2004年5月下旬


5/31(月)……無定期的

OHP月極アンケートの6月分を開始します。今回のテーマは「期待の新鋭作家」。現在注目&期待している新鋭漫画家さんを挙げていくという内容のアンケートです。最初は「新人」でやろうかと思ったのですが、新人だと思ったら実は別ペンネームで他誌でデビュー済みだった……とかそういうパターンは多いですし、本当に新人なのか違うのかは読者サイドで見分けにくいので、もう少し基準をゆるめにして「新鋭」としてみました。そんなわけで基準は、わりとアバウトに、「ここ1〜2年くらいで出てきた人」といった感じでしょうか。「最近出てきた漫画家でこんな面白い人がいるんだぜ〜」というのを教えてください。なおその人が描いている作品名や掲載誌が分かれば、閲覧した人が探しやすくなるので、コメント欄のところに記入しといていただけると助かります。それでは6月もよろしくお願いします。

▼アンケート5月分「復刻希望単行本2004」は終了。開始してから気づいたんだけど、最近は実際に復刊交渉もしてくれる復刊ドットコムとかもあるし、個人サイトのアンケートでやる意義はあんまりないテーマだったかも。でもまあウチの場合、アンケートにかこつけて漫画話をするという意味合いも強い(と自分では思っている)ので、これはこれでまたよし、という気もする。

【雑誌】ヤングマガジン 6/14 No.27 講談社 B5中

 韓国的恋愛漫画、イ・ユジョン(協力:イ・ヒョンソク)「CRAZY LOVE」。意外とあっさり最終回。ヒョロっこい優等生だと思えた主人公が、女の子を守るためにいきなり爆発したり、激情的な展開は韓国らしさなのかな。でも学園ラブコメとしては爽やかに締めくくられていて、日本の漫画同様な感覚で読めた。押見修造「スイートプールサイド」も最終回。つんつるてんな少年と、毛深い少女の青春ドキドキ物語。なんだか爽やかな終わり方。「アバンギャルド夢子」みたいなぶっとび方はなかったが、これはこれでハッピーエンドで後味はすっきり。作:永井豪+脚本:原田重光+漫画:湊青樹「けっこう仮面」も今週で、ロクニシコージ「こぐまレンサ」は次号で最終回。で、次号からは「カイジ」が連載再開。今度は「賭博堕天録」だそうです。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/14 No.27 小学館 B5中

 作:北沢末也+画:真木ヒロチ「リトル・エスケイプ」は3話集中連載の第1回。80年代の管理教育全盛期、異性と口をきくにも教師に許可証を出せねばならない抑圧的な環境で、音楽好きの少年少女がささやかな反抗を試みる、というお話。地味だが丁寧に描かれた作画はけっこう好感が持てるし、お話のほうも導入としては上々。ところで今回のを読んで「また80年代か!」というのはちょっと思った。「東京エイティーズ」といい、スピリッツ内では80年代ブームが巻き起こっているのかな。山本英夫「ホムンクルス」。万引き女子高生をじわじわと追い詰めていくヘンな顔のにーちゃん(伊藤)のやり口、そして女子高生の心理のヴィジュアル表現が面白い。毎回じわりじわりと核心に近づいていってる感じで確かな読みごたえあり。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」。若い女堕とし編の後編。見栄のために借金に手を出した女をどんどん追い込んでいく、ウシジマくんのやり口は非情極まる。なかなか後味の悪い、うぇーっとする展開。それにしてもちょっと今回は展開がちと急すぎな気もした。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/14 No.27 集英社 B5平

 あらら、大亜門「無敵鉄姫スピンちゃん」が最終回。第1話のインパクトがすごかったので期待していたのだが、短命に終わってしまった。マニアックなパロディネタ、それをたたみかけてくるセンスとかなかなか良かったんだけど、それだけに残念。ただ第1話がピークで、以降の回でそれを上回れなかったのでいまいち人気が盛り上がってこなかったというのはあるかも。いちおう単行本が9月3日に出るとのこと。新連載、星野桂「D.Gray-man」は、世界を脅かすアクマを殲滅しようとする少年エクソシストの戦いを描いていく、オカルティックなアクション。いかにもジャンプらしい作画、筋立てでまずはソツなくまとめている。ただ突出したものはあまり感じられないので、何か仕掛けは欲しいかな。

【単行本】「π」5巻 古屋兎丸 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もたいへんくだらない。美華先輩の誘惑を前に夢人の脳内で起こる宗教戦争とか、大仰すぎる演出が楽しい。パイダーマンとして活動する夢人、パイダーマンに惚れてしまうじゅん、そして今どきヴィジュアル系な尻フェチ男も登場。出てくるキャラがみんなヘンなのがすごい。尻のことを「死離」と書き、尻を触っている間は死が離れていく=死なないとかいい出すあたりの展開も非常におかしくていい。

【単行本】「G組のG」4巻 真右衛門 講談社 A5 [bk1][Amzn]

 いつもながらのトボけたギャグの連続で安定した面白さ。この人のギャグは不条理系というわけでもなく、ただダジャレとかほのぼの系ってわけでもなく、なんとも表現しにくい独特のヒネリが利いているのが面白い。ツボにハマると思わず笑ってしまう。センスいいです。

【単行本】「HAPPY VALLEY」 あんみつ草 三和出版 A5 [Amzn]

 あんみつ草はマイルドで軽めな絵柄なんだけど、意外とハードコアなエロも描く。とくに冒頭の「黒いきり」シリーズ3作は、とある男の調教を受けているOLが、その泥沼から抜け出せずにもがくというお話で、救いがなく後味は苦い。そのほかの作品は、ソフトなSM風味、触手、ショタ、姉弟モノなど明るめでバラエティに富んだ内容。どの作品においても、シンプルながら整った絵柄はパッと目を惹く。柔らかさと暖かみのある絵で好感度は高い。ダークなものから、ちょっと萌えるものまで幅広く、作者の器用さを伺わせる。ただ「あんみつ草といえばコレ」って感じのものが、今のところまだ見えてこない感じもする(あえていうなら触手生物ものかなあ)。

【単行本】「超無敵魔法少女ラブリーくるくる」 奴隷ジャッキー 海王社 A5 [Amzn]

 古本屋でゲットしてきた奴隷ジャッキーの初単行本。初版は1997年10月とけっこう古く、さすがにあんまりうまくない。でもやっぱり新しい作品になればなるほど、ペンタッチがこなれてきて今の作風に近づいて来てはいる。表題作の中であえて一つ挙げるなら、初連載の表題作。魔法少女なヒロインが、なぜか現れるたびにセメント袋をかついでいたり、今の作品につながるヘンな味わいが見える。まあ打ち切りだったそうですごい面白いってほどではないけど。奴隷ジャッキーのファンならまあいちおう、といったところ。


5/30(日)……綺譚定義師

▼金曜土曜とつい寝てしまい、踏台昇降をサボっていたので本日はいつもより多めに踏む。アニメ3本分。「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」「ケロロ軍曹」「この醜くも美しい世界」。前にも書いたけど、「ケロロ軍曹」は上向き気味。今号はクルルが参戦。326がらみでエヴァのパロディをやっていたのは面白かった。日向母についてはもう少し乳のダイナマイト感を強調してほしかったが、時間帯的にいってやむを得ないところか。あと「この醜くも美しい世界」はだいぶお話が動いてきた感じ。主人公タケルの幼なじみである真理が今回も良い。「レジェンズ」は安定。毎回楽しく見てます。

【雑誌】コミックRUSH 7月号 ジャイブ B5平

 作:ボヘミアンK+画:宗我部としのりのカーリング漫画「オレンンジでりばりぃ」は、部員の実家がやってる風呂屋を利用してカーリングをするという方向で、ようやく実技方面もスタート。摩擦係数が違うのであまり練習にはならんのでは……とは思うものの、サービスシーンをいろいろ織り交ぜつつ進んでいくお話はなかなか楽しい。ちょっと前置きは長すぎたかもしれないけれども。

【単行本】「探偵儀式」1巻 漫画:箸井地図+原案・脚本:大塚英志+原作:清涼院流水 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 清涼院流水のJDCシリーズに基づいて、トンデモ探偵ワールドが展開。テーマは「反則」だそうで、出てくる探偵たちも、おなじみのとんち探偵・竜宮城之介やファジィ推理の九十九音夢らのほか、新キャラたちもみんな探偵としては反則的な能力の持ち主ばかり。原作のインチキくさい雰囲気をよくつかんでいると思う。そして作画のほうも達者。シャープで整理された描線はフレッシュな質感にあふれているし、ハッと目を惹くキャッチーさがある。抜けのいいタッチがとてもカッコイイ。探偵たちのキャラクターデザインも個性的。龍宮城之介のヘンな仮面とか。あと音夢はハツラツとしててキュート。ヘンだけどシャレている、カッコイイけど反則。なかなか面白いです。ただいかんせん連載ぺースが遅い。エース特濃が隔月であるうえ、新作が載らなかったりすることもあるのでお話がなかなか進まない。早いとこ続きが読みたいところなんだけど。

【単行本】「ライドバック」1巻 カサハラテツロー 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 バレエ界で名を知られた父母のもと純粋培養されて育ったが、故障もあってつまづいていた少女・尾形琳が、大学に入学して「ライドバック」と呼ばれる乗物と出会う。それはロボット+バイクといった感じの機械で、それを操縦するということに、琳はこれまでにない興奮を覚えていく。いかにもメカメカしいライドバックのデザインはかっこよく、主人公の琳が体むきだしでライドバックの頭の部分のコックピットにまたがり、縦横無尽にそれを操縦して疾走していく様子はなかなかに痛快。アクションがダイナミックでメカも格好良く、ワクワクさせられるものはある。というわけで今後の琳の活躍に期待。学生運動のゴタゴタなどもからんで、けっこう面白くなりそうな雰囲気ではある。

【単行本】「ナツノクモ」1巻 篠房六郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 IKKIで連載中のネットゲームものの連載。篠房六郎といえば、アフタヌーンでやっていた「空談師」もネトゲーものだったが、そちらは個人的にはあまりピンと来ない出来だった。あえて同じテーマを選んで来たということは「空談師」のリベンジをしたかったというのもあるのかもしれない。お話のほうは、そのプレイヤーにやられた相手が二度とネトゲーの世界に復帰してこないという、謎の存在「エンジン男」を巡る物語。完成度の高い、細部まで緻密に描かれた作画は相変わらず非常に達者。前作の「空談師」と同ジャンルものを違う雑誌でやるのは一つの賭けかもしれないが、完成度的にはさすがに上がっているように思う。ネット空間でのプレイヤー同士の関係性により人間臭さが増していてドラマチックだし。ただ新味という点ではやはり薄れている面はあるし、描き込みが細部までびっちりしているせいか、微妙に読みにくいような気もする。ちょっと読む速度をゆっくり目にしないとストーリーが頭に入ってきにくい面がある。セリフが思わせぶりで、けっこうフキダシ数も多い。もう少しテンポ良く読んでいけるようになるといいんだけど。

【単行本】「沈夫人の料理人」2巻 深巳琳子 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。富豪の奥方である沈夫人に翻弄されまくる料理人・李三の姿が楽しすぎる。沈夫人の振る舞いも楽しい。李三の困り顔を見るためにさまざまな無理難題をふっかけ、しかも料理だけは美味しいものを作らせようとする。李三はおどおどしつつも料理の腕のほうは一流。これはさすがにご家庭では作れませんな。面白いうえに中華を食いたくなってくる。そのうち挑戦してみようかなー。

