2002年12月上旬


12/10(火)……小きのこ

▼未読物
【単行本】「眠狂四郎」6巻 作:柴田錬三郎+画:柳川喜弘 新潮社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「春よ、来い」9巻 咲香里 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「エリートヤンキー三郎」13巻 阿部秀司 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「花園メリーゴーランド」5巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5中

 今号から5号連続で新連載攻勢。まずは作:大崎善生+画:菊地昭夫「将棋の子」がスタート。「将棋プロ棋士養成機関・奨励会物語」というキャッチが打たれており、どうも実録モノらしい。今回の主役は26歳という年齢制限ギリギリのラインを巡る悲喜劇を描いており、主役は中座真。「横歩取り△8五飛戦法」という戦法を考案した有名な棋士だそうな。漫画としては、元ネタはけっこう良さげだし作画も整ってはいるんだけど、もう少し過剰に見せちゃってもいいかなあという気がした。もう少しドラマチックに見せる押しが欲しいところ。今号から後は、ひのき一志、岡田和人、A2、井荻寿一の連載が順次始まっていくとのこと。個人的には井荻寿一がけっこう楽しみ。葉月京「恋愛ジャンキー」。今回は絵夢ちゃんが痛々しいなあ。

【雑誌】ビッグコミック 12/25 No.24 小学館 B5中

 かわぐちかいじ「太陽の黙示録」は、前回から始まっているけどさすがに読ます。12月27日は日本分断編をまとめた総集編が、特別増刊号として出るらしい。やはり売れるんでしょうなあ。

【雑誌】漫画アクション 12/24 No.52 双葉社 B5中

 山崎さやか「東京家族」。今回はけっこう笑ってしまった。一方的に壮のことをライバル視している同級生の吉村が、壮に対してなんとか優越感を持とうと画策。やってることがやけに子供じみてて楽しい。この人が出てくる回は好きだ。あきやまひでき「バイバイマラソン」。前後編の読切で登場。今回は前編。ヒロインのかおりを指導しているコーチが、彼に迫ってくる有力ランナーのナオミの策略で、陸連が発表した「セクハラガイドライン」という規定を悪用して陥れられそうになる……というのが前編のあらすじ。後編はかおりがナオミを見返すべく力走するという感じになるのかな。手堅くまとめてきそうな感じの作品。

【雑誌】漫画サンデー 12/24 No.50 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:勘崎順次「愛と復讐の挽歌」。フィリピンに逃亡したかり屋をするまでに落ちぶれていた、元・エリート日本人ラガーマン村田に転機が。彼のことを知るヤクザに拾われたことが、タイトルにもある復讐への第一歩につながる気配。泥臭い展開になりそうですな。

【雑誌】メガキューブ Volume22 コアマガジン B5平

 玉置勉強初登場。「ザ・面接」。フツー女性が受けることはないようなショボくれた倉庫会社に、就職難で入社試験をすべってばかりの女の子が面接にやってくる。そしてもちろんHに突入。最近わりと上品なH漫画が多いなーというイメージのあった玉置勉強だが、今回の作品はかなり直球ストレートなエロ漫画。ちょっとバカっぽい風味もあって気軽に読めるうえ、けっこうヌケもする。なんというかタマったモノを出しました〜という感じでイキイキしているような。ほしのふうた「冬季合宿」はおふろで小さな男の子と女の子がH。女の子もかわいいけど、男の子もいいんだよねー。

【単行本】「バカ姉弟」2巻 安達哲 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もフルカラー。頭の形がつるんとした得も言われぬ不思議な子供たち、人呼んで「バカ姉弟」たちを観察し続ける連載。何者なのかいまいち不明だが、なぜか町のみんなの人気者。散歩したりピアノひいたり買い物したり、日がな一日を楽しそうに過ごしている。まあかわいいっちゃかわいいのだが、なんとも不思議なまったりしたリズムのある漫画で、とりあえず見てて楽しい。平和な気持ちにさせられます。

【単行本】「おませなプティ・アンジュ」2巻 月野定規 ワニマガジン社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー面白かったなあ。人間のタイスケの家に、翼をなくして天界に帰れなくなった天使のアンジュと、悪魔娘の麻耶が住みついて、そのうえさらにアンジュの召使のラヴィアンも加わり、呑気な日常生活が繰り広げられる。最初はアンジュのほうがヒロインだったのに、最後のほうでは麻耶がすっかり主役の座に。基本的には馬鹿漫画で、この巻でも「ナジカ電撃作戦」のパロとか突如やりだしたりするのだが、エロシーンも華やかかつ何気にけっこうエッチぃし、さらに後半に行くに従ってトロける甘いラブラブ風味もだんだん増してくる。何はともあれ麻耶がいいのだ、麻耶が。パッと見気が強そうで、わりとすぐぽーっとなってしまうお人好しさ加減がたいへんかわいらしい。表題作のほかに快楽天1999年7月号に掲載された「らぶ’ずみらくる」も掲載されているけど、この人はずいぶん絵が柔らかくなったなあと思った。


12/9(月)……多頭髪

▼夢のカケラを探しに、僕は雪の降る町へ。というわけで突如DDR333のメモリが1枚必要になってしまい、職場からひとっ走り(正確には早歩き)して秋葉原の町中に繰り出したんだけど、いやーアキバは夜が早いねえ。たいていの店が20時には閉まっちゃってて、それをちょっと過ぎるともうほとんどどこもやってない。幸いラオックス・ザ・コンピュータ館の前の若松通商がやってたので無駄足にならずに済んだけど。人間バンザイパソコン、アプチバ!(意味なし)

▼早売り
【単行本】「しりちち」 まぐろ帝國 富士美出版 A5 [Amzn]
【雑誌】メガキューブ Volume22 コアマガジン B5平

 メガキューブは玉置勉強が初登場。あと、2003年カレンダー付き。描いている人は芦俊、みずきえいむ、船堀斉晃、士崎雅雪、金目鯛ぴんく、智沢渚優、天織龍樹、ひよひよ、森永みるく、ほしのふうた、林家志弦、瓦敬助

【雑誌】エース桃組 2003Winter 角川書店 B5平

 「物語が弱い」ってのはこういったものをいうのかもしれませんなあ。萌えで固めたコンセプト自体はいいと思うのだが、一つひとつの作品が短くてインパクトがいまいち弱い。雑誌全体としてのインパクトはあるんだけどね。

