覚があって思わずそそられてしまう。意外と実用的でもある。

 お話的にも、何気なく描いたらくがきから反物質を生ぜしめてしまう少女と彼女の世話係の青年のお話とか、「瓜頭」と呼ばれるへんな生き物に調教されているメイドさんの話だとか、オリジナリティに富んだものが多い。なかなか珍しい感触の作品を描く人だけに個人的注目度は高い。エロさでいえば同人誌で弘岳粟高名義で描いている諸作品のほうが高いかなーという気もするので、こちらもそのうち単行本かなんかにまとまるといいんじゃないだろうかと思った。

【単行本】「華札」 OKAMA ワニマガジン社 A4 [bk1][Amzn]

 うおー、きれいな本だなあ。全編フルカラーなんだけど、各ページの彩色もやたら美しい。もちろん絵そのものもすごく達者。内容は人間のお公家さまに恋をしてしまったキツネのお話。驚異的に絵がきれいなだけでなく、ストーリーのほうも上出来。人間の、キツネの恋模様を実に美しく描き出している。その美しさがまず目を射るところではあるのだが、Hシーンもこれがなかなかのもの。艶やかで淫ら。正直なところOKAMAがこんなにエロい描写をする人だとは思ってなかった。昔と比べると大きなおっぱいを描くのが格段にうまくなっている。パラパラ眺めて画集的に楽しむこともできるし、ストーリーを楽しんだり、実用に供すこともできると思う。値段は1500円するけれどもそれに見合うだけのものはある。

【単行本】「CIRCLE」 すえひろがり シュベール出版 B6 [bk1][Amzn]

 1999年の10月にA5サイズで発売された単行本の出し直し。開発計画が途中で止まってしまった埋め立て地のゴーストタウンにある学校で、同好の生徒たちにより営まれているSMサークルの活動を描くというお話。SMとしてはわりとソフトなほうなんだろうけど、羞恥プレイを巧妙に使ってエロチックなお話に仕上げている。最後のほうのやけに開放的な展開も、これはこれで楽しそうで良かったりするし。

【単行本】「100万円!ベガスくん」 肉柱ミゲル エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 100万円の国からやってきたヘンな生き物・ベガスくんが、いつも赤いヘルメットをかぶった赤ヘルくんの家に住みつき、100万円のパワーを使って活躍するというほのぼのギャグ漫画。ここでいう100万円とは、「1万円札が100枚集まったもの」ではなく、あくまで一つのものとしての100万円。100万円が2個あっても、それは200万円ではなくあくまで「二つの100万円」。りんご5個となす5個を足しても10個ではなく「りんご5個となす5個」であるがごとく、100万円は100万円なのである。その魅力に人々は幻惑され、ときにひれ伏し、ときに心を狂わせる。まあそんな感じで、ベガスくんは100万円を駆使するドラえもん的存在であるわけだが、一見毒気のない絵柄なのに「100万円さえあればなんでもできる。なんでもうまく行く」といったイカれた価値観が作品内に充満していてかなりシュール。あと赤ヘルくんの言動とかもときどきやけに暴力的だったりして、意外な刺激にあふれている。おおひなたごうが帯にコメントを寄せているけど、何かおおひなた作品に近いテイストはあると思う。

【単行本】「ブラックジャックによろしく」3巻 佐藤秀峰 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 前巻までの展開で、所属する医大の医局に反逆した研修医・斉藤だが、今度はNICU(新生児童集中治療室)という過酷な部署に回される。ここで斉藤は、生まれたての命への生殺与奪という非常に切羽詰まった決断を伴う問題の数々に直面する……という展開。1〜2巻同様、物語のテンションは非常に高く、読者に対して突きつけるテーマも重い。直球勝負で挑む正統派ならではの力強さにあふれている。こういう作品を読むと、「大きな物語」という奴もまだまだ健在だなと思う。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 12月号 少年画報社 B5中

 平野耕太「ヘルシング」。戦争戦争進軍進軍殺戮殺戮……といった具合で、おどろおどろしくも非常にカッコイイ。サブタイトルもいいねえ。「FINAL FANTASY III」だって。イカしてる。二宮ひかる「ベイビーリーフ」は安定して面白く読める。女ゴコロの複雑さに少年は惑う。そして次回は最終回。小泉真理「ジンクホワイト」はこのところ急激に切ない展開になってきているけれども……。こちらも最終回は近いかな。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/13 No.48 小学館 B5平

 橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」はたいへんボケっぷりがいい。男はもちろん、美少女でも平気でボケ役にし、容赦ないツッコミを入れさせる。オチもなかなかすごい。エンターテインメントしてますなー。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/13 No.48 講談社 B5平

 小林尽「スクールランブル」は2回め。可愛い絵と罪のない展開で、ほのぼの楽しく読める。西山優里子「DRAGON VOICE」は最高にこっぱずかしい展開。ドラゴンボイスな人が踊っているシーンとかを見ていると、ものすごく身体がムズムズする。この名状しがたいダサさ。素晴らしい!


10/29(火)……額が痛ひ

▼これまでホームページや仕事関連のデータは、PCカード型のHDDに入れて持ち運んでいたのだが、アクセス速度が遅いのと何やら高周波のヘンな異音がするということもあって、USB2.0接続の携帯用HDD用ケースを使ってノート用の2.5インチHDDを持ち歩く形に切り替えることを決意。そんなわけで秋葉原で東海理化のPHDC-COMBOという製品を購入してくる。購入店に在庫のあったUSB2.0とIEEE 1394の両インタフェースを備えている製品としては一番安い製品。中身のHDDは6GBの奴が余っていたのでそれを使用。

 ただUSBポートからの電源を供給する場合、マザーボード上のUSBコネクタ直結だとうまくHDDが認識されないことが多かった。これはマザー側のUSBポートは供給電力がけっこうUSBの規定を満たしていないことがあるため。ケース内部から電源を引っ張ってくるUSBハブにつなげたらちゃんと動いた。PCカード型のHDDと、ノート用HDDは速度が5倍くらい違うので、かなり快適になった気はする。装着したままでも使用できる携帯用のカバーや、アクセス状態を表すLEDとかもしっかりしてて、出来はわりと良い。最近パーツ運が落ち気味だったが、これはけっこう満足の行く買い物だった。

【雑誌】ミステリーBst. 12月号 幻冬舎コミックス A5平

 「Bst.」は「ビィストリート」の略。これまではA5単行本装丁の季刊のアンソロジーとして出ていた「Bstreet」が模様替えして、雑誌体裁のミステリー系漫画雑誌として新登場。発売日は偶数月28日。

 んで内容のほうは今まで以上に女性向け色を強めていて、創刊記念プレゼントがトートバッグやポーチ、マニキュアとかになっていることからもそれが伺える。掲載作品のほうでは作:加納朋子+画:碧也ぴんく「ささらさや」が良かった。子供が生まれたばかりの仲睦まじい夫婦の夫が交通事故で死去。夫方の実家は由緒ある家系で結婚自体反対されていたため、残された妻のサヤは夫方の遺族に責められ、さらには子供まで取り上げられそうになる。そんな苦境から逃れるために、サヤは夫と生前に約束していた田舎の町「ささら」に向かおうとする……というところまでが第一話。まだミステリー的な展開は全然ないのだけど、読みやすくて着実にお話を進めてるなあという感じはした。桑田乃梨子「888」は、Bstreetからそのまま連載を引き継いで第4話め。探偵事務所の3人組みが社員旅行で温泉へ。そこで出会った意外な出来事、という感じ。この人は何描いてもマイペース。のほほんとしてて楽しいです。で、本全体を総合すると、個人的には若干薄味かなーという感じはした。柱になるのはどこらへんなんだろう。よく分からない。次号以降も購入し続けるかは微妙なライン。次号から開始予定の朔田浩美の新連載「CQ」はちょっと気になるが……。