【単行本】「BR II ブリッツロワイアル」2巻 富沢ひとし 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 完結。田口雅之版はまだ続いているのにこっちはアッサリ。海軍の課す、生還率ゼロの殺戮プログラムに参加させられることになった学生たちのドラマを描いていく。富沢ひとしの描くところの少年少女は、大人びてもおらず、かといって子供すぎもせず、感情が非常に生々しく伝わってくる。それだけに生徒間の緊張感が高まり、お互い傷つけ合うようになっていくシーンとかは、痛みがより切実に感じられてけっこう面白かった。それだけにちょっと中途半端っぽく終わっちゃったのは残念なところ。

【単行本】「がんばれ酢めし疑獄!!」5巻 施川ユウキ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 これにて最終巻。最後までマイペースにヒネリの利いたギャグを詰め込んでて面白かった。日常のすげー細かいことに着目し、びしばしとオリジナリティのあるツッコミを入れていく様子は見事だった。この人はなかなか言語感覚が鋭い。それは単行本のみの収録のミニコラムの数々にも現れていると思う。ギャグ漫画ってやっぱ言葉を扱うセンスが大切だなーと思った。

【単行本】「あっさりショコラ(仮)」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 相変わらず素晴らしい。今回の単行本は「あっさりショコラ(仮)」「ヘビー クラウド ノー レイン」「ブローチ」「キャベツの国から’03 逡巡」の4本を収録した短編集。いずれの作品も間のとり方が絶妙で、するする読めるし、恋の描き方についてのアプローチも独特で新鮮。個人的には天然系のヒロインが、とある男子に対して学食の定食をぶちまけちゃうところからなんとなく始まっていく恋物語「キャベツの国から’03 逡巡」が好み。ほのぼの楽しいお話も良いし、ラストの締め方も巧み。

【単行本】「金平守人のかいつまんでななめからバッサリ」 金平守人 宙出版 B6 [bk1][Amzn]

 金平守人がギャルゲーのアンソロジー本でやっていたシリーズをメインにした単行本。こんな仕事してたんだー、なるほど。ここで紹介されているギャルゲーについては、メジャーであることは知っているんだけど自分としてはまったくプレーしたことがない。でもそういう人間にとってはかえってちょうどいいというか。「なんか適当なこと描いてるっぽーい」とか思いながら、気楽にギャグをあじわっていける。全然知らないネタであるにも関わらず、個人的にはけっこう楽しめてしまった。金平守人は、こういう一つビシッと固定したネタがあったほうが、力を発揮できるタイプかもしれないなーとも思った。

【単行本】「秘密の女子寮」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]

 すっかり少女エロ方面で定着した感のあるおがわ甘藍の最新刊。細身な少女たちをエロティックに描いた作風が特徴的な人だが、この本ではますますその可憐さが増しており、いい具合にこなれてきている。単行本タイトルどおり女子寮モノも出てくるけど、この人の絵柄には少女の薗がよく似合う。Hで甘い誘惑が満載で堪能しました。

【単行本】「おな☆チャン」 矢凪まさし 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 TV業界志望の女の子が、内定先の会社の倒産により路頭に迷っていたところ、アダルト専門の制作会社に引きずり込まれて、そこで女優兼ADとして活躍していくというHコメディ。メガネっ娘な主人公・坂本滋が恥ずかしがりながらも意外とその場のノリにされていく様子は、ほんわかしていながらもけっこうH。イキっぷりも派手だし、人が良さそうでなかなかかわいい。80年代的なヌルめのコメディテイストが残っていて、読んでるとホッとするものはある。


5/29(土)……威張りますにょー

▼2004年6月の購入予定。bk1まんが王倶楽部の新刊予定表をもとに作成。
6/上 「アタッチメントでGO」 SABE 久保書店
6/7 「アネゴッ」1巻 環望 竹書房
6/9 「難波鉦異本」2巻 もりもと崇 少年画報社
6/9 「SUGAR」7巻 新井英樹 講談社
6/10 「巨神ゴーグ」 清水としみつ スタジオDNA/一賽舎
6/11 「イナカなかれっじ」4巻 法田恵 双葉社
6/11 「マエストロ」1巻 さそうあきら 双葉社
6/15 「コスプレイガール岩川さん」 そうま竜也 茜新社
6/16 「それいけぼくらの団長ちゃん」6巻 小野寺浩二 少年画報社
6/17 「無敵看板娘」8巻 佐渡川準 秋田書店
6/17 「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd」2巻 林ふみの 角川書店
6/17 「BECK」19巻 ハロルド作石 講談社
6/17 「天才料理少年味の助」3巻 宗田豪 講談社
6/17 「ビミョーなカンケイ」 景えんじ 司書房
6/18 「世界のどん底で愛を叫べない」 冬長 オークス
6/18 「ブリトビラロマンSF(仮)」 小田扉 太田出版
6/18 「Jの総て」1巻 中村明日美子 太田出版
6/18 「HELLS ANGELS」3巻 ヒロモト森一 集英社
6/18 「ガールフレンド」1巻 別天荒人 集英社
6/18 「つっぱり桃太郎」4巻 漫(もも)画太郎 集英社
6/18 「美女で野獣」5巻 イダタツヒコ 小学館
6/18 「美鳥の日々」7巻 井上和郎 小学館
6/18 「REC」2巻 花見沢Q太郎 小学館
6/18 「金色のガッシュ!!」16巻 雷句誠 小学館
6/19 「金曜日の人魚姫」 ゆきやなぎ 蒼竜社
6/19 「初デート攻略法」 まぐろ帝國 蒼竜社
6/23 「マゴロボ」 トミイマサコ 講談社
6/24 「ロボこみ」1巻 やぎさわ景一 秋田書店
6/24 「シグルイ」2巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店
6/24 「ニクノアナ」 ほりほねさいぞう 一水社
6/24 「東京赤ずきん」1巻 玉置勉強 幻冬舎コミックス
6/25 「純粋デート倶楽部」上下巻 石田敦子 エンターブレイン
6/25 「さちことねこさま」2巻 唐沢なをき エンターブレイン
6/25 「いつも春のように」 あすなひろし エンターブレイン
6/25 「青い空を、白い雲がかけてった」 あすなひろし エンターブレイン
6/25 「STAYリバース 双子座の女」 西炯子 小学館
6/25 「モモ色クリニック」1巻 ジェームスほたて 少年画報社
6/25 「ラヴ・バズ」2巻 志村貴子 少年画報社
6/25 「学園ノイズ」3巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 スタジオDNA/一賽舎
6/26 「NHKにようこそ」1巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店
6/26 「姉と眼鏡とミルク」 RaTe 富士美出版
6/26 「HA-HA」 飛龍乱 富士美出版
6/28 「あんみつ草作品集 アイある暮らし」 あんみつ草 双葉社
6/29 「くわがた」 A・浪漫・我慢 松文館
6/29 「ゆびさきミルクティー」3巻 宮野ともちか 白泉社
6/29 「ちょこッとSister」2巻 竹内桜 白泉社
6/29 「マウス」13巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社
6/29 「lose」2巻 大井はに丸 ヒット出版社
6/30 「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」12巻 なかいま強 小学館
6/30 「高校アフロ田中」9巻 のりつけ雅春 小学館
6/30 「ぼくらの」1巻 鬼頭莫宏 小学館
6/30 「鬼頭莫宏短編集 残暑」 鬼頭莫宏 小学館
6/30 「山田シリーズ」2巻 吉田戦車 小学館
6/30 「団地ともお」2巻 小田扉 小学館
6/30 「フリージア」4巻 松本次郎 小学館
6/30 「ナンバーファイブ」6巻 松本大洋 小学館
6/30 「キーチ!!」5巻 新井英樹 小学館
6/30 「医龍」6巻 乃木坂太郎 小学館
6/30 「電脳炎」5巻 唐沢なをき 小学館
6/30 「不成仏霊少女」 花輪和一 ぶんか社
6/下 「冷たいお菓子」 タカハシマコ ワニマガジン社

【単行本】「山田シリーズ」1巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 ウホッ面白い……。素晴らしい動物であるところの山田が、金やカード、国宝などの財力を駆使して活躍したり別のことをしたりするシリーズ。最初の時点で山田は20万円を所持。その財力によって部活のレギュラーをゲットするも、他人の迷惑を考えてそれを断念。ちなみにその20万円は1000円札200枚。かなり厚みがある。その厚みは後に、大企業の重役を募集するためのインターホンを押すときの踏台として効を奏したりする。そんなこんなで山田の生き様が淡々と、かつユーモラスに記されていく。山田の男気、純情、小粋な話術、むくむくした容姿、その他もろもろにうっとりする1冊。

 ちなみにこの山田という動物は、後にかわうそと同一動物であることが判明する。「山田シリーズ」が始まったときは「山田=かわうそ」とは明記されていなかったので、あるいは違うのやもしれぬ、と自分はたいそう注意深く、山田のことを「かわうそ」と書かないようにしていたものだった。それがスピリッツ増刊の漫戦に掲載された「山田への道」(この単行本にも収録されている)によって疑問が晴れた。山田はかわうそだったのだ。この本を読んで改めて、自分がいかにかわうそを、そして山田を愛していたかということを思い出させられた。ぜひ山田の友達、いやそれは畏れ多いので取引相手になりたいものだ、そんなふうに思った。

【単行本】「殴るぞ」5巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 こちらは現在ビッグコミックスピリッツで連載中の作品。コンスタントにやっている。「山田シリーズ」と比べるとちとキレがない。キャラ立ちが弱いかな。フック船長とかとくに。主人の奴を心配する犬は好きだけど。

【雑誌】コミックバーズ 7月号 幻冬舎コミックス B5平

 あびゅうきょの影男シリーズ最新作「絶望の長い午後」が掲載。今回も美麗な作画で絶望オタク男の話を展開。影男にビシバシ絶望ワードを投げつける美少女の姿にゾクゾクする。あと影男の、けっこう何をいってもこたえない丈夫さも見てて楽しいものが。最終コマに出てきたポスターのでじこみたいなのが冥途ナース遺灰ちゃんかな? なかなかいい。作:柳田理科雄+画:筆吉純一郎「Dr.猫柳田の科学的青春」は最終回。ハチャメチャ発明話を毎回展開してて、ものすごく目立つというタイプではないながらも、コンスタントに楽しめる作品だった。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 7月号 少年画報社 B5中

 脚本:田畑由秋+画:余湖裕輝「コミックマスターJ」。今回のお話はスカッと馬鹿馬鹿しくて面白かった。とある作家が、締切から逃げるために恋人が不治の病にあるというウソをホームページの日記に書いたところ、それが大反響を呼んでしまって引くに引けない羽目になり、ウソを貫き通すことに、という「一杯のかけそば」みたいなお話。こういうネタはけっこう好き。まあそれはともかく、自分のホームページでの日記とかはやっぱり注意したほうがいいですな。それが元で仕事に支障をきたすこともあり得るわけだし。

 石田敦子「アニメがお仕事」。今回は主人公たちの所属するスタジオが引越するが、その途中で空き巣が入り……と、またキツいことを描いてくる。「負けたくないなあ アニメが好きでないアニメ関係者に」というセリフがしみます。平野耕太「ヘルシング」はセラスがついに覚醒してカッコイイんだけど、今回は8ページのみ。というわけでその次のページから穴埋め職人、佐藤ショウジ「健闘☆ふたりぼっち」が掲載。水上悟志「散人左道」は最終回。絵柄的にはけっこう好きな人だが、もう一つ煮え切らないまま終わっちゃった感じ。妖怪退治系のお話はほかにもいろいろあるので、もう一つ押しが欲しかった。

