2004年2月中旬


2/20(金)……字で出ず

▼このところ、ともするとメシを食いすぎてしまう。踏台昇降は相変わらず続けているのでここ半年くらい体重は全然変わってないんだが、健康なせいか何食ってもうまい。だからモリモリ食う。食うもの自体は、ダイエットしてから「これをムダにするのもやだな」と思ってバランスに気をつけるようにはなった。でも野菜とか茸とかは「たくさん食っても平気じゃろなー」とか思って、つい調子に乗って山のように食っちゃう。カロリー自体は大したことないだろうし、野菜なので重量のほとんどは水分だからさほど太りはしないはずだが、満腹感がやたらあるのが困りもの。満ち足りた気分になりすぎちゃって、その後に仕事とか読書とかホームページ更新とかをやる気が失せてしまう。そんなこんなで今日も仕事が思うように進まず。22日(日)のコミティアは職場から会場に直行コースになりそうな気配。

▼小田扉「男ロワイヤル」(太田出版)[bk1][Amzn]。本日行った書店になかったのでbk1で注文。メール便で自宅に届くはずなので入手は日曜くらいになるかな。ちなみに収録作は以下のとおり、のはず。

【男ロワイヤル収録作】「百年後の子供」「三十路ときめき」「姉ちゃんが来た!」「野木さんのひと工夫」「お母さん対古野さん」「おんなの手作り」「私のおじさん含み笑い」「ともみの親友」「新学期」「注文が多すぎ」「はじめての草」「エレクトロねえちゃん」「平介の思い出」「男ロワイヤル」「野木おやびん」

【雑誌】別冊ヤングマガジン 3/3 No.2 講談社 B5中

 山本マサユキ「妹あいどる」は連載2回目。妹(正確には妹分なおさななじみ)を巨額の借金から救うため、彼女をアイドルとしてプロデュースしなくちゃならなくなった主人公。山本マサユキの描く女の子は何気にエッチくてかわいかったりするのだが、この作品はそれがものすごく前面に出てます。華があっていいですなあ。細尾大樹「将棋の女」は、プロ棋士を目指す女子高生が、調子に乗ったりふさぎこんだりする心の揺れを描いていく作品。サッパリした中にもほのかな暖かみのある画風はわりと好み。将棋そのものについてはあまり深く突っ込んでないけど、楽しく読める作品ではある。

 それから今号ではもみのき「アナザデイズ」が気に入った。母親が買ってくるブリーフを着用していることにコンプレックスを感じている男子が主人公。彼は普段はまったくうだつの上がらない男だが、休日になると一生懸命ヴィジュアル系のバンドマンっぽくメイクして、バンド雑誌のメンボ欄で知り合ったカムラという女性との逢瀬を楽しむ。しかしカムラの正体は実は……。作画のほうは正直うまくないんだけど、この地味で情けなさあふれる主人公が醸し出すおかしさはなかなかの珍味。整った作風とかじゃないし読者は選ぶタイプだが、別冊ヤンマガらしい荒削りで混沌とした味をお求めな方にはオススメ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3/5 No.5 小学館 B5中

 福本伸行「最強伝説黒沢」がなんか格闘マンガ化している。これで格闘ゲーム作ったらけっこう楽しいかも。深巳琳子「沈夫人の料理人」。今回も李三の料理は美味しそうだけど、李三自体はピンチ。またしても奥様の手の平の上でいいように躍らされております。楽しいなあ。

【雑誌】コミックバンチ 3/5 No.12 新潮社 B5中

 原哲夫「蒼天の拳」(監修:武論尊)。相変わらず原哲夫の描く、悪党のやられボイスは面白い。こういうユーモアはしみじみいいねえ。山口育孝「虹色のウサギ」。ここのところベタに泣かせ系な展開だが、それだけに読める。80年代風味を残しつつ、正常進化したような絵柄はなんだか独特。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 4月号 竹書房 B5中

 平岩功「私立カルメン学園 2の1組」のカラッとした味わいが最近では好み。中島沙帆子「電脳やおい少女」はちょっと飽きてきたかな。あと今月号では小坂俊史、いでえいじ、藤島じゅん、あっきう、梶原あや、こいずみまりが人気ラーメン屋さんに行って1ページレポート漫画を描くという企画あり。なんか「うまいけど並んで食うほどかなあ」ってな内容のが多かったような。以下余談。ウチの職場の近くにあるラーメン屋さんはサイドメニューの石焼きチャーシュー飯がけっこううまくて気に入ってるのだが、どうも量が中途半端に多い。正直コレだけ食いたいのだが、なんかこだわりのラーメン屋さんっぽい店なんでラーメン食わないのも失礼に思えてしまってラーメンも頼むのだが、そうすると腹いっぱいになりすぎる。せめて半ラーメンを用意しといてくれればいいのにな、といつも思う。

【雑誌】花とゆめ 3/5 No.6 白泉社 B5平

 樋口橘「学園アリス」は学園祭編終了。後夜祭でみんなでフォークダンス。なんかもうほのぼのラブコメムードでとても微笑ましい。とくにルカぴょんですな。まあ本命は棗のほうなんだろうけれども。

【雑誌】キャンディータイム 3月号 富士美出版 B5中

 濃い味付けのぶっとんだ作品こそないものの、ごくスタンダードにカワイイ絵柄の作品が揃っててちゃんと楽しめた。東鉄神「いっぱいやりましょ♥」は、一見ラブラブな彼氏と彼女。彼氏のほうはM属性があることは彼女に隠しており、彼女のほうは酒を呑むとS属性爆発〜な人で……というドタバタ恋愛コメディ。きちんと整って安心して楽しめる。MEEくん「おしごとしましょ」。ああラブコメだなあ。MEEくんでキャンディータイムというとやっぱり「ひろみちゃん奮戦記」を思い出してしまう。青春の想い出的作品です。ゆきやなぎ「スイートスイートホーム」。この人の絵はエロくて目立つ。線自体はシンプルなほうだけど、それだけにクッキリハッキリした感じでインパクトあり。


2/19(木)……予想は嘘よ

▼PFUのドキュメントスキャナScanSnapシリーズに新製品が登場したらしい(→プレスリリース)。新機種のfi-5110EOX[楽天]はUSB2.0に対応したとのことで、前モデルで最も不満だった取り込み速度の問題が解決されたっぽい。ADF付きのスキャナについては、すでに1月18日1月23日の日記で詳しく書いたとおりMFC-8820Jをすでに持っているんでいらないんだけど、ScanSnapは両面取り込みに対応しているんで漫画を取り込む場合はこっちのほうが魅力的な部分はあるんだよね。TWAINに対応していないので、取り込みは独自ユーティリティからやらなきゃいけないってのは難だが。

▼未読物
【雑誌】キャンディータイム 3月号 富士美出版 B5中
【単行本】「からくりサーカス」31巻 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「藤田和日郎短編集 暁の歌」 藤田和日郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「はなしっぱなし」上巻 五十嵐大介 河出書房新社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「栞と紙魚子 何かが街にやってくる」 諸星大二郎 朝日ソノラマ A5 [bk1][Amzn]
▼21日売り
【雑誌】ドルフィン 4月号 司書房 B5中

【雑誌】ウルトラジャンプ 3月号 集英社 B5平 [定期購読]