【執筆陣】加納朋子+碧也ぴんく、斉藤岬、船戸明里、山口雅也+霜月かいり、氷栗優、広井王子+コザキユウスケ、東城和実、桑田乃梨子、宏橋昌水、木々、森博嗣+浅田寅ヲ、山田章博、岩田鷹吉

【雑誌】まんがライフオリジナル 12・1増刊号 あにまるパラダイス 竹書房 B5中

 タイトルどおり動物系のほのぼのまんがを集めた4コマ雑誌。私屋カヲル「ちびとぼく」の再録85ページを中心にいろいろと。個人的な目当ては犬上すくね「街。猫。娘。」。それぞれのやり方で猫に関わっている3人の娘さんのお話。フツーに楽しい猫4コマという感じ。あと、さすがにこの手のネタだけあって、うぐいすみつる「ウキウキ猫ライフ」も登場。非4コマの亀井樹里「ひみつのかぎしっぽ」は、かつていなくなった双子のネコの片割れを巡る、ちょっといいお話。すっきり端整な絵柄できれいにまとまった作品。竹本泉「ある日の猫訓練」は、まったくもっていつもの調子。総じてやっぱり猫派が多いなー。カブトムシやカブトエビの観察漫画とかもあればいいのに。あ、あにまるじゃないか。

【雑誌】漫画アクション 11/12 No.46 双葉社 B5中

 作:かわさき健+画:宮田淳一「颶風」。拷問によって力の衰えたオーリーの復活までの道程をじっくりと描写していて面白い。こういう部分をしっかり描いているとその後の展開にも厚みが出てくると思う。ながしま超助「ジェット上司」。面白いなあ。日本一うまいラーメンの味の秘密は、店主が童貞なことにある。童貞童貞と、繰り返しギャグ、さらにダメ押しといった感じで笑える。

 国友やすゆき「夜の覇者」は第2回め。相変わらず国友先生は素晴らしい。会社をクビになり、その原因となった上司とキャバクラで喧嘩になった主人公が、心機一転夜の世界で天下を獲ろうと必死で頑張るというお話。いちおうその道を選ぶさいに悩んだりはしているけど、どうにもフットワークが軽い主人公。共感しようがないこの薄っぺらさがどうにもたまらなく素敵。こういうなんかどうでも良さげな話なのに、つい読んでしまうあたりが国友やすゆき。読切で登場の桑澤篤夫「オヤジの条件」も、この人らしい持ち味を存分に発揮。ガンコ親父が娘の結婚を許すための条件として、カワハギ釣り勝負で自分に勝つことを主人公の成年に課す。まあ要するに、カワハギ釣りについて描きたいだけの漫画だと思います。相変わらずテキトー感にあふれた作風が素晴らしい。

【雑誌】漫画サンデー 11/12 No.44 実業之日本社 B5中

 作:鍋田吉郎+画:原恵一郎「巌流小次郎」。小次郎が宇喜多秀家に連れられて、暴虐な藩主のせいで荒んでしまった地で世直しのため大暴れという感じの展開になりそう。読みやすいし内容もコンスタントで手堅い。

【雑誌】快楽天 12月号 ワニマガジン B5中

 巻頭がOKAMA、巻末がYUGと、4色カラー4ページはこれ以上ないってくらいの陣容。とくに今回は、OKAMAのほうの「neGi」は、非常にファンシーでシャレてて良かった。ひぢりれいは快楽天初登場。『彼氏彼女の「好き」事情。』。ちょっとダレ気味だったカップルが、ふとした出来事をきっかけにまたアツアツに……というほのぼのしたラブコメ。作画は相変わらずとても高品質。快楽天向けにちょっとライトな味付けにしてるかな。そろそろ単行本を……。読切、鳴子ハナハル「ヒタイ」は、内気な女の子がカッコイイ男子に恋をするも、その男子は奇妙な性癖を持っており……といった具合に展開する苦い恋物語といった感じ。丁寧で上品なタッチがなかなかに気持ち良く、青春系な作品好きな人にはビビッと来そう。

 SABEは「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」と「「ブルマー小競り合い 〜中編〜」の2本立て。「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」ではペンギン虐待女が壊れててなんかすごいことに。「ブルマー小競り合い」ではポリエステル派とナイロン派の争いが過熱中。こちらはこちらでたいへん。馬鹿馬鹿しいけれどもたいへん。変態でもある。RaTe「ち2ばく」。都会を揺るがす巨乳テロの秘密を追って、巨乳女刑事が自らの巨乳の運命を賭けてテロ組織に潜入捜査。最近のRaTeの作風はかなり吹っ切れてて面白い。精液モノだけでなく巨乳モノでもいい具合になっている。

 かるま龍狼「人妻姫」は最終回で大団円。王子の人妻を愛する想いが世界を救……ってるのかなあ。まあいいや。最後までコミカルで楽しく、いい仕事してると思う。陽気婢「内向エロス」は、連載内新連載「青春トリガー」をスタート。高校に受かったばかりの青少年が、従姉のおねいさんの住む家に下宿することになり、そこからトキメキのある生活が始まっていくという感じのお話。年上のきれいなお姉さんと普通の少年というのは陽気婢お得意のネタだけに、手堅く面白い作品になりそう。

【雑誌】エンジェル倶楽部 12月号 エンジェル出版 B5平

 いつもながらに洋ピンっぽいノリでパワフルなエロ雑誌。肉弾がぶつかり合うエロシーンの連続は、「ハーッ、ソーグーッドゥ」「アイムカーミング」とかいいそうではあるが、それなりに和風なテイストもある。吉良広義「妄想刺客」は、友達が来ているのに裸エプロンなどなど、主人公にHなことを迫ってくるお母様と妹さん……という淫乱家族の生活を描いた作品。エロシーンは力強いけど全体としてはコミカルで楽しい作品。奴隷ジャッキー「ぺったん娘ぉ!」。相変わらず勢いがある。つるぺたの妹さんにベタボレのダメな兄貴が、突如巨乳になってしまった妹を見て怒り狂うが、それも束の間新しい魅力に目覚めたりもしてしまうというお話。ほっぺたがもちもちしてて天然ボケな妹さんはけっこうかわいいが、セリフとかのテンションの高さは相変わらずで、この人独特の不思議なノリ。

【雑誌】ラッツ 12月号 司書房 A5中

 火野聡司「女なんてただの穴だ!!」。すごいタイトルだけど、内容はけっこうコミカル。やたらモテるのに言い寄ってきた女をモノ扱いしない不良男子に、ショートカットでめがねっ娘なクラス委員の娘が迫るというお話。ちょいと吊り目な感じがけっこうかわいい。るりるり「惑星ゼルフの少女」は6話め。ラブラブな兄妹が、宇宙船を駆って宇宙の辺境惑星を探索〜というお話。絵柄的にも内容的にも、SF漫画やスペオペ華やかなりしころによく見たようなヌルめな空気を残しててなんだか懐かしいし落ち着いて読める。このシリーズはけっこう好き。