【雑誌】ヒメクリ 7月号 FOX出版 B5中

 今号は付録DVD-ROM付き。それはいいんだけど漫画のほうが、10P未満の短い作品が多く、かつペン入れされてないようなものがいくつか見られて読みごたえがあまりない。DVDはいいから漫画のほうをもうちょっと……と思ってしまう。リニューアルしてからいまいち。

 そんな中で良かったのは、ゴージャス宝田「スキュラ」。内気な女の子・呪里に告白した主人公のモテ男子・リオンだが、元カノとのキスシーンを目撃した呪里に誤解されて、彼女を追いかける。そこで必死の弁解を続ける中で、呪里の思いもよらぬ側面が見えてきて……というお話。熱愛モノで呪里は純情娘のように展開しながら、いきなり変態的な方向に話を振ってくる変わり身の早さが面白い。最近この人は充実しているなあ。漫画としてとても面白くなってる。このほかでは宿屋の巨乳美人仲居さんが色っぽい、天太郎「湯の町宿の彩音さん」、赤面省の女の子がそれを治療するために友達にそそのかされてHなことをするという紺野あずれ「赤面症治療中!」が良かった。あとパニックアタック「大人になる呪文」は、今回も安定して楽しい。

【雑誌】快楽天 7月号 ワニマガジン B5中

 上連雀三平の新連載がスタート! タイトルは「やまとなでシコ」。「シコ」という部分でピンと来た人もいるかもしれないが、女相撲漫画である。まだ始まったばかりだが、上連雀三平らしいヘンな世界が展開されそうな気配たっぷり。上連雀三平は先日創刊されたCOMICバニラ(茜新社。感想は5月22日の日記参照)でも描いており、ここに来てエロ漫画方面での活動を再開してきている模様。どちらもとても楽しみ。朔ユキ蔵「いばりゆかしき」。サブタイトルで「〜平安尿絵巻〜」とあるように、お姫様の清らかなる尿をこよなく愛するおつきの小娘が主人公。尿をかぶって恍惚としたり。この人は尿漫画好きですなあ。フジヤマタカシ「天使のおつとめ」。かわいい男の子に看護婦さん×2がご奉仕。この人の描く女性は、熱に浮かされたような目つきが色っぽい。目の光の描き方とかも好き。

 かるま龍狼「でかいの4」。でかちん少年きよしくんをめぐるシリーズ4作め。人妻、お姉さん、ショタ……と盛りだくさんで、ドタバタコメディとしても楽しくまとめている。さすが。上月まんまる「HAPPY SLOW LIFE…♥」。初登場というのはちょっと意外。軒先に干されていた下着に手を伸ばした少年が、熟女3人に捕獲されていろいろイタズラされちゃうというお話。この人ってこういう作風だったっけ。けっこうアダルトな感じで攻めてきててエッチ。島本晴海「はれ☆ゆき」はラブストーリーが楽しく展開中。この人とかみた森たつやとかは、続き物でちゃんとお話を作ってしっかり読ませるラブラブな物語を描いていくれるのでうれしい。

【雑誌】エンジェル倶楽部 7月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan

 奴隷ジャッキーの新連載「0 PULLTOWN学園へようこそ!」がスタート。日本の南のほうにある離島にある都市型学園「0 PULLTOWN学園」で繰り広げられる、ぶっとびエロエロスクールライフを描いた作品。主人公のめがねっ娘は入学初日に生徒会長に任命されるし、そのルームメイトはよくわかんないけど登場時点からずぶぬれのままへろへろ踊っているズッコケ娘、もう一人もむちゃくちゃ忘れっぽい電波系な人。なんかもうのっけからテンションが高くてヘンな作品になりそう。楽しみ。そういえばこの雑誌ってなんかヘンな作品多いよね。山本よし文「プリーズカムインサイドミー」では、イズミヤ親父@ドラネコロックそっくりのヒロインの父ちゃんが、庭の池でラッコに頭をカンカンやられてたりするし。

【雑誌】COMICパピポ 7月号 フランス書院 B5中

 ほんだありま「熱闘!触手甲子園」が下らなくて良かった。触手モンスターを操る美少女たちが、相手を早くイカせたら勝ちという勝負に挑むというお話。一発ネタではあるけれども、「触手甲子園」という着想の時点で楽しい。後藤羽矢子「白のデイジー」。生徒である友成くんと恋人関係にある家庭教師のみもな先生が、友成の友人二人にレイプされていまうという、ライトな絵柄のわりにキツい展開。後味の悪い内容だが、どのようにフォローしていくのか、今後の展開が気になるところ。

【雑誌】キャンドール 7/12 VOL.6 実業之日本社 B5中

 どれか一つってわけではなく全体的にコンスタントの読めるので、かえって感想書くのが難しい雑誌。むつきつとむ、嶺本八美、すずきみら、琴の若子、みずきひとし、NYAN、みた森たつやと安定株な人たち揃い。どの作品もみんな楽しめます。

【雑誌】ヤングコミック 6月号 少年画報社 B5中

 10日発売だけどなんとなく今さら購入。奴隷ジャッキー「ドヂッ娘OLモタ子のドタバタ奮戦記!」が勢いあって良かった。すべって転んで超高速ヘッドバッドを喰らわせるような、超ドヂッ娘OLのモタ子がなんだか社長に任命されてしまうというお話。ビルから飛び降りて地面につくまでの間にセックスするなどスペクタクル。相変わらずのぶっとびぶりが面白い。このほか、中田ゆみ、ジェームスほたて、葉月京、THE SEIJIら、安定感のある作家さんが揃ってて手堅く楽しめる。ひのき一志「ファミレス戦士プリン」もあるしね。やはりそろそろ定期的に買うかな。


5/28(金)……コータローぼろぶどぅうる!

OHP月極アンケート5月分「復刻希望単行本2004」は31日いっぱいで締め切ります。よろしくお願いします。

▼Amazonで注文しておいたDVD「プラネテス」Vol.2が到着。すでにVol.6まで予約できる状態になっているのでまとめてズガッといっときました。残りはあと3巻。といっても1か月1本だから、全部出るまで今年一杯かかるけど。通しで見返すのは全部出てからかな。年末年始あたりにでもまとめて。なんだか先の長い話ですのう。
Amazon:DVD「プラネテス」 1/2/3/4/5/6

▼未読物
【雑誌】ヤングコミック 6月号 少年画報社 B5中
【単行本】「ライドバック」1巻 カサハラテツロー 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ナツノクモ」1巻 篠房六郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「龍宮殿」2巻 松永豊和 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「沈夫人の料理人」2巻 深巳琳子 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「平田弘史傑作集 剣山」 平田弘史 小学館 [bk1][Amzn]
【単行本】「おな☆チャン」 矢凪まさし 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
▼29日売り
【雑誌】ヤングキングアワーズ 7月号 少年画報社 B5中
【雑誌】ヒメクリ 7月号 FOX出版 B5中
【雑誌】快楽天 7月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】エンジェル倶楽部 7月号 エンジェル出版 B5平 [定期購読:Fujisan
【雑誌】COMICパピポ 7月号 フランス書院 B5中

【単行本】「東方機神傳承譚 ボロブドゥール 」 太田垣康男 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 2000年に創刊され、5号まで出てあっさり休刊してしまったエニックスの青年誌「コミックバウンド」で連載された作品。僧たちの支配する仏教国家において、理不尽に迫害されていた罪人たちが、見世物用に復活させられた巨大な機神を操り権力者たちに立ち向かっていくという物語。現在は「MOONLIGHT MILE」でおなじみの太田垣康男だが、その力強くて緻密な作画、骨太な作劇はこの作品でも十分現れている。オリエンタルな風味を生かしつつもメカっぽく、かつ禍々しい機神ボロブドゥールのデザインは秀逸。虐げられし者たちの反逆のドラマも気合いが入っていて読みごたえがある。全5話に収められているが、設定にスケール感があるので、もっと長い尺で読んでみたいお話だった。まあそれはともかくとしてちゃんと全1巻で完結しているし、力の入るカッコイイ作品なのでオススメ。

【単行本】「MOONLIGHT MILE」8巻 太田垣康男 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 太田垣康男もういっちょ。こちらも面白い。今回は吾郎たちが作業をしている月面基地で物語が進行。テロリスト潜伏の噂が流れる中、肉体労働系の技術者たちと、頭脳労働系の職員の間で対立が起こり、基地内の雰囲気は騒然。そこに紛れ込んだアイドルのマギーと共に、吾郎はテロの犯人探しに奔走する。宇宙開発を進めようとする米国と、それに反感を抱く国が送り込んだテロリスト、基地内でのホワイトカラーとブルーカラーの対立というのはいかにもあり得そうな話でリアリティがある。物語の展開もたたみかけるよう。描写はダイナミックでありながら、細部のディティールもしっかり描き込まれているし、吾郎やマギーのキャラも魅力的。安定していながらテンションが高くて毎回楽しめる作品。

【単行本】「ルサンチマン」1巻 花沢健吾 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 個人的にはかなり注目している新鋭の初単行本。オヤジ顔、中年体型、話下手となんらいいところのない主人公・たくろー。彼女もおらず、友達も少なく、単純かつ退屈な肉体労働に従事する日々。まだ30歳にもならぬうちから人生どん詰まり感の漂う彼が、数少ない友人である越後の導きによって、現実と同じくらいに発達したパソコンのギャルゲー、仮想現実の世界へと旅立つ。そのゲーム世界では、現実さながらの見た目や触感が得られ、目の前に現れる女の子は最初から自分が好き。そんなミラクルワンダーランド……であったはずなのに、たくろーの買ったソフトで出てきた少女「月子」は、なぜか別に好きな人がおり、たくろーの思い通りになる存在ではなかった。というわけでバーチャル空間と現実を行き来しながら描かれていく青春物語、という趣の作品。

 現実世界では浮いた話の一つもない主人公が、仮想現実にのめり込んでいくというストーリー自体はほかにないでもないが、花沢健吾は読ませ方がうまいと思う。現実のくさくさするような事象の描き方や、少しずつ話を進めて読者を引き込んでいく序盤の展開はなかなかに見事。作画のほうもフレッシュながらも安定感あり。現実世界のたくろーはいかにもキモい中年男風で暑苦しいのに対し、月子やその他の仮想現実世界の女の子たちは非常に瑞々しい、フレッシュな魅力にあふれている。各キャラの表情もイキイキしてていい。その対比が鮮烈。セリフ回しもけっこう好き。とくに「現実を直視しろ。おれ達には、もう仮想現実しかないんだ。」というセリフは最高だと思った。仮想現実空間を描きながらも、端々で「現実空間ではこんな間抜けな格好でゲームやってるんですよ」という様子を確認させてくれるので、どちらか一辺倒になっちゃわず現在の状況を掴みやすいのもいい。

 そんな感じで、初単行本なんだけど作画、ストーリーともに充実。しかも安定感がある。この人に注目している理由の一つとして、なんだかメジャー感がある、というのが挙げられる。サブカル的なエッジっぽさはないかもしれないけれども、メジャー誌でコンスタントに描いて、しっかり楽しめる作品を作り上げていけそうな雰囲気がある。絵柄的にもしっかり強弱の利いた潤いのあるタッチ。漫画としても読みやすく分かりやすい。ちゃんとそういう構成になっている。仮想現実モノって、なんだかんだいって現実感は薄いので面白くしにくいジャンルだけど、この作品については、少なくとも1巻の段階ではかなりうまくやれていると思う。この作品がこのまま突っ走っていけるかどうかは分からないけれども、今後の作品も含めて、期待していきたい作家さんであります。

