2003年12月下旬


12/31(水)……おお未消化

▼今年最後の更新。まあアップするときにはもう2004年になっているんだけど。

▼というわけでOHP月極アンケートのテーマを入れ替えます。今回は1月ということで、毎年恒例となっている「ベスト雑誌2003」で行きます。これで4回めとなりますが今回もよろしくお願いします。

▼2003年12月「単行本収録希望作品2003」のほうは締め切ります。今回は「夕凪の街」で読者に大きな印象を与えたこうの史代の短編集が票を集めて1位に。そういえば「夕凪の街」の掲載誌であったが漫画アクションが、週刊としては休刊になってしまったというのも2003年の漫画界の大きな話題の一つでありました。

▼2003年を振り返ると、個人的にはやっぱダイエットをした年という印象が強い。ダイエットをちゃんとやろうとしたのは初めてだったし。また、それに伴ってここ数年遠ざかっていたアニメもいっぱい観ることができた。作品を通していろいろ楽しんだり考えさせられたりもして、いろいろ収穫はあったと思う。ちなみにその後の体重推移だけど、7月くらいに目標だった標準体重の62kg(168cm)に到達してからはずっと現状維持といったところ。現在は時期によって多少の変動はあるものの、61〜62kgの間をふらふらしている感じ。瞬間最大風速で60.2kgという数字は出たけど、その後また揺り返したりして、結局年内は60kgを割ることは一度もなかった。一度くらいはその数字を見たいような気もするんだけど、それなりにもりもりメシは食ってるんでこれ以上は難しいかなーという気もする。まあなんにせよ風邪もほとんどひかなかったし、全般に非常に健康的な一年でありました。何よりとりあえず仕事があって、なんとか今年も食いつなげたのが一番ありがたい。2004年もまたよろしくお願いします。

【単行本】「鬼虫」1巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 時は平安中期。しかしこの物語の舞台となる絶海の孤島は、そんな年号などというものが存在することなど露知らず、外界から隔離された地。原始的な生活を続けるその島に、かつて海に流されて死んだその島の娘とよく似た女性が流れ着いたことを契機に、その中で完結していた島の暮らしに異変が起こり始める。

 柏木ハルコは「花園メリーゴーランド」でも、現代日本から隔離された独自の性風俗を持つ村を舞台にした民俗学っぽいエッセンスをふんだんに含んだ作品を描いていたけど、今回はそれをさらにググッと押し進めてきた。日本であるけれども日本でない、孤立した本格的な架空社会を舞台にした物語を作っている。舞台設定は奇抜ながらも、奇手は用いず、一歩一歩着々とお話を進めている。その足取りの確かさからは作者の本気をビシビシ感じるし、絵のほうも気合いが入った骨太なものとなっている。まだ物語がどういう方向に行くかは見えてない部分も多いのだけど、ワクワクさせられるものは十分。期待してます。

【単行本】「花縄」1巻 作:小池一夫+画:森秀樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 とても面白い。とある事件がきっかけで生きる意欲を失い、うらぶれた生活を送っていた元力士・花太郎。彼が入水自殺をしようとしていたところ、火付盗賊改方・長谷川平蔵に拾われる。かつては「鬼平」と呼ばれていた平蔵も、現在は不治の病に蝕まれ、いつ死ぬか分からぬ身体になっていた。そこで平蔵は花太郎を自分の跡を継げる人材と目をつけ、新たな捕物帳が記されていく。

 というわけで、森秀樹が作画をやってるという時点でもう渋みたっぷりなんだけど、お話のほうもしっかり。ガッシリと骨太な作画、それから人情味を漂わせたシブいストーリーなど、隙がなく読みごたえはばっちり。鬼平はもともとキャラが立っているけど、さらにその鬼平の晩年の描写や、花太郎の一本気な男心もからませて見事な物語に仕立て上げている。義理人情を重んじ、人としての筋を通していこうとする二人の主人公の姿がたいへんカッコイイ。

【単行本】「暁星記」4巻 菅原雅雪 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 急展開の第III部がこれで完結。ここまで非常に壮大、かつハードに物語を展開してきた作品だったが、「管理者」という存在の登場はちょっと当惑させられた。ただ物語はしっかり動き続けていて、これまでずっと名前が出てきた重要人物の登場、そしてヒルコが地上へと向かう旅路など、重厚な読みごたえのある展開が待っていそう。第IV部「激闘」は来春連載開始予定。どのようなお話になっていくのか今から楽しみ。

【単行本】「なるたる」12巻 鬼頭莫宏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。ここまでの展開からすると、最後の形がこうなるというのはまあ自然なのかなという気はする。でも、じゃあ納得がいったかというとそんなでもない。ここまでいろいろショッキングなシーンがいっぱいあった作品なわけだけど、それを十分に受け止めることができるラストだったかといえば、そこまでの力はなかったように思う。12巻、5年以上にわたった長期連載だが、正直分かったような分からんような、という曖昧な印象。

【単行本】「この世の終りへの旅」 西岡兄妹 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 西岡兄妹としては初の長編。主人公の青年がいつもと同じように会社に行こうとするが、扉を空けるとそこはいつもと微妙に違う風景。そして道を進むうちに、まるでガリバーのような、不思議極まりない旅路をたどっていくことになる。西岡兄妹の不思議な感触の絵柄が相変わらず印象的。そして今回は通して読むとストーリー性がけっこうあって、展開面での興味も掻き立てられる。西岡兄妹の描く人物は、どこにも属せないような存在であることが多く、他に煩わされないことに対する満足と、他に受け入れられない寂しさを常に抱えている。それだけに旅人という位置づけは非常に似合っている。いつもよりもさらに読みごたえがあって、満足しました。


12/30(火)……アジーフリャ

▼二日連続の飲み。本日は八王子で。コミケ帰り組が5人、コミケに行ってない組が2人。ちなみに私は行ってない組。

【雑誌】ポプリクラブ 2月号 晋遊舎 B5中

 今号は井ノ本リカ子、へかとん、ZERRY藤尾といった、個人的に楽しみにしている作家さんが揃ってお休み。なお井ノ本リカ子「プリティ♥サイズ」は単行本が1月23日に発売とのこと。宮崎麻耶「MAGIC RINDA」。細部まで丁寧な絵柄だけど、けっこう馬鹿っぽい漫画をやってていい感じ。今回はちょっと桂正和風っすか。 パニックアタック「すてきな恋のみつかけた」はコンスタントにほのぼの。そのうち単行本にまとまるといいんだけど。

【単行本】「フリージア」3巻 松本次郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 うん、面白い。仇討ち代行業にスカウトされた主人公・叶と、それを取り巻く面々。叶の狂気は時間が経つにつれて増幅していき、周囲との齟齬もそれに伴って大きくなっていく。展開としては派手じゃないけど、ジワジワと世界に狂気が広がっていくような物語は、静かであるだけにゾクゾクする迫力がある。頭脳明晰そうなメガネ男・叶は何気にカッコイイ。メガネ男子好きにとっては萌えるキャラなのではあるまいか。

【単行本】「警視正大門寺さくら子」6巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 まったりくだらない。最近はのさくら子はあんまり新しいことはしてないんだけど、全体にC調なギャグになっててリラックスして楽しめる。個人的には藍川副署長が好き。

【単行本】「ティーンズブルース」6巻 コージィ城倉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 ズルズルーッと麻美が転落中。ホストクラブに行き始めたのがきっかけで、お金が底をつき家出もし、同級生である吉本親子からなんとか金を得るべく麻美はもがく。ここまでの展開は全然救いがなく、じわりじわりと転落させている。意地の悪い展開ながらもなんだか読者を引き込んでいく、お話の進め方はいかにもコージィ城倉らしくて面白い。コージィ城倉は個人的には2003年の漫画家MVP。週刊少年マガジンの「おれはキャプテン」、森高夕次名義で原作を担当する「ショー★バン」と、3本の週刊連載を精力的にこなした活躍ぶりはご立派。

【単行本】「学園ノイズ」2巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 スタジオDNA B6 [bk1][Amzn]

 イキのいい番長漫画的展開をしてて楽しめる。伸びやかな線はいつ見ても気持ちがいいし、竹を割ったような性格で、閉鎖された学園に反旗を翻す主人公の男っぷりも良い。


12/29(月)……宴の餃子

▼池袋にて職場関係の忘年会。本日の飲酒量はちょうどいいくらいの分量。帰ってきてちょいと休んだらだいぶ具合が良くなってきたんで踏台昇降するかしないか迷った末、明日も飲みに行くから無理しないでおこう……とか思ってやらない方向にいったんは傾きかけたが、なんとなく落ち着かなかったのでいちおうやっておいた。やっぱ焼酎をメインにしとくと早く抜けるんでいいです。まあ飲み会の途中から、ウーロン茶をチェイサーとしてちゅるちゅるすすったりヌルまってたっていうのもあるんだけど。最近は年取ったのか、酒飲むときもだいぶ後先考えるようになりましたよ。

▼飲みに行く途中で漫画雑誌をちょこちょこ購入。年内の購入はこれで基本的に打ち止め……と思ったが、そういえばポプリクラブを買い忘れてた。明日買ってこよう。

【雑誌】マンガ・エロティクスF vol.25 太田出版 A5平 [bk1][Amzn]

