2003年7月上旬


7/10(木)……豚汁を疎んじるうどん汁

【雑誌】季刊デ・ジ・キャラット 夏号 ブロッコリー B5平

 でじこ雑誌2号め。アニメのほうも今のところ毎回視てます。あまり頭を使わずにヴィジュアルだけでだらだら楽しんでいけるので踏台昇降しながら視るのに好適。で、今号ではひな。の8ページフルカラー漫画「にゅ!」が良かった。タイトルからも分かるとおりぷちこ漫画でちょっぴりメルヘン……してないか。猫だかなんだかのほっけみりんがかわいいなあ。あとは花屋敷ぼたんのうさだラブコメ漫画「ラ・ビ・アン!〜うさだの恋の物語〜」も、ほのぼのとしていかにもお気楽ラブコメという感じでよろしいのではないでしょうか。本家コゲどんぼは、アニメ「デ・ジ・キャラットにょ」の第2話「ぷちこと一緒かにょ?」にほぼ相当する内容。次号はでじこ生誕5周年企画というのがあるそーです。

【雑誌】ビッグコミック 7/25 No.14 小学館 B5中

 なかいま強「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」。今号からチームきりたんぽの面々はアメリカのプロゴルフ下部ツアーのマンデートーナメントに挑戦。同じ組で回るのはまたしても濃いめのメンツ。今回のエピソードも順調に面白くなりそう。

【雑誌】モーニング 7/24 No.32 講談社 B5中

 山本康人の新連載「結婚星」は初っぱなから強烈だなあ。結婚式の当日、星座の相性とかいう理由で新婦からドタキャンを喰らった男が、その反動で史上最高の結婚を探求するようになるというお話。主人公の親父とかキャラが異様に濃いし、主人公はすぐ鼻血出すし、暑苦しい作品になっていきそうな気配。山本康人の場合はその暑苦しさがいいんだけどね。というわけで嫌がらせか、ってくらいに濃くいっていただきたい。青井貝「古書専門無人島」は、とある古本屋店主と、お金に困ってるといって万引きされたものとおぼしき本を持ち込んだ少年が織り成すヒューマンドラマ。ちょっとこぎれいにまとめすぎかなと思わなくはないものの、丁寧に描き込んだ実直な作風には好感が持てた。

【雑誌】ヤングサンデー 7/24 No.32 小学館 B5中

 盛田賢司の新連載「月明星稀」が巻頭カラーでスタートしたが、出だしでポカーンとした。「モーニング娘。それは…幕末、一瞬の光の中を駆け抜けたあの集団に似ている。新撰組。」。中身のほうがわりとガチンコな新撰組漫画なんだけど、なんでこういう脱力する出だしにするのか……。ちと狙いすぎだろうと思った。まあ確かに現代のものにたとえたほうが分かりやすいかもしれないけどさー、やっぱそれ以降のページを真面目に読んでいこうという気を削ぐんじゃないかと思う。一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)。老獪なベテラン騎手・財津の意地が今回もカッコよく描けている。上杉、相馬の二人をだいぶ食っちゃってる。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/24 No.32 集英社 B5中

 井上雄彦「リアル」。下半身不随になって希望を失った高橋を、野宮が訪れる。これでいよいよ野宮、高橋、そして戸川が一本のラインでつながってきそう。連載のぺースは遅いが、それだけに毎回力が入ってて面白く読める。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/24 No.32 秋田書店 B5

 水島新司「ドカベンプロ野球編」。うーん、オールスター戦でそれはないだろーとか思った。あと井川のストレートはさすがに153km/hは出ないと思う。昨年の日本シリーズの上原の球速もそうだったけど、最近の水島先生は球速を水増し気味だ。園田ともひろ「はぐヤン!とんじる」。なんかとんじるにライバルが登場。だけどスゲエ顔だなあ。目の焦点が合ってなくて明らかにヤバい。登場時の「年中無休で探したぜ〜」というセリフも頭悪くてステキ。この漫画はなんかすごく好きだなあ。

【雑誌】メガキューブ Volume29 コアマガジン B5平

 ほう、8月5日にみかん(R)の第2単行本「親愛なる大人たちへ」、8月8日に瓦敬助「九十九織」が出るのですな。また、8月1日には鬼ノ仁「活線挿抜」「肉体関係」と2冊同時発売。「九十九織」はお値段1900円でB5版の豪華本となる模様。

 ほしのふうた「水の戯れ」。今回は二人の女の子が泳ぎに行く話。家から水着のままプールに走っていくあたりの無邪気さがいい。その後、プールが開いてなくて二人は山にある池に泳ぎにいって、そこでかえるさんたちと戯れる。楽しそうでいいなあ。こういう娘さんたちが水着姿で外を走り回っても危なくないように、「こいつらのために日本を良くしていきたいな」「うん!!みんなでがんばろう」(from 中西やすひろ「愛DON'T恋」)とか思った。


7/9(水)……嗅いだら擦る

【単行本】「ハートを打ちのめせ!」2巻 ジョージ朝倉 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]

 これで完結。いやー面白いね。作者は「中学生版ロマンポルノ」を目指したと書いているけど、その成否はともかくとして(というのはロマンポルノをちゃんと見たことがないのでうまいこと判断できないってのがある)、密度が高くてすごく楽しめた。この巻はまず自分とのHを後輩に見せて金をとったりするええ加減な彼氏・セイジとずるずるつき合いを続けている少女、アツコのお話からスタート。「もういい加減にしてほしい、でも好き」って気持ちがギューッと濃縮されてる。それから学校の教師に迫っているどこかミステリアスな美人・森下さんと来て、最後はシリーズで最初に描かれたカップルである根岸&荒井にお話が戻って締めくくり。どの恋愛模様も、若々しいくせになんだかかっこいくて色っぽくて、描写にノッてる作者ならではの勢いを感じる。とくに荒井と別の高校に行くことになって、忘れ得ぬモノを得ようと彼に殴り合いをしようと持ちかける少女・根岸さんの必死さとかすごくいい。なんかこう、言葉とかSEXでなく、どうしていいか分かんないからとにかく殴り合っちゃおうという激しさがすごく印象的。こういうノリはサバサバしてて気持ちがいいし、見ていてもどこか微笑ましくて好きだ。

【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社 B5平

 今号は12周年記念ということもあってか、安野モヨコ、ジョージ朝倉、桜沢エリカと豪華な新連載が目白押し。まずは安野モヨコ「東京番外地」は巻頭カラー。都会でデザイン系のカッチョイイ仕事をしていたけれど、仕事でのうっぷんはたまり、彼氏に浮気され、どうにもどん詰まった主人公の美佳が実家に戻ってくるところからお話はスタート。実家は今までの華やかな生活とは対照的な、古っちくてどうにも気の滅入る狭苦しい団地。「人の狂気を描く衝撃の問題作!」というアオリ文句がついてるけど、狭い団地内で煮詰まりまくった人々とかがいろいろ描かれていくことになるのかな。なかなかスリリングな出だしで楽しみ。