 その中で一つ、際立ってハードなことをしているのが、しけたみがの「鋼鉄の少女たち」(原作:手塚一佳、CG:桜井義隆、サポート:奥和樹)。女の子が戦争の前線に立っているけれども、けっこう痛々しいシビアな描写も多くて緊迫感あります。このほかで目についた作品だと、竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」、天津冴「が〜てぃあんHearts」あたりはさすがにキャラがおなじみなだけに読みやすい。後藤羽矢子「アシコちゃんたち」は、新米の漫画アシスタントの女の子が主役の4コマ。手堅いし華もある良いお仕事。ゴツボ♥リュウジ「桃から生まれたモモエちゃん」は、薄幸な女の子モモエちゃんが鬼のようなお姉さん二人にこき使われ、ついには鬼退治とかいって家からおっぽり出されてしまう……というドタバタギャグ。なんとなくお姉さん二人に安野モヨコ漫画に出てくる人みたいな雰囲気を感じた。道満晴明「ステッチ」は、ガラクタ置き場に済む寂しい少女を描いた、悲しくきれいなメルヘン。4ページの短い話ながらうまくできてる。平野耕太の作品はタイトルが長いので略。なんかもう「キングゲイナー」大ブーム。オタク男3人の脳内で。いつもながらにグダグダで面白いです。

【雑誌】ヤングキング 1/6 No.1 少年画報社 B5中

 小池田マヤ「聖★高校生」では、美園先生の過去のエピソードがこのところ続いている。なるほど人に歴史ありなんだなあと思うとともに、展開としてはなかなか切なくもあり。読ませますなー。どおくまんプロ「花はにおえんど」。弱小大学野球部を舞台にしたど根性ものなんだけど、スタンドで応援しているヤツらがギターをボロロンボロロンかき鳴らしながら「今だーゆけー宗衛門町大ー♪」とか歌っているシーンに思わず笑ってしまった。ちなみにこの作品は、作・構成がどおくまん、作画みわみわ、KOIKEYA、どおくまんの3人とのこと。ところで検索してみて知ったんだけど、「どおくまん」って「独立大阪漫人集団」の略なのね。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 1月号 竹書房 B5中

 なんか「ハリー・ポッター」が流行ってますな。今回は、片山まさゆき「スーパーヅガン!アダルト」、坂本タクマ「シンケン君」、猿山長七郎「That's 裸単騎 Show!」でハリポタネタが。中でも片山まさゆきはこういうネタ転がし系麻雀漫画の第一人者だけあって、さすがにうまい。来月号では大武ユキが読切で久々に掲載されるとのこと。

【雑誌】ヤングマガジン 1/2+8 No.2+3 講談社 B5中

 山本マサユキ「ガタピシ車でいこう!!」はクリスマス編。でも例の男二人は相変わらずシケた感じの夜を迎えて……という感じのお話。なお今月は「ガタピシ」3巻と「六本木リサイクルショップシーサー」の単行本が26日に同時発売と。早売りで買うとクリスマスプレゼントに最適!……でもないか。宮下英樹「ヤマト猛る!」。ヒロインの霞ちゃんはいつもほっぺたが紅潮している感じが良いと思う。たまには報われるといいなあ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/8 No.2 小学館 B5中

 古屋兎丸「π」は巻頭カラー。なんかまたしても濃いキャラが出てきた感じだなあ。とても馬鹿馬鹿しくて良い。単行本1巻は1月31日発売の予定。花沢けんご「ラウンドガール」後編。浮気したボクシングのチャンピオンの元彼氏に復讐するため、とあるOLのねーちゃんがラウンドガールとして乱入し、インターバルタイムを使ってチャンピオンをぶん殴ろうと計画。後編ではその顛末を描く。コミカルな内容でなかなか元気のいい作品。わりとコンスタントに作品描いていけそうな作風という感じもした。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/8 No.2 集英社 B5平

 新連載、加治佐修「TATTOO HEARTS」は、手違いから伝説の墨を使った刺青を掘ってもらった少年が大暴れする冒険モノという感じ。作画的には整ってていかにもジャンプ漫画らしい元気良さはあるけど果たして。これが流行ると、彫師を志す少年少女が増えるかも♥ 河下水希「いちご100%」。新キャラの妹分的女の子がいろいろ活躍。華やぎますなあ。

【雑誌】comic天魔 1月号 茜新社 B5平

 今号もうるし原智志表紙はパンツを履いている! でも全プレ用の表紙イラストテレカでは履いてないっぽい。あと巻頭カラー4Pのうるし原智志カレンダーのイラストも履いてない&薄消し。んでもって木村義浩「凌辱の刻」はお休み。

 皆月重三「落花流水」。兄妹もの。妹がロリ顔のくせにけっこう乳がデカくていやらしい体つき。とくに乳輪から乳首のあたりのフォルムが淫靡。ひぢりれい「虚戯」。いつもながらに達者な作画。家庭教師のおねーさんとその生徒の少年という組み合わせ。上半身はほとんど脱がないのがちょっと残念。あっちー「若妻狩り」は、Hな身体を持て余し気味な若妻さんが、家に侵入してきた今話題の外国人窃盗団の男にやられちゃうというお話。なかなかHな妻っぷりが発揮されていてヒトヅマスキーにとってはけっこう良い。ゆきやなぎ「寒月奇譚」では、生活に疲れた男が古い旅館にいざなわれ、そこの女将と交わるというお話。この人の滑らかで艶のある熟れた絵柄は好み。なんだけどちょっと実用面ではもう一押しという感じがわりとする。ちょっときれいすぎるというか。

 あとTENMA増刊のロリ系雑誌LOの第2号が、4月ごろに出るかもしれないとか。


12/8(日)……嗚呼良いお尻

▼未読物
【単行本】「strawberry shortcakes」 魚喃キリコ 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「会田誠第二作品集 三十路」 会田誠 ABC出版 B5 [bk1][Amzn]

【単行本】「ピューと吹く!ジャガー」4巻 うすた京介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 いやー、面白いなあ。たて笛野郎ジャガーさんを中心としたメンバーが、別にどこに向かうわけでもなくまったり生活。奇矯なたて笛とかハマーさんのショボショボさ加減とか、高菜のみっともない所業とか、いろいろいい。やってることはすごい楽しいけど、この程度のことなら当たり前のようにやってのけちゃうところがカッコよくもあります。個人的には「マサルさん」より好きだったり。

【単行本】「龍」32巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 大河ドラマですなあ。この巻では龍の弟分であった孫文龍が、日本と欧米諸国が戦争状態に突入する中で、時代のうねりに巻き込まれていく様子が描かれる。お話は引き続き激動状態にあるものの、作品自体はちょっとやそっとのことでは揺るぎようもない安定感を誇る。それにしてもこのペースだと最終的には何巻まで行くんだろう……。

【単行本】「高校アフロ田中」3巻 のりつけ雅春 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 下らなさがずいぶん増してきて面白くなってる。とくにこの巻では、他人からは理解できないものにこだわる話と、女500人斬りの伝説の男の話が好き。あとカバーをめくるとペーパークラフトが。