 鈴木央の新連載「僕と君の間に」がスタート。2003年12月号に読切で掲載された「DEPARTURE」(感想は2003年11月19日の日記参照)の続編。「DEPARTURE」で、外から隔絶された世界から外へと飛び出した少年・ホークは、外の人々の手でいきなり捕らえられ牢にぶちこまれるも、ダリアという女性のおかげで脱出……という出だし。鈴木央の画力は確かだし、お話としてもなかなかスケールが大きくてロマンを感じさせる。楽しみにしております。

 okama「CLOTH ROAD」(脚本:倉田英之)もなかなかいい調子。初めてのバトルに挑むジェニファー&ファーガスのコンビだが、相手は百戦錬磨の強敵。衣服自体がコンピュータという面白げな設定だけに、バトルも奇想天外なものを見せてくれそう。あとはokamaが「動き」をどれだけ気持ち良く分かりやすく描けるか、かな。「気持ち良く」の部分は、この人の技量からいってまず問題なし。「分かりやすく」のほうが課題でしょう。

【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS

 こいずみまりの新連載「渋谷ガーディアンガールズ」が開始。フツーの女子高生二人が、渋谷でイイことをするとお金をもらえるというバイトをする……というお話の模様。「イイこと」というのは本当に善行で、老人のサイフをスッた若者をぼてくりこかして取り返すといったこと。お金をくれるのが何者なのか、そもそも何が目的なのかってのはまだ分からないけど、美少女二人がわきわき動く様子はとりあえず楽しい。ちょっとダーティペアな感じ……でもないか。陽気婢「薬多江町へようこそ」は最終回。正直なところ、連載中はあまり話を追えてなかった。この人は長い話になるとわりとダレがちだが、この作品はとくにフックしてくるものがなかった。単行本が出たらまとめ読みということで。

 青木朋「墨戯仙人旅草紙 RYU」は、2003年3月号に掲載された「墨戯仙人旅草紙」の続き。「机上の九龍」の人ですな。笠をかぶった不思議な雰囲気のちんちくりんな男が、とある酒屋に1本の筆を落としていく。その筆は、霊力を持ち自分の意志でしゃべったりできる「筆の仙人」。この筆仙がその酒屋の小僧と仲良くなり、小僧さんと家が変わるきっかけを与える……ってな感じのお話。品の良い絵柄で手堅くまとまったお話。ただキャラの魅力はもうちょっと欲しいかな。小野寺浩二「萌えよペン」は、もちろん島本和彦「燃えよペン」のパロディ漫画。萌えマンガの第一人者と炎尾燃が、萌え漫画対決をするというお話。くだらなくて勢いがあって楽しい。

【雑誌】チャンピオンRED 4月号 秋田書店 B5平

 今回は加藤和生「ミクモキ」、澤田亜光「リエルにおまかせ」(3号連続)、いのうえゆう「ラブリー天使サッチーさん」(2号連続)と、かわいい女の子が出てきてドタバタするギャグ系読切が多め。連載陣の中では作:南條範夫+画:山口貴由「シグルイ」がいいねえ。伊良子が道端で猫の首を切るシーンがなんとも美しい。あと気のふれた老当主の虎眼が毎度ふしゅるふしゅるいってて不気味でカッチョイイ。

【雑誌】オースーパージャンプ 3月号 集英社 B5中

 来月は1回休んで、4月17日発売号から大リニューアルとのこと。もともと漫画の本数がさほど多くなく、最近連載が次々終わってたんで、あーやっぱりなという感じ。これまでの連載からは高橋ゆたか「世界一さお師な男 伊達千蔵」、作:夢枕獏+画:野口賢「KUROZUKA」、宮下あきら「天下無双 江田島平八伝」、作:武内伸+画:大泉孝之介「ラーメン人物伝 一杯の魂」が引き継がれるとのこと。

 あと今号には1990年にベアーズクラブに掲載されて単行本未収録のままだった、江口寿史「エイジ2」が3話一挙掲載。といっても35Pだけだが……。今見ると、やっぱりノリはどことなく古いかなあ。35ページだけなんで、この段階では正直なところあんまり面白くない。

【雑誌】モーニング 3/4 No.12 講談社 B5中

 作:西村ミツル+画:かわすみひろし「大使閣下の料理人」は、今回から台湾編に突入。うーん料理がうまそう。台湾には2回ほど行ったことがあるんだけど、両方とも取材だったのであんまりゆっくりできなかった。その短い自由時間で食っただけでもメシはうまかったので、そのうち仕事抜きでのんびり回ってみたいんだけど……。山田芳裕「ジャイアント」では、巨峰とカマーチョが対決。わりと短く終わったが力感あふれる描写はやっぱり気持ちいい。そして次のターゲットは高取だ。あと次号から林明輝「Big Hearts ジョーのいない時代に生まれて」が連載再開するとのことで楽しみ。

【雑誌】ヤングサンデー 3/4 No.12 小学館 B5中

 山田玲司「ONE ON ONE 絶望に効くクスリ」。今回のターゲットは荒俣宏だけあってさすがにスゴい。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」。芸能界の整形ネタで来たと思ったら、なるほど、こういう展開につながっていくのかとちょっと感心。アキラ的には連載始まって以来のピンチかも。守村大「パラダイス」は、ガクトvs.天の試合がついに決着。アツい展開でしっかり面白い。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/14 No.12 集英社 B5中

 きたがわ翔「千夏のうた」3回め。千夏が素直にかわいく、歌をうたうという決めシーンも気持ち良くビシッと決まっている。ここまでは非常に好調な出だしといえるでしょう。作:荒仁+画:坂本眞一「にらぎ鬼王丸」。「星の鉄」を求める鬼王丸の旅が始まり、新キャラもどんどん登場。その中でも鬼王丸が刀鍛冶ならではのカッコイイ姿を見せていて読みごたえ十分。雑誌全体としては、マニアックな味付けの作品、俗っぽい作品、マイペースな作品、スタンダードな作品と硬軟織り交ぜていい感じでバランスがとれてるんじゃないでしょうか。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/4 No.12 秋田書店 B5平

 新連載、梢つぐみ「予想屋勝!」は、競馬の予想の天才である少年が、その能力でもってさまざまな奇跡を起こしていくってな感じのストーリー。絵柄的には立原あゆみ系(あと小山田いくっぽくもある)。弟子かなんかでしょうか。松本レオ「GO BOUT!」。ヒロインの女の子が、見事なまでにパンチラ要員だなあ。その徹底ぶりになんだか感心。水島新司「ドカベンスーパースターズ編」は、今年のパ・リーグを展望するという内容。だけどやっぱり外国人選手を描かない水島流だと無理があるなあ。とくに西武。今年は松井稼頭央が出ていったとはいえ、フェルナンデスが加入したんで打線はむしろ大型化しているのに、そこが描けないわけだから。あと不吉霊三郎と中西球道が忘れ去られてなくてホッとした。それから近鉄の紹介のところで「モギューン」という効果音を見つけて爆笑。

【単行本】「御家庭の快楽」 来鈍 コアマガジン A5 [Amzn]

 エロい! 面白い!! というわけで今月のエロ漫画単行本の中ではイチオシ。近親相姦しているまさにその最中、軍人である父母にそれを発見されてしまった巧・久里子の兄妹。それに対する罰として彼らは、軍が用意したとある作戦に参加させられることになる。それは軍が連れてきた美少女たちと同じ家で共同生活を営み、彼女たちとHしまくることであった……というストーリー。

 まあそんなわけで主人公のお兄ちゃんと女の子たちが、これでもかこれでもかとHしまくるという感じでストーリーの大半は展開。その描写のエロいことエロいこと。女の子は顔つきはしっかり可愛く萌え度は強烈。そして女体のもっちり感、吸いついてくるような質感は特筆もの。指がずぶりとめり込みそうな柔らかそうな乳、ちうちうまとわりつくおくちなど、実用性は抜群。しかも基本的に明るいトーンなので殺伐とせず潤いたっぷり。