【雑誌】ヤングアニマル 6/11 No.11 白泉社 B5中

 克・亜樹「ふたりエッチ」。一条さんと真とのただならぬ雰囲気にやきもちを焼いた優良さんが、ダイエットをして魅力アップを図ろうとか計画。相変わらず下らなく脳天気で良い。優良さんは最近やきもち焼いてばっかりのような。柴田ヨクサル「エアマスター」。坂本ジュリエッタがマキにもりもりマジモードで告白。格闘も派手だが告白も派手。ズバッズバッと切れ味が良く、爆笑モノな回でございました。よかよかー。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 6/11 No.12 小学館 B5中

 滝井寿紀の短期集中連載「白鳥、スタジアムに舞う」がスタート。これはサッカーJリーグ、アルビレックス新潟が、地方の弱小チームから始めてJリーグ屈指の地元密着型人気チームになるまでを描いていく実録ストーリー。実際にこのあたりの過程は面白く、日本プロスポーツ界においても稀有な事例であったと思うので興味はある。

【雑誌】コミックバンチ 6/11 No.26 新潮社 B5中

 江戸川乱歩「人間椅子」の漫画化、木暮峰「名工のカタルシス」が連載スタート。椅子の中に潜んだ男が奥様の背中や尻の下でもぞもぞするというお話だが、なかなかいい感じで漫画化できていると思う。木暮峰の影のある艶めかしい絵柄が乱歩世界にぴったりマッチ。あの官能的、蠱惑的、背徳的な世界をしっかりヴィジュアル化できている。木暮峰はなかなかに実力のある人だと思うので今後も注目。作:沢井鯨+画:深谷陽「P.I.P プリズナー・イン・プノンペン」。プノンペンの牢獄に放り込まれた主人公が、そのそもそものきっかけとなった売春街の少女との出会いを思い返す。現地の空気を感じさせつつ印象的な出会いのドラマを展開しておりなかなかに美しい。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。体当たり芸でどんどん売れっ子になっていく大河原上。無茶しすぎではあるが、ツボパワーで復活。どこまでやるのか注目なり。あとセンターカラーで羽生生純「ニンゲン標本函」も掲載。今号のバンチはなかなか面白かったです。

【雑誌】フラワーズ 7月号 小学館 B5平

 波津彬子の新連載「空中楼閣の住人」がスタート。「うるわしの英国シリーズ」が連載化。アンブローズ・マクラウドという紳士の家に、みなし子の少年ヴィクター・ベリズフォードが引き取られて来て、なんだか不思議なことばかり起こる館での生活が始まる……というお話。まだお話は導入部って感じだけど、主要キャラは4人+猫1匹ほど登場し、いろいろ起こりそうな種は蒔かれている。波津彬子もかなり血中英国濃度の高い人。安定して面白い人なんで期待できるでしょう。

 西炯子の新連載「少年」は、「STAY」シリーズの第4弾。佐藤くん&山王さんがメイン。読者的にも思い入れの深い二人であろうし、これは楽しみ。受験勉強中で勉学に励みつつもお年頃の青少年らしい悶々とした衝動も抱えた佐藤くん、それから相変わらずつかみどころのない山王さんの様子に心くすぐられる。

 江平洋巳「HERO」は、天才少年の博士くんと言葉をしゃべれるネズミ織田君が登場するシリーズ。ふわふわとしたきれいで優しい絵柄が魅力。さいとうちほ「ブロンズの天使」。プーシキンが結婚を許してもらうための資金、略してP資金を工面するため奔走。その合間にも描かれる情熱的なシーンの数々。このゴージャス感はやっぱり素晴らしい。

【雑誌】コーラス 7月号 集英社 B5平

 よしまさこ「うてなの結婚」がこの前終わったと思ったら、新たに「うてなの結婚+」がスタート。今回は「長女島の夜は更けて」ということで、単身南のほうの離島に渡り新たな人生をスタートさせてしまったうてな家の長女あのんを主人公にラブロマンスが展開。この人はまだ独身なんで、ロマンスしまくりだ。いつもながらに軽やかで、楽しく読める。佐野未央子「君のいない楽園」。しばらく離れているうちに、別の彼女ができたかに見えた八神くんに対し、十萌はやきもきしまくり。でも久し振りにちゃんと話したら意外と変わりなくて……ってな展開。この作品も安定感あり。

【雑誌】メロディ 7月号 白泉社 B5平

 樹なつみ「OZ」の特別編「PARADISO」が特別読切として掲載。「OZ」はちゃんと読んでなかったのでよく知らないが、ムトーという人の少年時代のお話をやってる。生い立ちのドラマがきちんと描かれててけっこう面白く読めた。本編のストーリーをつかめていないのにそういうこというのもなんですが。魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」。さすがの職人芸的うまさで2回めも楽しい。作者キャラが作中に登場するけど、魔夜峰央の場合、本編との違和感がまったくなく、それも芸という感じで読める。雁須磨子「カリスマ放浪記」は新連載。今回は人の話を聞いて回るのではなく、なんかいろいろチャレンジとかしてみるらしい。慎結「パパと歩こう〜Hops!(後編)〜」。少年姿の介護ロボットA-3と、病弱な少年・政人の心温まるお話。A-3がちまちまかわいいのが良かった。ほのぼの後味良し。

 山口美由紀「春告小町」、川原泉「ブレーメンII」は最終回。気がつけば今号の掲載作品である程度の期間連載している作品は、麻生みこと「GO!ヒロミGO!」、橘裕「ガッチャガチャ」、作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」だけになっている(やまざき貴子「っポイ!」はお休み)。「陰陽師」はすでに最終章の8話め。雑誌全体にだいぶ入れ替えをかけてきている感じ。次号もやまざき貴子「ZERO・IX」の前編100P、よしながふみの読切「大奥」70Pが掲載と、またしてもイレギュラーな感じの誌面になる予定。そろそろなんかリニューアルでもかけてくるのかな〜といった雰囲気。

【雑誌】阿ウン 7月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:出版社/eS

 巻頭カラーは幸田朋弘「Petit-ろいど3」。ご主人様の陽一君と君塚さんの恋愛関係は順調に進行中。それにやきもちを焼いた君塚さんとこのロボ娘と陽一陣営の3人娘は激突の気配。ラブコメ、H、ドタバタがしっかり共存できてて面白いお話になっている。コンスタントに楽しい。師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」は5話め。×浦あやのほうにお話はもどってずぶずぶエッチ。今回も密度が濃くてしっかりエンターテインメントしてます。面白い。量感のある乳描写が特徴の旭は、初連載「魔法少女ミルキー☆ベル」をスタート。ドジだが、飲んだ者の心に愛を取り戻させるという特殊な乳魔法の使い手である不二家べる子、魔法少女ミルキー☆ベルが活躍するという魔女っ娘ストーリー。この人の描くもちもちして重たげな乳はけっこう好み。母乳プレイは絵的には派手だが、個人的にはあんまり好きではないんだけど。どっちかというとローションとか、もっと粘度の高い液体のほうが好み。

【雑誌】リトルピアス 7月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「若葉といっしょ」が4回めで最終回。このシリーズは好きだったなー。若葉ちゃんという女の子に男子二人がいたずらしちゃってエッチなことをしまくるという内容だけど、みんなちゃんと子供っぽく健康的で、かつかわいくエッチなのが良かった。若葉ちゃんと同級生の男の子・匠くんがラブラブする様子も微笑ましいし。ほしのふうたらしい、いい作品でありました。ほりほねさいぞう「ゼロ」は、前回作者急病のため前編のみの掲載となった分に、加筆修正を加えて全編掲載。といっても描き足し部分は多くなく、ちょっとものたりないかなという印象。

 単行本「いちごにゅうにゅう」[Amzn]が出たばかりのねんど。の「美結ちゃんのパンツ」は、ランドセルを背負うような年齢の女の子、美結ちゃんが主人公。学校でぱんつのゴムが切れちゃったところに男子が来て、ぱんつを放置したまま逃げ出したところそのぱんつの主探しが始まってしまったのだが、優しい男子に救われてそのまま彼と……ってな話。お人形さんのようなちっちゃい女の子がぷにぷにしててかわいらしく、微笑ましくて甘い読後感もなかなかのもの。


5/27(木)……野砲区

▼NECのPetiScan MR800U3をヤフオクで落札。これは1999年11月発売でもう出荷終了となっているものなんで、今となってはもう知らない人も多いかと思うけど、最大A6サイズまでの読み取りに対応した小型のフラットベッドスキャナとして、かつてはそこそこポピュラーだった製品だ。なんで今さらそんなもんを買ったかといえば、以下の画像のようなことをしたかったから。

PetiScan MR800U3

▼要するにこのスキャナは上ぶたを外して、本などの上に載っけるという形でスキャニングができる。底面は透明になっているので、絵柄を確認しながらスキャンすることが可能。これなら雑誌や単行本から1コマだけスキャンして引用するなんてことが手軽に行えるんんじゃないかな〜とか思ったというわけだ。フラットベッドスキャナ自体はほかにも持っているのだが、メインで使っているのがコピー/ファックス/レーザープリンタの複合機であるブラザーのMFC-8820Jなもんだから、むちゃくちゃデカくて小回りがまったく利かない。しかも机とちょっと離れた位置にあるので、「スキャンしたかとばいー」「アイヤー」といった具合に使うにはちと厳しい。そんなわけで手許に置いといて、必要なときにスパッとつないで使えるPetiScanの必要性を感じてしまったというわけだ。Windows XPが出る前の機種だが、メーカーサイトの情報にもあるとおり、Windows 2000用のドライバを使えば動作はする。

▼まあ正直言って、昔の機種なんで今となってはつらい部分もけっこうある。スキャニング速度は遅いし、画質もあんまり良くない。また最大がA6と、B6よりもちっちゃいので、漫画単行本の表紙のスキャンには向いていない。でもまあこまごまとした引用のためなら、かなり使えるはず。中古なんで値段も大したことなかったし、前から興味をそそられる製品ではあったので、そんなに後悔することはないんじゃないかなー、とは思う。それにしても最近はこういうちっちゃなスキャナってなくなったなあ。あると便利なんだけど。個人的にはA5まで対応の、漫画単行本に最適なスキャナがあったらいいのに。そんなに売れるとは思わないけど。

▼未読物
【単行本】「BR II ブリッツロワイアル」2巻 富沢ひとし 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「がんばれ酢めし疑獄!!」5巻 施川ユウキ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
▼29日売り
【単行本】「探偵儀式」1巻 漫画:箸井地図+原案・脚本:大塚英志+原作:清涼院流水 角川書店 B6 [Amzn]

【雑誌】モーニング 6/10 No.26 講談社 B5中

 作:網本将也+画:吉原基貴「U-31」。故障を機会にしばらくスタメンから外されていた河野に対して、監督の要求したことは……。失意の後、またしても新たな展開が。一人のサッカー人の浮き沈みをつぶさに描いていて、やっぱり面白い。次回も盛り上がりそうだ。林明輝「BigHearts」。東日本新人王トーナメント2回戦決着。丁寧な物語作りでやはり面白い。なお次回は9月発売の別冊モーニングに掲載となるらしい。

【雑誌】ヤングサンデー 6/10 No.26 小学館 B5中

 作:金城一紀+画:秋重学「レヴォリューションNo.3」。クライマックスを迎えて引き続きアツい展開。青臭いけどテンションがビンビン高くていい。長尾謙一郎「おしゃれ手帖」。東京の世知辛さに思い悩んでいた天井裏の間男アフリカン・スライが運命の出会いを。意味なくワイルド。かつ思わぬ新展開につながっていくのか。まあこの作品の場合、ほぼ全編思わぬ展開なんだけど。