【単行本】「つゆダク」2巻 朔ユキ蔵 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 アイドルたちの性欲処理係として経験を積みつつある露崎が、ついに本命のアイドルと……という展開の後、レベルアップを図るため次なるターゲットへと向かう。エロ漫画方面でやってたときみたいな、予想外の爆発力というのはないものの、エロありのコメディとしてはけっこう手堅く楽しくまとまっているとは思う。初めての週刊誌連載としては健闘しているほうではないかと。

【単行本】「ざこ検マルチョウ」6巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。手堅く最後まで読ませてきれいにおしまい。まあ正直盛り上がりという面ではいまいちだったかもしれない。検事という職業の性格上、悪名高いが物語を盛り上げるうえで非常に有効な手段である「強さのインフレ」というものが使いにくかったし。「演歌の達」ならば、経験を積むにつれよりビッグなアーティストを任せられる……というふうにできたけど、検事ではそうもいかない。事件が一つ終わったらそれを踏まえてさらに難事件……という連続性があったほうがドラマチックではあろうかと思うが、検事さんの場合は事件ごとに「それはそれ、これはこれ」とちゃんと割り切らなきゃいけないだろうから、実際の局面でそれやるのもあんまり良くないと思うし。とはいえ事件側はそうであっても、潮側については経験を積み重ねることによって少しずつ成長している様子が伺えたので、その点は清々しかった。次回作はスペリオールでの野球モノらしい。こちらも引き続き期待。

【単行本】「藍より青し」10巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 ぶっとび純愛ストーリー、健康に悪そうなくらいピュアマイハート。いちおうそろそろクライマックス突入っぽい。自分で自分のことを「一途」とかいっちゃう葵ちゃんは改めてかなりヤバい。それにこたえて自分も「一途」とかいっちゃう薫もたいがいなもんなので、たいへんお似合いなカップルではある。それにしてもこのDVD5巻のパッケージはすげえなと思った。いったいどういう状況なのかしらー。


12/7(土)……反動減る度

▼最近シグマリオン2がもりもり安い。12/7現在、ネット通販での最安値が2万4800円といったところ。量販店とかを探し回れば2万円以下でもあるらしい。以前から出先で文章書き&Webチェックとかする端末が欲しかったということもあり、物欲が臨界点を突破。購入しちゃいました。やっぱりキーボードがあるってのはいい。若干小さくて戸惑うし、キー配列も変則的だけど。あと電源入れると瞬間的に立ち上がるのも便利。これは通常のWindowsノートにはない気持ちよさだなー。OSのWindows for H/PC 2000の操作感はいまいちだけど、まあ慣れればなんとかなるかな。キーボードとペンの併用というのは、正直いまいちだとは思っているのだが。シグマリオン2はけっこう売れた製品だからWebにもいろいろ情報はあるし、とりあえず環境作りはそんなに苦労しなかった。WebブラウジングについてはJavaがうまく動かないし、画面の縦幅がすごく狭いんでちと使いにくいけど、まあ出先レベルではこんなもんでOK。ソフトについてはPocket WZ Editor[Amzn]がかなり使える感じ。まあゆるゆると慣れていきませう。

【雑誌】YOUNG YOU 1月号 集英社 B5平

 榛野なな恵「パンテオン」。ついにお兄様に自分の行為を伝えてしまった彰子が、どんどん自分を追い込んでいく。うーん切なくてキッツい状況だー。榛野なな恵キャラは本当にマジメそうなだけに、より切羽詰まった感じを受ける。谷地恵美子「君住む夢都」はそろそろ終盤かな。だいぶ比呂央と颯史の心が近づいて来ているけど、状況的には深刻になってきてて。もう一押し事件があってあとはくっつくのみか。手堅く読めます。羽海野チカは「ハチミツとクローバー」は載ってなくて、今回は海岸で小貝を広い集めるという企画に挑戦……というよく分からん状態に。何をやっておられますのやら。

【雑誌】FEEL YOUNG 1月号 祥伝社 B5平

 Zipper comicでやってたジョージ朝倉「ハートを打ちのめせ!」がこっちに登場。最終ページに「END」って書いてあるってことは、これで最終回なのかな。人を「好き」と思う気持ちの移り変わりを、この人らしい力強いストーリー運びグイグイ読ませていく呼吸はさすが。旬の作家ならではのキラメキを感じる。宇仁田ゆみ「マニマニ」も最終回で、きれいな締めくくり。単行本は来年春に発売するとのこと。こいずみまり「ガーデン オブ エデン」。今回はかなり切ないエピソード。明るいのもシリアスなのもうまいなあ、この人は。現在かなり多作ではあるけれど内容的にはむしろさらに良くなってきてるのは立派。有間しのぶ「モンキー・パトロール」。今回は3人娘の中で一番のしっかりもの花枝香さんがメイン。なんかいきなりモテ期間に突入してて、今後もいろいろありそう。面白いなあ。

【雑誌】うさまん Vol.1 リイド社 B5平

 先日休刊した零式の後継誌的雑誌。零式でやってた連載では、みた森たつや「終末にしましょ!」が引き継がれている。うさまん創刊に当たって始まった新連載はまだ内容的に出だしの部分ということでなんともいえないけど、「終末にしましょ!」はさすがにもう5話めだけあって安定している。古代遺跡の中で主人公が出会った少女がきっかけで、騒動がどんどん大きく……といった具合。けっこう馬鹿馬鹿しいSEX比べとかをやってるんだけど、結局は主人公と少女のラブラブっぷりが微笑ましく展開して面白く読めた。まだ子「おてつだい♥」は、滑らかな絵柄が今回もいい。中田ゆみ「友達じゃなく」。けっこう切ないけれども前向きなハートブレイクストーリー。女の子の気持ちが生っぽく描けてて好感が持てた。あとBENNY’S「「ボクの宇宙人」は、この人のH漫画雑誌作品としては珍しく4コマ漫画。主人公のところに、不幸な人間のお世話が趣味な美少女宇宙人がやってきて……といった具合。今回はとりあえずHなしでほのぼのドタバタ。

【執筆陣】あずまゆき、瀬奈陽太郎、むつきつとむ、べてぃ、鈴木美蘭、小菅勇太郎、大島永遠、NYAN、悠木りおん、二階堂みつき、まだ子、中田ゆみ、みた森たつや、BENNY'S

【雑誌】コミックPOT 1月号 メディアックス B5平

 初登場の貴田光一は、前号の予告によれば「菓子山美里改め」であるらしいい。読切「モデルにご用心♥」が掲載。美少女漫画雑誌ではあるけれども、この人の持ち味である熟れた絵柄はやはり存分に発揮されている。木静謙二「GAME OVER」は、RPGの女戦士がザコモンスターたちによってさんざん凌辱されるというお話。ギャグタッチだけど相変わらずエロシーンは色っぽい。しろみかずひさ「そして多分、人生も。」。今回はだいぶ明るめなお話。麻理果がセーラー服を着ているのが新鮮。