 で、途中まではすごく萌えて使えるエロ充満なお話として展開するのだが、ラストに近づくにつれてどんどんぶっとんだ内容になっていって驚いた。とくに最終話のラスト10ページは正直爆笑してしまった。あんまり書くとネタバレになっちゃうのだが、ちょっと書いちゃうと、ちょっとびっくりするような壮大で馬鹿馬鹿しい妹モノになっちゃっている。一人のおにいちゃんに対して、これだけたくさんの妹が群がった漫画というのもなかなか珍しいのではなかろうか。絵といい内容といい、この感覚はなかなかに新しい。てなわけでオススメです。


2/18(水)……知事四世

▼サッカーW杯1次予選、日本vs.オマーン戦は、ちょっと仕事をしていたので最後の15分くらいしか見れなかったけど、やっぱり予選はチリチリして面白かった。でもやっぱデジーコさんはチリチリさせすぎ。これ以上おまかせするのはスリリングすぎるので、願わくば違う人にしてほしい。ところでジーコって本名はアルトゥール・アントゥネス・コインブラというらしいんだけど、「コインブラ」と聞くたびにブラジルの陽気な娘さんがカーニバルのときに身につける、貝の水着みたいな衣装を思い起こしてしまう。きっとブラジルのご家庭では、「カタリナ、そのコインブラはちょっときわどすぎるんじゃないか?」「あらパパ、エレナのコインブラなんてもっとスゴいんだから」といった会話が交わされているに違いない。とか勝手に思った。

▼そんなことを考えていたら、オースーパージャンプの最新号を購入し忘れ。なんでも次号からリニューアルされるようで。1月17日の日記の予想が当たりましたな。個人的には実のところ休刊と踏んでいたのだが、リニューアルという線もないでもないかなと思って「なんか動きがありますかね」と含みを残しておいたんだけど。でもどうせなら誌名変えるくらいしたほうがよかったとは思う。

▼19日売り
【雑誌】ウルトラジャンプ 3月号 集英社 B5平 [定期購読]
【雑誌】月刊サンデーGX 3月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS
【雑誌】チャンピオンRED 4月号 秋田書店 B5平
【単行本】「御家庭の快楽」 来鈍 コアマガジン A5 [Amzn]

【雑誌】週刊少年サンデー 3/3 No.12 小学館 B5平

 田辺イエロウ「あやかし方陣伝 結界師」が巻中カラー。作画が洗練されてきた感があるけどやっぱり好調なんかな。お話的にもう一つ二つ盛り上がり要因が出てくると、一気に走れるかも。井上和郎「美鳥の日々」。美鳥とセイジの絆は強まるけれども、このままでいいわけもない……切ないですなあ。ただちょっと最終ページの柱の言葉は、本編の盛り上がりに水を差していて不粋だと思う。草場道輝「ファンタジスタ」。最終回が近づきいよいよ最後のロスタイム。サブタイトルが「FINAL FANTASY」なのはちょっとカッコイイと思った。

【雑誌】週刊少年マガジン 3/3 No.12 講談社 B5平

 銭湯に美少女がいっぱいで、というちょっとHな味付けのラブコメ漫画「涼風」が連載化。まあ細かいことはどうでもいいのだが、今回はちょっといかんと思うシーンがあった。それは主人公のあんちゃんとヒロインっぽい人がコロッケを食べるシーン。肉汁が出ていない! 肉汁がピュピュッと出ないコロッケなど……。というわけで肉汁の本家、宗田豪「天才料理少年味の助」の話題に移る。ライバルとの料理バトル編は、なんだかもう適当ぶっこいて決着。さすがだと思った。甘み、辛み、苦み、酸味、旨味に続く第六の味、それはNI・KU・JI・RU……♥ で、まあその後新展開が始まっていくのだが、これがまたスゴい。同級生の少年が助けを求めてきて、「実はうちの屋台の真隣に新しい屋台ができちまって…!!」とのこと。屋台なら移動すればいいんじゃないの? その謎は次回へと持ち越されるのでありました。


2/17(火)……サウジの大根

【単行本】「capeta」3巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 月刊少年マガジンで連載中の熱血少年カート漫画。前2巻でカートとの運命的な出会いを果たしたカペタ少年は、今回レースに初参戦。漫然と運転するでなく、愛車の反応からさまざまなことを考え、一つ一つテクニックを自分で身につけていく様子は手応え十分。いろいろ考えている分、まだまだ序の口って感じはするけれどもしっかり読ませるし面白い。

【雑誌】ビッグコミック 3/17増刊号 小学館 B5中

 青柳プロダクションが新連載を開始。今回は故・青柳裕介の「はるちゃん」の続編を開始。元のほうを読んでないのでアレだけど、青柳プロダクションの描く青柳漫画は、やはり本家をなぞっている分、ちとダイナミックさに欠ける印象がある。岡崎二郎「アフターゼロNeo」は人工的に知能を発達させた犬を題材に、人間と犬の関わりを描く話。岡崎二郎的にはよくやるネタだけど、それだけに手堅い内容。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 3.2 No.5 講談社 B5中

 作:横山秀夫+画:所十三の新連載「強行 −捜査一課強行犯係−」がスタート。横山秀夫は「半落ち」とかを書いた人で、この作品も「第三の時効」[bk1][Amzn]をベースとしている。凶悪事件を主に取り扱う県警刑事部の花形、捜査一課強行犯捜査係の腕利き刑事の活躍を描くという本格刑事モノ。ベテラン作家でなおかつ原作もついているだけあって、さすがに安定感あり。はっとりみつる「おとぎのまちのれな」。チョタが矢井田さんにとりついちゃってムラムラ〜な展開。にぎやかに発情しまくっております。大人しくまとまったところはない作品だけど、とりあえず局面局面のテンションは高いんで楽しい。

 新井英樹「シュガー」。リンはヒドい人だなあ。デビュー戦いまだ始まらず。「あ〜早く試合観てえ!」って感じの飢餓感をいい具合に募らせてくれる。重本王は、昨年の12/2 No.23に掲載された「モジャとホクロ」以来の登場(そのときの感想は2003年11月18日の日記を参照のこと)。で、今回の作品はまたしてもモジャ。「モジャゲーム」。天然パーマなモジジャモジャ頭の男子学生クニオとその周りのヤツらが、自分たちが女の子にどう見られているかをめぐってゴチャゴチャやる話。濃いめの、コウノコウジとかに似た感じの絵柄がわりと気になる。読後感もけっこう爽快。そのうち連載など、長いのも読んでみたいところ。

【雑誌】漫画サンデー 3/2 No.8 実業之日本社 B5中

 作:松森正+画:ひじかた憂峰「湯けむりスナイパー」が最終回。結局のところ大きな変化はないまま(多少はあるんだけど)、静かに幕引き。アンチクライマックスな感じだがこの作品にはこの作品にはこういうほうが似合っているとは思う。正直名残りおしくはあるが、休載が増えてたしあんまりラブストーリー的に引っ張ってもしょうがないし、潮時ではありましょう。作:新堂冬樹+画:千葉きよかず「炎と氷」。いや〜世羅さんは本当に問答無用だ。ヤミ金業者なのに、策略でハメるとかじゃなくてとにかく暴力でなんでも解決してしまう乱暴さがたまらない。さすがに「そりゃ通らんだろう」とは思うけど、こんな男がいたっていい……という気はあまりしません。長尾朋寿「ホロ酔い酒房」(原案:野上ヒロノブ)。今回は東京のうまい「煮込み」(モツの煮込み)を3軒ほどまくるという内容。うまそうですなあ。