 ジョージ朝倉「ピースオブケイク」。こちらは自分をがんじがらめに縛りつけようとする彼氏、それから職場の軽薄なあんちゃんその他もろもろに振り回されて、何やらすごく疲れる状態になっている女・志乃が主人公。そんな彼女が今までの生活をリセット、新しい暮らしを始める……という感じになるのかな。桜沢エリカ「ボディ&ソウル」は、寺門琢己「恋する★からだ」(講談社)から生まれた”恋とからだ”の新コミックとある。こちらも彼氏とうまくいかなくなっていた女性が、飲みに行ってクダを巻いていたところ、何やらミステリアスな雰囲気を持った男に出会うというところからスタート。この男のガッツいてない大人っぷりがニクい。

 それにしてもこの雑誌、不幸な恋愛をしている女性を描いた漫画が多いね。南Q太「スクナヒコナ」の紺ちゃんもズタボロ状態だし、宇仁田ゆみ「トリバコハウス」の主人公であるミキも7年間つき合っている12歳年上の彼氏に抑圧されてるし。ギャグものである有間しのぶ「モンキー・パトロール」にしたところで、香なんかは非常にやっかいな状況になってる。青木光恵「スウィート・デリシャス」もレオ君とコトエリさんがラブラブに突入かと思ったら、また心惹かれるイケメンが現れて先行き不透明。みんなタイヘンなのだなあ。

【雑誌】YOUNG YOU 8月号 集英社 B5平

 羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。森田も戻ってきてまた賑やかな日常が再開するも、それぞれの気持ちはその前とは少しずつ、でも確かに変化していて「前と同じように」というわけには行かず。そこらへんの気持ちの揺らぎとかをちゃんと描いてて今後も要注目。ところで余談になるが、個人的には帰ってきた森田が再び入学し直したという選択にはちょっとガッカリした。早大スーパーフリーのワダサンを思い出したりもした。ていうか竹本くんとしても「そりゃねえよ〜」って感じではないかと。森田といえば、元々頭が上がらない大先輩であり、さらにアカデミー賞みたいなドデカい賞まで獲ってしまって、学生としては反則ってなくらいに格上な存在。それが卒業したと思ったらまた居座るとか言い出して、さらに好きだった女の子をかっさらわれてしまう。これは平凡な一学生としちゃツラい。森田はせっかく金儲けの才能あるんだからフリーでやればいいのにと思うんだけど、結局彼は学生という立場を維持するというぬるま湯な道を選んだ。そこがちと残念。

【雑誌】スーパージャンプ 7/23 No.15 集英社 B5中

 石川サブロウの新連載「月と日と」(原案協力・監修:明鹿人丸)がスタート。実は豊臣秀吉には兄がいた……という設定で繰り広げられる歴史ロマン。日吉丸(秀吉)の兄・月天丸は、手をかざすことにより病人を治すことのできる神通力の持ち主で、秀吉とは対照的な人生を送った人物。というわけで彼らの生涯を幼少のころから追っていくという話になる模様。手堅く読める作品になっていきそうな気配。小谷憲一「DESIRE」。今回は美人なアイドル的柔道選手を落とすため、主人公が屋形船を二人だけで借りきっちゃったりしてさあたいへん。投げ技にこだわる彼女だが「あたし本当は寝技も……!!」といいつつパックンチョ。相変わらず凄い世界。近年の小谷憲一はなんか不思議な弾けっぷりをしてるなー。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/23 No.32 小学館 B5平

 巻頭カラーで作:七月鏡一+画:上川淳志「ロボットボーイズ」がスタート。主人公の高校生男子・迫水天馬が、「ロボコン」みたいなロボット競技会での勝利を目指すという熱血ストーリー。ロボットを作るということに熱中する少年の姿が清々しい健全なお話第一話は好印象だったので今後にも期待。。そういえば9月に「ロボコン」という映画が公開されるそうで話題性もあるジャンル。理系離れが憂慮されてる現在、少年誌でこういう連載をやるのはいいことなんじゃないでしょうか。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/23 No.32 講談社 B5平

 1999年に地球が滅亡しそうになったとき、いろいろな陰謀の謎を解き明かして世界を救った伝説の集団「MMR(Magazine Mystery Reportage)が帰って参りました。今号と次号で合計109ページが掲載。作画者はおなじみだった石垣ゆうきから城不二也に変更。キバヤシとかはいなくなってて、新たなメンバーでMMRが再結成された。で、かつて青森県だかに存在して村人全員が惨殺されたことにより地図からも抹消されたという噂のある「杉沢村」の謎に迫るという内容。そういう方面にはとんと疎いので知らなかったけど、ネットではけっこう話題になってたみたいですな。検索をかけてみたところいろいろ引っかかる。Web東奥の記事では流言だろうと結論づけられているけれども……。


7/8(火)……南アの波

▼仕事の後ちょっと飲んできたのだけど、どうやって帰ってきたのだか全然覚えてない。でもビールを少なめにして途中からウイスキーのソーダ割りとかに移行したおかげで、酒はあんまり残ってなくて良かった。これから飲みに行くときは、ビールや日本酒は次の日に残りがちなのでちと抑えて、ウイスキーとか焼酎とかの割合を増やしていこうかなあとか思うちょります。

▼未読物
【雑誌】FEEL YOUNG 8月号 祥伝社 B5平
【雑誌】YOUNG YOU 8月号 集英社 B5平

 FEEL YOUNGは12周年。安野モヨコ、桜沢エリカ、ジョージ朝倉の新連載が同時スタートという強力布陣。

【雑誌】イブニング 7/22 No.10 講談社 B5中

 以前マグナム増刊だったころシリーズ掲載されていた川畑聡一郎「S60チルドレン」が巻頭カラーで連載化。昭和末期である60年代を舞台に小学生たちの生活を描いていくという作品。絵柄的には垢抜けないが個性派。地面に近い、子供の視点からの日常描写が秀逸で印象に残る作品。ちょっと面白い新鋭なのでこれからの展開にも期待してます。それにしても昭和60年代って1985〜1989年だから、もう20年近く昔のことなのだなあ。寺沢大介「喰いタン」。意外と女性キャラがかわいいじゃないかーとか思った。高野のライバル的存在である女怪盗さんのイタズラっぽい表情がいいな。佐藤マコト「サトラレ」。今回はサトラレであることを完全にオープンにして、同じ研究を続ける仲間とうまいこと暮らしているアメリカンサトラレガールのお話。非常にアメリカ人らしい、合理的なやり方が面白い。サトラレだけ集めた「サトラレ村」を作るとかそういうのもいいかもしれませんな。

【雑誌】増刊ヤングジャンプ漫革 8/15 VOLUME-34 集英社 B5中

 坂井恵理がふたたび登場。「みんなの穴」は、主人公の純朴な少年が、上京してアイドルになってしまった幼なじみの女の子を守り、田舎に連れ戻そうと奮闘するというストーリー。お話はその少年が、彼女に似せて作られた等身大ダッチワイフを背中に抱えて歩いているという意表をつく出だしで始まるけど、全体としてはちょいとほろ苦く、かつ爽やかなお話に仕上がっている。スマートで口当たりの良い作画と、甘さの中に苦さを潜ませる作風は健在。現在の作風だとヤンジャン系列はけっこう合ってるような気がする。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/22 No.15 秋田書店 B5中

