2004年4月下旬


4/30(金)……酢めし容疑

エキサイトブックスコージィ城倉インタビューを執筆させていただきました。このインタビューについては、エキサイトブックス側から「誰かインタビューしてみたい漫画家さんいませんか?」と打診され、前々から一度お話を伺ってみたかったということでコージィ城倉さんの名前をいの一番に挙げて実現したものです。念願が叶ってたいへんうれしかったです。個人的には、この人のような、長くやっててしっかり実績を挙げている方のお話を聞くのはすごく好きです。

OHP月極アンケートのテーマ入れ替えました。5月は「復刻希望単行本2004」。同テーマは2000年4月以来、4年ぶりの実施となります。5月もよろしくお願いします。

▼4月分の「野球漫画」は終了。ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」が1位に。まあ単行本1巻発売直後だったので有利に働いた面はあっただろうけど、コージィ城倉「おれはキャプテン」と並んで、現在の野球漫画の注目作であるのは間違いないところ。両作ともこの調子で突っ走っていただきたいもの。

▼未読物
【単行本】「時をかける少女」 作:筒井康隆+画:ツガノガク 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「青春ビンタ!」5巻 私屋カヲル 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カラダニキイテ」 ゼロの者 一水社 [Amzn]
【雑誌】ポプリクラブ 6月号 晋遊舎 B5中
【雑誌】コミックメガストアH 6月号 コアマガジン B5平 [定期購読:Fujisan
▼6日売り(たぶん)
【雑誌】桃姫 6月号 富士美出版 B5平
【雑誌】コミックPOT 6月号 メディアックス B5平
▼7日売り
【単行本】「殺殺草紙」 駕籠真太郎 平和出版 A5 [bk1][Amzn]

【単行本】「魔女」1巻 五十嵐大介 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 素晴らしい。世界のあちこちの「魔女」たちの姿を描いていく連作幻想綺譚。五十嵐大介の細部まで非常に丹念に描き込まれた画面からあふれでる、エキゾチックかつミステリアスなイメージの奔流はまさに圧巻。とくに第1抄「SPINDLE」は抜群の出来。かつてイスタンブール(と思われる街)で恋人だった男に結婚を拒絶された英国の少女・ニコラが、30年の時を経て魔術を身につけて戻ってきて、バザールに呪いをかけようとするが……というストーリー。ニコラは呪いの力を操る魔女の禍々しさを、遊牧民族の少女・シラルは闇に呑み込まれることのない神聖なるものを、鮮やかなコントラストを描いて見せつける。そのほかの風景や建物などの描写もいちいち美しく、惚れ惚れするような逸品。第2抄「KUARUPU」は打って変わって、うっそうとしたジャングルの奥深く住まう民族の魔女を描く。こちらもスピリチュアルで混沌とした呪術の世界を展開していて、思わず吸い込まれてしまうような作品に仕上がっている。五十嵐大介作品の中でも1本1本のページ数が多く、非常に読みごたえのあるシリーズ。

【単行本】「はなしっぱなし」下巻 五十嵐大介 河出書房新社 A5 [bk1:/][Amzn:/

 こちらも復刻モノながらやはり素晴らしい。短いページ数で次々とファンタジーあふれるイメージを展開。「魔女」シリーズのような確固としたストーリーはないものの、その分、あふれ出る奇想、イメージが次から次へと降り注いでくる感じで、ページをめくるたびに新しい世界に出会える。すでに10年近く前の作品ではあるけれど、このころから絵はもう完成の域に達していてえらくうまい。今見ても一級品です。

【単行本】「ホムンクルス」2巻 山本英夫 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 紆余曲折あったようですが、2巻が出て良かった。頭蓋骨に穴を空けるトレパネーション手術の後、片目をつぶって人を見ると化物じみた違った形で見える特殊能力が芽生えた名越。その能力の意味とは……というのがこの巻の展開。その能力の内容を一気につまびらかにするでなしに、少しずつ小出しにしていく展開は、怪しいムードに満ちていて否応なしに引き込まれる。また名越の見るイメージは人間がぐにゃぐにゃにひん曲がってたり、ポリゴン状になってたりしてそういうシーンではCGが使われているのだが、これも使い方がうまくてかなりのインパクトのある絵づらになっている。早く続きが読みたいと思わせる、中身の濃い作品。

【雑誌】別冊ヤングマガジン 5/20 No.03 講談社 B5中

 新鋭作家の作品がいろいろ載っててうれしい。その中でも、細尾大樹「詰将棋パラダイス」は完成度が高井。将棋センターでバッタリ出会った同じクラスの男女が、詰将棋をとっかかりとしてじょじょに親しくなっていく過程を描く。すごく引っ込み思案でクラスでも友達が作れず浮いた存在であったヒロインの島井さんが勇気を出して、好きだった男子の谷くんの通う詰将棋センターに行ってみたり、二人で詰将棋の問題を出し合っったりしてみる中で、一喜一憂していく様子がドキドキ感いっぱいに描かれている。絵柄は洗練されているわけではないものの、読みやすく整理されているし、ストーリーのほうも後味爽やかでなかなか気持ち良く読める作品でした。

 阿部寛行「ロックンロール先生サソリダ」は久々の登場。昨年の10/1 No.048(感想は2003年9月19日の日記参照)に掲載された「ロックンロール先生」の新シリーズ。今回は前編が掲載。髪はオイルでビッチリ固めたリーゼント、皮ジャン着用、ギターを抱えたロックンロール先生サソリダが、何も教えず何も語らず。その生き様に生徒が妙に影響を受けてしまうという学園漫画。サソリダ先生は目が血走っててかなりテンパッており、一目見ればヤバさが伝わってくる。アクの強い作風で好み。後編でさらにハジけてくれることを期待。もみのき「パフォーム」もヘンな味のある漫画。大人になっても中学次代のジャージを着て街をうろついている男が、電車の中でおかしな行動を繰り返している元クラスメイトの女性に再会。登場人物たちが山本英夫ライクな濃い顔をしてて、これもまた過剰な雰囲気が漂っている。あまり絵はうまくないけど、そのアンバランスさがかえって迫力となっている。この人はけっこうヘンな作品を描ける人なので、ちょっと気になっている。