 鬼頭莫宏「3年間の神」。餓死寸前だった路上生活者の少女が、とある男に拾われて3年間だけの命を得る。切なくて哀しくはあるけれども、儚くて美しい。これはなかなかいいです。短いながらもいろいろ琴線に触れるものがあるし泣けもする。ラストの少女のセリフもすごく良かった。鬼頭莫宏は4月末発売のvol.27でまた登場するとのこと。志村貴子「どうにかなる日々」。こちらもあんていしていい。今回は事故で死んでしまって霊になった少女と、彼女のことが見えるとある男性教師の姿を観察。淡々と進み、素っ気ないようでありながらもしっかり読者をお話に引き込む呼吸が独特。よしながふみ「愛がなくても喰ってゆけます。」。今回は甘〜い食い物のお話で、これもまたうまそうだ。料理自体の描き方がうまいっていうよりも、食った人の言葉がいい。あーなんか甘いモノ食いたいな、とか思ったので大福でも食います。

 あと、今号の編集後記欄に今後の単行本の発行予定が書いてあった。1月はよしながふみ「それを言ったらおしまいよ」、2月は砂「サイバーポルノ」、そして小田扉「男ロワイアル(仮)」が出るとのこと。「男ロワイアル」ってことはモーニングの読者コーナーでやってた1ページ漫画が入るってことだよね。そういえば2月にはスピリッツでやってる「団地ともお」も単行本が出るはず。こいつは春から縁起がブラボー。

【雑誌】近代麻雀 2/1 竹書房 B5中

 福本伸行「アカギ」。乗り切った……っ! またしても一手も進めずして一話分乗り切った……っ!! というわけで今回も引っ張りまくり。作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「覇王」。単行本1巻が1月27日に発売決定。今回は敗者復活戦。やっぱ卓上の舞姫を復活させたいのかなーという感じ。その前に立ちはだかるのは教育ママ的な人。それにしてもノガミの勇は解説させてもまともなこと喋りそうにねえなあ。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 2月号 少年画報社 B5中

 聖悠紀「超人ロック」が新連載。少年画報社でロックをやるのはこれが15年ぶりだとか。そういえばずーっとほかのところをさまよってたわけだよね。ロックはやっぱりロックでした。リバイバルものではなく、しっかり続いていた現役だってのが凄い。平野耕太「ヘルシング」ではセラスが大活躍。カッコいい。あと傭兵隊長さんも引き続きグッド。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」は妄想戦士たちがお嬢さまに監禁されてどーのこーの編が決着。間違った教育のされ方をしているお嬢さまがたいへんイイ。小野寺浩二は萌えやらオタクをネタにしてるんだけど、別にベタベタネチョネチョすることなく、スカッとドタバタギャグになってるのが気持ちいい。なんか清々しくさえある。

【雑誌】コミックバーズ 1+2月号 幻冬舎コミックス B5平

 今号から発売日が変更。毎月30日発売に。てなわけで今号は1+2月の合併号となっております。でも表紙に「発売日が変わっても面白さは不変」と書いてあるように、内容のほうはとくに変わった印象はなし。作:朝松健+画:華門の新連載「オヅヌ」は、大化の改新後の大和を舞台に、オヅヌ、後に役行者と呼ばれる少年が活躍する伝奇アクションといったところ。絵柄はシャープでまずはカッコ良くスタート。あとは……うーん、あんまりイキのいい作品が見当たらない感じ。

【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中

 かるま龍狼「妻のひみつ」。なぜか日に日にHがうまくなっていく妻。彼女が浮気をしているんではないかと疑った男は、会社をサボって妻を追跡するが……。いやー奥さんエロいですな。ユーモラスなんだけどちゃんと使える。鳴子ハナハル「ネネ」は3話め。家から抜け出た猫娘・ネネが、はだかで学園のキャンバスをうろうろ。無邪気でかわいいが、周囲の人としてはどうしたものやら……という感じでございましょうな。いい具合に楽しくお話が進んでます。RaTe「くろくろナース」。病院内伝説となっている黒い看護婦二人組が、美少年のちんこにのしかかる。ナースさんたちがノリノリで見てて楽しい。表情がイキイキしてていいっすな。SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」では、日陰ちゃんがブルマちゃんと間違えられ、エロブルマをはいてズッキューンというお話。毎回どんどんヘンな方向に話が転がってて次どうなるか全然予想がつかない。この痛快なりゆき感覚がたまらなく面白い。

【雑誌】コミックメガストアH 2月号 コアマガジン B5平

 ジェームスほたて「や・く・そ・く」は、自動保護施設でボランティアをやっている母親が預かってきた少女と、その家の息子さんである少年のお話。この少女は父親から性的虐待を受けていたのだが、彼女に優しくしたいと願いつつもその父と同じことをしてしまう自分に苦悩する少年の姿が切ない。絵柄はいつもながら瑞々しくてキュートだけど、今回はちょっと苦いお話になっております。この人も今年はいろんな雑誌でいい仕事してたと思います。どざむら「永遠の処女」。えーと小学生かな、そろそろ男女の境界がくっきり現れ出す時期の少年少女たちが物語の中心。ヒロインの咲耶は男子顔負けの元気者で、みんなが見ているのもおかまいなしに汗をかいた服を着替えたりする快活な娘さん。ところが周囲はそんな咲耶を女として意識し始め……といった感じで、後半は淫靡な展開が始まっていく。これが第1回めとのこと。どざむらの艶めかしいエロスが発揮されていきそうで楽しみ。

【雑誌】エンジェル倶楽部 2月号 エンジェル出版 B5平

 奴隷ジャッキー「霧島さんのき・も・ち 〜A wish in X’mas〜」は、「A Wish −たった一つの…を込めて−」[Amzn](単行本感想は12月18日の日記参照)の強烈熱愛カップル、霧島さん&森崎くんのクリスマス模様を描いた番外編。最初は霧島さんと森崎くんが二人っきりなのに、サンタ&トナカイのコスプレをして不思議なパーティをするシーンが妙におかしくて、そこからまた涙、鼻血ドバドバのHシーンに大突入。相変わらず濃い作品。半日以上もやり続け、最後は勢い余ってベッドからダイブしたり、ダイナミックな描写が素晴らしい。しかもよく分からないけどものすごい熱愛っぷりが伝わってきて、ほのぼのしたりもするからユニークだ。いや〜面白いなあ奴隷ジャッキーは。


12/28(日)……のび太の起用理由

cover ▼やっぱり年末はこたつに座ってテレビだよねー、とは必ずしも思わないけれどもビデオキャプチャーして貯めておいた動画を見るために、バッファローのPlay@TVを購入してしまったとです。Amazon.co.jpで注文してブツが本日到着。Play@TVはネットワークを経由して、パソコンのHDD内にある動画をTVモニターに出力するためのユニット。録画してエンコしてため込んでおいたDivXやらWMVやらXviDやらの動画を、テレビの大画面で、こたつでぬくぬくしながらぼへーっと観ようともくろんだわけだ。で、実際の使用感だけどなかなかいい塩梅だった。操作は基本的にパソコン側の付属ソフトにテレビで再生したい動画を登録し、あとはPlay@TV側のリモコンで再生していくだけ。再生前の読み込みで5秒くらい待たされるけど、それ以外はリモコンのインタフェースも使いやすいし予想以上に快適。

▼この手のパソコンの動画をテレビに出すための製品はほかにもあって、まず検討したのがパソコンに内蔵する拡張カードタイプの製品。画質的にはこのタイプを使うのがベストであるようで、カノープスのVideoGate1000[Amzn]、MatroxのMillennium G550[Amzn]あたりが評判いいらしい。最初はこっちにしようと思ったのだが、どちらの製品もビデオキャプチャーカードのMTV2000と相性があると聞く。とくにVideoGate1000は、MTV2000と一緒に差すとパソコンの省電力機能が使えなくなっちゃうらしいので、予約録画時にたいへん困る。ウチの場合、テレビの一番近くにあるマシンがMTV2000の入ったキャプチャー用マシンなので、この段階で断念。

▼次に検討したのが、アイ・オー・データ機器の出してるAVeL LinkPlayer[Amzn]。これはPlay@TVとは性格の似た製品で、DVDプレイヤーにもなる。違いとしてはPlay@TVがテレビに出すための動画のエンコードをLANで接続されたパソコン側に任せるのに対し、LinkPlayerはLinkPlayer側でやっちゃうこと。Play@TVはコーデックはパソコンにインストールされてればOKなので、基本的にWindows Media Playerで再生できるファイルならなんでもテレビに出せちゃうのが利点。でもその分サーバーとなるマシンのCPUパワーを食う。LinkPlayerはその点、自前でエンコするのでCPUパワーを必要としない。ただしLinkPlayer側に入っていないコーデック形式の動画は再生できない。どっちがいいかなーと思って迷ったが、Play@TVのほうが安いし、LinkPlayerは現在品薄で入手しにくいらしいのでPlay@TVにした。でもLinkPlayerのほうがいいかもしんない。まあいっかー。