【雑誌】コットンコミック 4月号 東京三世社 B5中

 毎度気楽に読めるエロ漫画雑誌で息抜きにちょうどいい。渡辺ヒデユキ「マスカキの恋 恋の陶酔」。今回は8ページか〜。でもこの作品の場合、ページ数が多いとか少ないとかは全然気にならない。いつもながらの肩の力が抜けまくったナンセンスな内容が素晴らしい。で、今号のヒキはキャプテンマスカキが自分の過去を語り始める……といったところ。まあ間違いなくくだらない過去でありましょう。

【雑誌】コミックメガストア 4月号 コアマガジン B5平

 月野定規「♭38℃」が好調。二人の女の子と濃い肉体&恋愛関係を結び、どちらかを選べない主人公。毎回内容が濃く、エロ面も恋愛面もホットに描いてて充実。作者コメントによると、あと2回くらいで完結しないと単行本に収まらないとのことだけど、まあなんとかなりそうな気はする。もしどうしても収まらないようだったら2巻まで行っちゃってもいいんじゃないだろうか。今の月野定規だったら2巻めまで行っても十分売れるだろうと思うし。鬼ノ仁「わたしたち」。女教師をやってる姉と生徒である弟によるエロエロ物語。話の練り込みは少し足りなめかなという気がしないでもないけど、しっかりエロいのはいつものとおり。

 チャーリーにしなかは初登場。ちょっと意外。「たとえば僕が…」。Hがうまいと評判で女子高でモテモテの男性教師が主人公。しかし彼には生徒会長をやっててなおかつ彼にぞっこんな妹ちゃんが同じ学校にいて、手を出してくる女生徒や女教師をなんとか阻止しようと頑張っているのでした……というドタバタHコメディ。めがねっ娘な妹委員長に茶目っ気があって楽しい。みた森たつや「小池田さんと遊ぼう!」は2回め。露出癖のある小池田さんと、彼女と出会ってサドっ気を目覚めさせた木村君とのHでラブラブな学校生活を描写。相変わらず潤いのある作風で読んでいて気持ちがいい。変態的なセックスをしていることは確かだけど、二人の絆が常にストーリーの真ん中へんに置かれているのがいい。

 國津武士「Temperance!?」は、フェロモン体質なめがね君の兄と、素直になれないその妹さんのラブコメディ。いつもながらのロリ絵が非常にカワイイ。最近の國津武士の描く恋する乙女はとてもいい。あとは今号には来鈍「御家庭の快楽」の単行本発売(2月19日)[Amzn]記念漫画も掲載されている。「御家庭の快楽」はぶっとんだ内容が愉快でエロ度も高く、個人的には今月のエロ漫画単行本の目玉商品と目しております。


2/16(月)……爆裂シャチ

▼eS!BOOKSの雑誌定期購読のコミック・アニメに、2月20日創刊の新雑誌「藤子・F・不二雄☆ワンダーランド ぼく、ドラえもん」(「ぼくドラ」公式ページ)が追加されておりますな。順調に取り扱い雑誌数が増えているようで何より。

▼「踏み台昇降 DE ダイエット」の実践編で紹介されていた、「三角昇降(仮題)」というのを試してみる。これは踏台昇降するとき、台の上で3歩、台の下で2歩踏むというやり方。要するに昇降するときに台の上で1回多く足踏みすることで踏み出す足が1回ごとに変わるので、左右の足をバランス良く鍛えられるというわけ。と、書くのは簡単なんだけどやってみたら最初は案外うまくできなかった。これまで1年以上ずっと台の上で2回、台の下で2回方式でやってきたので、そのリズムを身体がすでに覚えちゃっていたのだ。4拍子から5拍子へと変更しなきゃいけないわけで、アニメ2話分のうち、1話分のAパートが終わるくらいまではけっこう踏み間違えた。でも2話分に突入するころにはだいぶ慣れた。というわけでこれからはコレでいきます。

【雑誌】コミック.H March 2004 vol.10 ロッキング・オン A5平

 今号から判型がちっちゃくなってリニューアル。漫画がすごく少なくなってる……。これまでは実績のない新人作家を中心とした誌面だったけど、リニューアル後は特集を軸とした文章メインの雑誌に変貌。今回は「僕らのロックマンガ大特集」とのことで、矢沢あい×コートニー・ラヴ、山本直樹×峯田和伸、しりあがり寿×ピエール瀧、カネコアツシ×大貫亜美の対談をそれぞれ掲載。バンプ・オブ・チキンやグレイプバイン、トライセラトップスらにおすすめのロックマンガを聞くといった記事もあり。正直いってこういう内容だと個人的にはあんまり興味ないんだけど、音楽にあまり関係なさそうな漫画で固めるよりはロッキング・オンらしいとはいえるかもしれない。

 漫画のほうは松尾スズキ+河合克夫asチーム紅卍、トモキアライ、近藤聡乃、青山京太郎、関根美有、マツヤマ・アキオ、衿沢世衣子が掲載。マンガのボリュームは90ページくらいで全体の5分の2くらい。この中では独特の不思議な空気を持った近藤聡乃「22」がやはり印象に残る。衿沢世衣子「サッカリン」も、短いながらボーイ・ミーツ・ミュージックなお話をちゃんと描いている。それぞれもうちょっと長い作品を読んでみたいところだけど……。

【雑誌】ヤングマガジン 3/1 No.12 講談社 B5中

 三田紀房「甲子園へ行こう!」は最終章がスタート。最後の夏に向けて四ノ宮はずいぶんパワーアップ。チーム全体としてもかなり強化されており今までとは一味違った感じ。蓮古田二郎「しあわせ団地」。今号もまた掲載で、野田夫婦の飼い犬である徳次郎が実はけっこう希少種な犬だったのではという疑惑が浮上。まあこの夫婦だけにそうそう美味しいことにはなりませんが。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/1 No.12 小学館 B5中

 柏木ハルコ「鬼虫」が面白くあろわ。マナメが大変邪悪にエロい。なんかものすごく舞台設定は地味で、ちょっと嫌漫画的なところもあったりするけど、ねっとり攻めてくる感じのストーリー回しがたまらない。古屋兎丸「π」は今回もくだらなくていい。しりかおっぱいか。その最終的な勝負を同人誌で決しようとする夢人と幽那。馬鹿馬鹿しすぎる展開がお見事。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/1 No.12 集英社 B5平

 荒木飛呂彦「スティール・ボール・ラン」が2話掲載だけど、どっちの話も面白い。今回のレースは全部で9ヶ所のチェックポイントが用意されており、区間賞もあるらしい。これによって長期の馬レースがダラダラすることなく盛り上がっていきそう。そしてそのレース内容の発表を受けて、個性の強いキャラが躍動してていい感じ。ディオとツェペリがガツガツ競り合うかと思ったら、ポコロコがおいしいところをとってたりして、読んでて楽しい。ゴチャゴチャ難しいことなくスカッと読めるのがいいね。作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。顔も見えない名前も知らない同士の腹の探り合いをグイグイ読ませて、今回もいい具合。理屈っぽくはあるけどそれを苦痛に感じさせないよう、一度に出す情報量を調節しているあたりは非常にうまい。