 井荻寿一「魔月館綺譚」。やっぱり管理人さんは美人だなあ。適度にお色気もあってコンスタントに楽しい。丸尾末広「ハライソ〜笑う吸血鬼2〜」は連載が再開してホッとした。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 8月号 竹書房 B5中

 覆面作家Xのパロディ漫画「漫画麻雀」は「あしたのジョー」と「ブラックジャック」がネタ。「次号、ついに覆面氏の正体が明らかに…!?必見です!!」とのことだけど、その作家さんを知ってる人は全員分かってるんだろうなあ……。

【雑誌】漫画アクション 7/22 No.28 双葉社 B5中

 わたべ淳「ライジング」。新球習得に向けてモモコが特訓。熱血してていい。ソフトボールならではの腕の振り、肘のしなり方もちょっとカッコイイ。野球にしろソフトボールにしろ、好投手のフォームを見るのは好きだなー。

【雑誌】漫画サンデー 7/22 No.28 実業之日本社 B5中

 末松正博「ザ・ビッグマン」。ドタバタコメディしててフツーに手堅く楽しめる。今回からは巨大ちんこ男であるザ・ビッグマンとスペシャル淫乱AV女優の対決。デカけりゃオッケーという単純明解な理屈は現実には正しくないんだろうけど、オヤジ雑誌的にはこのくらいでいいと思う。まあその前のページに成田アキラが載ってて、玄妙な性の世界をレポートしてたりするしね。


7/7(月)……圧壊した赤い舌

【雑誌】ヤングマガジン 7/21 No.32 講談社 B5中

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」は連載222回ゾロメ記念でいろいろ企画が。実写版コンボイケーキはちょっとうまそうだ。一度食ってみたい漫画食の一つ。宮下英樹「ヤマト猛る!」は、大和と七里の対決に決着。白熱してて面白いけど、もしかして最終回が近かったりするのかなあという展開でもある。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/21 No.32 小学館 B5中

 ウヒョ助の新連載「女神の赤い舌」が巻頭カラーでスタート。同棲していた彼女が失踪して失意のどん底に沈む、大道芸でピエロをやっている青年のテツオ。彼女のことを諦めきれないでいたテツオだが、ある日、思わぬところに彼女の姿を発見する。とある週刊誌に掲載されていたアジアで活動中のカルト教団の女教祖の写真、それが彼女にそっくりだったのだ。というわけでそのカルト教団を中心に展開される冒険活劇といったところ。設定も大がかりだし、前作の「駐禁ウォーズ!!」よりもだいぶ面白くなりそうな気配。作:安童夕馬+画:大石知征「東京エイティーズ」。うはー、学生ツアーか……。出てくるナンパ大学生文化的アイテムがいちいちバブリーで気恥ずかしい。スーパーフリー感ばりばり。見ル野栄司「釣果族」は久々の登場で2話掲載。いつもながらのどうにも暑苦しい作風。酒を飲みながらスルメだかなんだかをかじっているオヤジのしみったれた姿がいい味。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/21 No.32 集英社 B5平

 週刊少年ジャンプ35周年記念企画として「プレイバック創刊号! キミが作る!!ミニジャンプ」というのが掲載。切り抜いて自分で作れる1968年当初のジャンプをイメージした豆本。実際作るのはちょっと面倒だけどたまにはこういうのも面白い。

 許斐剛「テニスの王子様」は特別読切と本編の2本立て。特別読切のほうはリョウマの父ちゃんが若かったころの活躍を描いた番外編。作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。モン太がずいぶんカッコイイところを見せる。こういうど根性キャラは見てて清々しいので好きだ。河下水希「いちご100%」。ここまで来てヤッちゃわないなんて、真中くんは人間ができている。若いのに。冨樫義博「HUNTER×HUNTER」はさすがにこの作画はつらい……。とくに見開きページ。いくら単行本で描き直しのチャンスがあるといっても、雑誌でベストのパフォーマンスを見せてくれない人は個人的にはあまり支持したくない。あと虫は好きだし今回出てくるのはちょっとカッチョ良さげなフォルムなんで、よけいにちゃんとした絵で見たかった。

【雑誌】MUJIN 8月号 ティーアイネット B5平

 巻頭カラー、甘詰留太「わたしとポチ」は、3月号に掲載された「ポチとわたし」の続編。女王様&奴隷の関係にある文芸部の満子部長と後輩男子の生活をラブたっぷりに描いたH話。エロの密度だけでなく恋愛風味も濃い目の味付けで、甘〜く、かつ微笑ましい。なお最新単行本「キミの名を呼べば」が10月3日発売決定とのこと。小暮マリコ「ワガママな彼女」は、激ヤセした母親がやけに美人で息子さんドッキドキーというお話。いつもながら豊満な肉付きの女体がエロい。最近のこの人の絵柄は、じゅくじゅく汁っ気がたっぷりなところがたいへんおいしそう。

【単行本】「チカマニアックス」 おがきちか 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 花丸木リカ名義の作品もごちゃごちゃ集めた作品集。細かい作品が多いのですごくみっちり詰まった感じ。ライトでシャレた絵柄のわりに読みではけっこうある。お話としては、くノ一修行中のドジ娘・九菜が毎回忍法に失敗してHなことをしたりする「きゅ〜な修行中!」と、彼氏を籠絡しようと媚薬を仕込んだ料理を兄に食われちゃってというドタバタ「モーニングフルーツ」、ちょっと変わった風景を描く連作シリーズ「シスター★クラッカー」あたりが楽しく読めた。いずれもコミカルでノリがいい。エッセイものの「ひとはだスパイラル」あたりは手慣れた感じと斜めな視点が個人的にはちょいと鼻についたりするものの、まあ基本的には軽妙で気楽に読める作品揃い。独特の味のあるかわいい絵柄は華があって、パラパラめくって眺めているだけでもなんだか楽しい気分になれたりします。

【単行本】「おうどうもん」2巻 せきやてつじ 竹書房 B6 [bk1][Amzn]

 中国裏社会の刺客、毒蛇との対決に挑む健太。これまでは若さと運の太さに任せて勝ってきた健太だが、麻雀で何人も人を殺してきた毒蛇との器の違いは歴然。そして窮地に陥り身動きのとれなくなった健太の代打ちとして、その父親である大吾が現れる……という展開。第1巻に続いて非常に激しい展開。各キャラの表情に強烈な迫力があるし、演出も過剰でぐんぐん読ます。この巻の最終話の展開なんかはものすごく激しい。熱気がこもりまくり、ハッタリ利きまくりな麻雀漫画。面白いです。


7/6(日)……食べたいよ、おでん

▼本日のアニメダイエットのお供は「ASTRO BOY 鉄腕アトム」ほか。アトムは第13話めにしてようやくウランちゃんが登場した。なんか予想以上にかわいいな。表情がイキイキしてて良かった。

【単行本】「乙女失格」 ベギラマ 三和出版 A5 [bk1][Amzn]