▼ただPlay@TVは使いやすいことは使いやすいんだけど、問題点も多少あり。とくに面倒なのが横長でエンコードしたファイルの取り扱い。Play@TVで再生するときの設定は、自動でテレビサイズに伸長するか、まったく伸長しないで信号を送るかの2種類のみ。標準では自動で伸長するようになっているが、これは動画の縦横比が普通のテレビサイズである4:3ならば問題ないのだが、映像が16:9だと無理やり4:3に伸長しちゃうので映像が縦長になってしまう。この場合は仕方ないから信号をそのまま送る設定にするんだけど、その設定にしとくと横幅が640ドット未満の動画の場合、テレビの真ん中だけ使う形式になっちゃう。そんなわけで一番困るのが、480×270ドットとか、中途半端な大きさでエンコしちゃったファイルを再生するケース。自動伸長だと縦長になっちゃって困るけど、さりとて伸長しないと画面の真ん中だけ使って動画がちんまり表示される形になっちゃうんでちょっと間抜けている。横幅を640ドットに固定して、縦はそれに合わせるという設定を持っててくれれば良かったんだけど……。このへんはファームウェアのアップデートで対応してほしい。あと早送り/巻き戻しは画面を見ながらではなく時間単位での指定なんで、エロドウガーを見るには向いてないかも。

▼でもまあそれ以外についてはおおむね満足。画質的にはS-VHS程度って感じ。再生する動画ファイルの質にもよるものの、個人的にはまあまあ満足できるレベル。有線LANでつないでも最大4Mbpsなんで、8MbpsクラスのDVD動画だとちょっとカクカクするらしいけど、DivXとかは1.5〜2Mbps程度が普通なんで全然オッケー。メーカーのホームページの必要スペックがPentium 4/2GHzとなってるが、2ちゃんねるの関連スレとかを見た感じでは、Pentium 4/1.7GHzクラスでもまったく支障ないという報告あり。ウチはPentium 4/1.6A GHzを1.92GHzにオーバークロックして使っていて、こちらもまったく問題ナッシングだった。というわけでかなり気に入り申した。そんなわけで本日は録画しておいたNHKスペシャルの「映像の世紀」をだらだら観たりしておりました。

【雑誌】大長編ドラえもん大全集 1 藤子・F・不二雄 小学館 A5平

 映画の原作となっている「大長編ドラえもん」シリーズがコロコロコミックサイズの雑誌形式で刊行開始。12月から毎月25日に1冊ずつ、全4巻で刊行される模様。一度まとめて全部読みたいな〜と思っていたのでいい機会だから購入開始。まず第1号については「のび太の恐竜」「のび太の宇宙開拓史」「ぼく、桃太郎のなんなのさ」「のび太の大魔境」「のび太の海底鬼岩城」「のび太の魔界大冒険」が収録。この中ではやっぱり大長編第一作である「のび太の恐竜」が、個人的には想い出深い。どの作品についても、ロマンがあって冒険があって夢があって友情があって……とよくできてる。こういう健全な物語作りっていうのは大事だなーと改めて思ったりした。ところで大長編だとジャイアンがとたんにいい奴になる、のび太が異能力を発揮するなどあるが、その反面スネ夫は印象が薄くなるなとか思った。もっと頑張れスネ夫。

【単行本】「賭博破戒録カイジ」11巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 沼パチンコ編、相変わらず引っ張る引っ張る。あっさり話を終わらせたりしない。ものすごい引き伸ばしっぷりなんだけど、それでも読ませちゃう剛腕ぶりはさすが福本伸行。

【単行本】「オーバーマンキングゲイナー」2巻 作:富野由悠季+画:中村嘉宏 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 連載中は鉛筆描きなことも多かったけど、単行本ではビシッとしたクオリティになってます。中村嘉宏の絵はカッコいいなあ、サラもアナ姫もかわいいなあ、ゲイナーくんも萌え萌えだなあとか思ったりしながら楽しく読んだ。……んだけど、意外とお話が頭に入ってきにくいような? 絵はものすごくうまい。だけどアクションシーンで、「今何をやっているのか」ということが意識して見ないと分かりにくいことが多いように思う。「キングゲイナー」は勢いで突っ走る物語であるだけに、パッと見分かりやすく、勢いつけて読んでいけるようにしといてほしい。また連載ぺースが遅くなかなか話が進んでいかないのももどかしい。

 比べるのもなんだけど「起動戦士ガンダム THE ORIGIN」なんかは物語がけっこうザクザクハイペースで進む。んでもってアニメではいまいち分かりにくかった部分もしっかり説明してて、漫画のほうが分かりやすくなってる。また「新世紀エヴァンゲリオン」はアニメそのまんまで漫画にしているという感じで、こちらは「起動戦士ガンダム THE ORIGIN」ほどの芸はないかなと思うけれども、そのまんまであるだけにアニメと同程度には理解可能。「キングゲイナー」は絵のクオリティではその2作にも劣っていないと思うのだが、読みやすさという面では負けている。アニメのほうがその3作の中で一番単純なストーリーだっただけに、も少しザクザク進めてってもらいたい。いや、なんか文句ばっかり書いたみたいになっちゃったけど絵は本当にいいし、すごく好きなんだよね。だからこそもう一段の奮起を望みたいというわけでして。

【単行本】「ペット」5巻 三宅乱丈 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。ヤマとタニという概念を駆使し、人間の記憶をいじるという独特の超能力描写はすごくインパクトがあって、非常に興味深い作品だった。これだけ皮膚感覚としてぬるぬるまとわりついてくるような書ッカのある超能力漫画というのは珍しいと思う。三宅乱丈の高い作家性をひしひしと感じさせてくれる作品だった。ただラストのほうが消化不良気味だったのはちと残念だった。かなり特異な作品であっただけに、できればもう少し余裕のあるページ数でじっくり描いてほしかったなーという気はする。描写が難解なので一般受けはしないかもしれないけど、それだけの価値はある作品だと思うので。

【単行本】「龍」35巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 千山無量観での修行に耐えぬいた龍は、そこで人望を得ることに成功する。ってなわけでいよいよ秘宝を追うための私兵の準備も整ってきた。その間も戦争の状況は進展し、第二次世界大戦当時の世界情勢はどんどん動いていく。今さら何をかいわんやな作品ではあるけれど、読んでみるとやはりしっかりと面白い。

【単行本】「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」11巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 マンデートーナメント挑戦が失敗に終わり、国内ではも出れる試合もなく、バイトでもするかーという状態になってしまったチームきりたんぽ。しかしそんな彼らに思いがけずチャンス到来。というわけでアメリカ合衆国にわたり、地方のトーナメントを回る旅に出ることになる。オンボロのバンで移動して、安モーテルに泊まるという具合で状況としては恵まれてないけど、生活費とか安上がりなんでチームきりたんぽの面々にはすごくその生活が肌に合っているような感じ。そのアバウトっぷりが実に彼ららしくて読んでて楽しい。なかいま強はしっかり仕事してるなあと思う。

【単行本】「武侠さるかに合戦」地の巻 吉田戦車 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 完結。個人的にはすごく楽しんだ。いや〜面白い。「さるかに合戦」を任侠モノっぽく仕立てるという着想自体はほかの作家でもあり得ると思うけど、このシリアスさとマヌケさが渾然一体となった独特の味わいはほかの人では出せない。栗の親分を筆頭に、カニ弟や牛の糞、臼など各登場人物……いや、登場事物といったほうがいいかな、それぞれがみんなユーモラスでクセがあって笑わせてもらった。とくに栗の親分の登場シーンでは爆笑させられてしまったし。しかも任侠モノとしても案外ちゃんと完成してて、吉田戦車ってやっぱうまいなーとしみじみ。やはりこの人は天才だと思う。自分の中ではオールタイムベスト作家の一人。

【単行本】「吉田戦車のゲーム漫画大全」兄/弟 吉田戦車 エンターブレイン A5 [Amzn:/

 「はまり道」「ニューはまり道」「ゴッドボンボン」という吉田戦車ゲーム漫画に、未収録分をいくらか足して全2巻にした本。ゲームってのは基本的に時事ネタであるわけだけど、あまりそのときどきの話題性に頼ったギャグ作りをしてないんで、今読んでも楽しめる。ただし今回載っているのは漫画のみ。「はまり道」に収録されていたエッセイ「ニューボンボン」が入っていないのは個人的には残念であった。そういえばあの友達犬は今どうしているのだろう。


12/27(土)……アンダーシャツの名

▼このところ土曜日はだいたい「プラネテス」を見ながら踏台昇降してたんだけど、本日は年末ってことで放送がお休み。「ふたつのスピカ」もやってないし、さりとて「映像の世紀」なんかだと踏台にはちと内容が重すぎるわいとか思い、結局この前DVDを買った「茄子 アンダルシアの夏」[Amzn:通常版/初回限定生産版]を選択。で、これが大正解。さすがに自転車レースものだけあって、すごくいい具合に踏めた。ていうかこれ、踏台しながら観たほうが絶対楽しいよ。椅子に座ってじっとして観てるよりも、自分も身体動かしながら観るほうが盛り上がれると思う。面白かったのが、レースがクライマックスに近づき白熱してくるにつれて、踏台を踏むペースも上がること。ラストのほうの、ペペが急カーブでよろけるシーンなんかでも一緒によろけちゃったり。本編が47分で時間的にもちょうどいいし、カラッと楽しめる後味のいい作品だし、踏台に最好適な1本としてオススメいたします。