【雑誌】近代麻雀 3/15 竹書房 B5中

 作:阿佐田哲也+画:原恵一郎「麻雀放浪記 凌ぎの哲」は新エピソードに突入。バイニンたちが次々と転落死したという「バクチ列車」の闇に、ドサ健と坊や哲が挑むという感じ。それにしてもドサ健のハート型パンチな髪型はいつもながらすごい。作:朽葉狂介+画:木村シュウジ「覇王」。なるほどコレは意外な展開。決勝戦でも同じことしたらスゴいかも。

【雑誌】ラブマニ 3月号 平和出版 A5平

 加賀美ふみを「The Hard Core」は3話め。変身能力を身につけてしまった彼女とラブラブH〜というお話だが、主人公男子のことを好きなほかの女子もモーションをかけてきてちょっと混戦模様。いつもながらカワイイけどこの連載は珍しくヒキが強い続き物になっている。駕籠真太郎「近世農耕序史」。いよいよ姫様の藩が幕府と対決することに。毛忍法の使い手たる忍者たちがどのように活躍するのか。次の展開が楽しみになって参りました。

【雑誌】ヤングコミック 3月号 少年画報社 B5中

 中田ゆみ「下町マドンナ食堂」は、食堂を切り盛りしている天然系な巨乳未亡人さんが、町のお風呂屋さんを助けるために一肌。無防備でボリューム感あっていいです。そんなことやってたらマワされちゃいかねないよ……と思うけど、そういう殺伐とした展開にならないあたりも魅力。小石川ふにの新連載「乙女(貧)生活 ぷあ!」は、ぼろアパートで貧乏生活をしているOLさんや漫画家志望の女の子の生活を楽しく描いていくという感じ。ほぼ非エロだけどカワイイし、生活の知恵的なものは楽しそうなんでよろしいんじゃないでしょうか。小石川ふにってけっこういろんなとこに出没するなあ。

 ジェームスほたて「モモ色クリニック」。安定感ばっちり。今回はヒロインの桃ちゃんが、薬のセールスの男に一服盛られて大ピンチ。媚薬ネタは好きです。有村しのぶ「フラッパー・アーミー」は最終回とのこと。まれにしか読んでなかったけど、めでたしめでたしなハッピーエンドでありました。あとひのき一志「ファミレス戦士プリン」は、作者がゲーム化&アニメ化をすごく喜んでいるっぽいところが微笑ましい。なんだか「この人には幸せになってほしい」と素直に思える作家さんだと思う。


2/15(日)……コンパルソリー

【単行本】「犬嶋高校行進曲」1巻 小松大幹 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 待望の小松大幹(こまつ・ひろもと)初単行本。この人はヤンマガの別冊などで、青臭さが眩しい読切やシリーズものを描いていたころからかなり印象に残っていた。それがヤングキングに移って不良漫画を描いているわけだけど、いや〜、これ面白いよ。とてもいい。自堕落な奴とオタクの吹き溜まりでケンカも弱く、県内ではさんざんにバカにされている犬嶋高校に、ある日一人の男が転校してくる。彼の名前はサダキチ。バカではあるけどやたらめったらケンカに強く人情に篤い彼の登場は、負け犬根性の染みついていた犬嶋高校の面々の心をじょじょに揺さぶっていく……というのが大まかなストーリー。

 不良漫画というとケンカバリバリの抗争ものか、ウダウダ日常モノが多いのだが、これはそのちょうど中間くらいに位置する作品。ただしこの作品自体には、だらーっとしたウダウダ感はあまりない。自分の力で立とうとする者を後押しするような、一本筋の入った物語になっているから。それまで各人の中に眠っていた勇気、希望、夢といったものを呼び覚ますきっかけを、サダキチが与えてくれる。そのさいの各キャラクターの行動、セリフは青くさいけどとてもアツい。ツボにハマるセリフも多くて泣けるのだ。表紙の荒々しいイメージとは裏腹に、しみじみ感動してしまういい漫画です。ヤングキングは何気にこういう気持ちいい漫画が多いんだよね。

【単行本】「Monkey Magic」2巻 アキヨシカズタカ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。元気な女の子がモンキーにこだわってチューニングを続けていくという異色バイク漫画。エンジンいじりについての描写とかはかなりマニアック……なんだと思う。バイクは知らないからよく分からないんだけど、少なくとも素人目にはたいへんマニアックな領域であるように思える。好きなものに無我夢中になる主人公の姿を見ていると、素直にワクワクさせられるものがあり、元気のいい活力のある作画と細部に凝ったストーリー作りで楽しく読んでいた。ただ最後は若干バタバタしちゃったかな。絵はだんだん線が細かくなり洗練されてきた。まぶたの影を入れるのにはちと違和感があったけど。何はともあれけっこう面白い才能を持った作家さんだと思うので、次回作も期待してます。

【単行本】「マヤ」 須藤真澄 創英社/三省堂書店 A5 [bk1][Amzn]

 これまでさまざまな理由により単行本からこぼれていた作品を一挙に収録した1冊。かなり古めで、ファンタジー色の強い作品が揃っている。読んでみるとなんともいえない不思議な筋立てのお話ばかりで、これまで未収録だったのもけっこう納得。例えば「鶏頭樹」は、生物部から逃げ出した巣を作る鶏の生んだ卵が原因で生徒や先生たちが皆ニワトリに変身した学校で、主人公の少女が一人そこに留まり続けるという内容。お話を要約してもいまいち伝わらないと思うのだけど、実際けっこうつかみどころがない。ただどの作品もファンタジーな空気感は確実にあって、それが心地良くはある。

【収録作品】「プラネット・フィーダー」「フェアリー・テイルで会いましょう」「全国博物館ルポ」「水間の民族」「うさぎ」「タコよ!」「コトホギの日」「雷魚の棲処」「鶏頭樹」

【単行本】「柔道放物線」3巻 今井智文 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 暑苦しい絵柄で、地味にヘンなギャグをやり続けている作品。最初のころはさほど面白くなかったのだが、回を重ねるにつれて柔道部の面々のやることがシュールになっていき、ギャグのキレも増してきた。出てくるキャラの表情がみんなうっとうしいのがいい。独特の稚気を感じる作風が持ち味。

【単行本】「金春 復刻版」 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「必殺山本るりこ 復刻版」 唐沢なをき エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 ともに復刻版。「金春」には「電送漫才」が、「必殺山本るりこ」には「理科する精神論」「白球にかけろ!編」が新たに追加されている。「金春」は唐沢なをきが「南里こんぱる」を名乗っていたころの作品を含む初期作品集。今から見るとあんまり面白くないのだけど、まあいちおう記念に買っておくのもよろしいのでは。「必殺山本るりこ」は山本るり子さん所属の○○部(基本はバレーボール部だが回によって変わる)が、コーチの導きによりムチャな特訓にチャレンジさせまくられるというドタバタギャグ。特訓内容は回を重ねるにつれて、北極で水泳するとかムチャクチャなものになっていき、コーチの人格も壊れてって楽しい。あと毎回同じ部の柏木さんが死ぬなどのお約束展開もグッド。何気に山本るりこはけっこう可愛くて萌えたりもするので、表紙はもう少し彼女のイラストを大きくしたほうが良かったんではないかなーなどと思った。


2/14(土)……懊悩機関

▼映画「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(→公式サイト)を観てきたでやんすよ。劇場はお台場のシネマ・メディアージュ。全席指定の映画館で、チケットは事前にとってあったので並ばないで済んで良かった。