 アイラとかアイラDELUXEとかで細々と、しかし強烈な存在感を放ち続けていたベギラマの単行本がついに登場。現役のエロモデルであるところのベギラマが、キッツ〜い撮影体験を毎回そこまでせんでもええのにというレベルで赤裸々に語ってしまうという実録エッセイ漫画。有刺鉄線でぐるぐる緊縛されたり、馬に引き回されたり、食紅色つきウンコしたり大活躍。この手の身体を張った作風の先人としてはいわずと知れた大物・卯月妙子がいるわけだけど、自らの内なる衝動に従い崇高な使命感さえ感じてしまう卯月妙子と違って、ベギラマはかなり芸人根性でやってるように見える。それだけに、スゲエことやってるんだけどポップでキュートな感じも受ける。これは特異な芸風だ。あとこの人の場合、世間とどこかつながりを持っているように思う。例えば「ベギラマは自分の想像の範疇を超える変態に出会うとたちまち恋に落ちるという技能を持っている」と自分でも書いてるけど、そういわれると「ああなるほどなあ」とか思う部分もなきにしもあらず。価値判断の基準は違うけれども、なんか地続き感があるのね。だからそのぶん分かりやすいし、生々しく感じられたりもする。強烈で因果でかつ愉快な楽しい1冊。

 それにしてもこういう本を見るたびに、三和出版ってすげえところだなあと思う。因果者を惹きつけるオーラが漂いまくってる。

【単行本】「なんてっ探偵アイドル」13巻 北崎拓 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻の最後のほうで、怪盗リストの宿敵とでもいうべき「サンタクロース」が登場して一気にシリアスな展開に。ああ、やっぱりアイドルにはあんまり血なまぐさい事件にはからんでほしくないなあ。

【単行本】「地獄大甲子園」 漫☆画太郎 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 「地獄甲子園」映画化ということで1冊にまとまり、新作「帰ってきたぞ地獄甲子園」を追加。でもその分、ジャンプコミックス版に収録されてた読切作品が入っていない「そりゃないよ〜」的構成。中身のほうは、今さらいうまでもないけどぶっ飛んでます。殺人集団外道高校の試合を前にして、超絶ケンカ野球の使い手である十兵衛と番長の対決が繰り広げられたりするけど、まあそこらへんの本筋とかは適当にうっちゃらかしたままお話はずんずん進んでってドカーンと放り投げておしまい。甲子園だの野球だの打ち切りだのなんだのは、みんなまとめて場外ホームランだ!

【単行本】「太陽伝」 日野日出志 マガジン・ファイブ A5 [bk1][Amzn]

 これまで単行本は出回っておらず、しかも途中までしか収録されていないという幻の作品であったらしい。原始時代のとある部族の元に現れた少年・ボボが、それまで「国」という概念さえなかった人々を率いて、理想の地を目指すという壮大な国造りの物語。なんだけど、個人的にはあんまり面白いとは思わなかった。魅力的なキャラクターがいるわけでもないし、展開の妙もとくにない。日野日出志コレクター以外は押さえなくてもいいかな〜という感じ。


7/5(土)……鯛死亡

▼ついに例のアレに手を出す。体脂肪率測定機能付き体重計。町田のヨドバシで売ってた奴の中で一番安かったタニタというメーカーのBF-520という奴。お値段5960円也。この体重計で採用されている測定法式だと1日のうちで、測る時間によって体脂肪率は4〜5%くらいは上下動するらしい。実際何回か時間を置いて測ってみたが、数値は測るたびに変動した。現在はだいたい18〜22%くらいの模様。30歳以上の男性だと17〜23%が適正範囲とのことなので、現在はまあちょうどいいくらいになってきてるってことなんだろう。てことは今後は踏台昇降を続けても、体重自体はあんまり減らないってことなのかな。どうりで最近体重減少ぺースが鈍ってるわけだ。

 ところで買ってみて思ったが、これもう少し早く導入しとけば良かった。というのはダイエット前にどのくらいの数値だったのか知りたかったというのもあるんだけど、何よりこういうのがあるとダイエット中のモチベーション維持にいいと思うんだよね。ここまで踏台昇降やってきて、やればやるほど体重が減っていくというのは大きな励みになっていた。体重計の目盛りが一つ動くとRPGでレベルが1上がったときみたいな達成感を得ていたのだ。ただ体重自体はときどき減りが鈍る。この間は筋肉がついたりしてるんだと思うのだが、やってもやっても体重が減らないと精神的にけっこうつらかったりする。でもその間、体重が落ちなくても体脂肪率が下がってれば「よ〜し、まだまだイケるぜ」ってな気分になれたんじゃないかと思う。励みになるような指標は多いほうがいい。ってことで現在やってる人には、この手の機能の付いた体重計の導入をオススメいたします。

▼未読物
【単行本】「地獄大甲子園」 漫☆画太郎 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「太陽伝」 日野日出志 マガジン・ファイブ A5 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックフラッパー 8月号 メディアファクトリー B5平

 小原愼司「二十面相の娘」が9月に単行本化ということでうれしいなあ。今回はけっこうチコのアクションシーンが多い。可憐かつしなやか。チコはいい感じの怪盗娘に育ちつつある。時代設定もいいねえ。こういうのには弱い。柳沼行「ふたつのスピカ」。ライオンさんとまりかの関係は? なんかいろいろと因縁がありそうで気になる。作:富野由悠季+画:中村嘉宏「オーバーマンキングゲイナー」。相変わらず画面は白っぽいけど面白いんだよなー。戦い終わって日が暮れて、ゲイナーくんもサラもいい顔してます。やはりこの作品の一番の萌えキャラはゲイナーくんだと思うのだが……。めがね君好きなら絶対くる、と思う。

 末弘の読切「特命戦士マオ4649」はおまぬけギャグ漫画。この人ってシリアスな作風の印象が強いんだけど、こういうのも描くんだなあ。石黒正数「探偵綺譚」。こちらはとある卓球部の少女の失踪をめぐり、彼女の友達の少女が行方を追うという推理もの仕立てのお話。いつもながら絵もうまいし、ストーリーのほうもきっちり。硬軟両方こなせる芸風。新居さとし「地球防衛OLいちご」。前号あたりからにわかにラブラブ度が高まっているけど、大ボケギャグもまた健在。いつもながら楽しいねえ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/20 No.14 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」。若者よ、あまり黒沢さんをいじめてくれるな……。というわけで黒沢さんがチンピラに拉致られ大ピンチ。そんな中、いまいち事態を理解していなかった黒沢さんの妄想っぷりがおかしい。

【雑誌】花とゆめ 7/20 No.15 白泉社 B5平

 中条比紗也「花ざかりの君たちへ」。当然くっつくはずであったメインの二人、瑞稀と佐野がようやく……という感じになってきた。えーともう連載は127回めなのか。焦らしに焦らしましたなあ。椿いづみ「親指からロマンス」。再登場で「HOT SUMMER連載☆第1回」とある。ってことは短期集中連載なのかな。学校のマッサージ研究会所属のヒロイン・千愛が、マッサージ欲ソソりまくりな学校一のモテ男の背中に惚れちゃったことが縁でつき合い始める……という感じのラブコメ。ヒロインの特技がちょっと変わってて特徴あって、ほのぼのしたお話作りも好印象。けっこういい感じにトキめく。