【単行本】「カワイコちゃんを2度見る」 福満しげゆき 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 まさか1年の間に福満しげゆきの単行本が2冊も出ようとは……。うれしいじゃあないですか。いかにも味のある短編がてんこ盛りでとてもよろしーです。なんか自信なさげな顔つきの頼りない主人公少年が、いろいろ考え込んでみたり妄想にふけってみたり。福満しげゆき漫画の主人公は、いかにも気が弱そうでオドオドしてるんだけど、ときどき妙に大胆な行動をしだして驚かされる。まったく冴えない風体なんだけど、小心者でいろいろなことを気にして生活している。基本的に他人に迷惑をかけないよう振る舞っているあたり憎めない。あと女の子キャラが妙に肉感的でHっぽかったりするのも良いし、おっさんキャラに哀愁が漂ってていい味出しているのも好き。作画もストーリーもとても個性的。この人の漫画は読んでてなんか気持ちいい。肌にしっくり来る触感あり。

【単行本】「ぼくは、おんなのこ」 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 これまで単行本からこぼれていた短編を集めた単行本。描き下ろし3本を除くと1997〜2001年の作品。スマートな絵柄で、ちょっと甘くくすぐるような雰囲気があって面白く読める良い本。でも一通り読んでみると、昔の作品もいいけど、今のほうがずいぶんうまくなってるんだなあと思った。絵は若干、演出はかなりの進歩を遂げていると思う。2003年の志村貴子はあちこちで描いてて、そのどれもがしっかり面白かった。個人的な2003年MVP作家の有力候補の一人。

【収録作品】「ぼくは、おんなのこ」(アスキーコミック1997年2月号)、「楽園に行こう」(まんがタイムナチュラル 2000年4月)、「少年の娘」(まんがタイムDash! 2001年4月)、「アケミのテーマ テルオ編」(まんライフオリジナル 2001年9月号)、「アケミのテーマ ヨシオ編/ハルオ編」(描き下ろし)、「花」(まんがタイムDash! 2001年11月),「sweet16」(描き下ろし)

【単行本】「なつめヴルダラーク!」 西川魯介 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 楽しい作品でありました。人狼の血を引く女の子・狼川(おいぬがわ)さんと、彼女が狼の習性を抑えるために人の血を吸うのに協力する平凡な少年・鹿淵くん、めがねっ娘の玉澤さんの3人を中心とした学園ドタバタストーリー。血を吸ったりはするけど別に陰惨なムードとかは全然なくって、ちょっとHっぽい描写も織り交ぜながら、ラブコメチックな学園生活が楽しく展開されていく。彼らの真ん中にいるのは狼川さんなんであり、主人公は悶々少年の鹿淵くんなんだろうけど、めがねっ娘の玉澤さんにかかるウエートがどんどん大きくなってくるのは風雲めがねっ娘マスターである西川魯介らしいところ。なんだかんだで鹿淵くんと玉澤さんがちょっといいムードになっちゃうあたりとか、読んでてすげー楽しい。恋愛感情に照れ隠しが常につきまとってくるあたりに和んじゃったりする。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 1/20 No.2 講談社 B5中

 小林賢太郎「鼻兎」はシュールでいいなあ。今回の鼻兎はどうにも変身しすぎ。なんかラヴクラフトの小説にでも出てきそうな、名状しがたき姿形になっております。新連載、末永裕介「ランペイジ」は「三国志」漫画。主役は張飛? お話的にはわりとシリアスなんで、絵にもう少し重厚感があるといいかなーという気はする。堂高しげる「全日本妹選手権!!」。そうなんだよねー、「とんがり帽子のメモル」はDVD出てないんだよねー、と思った回。出たら買うのでぜひ出してください。

【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平

 くらもちふさこ「月のパルス」が掲載。読切だけど同タイトルで4月号から連載が開始するらしいのでプレ連載という感じか。「そこにはないはずの何か」が見えてしまう不思議な症状に見舞われているクールな少年と、彼と同じ眼科に通う少女。現段階ではまだ直接に知り合っていないけど、この二人を中心とした恋愛ストーリーになるのかな。今回は線を太めにして、意図的に昔の少女漫画っぽくしてきている感じ。品質はやっぱり高くて、連載のほうにも期待が持てそう、っていうかしてます。新連載、甘夏堂「栄通りジャンキーズ」は、男女混合の商店街草野球チームを盛り上げようと奮闘する主人公の春子、そこに元プロ野球選手の近所の酒屋の息子・隆星がからんできて、草野球+恋愛なストーリーを繰り広げるといったところ。まだ始まったばかりでなんともいえないけど、整った絵柄とまとまった話作りで手堅く読める作品になりそう。草野球らしくサバサバした雰囲気も魅力。

【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平

 魔夜峰央「パタリロ西遊記!」はきっちり面白い。牛魔王との対決を控えて火焔山でいろいろ。このものすごい安定ぶりは驚異的だなあ。雑誌全体については長期低落傾向かなーという気はする。最近あんまり元気がない。

【雑誌】手塚治虫マガジン 2月号 KKベストセラーズ B5平

 「鉄腕アトム」で「地上最大のロボットの巻」が掲載開始。浦沢直樹がやってる「PLUTO」の元となった話なんで、これを読んでおくとあっちも分かりやすくなると思う。今回読切は「ハヌマンの冒険」「山太郎かえる」「山の彼方の空紅く」が掲載。連載も「火の鳥」「ブラック・ジャック」「どろろ」「リボンの騎士」とみんな名作ばかりで当たり前のごとく面白い。手塚作品といえば膨大な量ががあるが、こちらで作品セレクトするために頭を働かせなくても、ごく自然にいろいろな作品に触れていけるんで毎号楽しい。

【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」は2回め。今回×浦あやは、前回とは打って変わって一人の少年だけのお相手。きっちり可愛くエロく描けていていいですのう。幸田朋弘「Petit-ろいど3」。こちらも堅調。ちっちゃなアンドロイド3人娘のご主人様である陽のもとに、おさななじみのおねえちゃん、それからそのそっくりさんであるアンドロイドがやってきてヘンテコな三角関係状態。にぎやかにラブコメしてていい雰囲気。幸田朋弘はすっかりエロがなじんだなあ。いい仕事してると思います。池上竜矢「好・き・好・きSWEET-KISS!」。めがねっ娘で内気で天然っぽいお姉さんと、イケメンの弟のラブラブもの。この人の描く女性キャラは、どっか抜けててほんわかした雰囲気があっていいと思う。わりと好き。なお現在単行本準備中だとか。

【雑誌】コミックミニモン 2月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「跳んでリコちゃん」。フィギュアスケート教室に通っている女の子リコちゃんと、コーチの先生のお話。今回もほのぼのかわいくH。スポーツ少女だけに元気いっぱいなのがよろしいです。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.18 三和出版 A5平 [Amzn]

 掘骨砕三「陰間の春」。陰間ということでいわゆる男色の売春をやっている少年たちが5人でてきてそれを世話係のおねーさんがH。といってもそこは掘骨砕三だけに、もちろんフツーの少年たちではございません。天上から鎖で吊ってないと支えられないデカちん、複ちん、超長ちん、複乳、大尿道などバリエーション多彩。実際にあったらグロいのかもしれないけど、それをいつもながらかわいい絵柄で描き出している。奇妙でキュートでいつもながらええ感じです。造形は異様だけど、今回はやってることがわりとノーマルなので、安心して読めるのではないかと。氏賀Y太「まいちゃんの日常」。いくら殺しても死なないまいちゃんのお話も9回め。このところストーリー性もずいぶん出てきたし面白く展開している。氏賀Y太らしい残酷描写も、この作品の場合は無理なく生きてて効果的。


12/26(金)……合ってないんさーっ

▼本日は仕事関係の年賀状作成にいそしむ。っていっても裏面のほうは業者さんに依頼してあったので、やったのは宛名のほう。宛名データのほうは、専用スキャナ付きの名刺管理ソフト「やさしく名刺ファイリング」[Amzn:カラー/モノクロ]でガーッと作成。なおリンク先はV3.0だが、ウチにある「やさしく名刺ファイリング」はV1.0だ。別に大したことするわけじゃないんでこれで十分。今回は今年新たに増えた分だけだったんであっという間に終わったが、印刷はけっこう苦戦した。裏面の印刷についてはネットで注文したんだけど、上がってきたハガキがインクジェット用紙を使ってて、それがネックとなった。インクジェット用紙は普通のハガキの紙より固く、会社のレーザープリンタだとうまいこと紙を吸い込んでくれない。しょうがないので、吸い込みやすくするためにハガキを手で曲げてクセをつけたりしつつ、だましだまし印刷していく。それでも3枚にいっぺんくらいは用紙エラーを起こして紙がつまるのでえらく時間がかかってしまった。来年はインクジェット用紙じゃない紙を選べる業者さんのところで注文しよう、そう心に決めた。でも来年になったら忘れているだろう。

▼未読物
【雑誌】コーラス 2月号 集英社 B5平
【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平
▼27日売り
【雑誌】ヤングマガジンUppers 1/20 No.2 講談社 B5中
【雑誌】阿ウン 2月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】コミックミニモン 2月号 東京三世社 A5中
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.18 三和出版 A5平 [Amzn]
▼29日売り
【雑誌】快楽天 2月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】コミックメガストアH 2月号 白夜書房 B5平

【雑誌】別冊ヤングマガジン 1/25 No.01 講談社 B5中

 今号からリニューアルで偶数月20日発売の隔月刊になるとか。雑誌名くらいは変えてくるかと思っていたが、前のまんまだったのはちょっと意外だった。号数がリセットされちゃったのはちょっと面倒かな。まあいいけど。