10/28(月)……ちんたら無為

▼夜の間ずっと仕事して昼くらいに完了。帰宅の途中、ちょうどその時間なら親子丼がやたらうまいことで定評のある末広町の食いもの屋「鳥つね自然洞」のランチタイムに滑り込めそうだと気づき、勇躍して食いに行ってみた。ちょうどランチタイムが始まってすぐだったので余裕で入れたので、念願だった「モツ入り特上親子丼」を注文。ランチタイムであるにも関わらず1800円という気合いの入った一品だけにさすがにうまい。ただモツのほろ苦さが多少あるので、ガガッと一気に食う場合は普通の親子丼のほうがいいかも。ランチビールもいい塩梅だった。でもちょっと食いすぎた。帰りの電車では差し込んで来る日射しがけっこう強く、疲れ気味な状態だったので、ちと気持ちが悪くなってしまった。でも親子丼がおいしかったからいい。気持ち悪さはすぐ消えるけど、うまいもんを食ったという想い出は……それもすぐ消えるかな。最近忘れっぽいし。まあいいや。

▼昨日が1冊だけだったので、本日はどーんと10冊。それでもここのところの遅滞がたたって本がたまりまくり。まんがライフオリジナルの増刊には犬上すくねが登場。

▼未読物
【雑誌】まんがライフオリジナル 12・1増刊号 あにまるパラダイス 竹書房 B5中
【単行本】「地球氷解事紀」上下巻 谷口ジロー 双葉社 A5 [bk1:/][Amzn:/
【単行本】「CIRCLE」 すえひろがり シュベール出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「シュガータイム」 あんみつ草 三和出版 A5 [Amzn]
【単行本】「完全版野望の王国」3巻 作:雁屋哲+画:由起賢二 日本文芸社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「華札」 OKAMA ワニマガジン社 A4 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングキング 11/18 No.22 少年画報社 B5中

 吉野ケイイチ「CHICKEN DAYS」。ちゃんとラブコメしてていい。垢抜けない絵柄も親しみやすいし。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。後輩ちゃんもやっぱりかわいいなあ。山田秋太郎はヤンキン本誌初登場らしい。読切「SWING!!!」が掲載。不良っぽいけどハンパなままだった少年が、もうすぐつぶれるボロっちいバッティングセンターのオヤジに諭され、昔野球少年だったころの気持ちを取り戻していく……といったお話。作画とかさすがに手慣れてて、きれいにまとまっている。

【雑誌】ヤングマガジン 11/11 No.48 講談社 B5中

 CLAMP「ちょびっツ」がめでたく最終回。この作品は、とくに序盤のインパクトはかなりなものがあった。ただ、中盤〜終盤はだんだん興味が薄れていったところは正直ある。ちぃは基本的に無色透明なキャラだし、秀樹もアクが強くないし、物語を牽引する力は少々足りなかったような気はする。かといって、明確な敵とかがいるわけでもないから外的な要因の力で物語を否応なく進めるってわけにもいかないし。あと「パソコンであるちぃに愛を捧げる」というのは、あまりにも彼女が可愛く作ってあったため、漫画的には障壁として低いように感じられてしまったってのもあるかな。現実に機械の女性を相手にしたらどうなるか分からないけど、今どきの漫画の風潮ではわりとフツーのことのような気もするし。でもまあ局面局面ではけっこう楽しんだし、総合するとよくできた作品だったとは思う。宮下英樹の相撲少年漫画「ヤマト猛る!」が連載再開。最近けっこう面白くなってきているような気がする。ヤンキー漫画的なテイストと相撲が、意外とよくマッチしている。蓮古田二郎「しあわせ団地」は、ちょっとエッチっぽいお話ですね。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/11 No.48 小学館 B5中

 柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」は最終回。なるほど、こういうふうにつながっていくのね。もう少し掘り下げても良かったかもしれないけど、何はともあれ、あの村の祭のシーンは圧倒的だった。テーマも面白かったしいい作品だったと思う。ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」がやっぱり面白い。すごく真っ当にうまい。アクションにしろギャグにしろ。展開にも意外性があるし。三宅乱丈「ペット」。引き続き良い。「ヤマ」とか「タニ」ってのは三宅乱丈独自の概念なのかな? こういう超能力バトルというのは珍しいけど、ちゃんと分かりにくくなく描きこなせているっていうのはすごいと思う。村上かつら「サユリ1号」では、大橋さんの策謀がついに決定的な事態を呼ぶ。ヘヴィだ。古屋兎丸「π」は、夢人の憧れであるおっぱい絵師なオタク・千聖部長が出てきてだいぶ面白くなってきた。なんか気がつくと、最近のスピリッツは濃いキャラ、濃い作品ばっかしだ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/11 No.48 集英社 B5平

 河下水希「いちご100%」が巻中カラー。真中くんが悩む気持ちを激白。どの娘さんもたいへんよろしいので、そりゃ悩みますわなあ。面白さでいえば北大路さつきさんだと思うけど。ときどき登場するセジマ金属の、野球小僧と天然女のバカップルギャグ「抱きしめて!ベースボールラブ」が掲載。馬鹿馬鹿しい内容とちょっとクセのある絵柄がけっこう好きなんだけど……。レギュラー化はないかな?

【雑誌】フラワーズ 12月号 小学館 B5平

 倉多江美「お父さんは急がない」が最終回。今回はいきなり時間が飛んでいるけど、お父さんはやっぱり変わらずのんびり散歩したり碁を打ったり。本当に急がない、読んでてリラックスできるいい作品だった。単行本「続・お父さんは急がない」は12月発売予定とのこと。西炯子「ANSWER」。演劇部員でお母さんの代わりに一手に家事をこなしている樋高さんと、顧問の先生のお話。彼女の家庭事情はたいへんそうだけど、恋愛自体はゆったりしてて見てて気持ちが良かった。作画は相変わらずの高品質。

【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平

 そのだつくし「主婦のトモ」。ほのぼのしつつ勢いがあり、アツアツでもあり面白い。今回はトモが前回拾ったできちゃった女子高生のお話に落とし前をつける。動物的本能で動くトモの様子が小気味いい。

【雑誌】メロディ 12月号 白泉社 B5平

 高橋しんの読切「たしかに、君がいる。」が掲載。劇団の先輩後輩で恋人同士だったカップルが、自転車に二人乗りしていたところトラックに激突。女性のほうが死亡してしまう。……えーと、これ以上書いちゃうとネタバレになっちゃうか。差し障りのない範囲でいうと、死んだ彼女の想いが、それまでまっすぐに感情を現すことができなかった彼氏の心を変えていくというお話。正直にいっちゃうと個人的に高橋しんについては、肯定と否定、それぞれの気持ちが入り混じるものがあって、かなり引っかかりを感じる作家さんではある。今週刊少年サンデーでやっている「きみのカケラ」も、「説明しない、あるいは説明すべきところを雰囲気で流す」というこの人の悪い面が出ていて、少年漫画らしい明快さがないように思われてあんまり楽しめてない。でも表現力は高いし、ときどきハッとさせられもする。叙情的な語り口も物語によってツボにハマる。だから「いい」と思うときと「良くない」と思うときの落差はある。で、今回の作品については「いい」と思った。センチメンタルな語り口もいいし、シンプルな作りだけあって分かりやすい。あとだんだん主人公が変わっていく様子も感動的に描かれている。もしかしてこの人って、男性誌よりも女性誌のほうが向いているのかもなあとも思った。