【雑誌】ミステリーボニータ 8月号 秋田書店 A5平

 小田ひで次「ミヨリの森」。だいぶお話が動いていて、宅地造成から森を守るべく、ミヨリが活躍するようになってきている。今回はさまざまな造形の森の妖精たちが出てきて面白げ。タイム涼介「おねがいこっくりどん」。なんだか一足早く夏休みの宿題のお話で、絵日記を通して魔王・漁太郎の夏の想い出が語られる。絵日記だけにモノローグベースでお話が進行するので、タイム涼介らしい素敵な言葉使いがいろいろ見られて良かった。この人の詩心は並じゃないとか思う。

【雑誌】コミックPOT 8月号 メディアックス B5平

 長谷円「ブルマ癒し系」。陸上部の女子先輩と後輩二人のH物語。この人の描く女性キャラは顔の赤らめっぷりとか、ほっぺたのもちもちした感じとかがいいなあ。EB110SS「俺の夏」。親が離婚しても死んでも、妹とSEXできればマンセーな最低兄貴。やがて妹は出ていってしまうが、その間にできた娘とまた同じことを繰り返してマンセーという、いい感じに吹っ切れたお話。いつもよりツリ目な娘さんもかわいいね。犬星「いもうとぱんつ」。まあこれもタイトルどおり近親相姦モノだ。第3回POT新人賞奨励賞受賞作。妹にパンツを買ってやり、それで欲情する兄。絵柄はなかなか可愛くラブラブムードも気持ち良い。即戦力としてやってけるんじゃないでしょうか。しろみかずひさ「電気夢想花」前編。今回はずいぶん和風。近未来の秋葉原で刺青の彫り師をしつつ、惚れた女・麻理果と暮らす極道の物語。なるほど、この人の絵柄には刺青ってよくマッチしているような気がする。

【雑誌】桃姫 8月号 富士美出版 B5平

 モリス「人妻でポン!」。主人公の少年が、近所の若奥様3人と脱衣麻雀。まあ当然そのあとはHになだれ込む。お気楽なノリがいい。モリスはいつまで経っても絵が垢抜けないままで、見ててたいへん和む。単行本は買ってないんだけど好きなんだよねー。RaTe「Bird cage」。フタナリなことを気に病むあまり部屋に閉じこもりきりなお嬢さまを、弟と家庭教師の女性が二人していじりまくり。1か月ためてて貪欲になっているお嬢さまの艶姿がよろしいです。

【単行本】「彼岸島」3巻 松本光司 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 主人公の明たちが吸血鬼たちの島「彼岸島」に乗り込んで、いよいよ血みどろの戦いが開始。ずっと息を抜けない展開が続いていて刺激は強い。とくに吸血鬼が人間を据えつけて血を供給させるために生かし続ける「椅子」が個人的には気に入った。

【単行本】「2人暮らし」2巻 市川ヒロシ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 地味だけどけっこう笑えるギャグ漫画。一つ部屋に住む無口な一郎とマイペースな彼女の桃子。桃子のしょうもない行動の連続により一郎が困った羽目に陥り続けるというお話なのだが、桃子の突拍子もない行動と、それに困惑する一郎のリアクションが妙におかしい。ハプニングの起こし方、それに対するマヌケな対応の数々など、なかなかいいギャグセンスしてるなーと思います。


7/4(金)……灰、柔くす

PCパーツ「Justy」が自己破産(ZDNet)。なんだかんだお世話になってきたメーカーなのでびっくり。

【雑誌】コミックバンチ 7/18 No.31 新潮社 B5中

 日高建男「満腹ボクサー徳川。」。ついに市川が徳川のタフネスぶりを認め、最後の一丁場へと突入。どちらも太いが戦う男らしい顔を見せていてカッコイイ。しっかりした読みごたえがあって毎度面白い。作:江戸川啓視+画:クォン・カヤ「プルンギル −青の道−」。こちらもいい。ずいぶん真相が明らかになってきているが、まだまだいろいろなことが語られそう。韓国と日本だけでなく、ロシア、樺太などにも話は及びスケールが大きい。日韓の近代史について知りたいという気持ちが沸いてくる作品。野田正規「逃げるな!!!駿平」は今回で最終回。短期連載となってしまったがこれはまあ仕方ないか。絵柄といい内容といいちょっと古すぎた。

【雑誌】キングダム 8月号 少年画報社 B5中

 志村貴子「ラヴ・バズ」は、相棒の町屋ゆりの故郷での試合に臨んだ藤かおるが、あんまりにも自分に対する声援がないのでうっぷんたまりまくり。あまり良くない行動に出てしまいボコられる。いろいろドラマがあって楽しいです。単行本1巻は8月28日に発売決定。アキヨシカズタカ「Monkey Magic」。線の感じがだいぶ変わってきてるなー。線が細かくなってきている。もともと元気で好感度の高い絵が洗練されてきていて良いんだけど、まぶたの影を目の中に描き込むのはなんかヘンな感じがするのでないほうがいいかも、とか思った。カサギヒロシ「ROUTE16」は最終回。単行本は出るのかなあ。

【単行本】「ファイヤーワークス」 水野純子 イースト・プレス A5 [bk1][Amzn]

 水野純子がさまざまな雑誌で描いた作品を収録した短編集。掲載誌は本当に多岐にわたっていて、作品タイトル数だけでも32。よくここまでこまごました原稿を集めてくれたもんだなあと感心。古いモノから新しいモノまで揃っており、水野純子の絵の変遷が見て取れるのも興味深い。その分、1作品ごとのページ数が少なくて読むのは疲れたりもするのだけど、それはまあしかたないところ。ちゃんといろいろ収録してくれたことをまずは評価したい。内容のほうも読めばしっかり面白い。あのキュートでかつ毒々しくて、ときに色っぽくもある水野美少女たちがわきゃわきゃ動き回っている姿は見ていて単純に楽しい。ギャグセンスもけっこういいものを持っていて、例えばいろいろなアルバイトを転々とする女の子のお話「MINA Power Arbeiter」なんか面白かった。 あと作品ごとにつけられている解説で「個人的にはプレイメイトのようなボディの方が好き」という言葉があって、ああなるほどな、と思った。確かに水野純子の描く女の子はプロポーションがぷりんぷりんしててセキシーだ。


7/3(木)……友の絵

▼そういえば今さらながら気づいたのだけど、「海がきこえる」のDVD[bk1][Amzn]がようやく発売になるのね。8月8日。これは買います。ていうか予約しときました。

【雑誌】モーニング 7/17 No.31 講談社 B5中

 三田紀房の新連載「ドラゴン桜」がスタート。表紙にも「読むと、東大合格。」と書いてあるとおり、本格的な受験漫画を目指す模様。お話は倒産寸前の高校の再建策として、元暴走族の弁護士・桜木が「5年以内に東大合格者100人」を輩出する進学校化計画をブチ上げる。三田紀房といえば高校野球モノで知られる作家さんだが、その方法論を受験にも応用するという感じかな。とりあえずどんな手を使ってくるのかお手並み拝見。芳崎せいむ「OPEN MIND」は、現代の生活に疲れた人にうるおいを与える「こころの病院」、メンタルクリニックを題材にした癒し系な作品といったところ。上品な絵柄と、それにマッチしたゆったりした話運びでまずは手堅く発進。月イチ連載になるとのこと。榎本俊二「えの素」は最終回。最近はだいぶ勢いが落ちてたので、ここらへんで一区切りつけるのはいいんじゃないかと思う。