▼内容のほうはやっぱ面白かった。原作との違いはいろいろあってそりゃあ気になったりもするんだけど、映画として盛り上げるためには仕方ない演出だなと納得はできたし、何より最後までしっかり作ってくれたので満足。「あ、ここはカットしたんだな」と思われる部分もいろいろあって、観ている途中からもうDVDのスペシャル・エクステンデッド・エディッションがどうなるのか気になってしまった。とはいえ通しでいうと、分かりやすく作ってある分、一度観るとスッキリしちゃうんで、小説みたいに何度も観ようって気にはあんまりならないかなーという印象。何はともあれ「指輪物語」の映画化は、血沸き肉躍るイベントだったし、期待を裏切らないだけのものは見せてくれたなって感じだった。

▼映画の後は、同行した人たちと神田駅近辺で飲み。料理はけっこううまい店だったんだけど、店員がやたらフレンドリーに話しかけてくる店でウザかった。ビールを持ってくるたびに「すごくうまいビールです!」とかいうし、料理持ってくるたびに「おいしいですよー」「楽しそうですね」「何の集まりなんですか」「コレすごく辛いよ。罰ゲーム用」とかいちいち一言多い。こちらの会話の流れをいちいち止めやがるので、「ウザいからもっと淡々とやってくれ」と注文つけてしまったくらい。その後はあんまりぐちゃぐちゃいわなくなり、自分でも「ちと言い過ぎたかな」と思ったりもしたけど、終わりのほうではまたウザさが復活。そういうフレンドリーさが好きな人もいるんだろうけど、私は苦手です。

【雑誌】ビジネスジャンプ 3/1 No.6 集英社 B5中

 椎橋寛の読切「銀の盆」は、型破りな発想で盆栽を扱う男を主人公とした作品。盆栽というテーマ自体は地味だけど、荒削りなタッチでなかなかダイナミックに読ませる作品。女性キャラがにわのまことっぽいけど、アシスタントさんか何かかな。冬目景「イエスタデイをうたって」。普通にラブコメしております。前回から出てきた新キャラの元カノがリクオの部屋に居候を始めちゃって……という具合。なかなかに美人さんであります。

【アンソロジー】「ほんとに本気の恋」 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 ジョージ朝倉が3年前に描いた「恋文日和 ヒミツの交換日記」がKC初収録。とある女の子がクラスの男子のカバンにラブレターを入れてOKをもらうも、彼氏のほうはいつも男友達に囲まれていていまいち話しかけるスキがない。そこでノートにメッセージを書いてコミュニケーションをとる、交換日記的なものが始まってしまったのだが、というストーリー。初々しい恋愛模様をしっかり読ませてくれて面白い。でも最近のジョージ朝倉作品のほうが、キレ味は上かなー。あとこのほかでは上田美和、水島由貴、たちばな梓、新家モエリ、有坂潮の恋愛漫画を収録。

【単行本】「ふくろのなかみ」 池上竜矢 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 池上竜矢としては8年ぶりにして3冊めの商業単行本だそうな。全2冊は非エロで大棚ザラエの原作付き「アミテージ・ザ・サード」全2巻[Amzn:1巻/2巻]。で、この単行本は阿ウン掲載作品をまとめたもの。どうも「おっとりした顔のめがねっ娘」が好きらしくって、そういうキャラがヒロインな作品が中心。ときにダークなお話もあるんだけど、持ち味がとくに発揮されているのは明るいドタバタコメディのほうだと思う。とくに実の息子にラブラブな女教師が、その息子を学校でも家でものべつまくなしHに誘おうとする富岡双葉&真琴の母子シリーズが読んでて楽しい。明るくカラッと元気な作画とノリの良いストーリー回しで面白おかしく読んでいける。エロシーンもけっこうテンションが高くて実用面でも十分なものがあるし、なかなかいい感じに仕上がってるといえるんじゃないでしょうか。


2/13(金)……四猛虎三つ首異夢

▼未読物
【アンソロジー】「ほんとに本気の恋」 講談社 新書判 [bk1][Amzn]
▼14日売り
【単行本】「ふくろのなかみ」 池上竜矢 ヒット出版社 A5 [Amzn]
 「ほんとに本気の恋」はジョージ朝倉の「恋文日和 ヒミツの交換日記」がKC初収録だっつーからよー、買わせていただきました。

【単行本】「読もう!コミックビーム」 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 本当は昨日、100号めのコミックビームと一緒に読んだほうが良かったとは思うんだけど。内容のほうは、ファミ通に長きにわたって掲載され続けてきたコミックビームの宣伝4コマをまとめたもの。個人的には宣伝漫画ってかなり好きだったりする。「とらのあなの美虎ちゃん」とか「げまげま」とかあーゆーのを見るとなんか安心するのだ。宣伝漫画だけにくったくがないし、普通の物語とかじゃやらないようなヘンなこともやってたりするし。

 で、「読もう!コミックビーム」は、自分がそういう宣伝漫画好きであることを割り引いても面白い部類に入ると思う。あとコミックビームの愛読者であることさえ割り引いちゃってもイケる。けっこうビームの宣伝そっちのけで日常ネタを描いたりしてて、それが時々ツボにハマってついうひょひょひょと笑ってしまう。もちろんビームネタも、日頃楽しんで接してきた雑誌だけにもちろん面白く感じる。この本がきっかけとなってコミックビームが1冊でも2冊でも多く売れるといいなー。そんなわけで読もう!コミックビーム→定期購読:出版社/eS

↑ちなみに「ここのところしつこくビームの定期購読ページにリンクを張ってるな」と思われるかもしれませんが、これはeS!BOOKSの定期購読が始まったのを機に、自分が定期購読で買っている本については単行本と同様、ネット書店へのリンクを張っていくことにしようと決めたからです。別にビームだから張ってるわけじゃな……くもないんだけど、今後はほかの雑誌についてもリンクは張っていくようにするつもり。

【単行本】「ゲイツちゃん」 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 ビル・ゲエツ的生命体であるところのゲイツちゃんが、日常の至る場面で腹を立てて「キー!」と叫んで怒りを爆発させるという漫画。かつて同人誌でも発行されたんだけど、めでたく書店売りの単行本に昇格。中身のほうでは相変わらずゲイツちゃんがキーキーとシャウトしてて楽しい。個人的にはモノホンのゲイツさんはけっこう昔から好きで、いつまで経ってもタダのパソコン小僧って感じが抜け切らないのがいい。元アスキーの西和彦氏とこの人は、いかにWindowsが落ちようともなんとなく憎みきれない。

【雑誌】ヤングアニマル 2/27 No.4 白泉社 B5中

 文月晃「藍より青し」はティナがらみで切なめな展開。重要キャラだけに引っ張ってるし、なかなか泣かせの利いた展開。宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」。相変わらず主人公はどっちつかずで、ひだりちゃん黒川さんを生殺しし続ける。悪いお人だよう。でも新キャラのほうは毒牙にかけなさそうな感じ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/27 No.5 小学館 B5中

 作:久部緑郎+画:河合単「ラーメン発見伝」は引き続きさぬきうどん編。読んでたら久し振りに加ト吉の冷凍うどんが食いたくなってまいりました。前回から集中連載が始まった戸田尚伸「楽園ディール」は、日本の大企業を狙う外国のハゲタカファンドの存在が明らかに。なんだか今回のシリーズは話がけっこうデカくて面白い。

【雑誌】コミックバンチ 2/27 No.11 新潮社 B5中

 木暮峰の読切「あやかしの幻」が掲載。見世一の遊女の心を射止めた若旦那が、彼女の胸の下にある古傷の中の世界に呑み込まれる……という不思議なお話。この人のぬったりとした色気のある線は独特で雰囲気がある。「蚊帳の中」と短編を合わせて単行本にしてほしいところだけど。こせきこうじ「発展途上編集部員 山下たろー」は、バレンタインデーでたろーがモテモテというエピソード。なんかキャラのかぶる女の子が多いのでよくわかんなくなりつつあったけど、たろーギャルって全部で4人もいたんですなあ。