【雑誌】麗人 11月号 竹書房 B5平

 志村貴子が登場しているということで購入。「先生のくせに」は、2001年11月号に掲載された「ハッピーなエンド」の続編(そのときの感想は2001年10月14日の日記参照)。ということは1年ぶりですか。兄はホモ、弟はノンケな双子の兄弟の弟のほうに家庭教師がつくことに。この家庭教師はわりとその気があるほうで、じろじろ眺めたり、肩に手を回してきたりとアヤしげな感じ。いつもながらに落ち着いた、手際の良い作風が冴えている。山田ユギ「我が家は楽し」は、20年ぶりの同窓会で再会した中学校時代の親友同士がとあるきっかけから同居することになり……というお話。その同級生の息子さんもからんで、居心地の良い関係を構築。最後のほうまで直接的な行為はなく、焦らず楽しくお話を進めていく呼吸がうまい。猫田リコ「少年地獄」は一見不良っぽいけど実はそうでもない主人公の奈良文と、彼の前では主人として振る舞うけど対外的にはまるっきり逆のように見せかけている暴虐な美少年・一ニ三によるコメディ。絵柄はスッキリ、内容はドタバタ、なかなか楽しく読めた。

【雑誌】阿ウン 12月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイニング娘。」番外編の後編「アギ」。引き続き茶魅川梨華がHなめに遭う。メインのストーリーも良かったけど、ラストのオチがけっこう笑った。このラストシーンもそうだけど、師走の翁のサービスの旺盛さ加減はいつも感心する。高岡基文「まゆマテリアル」は、衣装が変わると体型まで変わっちゃうというヒロインの特性を、凌辱シーンに活用しまくり。ツルペタもあり巨乳もあり。便利だなあ。水無月皐月「アニーの憂鬱」は、宇宙刑事の女アシスタントさんが凌辱されるというお話。ボリューム感があってなかなかエロい。わたんかづなり「マリモとマシュウ」も、エロシーンのテンションが高くて良かった。宇宙船内で、人間のご主人さまと女アンドロイド二人がHというお話。ガンガン突いて、どんどんイカす勢いの良い作品。

【雑誌】別冊コミックドルフィン vol.2 司書房 B5中

 2号めながらあっさり休刊。最近の司書房雑誌は移り変わりが激しい。

 BENNY’S「三毛猫の憂鬱」は、猫を擬人化したお話で、希少種の三毛猫のオスが憧れのペルシャ猫のララさんに、誤解からヒドいことをしてしまうという話。キャラは猫だけどHシーンはちゃんとエロい。あとはあわじひめじの、ヒロインの女の子がマルチみたいなコスプレをしてHをする「コスプレだった。」がわりといい。この人の絵はホッとする味わいがあってけっこう好き。


10/27(日)……裂け谷だけさ

▼今日はちょっと家に帰れなくて、手持ち、かつ早売り分でない本が1冊しかなかったのでこれだけ。

▼久しぶりに「THE LORD OF THE RINGS」の英語のほうのサイトを見たら、日本語サイトにはまだ上がってない壁紙がけっこういっぱいあったのでいくつかダウンロードしてみる。現在は裂け谷のイラストバージョンのを使用中。

【雑誌】LaLa 12月号 白泉社 B5平

 津田雅美「彼氏彼女の事情」。あれ、わりとアッサリ。ここしばらくの息の詰まるような展開からしてもっと引っ張るのかと思ってた。ただまだ現実的な問題としては片づいてない部分も多いから、一波乱二波乱くらいはあるかもしれない。なかじ有紀「ビーナスは片想い」は、雨降って地固まるというか、スノボやってるから雪降って地固まるといったところか。たいへんアツアツ。ラブコメしてるなあ。森生まさみ「おまけの小林クン」は、向日葵高校に不思議なもやが立ちこめてみんなヘンな感じ。でも小林委員長だけはなぜか大丈夫。なんだか不思議な展開のまま次号に続く。筑波さくら「目隠しの国」では、超能力者が一般の人との相互理解について一歩踏み込む。ここのところ能力はあんまり関係ないようなエピソードが多めだったけど、ここに来て、だいぶその点に向き直っている感じ。


10/26(土)……ウニの男

「宇宙パンダに情けはあるか!?」より ▼右の画像は、福島聡「少年少女」1巻収録の「宇宙パンダに情けはあるか!?」の1コマなんだけど、これを見て「もしかして『さいたまさいたま』を始めたりして」とか思ってしまった俺は脳味噌が腐っているかもしれない。

▼早売り購入物件
【雑誌】フラワーズ 12月号 小学館 B5平
【雑誌】コーラス 12月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 12月号 白泉社 B5平
【雑誌】阿ウン 12月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】ラッツ 12月号 司書房 A5中

【単行本】「少年少女」1巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 コミックビーム連載の、一話完結式短編連載をまとめた単行本。この巻には「触発」「大車輪」「美しい骨」「自動車、天空に」「OPEN THE DOOR!」「宇宙パンダに情けはあるか!?」「錯綜」が収録されている。モーニングで連載された「DAYDREAM BELIEVER」のころからすごく漫画がうまい人だというのは承知していたけれども、この作品は味わいこそ違うもののこれまた大変に良い。ストーリーの引き出しも多いし、内容的に見ても粒揃い。とくにタイトルどおり少年少女がメインに扱われているだけあって、青春モノ好きにとってはこたえられないような作品が多い。「DAYDREAM BELIEVER」のときは「すごさ」を感じたが、この単行本はむしろ「うまさ」が際立っている感じがする。

 収録作品の中ではとくに、廃車をヘンなふうに改造してばかりいる世棄て人的な人物と、彼のことをずっと見つめ続けていた女性の物語である「自動車、天空に」が気に入っている。ゆったりとしたムードもいいし、厳しい現実にも触れつつ、あくまで二人の距離感は崩さないでお話を進めていく奥床しさがいい。あと見せ場であるタイトルどおりなシーンもすごく気持ちがいい。あと「触発」とその後日談である「錯綜」なんかも、読後感がよろしい佳作。「触発」は、ふとしたはずみで誤って友達の少年を突き飛ばして井戸に転落させ死亡させてしまった少女が、自分なりに落とし前をつけるための決意をするというストーリーで、テーマ的にはヘヴィながらも前向きなお話。「錯綜」は、その少女と死亡させてしまった少年の弟との、ちょっとむずがゆい感情を描いた作品。

 このほかにもホラーっぽいものや、青春の挫折的なものなど、話のバリエーションは多い。いずれにせよ、描線がしっかりした作画はすごく好きだし、構図取りやセリフのセンスなど、技量はとても高い。ただ、ガツガツとしたところがなく抑制がすごく利いている作風なので、技量のわりに地味に見えちゃうところはあるかも、と思った。

【雑誌】少年エース 12月号 角川書店 B5平

 今回はおまけとして、貞本義行特集の小冊子「お貞本(おさだぼん)」が付いている。「新世紀エヴァンゲリオン」の第1話と1994年にニュータイプに掲載された短編「孤島の鬼」(原作:たかはまこ)を収録したもの。「孤島の鬼」は、鬼が住むといわれる対岸の島に向かった少年少女の物語。途中までの二人のやり取りが微笑ましく、意外なオチも用意されていてなかなかの佳作。こういうおまけは好きだな。