 連載陣では恋緒みなと「イオ」は最近けっこうハードな展開でだいぶ盛り上がっている。意外とスケールの大きな話になっているなあ。山本マサユキ「妹アイドル」は水着審査あり。女の子を描きまくっちょります。こういうのもいい。

【雑誌】漫戦スピリッツ 5/30 小学館 B5中

 青旗昇「ナツ先生の料理教室」。男性向けの料理教室で、講師のナツ先生がビシバシ料理の指導。通う男たちもそれぞれの事情を抱えており、それが料理に向かう姿勢にも直結する。このお話では今は亡き妻の作ってくれたとん汁の味を再現したいと教室に通い始めたおっさんの願いをかなえるため、生徒たちが協力する……というエピソードを通して人間ドラマを構築。「料理を作る」ということをしっかりドラマにして、後味爽やかな物語にまとめ上げていてなかなか読ませる作品。ナツ先生のきっぷのいいキャラも小気味良い。家永映三「ヴァンキッシュ」は、売上不振でリニューアルを迫られながらも、その中で自分たちの漫画に対するこだわりを追求しようとする編集者たちの物語。現実はこういうふうにはいかないだろうけれども、手堅い作りで好印象。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 6月号 少年画報社 B5中

 平野耕太「ヘルシング」。今回のセラスはカッコイイなあ。ベルナドットの死により、今まであえて眠らせておいた部分を発動させるセラス。ハイパーモードに入ったが、これはまだ序の口のはずなんで、次回以降でどんなパフォーマンスを見せてくれるかとても楽しみ。石田敦子「アニメがお仕事!」。アニメーター同士の恋愛とかに突っ込む。毎度生臭いところをついてきますなあ。多少変わっている人が多いとはいえ、人間関係の機微はほかの社会と変わるところはなし。毎回楽しく読んでおります。花見沢Q太郎の少女剣劇アクション「NAGI」は今回で最終回。個人的にはHコメディのほうが好きではあります。単行本は6月28日発売とのこと。

【雑誌】コミックバーズ 6月号 幻冬舎コミックス B5平

 以前エース特濃でやっていた玉置勉強「東京赤ずきん」がバーズに移籍。不死身の身体を持つ邪悪な雰囲気を身にまとった赤ずきんちゃんが繰り広げる殺戮アクション。今回は赤ずきんちゃんを狙う殺し屋少女も出てきて、血みどろの戦いが展開。まず移籍1回めは派手でインパクトあり。ただエース特濃でやっていた続きそのまんまなので、今回初めて読んだ人は内容がいまいちつかめないかもしらんですな。移籍の事情はいろいろあったのかもしれないけど、個人的にはとくに興味ないです。知ったからといって作品が面白くなったりするわけでもないんで……。桑田乃梨子「888」も移籍新連載。「Bstreet」でやってたほのぼの探偵事務所漫画。いつもながらにマイペースな作品。こちらは途中から読み始めても分からないってことはないと思う。南京ぐれ子「あかてん★ヒーロー!」。今回はまゆらがやけにしおらしくてかわいいなあと思ったら、ゆーじとのしばしの別れが……?という展開。そろそろ最終回も近いのかな。

【雑誌】COMICパピポ 6月号 フランス書院 B5中

 逢魔刻壱「脅迫考察」。めがねっ娘の先輩女子が、彼氏である後輩男子の部屋でHビデオを発見し、それを一緒に見ようといいだしてそこからHに突入というお話。ボリューム感のあるおっぱいがエッチで良いですな。あと控えめな口調ながら自己主張はしっかりした先輩女子の態度もなかなかラブを感じさせるものがあってよろしいです。D.P「マリオネット」もめがねっ娘先輩女子と後輩男子のからみながら、こちらは先輩女子に彼氏あり。その彼氏が酔いつぶれて寝こけている同じ部屋でエッチ……という内容。これもまた乳がいい形でけっこう好みでありました。


4/29(木)……有利子米

OHP月極アンケート4月分、「野球漫画」は30日いっぱいで締め切ります。まだ投票がお済みでない方、入れ足りない方はお早めにどうぞ。

▼4月27日発売だったはずのアイラDELUXE最新号(Vol.22)を書店で見かけないな〜と思ったら、10日に延期されいた模様(情報元:延期リスト@まんが王倶楽部)。