【雑誌】ネムキ 3月号 朝日ソノラマ A5平

 オガツカヅオ「イカしたマスターのいる店」の最新作が掲載。マスターのいる店を3人の姉妹が訪れるが、なぜかマスターはおひやを四つ出す。それを怪訝に思う三姉妹だが……。ページ数は短いながらもきれいなどんでん返しを盛り込み、心暖まるいいエピソードにしちゃう手際がお見事。この人はやっぱり漫画うまい。TONO「チキタ★GUGU」は、妖怪に生まれ変わってパイエがクリップに対して攻撃を始めるが……。チキタとクリップ、それからパイエらの心のすれ違いようが丁寧に描かれていて今回も読ませる。

【雑誌】別冊マーガレット 3月号 集英社 B5平

 山川あいじの新連載「ナマケモノと春」がスタート。第1回目は昔っからモテモテでアプローチをかけてくる野郎には慣れっこだった美少女のマヤだが、何もいわず彼女をじっと見つめてくるだけの崎という無口な男子が気になりだしちゃって、というお話。サブタイトルが「小林真耶の場合」となってるっことは、回ごとに主人公の変わるオムニバス恋愛ストーリーってな感じになるのかな。とりあえずちゃんとまとまってて、まあまあ楽しく読んだ。

 中原アヤ「ラブ★コン」。この前出てきた大谷の幼なじみである女の子は、恋愛的に見るとちとザコっぽいかなと思ったが、小泉さんと意外といいコンビになっててこれはこれで楽しい。河原和音「高校デビュー」。そろそろ主人公の晴奈が、本丸であると思われるユウくんへの恋に目覚めるか、といったところ。しっかり好調をキープ。いくえみ綾「かの人や月」は、羽上家長男と同じ会社の女の子の間で恋愛っぽい雰囲気。今回はわりとストレートなお話。そしていつもながらに力加減が絶妙でうまい。

【雑誌】comic天魔 3月号 茜新社 B5平

 そうま竜也「岩川さん そのさん」がいい調子。一人こっそりコスプレしているところを、同じ学校のカメラ少年・島渡くんに目撃されてしまった岩川さん。そのままずるずるとHな方向に行っちゃうが……。天然ボケな岩川さんのキャラがいい。健康的で肉付きのいいプロポーションもホッとするものがある。お話のほうはなんかヘンなキャラも出てきてまだまだ続きそうな気配。あわじひめじ「モグモグコンボ!」。ロリっ娘におにいちゃんがイタズラするという内容。この人の絵はけっこう好きだが、今回は結局のところおにいちゃんがちっちゃい娘さんをいいように騙している感じで、あんまり後味は良くないかなあ。瓦屋A太「コピペ!」は3話めで、妹さんがふたなりのお姉ちゃんを電車内でいたずら。ぬっちょりしたエロ描写がけっこういやらしく感じた。


2/12(木)……カリント人への手紙

電子チケットぴあにて2月14日(土)の「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」のチケットを購入。ファミリーマートで受け取ってくる。便利なもんですな。14日にちゃんと行けるようにするため、職場ではわりと精力的に仕事。後に楽しみが控えているとなると仕事もはかどるもの。よかよか。

▼未読物
【単行本】「読もう!コミックビーム」 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「ゲイツちゃん」 桜玉吉 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「柔道放物線」3巻 今井智文 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「犬嶋高校行進曲」1巻 小松大幹 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「Monkey Magic」2巻 アキヨシカズタカ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「マヤ」 須藤真澄 創英社/三省堂書店 A5 [bk1][Amzn]

【雑誌】コミックビーム 3月号 エンターブレイン B5平 [定期購読:出版社/eS

 100号到達! 何はともあれおめでたい。100号といえば8年以上も続いているわけで、よくこれだけのテンションを落とさずにいられたものだなあと改めて感心。身の丈に合った雑誌経営が功を奏したといえるんじゃないでしょうか。現在は黒字という話も聞くし、このぺースならば大赤字に転落なんてこともなさそうだし、会社のほうが許すようであればけっこうしぶとそう。というわけでこれからも期待しております。

 そんな嘉すべき号に、「裸のふたり」[bk1][Amzn] (感想は2002年8月のオス単を参照のこと)のカイトモアキが読切で登場。「パンチ♥」。至福の表情でサンドバックをぶん殴り続けているボクシング部員が主人公……と思ったら、なんかものすごいことやってた。いや〜カイトモアキはやっぱ濃いわ。今回の作画はちょっと釋英勝を思い出した。暴走しまくる特殊な愛情を描いた物語は毒性たっぷり。アクが強いので読者を選ぶだろうけど、そこがいいんだー。

 森薫「エマ」。わーい、乳だ! ワイチチビーチ。エマのニューご主人様、ヴィルヘルム妻がいい感じに妖艶な色気を発揮。その毒気に当てられているエマの表情も新鮮。志村貴子「放浪息子」。修学旅行に出かけるも、共同生活の中でガサツな男子たちから浮いてしまう二鳥くん。かわいそうに。安永知澄「やさしいからだ」。前回のエピソードで出てきたピアノ教師の視点から語られる物語。これまでとは違っておっさんが主役ということで地味な回だが、うすぼんやりとした怖さが演出できてて、なかなか読みごたえがあった。

 桜玉吉「御緩漫玉日記」後編。良かった、不穏な空気ははらみつつもそれなりに平和だった……。作:DJ SPACE+画:小林哲也「GYPSYLAND」はなんだか面白くなってきている。読んでいるとDJというモノの奥の深さ、面白みみたいなのがちゃんと伝わってくる。けっこうアツい。深谷陽「炎天下のブラマンドゥ」。バリ島シリーズ最新作。いつもながらのきっちりまとまった短編で、安心して読める。福島聡「少年少女」はまたしても違ったタッチで攻めてきた。本当に器用ですな。AZUSA「私のいる風景」は短期集中連載終了。沈黙は金って感じですか。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 3月増刊号 3/12 小学館 B5中

 秋山勇二「WHO are YOU」がむちゃくちゃブッ飛んでる〜。実録漫画なのかと思いきや、突如デロリンマンが町中に現れる! 町中の人も「デロリンマン懐かしいなあ」「わたし、大学生の頃会ったなあ」などと、平然として受け入れている。なんじゃこの世界は……。この連載におけるジョージ秋山の飛ばしっぷりはかなりもの凄い。石塚真一「岳」は2回目。単身山にこもって山岳救助をやっている飄々とした男・島崎三歩が主人公。彼のキャラクター造形はのほほんとしているけど、山の厳しさもしっかり描いていて読ませるお話になっている。作画的にも安定感があって、誌面にすっかりなじんでいる。本誌とかでもやってけそう。たくまる圭「アニキ」はバレンタインデー話。ゆずが健気でかわいいです。岡村朋美の読切「夢ノ跡」は、切り絵かな? そんな感じのタッチで掌編5本をまとめたちょっと不思議で優しいテイストなお話。そんなにインパクトはないけど手堅い出来。花輪和一「刑務所の前」はいつものアレ。