【雑誌】ヤングジャンプ 6/10 No.26 集英社 B5中

 中野純子「ちさ×ポン」。ついに長らく持ち越してきた初体験を済ませた二人。たいへん甘酸っぱく心温まる感じだったが、その後は二人とも頭がそれでいっぱいになって猿状態に。まあ無理もないと思います。でも一難去ってまた一難。いろいろあるカップルでございますな。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/10 No.26 秋田書店 B5平

 今号は松山せいじが2本立て。「エイケン」が150回記念の巻頭カラー、それから読切「校舎の中の少女たち〜塚森さんの場合〜」が掲載。まあ読切もいつもな感じのテイストです。それにしてもこれが150回も続くなんてねえ。しみじみした気持ちになりました。佐渡川準「無敵看板娘」。こちらもいつの間にか99回め。戦隊モノの悪役女ボスに惚れてしまった太田さんが、自らのアイデンティティーについて苦悩するという回。いつもは常識人っぽい太田さんも、この手の話題がからむと一気に鬼畜と化す。キャラにみんな一癖あって楽しい。で、次号は100回記念で巻頭カラー&2本立て。原作:氷幻崇人+画:THE SEIJI「かりんと。」。このところ委員長の本当の気持ちが明らかになってきて、恋愛模様の終着点も見えてきたかなといった感じ。ちゃんと面白いラブコメに仕上がっていると思う。

【雑誌】くノ一 斬! VOL,02 司書房 B5平

 時代劇系エロ漫画雑誌第2号。ちゃんと継続して刊行していくのだなあ。井ノ本リカ子「忍者じゃじゃ子ちゃん」は、どんくさいけど大人になる忍法を使えるくノ一のじゃじゃ子が、ちょっとしたことがきっかけで幼なじみ男子とエッチするというお話。BENNY’S「対決!!美少女剣士」は、男装して剣術指南役をやっていた少女が、くノ一の女の子のせいでおつきの男とやっちゃうことになる。井ノ本リカ子もBENNY’Sも、量感たっぷりでやわらかそうな乳描写が秀逸。どっちもしっかり実用的。稲葉晃次は初登場。「忍者あやめ伝」。8ページと短くシンプルな絵柄だけどなかなかエッチ。花妻見枝豆丸「ちぎり」も6ページで短い。でもラフな雰囲気を残した華やかな絵柄はパッと目をひくものがあり。

【単行本】「ヨイコノミライ!」1巻 きづきあきら ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]

 うはー、底意地悪い……。絵柄は華やかながら、帯に「…痛いです。」と書いてあるけど読んでいると本当にチクチク痛い。お話は、とある高校の平凡な漫研が舞台。半端なオタクばかりが集まってヌルい空間を作り出していたその漫研に目をつけた少女・青木さんが、彼らのコンプレックスや自尊心などを刺激することで、漫研をしだいにバラバラにしていく。

 この青木さんの視点はめちゃめちゃシビア。楽しくやってる漫研のメンツは彼女によれば、「感想と批評の区別もつかない自称批評家」「現実が直視できないオカルト少女」「文芸部からはみだしたボーイズ作家」「声優気取りで甘えた声…自己愛の強烈なナルシスト」「口ばっかりプロの半可通」「なんの取り柄もない ただのオタクに居場所を感じている無能オタク」とのこと。そして彼らをまとめて同人誌を発行しようと考えている、主人公格で編集者志望の井之上くんのことを「ゴミみたいな」「ただの消費者をモノを作る人間にできると信じてる」「おめでたい人」と切って捨てる。確かにその通りなんだけど、まったくもって容赦がない。

 それからその漫研メンツの間の人間関係も、一皮むけば妬みや僻み、侮蔑などが潜んでて、青木さんを触媒としてそれがどんどん表面化していく。一見楽しそうな部活モノっぽくスタートしながら、こういう居心地の悪いストーリーが展開されていくのだ。これが冒頭に書いたとおりたいへん痛い。しかもオタクをやっている人間なら、漫研のオタク連中のどれか一人くらいには自分と通じるところを感じてしまうだろうから痛さも倍増。自分も「感想と批評の区別もつかない自称批評家」の天原くんとか見てると、アイタタタ……という感じになるし。今後この漫研のメンツがどうなってっちゃうのが、続きがたいへん気になるところ。まあ気になったら掲載誌であるWebコミック誌、COMIC SEED!のほうを読めばいいんすけどね。何はともあれどうなっちゃうんだろうとやきもきさせる、楽しみかつ怖い作品になってると思う。

【単行本】「犬嶋高校行進曲」2巻 小松大幹 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も非常に気持ち良く読める。ヤンキーものに分類されるタイプの作品ではあるものの、メインで描かれる犬嶋高校の生徒たちは、周囲の人間から蔑まれ、ケンカも弱く、カツアゲの対象になっているような落ちこぼればかり。そんな彼らが少しずつ、誇りを取り戻していく様子を描いた物語はとてもアツい。あと言葉がいい。友を想う心から湧き出してくる言葉の数々には力がこもっていて思わずほろりとさせられることしばしば。いやー、これはいいです。普段はヤンキーものを敬遠しているような人にもオススメしたい。本当に面白いので。

【単行本】「いちごにゅうにゅう」 ねんど。 東京三世社 A5 [Amzn]

 ロリ系のエロ漫画。前から完成度の高い絵柄だったけど、最近になってさらに良くなってきた。描く女の子たちが、いい意味でお人形さんっぽさを増してきたというか。くりくり丸い目、そしてひときわ目をひく丸いおしりなどなど、ちっちゃな女の子がかわいく描けている。ちょっと「わたおに」とかを思い出したりもした。かなりぷにぷにしててええ感じです。


5/26(水)……鰤ティッシュ

▼eS!BOOKSがリニューアルして、雑誌定期購読の登録雑誌数も増えたっぽいのでさっそく注文しようかと思ったんだけど、今のところデータが登録されただけで注文できないのが多いっぽい。データ的にはアフタヌーンとかバーズとかもあるんだけど、まだ買えない模様。見たところ週刊誌とかもあるようだが、そのうち買えるようになるんかな。とりあえず買える雑誌と買えない雑誌がごちゃまぜなのは見にくいので、なんとかしてくれーという要望メールは送ってみました。

▼未読物
【単行本】「ヨイコノミライ!」1巻 きづきあきら ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「あっさりショコラ(仮)」 いくえみ綾 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
▼27日売り
【単行本】「いちごにゅうにゅう」 ねんど。 東京三世社 [Amzn]
▼28日売り
【雑誌】フラワーズ 7月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS
【雑誌】阿ウン 7月号 ヒット出版社 B5平
【雑誌】リトルピアス 7月号 東京三世社 A5中
【単行本】「HAPPY VALLEY」 あんみつ草 三和出版 A5 [Amzn]
【単行本】「秘密の女子寮」 おがわ甘藍 松文館 A5 [Amzn]

【雑誌】少年エース 7月号 角川書店 B5平

 なんかページ数大増量な号。836P。厚い!重い!読みにくい!! いやまあいいんですけどね。ただページ数が多いせいか、心なしか印刷が悪いような気がしたんだけど、自分の買った個体の問題すかね。あー、それにしてもこれだけ重いと通販にしたくなってくる。同日発売のガンダムエースも重いからなおさら。eS!BOOKSのほうはまだ注文不可。実は角川書店の直販でも送料無料の定期購読サービスはやっているのだが、Webから申し込むと振込伝票が届いてコンビニか郵便局で振り込むという形式である模様。わざわざ振込に行くのが面倒なので申し込んでなかったんだけど、そろそろ考えるかな。どうせなら払い込みもWebからできるようにしといてくれればいいのに。それにしても今号くらい厚くなると、さすがに郵便受けには入らないなー。

 今回の吉崎観音「ケロロ軍曹」は2本立て。アニメ版のエンディングに出てくるアフロ軍曹のお話があり。そういえば最近感想書いてなかったけど、アニメ版のほうはだんだん面白くなってきていると思う。登場キャラが増えたことで、ネックだと思っていたナレーションの比重が小さくなったし、テンポも良くなってきた感じ。作画や動きのクオリティはコンスタントに高いので、ストレートに楽しめる状態になってきました。巻頭は水無月すうの新連載「JUDAS」。女の子と見紛うようなカワイイ男の子と、彼に取り憑いた死神がさまざまな事件に遭遇というオカルトアクションもの。主人公男子のコスプレと、派手なアクションが目玉といった感じかな。

 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ「NHKにようこそ!」。6話めだけどなかなか好調にきているんじゃないでしょーか。ダメヤング青春物語を賑やかに展開してて、小説は読んでない私でも楽しく読めております。桂明日香「螺子とランタン」。幼い女公爵とその家庭教師・ニデルを中止に楽しく日常が展開。でも今回はニデルの幼なじみであるメイドのノラ、ニデルの異母弟・アーサーのほうがメイン。ノラの奔放だけれど情に篤いキャラクターが魅力的。物語の基本構造的には、LaLaでやってた森生まさみの「ミモザとサラダ」に似てますな。

【雑誌】ガンダムエース 7月号 角川書店 B5平

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は衝撃の展開。何が衝撃ってあんた、ズゴックですよズゴック。THE ORIGIN版のスゴックはアニメ版とかなりデザインが違うんでございます。テレビ版と比べると胴体にやけに凹凸があって、乳ができとるとですよ。全国のズゴッカーの叫びが聞こえてきそう。例えていうならドロンパがU子さんになったみたいなものか……(違うと思う)。

 徳光康之「MIAドム 2ndバージョン発売!!」は、表題のものの発売が迫っているということで、徳光康之がバンダイに取材に出かけるという話。いやー、これこれ。ガンダムエースにはこういう漫画が欲しかった。もっとガンプラだのオモチャだのの漫画はどんどんやっていくべきだと思う。それにしてもドムはいい。一番好きなモビルスーツです。あと今号には、次号から連載開始予定のあきまん「月の風 ∀ガンダム外伝 ロランの日」の予告編が掲載。予告編といっても8Pフルカラーでけっこう満足感はあり。ロラン萌え〜。

【雑誌】コミックガム 7月号 ワニブックス B5平 [定期購読:eS

 作:中山文十郎+画:ぢたま(某)「まほろまてぃっく」が、来月の最終回を控えてクライマックス。雑誌の表紙に「まほろ、最期の時!!」という文字がデカデカとあるとおり、ショッキングな展開。単行本は8巻が最終巻。初回限定版にはまほろの彫刻が施されたクリスタルがつくとのこと。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/9 No.26 小学館 B5平

 藤田和日郎「からくりサーカス」。シルベストリ編が決着。脇役の敵キャラにもしっかりドラマを作り、激しく見せて、かつ泣かせるあたりはさすが。井上和郎「美鳥の日々」。沢村の気持ちをほかに向けさせることで美鳥を元に戻すというアイデアを思いついたコータが、思いきった手段に。なかなかの力ワザだし、物語的なつじつまも合っていると思う。コータにとってはまさに趣味と実益。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/9 No.26 講談社 B5平

 井上三太「Tokyo Drive」が読切で掲載。ファミレスでウダウダいってた若衆たちが、ドライブに出かけてナンパして……ってなお話。大きな事件も起こらず、ちょっと行動する「The3名様」といった趣。こういうぐだぐだしたのってけっこう好き。あとファミレスのドリンクバーでのウマいココアの入れ方はちょっと面白かった。深めのコップにココアを注ぎ、そこにエスプレッソを足すとのこと。なるほどねえ。