 で、本誌のほうでは戸田泰成版「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R」(シナリオ:千葉智宏+原作:矢立肇&富野由悠季)が始まっている。アニメのほうとか、ときた洸一版の漫画のほうは見てないから知らないけど、職場の同僚のガンヲタの人によるとかなりヘロヘロな出来であると聞く。ただ戸田泰成版は読んでみたところ「けっこういいじゃん」とか思った。絵的にもうまいし、漫画としてこなれている。この人らしい豪快さもあってけっこう楽しんで読んだ。吉崎観音「ケロロ軍曹」は、なんだかいつもと違う展開の前後編2話が掲載。たまにはこういうのもちょっと切ない感じがして良いなと思った。でもラストのヒキからいうと、そろそろ終わりが近づいてるのかな?で、次号は山名沢湖登場が激しく楽しみ。

【雑誌】ガンダムエーススペシャル(ガンダムエース 12月号増刊) 角川書店 B5中

 扉のアオリ文句として「ここでしか見れない!ガンダム美女の艶姿!!」とか書いてあるんで、ガンダムギャル萌え萌えな感じかと思ったらそうでもなかった。いちおう目玉は、安彦良和、皇なつき、寺田克也の描き下ろし漫画なんだけど……うーん、ページ数が少なすぎてあんまり。描き下ろしでは、大和田秀樹のギャグ漫画「総天然色ガンダムさん」が一番良かったかも。雑誌全体だと、安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の第一話の再録がどうしても一番面白く思えてしまうというあたりも微妙。インタビューとかも含めて全体的に再録が多くて、新たに得るものがなかったのは残念。正直いまいちコンセプトがよく分からない増刊だった。

【雑誌】コミックミニモン 12月号 東京三世社 A5中

 今号もほしのふうたが表紙。掲載作品の「こねこねエレベーター」は、アイドル子役みたいな感じのほしみちゃんが、停電中のエレベータ内でみんなにいたずらされちゃうというお話。この人は、無邪気&快活モードとHモードの二面を持っているけど、やっぱりどっちも好きだなあ。たまちゆき「長い夜」は第4話。彼氏のいいつけで学校の男の子たちに差しだされ、凌辱され続けていたかずみちゃんの肉奴隷化がだいぶ進行中。この人の描く女の子は、妙に男を惹きつける表情をしているな〜といつも思う。つもたきまこ「unstable」。なんかかなり古い感じの美少女絵なんだけど、それが妙に気になる。洗練されてないだけに妄執を感じるというか……。


10/25(金)……爆音が轟いた! バクォォーン!!

▼とらのあなポイントカードのポイントがけっこうたまってきたので、ポイントカードグッズのオリジナルCD「虎のプライド」をもらってきた。歌を串田アキラが担当しているということで、ちょっと欲しかったのだ。実際に聴いてみたところ、途中まではいささか単調だったけど、サビの部分はけっこうアツい。串田アキラのCDに関しては、Amazon.co.jpのデータベース「幻の名盤解放歌集 Toshiba編 串田アキラの爆発するソウル歌謡 からっぽの青春」があったのでこの前注文したのだが品切れで買えず悔しい思いをしていたので、それに対するリベンジという意味合いがなきにしもあらずではあった。

▼最近、ファンタのゴールデンアップルが期間限定だかなんだかで販売されててちょくちょく飲んでいる。りんご味の炭酸飲料はすごく好きなのだが、なぜかあんまりコンスタントに置いてないような気がする。一番好きなのがアップルタイザー、昔あったシンビーノもけっこう良かった。アルコール入りではニッカのシードルなんかもいい。おいしいと思うんだけど、あんまり置いてないのはなんでなんだろう。原料のリンゴ果汁の入手性の問題だろうか……とか思ったが、今飲んでいるゴールデンアップルの容器には「無果汁」と書いてある。うーむ。

▼未読物
【単行本】「100万円!ベガスくん」 肉柱ミゲル エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「少年少女」1巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「しゅーまっは」6巻 伯林 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

【雑誌】アフタヌーン 12月号 講談社 B5平

 五十嵐大介の新連載「リトル・フォレスト」が開始。自然の中にあるモノを使って、四季折々の食物を作っていくという感じのお話になるのかな。食い物の味うんぬんというよりは、自然描写も含めた一光景として鑑賞していけそうな美しい作品。今回は、個人的にはあまり心惹かれないジャンルである「果物をつぶしたり煮詰めたり濾したりして作るぺとぺとしたモノ」、つまりジャムとかが主題だったけど、ゆったりとした空気とかも含めて楽しめた。高橋ツトムの新連載「爆音列島」は、1980年の東京で、ちょっとした事件で転校した中学生の少年が初めて暴走族と出会いその世界に目覚めていく……といった作品。いつもながらにハッタリの利いた表現が冴えていて、暴走族たちの描写もリアリティがある。今のところスピードを競いそうな雰囲気でもなく、「湘南爆走族」みたいな居心地のいいコミュニティを描くって感じでもない。かなり暴走族の生態が生っぽくて興味深い。

 木尾士木「げんしけん」。のんびり大学生オタクライフを楽しく描写。何か大きな目的があるわけじゃないけど楽しそう。単行本1巻は12月に緊急発売決定とのこと。鬼頭莫宏「なるたる」。これは重い。読者に嫌がらせをしてるのかと思うくらいに、ショッキングな展開が続いている。やりすぎといわれそうな気もするけど、でもやりすぎなのは好きだな。少なくともやらなさすぎよりはずっと。

 2002年四季賞秋のコンテストで大賞を受賞した秋山はる「あおぞら」が掲載。引取先のおじさんの家で虐待されていた姉弟が家出し、東京の町を放浪する。しかし金もなく力もない彼らがそうそう都会の真っただ中で生きていけるわけもなく、だんだんと二人は追い込まれていく。青春の挫折の中で、そのときどきのキャラクターの感情をクリアに映し出していく作風は完成度が高く、読みごたえもあった。スッキリした作画も良い。そういえばこの人の絵は、以前四季賞募集告知ページのイラストを見たときにもちょっと気になっていた。読切で登場の山下博行はすごく久々。この人については、1998年3月号に掲載された「Bird Cage」が、4年以上経っているのに今でも作品の内容や絵がある程度思い出せるくらい印象に残った作品だった。で、今回の作品のタイトルは「05:35」。失恋してヤケになった男が公園で、自分をフッた相手を待ち伏せしているところ出くわした一人の女性。捨て鉢なようで覚悟の据わっていない男と、冷静なようでいて思い詰めている女、それぞれの選ぶ行動を描いていく。デカめのコマを印象的に使ったメリハリの利いた展開はなかなか印象的。でもラストのほうは、カッコイイけどちとうやむやな印象もあるなあ。この人にはもう少し大仕掛けな作品を描いてほしいような気もする。

【雑誌】アックス Vol.29 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 映画が正月に公開されるいうことで、花輪和一「刑務所の中」の特集が行われている。今号では、中野シズカ「エトワール」が良かった。人を叩くとその人が持っている優性、つまり美しい資質に応じたきれいな星が出てくるハンマーを使って、星を集めて回っている学者先生と一人の青年のエピソードを描く。主線は極力省略、トーンを切り貼りし主線部分はその境界線で表すという画面構成はポップで、お話のほうも素敵にファンタジーしている。とてもきれいな作品。それからしりあがり寿の新連載「ジャカランダ」がスタート。都会の片隅で理不尽な死を遂げる老人。しかし世間はそういったものには一顧だにせず、脳天気な騒ぎを繰り返している。そんな中で芽生え始めた未知の種子……といった具合。まだ何も始まってはいないけれども、マジモードのしりあがり寿だけになんだかいずれすごいことになりそう。