▼5月の購入予定はこんな感じ。リストはbk1まんが王倶楽部の予定表を元に作成しています。

5/上 「アタッチメントでGO」 SABE 久保書店
5/1 「レヴォリューションNo.3」2巻 作:金城一紀+画:秋重学 小学館
5/1 「資格救世主てつんど」1巻 高橋のぼる 小学館
5/6 「アゴなしゲンとオレ物語」15巻 平本アキラ 講談社
5/7 「殺殺草紙」 駕籠真太郎 平和出版
5/8 「ピースオブケイク」 ジョージ朝倉 祥伝社
5/8 「満腹ボクサー徳川。」7巻 日高健男 新潮社
5/中 「あじあの貢ぎもの」 町田ひらく 一水社
5/10 「いやらしい夢」 ゆきやなぎ 富士美出版
5/10 「イエローハーツ」3巻 米倉けんご ワニマガジン
5/12 「BARレモンハート」20巻 古谷三敏 双葉社
5/13 「パイパンヤ」 よこやまちちゃ 司書房
5/13 「シャイニング娘。」3巻 師走の翁 ヒット出版社
5/17 「おれはキャプテン」3巻 コージィ城倉 講談社
5/17 「capeta」4巻 曽田正人 講談社
5/18 「からくりサーカス」32巻 藤田和日郎 小学館
5/19 「ハチミツとクローバー」6巻 羽海野チカ 集英社
5/19 「素晴らしい世界」2巻 浅野いにお 小学館
5/19 「てるてる×少年」8巻 高雄滋 白泉社
5/下 「卑しく下品に」 早見純 一水社
5/下 「花屋の娘」 西岡兄妹 青林工藝舎
5/下 「水鏡綺譚」 近藤ようこ 青林工藝舎
5/20 「格闘新世紀 GO BOUT!」1巻 松本レオ 秋田書店
5/20 「スティールボールラン」1〜2巻 荒木飛呂彦 集英社
5/21 「蒼天航路」31巻 王欣太 講談社
5/21 「無限の住人」16巻 沙村広明 講談社
5/21 「はるか17」2巻 山崎さやか 講談社
5/21 「コメット」 鶴田謙二 講談社
5/21 「どぐう白(仮)」 どざむら 晋遊舎
5/21 「G組のG」4巻 真右衛門 講談社
5/22 「ラブラビイズ」1巻 松本英 秋田書店
5/22 「お子様ピュッピュ」 EB110SS メディアックス
5/22 「フロンティアルーツ」 塩崎雄二 大都社
5/25 「放浪息子」2巻 志村貴子 エンターブレイン
5/25 「エマ」4巻 森薫 エンターブレイン
5/25 「やさしいからだ」1巻 安永知澄 エンターブレイン
5/25 「あっさりショコラ(仮)」 いくえみ綾 集英社
5/25 「ふぁにーふぇいす」2巻 かかし朝浩 ワニブックス
5/26 「金平守人作品集(仮)」 金平守人 宙出版
5/26 「犬嶋高校行進曲」2巻 小松大幹 少年画報社
5/27 「BR II ブリッツロワイアル」2巻 富沢ひとし 秋田書店
5/27 「いちごにゅうにゅう」 ねんど。 東京三世社
5/27 「がんばれ酢めし疑獄!!」5巻 施川ユウキ 秋田書店
5/28 「あんみつ草作品集(仮)」 あんみつ草 三和出版
5/28 「栗田勇午作品集(仮)」 栗田勇午 三和出版
5/28 「ライドバック」1巻 カサハラテツロー 小学館
5/28 「ルサンチマン」1巻 花沢健吾 小学館
5/28 「ナツノクモ」1巻 篠房六郎 小学館
5/28 「龍宮殿」2巻 松永豊和 小学館
5/28 「沈夫人の料理人」2巻 深巳琳子 小学館
5/28 「MOON LIGHT MILE」8巻 太田垣康男 小学館
5/28 「平田弘史傑作集 白虎隊」 平田弘史 小学館
5/28 「秘密の女子寮」 おがわ甘藍 松文館
5/28 「東方機神傳承譚 ボロブドゥール 」 太田垣康男 双葉社
5/28 「おな☆チャン」 矢凪まさし 双葉社
5/28 「おねーさんひとりじめ」 ポン貴花田 双葉社
5/31 「不成仏霊少女」 花輪和一 ぶんか社

【単行本】「パンテオン」3巻 榛野なな恵 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 兄である遼一への愛に思い悩んだ彰子が、睡眠薬を過剰摂取して自殺を図る……ということで、かなり緊迫した展開。鋭く研ぎ澄まされた物語には緊張感があり、先が気になる展開。途中「Papa told me」のドラマ化による連載再開のため、「パンテオン」のほうは一時中断されたが、現在の榛野なな恵はこっちのよりシビアかつシャープな方向性のほうがいいと思う。

【単行本】「三つ編と赤い自転車」 アルコ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

 「三つ編と赤い自転車」「ヤスコとケンジ」「イノセントカラーズ」の3本を収録した短編集。アルコはやっぱり、芽生えてきつつある恋愛のトキメキを描かせると素晴らしいものを発揮する作家だと思う。この単行本の中では「三つ編と赤い自転車」がとくに良い。いつの間にか気になって目で追いかけるようになっていた、赤い自転車に乗って通学している男子と、ヒロインである美佐の初恋物語。透明感のある描写がキラキラとまぶしい。「イノセントカラーズ」はカップル×2で登場人物が多い分、ちょっとごちゃごちゃしているものの、こちらもいい雰囲気。アルコは「ヤスコとケンジ」みたいにギャグっぽい味付けの作品もけっこうあるけど、直球恋愛勝負な作品のほうが好きです。

【単行本】「カレンのファスナー」 TONO 白泉社 A5 [bk1][Amzn]

 コミッククリムゾンを中心に発表されたファンタジー風味のおとぎ話系な短編を集めた単行本。軽やかしなやか鮮やかな絵柄そのままに、お話のほうも気が利いている。どの作品もそれぞれ楽しめるけど、あえて1本というならやはり表題作の「カレンのファスナー」かな。魔法使いによって作られた綿でできた人形の娘、カレンの物語。カレンの身体には、中の綿を引きずり出すこともできるけど、夫との間にできた子供を取り出したりもできる素敵なファスナーが付いている。ラストシーンもファスナーの設定を生かしてきっちりまとめている。短いけれども優しく楽しい良いお話揃いな1冊。

【単行本】「にらぎ鬼王丸」1巻 作;荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 力強くて正統派な面白みを感じさせる作品。時は江戸時代、太平の世で刀鍛冶という職業は需要がなくなりつつあったが、そんな中、厳格な師匠の下で修行を続ける青年・鬼王丸が主人公。最高の刀を鍛えるため、隕石によって宇宙からもたらされた「星の鉄」を求めて鬼王丸が放浪の旅に出るという冒険活劇。主人公が刀鍛冶ということで、職人の意地というものを強く感じさせるし、鍛え上げられた刀身のギラリとした迫力にも惹かれるものがある。骨太な作画はたいへんに力強いうえに細部までしっかり描き込まれており、アクションシーンもかなり豪快。迫力のある画面作りと、ビシッとした芯のあるストーリー回しは、読んでいてググッと力の入るものがある。ハッタリも十分利いてるし、今後の展開が楽しみ。

【単行本】「千城家の事情」 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 素晴らしくくだらねー。さすがながしま超助。タイトルにある「千城家」というのは「ちじょうけ」と読む。そして冒頭からして「痴女……それは究極の女神か… 6百年の間 歴史の影に隠れて常に存在し その官能の技で男たちを悩ませ続けた痴女の一族があった……」とくる。つまりこれは、代々痴女を生業としている女系家族、千城家の女たちの活躍を描くという物語。そもそも代々痴女をやっているという時点でたいへんくだらないが、その後の展開もテキトー感ビシバシ。でもながしま超助はそれがいいんだよね。ヘンにいじけたところがなく、スカッとスケベ話を描いて、まったく後を引くことがない。この後腐れのなさは一つの芸だと思う。男キャラのやにさがったウハウハ顔も、本当に「鼻の下を伸ばしている」という表現がピッタリ来る表情をしてて、どうにも憎めない。好きだなあ。