 山本マサユキ「妹あいどる」。借金のカタにAV嬢になるといって田舎からやってきた幼なじみの妹分な女の子を救うため、主人公の青年が彼女をアイドルにするべく奮闘するというお話。今回はまず1回め。まとまったページ数で山本ギャルがいっぱい見られるのはうれしいところ。シンプルな絵柄だけどスケベ心を誘います。高田裕三の新連載「九十九眠るしずめ」は、明治が舞台の妖怪退治もの。なんだかんだいって高田裕三の描く女の子はけっこうかわいいなと思った。あと恋緒みなと「イオ」は南米編に入ってから面白くなってきているような気がする。現地の女性のマールがちょいとHな雰囲気を漂わせているし、澪もやってきてドタバタしてきていい雰囲気。

 押見修造による読切「超常眼球沢田」は、猫にひっかかれたキズが元で透視能力を身につけた少年が、学校中の女の子の乳首を確認すべく頑張ってしまうとゆーお話。「アバンギャルド夢子」もそうだったけど、この人は性的衝動にもんもんとして鼻息をピスピスいわせている思春期の若者をいい感じに描く。妙な勢いがあって思わず納得しちゃう。陽気婢の読切「管釣猫娘」は釣りと女の子のお話。陽気婢は釣り好きなはずなので、趣味丸出しなお話といえましょう。雑誌後半のほうは、新鋭な人の作品がいろいろ。その中で目についたのは土屋多摩「アクアクロウ」あたりかな。日本一治安の悪い廃墟都市の闇で暴れまくる仮面をつけたガキどもの集団を描くといった感じ。松本大洋「鉄コン筋クリート」風味。「#1」って書いてあるのでシリーズ連載みたい。

【雑誌】ヤングアニマル 1/9 No.1 白泉社 B5中

 文月晃「藍より青し」。たいへんベタなラブストーリー展開で引っ張っている。このこっぱずかしさこそこの作品の武器。あの思い込みの激しい押しかけ和服娘より、ティナのほうがだいぶいいと思う。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」は引き続きバレーボール編。サマーサにバレーボールの特訓をしていたら、なんだかSMみたいになっちゃって……というどうしようもなくくだらない展開がおもろい。元気が良くてよろしいと思う。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 1/9 No.2 小学館 B5中

 吉田戦車が映画に関するエッセイを開始。初回のネタは「ゴジラ×モスラ×メガゴジラ 東京SOS」。吉田と動物が会話する漫画も付属するが、基本的には文章メイン。漫画も文も味があっていい。この人の文章はリズムが良いし嫌味もないしとても好きだ。目標にしているところでもある。次回はトム映画をレポートするそうです。

【雑誌】少年エース 2月号 角川書店 B5平

 吉崎観音「ケロロ軍曹」がアニメ化決定。2004年春からの放送とのこと。アニメで声が出て「ケロロ」が実は「けろぐち」であったとか分かったらみんなビックリするに違いない。嘘だけど……。あとまりお金田「GIRLSブラボー」もアニメ化決定だそうな。それから今号では作:滝本竜彦の小説「NHKにようこそ!」を大岩ケンヂが漫画化した新連載がスタート。小説のほうは読んでないので多くは語れないんだけど、大岩ケンヂのスッキリとして茶目っ気もある絵柄とお話がけっこうマッチしてるんじゃないでしょうか。まず1回めは楽しめた。

 それから今回は企画モノ2本。エヴァンゲリオンのゲームが出たってことで、吉川かば夫、SAA、伊藤砕虎、桂明日香がエヴァ2漫画をそれぞれ執筆。下らなくてけっこう楽しいと思ったりした。あと巻末では「エースをねらえ!」という5人の新人が連載権を賭けて競作するという企画が。ASII「純情ブライガンズ」、児玉樹「怪談・喜談もののけ屋敷、片岡人生「鬼顔坊」、今ノ夜きよし「非公認!!恋愛支援倶楽部」、えすのサカエ「花子と寓話のテラー」が掲載。この中では一番甘ったるい感じの「非公認!!恋愛支援倶楽部」がいいかなーと思ったりもしたが、エース系だと似たような作風の人の層は厚そう。誌面全体を考えるとちょっと少女漫画っぽい絵柄の児玉樹あたりがいいかも。でもまあ全般的にエースっぽい人は揃ってるんで、どの人が連載になってもなじむとは思います。

【雑誌】ガンダムエース 2月号 角川書店 B5平

 安彦良和「起動戦士ガンダム THE ORIGIN」。回を重ねるごとに安彦良和の独自色が色濃くなってきている。とくに前号の展開は一瞬とまどったけど、今回のを読んでちゃんと本筋は守ってることが分かって安心した。安彦ガンダムは、ハヤトとか脇役のパーソナリティがしっかり描かれてるのがいいね。「トニーたけざきのガンダム漫画」。今回はシャア&キシリアのやりとりが楽しうございます。そういえばこの漫画とは関係ないんだけど、昔からキシリアが、キャスバル坊やとどういうふうに遊んであげたのかは気になっていた。

【雑誌】コミックガム 2月号 ワニブックス B5平

 短期集中連載だったきづきあきら@シロクロ〜願いをかなえたら〜」は最終話。天使と悪魔に挟まれて、優柔不断な少年は恋の三角関係に突入。なるほど冒頭の悲劇的なシーンはこういうふうに訪れるのね。でもラストはけっこう後味よろし。同人誌で描いていたころとだいぶ絵柄を変えてきてびっくりさせられたこの作品だけど、最後はいい感じにまとまったと思う。かかし朝浩「ふぁにーふぇいす」は、クリスマスに浮かれる町でのドタバタ劇。主人公やその他の面々が忙しく動き回るコメディとなってて面白かった。甘〜い〆も、まあお約束ではあるけどしっかりハマってるし。

【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平

 西炯子は最近すごく好調で毎回面白い。今回の「双子座の女」では、不思議なノリの女の子の刈川さんと、女装願望のある坂本くんがすっかり親しくなっちゃっててそのかけ合いが楽しい。要するに性同一性障害のお話で、坂本くんの姿は痛々しくあったりもするんだけど。渡辺多恵子「風光る」はしっかりラブコメしてます。今回は斎藤一がメイン。新撰組モノの中では珍しく独自路線を突っ走ってて、作家性がいい具合に発揮されてるといえましょう。遠野佳世の読切「出発前夜の火星冒険家」は、それまでアイドルとかに夢中だった女の子が、生身な恋にちょっと目覚めるって感じのストーリー。何かが起こりかけ……といったところでお話は終わるけれども、後味はさわやかでよろしいんじゃないでしょうか。絵もキリッとしてて完成度高いし。


12/25(木)……大棚底部

▼さてさて年末大攻勢。ってことで本がどどーんどどーんと出ております。さすがに持ち運ぶにはつらいんでほとんどはネット書店で注文したんだけど、それがいっぺんに届いていい感じになりました。まあ年末年始でのんびり読みます。

▼未読物
【雑誌】手塚治虫マガジン 2月号 KKベストセラーズ B5平
【雑誌】大長編ドラえもん大全集 1 藤子・F・不二雄 小学館 A5平
【単行本】「暁星記」4巻 菅原雅雪 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「なるたる」12巻 鬼頭莫宏 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「賭博破戒録カイジ」11巻 福本伸行 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「オーバーマンキングゲイナー」2巻 作:富野由悠季+画:中村嘉宏 メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鬼虫」1巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [Amzn]
【単行本】「警視正大門寺さくら子」6巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ティーンズブルース」6巻 コージィ城倉 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ペット」5巻 三宅乱丈 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「龍」35巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「黄金のラフ 〜草太のスタンス〜」11巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「花縄」1巻 森秀樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「フリージア」3巻 松本次郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「学園ノイズ」2巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 スタジオDNA B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カワイコちゃんを2度見る」 福満しげゆき 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「この世の終りへの旅」 西岡兄妹 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「なつめヴルダラーク!」 西川魯介 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
▼26日売り
【雑誌】フラワーズ 2月号 小学館 B5平

【雑誌】アックス Vol.36 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 今回の特集は「オルタナ系」。表紙に名前が載っているのはアーチャー・プルウィット、エードリアン・トミーネ、辰巳ヨシヒロ、金大中、ジェイスン。個人的にはあんまり興味ないけど、アーチャー・プルウィットの絵は面白いかな。

 あらいあき「チュウチュウカナッコ」はいつもいいなあ。今回はカナッコが女子高生だったころのお話。すごく無口で下ばかり向いているカナッコの地味きわまりない日常を描く。別に何か大事件が起こるわけでもなく、日常が淡々と進んでいく様子がいい。そこはかとないユーモアも感じる。絵も趣あるし、この人はいいですよ。単行本出して欲しいねえ。福満のぶゆき「僕の小規模な失敗」は、今回サブタイトルが「僕に彼女ができるぞの巻」だったのでちょっとビックリしたが、そんなにほいほい行く話でなかったのでちょっとホッとした。でも福満のぶゆきは結婚してるんだ……。堀道広「青春うるはし!うるし部」。部活でうるし塗りをやっている学生たちの青春物語。なんか妙な学園モノになっててけっこう味がある。ヘタウマ系の絵柄もストーリーにマッチしてるし。みうらじゅん「アイデン&ティティ」は第三部が完結。単行本「アイデン&ティティ32」が2月10日に単行本発売予定とのこと。