【雑誌】ヤングアニマル 11/8 No.21 白泉社 B5中

 克・亜樹「ふたりエッチ」は突然のフェラチオ講座。断面図とかモデル役の真が満面の笑顔な体位バリエーション集とかがいかにもでけっこう笑える。あと今さら「バナナ」はねえだろ、「バナナ」は。森恒二「ホーリーランド」はいよいよあの人とユウが激突ということで、だいぶクライマックスモードかな。また、山口貴由「蛮勇引力」は次号で最終回とのこと。

【雑誌】ビッグコミック 11/10 No.21 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。なんだか美少女系キャラを一人追加しつつアマダイの目利き勝負。そしてさらにうまそうな魚の話題も。とりあえずこの作品を読んでいると、魚、それもすこぶるうまい奴を食いたいなあという欲求は高まります。「BARレモンハート」的というか。

【雑誌】コミックバンチ 11/8 No.47 新潮社 B5中

 今回は作:上野二郎+画:小野洋一郎「報復のムフロン」が熱血していてなかなか面白かった。アツくて、かつ洒落っ気もある。原哲夫「蒼天の拳」は、これまたヘンなキャラが出てきたなあ。以前の鉄製カツラの人も一話くらいでアッサリ死んじゃうかと思ったらけっこう引っ張ってたけど、今回の奴はどうだろうか。読切の佐藤いづみ「協奏曲」は、腕前は抜群だけど周囲との協調性がまったくないピアニストが楽団を追放されるも、かつての恩師の残してくれたもののおかげで、純粋にピアノを楽しんでいた昔の気持ちを取り戻していく……というお話。上品で丁寧な絵柄で好感度高し。この人は以前、8/9号でも「ELEVEN」という読切が掲載されてて、そのときもなかなかいいなと思っていた(感想は7/26の日記参照)。バンチの中では薄味なので、誌面にメリハリをつける意味でもいい作品といえるんじゃないだろうか。

【単行本】「みちくさ」 ほしのふうた 東京三世社 A5 [Amzn]

 最近単行本化ペースが早い。で、今回もとてもかわいくてかつHでたいへんに良い。ちっちゃい娘たちの無邪気で元気の良い様子、はしゃぎっぷり、柔らかそうな身体のライン。いずれも良い。ロリ系作家の中では、今一番好きだな〜。というわけでコミックスリストのページなんかを作ってみました。あんまり単行本ごとの印象の違いはないので、個々の本についての感想とかはつけておりませぬが。今後はこんな感じの作家別コミックスリストページも、またちょこちょこ作っていければいいなーとか思っております。最近日記しか書いてなかったから。


10/24(木)……業績

▼未読物
【単行本】「空室あります」4巻 やまあき道屯 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蒼天航路」26巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ブラックジャックによろしく」3巻 佐藤秀峰 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バガボンド」15巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「宅配ビンちゃん」 Moo.念平 リイド社 B6 [bk1][Amzn]
▼早売り(25日)
【単行本】「みちくさ」 ほしのふうた 東京三世社 A5 [Amzn]
▼たぶん早売り
【雑誌】別冊コミックドルフィン vol.2 司書房 B5中

 別冊コミックドルフィンは2冊めながら早くも休刊。あらー。

【単行本】「暁星記」1〜2巻 菅原雅雪 講談社 B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻

 とても壮大でわくわくしてくるし、ものすごく読みごたえがある。舞台は人間が入植してから1万年が経った金星。樹高2000メートル以上の木々が星をびっしりと覆う中、巨大な生物たちの脅威にさらされつつも、かつての文明の恩恵を受けることなくほそぼそとした生活を営み続ける人々の生き様を描いていく物語。主人公はスズシロという狩猟を生活の中心としている村の若者・ヒルコ。精霊のとりついた「シシザル」と呼ばれる生き物に見込まれた彼は、森全体を支配する王になるべく導かれていくことになるが、その行く手には数々の困難が待ち受けている……といった具合。

 巨大な木々で空が見えないほどの、まるで海のように深い森に覆われた金星という舞台設定は非常に大がかりだが、物語もそれに見劣りすることなく本格的。1巻の最初のほうはヒルコもやんちゃっぽくて比較的コミカルな感じだが、だんだんとストーリーは深刻さを増していき、2巻の途中から始まる第II部では一気に過酷な展開を見せる。ただ異世界で冒険するってだけでなく、ヒルコの活躍を描きながら、男系社会で虐げられてきた女たちの粘り強い改革といった深いテーマについても語り、骨太な物語を織り成していく。スケールが大きく筆力も十分。今、モーニング本誌での連載は中断中だが、早く続きが読みたい。かなり期待している。

【単行本】「篠房六郎短編集 〜こども生物兵器〜」 篠房六郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 シャープさと重厚感を兼ね備えた、非常に達者な絵柄がまずググッと目を惹く篠房六郎の短編集。アフタヌーンで四季賞を受賞し高い画力とめくるめく構成で読む者を驚愕させた「やさしいこどものつくりかた」をはじめ、「生物兵器鈴木さん」、それから現在連載中の作品の原型となった前後編の「空談師」を収録している。

 やっぱり一読してスゲーと思うのは「やさしいこどものつくりかた」。希代の錬金術師の家に住まう父と子、それからメイドが繰り広げる物語は、最初はユーモラスに始まったと思ったらだんだん悲痛な色合いを濃くしていき、胸が締め付けられるようなラストへと至る。キャラクターに関する情報が少しずつ明らかになるのに合わせて、最後まで盛り上がり続けるお話はボリューム感もあって圧倒されるものがあった。「生物兵器鈴木さん」は、元気のいい小学生さんたちのお話で、やんちゃで微笑ましく楽しく読める作品。それから「空談師」は、ネットゲームの世界を恐ろしくリアルに描いた作品。まとめて読むと意外な展開の連続で、雑誌掲載時よりも面白く読めた。どの作品もいずれもキレと力強さがあって面白かった。

【単行本】「空談師」1巻 篠房六郎 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 で、こちらが現在アフタヌーンで連載中の作品。読切版の「空談師」と同じくネットゲームの世界を扱っているが、こちらは舞台が異なる。「PK(Player Killer)」といわれるほかのユーザーが操っているキャラを殺したことのある奴らが集まって、黒白二組に分かれて争うというルールで構成された町が舞台。そこに迷い込んでしまった非PKの少女が、恐ろしく強い一人のPKと出会い、そこからいろいろな思惑に巻き込まれていくというお話。

 正直なところ、1巻の時点ではお話の展開が早くないしハッキリとした目的が与えられていないこともあって、この作品がどういう方向へと向かっていくのかいまいち判然としないところがある。そんなわけでもう少し様子見を続けたいところ。ただネットゲームという舞台の扱いはけっこううまいと思う。こういうバーチャルな世界を扱った作品は、死んでもキャラがロストするだけだしーという感じがして生身の人間が闘うよりも軽くなってしまいがちなのだが、その分死んだはずのキャラが生き返るとかヒットポイントについての設定だとか、普通の作品のキャラではできないこともやっている。ネットゲームであることは意識させつつも、その世界ならではのリアリティは確保できてはいると思う。