【雑誌】コーラス 6月号 集英社 B5平

 榎本ナリコの読切「クシとキッチン」が掲載。朴訥としていはいるが優しげな感じの同級生男子・谷崎くんに惚れた女子大生の千鳥が主人公。しかしその恋路を、谷崎の親友であり、彼に恋するゲイのナツメがさんざんじゃまをする。それでも諦めずに谷崎にアタックしているうちに、千鳥とナツメもだんだん打ち解けてきて……という青春ラブコメディ。鈍感な男を巡る三角関係を楽しく描いており、サクッと気軽に読める作品に仕上がっている。

【雑誌】メロディ 6月号 白泉社 B5平

 魔夜峰央の「パタリロ!」新シリーズ「パタリロ源氏物語!」がスタート。タイトルを見れば分かるとおり、「西遊記」に続いて今度はパタリロキャラで「源氏物語」に挑戦。さすがにパタリロの容姿では光源氏はツライので、バンコランが光源氏役。単純にキャラを置き換えて物語を展開するだけでなく、時代考証なんかも案外きっちりやってるあたりは周到。前作についても、後半はとかくダレがちになる「西遊記」モノを最後までユーモアを交えてしっかり描いてたし、魔夜峰央のこういう細かい配慮には感心させられるものがある。

【雑誌】フラワーズ 6月号 小学館 B5平

 竹宮恵子「K子ちゃんの教授生活!?」が最終回。ついに竹宮教授が卒業生を送り出してめでたしめでたし。漫画家さんが実際に教授をやるという体験は珍しいことだし、けっこう新鮮な気持ちで読めた。読切、いのまたゆう子「昭和のふたり」。下働きをしていたヤエという女性のことが大好きだった良家のお坊ちゃんが、脳の病で倒れた彼女をコールドスリープさせて、治療法が確立された27年後に彼女を目覚めさせ、改めてプロポーズするというお話。落ち着いた絵柄、着実な話運びでしっかり読める。坊ちゃんとヤエのやり取りも軽妙で、なかなか楽しい雰囲気の作品。

【雑誌】百合姉妹 VOL.3 マガジン・マガジン B5平

 もうすっかりおなじみの百合漫画雑誌。今回の漫画執筆陣は、林家志弦、テクノサマタ、紺野キタ、大塚ぽてと、森永みるく、内村かなめ、井上眞改。

 まず林家志弦「ストローベリーシェイク」は、タレントをやってる樹里亜と、その付き人的存在の蘭ちゃんによるラブコメ。普通のコマ漫画と4コマが入り混じる変則的なフォーマットながら、楽しくほのぼのコメディを展開。甘いくすぐりがたっぷりで楽しい。紺野キタ「昼下がりの…」。相変わらずホンモノっぽさが強いですなあ。キリリとしためがねっ娘女子の三輪さんと、積極的に彼女に接触し計略によって同部屋になった守谷さん。あくまで上品だけどハッとさせる踏み込みもあって、いい感じに心が華やぎます。そのほかの人たちも、それぞれ持ち味を発揮して可憐な作品を描いていて粒が揃っている。井上眞改の自由闊達な雰囲気もいいし。あと記事ページも百合的なものをアニメや映画など、いろんなところからたくさん集めてきてて頑張ってるなーという印象。

 この本の読者層がモノホンのレズかといえば、たぶんそうでもないような気もして、どっちかっていうとそっちの世界に夢想するものがあって、ちょっと覗き見してみたいってな感じのニーズに応える本のように思える。ボーイズラブの中心読者がモノホンのホモ、ゲイではないように。ソフトなボーイズラブのガールズ版という感じかなーという気がします。


4/28(水)……消臭令嬢

▼アニメ。今日は「MONSTER」第4話と「鉄人28号」第4話。この二つは今季アニメの中では、屈指の高値安定株。とくに「MONSTER」はこの4話の間まったくブレがない。原作をハミ出すような意外性はないけれど、問題ないハイクオリティを堪能できる。ところで「MONSTER」は公式ホームページってまだできないのかなあ。長丁場な作品だけに、途中から見始める人向けにあらすじを確認できるページは早いとこ用意しといたほうがいいと思うんだけど。分からなかったら漫画を読めってことなのかな。「鉄人28号」は秘書の高見沢さんが今回もいい。一緒にコンサートに行った正太郎君にメシを本気でおごらせようとしているところとか、茶目っ気があっていいです。

▼未読物
【単行本】「千城家の事情」 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「カレンのファスナー」 TONO 白泉社 A5 [bk1][Amzn]
▼30日売り
【単行本】「龍」36巻 村上もとか 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鬼虫」2巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バドフライ」3巻 イワシタシゲユキ 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「平凡ポンチ」1巻 ジョージ朝倉 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「魔女」1巻 五十嵐大介 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ギャラリーフェイク」30巻 細野不二彦 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「いちご100%」10巻 河下水希 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「アイシールド21」8巻 作:稲垣理一郎+画:村田雄介 集英社 新書判 [bk1][Amzn]

【単行本】「ぴっぴら帳 完結編」 こうの史代 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 1巻が出たのが2000年7月[bk1][Amzn]ということで、実に4年近くかかっての完結編。最近「夕凪の街」で注目を集めたこうの史代が、まんがタウンで細々と描き続けたインコ漫画。キミ子さんとインコのぴっぴらさんの、貧乏だけど楽しい日々を描いた4コマ。優しい叙情的な絵柄とほっこり暖かい内容で、しみじみしながら楽しく読める。キミ子さんら、登場人物がみんな人が良さげな点にも癒される。あとこうの史代でいいなあと思うのは、一枚絵がうまいこと。毎回最初のページに描かれている半ページのカットがなんとも趣があっていい。丁寧なカケアミが暖かくて、しっとりほんのりいい風情を醸し出しております。ちゃんと最後まで収録されて本当に良かった。