【雑誌】アフタヌーン 2月号 講談社 B5平

 好調・とよ田みのる「ラブロマ」が表紙。いつもとだいぶ違う感じだけど、クッキリした線なんでわりと表紙映えしてるような気はします。ただイラストが見えなくなるような文字のかぶせ方はしないでほしかったような。ちなみに本編のほうも巻中カラー。クリスマスながら星野くんは風邪。でも新キャラも登場してよろしい感じでございました。ひぐちアサ「大きくふりかぶって」。おお、ちゃんと野球してる〜。スラスラ読めて素直に楽しい。植芝理一「夢使い」は最終回。このシリーズはけっこう好きだったけど、まあそろそろ植芝理一も、まったく新しい世界観で1本描くのにチャレンジしてもいい頃合いかもしれない。四季賞冬のコンテストで池上遼一賞を受賞した太田孝二「堕ちる鬼」は、身体が鱗で覆われて死んでいく不治の業病におかされた妻の薬代を稼ぐため、望みなき争いに身を投じる侍の物語。ちょっと沙村弘明の影響があるかな、絵柄はまだラフではあるけど重厚感はある。北道正幸「プーねこ」。とりあえずねこ漫画のほうが復活。

 それから今号は「アゴなしゲンとオレ物語」の平本アキラがシリーズ連載を開始。まずは2号連続、前後編で登場。「俺と悪魔のブルーズ」。1929年、アメリカのとある農園で働く小作人の黒人・RJが主人公。彼は日々の労働でクタクタになった身体を、酒場とそこで聞くブルーズで癒していた。アゴゲンのイメージが強かったのでいつギャグになるのかなとか思っていたが、ブルーズに魂を持っていかれようとする黒人男性の姿を全編マジメに描いててびっくり。しかもこれがけっこう読みごたえがあって面白いのだ。アゴゲンでも時折タダのギャグだけでは終わらないものを見せていた平本アキラだけど、今回の作品ではそれをいかんなく発揮している。けっこう懐が深い作家なのかもしれない。新境地に期待大。

【雑誌】月刊IKKI 2月号 小学館 B5平

 とんだばやしが描いた1ページ漫画に対し、108人の作家がオチのページを描くという小冊子が付属。コンセプト的には風変わりでいいけど、108ページ全部追おうって気は正直なところあんまりしないなあ。本誌の内容もいまいちか。単行本で読めば面白いんだろうけど……。なんかパサパサしたドライな絵柄の作品が多いので、読んでるうちに飽きてくるってのはあります。面白げな作家さんが揃ってはいるんだけど、その人たちのベストのパフォーマンスを引き出せてる作品は少ないと思う。

 そんな中、今号では五十嵐大介が登場しているのに注目。「魔女奇譚」シリーズの2作め「KUARUPU」。少数の部族たちが住まううっそうとした森に、開発の手が及ぼうとするが、それに対して女呪術師の「クマリ」が抵抗を見せる。五十嵐大介の細かい線を積み重ねた画風で描かれる森林の描写には、むわっとくる緑の匂いを感じッせる質感がある。また呪術の描写もミステリアスで引き込まれる。これは面白い。次回は来春登場予定とのこと。原一雄「のらみみ」はコンスタントに楽しめる。今回は表紙もかざっていてIKKI的にも力入れて売りだそうとしている感じが伺える。ユーモラスなキャラたちを描いているけど、深刻になりすぎず、かつ人間模様的なこともちゃんと描けているのがいい味わい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/12+15 No.4+5 秋田書店 B5平

 実は初代「ドカベン」(全48巻)を巻数で上回ってしまった「ドカベンプロ野球編」(現在50巻)がついに最終回。山田世代がみんなFAしてプロ野球人気の衰退を危惧したコミッショナーが、パに2球団を新規に設立して山田世代を集めるという珍プランを考案。山ほどツッコミどころを残したまま、次号より新連載「ドカベンスーパースター編」が開始。えーとその2球団の欠員選手はこれから集めるそうです。たぶん渚とか弁慶とかわびすけとか呼んで来るんでしょうな。スーパースター編の最終回は、たぶんナイターにやたら強い新球団・ブルートレインズとの日本シリーズで〆。

【雑誌】モーニング 1/9+15 No.4+5 講談社 B5中

 桝田道也「浅倉家騒動記」が最終回。名残り惜しくはあるけれど、最後は異様なまでにおめでたい終わり方で満足した。最近出てきたギャグ漫画の人ではかなりいい感じな人なんで、次回作も期待したい。作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」。江口になんかお見合い話が舞い込んで、けっこうタイヘンなことに。お相手のお嬢さんがなかなか一筋縄ではいきそうになくって面白い状況になっていきそう。かわすみひろしの描く女性はやっぱり魅力的だ。

【雑誌】ヤングサンデー 1/18+22 No.4+5 小学館 B5中

 ついにファー様が帰ってきたんじゃよー(←などとファー様しゃべりを使うのは安易すぎるのでやめたほうがいいと我ながら思う)。というわけでながいけん「神聖モテモテ王国」が、「神聖モテモテ王国YS」として復活。長き不在の間に絵がものすごくうまくなってる……!などということは全然なくって、本当に以前のままでした。オンナスキーとファーザーのかけ合いの呼吸もまったく変わらず。面白さも昔のまんまだぜ。まるで昔にタイムスリップしたかのごとし。まあヤングサンデー全体も、5年くらい前の週刊少年サンデーにタイムスリップしたかのごとき陣容だったりはするんだけどねー。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/22 No.4+5 集英社 B5中

 作:荒仁+画:坂本眞一「にらぎ鬼王丸」は連載2回め。今回もしっかり読ませる。シャープで迫力のある描線による作画はカッコイイし、お話もハッタリが利いている。今後、どういったストーリーが本筋となっていくかはまだ見えてこないけど、キャラは立ってるしいかようにも展開できそう。井上雄彦「REAL」。コンスタントに読ませる。いろいろなことが動き始めた戸川の周囲、そして何も動かない動けない野宮。彼らがどうなっていくかは興味深いです。

【雑誌】ビッグコミック 1/10 No.1 小学館 B5中

 山上たつひこ「がきデカ」の新作が23年ぶりに登場!というのが今号の目玉。「中春こまわり君 妻の帰還」前編が掲載。こまわり君は38歳、一児の父になっててしかも職業はサラリーマン。なんかものすごくおっさんくさくなってる。でもなんかそれでガッカリするっていうのは不思議とないな。山上たつひこならこういうふうに料理するのはごく自然だろうし。山上たつひこの地味めな作品もけっこう好きなんだよね。「主婦の生活」とか面白かったし。なお今回の執筆に当たっては、江口寿史と田村信と泉晴紀がアシスタントとして作画協力しているとのこと。

【雑誌】コミックバンチ 1/13+16 No.4+5 新潮社 B5中

 11/14 No.48に掲載された、作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジュ」がシリーズ連載化。読切掲載されたときも連載向きな作品だと思っていたのでいいんじゃないでしょうか。世界でも有数の腕利き火照るスタッフの最上と、その部下である女の子が、お客様に素敵な一時を提供するという作品。しっかり整った絵柄で、2回めながらすでに安定感あり。ヒロインのおねーちゃんはけっこうかわいいし、手堅く読んでいけるんじゃないでしょうか。


12/24(水)……鬼異端と一緒

▼どーしても年内に片付けなきゃならない仕事はとりあえず一段落。それで安心したからというわけじゃないが、帰宅してメシ食って漫画読んだら速攻で眠ってしまう。1時間だけウトウトしてから踏台昇降しようとか甘いこと考えたのがいけなかった。最近こういうことがときどきあるが、踏台昇降しているときしかアニメは見ないので、録画したものがたまっちゃって困る。「ブラック・ジャック」のアニメスペシャルも録画したんだけど見てないし……。

▼25日売り
【単行本】「ぼくは、おんなのこ」 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「武侠さるかに合戦」地の巻 吉田戦車 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「吉田戦車のゲーム漫画大全」兄/弟 吉田戦車 エンターブレイン A5 [Amzn:/

【雑誌】近代麻雀ゴールド 2月号 竹書房 B5中

 まずは画:武喜仁+画:黒木真生「真剣 −HISATOの青春−」がスタート。「実録!フリーで1000万貯めた男!!」とのこと。実録なのに扉ページに、「この物語は、実在の人物をモデルとしたフィクションであります」と書いてあるのはお約束。内容のほうはタイトルどおり、フリー麻雀で1000万円貯金したヒサトという青年の戦い方を記したモノ。でもこれって何年で1000万貯めたのか書いてないと凄みがないんじゃないかなあ……。「20年間無敗」という強烈なうたい文句の持ち主をさんざん取り上げている雑誌だけに。ひろせみほ「天然麻雀娘」は、女流麻雀プロ列伝と題されていて、女流プロの来歴を描くこちらも実録モノ。ひろせみほはしっかり仕事してますなあ。なお1回めで取り上げたのは初音舞。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/8+14 No.4+5 小学館 B5平