【雑誌】モーニング 2/26 No.11 講談社 B5中

 山崎さやか「はるか17」が表紙&巻頭カラー。キャッチーな題材で、堅調に軌道に載せて来ている感じ。落合裕介+ミスター高橋「太陽のドロップキックと月のスープレックス」2回目。「プロレスはすばらしいショーである」という、これまで漫画では真っ向から取り扱われることがなかった思想を描いてて読みごたえあり。モーニングらしい読みごたえのある展開でなかなかいい出だし。作:戸田幸宏+画:八坂考訓「キマイラ」もハードな内容で、政治の世界に斬り込む。ハッタリが利いてて面白い。三田紀房「ドラゴン桜」。頭からアンテナの生えている女教師がけっこういっぱい出てきてやっぱ笑う。なんかこの学校の先生はうさんくさい人ばっかしだ。

【雑誌】ヤングサンデー 2/26 No.11 小学館 B5中

 小田原ドラゴンの風俗とかの裏側見聞録「小田原ドラゴンくえすと!」が掲載。この連載はすごく好きー。今回は童貞3人にAV女優との初体験ゲットを競わせる企画モノAVの撮影現場を取材。32歳たろうさんのいい顔が印象的でした。守村大「パラダイス」は、ガクトvs.天の試合がクライマックス。ガッツンガッツンの打ち合いがで盛り上がっていて面白い。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/26 No.11 集英社 B5中

 作:外薗昌也+画:別天荒人「ガールフレンド」がシリーズ連載化。恋愛モノのオムニバス連載になるのかな? まず今回は、突然学校のアイドル的な女の子に告白されて付き合うことになったが、それが重荷に思えて逃げ腰でいる少年の物語。甘くて苦い青春恋愛モノに仕上がっていてしっかり読ます。今回のヒロインは、髪型とか外薗昌也テイストが強いなと思った。次回の掲載は4月中旬ごろとのこと。

 山花典之「天使のルージュ」は突然の方向転換。主人公が化粧品会社の女性社長にお仕えする秘書という設定は変わらないけど、社長がバツイチ子持ち女性という設定は破棄。いきなりギャルギャルしい別キャラになり、ちょっとHなラブコメ色になった。新章に突入してまったく違った設定にしちゃうとはちとビックリ。なんだかものすごいテコ入れっぷりだ。雑誌的にも全体にリニューアルを図っているような感じは伺える。きたがわ翔「千夏のうた」は2回目。今回はストレートに女の子を可愛く描く路線で来ているっぽくて、パッと目を引きます。とりあえずいい感じのスタートダッシュ。作:戸塚啓+画:岡村賢二「フットボールほど素敵な商売はない!!」は最終回。プロスポーツチームを、フロントの側から描くという視点は面白かったけど、いかんせん地味だったかもしれない。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/26 No.11 秋田書店 B5平

 THE SEIJI初の週刊連載「かりんと。」(原作:氷幻嵩人)がスタート。同じクラスの女の子・城戸花梨ちゃんに恋する天文学部の高校一年男子、大沢純平くんが主人公。花梨ちゃんは自分には釣り合わないと諦めかけていた純平だが、なんだか彼女と仲良くなれそうな気配が漂い始めてきたんだけど、同じクラスにいる花梨の兄と学級委員長に奇妙なことを持ちかけられ……といった感じ。まだどういう方向に進んでいくかはよく分からないけど、ちょっとHなドタバタコメディという感じになるのかな? 滑らかな質感の作画は誌面の中でも十分目立つし、女の子もちゃんとカワイイ。エロ漫画方面で精力的に作品を発表してきた人で、実力的には十分なものはすでに備えていると思う。好きな作家さんだし期待してます。それにしてもチャンピオンは、エロ漫画経験のある作家さん増えましたな。

 水島新司「ドカベンスーパースターズ編」。毎回ぶっ飛んでて楽しみ。猿渡猿は今回も猿だし、スーパースターズとアイアンドッグスの開幕戦を行う球場を決める方法も超適当だし。考えてみるとこの作品って、開幕戦だけやったらそれで終わりでもいいのかもしらんですな。「プロ野球編」では目玉だったオールスター戦も今度はさすがに盛り上げられないだろうし、日本シリーズやってもしょうがなさそうだし。佐渡川準「無敵看板娘」。今回は美輝に名前を覚えられてない人大活躍。下らなくてパンチが利いててグッド。


2/11(水)……OLを終える

【単行本】「さべあのま全集2 地球の午后三時」 さべあのま メディアファクトリー 文庫 [bk1][Amzn]

【単行本】「さべあのま全集3 はにほへといろは」 さべあのま メディアファクトリー 文庫 [bk1][Amzn]

 さべあのま全集全6巻のうちの2巻と3巻。「地球の午后三時」に収録されている「ミス・ブロディの青春」は、やはり何度読んでも感動する。小説を書くことを趣味としそれまで恋もしたこともなかった女性、ミス・ブロディが、カメラマンをしているアンディという青年と出会う。彼との恋を通じてミス・ブロディは成長していくが……。平凡な女性と平凡な男性の幸福な出会い、そして悲しいけれども不幸ではない別れを、優しく暖かく透き通るような表現で描いた名作。そのほかの作品についても、全部が全部好きってわけでもないけれど、柔らかいこなれた線は魅力的。シャレてるしいい絵だよねー。

【単行本】「資本主義の精神」 まぐろ帝國 茜新社 A5 [Amzn]

 OLという存在が、社員の皆さんがスムーズにお仕事できるようその肉欲を処理する係であるという世界の物語。会社のおける「縁の下の力持ち」として、頑張ってお仕事している女性たちを描いたお話デース。別に肉奴隷がどうのこうのといった陰惨なところはなくって、あくまで仕事として明るく、お茶くみやコピー取りみたいな感覚で社内セックスしている様子はけっこうシュール。彼女たちとやる男側のほうは顔とか全然描かれないのも特徴的。まぐろ帝國の作風からは、いつも隙あらばヘンなことをやってしようという意欲がうかがえるのが頼もしい。コミック天魔はストレートに実用狙いな作品が多い雑誌なのだが、その中ではかなり珍しい存在。この作品については、1冊まるまるやるのはちと長すぎかなという気もするけど、最近はヘンなエロ漫画を描く人は少なくなってきているのでこういう人は貴重だと思う。まあ絵柄的には十分実用に供せそうだし、エロ度の高い表紙もキャッチーだから、それを隠れ蓑にしてぜひどんどんヘンなことをやってってほしい。

【雑誌】メガプラス Vol.5 コアマガジン B5平

 奴隷ジャッキーがメガプラ初登場。相変わらずテンションの高い、ヘンな漫画描くなあ……。今回の「DECOリーン」は、入学してくる男子がすべてオデコ好きの「デコ萌え」である学園で繰り広げられる乱痴気騒ぎを描いたもの。その学園でとびっきりのおでこを持つ女の子に学園中の男子が襲いかかってくるんだけど、おでこにちんこを押し当てて「凸凸凸凸〜」とか叫びながら空中大回転したり、なんかもうムチャクチャ。たいへん下らなくて素晴らしい。

 巴天舞「I FEEL」は3話め。女の子の目があんまり大きすぎない達者な作画がいい具合。琴義弓介「吉野さん家のオクサマ」は、イケメンだけどEDな上司の家で、部下のあんちゃんが奥さんを寝取っちゃうというお話。ヒトヅマスキーな人にとってはたまらない感じですな。みけおう「放課後Lesson」、RIKI「神社YELL」、藤原俊一「本当に好きなのは」あたりは、絵はかわいいけどちんこがぶりんぶりん立派なのが気になる作品群。RIKIは女の子のにっこり笑顔がいい感じでそれも印象に残った。


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