 ジェームスほたて「番台娘。」。番台に座っている眼鏡っ娘のカメちゃんが、とあるお客さんの男にメロメロになってしまう。この娘さんが肉付き良く、性格も天然系でなかなか可愛い。ジェームスほたて、好調ですな。EB110SS「死んじゃイヤン」。いつもながらに幼女パラダイスでたいへんかわいい。ただ最近のEB110SS漫画は、単純に幼女とやるだけ的な漫画が多くなってるので、ストーリー的や演出などでそろそろ新たな引き出しが見えてくるといいかなーという気はしている。花丸木リカのお気楽エッセイ漫画「ひとはだスパイラル」は、リニューアル前のPOTからの生き残りで久々登場。これからも続投みたいです。

【雑誌】MUJIN 1月号 ティーアイネット B5平

 今月は、甘詰留太、小暮マリコ、冬長(=斎藤佳素理=蜈蚣Melibe)といった、MUJIN系で個人的に楽しみにしている作家さんたちが揃って掲載されてないので全体的にいまいちかなーという印象。板場広し「バス停の彼女」。今回はバス停で一人寒い中、彼氏を待っている女の子と、そんな彼女の様子を見かねた男のエピソード。ちゃんとしたラブストーリーになってて、しっかりまとまってる。この人はバカで明るいのもいいけど、スタンダードなエロやこういうのもこなすあたり、芸風が幅広い。ゆいしはMUJIN初登場。「ドナドナ」。大きな屋敷にメイドとしてやってきた少女が、性奴隷として調教されていくという感じの尾はあなし。くりっとした目つき、小作りな顔立ちがわりと良い感じで印象に残った。


12/6(金)……薬油

▼やっぱり観たくなってしまったので、「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」のDVD、スペシャル・エクステンデッド・エディション[Amzn]を観賞。劇場公開時と同様のコレクターズ・エディション[Amzn]と比べて30分ほど映像が追加されているので、だいぶディティールが細かくなった印象。とくにホビットについての描写と、ロスロリエンのシーンあたりが増量されている。ロスロリエンについては劇場公開版ではガラドリエルがただの恐い魔女みたいな感じだったんだけど、その点今回の映像追加で多少良くなっている。とはいえ、劇場→コレクターズ→エクステンデッドと観て、だいぶ物足りない部分も目についてきた。個人的に一番気になったのがサム・ギャムジーの描写。追加映像でだいぶフロドとの結びつきが補足されたものの、彼がフロドに尽くす動機が「ガンダルフと約束したから」みたいになっているのはちといただけない。原作だと二人の関係はあくまで主従なんだけど、映画版だとそれが友情になっちゃってる気がした。

【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 1/19 Vol.11 白泉社 B5中

 うは、甘詰留太ですか。これはちょっとびっくりした。読切「Hなまんがができるまで」でヤングアニマル嵐初登場。いちおう説明しておくと、この人は普段は主にH漫画方面で、甘詰留太もしくはA・浪漫・我慢名義でMUJIN(ティーアイネット)およびキカスマ(松文館)等で活躍している。少女系のハードエロが得意だが、甘ったるいラブコメや切ない恋物語もうまい実力派な人だ。単行本は「奥様は少女」「満子」「少女絶頂体験」がある。で、今回のお話はとある少年が同級生の心憎からず思っていた女の子の家に招待されるも、実はその家では姉妹でエロ漫画を描いててその手伝いをせよとのことだったのだ……というお話。今回は直接的なSEXシーンこそなかったけど、サービスシーンは多く、甘いラブラブムードも充満。とくにトロトロな甘い恋心を感じさせる表情の描き方とかはとても良い。画面密度が高くて若干ごちゃごちゃしているきらいはあるけど、実力はある人だと思うので今後の活躍にも期待。一般誌のフィールドで揉まれる経験も、この人にとってはきっと有益だろうし。

 克・亜樹「ふたりH」。今回掲載されてるSpecial Partって、脇役のエピソードとはいえお話的にはいちおうそこそこ重要なんじゃないかなーと思うので本誌でやったほうが良かったんじゃないかな?とか思った。ナカヤマテツヒロ「ロボ犬DX」は、切り絵のようなタッチが面白い読切。町で女の子が拾った犬のおもちゃは、実はものすごく高性能かつヘン機能満載なものであった……というお話。ほのぼのしててなかなかよろしいです。ますだけん「試衛館高校 血風録」は、キャッチャーやってる先輩のことが好きで、その気持ちを込めてすごい球を投げる女の子が活躍するという作品。「好きィィィィ」と絶叫しつつ投げる様子がけっこうイケる。こういう元気のいい作品はわりと好き。

【雑誌】コミックバンチ 1/1+3 No.1+2 新潮社 B5中

 作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ「プルンギル −青の道−」。だいぶ事件の核心に迫ってきていて面白いと思う。たいへん濃い作画が奏効。画面効果が独特なのも、作品の雰囲気にマッチしている。

【雑誌】花とゆめ 1/1 No.1 白泉社 B5

 今号は羅川真里茂「しゃにむにGO」がたいそう盛り上がってて面白かった。伊出vs.佐世古の試合が思わぬ白熱した展開になっている。伊出の成長っぷりが見ていて頼もしい。その影でちゃんと滝田やひなこさんの複雑な心情を描く配慮も細やか。よくできてます。

【雑誌】ヤングヒップ 1月号 ワニマガジン B5中

 ポン貴花田「あいしてるとかすきだとか」。元彼氏で幼なじみの男が引っ越して一人暮らしを始めるということで、ちょっと複雑な気分の女の子。んでもって引越の当日に盛り上がってヨリを戻すというお話。ラブラブかつHシーンもけっこう充実。ソツなくきれいにまとまってる。草津てるにょ「ダブル」は敏腕美人女課長とその部下が……といった感じ。この人の描く熟女はやはりええですのう。

【アンソロジー】COMICアリス倶楽部 コアマガジン A5平 [Amzn]

 ロリ系のアンソロジー本。執筆陣は以下に示すとおりだが、かなり粒ぞろいでロリ系の読者にとってはかなりたまらないセレクション。コメディあり、ストレートなロリエロあり、ソフトでおセンチな作品あり、痛々しいお話ありと、作風についてもかなりバラエティに富んでいて楽しめた。コアマガジンのこの手のロリ系アンソロジーは毎度質が高くて良いのだが、一つのシリーズがなかなか長続きせずコンスタントに出てこないのが珠に瑕といったところか。