 高橋しん「きみのカケラ」が久しぶりに復活……なんだけど、いきなり画面がやたらゴチャゴチャしてて読ーみーにーくーいー。少年誌で読ますにはコマちっちゃすぎ、キャラちっちゃすぎ、セリフ多すぎ。これだとフツーの少年誌読者は絶対飛ばすと思う。ここまでもあんまり面白かったわけじゃないし、長い連載中断も挟まっちゃってミソもついたし、個人的にはこの作品は未完のままにしちゃって、まったく新しい作品を描いたほうがいいんじゃないかなーと思う。そっちのほうがこの人の才能は生かせるような気がするんだが。ちゃんと続けたいという作者の誠意は分かるけれども。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/10+14 No.4+5 講談社 B5平

 コージィ城倉「おれはキャプテン」。なんかもうすごいスコアの試合になってきたなあ。理屈はあるけどやってることはムチャ。コージィ先生の抜群の手管に引き込まれまくりです。本島幸久「丸山茂樹物語」。実録ストーリーだけど、けっこうドラマチックで読める。さすがに実績のある人だけあって漫画としてもけっこうよくできてると思った。宗田豪「天才料理人 味の助」。いやーなんつーかもう悪い冗談かと思うくらい杜撰であります。とくに1ページめ。「死んだエビの味」とダメ出しを喰らった味の助先生が「生きたエビを作る!!」と宣言したと思ったら、まったく制作過程や努力を差し挟むことなく3コマ後では「できたよ!!」とくる。3分間クッキングかよっ……! おしまいのほうもすごい。何が「生きてて・・本当に良かった」だ。なんでここまで安っぽく作るのだろう。いやー、笑えて面白いんですけどね、やっぱ何百万も売る雑誌の真ん中より前のほうにコレが来てるようじゃヤバいよー。

【雑誌】スーパージャンプ 1/14 No.2 集英社 B5中

 巻頭カラーで赤坂一夫の新連載「Sweets!」が開始。本をめくったとき、一瞬「今俺読んでるのってコットンコミックだったけか」などと思ってしまった。お話のほうは美少女がいっぱいの学校にやってきた新任男性教師が主人公の、ちょいHありの学園コメディといったところ。若狭たけしは2本立ての読切「働け!メモリちゃん」で登場。入社して以来、ずっと一番下っ端でお茶くみやコピーなどの雑用ばかりさせられていた主人公のサラリーマンに後輩が。やっと雑用から解放されると思った主人公だが、その後輩のOLはとんでもない天然娘でかえって苦労が増えちゃったり……というドタバタオフィスコメディ。明るく楽しく気軽に読める。若狭たけしにはもう少し勢いのある作品を描いてほしいところだけれども……。

【雑誌】LaLa 2月号 白泉社 B5平

 時計野はり「お兄ちゃんと一緒」が連載化。両親が亡くなった後、自分を引き取って育ててくれた祖母も死に、身寄りがなくなった女の子に、突如4人のお兄ちゃんができちゃって……というドタバタホームコメディ。柔らかくてとてもカワイイ絵柄が特徴の兄プリといったところ。毒のない絵柄と暖かい雰囲気で、ほのぼの楽しめる一作。ちゃんとした連載として定着すれば、手堅い作品になるんじゃないでしょーか。とりあえずちんまりまとまった絵づらを見てるだけでも楽しいしね。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。沙菜と魚住がまあようやく結ばれまして、その後のイチャイチャっぷりを描いたお話。いやー、本当にバカップル丸出しですなあ。大学生にしちゃ初々しすぎだけど、微笑ましくてええんじゃないでしょうか。

 呉由姫「金色のコルダ」。読切で掲載なんだけど、これコーエーとのコラボレーション作品だそうで、PS2版とやらが2004年3月発売予定らしい。音楽科と普通科のある学校の普通科に属する女の子が、妖精によって「誰にでも演奏できるヴァイオリン」というのを授けられ、学内の音楽コンクールに参加することになるが……という話。きれいな絵柄でちゃんとまとまったお話。少女がヴァイオリンを弾く姿ってのはいいもんですな。筑波さくら「目隠しの国」は次回で最終回。

【単行本】「EROTICA TRAIN」 MARO 三和出版 A5 [Amzn]

 MAROの描くエロ漫画は、ベタベタでぶっ飛んでて、ときにツボにハマって爆笑させられる。その爆発力をこよなく愛するものであります。表題作の「EROTICA TRAIN」全4話は医薬品の開発者である男が、自分の作った薬(副作用として催淫効果がある)を病院に置いてもらうため、その薬をのませた上で妻を医者たちに差し出すというお話。でなんでTRAINかというと舞台が新幹線の中だから。くだんねー。んでもって列車の中で凌辱劇開始。なぜかしまいには電車の中で蛇やらイソギンチャクやらをつっこまれたりして奥さんもタイヘン。あと、そのほかの作品でホルマリン漬けしたブタのチンポを突っ込まれたりというのもあるけど、この人の単行本としては比較的おとなしめかな。琴線をビシバシ刺激するヘンなセリフが今回は少なかったような気がした。


12/23(火)……雑誌のQcam日

▼Webカメラを購入しようとか思い立つ。ブロードバンドの動画を駆使して、ブラジル在住の友人とヴィジュアル・コミュニケーションしようと思ったからだ。本当はもっとくだらない理由だが、別に本当のことを書く必要はないと思う。この手のカメラは前にも持ってたんだけど壊れちゃったので買い換え。前のヤツはどうも画質的に不満があったので、今回は2ちゃんねるのハードウェア板の当該スレを覗いてみて、画質的に定評があるっぽいロジクールのQV-4000(Qcam Pro 4000)[Amzn]を注文。Amazonにリンクを張っているけど実際に注文したのはヨドバシ。もっと安いモノも山ほどあるが、まあ仕事でも使うこともあるので良さげなものを注文してみたわけだ。ちなみにまだ届いていないので、本当に良いモノなのかどうかは分からない。

▼本日は祝日だったため商業誌はお休み。単行本もネット書店で何冊か注文してあったんだけど、年末だけに発送が遅れ気味だったのか未着。こういうときは同人誌でも読みますかのうとか思い、11月16日のコミティアで買ってきた同人誌の箱をごそごそと取り出してくる。ようやく買った本のリストも入力しました。というわけで感想は以下のファイルにまとめときます。

2003年11月16日コミティア購入本
【同人誌】「流星学舎(六)」 入江アリ/封谷映
【同人誌】「EU-BOOK 3」 <山本内燃機>
【同人誌】「幸」 音子or寿 <音々堂本舗>
【同人誌】「怪しい建物探索隊」 永田あきのり/小杉あや
【同人誌】「小鳥のすみか 小笠原邸探索記」 小杉あや
【同人誌】「STUPID#2」 JASON
【同人誌】「Potty Patty #2」 きりはらただし <迷画座>
【同人誌】「ぼくだけのメーリッシュ もうひといき版」 男マン <デジタルボウイズ>
【同人誌】「声の温度4」 おざわゆき
【同人誌】「ぼくとテレビと怪獣と」 山川直人
【同人誌】「サイレン vol.8 カバー」 ニシムラカズコ/保科慎太郎 <siren>
【同人誌】「ふらふら大気圏」 藤ノ木いらか/衣羅ハルキ <Hee-Haw>
【同人誌】「クリトネ」 甲斐まつり <アイカラッカ>
【同人誌】「音探し」 甲斐まつり <アイカラッカ>
【同人誌】「幻想蹴国誌 1」 新谷明弘


12/22(月)……その男、有名につき

▼未読物
【単行本】「ラジオの仏 山本の夢辞書1975-2004」 山本直樹 平凡社 四六判 [bk1][Amzn]
【DVD】「茄子 アンダルシアの夏」 バップ [Amzn:通常版/初回限定生産版
 「ラジオの仏」は山本直樹が30年間書きためた夢日記を1冊にまとめた本。活字本なのでそのうちゆっくり。「茄子 アンダルシアの夏」は通常版のほうを買いました。

12月20日の日記で触れた、文庫版の「指輪物語」9巻セット[bk1][Amzn]と、追補編[bk1][Amzn]が到着。まだパラパラとめくっただけだが、やっぱり新訳だと固有名詞・地名の表記がずいぶん違うなあ……。すでに刷り込まれちゃっている言葉だから、この違和感を払拭するには時間がかかるかも。とくに「デュ」が全面的に「ドゥ」に改められている点は、「ドゥリン」「バラド=ドゥア」「イシルドゥア」などなどの重要頻出語に関わるだけに、影響がデカいなと思った。あとラストのサムのセリフが変わっちゃってるのもねー。

【雑誌】イブニング 1/13 No.2 講談社 B5中

 島本和彦の新連載「ゲキトウ」がスタート。10年ほど前に現役を引退した投手・不屈闘志が、現役復帰を目指してプロ野球のトライアウトに挑むというところからスタート。初っぱなからアツくいってて個人的には好感を持った。「吼えろペン」のほうも面白いんだけど、個人的にはそろそろ終了してもいい頃合いかなーと思っている。いやもちろん面白いから続いてくれても全然かまわないんだけど、アレってまあ要するに漫画家の日常モノだったりするわけだし、大きなフィクションとはいいがたいと思うんだよね。ちっちゃいフィクションならほかにも描ける人はいるわけだから、島本和彦にはもっとおっきなホラ話を描いてほしい。てなわけでこの連載は歓迎。あと野球モノが1本あると、その雑誌を初めて読む読者でも入っていきやすいので良いと思う。吉田基已「恋風」。いやー、七夏さん思いきりましたな。これはもうあんちゃんたまらんでしょう。読んでるほうとしてもたまらんのだから。ほっといたらどこまで行くか分からない状態になってまいりました。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/13 No.2 秋田書店 B5中