 大暮維人「エア・ギア」。やっぱりこの人は女体だ!という回。尻、乳がばいーんぼいーんと来て、ブランドバック仮面、真☆スク水仮面とノリノリ。ここまでのお話はあんまりつかんででないのだが、なんだか楽しそうだった。西条真二「麺王フタツキ!」。美人になるラーメンとかいって、なんか力づくなことをやっている。まさに巨乳ラーメン。ながしま超助の「ジェット上司」にも巨乳ラーメンというのは出てきたが、アレは巨乳の人がいるラーメン屋さんだったのに対し、フタツキのは巨乳になるラーメン。馬鹿馬鹿しくて良いと思う。

 コージィ城倉「おれはキャプテン」。2回戦が終了。大振り野球の勝ちっぷりは気持ち良かったが、清原天皇の不屈の執念も面白い。このくらい単純に悔しがってくれるといいね。作:安童夕馬+画:朝基まさし「クニミツの政」。今回は農作物や畜産物を蝕む抗生物質の害についてレポートしていて、やけに社会派な内容。読みごたえはある。ただ日本の場合、輸入食品に頼るところが大きいんだから、クニミツが日本でどうこうしたからって変えられるわけねえよなあとも思ってしまう。でもやらないよりはやったほうがマシであるというのも間違いのないところではある。

【雑誌】スーパージャンプ 6/9 No.12 集英社 B5中

 宮下あきらが漫画化25周年記念ということで、江田島平八と対談しているのが笑った。
「江田島:わしが男塾塾長、江田島平八である──────っ!」
「宮下:俺が漫画家・宮下あきらである──────っ!」
 こういうところはさすがです。なお25周年企画ということで、民明書房本「民明書房大全(仮)」が夏に発売予定。中西やすひろ「Oh!透明人間21」は、スーパージャンプでは今回が最後で、次回からオースーパージャンプ(6月18日発売号より)に移籍とのこと。まあタイトル的にはそっちのほうが合ってますな。

【単行本】「やさしいからだ」1巻 安永知澄 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 初単行本。めでたい。平凡な人々たちの暮らしの中から、心ざわつく情景を丁寧にすくい取った連作シリーズ。主人公は毎回変わるものの、世界自体はつながっていて、同じ事象を回によって違う視点から見つめたりするという形式。時系列もさまざまで、ある話では子供だった登場人物が、次の回では大人になって登場したりといった具合。なんということはない日常を描きつつも、その中にフェティッシュな秘密を潜ませて、スリリングな雰囲気を加味しているところがいい。絵柄はスッキリしててたいへん上品なんだけど、全体の雰囲気は官能的でもある。

 個人的にとくに印象に残ったのが、第2話の岬はるかさんを主人公に据えたストーリー。円という名前の同級生の少年に恋している彼女だが、実は自分は彼の丸刈り頭に惹かれていただけのではないかということに気づく。彼女が昼寝中の円くんの頭に舌を這わせようとするシーンは、なんとも新鮮なエロチシズムを感じさせてくれた。もちろんこのほかのお話も良い。小さな秘密を抱えた人たちの心理を描き出す、繊細な筆致が秀逸。今後にも期待したい作家さんであります。

【単行本】「放浪息子」2巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 この巻も二鳥くんたちが可愛くて楽しい。二鳥くんと高槻さんが交換日記を始めたり、彼らとクラスが違っちゃったことで悲しんでいる千葉さんが、この巻ではたいへんよろしいなと思った。あと彼らの女装趣味、男装趣味についての秘密が、ちょっとずつちょっとずつ漏れ出していっていて、このあたりの動きもスリリングでドキドキさせられるものがある。

【単行本】「エマ」4巻 森薫 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 うひょー、ドラマチックでございますなー。というわけでヴィクトリアンな英国を舞台にしたこのラブロマンスは、どんどんいい感じで煮詰まり盛り上がってきております。離れ離れになったエマとウィリアム、彼らはそれぞれの新しい生活を始めるものの、欠落感は埋められぬまま。ウィリアムは失望のあまり突っ走っちゃうわけだが、その中でエレノアお嬢さまにときめいたりと(ウィリアムがではなく読者が)、いろいろ面白い。ストーリー的にはキレ良くダイナミックで、大ゴマとかも効果的に織り交ぜつつも、細部にはきっちりこだわり心理描写も繊細。趣味に走り描きたいことは描きながらも押さえるべきところは押さえる。そこらへんの力配分、バランス感覚が絶妙であると思います。


5/25(火)……冷凍レーシング

▼このところ職場でメシを作るときに重宝しているのが冷凍野菜。とくに冷凍の玉ねぎスライスとみじん切り。スライスの一片一片が互いにくっついておらず、バラバラなのでちょっとした料理に使いやすい。職場に泊まるときはたいてい「この時間だと終電に間に合わないなー」という場合が多く、その時間帯だとさすがに生鮮食料品を売ってる店も少ないんで、こういうものをストックしとくと「野菜食いてえ〜」とムラムラしたときに便利。炒め物に使いやすいし、インスタント味噌汁とかに一つアクセントを加えたいときなんかにもいい。500gで200円とお値段も手頃。インターネットでそういうのガバッと買えるところってないかなと探してみたところ、ヤフーショッピングのユニフーズにはけっこうあるみたい(玉ねぎは「根菜類」のところにあり)。でも送料がちょっと高いのが難。3000円以上買うと送料が500円になるのでそこらへんがお買い得なのだが、1袋200〜300円程度なので、3000円分埋めるのはけっこう厄介かもしんない。一人暮らしの人向きな備蓄食品なんだけどね。

【雑誌】アフタヌーン 7月号 講談社 B5平

 新連載、瀬尾浩史「アキバ署!」がスタート。しっかりしたペンタッチで描き込みも細かく、造形も気持ちいい。篠房六郎や鶴田謙二、その他いろいろ達者な人たちを思い起こさせるところのある画風で、うまいです。お話のほうはアキバ(ていうか外神田)の警察署に新設された、ハイテク犯罪相談室に配属された刑事が、ネットだのそういう事件がらみのお話を追うという物語。まず最初はファイル交換ソフトが女子高生にもたらした悲劇を扱っており、タイムリーかつショッキングな内容。絵も十分、ネタも新鮮。ただ個人的にはちょっと読みにくい感じはした。とくに導入部。細部まできっちり描かれているのでキャラが浮かび上がってきにくい、本のノドの読みづらい部分に重要な情報なセリフがあったりする、立ち上がりで誰が主人公なのか分かりにくい……とかかなあ。あとページ数が70ページほどあるのは、お話がシンプルなわりにはちと長いとも思えた。もう少しコンパクトにまとめて、テンポ良く構成したほうが良かったような。新連載ということで、いろいろ詰め込もうとちょっと気負っちゃったのかもしれない。でも絵はやはり魅力的だし、目の付け所も悪くないとは思うので、まずは期待。

 アニメ化も決まって好調な「げんしけん」は表紙&巻頭カラー。今回はオタクのファッションの話。いやー痛いところをまさぐりますね。自分としては間違っても他人のことをとやかくいえないジャンルです。でもとりあえず洗濯しない人はどうかと思う、程度のことはいえる。しかしそのレベルでしかない。とよ田みのる「ラブロマ」。今回は星野&根岸がメインではなく、気になる二人のお友達、陽子ちゃんと塚原くんのお話。絵だと塚原くんはそんなにデブには見えないのでけっこうカッコイイと思う。四季大賞受賞作品、松木洋一郎「Flat Out」は、サラリーマンをやりつつ国際A級のモトクロスレーサーになった遅咲きのバイク乗りの青春ストーリー。絵柄はちょっと固めながら、迫力のある画面作りで楽しめた。お話のほうもオーソドックスな感じで、奇をてらわず正攻法できているところが気持ち良く感じた。

【雑誌】イブニング 6/8 No.12 講談社 B5中

 週刊漫画アクション休刊とともに連載休止していた作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」がこちらで復活。これまで読んでなかった人に分かるかな……とは思うけど、大河作品ではあるしきちんと再開してくれたのはやはり喜ばしい。吉田基已「恋風」。うはー、今回はこりゃまた。お兄ちゃん、ていうか耕四郎さん、逃げ場まったくなし。アニメ版のほうもタイヘンだけど、こっちのほうももう国士無双十三面待ちってな様相で、兄妹ともに決壊寸前。たまらん。

【雑誌】月刊IKKI 7月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社

 なんか最近、雑誌全体に意外性がなくてわくわくしないなあ。原一雄「のらみみ」は、ちょっとハードボイルドなお話。居候をしていると見せかけつつスパイをやっているキャラの、ちょっと哀しい物語。最後は暖かく締めくくられててほっとする。この人はコンスタントにやりつつ、毎回新しい工夫を凝らしてていいです。新人賞のイキマン受賞作品、鈴薗カリオ「知恵熱」。同級生の少年を一目見てフォーリンラブしてしまった女の子が、妄想全開で、彼にアタックするべくよく分からん暴走を始めるというお話。ポップでシャレた絵だが、カッコ悪く崩した過剰な部分もあってなかなか印象的。主人公女子だけでなく想われ人である男子もヘンな人であるのはけっこう楽しい。全編通してきっちりギャグとしてまとめ上げてて、器用かつうまい。

【雑誌】ビッグコミック 6/10 No.11 小学館 B5中

 作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」は、最近話題の骨抜き加工した魚のお話。ちょっと興味のある分野だったので、ぜひ詳しくやってほしい。岡崎二郎「アフター0 Neo」は、またしてもサンショウウオのサンちゃんが登場する回。岡崎二郎的には、やっぱり今はサンちゃんを描きたいのかもしれないなーとか思った。

【雑誌】漫画サンデー 6/8 No.21 実業之日本社 B5中

 作:新堂冬樹+画:千葉きよかず「炎と氷」。若瀬の計略にハマった世羅は今回も大暴れ。それにしてもこの人は、直接乗り込んでってぶん殴ったほうが絶対早いと思う。なんで金貸しなんかやってるんだろう。理由はここまでで描かれてきてはいるんだけど、やっぱりそう思ってしまう暴れっぷりではある。

【雑誌】ヤングチャンピオン 6/8 No.12 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。地井さんとよく遊んでいるエイタローだが、相手の気持ちは見抜けず、鈍さ爆発。そろそろこの二人の関係をメインにサクサク進めてってほしいところではありますが。A2「A2のたべるほ?」は今回で最終回。

【雑誌】手塚治虫マガジン KKベストセラーズ B5平 [定期購読:eS

 まあ別に新たに書くこともなかったりはするんだけど、どの作品もしっかり読めるし面白い。ピノコとかサファイアとかかわいいなあ。いつもながら手塚女子には萌える。


5/24(月)……πノート

▼今日はなんだかぼーっとしてて、行きの通勤電車で目的の駅(三越前)の二つ前(神保町)で降りてしまった。いつもだと寝過ごすことのほうが多いので、自分としては珍しいパターン。で、降りた後もそのことにしばらく気づかず、エスカレーターを上って外に出ようとしたところで初めて「改札口の形がいつもと違う……」などと狼狽する。その後は電車に乗り直すのも面倒だったので、神保町から職場までてくてく歩く。途中で高岡書店に寄って本を買ったのだが、なんだかお店のねえちゃんもぼーっとしていたのか、1万円払って4000円おつりのところを9000円手渡される。こちらもボケていたので一瞬そのまま財布に入れそうになったが、なんだか漠然とした不安を感じてじっと手を見たところ、つり銭間違いが判明。高岡書店は昔から何度となく客あしらいにムッとさせられてきた店なので、一瞬そのままもらっちゃおうかとも思ったが、さすがに気が引けたので5000円は返却。まあこういう日もあるということで。