 まずこの系統では現在俺的エースなほしのふうた「ボクたちのさよなら」。学校の用具室でちっちゃい男女が絡み合う。やっぱし可愛いです。愛情たっぷりな締めくくり方も気持ちいい。ジェームスほたて「天使の誘惑」は、保険委員の女の子よつばちゃんの魔女っ娘的な特殊なファッションがすごくいい。「センセーはどうすればよつばのものになりますか?」とか、健気なセリフもいちいちキューンとくるものがあってかなり良い。ジェームスほたては最近ハードエロもうまくなったし、こういう萌え系なものもしっかり描けるし、本当に充実してると思う。湊谷俊作「蝕蟲華」は、吉崎観音チックななめらかな絵柄がいい感じ。内容も十分変態チックでいい具合。チャーリーにしなか「SAVE ME!」。委員長っぽい雰囲気な、吊り目気味のメガネッ娘がHなことをする。強気な表情がいいねえ。神寺千寿「Love is a great tempter」、タカハシマコ「おにいちゃんといっしょ」、ナヲコ「デュオメイト」あたりは可憐で華やか。

 町田ひらく「スケアクロウ」は、ベトナム戦争で負傷し兵としては使い物にならなくなった男が、現地の少女に拾われ、彼女に守られる立場となる。相変わらず町田ひらくの描写には曇りがなく、少女の凜々しい表情が印象に残る。みかん(R)「希求」はかなり苦いお話。幼なじみの少年を慕う少女の気持ちを、大人が無残に踏みにじる。白黒のコントラストの利いた高品質な作画は相変わらず艶めかしくて良い。

【カバーイラスト】YUG、ほんだまりあ、MATSUDA98
【カバー下】A・浪漫・我慢、わんぱく
【イラスト】宇宙帝王、倉澤京章、おおもりよしはる、みほとこうじ
【漫画執筆陣】忠臣蔵之介、ジェームスほたて、ほしのふうた、チャーリーにしなか、神寺千寿、湊谷俊作、くりもとツキル、町田ひらく、タカハシマコ、みかん(R)、ナヲコ

【アンソロジー】「学園天国」 部活編 コアマガジン A5平 [Amzn]

 部活やってる女の子を扱ったアンソロジー。だけど個人的な目玉は、瓦敬助「菜々子さん的な日常」が2本掲載されてることだなあ。これはたしか単行本には収録されてない話だったような(ざーっとしか確認してないんで間違ってたらすんません)。久々だけど菜々子さんは相変わらず健康的でたいへん可愛いです。ヤマラス「強化練習三十分前」。かなりぷにぷにしたクセのある、真性ロリっぽさ強めな絵でけっこう気になった。田沼雄一郎「瞳くんがんばります。」は、なよっちい男子ボクシング部の瞳くんが、大柄な女子ボクシング部部長に可愛がられるというラブラブムードたっぷりなお話。ショタッ気もわりと濃厚。みかん(R)「First Difference」は、女子テニス部のおねえさまと後輩の百合話。「COMICアリス倶楽部」掲載作同様、いい絵ですなあ。あと、マイノリティ「ナナちゃんの踵落とし」は、空手部のちんまい女の子が男子に寄ってたかってやられている様子がけっこうエロいなと思った。

【カバーイラスト】瓦敬助、天竺浪人
【カバー下】G=ヒコロウ
【中扉】三浦靖冬
【イラスト】佐倉尚義、葛城ゆう、兼処敬士
【漫画】瓦敬助、吉天レンゾー、道満晴明、ヤマラス、宇内鉄朗、田沼雄一郎、麻生純、NEO’GENTLE、まりぴょん、季川良寧、みかん(R)、マイノリティ

【単行本】「ぷろぶれむちゃいるど」 高柳ヒデツ 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 週刊少年チャンピオンで連載された「ぷろぶれむちゃいるど」に、読切「ア・ブ・ナ・イおねーさん!」と「しゃんぷうTAITO」の2本をプラスした単行本。「ぷろぶれむちゃいるど」は、実家がボロ道場を経営しているけど自分は弱っちいカンペーのところに、鍛錬は全然したことないけどメチャ強なまりやという、女装した女の子が転がり込んで来るところからスタート。んでもってカンペーのクラスメートには、園崎さんという彼のことが好きな空手少女がいて……といった具合。力強さとキュートさの共存する高柳ヒデツの絵は魅力的で、けっこう面白くなりそうだったのだが連載は中断。そんなわけでこの単行本についても尻切れ状態なまま。雑誌掲載分9話のうち収録されたのは5話分と、こちらも状態としてはいまいち。残念だー。

【単行本】「ORANGE」6巻 能田達規 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 面白い。最近のサッカー漫画の中ではトップクラス。2部リーグからの昇格を目指すというのがそもそもアツいドラマであるし、ムサシ以外のメンツの描写も多くなって物語に厚みが出てきている。主力メンバーが欠けた場合の対処とか、チームを押し上げていく上でのさまざまな局面を想定しているのもいい。まさにサカつく。あと今回は青島と、そのライバルのさいたまレオーネ三木のエピソードを描いた番外編も収録。かなりアツい。

【単行本】「俺の名はバーサスSS」 小野寺浩二 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 小野寺浩二の初連載作品、しかも少年キャプテン掲載作品である「俺の名はバーサス」を中心とした作品集。この作品では、まだエロとか萌えとか出ていないだけに、小野寺浩二のコアな部分がよく見えるような気がした。お話としては、正義のヒーローとなることを目指していた少年・バーサスが、迫り来るマイナー同好会連合の敵と対決していくというドタバタアクションギャグ。これ見てて思ったんだけど、この人の作風ってボンボンとかにすごく向いてそう。別に子供向けといいたいわけじゃなくて、そういう子供にも分かりやすく、しかもちゃんとインパクトのあるお話を描けそうだなということ。多少エロであったりオタクであったりしても、心根が案外と健全なのですごくサバサバしてるのもいい。なんか読んでてとても気持ちいいなと思う。


12/5(木)……二重奏麺

▼最近の米には睡眠薬が入っているのではないか。そんなことを考えてしまうほどに、メシを食うと途端に眠くなる。今日は頑張って寝ないでなんかしようと思ったのにやっぱりダメだった。腹八分めに抑えるのがいいとは思うのだが、メシを前にしちゃうとねえ。意志よわよわ。

▼未読物
【単行本】「ピューと吹く!ジャガー」4巻 うすた京介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックフラッパー 1月号 メディアファクトリー B5平