 読切「スイマーズロウ」が掲載された熊谷杯人は、モーニング4/3 No.16に第42回ちばてつや入賞作品「THE BLUE SKY HEARTS」(感想は3月19日の日記参照)で掲載歴あり。今回のお話は、とある高校の水泳部に所属する男女の青春物語。負けん気が非常に強い部長のイズミは、才能があるのに自分との勝負で本気を出さない広瀬にずっとイライラし続けていた。イズミは中学生時代、プールのない学校にいた反動で水泳への強烈な想いを抱えていたのだが、しかし広瀬には広瀬ならではの水泳観があって……といったところ。お互いのスタンスの違いを浮き彫りにしつつ、一生懸命な青春ストーリーに仕上げていてなかなか良い。作画のほうも落ち着いていて完成度の高い作品。

【雑誌】ヤングサンデー 7/17 No.31 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。やっぱり人が死なない学園編のほうが個人的には好きだな。平和でよろし。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/17 No.31 集英社 B5中

 清野とおる「ハラハラドキドキ」。扉ページの人面犬の顔がむやみに邪悪でいいと思った。あと見かけ倒しな筋肉の持ち主であるクラスメート・肉山はちょっと気になるキャラ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/17 No.31 秋田書店 B5平

 藤澤勇希の新連載「UKキングダム」がスタート。普段は高校生、でも実は凄腕のトレジャーハンターである天童海斗が大活躍するアクションもの。「BM〜ネクタール〜」とはまた一味違った、陽性で元気なお話になりそう。作:森高夕次+画:松島幸太朗「ショー★バン」。今回はラストのコマで笑った。ショーバンくんは単純でいちいち面白い。

【雑誌】コミックランゲット Vol.1 フォースカンパニー B5平

 どういう経緯で出てきた雑誌なのかよく分からなかったのだけど、珍しげだったのでちょっと買ってみた。要するに同人誌からのより抜き作品集という感じかな? 表紙のアオリとかで、どんな本なのか簡単でいいから書いておいてくれるともう少し買いやすくなるんじゃないかと思った。いちおう隔月刊行で、漫画専門店で主に売られるみたい。全体のレベルとしては、うーん正直なところイマイチか。952円+税と価格設定も高めなんで、買い続ける気はあまりしない。

 掲載陣の中ではやはりプロとしての実績のある、加藤礼次朗と環望が抜けている感じ。吉原昌宏は予告編のみの掲載。といってもこの3人は巻末にまとめられているので、むしろメインは同人メインの人という感じかな。掲載作品の中では、おこさまランチ「esssP!」が個人的には好感触。あんまり役に立たない微弱な超能力しか持たない女の子が主役のラブコメといったところ。「ちこくちこく」なシーンで、くわえたパンを超能力で落ちないようにするという細かな描写がちょっといいなと思った。

【執筆陣】天王寺きつね(ピンナップ)、加藤礼次朗、吉原昌宏、環望、なにわぎひろ、おこさまランチ、Mitha、飯田達π、吉琴ふみ、高槻暁、間やすし、赤坂素人、S.H、三位中将、霧森いすき、まものかりん、TATEGOTO AZARASHI、千歳あめ、待宵真、やたのXai、ともすけ


7/2(水)……遊離獅子舞

▼秋葉原を歩いていたらビールの試飲アンケートとかいうのをやっていたので協力してくる。というか最初はなんか勧誘だと思って通りすぎたのだが、「ビールがどうのこうのいってたな」とか思って引き返してやらせてもらってきた。ちょうど人と話した後だったので喉渇いてたし。アンケートは、缶ビールを1本飲んでいくつか質問に答えると図書券500円分がもえらるというもの。なんか人によって出てくる銘柄が異なってたみたいで、自分のときはアサヒスーパードライが出てきた。発泡酒じゃなくて普通のビールで良かった。真っ昼間っから酒飲んで金券までもらえるなんて素晴らしい。正直何食わぬ顔で引っ返してもう一杯飲ませてもらえないかなとか思った。世の中悪いことばかりじゃない。昼ビール最高。

第弐齋藤「土踏まず日記」7/2分で書かれている「大量に摂取する過剰さ」ということについては、自分としても時折考える。自分としてはまあ漫画にしろ何にしろ楽しんで摂取してるつもりではあるのだけど、手段と目的が転倒してないかと言われたらう〜んどうなんじゃろ、そうであるかもしれないしそうでないかもしれない。といいつつも、最近ちょっと思ってるのが「もう少し読む量増やしたほうがいいのかなあ」ってこと。というのは、なんかこのところ自分の了見が狭くなってきちゃってるのではないかという危惧を感じているから。パッと見はよく分からないだろうけど、実は今年に入ってから、去年と比べて毎月の雑誌読書量が10冊くらい減っている。といっても135冊/月くらいだったのが125冊/月くらいになってるという程度なのだが、手を広げていないことは確か。

 こういう状態だと、なんか自分が決まりきった範囲内でしか動いてなくて、新たなものにチャレンジしてないんじゃないか、守りに入ってるんじゃないかという気になるんですな。もう30歳台なわけだし守りに入っても悪くはないんだけど。それはともかくとして、その「新たなもの」という奴を漫画というフィールドに求めるべきかってのも微妙で、それならもっとほかのメディアに手を伸ばして見聞を広めたほうがいいとも思う。でも中途半端なことするくらいなら1ジャンルを極めたほうがいいかもしんないし……。そんなことより仕事とか、もう少し現実的な生活を充実させたほうがいいんじゃないかというのもある。自分の人的リソースをどう配分していくか。この問題についてはここ数年来頭に引っかかり続けてはいるんだけど解決を見ていない。きっと一生解決することはないんだろうと思われる。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.22 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 今号からA5平とじにリニューアル。サイズが小さくなった。アンソロジー本みたいな感じのカバーがかかった奴ではなく、背表紙が角張ったカバーなしのスタイル。本全体の雰囲気はとくに変化なし。なお今号は沙村広明の連載が休載。松本次郎「未開の惑星」は最終回が諸般の事情で秋発売の単行本で収録になるとのこと。またFじゃないほうのマンガ・エロティクスが7月末に発売されるというおしらせもあり。

 志村貴子「どうにかなる日々」。うーん、かわいいねえ。アダルトビデオに出演したことで親から勘当された親戚のねーちゃんが家が転がりこんできて、少年しんちゃんはなんだか落ち着かない。で、しんちゃんのガールフレンドのみかちゃんはそれにヤキモチを焼いたりして、なんとも微笑ましい。あと飄々とした語り口も魅力的。雁須磨子「ファミリーレストラン」。ぼけーっとした作風がユニークだなあ。今回はファミレスの店長さんにスポットライトを当てて、彼のノーパンファミレス妄想とかが膨れ上がったりするさまを描写。地に足がついてるようなついてないような、ほわほわした感覚が気持ちいい。