【単行本】「でじこのススメ」 とろろ(原作・キャラクター原案:コゲどんぼ) 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 でじこ、ぷちこ、うさだの3人が繰り広げる学園漫画。でも途中からなぜか麻雀ネタが増える。でじこ漫画としてはテンポが悪く、いまいちかなーというのが個人的な印象。絵のほうももう一歩。

【雑誌】スーパージャンプ 5/12 No.10 集英社 B5中

 島袋光年「RING」。けっこう面白いかも。ただの輪投げ漫画になるのかと思っていたら、バスケ的にゴールを用意してそこに輪をハメるというチームスポーツ的なものになる模様。バスケライクだけにルールも分かりやすいだろうし、輪を使ったアクションもいろいろバリエーションがあって見映えがする。うまくやればけっこう面白くなりそうな気がする。

【雑誌】ビジネスジャンプ 5/15 No.11 集英社 B5中

 作:香川まさひと+画:あおきてつお「島根の弁護士」がスタート。島根県弁護士会で、地域に根差した弁護士を目指す女性・水穂が主人公の弁護士漫画で手堅い作風。今回は顔見せで夏から毎号連載がスタートの予定。今夏は、下の漫革のところでも触れたとおり「民俗学者 八雲樹」シリーズも移籍してくるらしいけど、何かリニューアルとかあるのかもしらんですな。脚本:広幡江介+画:木村直巳「MD −ミリタリー・ドラフト−」。抽選による徴兵制が復活した日本で、何の因果かそれに選抜されてしまったサラリーマンが主人公。しかしそれがきっかけで冷えきっていた家庭が暖かみを取り戻したりもして……というヒューマンドラマ。けっこうきっちりまとまってて読める作品。このコンビは、今後も「召集令状の来る日」を軸に、作品を発表していく予定とのこと。

【雑誌】ヤングジャンプ増刊 漫革 VOLUME-39 6/5 集英社 B5中

 中道枝里子「裏ポスト」は、どんな手紙でもあて名さえ書けば届けてくれるという「裏ポスト」に、主人公の少年が死んだ愛犬への手紙を託すが……というお話。丁寧な絵柄、丁寧なお話作りでなかなか良い雰囲気。けっこう気に入りました。岡本倫「エルフェンリート」特別編。いつものメンツが酒飲んで騒ぐという内容。8ページと短いが、たいへんしょうもなくて笑った。高橋陽一「キャプテン翼 ROAD TO 20002 特別編 F.C.R.B. STADIUM OPENING MATCH」。なんかファッションブランド「SOPH.」による架空倶楽部チームのスタジアム建設プロジェクトを記念した読切。大空翼フレンズと日向オールスターズという、かなりダサダナな名前のオールスターチームが激突する……とか思ったら、ファーストプレイあたりでアッサリ終了。これもまたしょうもない。作:金成陽三郎+画:山口譲司「民俗学者 八雲樹」はヤングジャンプ系列では最終回。今夏よりビジネスジャンプでリニューアルスタートする予定とのこと。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/12+19 No.22+23 小学館 B5平

 西森博之の新連載「道士郎でござる」がスタート。幼いころ母親から引き離され、父によりアメリカはネバダ州の人里離れた地で育てられた男・道士郎が12年ぶりに帰国。しかし彼は「本当の日本人」を育てようとした父により、すっかりサムライに育成されていた……という出だし。彼がいろいろな勘違いを振りまきつつ、現代日本社会で暮らしていくコメディになる模様。とりあえず1回めはきっちり楽しく、悪くない出だし。モリタイシ「いでじゅう!」はまたしても新入部員登場。顔と名前がよくマッチしたいい感じのキャラ。井上和郎「美鳥の日々」。前回綾瀬さんが沢村に告白したと思ったら……。まあ三歩前進一歩後退って感じですか。今までとはだいぶ違ってきそうな感じではあります。橋口たかし「焼きたて!!ジャぱん」はちょっとヤバ気なネタではありますな。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/12+19 No.22+23 講談社 B5平

 新連載、UMA「チェンジング・ナウ」が巻頭カラーで新連載。カッコ悪い正義のヒーロー「ドッグファイターゼロワン」をやっているお父さんと、それが恥ずかしくて仕方ない娘さんによるドタバタホームコメディってな感じ。なかなか細かいタッチのキュートな絵柄でまずはけっこう楽しく読めた。ちとコマ割りとかがちまちましすぎな感じもするけど、全体的には好印象。奇をてらったペンネームは、将来後悔しないといいなあとか思います。

 宗田豪「天才料理少年味の助」。ホテルの食堂での料理勝負。最初に入ってきた客に丼モノを食わせて勝負というネタで、たまたま来た客がなんとセクシー巨乳アイドルだったというあり得ない展開。ライバル少年が途中までは素晴らしい香りの天丼を作ってたと思ったら、いきなり2杯目を出してきてそれが例によって肉汁じょばじょばだったのには笑ってしまった。ラストページのアオリ文句も「味の助渾身の”7色の香り”丼は理菜ちゃんの胸にどう届く!?」(胸は太字でここだけ級数がデカい)とかいっててしょうもなさ爆発。しかしいきなりセクシーアイドルに丼ものを3杯も4杯も食わそうとするあたり、相変わらず型破りな作品です。

【雑誌】阿ウン 6月号 ヒット出版社 B5平

 的良みらんの新連載「Angelical Pendulum」が巻頭カラーでスタート。一成・こるりの兄妹が通う学校で異変が起こり始め、天使と堕天使の争いに彼らが巻き込まれていく……という感じ。天使たちはみんな可愛い女の子で、兄妹のHシーンもあり。手堅く華やかな作品になっていきそう。まずはめがねっ娘の妹こるりがかわいい。師走の翁「VI来襲」はちょっと番外編。今回は本来の×浦あやではなく、シャイ娘。5期メンバーのエロエロ話。それにしても「焜炉あさみ」とか「鬼(オーガ)まこと」とか、キャラクター名が面白いなあ。もちろんエロシーンも密度が濃くてサービスたっぷり。