【雑誌】モーニング 11/7 No.47 講談社 B5中

 石川雅之「週刊石川雅之」の第2話は、父の持ち物の中から出てきて怪しげなマスクを巡って、家族たちがさまざまな憶測を繰り広げるというコメディ。一つのちょっとしたアイテムを軸に話を膨らませて、きれいに落とすあたり、なかなかよくできている。桝田道也「朝倉家騒動記」。今回は展開がダイナミックで面白かった。家臣の心を掴もうとおもったお殿様が、家老を酒に酔わせて女装願望を白状させ、むりやりその望みをかなえようとしているうちにたいへんな事態に……というお話。2話構成なんだけど、2話めの大胆すぎる画面構成が痛快だった。もう17回もやってることだし、そろそろ単行本化されてもいい頃合いかもしれませぬな。

【雑誌】ヤングサンデー 11/7 No.47 小学館 B5中

 いわしげ孝「新・花マル伝」。クライマックスを迎えて、これまで傍観役に過ぎなかった杉矢がいい味を出している。ひねくれたことばかりいっているキャラクターだっただけに、マジな言葉がけっこう泣かす。一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)はいよいよ上杉が、ラフカットジュエルと向き合って決着をつけようかという状態。あと茜との間も引き続きいいムード。

【雑誌】ヤングジャンプ 11/7 No.47 集英社 B5中

 相変わらず高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 2002」は面白い。今回最大の衝撃は、あの人があの気合いの入った髪型をいつの間にかやめていたことだ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 11/7 No.48 秋田書店 B5平

 おおひなたごう「フェイスガード虜」。今回もスッとぼけてて面白い。「ドラえもん」の4次元ポケット的に便利なアイテムが出てきまくる便利な袋が、トートバッグであるあたりが妙におかしい。このカッコつかないけどカッコ悪くもないという微妙なラインのつき方はすごくうまいと思う。伯林「しゅーまっは」。なるほど量産か。こういう手があったか……。あと作:藤井良樹+画:旭凜太郎の新連載「TWO突風!」がスタート。無敵な暴れん坊の二人が闘いまくるストリート系ケンカ物といった感じ。漫画:鈴木伸彦+構成:福本岳史「BOYSTYLEの達人スタイル」は今回で最終回。アイドルがなんかいろいろ有名人の話を聞くという漫画だけど、なんか最後にすごいことをいっているような。


10/23(水)……賭博師爆死

▼簡単にフローチャートとかの図が書ける作図用ソフトがちと欲しくなってきたのでちょっと調べてみる。どうも標準的に使われているのはマイクロソフトのVisioのようだが、実売で2万円くらいするようでちと手が出しづらい。ピーアンドエーが販売している「SmartDraw 5J Plus[Amzn]は1万円くらいで買えるしわりと良さそうだけど……。考えている使いみちがわりと下らないものなので、どうしようかちと検討中。まあ買ったら買ったで、下らなくないこと、というか仕事にもどうせ使うだろうとは思うけれども。

【雑誌】スーパージャンプ 11/13 No.22 集英社 B5中

 小谷憲一「DESIRE」は相変わらずスゲエ話だ……。今回は桜の木に恋愛に近いような感情を抱くようになってしまった女の子のお話。桜の木に登ってこんなことしてるとは。なんというかベタとかそういうのを超越した次元にあると思う。平松伸二「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルス」。いやー、面白い。この人って本当にアメリカ嫌いなんだなあと思った。試合に勝つたびに女を犯して回る野蛮なレスラーを「アメリカって国その物」と断言するこの暴論っぷり。さらに鉄拳のものすごい威力にも思わず爆笑。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 12月号 竹書房 B5中

 森左智の新連載「刹那の賭博師 とっぱくれ」(作:浜田文人+闘牌原作:馬場裕一)がスタート。なんかやけに麻雀が強い謎が多そうな少年が出てきて勝負というパターンは、麻雀漫画としてはまあ普通かな。今後の展開しだいといったところ。とみさわ千夏「不思議なピーチ牌」。なんかどうしようもなく頭が軽い漫画。本当に脱衣麻雀やっちゃう麻雀漫画って、実はけっこう珍しいかも。

【雑誌】週刊少年サンデー 11/6 No.47 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」。この娘さんはどうやって自分と同じくらいの大きさのハンバーグを作ったのであろう……などという無粋な突っ込みは無用。今回はやっと萌え萌えサイコガンの秘密を共有してくれる存在が登場。いろいろお話にアクセントをつけていく意味でも良いキャラかも。

【雑誌】週刊少年マガジン 11/6 No.47 講談社 B5平

 新連載で小林尽「スクールランブル」がスタート。塚本天満という名前の恋する少女が、同じクラスの男の子に恋して告白するまでのドラマをネタにしたショートギャグであるらしい。なんかいきなり最初の4ページが、本編でもなくあらすじ説明でもないカラーピンナップのようなものになっててちょっとビビった。このカラーページの最初のページは、女の子がのんんきな顔して歩いてて、ちょっと「あずまんが大王」的路線でも狙っているのかな、という印象を受けた。4ページめは色使いからしておセンチなギャルゲー系な感じ。「ラブひな」的なことをショートでやろうというパターンかもしれない。とまあほかの作品を引き合いに出すのは描いている人に失礼なのでこの程度にしておくが、すっきり見やすい今風な絵でわりとほんわか楽しいムードでいいんじゃないでしょうか。ただなんかアオリ文句で執拗に「ショートギャグです」と強調してるけど、別にラブコメでもなんでもいいじゃんかとは思う。最近のマガジンは、小林俊彦「ぱすてる」、玉越博幸「ガチャガチャ」とラブコメ系増量傾向にあり。


10/22(火)……貸衣裳じゃおかしいっしょ

▼近々知人の結婚式があるということで礼服の上下を寸法直しに出す。いちおう貸衣裳を借りるよりは安く済んだみたいで良かった。そのついでにちょっと町田駅近辺に出て本を購入。ここのところエロ漫画とかの品揃えがちゃんとした本屋さんに行けてなかったが、ようやくアイラDELUXEとかも入手できた。未読物のうち、麗人は志村貴子が目当て。

▼未読物
【雑誌】麗人 11月号 竹書房 B5平
【単行本】「必ずお読みください。」 一條裕子 マガジンハウス A5 [Amzn]

【単行本】「じかんはどんどんすぎてゆきます」 雁須磨子 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 マンガF、マンガ・エロティクス、エロティクスF掲載作品を集めた短編集。いちおう多少エロチックな本で描かれた作品群だが、どこで描いてもこの人は変わらないというか、マイペースの極み。淡くて不思議な色使いな表紙と同様な雰囲気で、この人の描くキャラクターは、みんながみんなふわふわと、どこか薄ぼんやりしているというか天然ボケというか、な不思議なノリをしている。そんな感じなのにノリとしては妙に落ち着いてはいて、その様子がなんだかすごく気持ちがいい。単行本タイトルからしてそうだけど、作風自体もゆるゆるで、適度にぬるい風呂にぼーっとつかっているかのような解放感がある。ある種ナチュラルドラッグ的というか。そういう独自のムードを持った人だけに、作品はどれ読んでも雁須磨子味になっちゃうし、これがまた面白い。何が面白いのかというと「はて?」という感じでもあったりするんだけど、この飄々とした筆致は貴重だと思う。