 小田扉「おんなの手作り」。いつもの面子がカマボコを手作りしたり野菜作ったり。手作りに凝っているらしい。エロティクスFなのに全然エロじゃねー。でも楽しい。あとよしながふみ「愛がなくても喰ってゆけます。」は料理がすごくうまそう。今回は飲茶をもりもり食っております。自分の場合、漫画を読むときは腹を減らしているときがなぜか多いので、おいしそうな料理が出る漫画にはとても弱い。

【執筆陣】田島昭宇(ピンナップ)、志村貴子、よしながふみ、山本直樹、藤原薫、南Q太、近藤ようこ、安彦麻里絵、小田扉、雁須磨子、松本次郎

【雑誌】百合姉妹 VOL.1 マガジンマガジン B5平

 タイトルどおり百合専門の漫画雑誌。「男子禁制」と書いてあるけど、購買層は男子のほうが多いんじゃなかろうか。男×男のやおいの中心的な購買層が女子であるように。男がホモ雑誌を買うのと同じで、女がレズ雑誌を買うのもシャレになりにくいしね。個人的には「ネタとして買う」というスタンスはあんまり好きじゃないのでどうしようかなとか思っていたのだが、好みな作家さんがいろいろ描いているので購入することに。全般に絵が達者で、きっちりまとまったお話を描ける人が揃っていてクオリティは高い。第1号としてはいい出来なんじゃないでしょうか。ここらへんの人は、百合もやおいもロリもショタもうまく描きこなしそう。

 蔵王大志「彼女」は、二人の女の子の着替え風景を描く。片方のショートカットのカッチョイイ系の美人の女の子が、もう一人の可愛い系の女の子に対する想いをつらつらと反芻するというお話。まあベタだけどしっかりコメディしてていいんじゃないかなと思った。下品とかではないけどあまり上品すぎない点でパンチが利いてるなあと。井上眞改「pops.」は手慣れたタッチでひょろりーんと手足の長い女の子たちの体型がいつもながら絵になってる。タカハシマコ「夏の繭」は甘さと苦さをからめてお話を織り成していく手際が鮮やか。ナヲコ「とびら」は百合ってほどでもないけど、教育実習生と生徒の女の子との触れ合いがみずみずしく描かれていていい感じ。森永みるく「ともだちじゃなくても。」の幸せなラブストーリーっぷりとか、紺野キタ「under the rose」のさりげない秘め事感覚もいい。

【漫画執筆陣】小野塚カホリ、紺野キタ、蔵王大志、森永みるく、林家志弦、タカハシマコ、ナヲコ、速瀬羽柴、さかざき咲羅、いぬぶろ、井上眞改

【雑誌】ミステリービィストリート 8月号 幻冬舎コミックス A5平

 紺野キタの読切「匣」が掲載。母親の虐待により、自分の中にもう一人の自分と過ごす閉鎖空間を作り出してしまった少女のお話。きれいだけれども痛々しくもある。作:乙一+画:山本小鉄子「しあわせは子猫のかたち」。これは面白かった。伯父が所有する家を借りて一人暮らしをすることになった主人公。しかしその家に残された猫の振る舞いや数々の不思議な出来事を通じ、前の住人であり不慮の死を遂げた女性・雪村の魂がいまだその家に残っていることを知る。そして姿も見えない、言葉も交わせない相手との不思議な共同生活が始まっていく。姿は見えないけれど誰かが一緒にいてくれるという安心感を描いたエピソードは、幽霊モノでありながら暖かな読み心地。乙一原作の漫画は何本か読んだけど、当たり率はけっこう高いと思う。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/16 No.31 小学館 B5平

 雷句誠「金色のガッシュ!!」。そろそろウマゴンが活躍しそうな感じになってきてて楽しみ。石板編に入ってからちょっと調子落ち気味かなあと思ってたけど、この前までのビクトリームとかまた復調の兆しは感じる。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/16 No.31 講談社 B5平

 この人久しぶりに見たな〜。菊池としを「鎮魂退魔鬼ハジャト −破邪人−」が掲載。昔と変わらず妖怪退治ものではあるが、「明王伝レイ」「蓮華伝説アスラ」のころに比べると大人しめかな。とりあえずこの人の健在が分かったのはなんとなくうれしい。あと、原案:さいふうめい+漫画:星野泰視「勝負師伝説哲也」は連載再開。

【単行本】「マリオガン」1巻 木葉功一 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 なかなかスケールのデカい、ハッタリの利いたバイオレンスアクションとなっていきそうで楽しみな作品。アメリカ合衆国でデッカい爆発が起き、パワーバランスの崩れた世界が舞台。主人公のマリオ(小学6年生)は、惚れ惚れするほどにきれいな容姿で、誰からも好かれる性格を持った非のうちどころのない美少年。その彼の元にもとらされた一丁の赤い拳銃。それはアメリカ合衆国が誕生する前のこと、白人たちを震撼させてインディアンの女性の息子が使っていた血で真っ赤に染まった銃だった。その銃がマリオの身体と一体化する。アメリカという国が生まれるまでの血塗られた歴史の中で生まれた凶器が、アメリカが崩壊した世界でまた目覚める。というわけで、なかなか意味深なものを予感させる出だし。この巻ではまだマリオがこれから何を目指していくのかは描かれず、銃の来歴が主に語られる。ただ、そこまででも十分にすごい大風呂敷を広げようとしていることは伝わってきて、わくわくさせられる。木葉功一の力のこもった、迫力のある作画も威力十分。こういう気合いの伝わってくる作品は素直に応援したい。

【単行本】「ドロヘドロ」3巻 林田球 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 カイマン&ニカイドウのコンビはいよいよ魔法使いの国へ潜入。謎も深まってきてわりとマジな展開。ハードな中にも常にのんびりした日常描写を忘れない作風はいつもながらのマイペース。ただこの巻は餃子を食べるシーンが少なかったのがちと残念。やっぱり「ドロヘドロ」には餃子だろっと思う。

【単行本】「つゆダク」4巻 朔ユキ蔵 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 なんか露崎がアイドル養成学園みたいなところに派遣されて、「スパルタンX」みたいな感じで塔を登ってその階のボスである難物アイドルを攻略していくという展開に突入。毎回出てくる女の子はアイドルだけに可愛い。雑誌内にあっては華もあるし息抜きにちょうどいい馬鹿馬鹿しい内容で健闘してるとは思う。でもやっぱり朔ユキ蔵にはもう少しブッ切れた作品を期待したいところではあるが……。


7/1(火)……都民バンド

▼6月のダイエット実績は65.5kg→63.5kgで2kg減。これまで毎月3.5kg減ペースできていたので、6月はスローダウンした。168cmの身長に対する標準体重である62kg(1.68×1.68×22)には当初6月中に到達する予定だったのだが届かなかった。さすがに半年以上やってるだけあって、どうもアニメ2話50分の踏台昇降程度の運動強度には身体がすっかり慣れちゃったみたい。そこで試しに3話75分やってみたところ、ちゃんと体重が減った。標準体重に達するまでは、しばらく時間があるときは3話分ずつやることにしようかな。実は最近2話分だとなんか踏み足りなく思えてきちゃってはいたんだよね。ずいぶん体力がついたもんだ。まあ今月中のノルマ達成は楽勝だと思うんで、その後はのんびり現状維持モードに移行しようかなといったところ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/15 No.14 講談社 B5中