 魔訶不思議「I♥DOLL」。死んだ母親の代わりに家にやってきたドールロボットに対して反発した息子が、彼女をハッキングしてファッキングという内容。人妻モノなんでやっぱし反応。高岡基文「鈍色」。いつもながら瑞々しい絵柄でしっかりエロい。この人の場合、ストーリーがもう少し淫靡だとさらに好みなんだけど。大井はに丸「lose」は最終話。学校内での輪姦ゲームという設定はなかなかユニークでエロも濃かったが、ラストのあたりの展開はちょっととっちらかっちゃった感もあり。単行本2巻は6月14日発売予定。

 武礼堂「ミラクル反発ライフ」。何にでも反発する少女が、重力にまで反発するようになっちゃって逆さになったまま生活する……というドタバタコメディ。設定がなかなかユニークでエッチシーンもちゃんとそれを生かしている。明るい作風で楽しく読める作品。真海「サヨナラホームラン」。なんかダイエーホークスの松中そっくりな人が出てきてるんですけど……。でも打席は右。

【雑誌】快楽天 6月号 ワニマガジン B5中

 鳴子ハナハル「2/4ツヅキ」。親友の女の子・絵里が好きだが、その気持ちをカモフラージュするために、2組のカップルでの乱交を提案した女の子・ちあき。切ないお話であり、絵柄は品がいいんだけど、しっかりエロも濃い目にできている。ドロドロのエロスが本分な人ではないとは思うけど、そちらも器用にこなしている。あと今回は雑誌の表紙も鳴子ハナハルが担当してて、カラーページに「表紙のつづき」ページもあり。めがねっ娘の新人ADさんがかわいくて、こちらもよろしうございました。

 ムサシマル「倒錯小説家」は、エロ小説家の先生に手込めにされてしまった編集者の青年のお話。このシリーズは3作目。今回は新たに新米女性編集も参加。作画はいつもながらキレがあってシャープ。ストーリー面で若干弱さの見えるムサシマルだけど、このシリーズはきちんとドタバタコメディしてて据わりが良く、楽しく読めます。桜肉馬太郎「オサナヅマ日記」。裸エプロン若奥様が初々しくてかわいいですなー。五十嵐寛和「姉さんディナー」は兄嫁モノ。もちもち肉感たっぷりで色っぽい。陽気婢「内向エロス」も父の再婚相手の新しいお母様と……というお話。雑誌全体に年上の女性モノが多いです。


4/27(火)……討伐よ!

▼アニメ「爆裂天使」第3〜4話。回を重ねるごとにいまいち感が……。戦う女の子4人組によるB級アクションでCGメカは案外カッコイイが、キャラ、メカともに動きにキレがなく、爽快感、痛快感があまりない。世界観も今のところあいまいでなんだか漫然とお話が進んでいっている印象。あとキャラクター描写に深みがなく、薄っぺらに見えてしまう点もマイナス。4話まで見たのに、いまだにキャラの名前が全然記憶に残ってこない。キャラの造形は悪くないし、演出によってはもう少し盛り上げようはあると思うんで、今後のてこ入れに期待

【雑誌】ヤングアニマルあいらんど 6/10 白泉社 B5平

 ヤングアニマルの新増刊。中とじだと思っていたが平とじだった。執筆陣は以下に示すとおりだが、萌え系な感じで固めた増刊号としてはなかなか濃密な人選だと思う。

 今回とくにすごいと思ったのが梅川和実「スノーホワイト〜君に舞う雪〜」。冠雪高校メイド科のしんん優勢である主人公が入学式に臨む……というお話。メイド学校という設定もアレだが、一年生を初雪、二年生を細雪、三年生を白雪と読んだり、頭につけるアレをめぐってなんかいろいろあったり。むしろ連載向きな感じもするけど、一話だけでも濃密な世界となってて満腹感あり。八神健「お姉ちゃんと一緒に」は、子供のころに死んだはずのおねえちゃんの霊が、引き籠っていた少年の前に現れて、彼が変わっていくきっかけをくれるというハートウォーミングなストーリー。暖かみのあるお話で、きっちりまとまってます。

 文月晃と宮野ともちかは、それぞれ「藍より青し」「ゆびさきミルクティー」の番外編を執筆。「藍より青し」のほうは色黒ツインテール少女・ちかのお友達である千鶴の初恋話、「ゆびさきミルクティー」のほうは黒川さんのお兄さん話。とくに黒川さんのお兄さんは妹萌えだったのかーというわけで、しょうもなさ爆発。いやーなんだかもうスゲエ漫画だ。西川魯介「あぶない!図書委員長!」。もうタイトルがコレで描く人が西川魯介だから、当然のことながらめがねっ娘で図書委員長で。首尾一貫したスタンスがご立派。大木文孝「ホントウは、千春は」。学校ではすごく高飛車で幼なじみの男子を奴隷のごとく使っている女の子が、二人っきりになると実はものすごく甘えん坊で怖がりで……というお話。ラストもたいへんこっぱずかしく、なんかもうものすごく甘ったるくてええ感じです。坂井恵理「ユニットバス」は、このメンツの中だとちょっと薄味な印象。あとまつもと剛志「まじかるストロベリィ」はいつもながらほのぼのしてて一服の清涼剤。

【執筆陣】文月晃、玉越博幸、宮野ともちか、八神健、いのうえ空、中島零+むぎむぎ団、川津健二朗、西川魯介、まつもと剛志、坂井恵理、梅川和実、大木文孝、萩尾ノブト、竹内じゅんや

【雑誌】ガンガンYG 弐号 スクウェアエニックス B5中

 ガンガン系列からのヤング誌2号め。なのだけど今回はちょっと入っていきづらかった。何せ前号が出たのが1月末だったので連載モノについてはお話をほぼ忘れちゃってるし、ガンガンン本誌を追っかけてないので本誌等の連載の番外編ものはキャラがつかめてないし。連載モノの中ではゴツボ☆マサル「少年探偵犬神ゲル」あたりは、わりと楽しめはした。少年探偵モノで一話完結、アクションも派手なので入っていきやすい。あと金田一蓮十郎「アストロベリー」は、ガンガンパワードからの移籍連載ということでここまでの内容は知らないが、普通にラブコメとして楽しむ分にはほのぼのしててOK。なお、7月下旬発売の参号で重大発表があるとか。隔月もしくは月刊化かな。