 小原愼司「東方紅夜譚 二十面相の娘」は、2002年10月号に掲載された「二十面相の娘」シリーズのお話。怪人二十面相に拾われて育てられた少女チコの物語。怪盗と可憐な少女という組み合わせは、なんともロマンチシズムをかきたてられる。チコの少女らしい感傷や、怪盗としての成長の様子など、描写が非常に好ましい。この調子でまた登場してくれるとうれしいなあ。柳沼行「ふたつのスピカ」は、宇喜多マリカさんおよびアスミの仲間たちの家庭事情とかがだんだん描かれていく。だいぶ宇喜多さんのキャラとしての重要度が増して来ている感じ。新居さとし「地球防衛OLいちご」。クリスマス話。今回はいちごとかでなく、メガネっ娘で酒乱の朋子がメイン。毎度勢いあって楽しいねえ。ボケとツッコミの呼吸がよろしいと思います。

それから今月の若手読切枠は岡本一広「凶悪武装メカクラベ」、石黒正数「ススメサイキック少年」、奥田圭悟「のりみ日記」、末弘「ジョブ −the lightning−」の4本。この中では石黒正数が作画の完成度、ストーリーの安定感ともに抜けてる感じ。奥田圭悟はパッと人目を惹く元気な絵柄なので、ドタバタギャグとかで才能を発揮していけそう。

【雑誌】モーニング 1/1 No.1 講談社 B5中

 佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」。う〜ん、かなり力技な展開になってきた。こういう風になっていくとは予想していなかったが、この後どのようにお話を着地させていくんだろうか。楽しみではある。井上雄彦「バガボンド」。小次郎カッコイー。小次郎がまともな言葉を話せないのが迫力を増幅させているように思える。冷静沈着な澄みきった表情を見ていると、手加減とか絶対しなさそうだし。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。だからもうこの巨乳秘書はエロ過ぎだって。

【雑誌】ヤングサンデー 12/19 No.1 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。ラブコメ度上昇中。今度は清春アキラにゆかりんもからんできちゃって複雑な状況……でもないか。守村大「パラダイス」は展開もアツいが、今回は巻末作者コメントもなかなか。「最近泣いたのって、いつ?」という質問に対し「ひいきの選手の不合理な判定」と答えている。守村大は相当ボクシング好きそうだ。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中

 江川達也の新連載「コーリュー」は、茨城から名古屋に単身引っ越してきた加藤めぐみという女の子が主人公。ところが下宿先のアパートは、不法入国の外国人たちの巣窟みたいなところであるうえ、急病で倒れてしまった大家さんにその管理をいきなり依頼されちゃってさあたいへん……という出だし。かなり慌ただしい作品になっていきそうな感じ。きたがわ翔の読切「和音 −かずね−」は、行き詰まった作曲家が町でとある着メロを耳にし、その曲を作った少年に天才を見出す。でもその少年には難病にかかった妹がいて……といった具合にお話はちょい切なめに展開。かなり出来すぎなお話ではあるが、あまり希望のない締めくくりはけっこういいかなとか思った。岡本倫「エルフェンリート」。今回の最終ページはさすがに笑ってしまった。描きたいことに描写力が追いついてないんだろうなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/1 No.1 秋田書店 B5平

 馬場民雄「虹色ラーメン」。ははは、馬鹿げてていいなあ。今回はダンス! そして麺打ち。こんなことしなくては麺は打てないものなのか……。すごいな。八神健「ななか6/17」。稔ニ、ななか、雨宮さんの三角関係が大揺れ。なんか非常に重い展開になっている。雨宮さんがどんんどん自分をさらけ出していく姿が切なすぎる。うおお〜。かなり身悶えしました。この作品はちょっと前までコメディで行ってたと思ったら、いきなりこういうシリアスなエピソードに突入する。振れ幅がかなり激しいので油断できない。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/20 No.24 小学館 B5中

 作:東周斎雅楽+画:魚戸おさむ「イリヤッド」。手堅くしっかり面白いな〜。考古学的な知識をからめながら、読みごたえのあるドラマを構築している。地味ながらも読める、この手の作品を掲載する土壌があるのがビッグコミック系の強みだ。そんな感じで作:矢島正雄+画:中山昌亮「PS羅生門」も良かった。今回は人相は気持ち悪いけど実は非常に良心的な交番のおまわりさんを描くお話。深見琳子「沈夫人の料理人」は、今回も李三がおろおろしっぱなしでたいへん面白かった。

【雑誌】桃姫 1月号 富士美出版 B5平

 長谷円「ミルキーズへようこそ!!XP」。一見普通、でも実は裏でウエイトレスのはるなちゃんが売春しているのが売りな喫茶店での出来事を描いた作品。はるなちゃんの服装は尋常でなくフリフリなメイドファッション。かなり肉付きのいいもちもちした女体の描き方がHで、はるなちゃんのやりっぷりもかなり貪欲。なかなか使える一本。ひねもすのたり「呪縛の加牟波理入道」は、こなれた柔らかいタッチが好み。内容もけっこう嫌らしい。画面効果がちょいとあさりよしとおチックなのだが、似たような感じでかなりエロエロな描き手に成長した摩訶不思議みたいになってくるといいなあとか期待。


12/4(水)……変死体ライター

▼映画「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」のDVD、スペシャル・エクステンデッド・エディション[Amzn]が到着。劇場公開時は未公開だった映像が30分ほど追加されたバージョン。個人的には通常版のコレクターズ・エディション[Amzn]よりも、こっちのほうが本命だった。とはいえ9800円ってのはちと高いなあ。そしてそれより問題なのは、コレをいつ観るかということだ……とかいいながら、わりとすぐ観ちゃいそうな気もしている。

▼未読物
【単行本】「龍」32巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「高校アフロ田中」3巻 のりつけ雅春 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「つゆダク」2巻 朔ユキ蔵 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ざこ検マルチョウ」6巻 高田靖彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]
▼早売り(5日)
【雑誌】コミックフラッパー 1月号 メディアファクトリー B5平
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 12/20 No.24 小学館 B5中
【雑誌】花とゆめ 1/1 No.1 白泉社 B5平
【雑誌】桃姫 1月号 富士美出版 B5平
【アンソロジー】「学園天国」 部活編 コアマガジン A5平
▼早売り(6日)
【雑誌】ヤングアニマル増刊 嵐 1/19 Vol.11 白泉社 B5中
【雑誌】コミックPOT 1月号 メディアックス B5平

【雑誌】キングダム 1月号 少年画報社 B5中

 カサギヒロシ「ROUTE16」が連載開始。平凡な男子・数馬にすごく可愛い女子高生が声をかけてきて、乗っていたバイクを盗まれちゃったのが物語の始まり。バイクで逃走していく彼女のパンツには「ROUTE16」という模様の刺繍が。キュートな容姿と凄腕なバイクテクを持つ彼女を巡っていろいろな騒動が巻き起こっていく……というお話になりそう。カサギヒロシの描く女の子は、イキが良くて色っぽくかなり好き。面白い作品になるといいなあ。あとアキヨシカズタカ「Monkey Magic」も元気が良くていい。49ccのバイクを改造しまくってる女の子、ユキの表情がイキイキしている。それにしてもこの雑誌は、バイクと女だなあ。私屋カヲル「青春ビンタ!」。すごく馬鹿でいいなあ。とくに海音寺先生がどんどん人間離れしていって無敵キャラと化している。面白い。竿尾悟「渚」は今回で最終回。最後までどどーんとおっぱいでした。