 咲香里の新連載は熱血バドミントン漫画。「やまとの羽根」。お話のほうは中学一年生のバドミントン初心者・大和が、妹の撫子に連れられて体育館に行って、後に宿命のライバルとなる翔に出会うというところから始まる。作者は「春よ、来い」単行本のあとがきとかでもよく書いてたようにバドミントン好きなようで、かなり気合い入ってる感じ。なんかこれに合わせてバドミントン専門の情報サイトまで作ってるし……。昔からWebへの取り組みは積極的な人だったし、サイトのほうもちゃんと運営していくんだろうなー。

【雑誌】近代麻雀 8/1 vol.445 竹書房 B5中

 今は近代麻雀系3誌だと本誌が一番面白いように思います。オリジナルが現在はいまいちかな。

 作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」。前回出てきたイカサマ封じには衝撃を受けたけど、今回もやってくれた。思わず笑っちゃったよ。こんなに直接的なやり方はないよねー。哲も「最も卑劣な手を使いやがった!!」とかいってるけど、そのレベルの問題じゃないでしょ。神原則夫「西校ジャンバカ列伝かほりさん」。かほりがチャイニーズマフィアと命を賭けた勝負をしている後ろで、組長が「インリンオブジョイトイ」の写真集を見て「ほんまにこいつはエロエロテロリストやのう♥」とか思っているあたりが実に神原則夫らしい。絶妙に肩の力が抜けている。

【雑誌】ビジネスジャンプ 7/15 No.15 集英社 B5中

 冬目景「イエスタデイをうたって」は3週連続集中連載の3回め。カンスケのおかげでリクオとハルがいいムードに。ちょっと演出としてはベタではあるけど、まあ収まるべきところに収まったというべきか。現在の冬目景は、大がかりな設定でやるよりは、こういう日常的なモノのほうが読者的にも引っかかるものが多くていいかも。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。アイドル稼業を続けつつ捜査もやるアサミたち。捜査のほうは相変わらず適当にやっているうちに事件解決となってしまうわけだが、今回の決めポーズとか見てると、ああ、やっぱり「セーラー服騎士の人」なのだなとか思った。

【雑誌】漫画アクション 7/15 No.27 双葉社 B5中

 さそうあきら「マエストロ」がしっかり面白い。怪しいジジイにより、一つ一つ音を作り直されていくオーケストラ奏者たち。本番で「運命」をやるときはさぞかし凄いことになるんであろう。楽しみ。

【雑誌】漫画サンデー 7/15 No.27 実業之日本社 B5中

 今号は「湯けむりスナイパー」がおやすみ。作:倉科遼+画:勘崎順次「愛と復讐の挽歌」は、恭平の元恋人・香織がこの前再会したときの情事で身ごもっていたことが判明。愛憎どろどろですなー。

【雑誌】ポプリクラブ 8月号 晋遊舎 B5中

 巻頭カラーはへかとん「おとなのおんなのこ」。彼氏の家に泊まりにいって初体験、ドギドキしまくりな女の子のお話。うーん、かわいいねえ。友達に見せられたビデオの知識のせいでいきなりフェラチオしようとしてしまった彼氏に誤解されちゃったりとか、なんとも初々しい。女の子の脳内ホームルームで次の行動が決定されたりとか、ギミックも独特で楽しい。絵がかわいいだけじゃなくって独自の不思議なほわほわしたストーリー作りという持ち味もあるし、いい才能持ってるなーと思う。井ノ本リカ子「プリティ♥サイズ」は6話め。今回は女の子二人のうち、ショートカットでめがねっ娘な瞳ちゃんのほうにスポットライト。なな子ちゃんのほうもいいけどこっちもかわいい。いつもながら女性の身体をふんわり柔らかそうに描く腕前は抜群。

 パニックアタック「すてきな恋のみつけかた」は毎回手堅くドタバタ楽しい。Hはないみたいなもんだけど、この人の場合はこれでよし。峠比呂「お嬢サマインパクト!」。横暴なお嬢さま二人によって、大学生なのに少年みたいな容姿の緑山くんがイジられまくるというお話。緑山くんが女子二人にも増してかわいかったりして華やか。最近ポプリクラブは好みな作品が多くてうれしい。ただ殺伐とエロをやるってだけじゃなく、ラブだのコメだの、お話の面でもちゃんと勝負できてる人が多いのがいい。

【雑誌】コミックメガストアH Vol.09 白夜書房 B5平

 創刊当初はいまいちかな〜と思っていたメガストアHだったが、だんだんメンバーが増強されて良くなってきた。まず鬼ノ仁が描いているのは普通に強い。今回の「未完成のメロディ」は、女子高生がいきなり家にあがりこんできた男たちに凌辱されているというそれだけのお話だけど、下着の食い込みとかフェチ臭が漂っていてしっかりエロい。あとなんだかんだいってこの人の描く女の子は独自のかわいさがあって目立つ。13.DREIZEHN「ハニマニはにィはーと」は、父親が再婚していきなり姉と妹ができちゃった男子のお話だけど、大学生の姉のほうがロリロリな容姿で、中学生の妹のほうが肉弾ばいーんという設定が楽しい。きのした順市「ねこみみみみこ」は、やたら女の子の身体がぷりぷりむっちり、汁っ気があるのに惹かれる。あとはジェームスほたて、EB110SS、どざむらと安定株も揃っていてよろしいんじゃないでしょうか。

【単行本】「ハード・アクメ」 玉置勉強 一水社 A5 [Amzn]

 1年半ぶりの単行本とのこと。しばらく一般系でやった後、エロ方面に復帰してからの玉置勉強はだいぶエロがハードになってるという印象がある。もしかしてエロを描いてなくてたまっていたものがあったのでは。個人的にはなかなか痛快に吹っ切れてるな〜と好感を抱いていた。収録作品についてはどれも芸がある。まず冒頭の「あ、ビール券もつけるよ?」はスカッとノーフューチャーに弾けていて楽しい。それから「バイバイハニー」は肉便器ちゃん的な女の子に想いを寄せているふうな男の心持ちを想像すると切なかったりするし、「妹萌ゆ」は女装癖のあるナヨッちい兄ちゃんと妹の本音のブツけ合いがエロくかつ痛々しい。耳の聞こえない彼女とその恋人である男の物語「サイレンス」はお互いを思いやる気持ちがいとおしく、かと思えば「STAY FREE」は単純にひでーことをしててウケケケと思う。最後の「ハッピーバースデイ」はいい話できれいに締めくくり。

 ハードコアなエロから、ウェットで叙情的なお話まで、どれも面白く読めた。芸風の幅広さにあらためて感心。なんとなくなんだけどこの人の場合、「完全にやりたい放題」でもなく「完全に縛る」のでもなく、ある程度ジャンルの枠を意識しつつ、その境界線をハミ出すかハミ出さないかというラインで作品を作っていくのがベストかも……とか思った。そういうわけでエロと非エロを往復するような、現在の状況はちょうどいい具合なのではないかと。


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