【雑誌】イブニング 5/11 No.10 講談社 B5中

 吉田基已「恋風」。押しかけ女房しておきながら、夢だなんだいいだして、七夏ちゃんは本当に魔性の女だなあ。コンビニで買い物しながら、店の一角でスキンを見つけてどうしようかと考えてしまう耕四郎がたいへん痛々しい。逃げ場なし。プラトニックっぽいのに、常に肉の部分をちらつかせてくるあたりの演出がシビア。細野不二彦「ヤミの乱破」。日本軍の超一流工作員だった男が、戦後日本の闇の中でその能力を生かして活躍するというお話。なかなかけれん味があってカッコイイ。さすが職人芸と思わせるうまさ。

【雑誌】ヤングチャンピオン 5/11 No.10 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。これまで大人として割り切った関係を続けてきた尾美と椎名さんだが、尾美の子供をみごもってしまった椎名さんは、彼にそのことを告げずに身を引こうとするが……という展開。まあこの二人についてはこのあたりで、ガチンコでくっつくでしょう。だいぶサブキャラも整理が進んで来たかな。

【雑誌】漫画サンデー 5/11+18 No.18 実業之日本社 B5中

 作:新堂冬樹+画:千葉きよかず「炎と氷」。世羅がかつての親友であった若瀬をハメようと暗躍。なんか計略としてはかなり乱暴で大ざっぱなんだけど、そのダイナミックさが面白い。毎回ビールとか飲んで思いっ切りゲップしまくる世羅のムチャクチャなキャラが好き。長尾朋寿「ホロ酔い酒房」(原案:野上ヒロノブ)。今回は筍で一杯、というお話。とれたての筍が美味しそうですなあ。

【雑誌】コミックミニモン 6月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「5月ひめ」は、家庭教師のあんちゃんがおうちに来るというのに、ちっちゃなな女の子の茂美ちゃんは、裸でこいのぼりの中に入ったままお昼寝。まあそこからエッチに突入するわけですが、全体にほのぼのしてて、茂美ちゃんのいたずらっ気が楽しい。ほしのふうた作品は、やっぱりこういう子供っぽい快活さが良いです。ねんど「ふぞろいの苺たち」。妹と、すごくかわいくて子供タレントもやってる妹の友達が、お兄ちゃんになついてきて3人で……という漫画。3人ともランドセルを背負っててちんまり。丸っこくて華やかでかわいいですのう。湊谷俊作「駄目でもいいよね」は、露出プレイに興味津々なダメダメ兄妹のお話。ちょっと吉崎観音に似たところのある(こっちのほうがだいぶ細身だけど)みずみずしい絵柄が魅力。お話のほうも後を引かないカラッとした読み心地で楽しく読める。

【単行本】「よつばと!」2巻 あずまきよひこ メディアワークス B6 [bk1][Amzn]

 この巻も、元気あふれる自然体な女の子・よつばちゃんののびのびした暮らしっぷりに癒されます。のんびりした雰囲気と、なんというか角のない絵柄が気持ちいい。おひさまの下でわーいわーいと飛び跳ねてるような健康的な感じ。あとよつばちゃんの突飛な行動にちゃんと付き合ってあげてる周りの人たちの人情味もいい具合。よつばちゃんが水鉄砲撃ちまくる話とか、畑のぐるぐる目玉におびえる話とかけっこう笑えるし。


4/26(月)……高められた烙印

▼アニメ「GANTZ」第3話。前回は残虐シーンのカットが激しくて何がなんだかという状況になっていたが、今回はまあ普通。カットされてるところが多いこと以外は、可もなく不可もなくという印象。

【単行本】「LA QUINTA CAMERA」 オノ・ナツメ ぺんぎん書房 A5 [bk1][Amzn]

 コミティアでちょくちょく同人誌を購入していたオノ・ナツメ(→作者HP)の初単行本。オンラインコミック雑誌であるCOMIC SEED!にて連載されたもの。表紙とタイトルから内容がちょっと推しはかりにくいところがあるのでジャケ買いはしにくいかもしれないが(読んでみると内容そのままな表紙であることは分かるけれども)、以前オスマンで同人作品「I've a rich understanding of my finest defenses」を取り上げたこともあるように、非常に良い作品を描く人なのでぜひオススメしたい。

 この作品は、語学習得のためイタリアに留学してきたデンマーク出身の女の子・シャルロットが、下宿先として中年男4人が住まうアパートに転がり込むところから始まる。というわけで第一話はシャルロット視点なのだが、むしろメインは中年男4人マッシモ、チェレ、ルーカ、アルのほう。アパートにはこの4人が常時住んでおり、一室はそのときどきで留学生に貸し出されているという設定。2話以降はシャルロットは、さすがに男4人に囲まれた環境に住むわけにも行かないので、別のところで一人暮らしを始めるし(アパートにはちょくちょく来る)。そしてマイペースな4人組+1の、楽しい暮らしの様子が描かれていくというアットホームなストーリー。

 で、これが非常に良いのですな。シンプルながらもオシャレで暖かみのある作画もいいし、何よりキャラクター作りがしっかりしているのがいい。世界がしっかり作者の頭の中でできてて、その中でそれぞれのキャラが動き回っている様子は見ていて楽しい。なんというか作者の用意した4人の男が住まうイタリアのアパートという箱庭空間の中に、そのときどきでプラスアルファな留学生らを配置して、彼らがどう動くか観察して記録しているような感じ。各人が触れ合って生まれるドラマには深い人情味があるし、ラストのあたりもとても美しい。あとこれまでのオノ・ナツメ作品には、作画に統一感がありすぎるせいか、キャラの見分けがつきにくい、名前と顔の対応がさせづらいという欠点があったのだが、今回の4人組はそれぞれ髪型と髪の色、服装がちゃんと違えて描いてあるので見分けやすくなってる。たぶん意識してやったんだろうと思うけど、描き分けがしっかりできているおかげでスムーズに読んでいけた。たいへん良い本であり、満喫させていただきました。