【雑誌】週刊少年サンデー 12/25 No.1 小学館 B5平

 やはり12/25号が2003年の第1号だというのはどうしても納得がいかない。井上博和「美鳥の日々」はなんだか急展開。まだ11話なのに。もしかして意外と短くまとめてくるのかな? サンデーだけにもうちょっと引っ張りそうな気はするけど。猪熊しのぶ「旋風の橘」は今回で最終回。剣道で破天荒路線は今どきキツいかもなあという気はする。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/1 No.1 講談社 B5平

 作:安藤夕馬+画:朝基まさし「クニミツの政」。もう10巻も出てるのか……。なんか最近はけっこう楽しい教師モノになってていい感じだと思う。森川ジョージ「はじめの一歩」。一歩のフィニッシュブローが壮絶に炸裂。一度実際のボクシングのタイトルマッチでもこんな派手なKOシーンを観てみたいなあ。やられるほうはたまったもんじゃないだろうが。

【雑誌】CRAFT Vol.15 大洋図書 A5平

 毎度のことながらきれいな作りのボーイズラブ系の本。まずは紺野キタ「小泉くんと愉快な仲間たち」。美少年いっぱいの男子校生活を楽しく展開。ある意味「ひみつの階段」の世界を少年にして、ボーイズラブ要素を加味したっていう感じに近い。なんか非常にほのぼの楽しい。あからさまな性行為とかはないので(キスさえない)、ボーイズラブ初心者にもなじみやすそう。雁須磨子「のはらのはらの」。いちおう元野球部の先輩と主人公の西戸崎くんはつき合い始めているんだけど、恋愛なんだかそうでないんだかという状態。この曖昧さ、そしてゆるゆるとした、ぬるいお湯の中でぷかぷかと漂っているような感じが雁須磨子作品は心地よい。

【執筆陣】茶屋町勝呂、夢花李、高橋悠、河井英紀、神楽坂はん子、紺野キタ、吉川博尉、高屋未央、雁須磨子

【雑誌】コミックメガストアH Vol.4 コアマガジン B5平

 わりとベタに実用路線。巻頭はおかのはじめのカラー16P「くちゅ2」。親に捨てられ、生活保護でに頼って暮らす姉弟のお話。姉はかわいい弟のことが大好きで、二人は寄り添いながら暮らしている……という感じ。ショタ風味もあり、かつエロのほうもかなりしっかり。全部カラーなんで肌の質感とかがたいへん良い感じ。鬼ノ仁「NOIR 70%」も手堅くエロでパンチラもバシバシ。エロがハードでテンションが高いだけじゃなく、恋愛模様もけっこうキューンとくるものがあっていい。

【単行本】「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」8巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もたいへん面白くて満足。抜群に読みやすい。地に足の着いた作風で、しっかり笑わせながら、ゴルフのほうも力強く展開。この分かりやすさは素晴らしい。キャラクターもそれぞれユニークだし(個人的にはジャンボ尾崎みたいな人であるマイト竿崎がけっこういい)、ヒキも強いし、肩が凝らず楽しめる作品。

【単行本】「新しい変態(激アツ目2003)」 尾崎弘 白夜書房 B6 [bk1][Amzn]

 うーむ。これは本格的に分からん。何が分からんのかというとパチスロが。尾崎弘の濃くて暑苦しい作風はけっこう気に入ってて、本作でもパチスロでアツい目が入るたびに「ビュ〜チフル〜」「エクセレント〜」「マ〜ベラス〜」などと絶叫するおっさん「総統」なんかはかなりいいのだが、どこがどうビューチフルなんだかエクセレントなんだかマーベラスなんだか、パチスロには門外漢の自分には正直分からなかった。「えーと3列絵柄が揃えばいいんじゃないの?」とか思うんだけど、どうもそういうもんでもないらしい。パチスロ分からない人向けには作られてないので、さすがにちとツラい。というわけで俺にこの漫画の感想を書く資格なしっ!とか思います。


12/3(火)……粗大ゴミの醍醐味

Forever Young!の釈迦川光流さんのところで、「物語」は長大化したか?に関する検証 -その1-が公開されている。なるほどなるほど。やはりこうやってきちんと数値化してみると面白い。まずは週刊少年ジャンプについての集計がなされているが、この結果から見ると、最近の作品が長大化してるかっていうと必ずしもそうでないということが分かる。ということはジャンプは意外と健全に作品が循環していってるってことなのかな。個人的には週刊誌だと少年サンデーは長い作品が多いってイメージがあるけど、確かにジャンプはそういうイメージはあまりないかも。ちなみに今月のOHP月極アンケートを「長い!そして面白い漫画」にしたのは、このあたりのことについても意識したセレクションだったりはする。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/17 No.24 講談社 B5中

 神崎将臣「鋼」とすぎむらしんいち「クローン5」が次号で最終回。もしかして雑誌のカラーを変えようとしてたりするのかな。作:佐木飛朗斗+画:桑原真也「R-16 −夏の14歳−」、藤沢とおる「Rose Hip Rose」と、最近わりとヤンキー路線が強まり気味なのでちょっと気になった。

 はっとりみつる「おとぎのまちのれな」。今回はれなが激しく発情。えっちぃなあ。押川雲太朗「不死身のフジナミ」は連載再開。フジナミvs.タイガーの勝負は最終段階……っぽいけど決着つくんかなあ。どちらも消えるには惜しいキャラだが。

【雑誌】漫画アクション 12/17 No.51 双葉社 B5中

 ロドリゲス井之介「リーマン戦記 独身3」。今回も下らなくて良い。車を買ってモテモテになる話(伝聞情報)があまりにもインチキ臭くて笑った。あと、今号にはモノクロページで「大島永遠先生が秋田のダイゴ味に出会った!!」という記事が掲載されてて、そこに大島永遠の写真が。本人もけっこう美人さんな感じですな。なお今号の「女子高生」は扉ページが巻中カラー。

【雑誌】漫画サンデー 12/17 No.49 実業之日本社 B5中

 作:鍋田吉郎+画:原恵一郎「巌流小次郎」。小次郎の剣技はカッコいいけど、エピソードとしてはアッサリおしまい。次号からまた別展開。いろいろ世直し道中って感じになるのかな。