▼そんなふうにぼーっとしているせいか、このところ日記の中で、誤字脱字、タイトルやら固有名詞の間違いが増えてます。たいへん申し訳ありません。最近は本を読んでいったん寝てから文章書いて更新するというパターンが多いせいか、頭がうまい具合に回っていないのかも。そういったミスにお気づきになられましたら、メールでも掲示板でもけっこうですんで、遠慮なくガンガン指摘してやってください。可及的速やかに修正させていただきたいと思いますので。

▼未読物
【単行本】「水鏡綺譚」 近藤ようこ 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]
▼25日売り
【雑誌】アフタヌーン 7月号 講談社 B5平
【雑誌】イブニング 6/8 No.12 講談社 B5中
【雑誌】ビッグコミック 6/10 No.11 小学館 B5中
【雑誌】漫画サンデー 6/8 No.21 実業之日本社 B5中
▼26日売り
【単行本】「やさしいからだ」1巻 安永知澄 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「放浪息子」2巻 志村貴子 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「エマ」4巻 森薫 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「金平守人のかいつまんでななめからバッサリ」 金平守人 宙出版 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「犬嶋高校行進曲」2巻 小松大幹 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】ヤングキング 6/21 No.12 少年画報社 B5中

 小池田マヤ「聖★高校生」は今号から連載再開。そしてのっけから濃い展開。紆余曲折の末、ようやくジュンと心を通い合わせた神保だが、彼女の一番にはなれず、またしても失意の底へ。そしてついにあの人と出会う……。いやー、ハードで読みごたえありまくり。面白いなあ。すごく青春してますよ。ジェームスほたて「ラブ♥ハニ」が最終回。主人公の家に突然美人3姉妹がやってきて同居することになって……というところから始まったHもたっぷりな感じのラブコメ。ストーリー的には3姉妹のうち二人があんまり生きてなくて、ちょっとまとまりが悪かったと思うけれども、局面局面での恋愛およびエッチの密度は濃くインパクトはあった。電車の中では読みにくいエロ濃度ではあったものの、華やかで瑞々しかった。単行本は7月発売予定とのこと。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 7月号 竹書房 B5中

 せきやてつじ「おうどうもん」はクライマックスで次号が最終回。おとうちゃんが死に、ケンタが復活して以降の展開はちょっとアッサリしてたような気もする。毒蛇の引き出しがもう一段欲しかった感じ。もう少し引っ張っても良かったかな。作:安田潤司+画:中村毅士「牌の音」。相変わらず雀鬼様の生暖かい笑顔が素敵すぎ。写実的なタッチなのに、安田さんが役満喰らって血をブッと噴き出したりするギャグっぽいシーンが混ざったりするあたりも、違和感ありすぎて素晴らしい。

【雑誌】ヤングマガジン 6/7 No.26 講談社 B5中

 ロクニシコージ「こぐまレンサ」。今回でこれまでのお話がだいたいすべて結びついたかな。バラバラに思えていたお話がどんどん一点に収束されていく様子がかなり気持ちいい。最終ページに「次号、”チチェ”の結末」と書いてあるけれどさてどうなるか。押見修造の毛剃りストーリー「スイートプールサイド」は毎回面白いと思っていたのだが、次号で最終回とのこと。1巻分には若干足りないかなあと思うけれども、短編をプラスしてぜひ単行本化してほしい。あと作:永井豪+脚本:原田重光+画:湊青樹「けっこう仮面P」も次号で最終回とのこと。三田紀房「甲子園へいこう!」も終わりが近そうだし、雑誌全体にだいぶ空気の入れ替えにかかってる感じ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/7 No.26 小学館 B5中

 真鍋昌平「闇金ウシジマくん」3回め。今回のウシジマくんは「若い女ならいくらでも回収する方法はある!」との言葉どおり、若い女にどんどんお金を貸して、どんどんしぼる。落とし込んでいく手口がネチっこくて面白い。小田扉「団地ともお」。今回はともお家の隣に住む麻雀狂いのにいちゃんがメインのお話。いかにもともおファミリーらしい個性のあらわれた家族麻雀ぶりが愉快。村上かつら「CUE」。しっかり青春演劇部漫画。竹田くんが演劇部員として見込まれた片鱗を発揮してて「おっ」という感じ。まあ一筋縄ではいかないだろうけど、ここらへんからお話はどんどん加速していきそう。なかなか手応えがあって面白いです。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/7 No.26 集英社 B5平

 天野明の新連載「家庭教師ヒットマン REBORN!」が開始。昨年11月17日の日記で感想を書いた、12/1 No.51掲載の同名タイトル読切が連載化。かわいいけど凶悪なヒットマンが、気弱な少年・ツナの家に住み込みの家庭教師としてやってきて、「死ぬ気弾」と呼ばれる人を死ぬ気で頑張らせる銃弾を用いて、ツナを一人前に仕立て上げようとする、というお話。基本的な設定は読切時と同様。まずは健康的でドタバタ元気よく、しっかりまとまっている。ただしジャンプの場合は、他誌以上になんらかの突出したものがないとなかなか定着できなかったりするので、まとまっているだけではちと弱いかもしれない。てなわけで今後連載を続けていく過程で、何かそういう武器ができてきてほしいところ。期待している人ではあるので。大亜門「無敵鉄姫スピンちゃん」。相変わらずパロディネタが多いときは面白い。今のところやっぱり第1話が一番面白くて、それを超えるインパクトは出せていないと思うけれども。大胆なことをやっても不快じゃないタイプだし、もっともっと弾けちゃっていただきたい。

【雑誌】LaLa 7月号 白泉社 B5平

 森生まさみは2本立て。「ミモザでサラダ」と「おまけの小林クン」が掲載で、2作合計で80Pともりもり仕事してます。で、「ミモザでサラダ」は最終回。莫大な遺産を相続したお嬢さま・ミモザと、人間らしい感情を持たぬまま生きてきたボディガード・カイルのほのぼのラブロマンス。ミモザの初々しさと、彼女と一緒に過ごすことで人間らしい感情を目覚めさせていくカイルの様子が楽しく暖かく描かれていて楽しいシリーズだった。ラストもすっきり後味良し。めでたしめでたしで面白く読めた。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。今回は妹1人と兄4人で海へ。妹ちゃんは今回もますますロリロリ。ヤングアニマルに載っててもおかしくねえ萌え萌えっぷりだ、そう思いましたでごんすよ。


5/23(日)……ビーズぶらぶら

【単行本】「ハチミツとクローバー」6巻 羽海野チカ 集英社 新書判 B6 [bk1][Amzn]

 コンスタントに楽しく読める。はぐ×森田のパン焼き勝負や、藤原デザイン事務所のダサい服着せ勝負など笑える面白いシーンもいろいろ。のだけど、個人的には最初のころと比べると停滞気味かなという印象を受けている。この作品の場合、「森田−はぐ←竹本」「リカ←真山←山田」の2本の恋愛関係を柱として、そこに友情やギャグなどを絶妙なバランスでからめながら進めてきた物語だと思うんだけど、このところ恋愛部分は完全に膠着状態に陥ってしまっていてなかなか動かしがたい状況になってしまっている。真山・山田のところに野宮をからませて多少新展開はあるものの、野宮はほかの6人と比べるとなんとなくキャラ的に弱い感じもするんで、読者的に思い入れのあるいい娘さん・山田をくれてやるにはちと物足りないような。はぐ&森田も惹かれ合い認め合ってはいるものの、両方とも天才芸術家だし、恋愛方向に専心するタイプとも思えない。

 本筋部分が動かしにくくなっているせいか、ギャグの割合が増え気味な感じもする。面白いことは面白いのだが、この作品の場合、センチメンタルな恋愛描写、ギャグ、友情……などといったさまざまな要素がどれ一つとっても上物でありつつ、絶妙なバランスで共存していたところが大きな魅力だったように思う。ギャグ成分の増加により、このバランスがちと崩れ気味かな〜という印象も受ける。ここまでは(一度掲載誌が休刊の憂き目にはあったものの)とんとん拍子で来た本作だけど、ここらへんが踏んばりどころかなという気はいたします。

【単行本】「てるてる×少年」8巻 高尾滋 白泉社 新書判 B6 [bk1][Amzn]

 しの姫と才蔵の深まった愛情が表に現れるシーンは、なんとも初々しくて甘くてしみじみいい。こういう心理描写の繊細さは高尾滋の美点。良いです。その反面、物語のディティールなどの叙事的な説明部分は弱くて、物語が物理的に動き出すと途端に何が起こっているのかつかみづらくなるのが惜しい。この巻は御城の家の秘密を巡って大きくお話が動いているのだが、アクションシーンとかになるとどうも全体の流れが見えにくくなる。でも物語自体はクライマックスに向けて、より切なさを増し盛り上がってきてはいるんで、今後の展開にも期待してます。

【単行本】「ラヴラビイズ」1巻 松本英 秋田書店 A5 [bk1][Amzn]

 チャンピオンREDで連載中の女の子いろいろな、ちょっとブラック気味な学園まったりギャグ漫画。中学1年生の女の子・藍田愛が、どう見ても着ぐるみを着た人間の女の子にしか見えない犬・ラヴを拾ってきたところから始まり、学園内で起こるさまざまな出来事を描いていくという感じ。軽いノリながらも強引で濃い目の味付けのギャグはわりと好き。ラヴのいやがらせに打ちひしがれる巨乳娘の北見さんら、脇役が充実してきて、少しずつ面白くなってきている印象。

【単行本】「capeta」4巻 曽田正人 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 カペタのサーキットデビューは上々の出来。カートでレースするのは初めてながら、そのクラスでのコースレコードを叩き出したりと、才能のキラメキを存分に見せつける。手探りでコツを見出し、ノウハウを獲得していく様子にいちいち手応えがあって、グッと力が入る。アツくてしっかり面白い。

【単行本】「蒼天航路」31巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 そろそろ曹操、劉備陣営のおなじみのメンツたちも年をとってきて、櫛の歯が抜けるように一人また一人と表舞台から消えていく。いずれは曹操や劉備も……というわけで、戦闘シーンなどは激しいながらもしんみりしたものを感じさせる展開となってきてます。お話的には赤壁以降、短いエピソードが連続していく形となっているので、ちょっと慌ただしい感じかな。

【単行本】「無限の住人」16巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 卍の不死能力を他人に移し替えるための人体実験が続く。体の一部分だけ交換したり、じわじわやっていく過程は個人的にはけっこう面白く感じた。ただこの展開だとアクションシーンとかはどうしても少なくなっちゃうし、ちょっと長々やりすぎかなーという気もする。もう少し、ザクザクお話が進んでいってくれるとありがたい。


5/22(土)……貝柱制す

▼25日売り
【雑誌】月刊IKKI 小学館 B5平 [定期購読:出版社

【単行本】「素晴らしい世界」2巻 浅野いにお 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 若者やおじさんたちが生きていく日常の中での、悩みやら希望やらを、新鮮な感性で映し出した連作シリーズ。これが最終巻。生きていくことは辛かったり苦かったり痛かったりするけれど、その中に潜んでいて普段は気づかないような光に目をとめ、鮮やかに描き出していく作風が印象的で、作者の才能のキラメキを感じさせてくれた一作だった。クオリティについてもブレがなく、毎回興味深く読めた。パサパサした乾いた絵柄も達者。痛みを伴う青春ストーリーの描き手として、今後も注目していきたい存在。

【単行本】「てんでフリーズ!」4巻 ISUTOSHI 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。他人の超能力を増幅する能力の持ち主である梅八少年と、その能力に目をつけた色っぽい予知能力ねーちゃん小雪、その他の面々の日常を楽しく描いていったシリーズ。まあいちおう超能力バトルみたいなシーンもあるにはあるが、基本的にはまったりのんびりぼちぼちと。急ぐことのないゆっくりしたコメディ展開が、だんだん味を出してきて楽しく読める作品になったなーという印象。シャープながらもコミカル、トンガッているようで落ち着きのある絵柄もお話によくマッチしていた。けっこう好きな作品でした。