 ヤングキングと似たポジションにある雑誌だと思うのだけど、こちらはあんまり目立つ作品がなく漫然と読んじゃう。富沢ひとし「BRII/ブリッツ・ロワイアル」も単行本読みだと面白いのだが、雑誌読みだとさほど吸引力はなかったりするんだよね。まあ肩が凝らず軽く読めるのはいいんだけど。

【雑誌】漫画サンデー 1/6+13 No.1 実業之日本社 B5中

 作:倉科遼+画:勘崎順次「愛と復讐の挽歌」は最終決着目前。仲尾父子は意外とあっさりしてますな。なお今号「湯けむりスナイパー」はおやすみ。

【雑誌】ヤングキング 1/19 No.2 少年画報社 B5中

 古沢優の新連載「たいまんROCKS」がスタート。かつては伝説的な集団だったが、今は衰退してしまった暴走族「暴走童子」。現在は3人に減ってしまったこの暴走族のヘッドをやっている主人公が、アツい時代の息吹を求めてマッド・サイエンティストの作ったタイムマシンに突撃。80年代にタイムスリップ……という出だし。またしても来ましたよ80年代暴走族。今号は巻頭で特別企画として80年代の暴走族の写真を掲載するグラビアページあり(といっても2ページだけだけど)。今80年代はアツいなあ。

【雑誌】ヤングマガジン 1/22+24 No.4+5 講談社 B5中

 今号は福本伸行「賭博破戒録カイジ」であろう。ぐねぐねしまくるカイジに爆笑。まあフツーそうなるよね。ぐねぐねぐねぐね。なんか地下帝国でビールをかっくらってたころのカイジを見るようでうれしかった。三田紀房「甲子園へ行こう!」。なるほど四ノ宮ってこういうフォームだったのね。確かにきれいなフォームで、直すところはあんまりないっぽい。球速伸ばすには筋力強化しかないかなー。あと今までの四ノ宮が130km/h出てなかったというのはいかにも高校生らしくてリアルだと思った。高校生じゃそうそう出ないっすよ、140km/hは。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/19+22 No.4+5 小学館 B5中

 小田扉「団地ともお」はいいねえ。しみじみ楽しい。今回はいつも寒そうな格好をしているけど元気一杯なともおへのクリスマスプレゼントのお話。今回出てきた、ともおジャンパーの柄がすごくいい。アレ欲しいなー。ところでこの号は1/19+22号だけど、この作品だけでなく「つゆダク」もクリスマスネタ。この雑誌の日付表記ってヤツもだいぶ形骸化しましたな。花沢健吾「ルサンチマン」は2回め。モテない男が愛を求めてバーチャル世界にダイブ。登場する少女がなかなかかわいくていい感じ。けっこう期待してます。作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」。全国誌をダシにして親子の馴れ合いワールドを展開する山岡&雄山。連載開始当初の傍若無人ぶりはどこへ。こんなのは究極の雄山とは呼べない。ええい、83年モノ(連載開始年)の雄山を持ってこい!

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/26+22 No.4+5 集英社 B5平

 作:稲垣雄一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。今回もいい。アイシールドさんとパンサーさんの丁々発止の対決は見ててワクワクさせられる。スピード感、迫力ともにビシビシきてて燃える。作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」は4回めだが、こちらもずっと好調。急がず、でも着々とお話を進めててググッと読ませる。悪魔のリュークよりも、人間のライトのほうが悪い奴っぽいな。リュークは顔が面白い。

【雑誌】ドルフィン 2月号 司書房 B5中

 くどうひさし「ままらまII」。ちんこから出てきた魔法の精が願いをかなえるのだーという話の第2弾。この人は馬鹿話も楽しくて良いです。今回はちょっと道満晴明的なテイスト。うさぎのたまごは久々の登場。「ちょこっと浮気」。この人はいつも楽しそうにエロ漫画描いててけっこう好き。お話のほうは父親の再婚相手に、息子さんが迫っちゃうというもの。悪くはないけどうさぎのたまご作品としてはちょっと大人しめか。もっとぶっ飛んだ話のほうがこの人ならではの味が出ると思う。


12/21(日)……敵機チャーター決行

【単行本】「モト子せんせいの場合」 さべあのま メディアファクトリー 文庫  [bk1][Amzn]

 全6巻、毎月1巻ずつで刊行が始まったさべあのま全集の第1弾。この巻は短編集ではなく、まるごと「モト子せんせいの場合」。周囲の友達が続々結婚するお年頃になったけど、仕事一本で生きている少女漫画家モト子せんせいには浮いた話の一つもなし。そんなモト子せんせいに周りはやきもきし、本人も忸怩たる想いであったが、そのときに出会った若手編集者が彼女と学生時代に縁のあった人で……。妙齢の女性の心の浮き沈みを丁寧に描いてて、チャーミングなラブストーリーになってると思う。旧版の単行本は1982年だそうだけど、この人の絵は古びてないなあ。シャレていて暖かみがあっていいです。ところでモト子せんせいって年齢的には23〜24歳なんで、結婚せっつかれるには今の基準だとまだ若いような気もするんだけど、ここらへんは時代ですかね。

【単行本】「未開の惑星」上下巻 松本次郎 太田出版 B6 [bk1][Amzn:/

 マンガ・エロティクスFで連載された作品が単行本化。この作品は、未開の惑星に生まれた幼なじみの少年少女、コロ、クッキー、ナオミの3人の青春を描いた物語。絵を描く才能はあるが頭が鈍くて現実逃避の妄想にひたるコロ、踊り子をしながら身体を売って男たちとつるみのし上がっていこうとするクッキー、コロに執着する気持ちが空回りし身を持ち崩していくナオミと、その生き方は三者三様。なんというか一言で「こうだ」といえるような明快なストーリーじゃないんだけど、世界全体が怪しい狂気をはらんでいてミステリアス。この3人はどうなっていっちゃうんだ〜と気になって、ずんずん世界に引き込まれていってしまう。松本次郎の作品は、ざらざらした絵柄、のたくるような物語どちらも非常に混沌としているのが魅力。雑誌で読むと各話が全体の中でどんな役割を果たしているのかつかみづらくて読みにくいところもあるけど、単行本で一気にまとめて読むとたいへん興味深い。個人的にはコロが妄想し続けているロケットの乗組員、ポゾノフとプリン隊員の物語がなんだかとても好き。

【単行本】「アイシールド21」6巻 村田雄介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 堅調に面白い。この巻では太陽スフィンクス戦が決着。アイシールド21はもちろんだけど、この巻ではモン太の活躍するシーンがアツくていい。あと不良3人組。実はここまで読んでてもアメフトのルールについてはよく分かってないし、また大して分かろうともしてなかったりはするのだが、一つ一つのプレイに爽快感があるんで分かってなくても楽しく読める。ここらへんはすごくいいところだと思う。まあこれでアメフトに興味を持った人はほっといても自分で勉強するだろうし。

【単行本】「ちょこっとSister」1巻 作:雑破業+画:竹内桜 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 サンタさんに願い事をすると妹がもらえてしまう。そして妹は裸エプロン。さらに妹ができたあたりから、主人公は巨乳めがねっ娘さんとかにモテモテ。と書くと冗談のようだが、普通にそういうお話なのがこの作品。基本的にはよくある萌え系の妄想ストーリーであります。でもまあ竹内桜の絵がたいへんうまいんで……。竹内桜といえば、「ぼくのマリー」で名が売れて、「特命高校生」ではちとパッとしない印象だったのだが、この作品はいいんじゃないかと思う。すごくストレート、すごくベタベタな萌えラブコメに徹したおかげで竹内桜の最大の特徴である、可愛い女の子絵が存分に生きている。今のところドラマチックなところはとくにないので、今後どうお話を発展させていくかは課題となってくるだろうけれども。

【単行本】「職業・殺し屋。」2巻 西川秀明 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 相変わらずじゅくじゅくの汁気たっぷりなエロシーンと、変態的な殺しシーンがいりまじった濃厚な作品。でも1巻より読みやすくなってると思う。女殺し屋の蟷螂の存在感が増してきて、陰惨なエロス&マーダーな世界に、ホッとする味がプラスされてきた。あとこの巻は、前巻よりもやりきれないエピソードが減っているような気はする。

【単行本】「祝!できちゃった結婚」 宇仁田ゆみ(文:清水美音子) メディアファクトリー A5 [bk1][Amzn]

 できちゃった結婚カップルのユキとライタが、力を合わせて妊娠、結婚、出産、子育てという共同作業を積み上げていく過程を描いた作品。「こういうときにはこうする」とかいう解説やエッセイなんかも出ており、実用性も備えた一冊。作者が宇仁田ゆみということで買った作品。まあ手堅く普通に読めるし、そういう局面になったとき勉強にもなるでしょう。常に一定のニーズはありそうな本。ただ、今の自分の境遇だと、コレはエロ本以上に身内とかに発見されたくない本だなあ……。ヘンな誤解されたり、「結婚すれ」とせっつかれたりしかねない。彼氏彼女がいる人も、不用意に買っちゃったりするとやばいかもしらんですな。いろんな意味で。


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