12/2(月)……フリテンDAYS

▼そういえばこのまえ知人と「紙でできた水着」の話をしたんだけど、あれを初めて漫画に登場させた人って誰なんでしょうなあ。印象に残っているあたりでは、川原正敏「パラダイス学園」には出てきた覚えがあるけど、たぶんもっと古いのもあるんだと思う。まあ本当の「水に溶けない紙でできた水着」自体は実用化されてて、温泉等の入浴施設などで利用客に貸してくれたりするらしいけど。

【雑誌】ヤングマガジン 1/1 No.1 講談社 B5中

 安達哲「バカ姉弟」。今回も姉弟は近所の人気者。ものすごくまったりしてるなあ。なお単行本2巻は12月6日発売。あと横山了一の、今どきバンカラな番長が活躍するギャグ漫画「熱血番長 鬼瓦椿」が連載スタートしている。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/1 No.1 小学館 B5中

 三宅乱丈「ペット」。今回は他人の記憶の中に能力の新たな活用法が示される。抽象的なんだけれど説得力は強い。よくできてて毎度感心する。早いとこ単行本でまとめて読んで、それぞれの概念の再確認とかもしたいところ。ロドリゲス井ノ介「GOGO生活非安全課」。今回は一之瀬が冬の刑事っぽいコート選びに悩む。たいへん下らなくて良い。あと中崎タツヤ「じみへん」の芸の細かさにも笑った。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5平

 いとうみきお「グラナダ −究極科学探検隊−」が連載開始。「グラナダの科学」と呼ばれる魔術的な超科学のひみつを手に入れるべく、少年ジュゲム+その相方たちが数々の冒険を繰り広げるというアクションもの。7/1 No.29に掲載された「ジュゲムジュゲム」を発展させたもの。「ジュゲムジュゲム」掲載当時は設定が大きそうなんで読切じゃつらいかなーと思っていたが、連載になったので思いっ切りやれるんではなかろうか。けっこうアツい少年漫画らしい少年漫画を描ける人なんでちょっと期待。河下水希「いちご100%」。来ましたなあ。そろそろ歳下は来るんではないかと思っておりました。次は人妻だー(それはない).

【雑誌】近代麻雀 1/1 vol.427 竹書房 B5中

 福本伸行「アカギ」。なんかすごく引っ張ったわりに、頓知っぽい手段で返してきた。これであと2年くらいは鷲巣麻雀を続けられそうな準備が整った。

【単行本】「無限の住人」13巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 加賀編がこの巻でおしまい。もう少しお話がサクサク進んでくれるといいなとは思うけど、単行本で読むとやっぱり剣劇はカッコイイしちゃんと面白くはある。まあ何はともあれ、そろそろガガーッとテンションを上げていってお話になんらかの区切りがつけられると良いころかなと思う。

【単行本】「てんでフリーズ!」2巻 ISUTOSHI 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 超能力を増幅する能力を持つ少年をめぐって美女たちがドタバタ。この巻ではテコ入れ目的の美少女、通称テコちゃんも登場してさらに賑やかに。絵柄はシャープなんだけど落ち着いてて、のんびりムードも楽しい。とはいえテコ入れが必要なだけあって、お話はあんまり目立った展開をしていない。作品が始まってからこっち、一貫して超能力の持ち主である美女たちはおっかなびっくりその能力を試してみてる……程度の段階で、あまりその活用は進んでいない。とはいえその能力を駆使して敵と闘うというタイプの作品でもないし。確かになかなかお話をエスカレートさせていくのは難しいかもしらんです。


12/1(日)……不安な意図

▼来年の2月11日に、ロフトプラスワンで「エロティクスファンナイトの夕べ」というイベントがあるらしい。要するにマンガ・エロティクスの作家さんが多数出演するイベントである模様。卯月妙子による緊縛ストリップショー、駕籠真太郎監修の美少女浣腸ショー、砂監修のホットパンツギャルキャットファイトショーが予定されているようで、なんかたいへん濃いイベントになりそうでございますな〜。

【単行本】「私がいてもいなくても」3巻 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。ハキハキしてて一見みんなの人気者のようでいて、自分の存在意義を見出せない主人公の苦悩を描く……と書くとなんかすごい重苦しいな。でもまあそういう話ではある。主人公である晶子はなかなかこれといった定職を持てず、兄を溺愛する母の眼中になく、彼氏とは別れ、高校時代の同級生で今は漫画家をしている真希のアシスタントをするも、真希の彼氏である日山もからんで仲がこじれ……といった具合。やりたいこともできることも見出せないでいる宙ぶらりんの状態。というと非常に鬱々としているように聞こえるけれども、その重さを過剰には意識させずお話を進めていき、読む者を引かせることがない。技巧は冴えまくっているのに、作品としてのありよう、立ち姿はごく自然でなんとも感心するばかり。かっこつけてないのにカッコイイ。強烈にかまえたりしないしテンポがいいから抜群に読みやすく、描かれていることがスムーズに染み渡ってくる。

【単行本】「青春ビンタ!」3巻 私屋カヲル 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も非常に楽しいと思う。いつもながらにH系のサービスシーンはてんこ盛り。でもじめじめいやらしくなることはなく、カラッと明るく学園生活をドタバタと展開している。やはりこのお話では、主人公ビンタにベタ惚れの巨乳娘、アミちゃんのとんでもない行動がよろしいでしょう。開けっぴろげで、健気ではあるけどやり方間違ってて。元気があってよろしい。

【単行本】「エビアンワンダー」2巻 おがきちか 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。「銀符」と呼ばれる悪魔の使いで、悪い奴らの魂を狩りつつ放浪しているフレデリカとその弟のハウリィの道中を描いていく。すっきりスマートなスタイルは、絵柄も含めて完成度が高くたいへんに良い雰囲気。ただ良くも悪くも軽やかで、お話は若干頭に入ってきにくいかな〜というところはなきにしもあらずか。ここらへんはコマ割りがゴチャゴチャしているせいもあるんだろうけど。でも掲載誌のアワーズライトが休刊してしまった中で、できる範囲できっちり締めくくっている点には好感が持てる。あと回を重ねるにつれてだんだん読みやすく、面白くなってきていたとも思う。そんなわけで新作も楽しみに待ちたいところ。

【単行本】「こんすとらくたーず」5巻 法田恵 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 こちらも最終巻。掲載誌のキングダムは「青春ビンタ!」もそうだけど、ちょっとHで読みやすい作品が多くてけっこう気に入っている雑誌である。この作品はその一翼を担っていた。梶と麻衣のラブストーリーは途中ふらついたときもあったけど、結局はきれいにハッピー・エンド。まあその「ふらついたとき」のあたりがとくに色っぽくて個人的にはソソられたりしたし、全体のヌルめでまろやかな雰囲気も好きだった。


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