【単行本】「はるか17」2巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 はるかがだんだんアイドルとしての仕事にやりがいを感じ始めてきて、少しずつ成長&前進する手応えのある作品になっている。始まったときはイロモノ系かと思ったけど、物語の進め方はしっかりしてて読ませる。カタブツっぽかったはるかの表情が柔らかくなるにつれ、魅力もどんどんアップ。きれいな女性を眺めるのはやっぱり楽しいもんです。後味も爽やかだし好調。ただ雑誌掲載時はカラーだった、はるかの初CMシーンがモノクロになってたのはちょっと惜しいなと思った。

【単行本】「お子様ピュッピュ」 EB110SS メディアックス A5 [Amzn]

 ロリ系ではすっかり定番作家となった感のあるEB110SSの最新刊。あとがきによると本人はギャルや巨乳も好きだそうだが、幼女のほうもやっぱりかわいい。収録作品では、クラスの女の子たちと授業中でもヤッちゃってOKな開放的すぎる学校にやってきた、筋肉ムキムキ先生がスクールライフをエンジョイする「マッスル先生」シリーズが馬鹿馬鹿しくて良い。登場人物はみんな屈託がなく、カラッと明るくのびのび楽しい。でも全体としてはイカれたワンダーワールドだったりするあたりもいい。

【雑誌】COMICバニラ Vol.1 茜新社 A5中

 新創刊。目玉はなんといっても上連雀三平「となりの精液さん」。もう最初っから、フタナリお姉さんのちんちんをぶりぶり描いててさすがでございますなー。フタナリ姉にいつもやられちゃっている妹が、隣に引っ越してきた同じクラスになった、母親と近親相姦している少年に惹かれてしまい……という出だし。つづきもちゃんとあるそうで、またしてもイカしたちんちんワールドを展開してくれそう。楽しみ〜。そのほかの作品についても、けっこう手堅く使えそうな作品が多めで個人的にはけっこう好印象。

 巻頭カラーはあるぴーぬ「VOICE」。片想いの相手の声を思い浮かべながら学校のトイレでオナニーしていた少年が、実は相手も似たようなことをやっていたと知りHに突入……というお話。瑞々しい絵柄と、甘く爽やかでありながらけっこう変態的なシチュエーションが良い具合。東雲太郎「Swing Out Sisters」は、ちょっとかわいい感じの少年と、その二人の姉のH話。オチはなんだが、この人のシャープでキレが良く、滑らかな描線はけっこう好き。エロシーンも密度が高くてなかなかにエロい。翔丸「お願いユリ先生」は、女教師と男子生徒のラブラブHストーリー。いかにも人の良さそうなユリ先生は、ストレートロングな黒髪のスタンダードな美人系。なんだかんだこーゆータイプは好きです。やすいひろさと「拒絶と想いと禁忌」。知らない間にAV女優になっていた妹と再会した男が、それをきっかけにかつて封印してしまった想いを甦らせてしまうというお話。ぷにぷにふくよかな体の描き方がエロくてソソりますのう。

【執筆陣】あるぴーぬ、嶋尾和、東雲太郎、鴨川たぬき、南条飛鳥、上連雀三平、翔丸、保汀一葉、中野友貴、影乃いりす、やすいひろさと、草野たかゆき

【雑誌】ドルフィン 7月号 司書房 B5中 [定期購読:Fujisan

 くどうひさし「ひとまわり」。恋人関係にある女教師と生徒のお話。爽やかに甘くて良いですなあ。絵も気持ちいいし、コンスタントに楽しめる。天崎かんな「カグヤヒメサマ」は、とある男の部屋に巨大な筍が生えてきて、中からかぐやひめ様が……というお話。昼はちっちゃな女の子、夜は大人の美女に変身と一粒で二度おいしい状態。たけのこの里をポリポリ食べている子供バージョンかぐやひめの姿に和む。天崎はエロも好きだけど、このほのぼのした風味もいい。

【雑誌】純愛果実 7月号 光彩書房 A5中

 ゼロの者「新母」は、父以外の男と浮気していた実母に幻滅していた少年が、父の後妻もそんな女なのかと疑いを抱き、彼女を試すというお話。量感たっぷりな女体描写は相変わらずいやらしく、義母を疑う気持ちと信じたいという気持ちごちゃまぜになった少年の気持ちを描いたストーリーも、ヒネリが利いててなかなか。スズフウ「ナイショの茂みにて」は兄嫁モノ。兄嫁を女性として意識してしまって打ち解けた態度をとれない少年が、ふとしたことがきっかけとなってその想いのたけをぶつけてしまうというストーリー。テンション高めでしっかりエッチ。


5/21(金)……農奴継ぐの?オラ畏怖

▼アニメ「恋風」。えーとキッズステーションのみの放送回(6月7日「露霜」。放送日程はこちら)が抜けた後の第9話ということになるのかな。なんか後半になってから作画レベルが上がっているような。前半はおにいちゃんのほうが変態で、後半は妹のほうがズンズン押してきている。飲んで帰ってきたら、自分の寝床に妹が落ちてるなんて、もうそんなの妹ボンバーベッドって感じでしょう。残酷な妹が支配力を強めている。兄&妹もすごいが、やけにナイーブなメルヘン父がいつもながらねっちょり。恐ろしいご家庭だよう。アニメ化と聞いたときは正直なところ出来を危惧してたんだけど、予想以上に健闘している。面白い面白い。あと「恋風」の次の時間帯の「天上天下」も、なんだかいい具合に楽しんでます。

▼未読物
【画集】「コメット」 鶴田謙二 講談社 A4 [bk1][Amzn]
【単行本】「てんでフリーズ!」4巻 ISUTOSHI 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「蒼天航路」31巻 王欣太 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「無限の住人」16巻 沙村広明 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「はるか17」2巻 山崎さやか 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「G組のG」4巻 真右衛門 講談社 A5 [bk1][Amzn]
▼22日売り
【雑誌】ドルフィン 7月号 司書房 B5中 [定期購読:Fujisan
【雑誌】COMICバニラ Vol.1 茜新社 A5中
【雑誌】純愛果実 7月号 光彩書房 A5中
【単行本】「ラヴラビイズ」1巻 松本英 秋田書店 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「お子様ピュッピュ」 EB110SS メディアックス A5 [Amzn]

【雑誌】コミックバンチ 6/4 No.25 新潮社 B5中

 坂本タクマ「屈辱er大河原上」。今回は国広邦弘、通称ホッチキスの彼女が登場。意外とかわいい。あとホッチキスのこまごまとした日常品取り出し能力の凄さがまざまざと示された。感心したので早く単行本2巻を出してほしい。

【雑誌】COMIC LO Vol.07 茜新社 B5平

 単行本「恋愛賛歌」[Amzn]が出たばかりの宮内由香が巻頭カラー。「放課後塾〜中学生になりました〜」。塾の先生と女生徒の恋愛模様で、カラー部分が小学生だったころ編、モノクロページに入ってから中学生になってから編。どっちもかわいくてセンシティブ。甘みたっぷりでいい感じ。長月みそか「しーらぶずゆー」。少年少女の多角関係を切なく描写した物語は読みごたえ十分。もう少しで決着かな。次回予告に名前はないけど、これで終わりじゃないよね。

 完顔阿骨打「自習は屋上で」。ベテランながら、しっかり萌えさすいい仕事。失恋したばかりの先生に対して、クラス委員長の女の子が彼女になってあげるとにじり寄り。吊り目、三つ編みな委員長ちゃんがたいへんかわいくていい具合。川崎犬太朗「KID NAPz」は、女児狩りに繰り出した変態男が、逆に少女二人に拉致られていろいろイタズラされちゃうというお話。OKAMA似な質感の絵柄で描かれたエロエロなことへの好奇心たっぷりな二人の少女の様子が楽しい。あとは玉置勉強をつるんとさせた感じの絵柄の白浜将義「少女公ぉ論。〜犬のお散歩編〜」、素直ですっきりした少女絵の鬼塚直「コットン・テイル」あたりも気になった。

 ところで裏表紙の意見広告っぽいおなじみのアレだけど、今回はあんまりいい感じがしなかった。「小さな女の子には不用意に近づかないこと。」「自分の身は自分で守りましょう」っていうのは、冗談でやってることは分かるんだけど、なんか読んでいる人間が犯罪者扱いされてるみたいでどうも。

【単行本】「格闘新世紀 GO BOUT!」1巻 松本レオ 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 5年ぶりに帰ってきた高校生空手ファイター・合家豪が、新宿で行われているギャンブル格闘イベント「SJC」に、行方不明の兄を探すため参戦し、強敵と戦っていくという格闘漫画。スッキリとした絵柄で元気のいいアクション、それから人が良さそうで天然系な豪のキャラがほのぼのしてて、楽しく読める。格闘シーンはけっこう迫力があるし、整った画面作りで読みやすい。

「格闘新世紀 GO BOUT!」より  ところで連載時の感想でもたびたび書いているが、この作品において見逃せない魅力が、ヒロイン格である豪の幼なじみの女の子・あかりのパンチラっぷりだ。とにかくこの娘は物語の各所でパンチラしているのだが、「なんでこんなところで……」とか「なんでこんなちっちゃなコマで……」というシーンでやっていることが多い。これを探すのも最近は一つの楽しみとなっている。例えばここに貼り付けた画像は、週刊少年チャンピオンの最新号のものだが、こんだけちっちゃいパンチラのためにこのアングル、とか思っちゃうとなんだか和む。パンツのデザインも最近のパンチラ漫画にありがちな、しわがいっぱい描いてあって、ときに性器の形まで浮き出ているようなものとは対極的。けっこう布面積が広く、デザインも垢抜けない。そこがいい。そういうわけで格闘漫画であると同時に和み系パンチラ漫画でもあるなあと思うわけです。

【単行本】「おれはキャプテン」3巻 コージィ城倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。今回は、カズマサと同じように突如キャプテンに任命されて部内で独裁的な権力をふるっているものの、カズマサとは正反対に徹底した守備のチーム作りを目指しているキャプテンが登場。この似た者同士かつ両極端な二人のチーム操縦術が見ていて面白い。いやー、両方とも腹黒いです。ところで単行本のカバー見返しのところの作者コメントに「全国のキャプテン諸君から、カズマサのチーム作りをマネして痛い目に合ったというお知らせが続々届いた!!」とあって面白かった。実際にそういうお便りが届いているかどうかは別として、本当にアレやったら間違いなく嫌われるだろうし、試合にも勝てないでしょうなー。

【単行本】「ノー・ドッグ ノー・ライフ」 栗田勇午 三和出版 A5 [Amzn]

 犬大好き、フリスキ〜。名前は山岡士郎の奥様から、絵柄は浦沢直樹チックなのに、なんだか延々獣姦漫画を描き続けているちょっと変わった作家・栗田勇午の初単行本。獣姦モノというと、だいたいはSM的な感じでヤラれるほうを貶める意味で使われることが多いのだけど、この人の場合は女性が獣(犬)にマジ惚れする。フラフラと犬の獣根に吸い寄せられていき、その虜になってしまう。これはちょっと珍しい。犬まっしぐら。そして犬にまっしぐら。獣姦のわりには愛がある。それと同時に性行為は激しく、シチュエーションともども刺激的。こういうのを載っけちゃう、単行本まで出しちゃうあたりはさすが三和出版という感じ。特殊な意味で犬好きな人にオススメです。それとカバー裏のお遊び漫画は、ユーモアが利いてて思わず笑ってしまった。


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