【収録作品】「テイメラレシシャ」「まっしろけ」「ものがげのこわいかお」「しゃりんしゃらん」「じかんはどんどんすぎてゆきます」「彼女が学校で」「あにいもと」「ワンコインクリア episode1」「ワンコインクリア episode2」「蟻」「毛糸玉」

【雑誌】ヤングチャンピオン 11/12 No.22 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。エイタローとミホがついに……という展開。思えばミホについては連載当初から出てきたヒロインキャラであったにも関わらず、ここまでは本格的にそういう状態になることがなかった。ストーリー的には一つのヤマといえるかも。作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」。やっぱり相馬光子が出てこないとだいぶ雰囲気変わります。まあどっちにしろ濃い作風であることには変わりないけど。

【雑誌】漫画アクション 11/5 No.45 双葉社 B5中

 うれしい。国友やすゆき先生の集中連載が始まった。しかもタイトルが「夜の覇者」。脂っこ〜い。ええと要するに、陰湿な上司の罠にハマって会社をやめさせられた男が、夜の町を舞台にのし上がっていくという感じの話っぽい。「キャバクラ…様々な人生の交錯するその場所で、一人の男の運命が変わる!!」というアオリ文句を見ただけでもう死ぬほどどうでもいいって気になるし、いかにも国友やすゆきって匂いがしてくらくらしてくる。わたべ淳の熱血実業団女子ソフトボール漫画「歓声」は全3回の最終回。華やかかつアツくてなかなかいい感じだったので、もう少し長期の連載にしちゃっても良かったかも。

【雑誌】漫画サンデー 11/5 No.43 実業之日本社 B5中

 このところ休みがちだった作:ひじかた憂峰+画:松森正「湯けむりスナイパー」だが、今回はちゃんと新作。松三のとってくる極太松茸をめぐる人間模様。以前やったカラオケ編の落とし前として、旅館が松三から松茸を仕入れるわけにいかなくなってしまった……という人間関係のアヤがリアル。

【雑誌】ドルフィン 12月号 司書房 B5中

 くどうひさし「成仏させてティーチャー」。デビュー当初は伸びやかで気持ちのいい絵柄が目についていたが、だんだんエロもうまくなってるなーと思う。今回は霊感が強くて幽霊に触ることができる女教師が、まとわりついてくる男幽霊とエッチ……というお話。細身だけどグラマラスな先生がかなり魅力的。コメディとしても悪くない出来。ドルフィン初登場の故障少将「準備室では別の顔」も女教師モノ。カタブツと思われていた化学の女教師さんが、男日照りと悶々としているところを男子生徒に目撃されてHになだれ込むというお話。女体にボリューム感があって実用面でいい仕事してるし、全体にカラッと明るく楽しいムードなのもマル。天崎かんな「いい旅胸気分」は、男一人+女三人の温泉旅行中に、三人娘のうちの一人の巨乳ちゃんと男がHするというもの。巨乳っぷりが豪勢でムチムチ。乳スキーな人向け。この人のエロ表現は、むんむんした熱気があってけっこう好き。全般に女の子が人が良さそうで、けして殺伐としないのも良い。

【雑誌】まんがSHOWGAKKOエクストラ 11月号

 駕籠真太郎「嵐を呼ぶ!モーレツソビエトランドの逆襲」が掲載。ソビエトの暮らしをパロディしまくったテーマパークを舞台に、ドタバタとギャグを展開する作品。相変わらずの妄想力炸裂ぶりではあるが、毒はもう少しあっても良いような気がする。加賀美ふみを「おつかれさま」。夫の仕事が忙しくてちょっとさみしい奥さんが主人公。といっても別に浮気するとかではなし。この人らしいすごく可愛らしいラブラブな世界が展開されてて微笑ましい。それにしてもこの奥さん、着てるものとかふりふりしてて妙に幼い。人妻なのにロリロリな雰囲気も。

【アンソロジー】アイラDELUXE 三和出版 A5平 [Amzn]

 町野変丸「キンタマンコ♥」。……やっぱりゆみこちゃんはすごいなあ。内容は驚くことに、かなりタイトルどおりであります。掘骨砕三「閉暗所同好会」は第6話め。ここに来て、主人公も彼が世話をしている女性たちも、ともに肉体が変化中。可愛い、けれども畸形という、掘骨砕三の魅力が存分に発揮されている。これ最初っからまとめて読んだら破壊力あるだろうなあ。栗田勇午「バスタイム」。この人はすっかり獣姦の人になった。絵柄的には明るくて親しみやすいタイプなのに、やることはかなり思いっ切りが良くて刺激的。しゃっきりぽんと犬ちんちんが舌の上で踊るわ、という感じ。


10/21(月)……得意弁当

▼ロフトプラスワンでのエロ漫画系トークイベントがまた開催されるという告知メールをいただいたので、以下に簡単な概要を転載しときます。

タイトル:「もっともっと!!ヌケる漫画が見たい!」
日時:11月14日(木) 18時開場19時開演
場所:新宿ロフトプラスワン
第一部「中と外、出すならどっち!?」(出演:浦嶋礼仁、永山薫、おかもとふじお、高原宏(西崎まりの)
第二部「今、エロ漫画が危ない!」(出演:山口貴士、岩田次夫、山本夜羽、米澤嘉博)
オールナイトの部「居酒屋えろまん亭」(出演:浦嶋礼仁、山本夜羽、ぐれいす、環望、町田ひらく他(シークレットゲストがあるかも)

 いちおう今回も来ないかといわれてはいるのだけど、仕事が忙しい時期なので行けるかどうか微妙。ちょっと難しいかな……。

【雑誌】ヤングマガジン 11/4 No.47 講談社 B5中

 ここのところクライマックスを迎えていたCLAMP「ちょびっツ」は次号で最終回。何やら幸せに締めくくれそうな気配。安達哲「バカ姉弟」では、姉弟に怪しい大人たちの魔の手が迫る。「ちょー緊急事態発生!」というアオリからして緊張感はないけど、わりとヒキの強い展開。さてどうなるか。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 11/4 No.47 小学館 B5中

 ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」の第4部が始まってたいへんワクワクしている。今回はどうやらアグネス仮面とマチルダ仮面の一騎討ちが行われるようだけど、その演出者である虎嶋社長は相変わらずのやりたい放題。みんなキャラが立ってるし面白いなあ。三宅乱丈「ペット」は、いよいよ超能力者同士の本格的な闘いが繰り広げられそうでかなり緊迫した状況。行き詰まるような展開が続いていてすごく読みごたえがある。なお柏木ハルコ「花園メリーゴーランド」は次回で最終回らしい。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 11/4 No.47 集英社 B5平

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。アメフトの場合はどうしても「ルールが難しい」という不利な面はあるけれども、そこらへんはそんなに気にしないで読めるように作ってある。少年誌的にはもう少し混沌としたパワーがあったほうが良いような気もしないでもないけれども、絵もうまいしちゃんとよく出来てる。河下水希「いちご100%」。今回は西野さん編。このところ3人が交互に、強力な攻勢をかけてきている。まさに恋愛三国時代の到来といった様相。イメージ的にはさしずめ魏=西野さん、蜀=東城さん、呉=北大路さんといったところか。


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