【雑誌】少年エース 6月号 角川書店 B5平

 すえのサカエの新連載「花と寓話のテラー」がスタート。不思議な話の事件を解決する能力を持つ寓話探偵・亜想大介の活躍を描くという、変格探偵アクションといったところ。まず第1回めは、付き合っていた少女が口裂け女になってしまったという事件を取り扱う。すっきり整った作画は達者でアクションは派手。ちと「寓話」という概念があいまいな感じもするけど、エースの誌面には合っていると思うし、これからの掘り下げに期待します。桂明日香「螺子とランタン」は連載化。幼い身で公爵家を継ぐことになった少女ココと、その教育係であるニデルの日々を描いていくというお話。これまでもときどき読切で登場していたが、華やかな絵柄と心温まるストーリーで毎回楽しく読めるいい作品。

【雑誌】ガンダムエース 6月号 角川書店 B5平

 表紙はアッガイをバックに立つシャア。まさにアッガイ彗星。と、抜群に気の利いたシャレの後、安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の話へ。今回はアムロが三階級特進にブチキレた後、逆ギレした上官にぶんなぐられる回。まだジャブローの戦いは始まってないけど、ひしひしとその時が近づいていてワクワクいたします。なおこの号には「トニーたけざきのガンダム漫画」は、前回の写真漫画2Pのメイキングしか載っておらず、次回予告にも名前がない。安彦良和と並ぶ柱であっただけにないと誌面が一気に寂しくなったような気がいたします。

【雑誌】コミックガム 6月号 ワニブックス B5平 [定期購読:eS

 うへー。巻頭から2作品連続で未完成ですか。というわけで作:中山文十郎+画:ぢたま(某)「まほろまてぃっく」、有馬啓太郎「月詠」ともに仕上げのなされていないページあり。雑誌としちゃあこれは痛いですな。

 宗我部としのり「あまえないでよっ!!」。今回は尼僧6人娘のうちの、色の黒いおっとり顔の女の子・雛美にスポットを当てる。一年のうちある時期になると動物を引き寄せるフェロモンを発散してしまう彼女をめぐり、寺はパニック状態に。いつもながらしっかりお色気サービスもあり、かつ後味爽やかで快活なコメディとなっていて、安心して楽しめる。見田竜介の読切「改装少女柚」の前編が掲載。この人の絵って今見ると、オタク絵としては古いような新しいような、なんか不思議な感触だなあ。似たようなタイプがあまりいないのでやはりパッと目立つ。

【雑誌】ヤングキング 5/17 No.10 少年画報社 B5中

 ジェームスほたて「ラブ♥ハニ」。ちごゴチャゴチャしてて読みにくいところはあったりするのだけど、今回もサービスたっぷりでラブコメしてます。でもそろそろラストは近づいてきてる感じかな。

【雑誌】ビッグコミックビジネス(オリジナル5/26増刊号) 小学館 B5中

 ビッグコミックオリジナルの増刊。ビジネスマンや起業家など、その筋の成功者の取材レポートをするという内容の漫画雑誌。以前スペリオールの増刊として出た「MONEY BOOK」に雰囲気は近い。掲載作品は以下のとおり。
戸田尚伸「経営者人物レポート 成毛眞」
原案:中島茂信+画:蜂文太「ラーメン経済学」
作:鍋田吉郎+画:及川こうじ「斎藤一人 ツイてる人」(取材協力:小俣貫太)
作:久部緑郎+画:あおきてつお「オンリーワン」
作:大西祥平+画:吉本浩二「勝ち組フリーター列伝 魚柄仁之助」
作:若桑一人+画:渡辺美和「目利き屋〜十蔵質人情商い帳〜」
松田洋子「¥歌の花道」
作:根岸康男+画:家永映三「世界エンタメ王〜プロダクションI・G物語〜」
原案:もりややすひろ+漫画:木村豪「金銭組が行く!」
友寄湧一「デイトレーダー父さん」(取材協力:島野清志)
取材:西田真二郎+画:武田豪雄「チラシ配りで月商5万円!に、だまされました」

 まあこの手の本なので、いわゆるマンガチックな楽しみはさほどないのだけど、お話として興味深いものは確かにあるし、なんだか読めてしまいはする。とに個人的には元マイクロソフトの成毛眞と、アニメ会社のプロダクションI・Gあたりは気になる範囲。まあその手の経営本とか読めば山ほど取材されているようなところではあるんだろうけど。あと、魚柄仁之助の勝ち組みっぷりを取材して、吉本浩二が自分の負け組っぷりに打ち震えている姿が面白かった。松田洋子はそんな中、負のオーラを一手に引き受けネガティブな空気を発散しております。

【雑誌】ヤングマガジン 5/10+17 No.22+23 講談社 B5中

 以前読切で掲載された克・亜樹「ラブらっきぃ」が連載化。女にモテない冴えない主人公が、結婚相談所のお見合いパーティで知り合った女性が、実は現役のアイドルで……という設定に基づくドタバタ新婚コメディ。もう激烈にあり得ない設定なのだが、このサービスに徹しきった作風は一つの芸だと思う。すごい、この人にゃあ文句はいえねえ、と思います。きらたかし「赤灯えれじい」。サトシとチーコの距離がますます近づいて、ほのぼのラブコメ中。そこらへんにありそう感があふれた親しみやすさが気に入ってます。

 なお今月の別冊ヤンマガは4月30日発売とのこと。実はそろそろ出てるころだな〜とか思って、けっこう探しちゃってました。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/10+17 No.22+23 小学館 B5中

 のりつけ雅春「高校アフロ田中」。大学生になった井上が妙に浮かれて、付き合っていたロボを捨てるとかいいだす。なんかロボがやけにかわいそうなんですけど果たして。小田扉「団地ともお」。ともお周辺のマセガキな方たちが、年上のお兄さんお姉さんに恋したりするも、ともおはまったくのマイペース。ケリ子ちゃんがは意外と大人だ。あと小田扉の描く犬猫は本当に味のあるいい顔をしているなあ。この犬に触りてえ。とか思っていたらなんだか欄外のアオリ文句に「動物がイイ顔してると評判」とか書いてあった。評判なんだなあ。村上かつら「CUE」は2回め。前回主人公の竹田が出会った女の子は、実は同じクラスの真後ろの席に座っていたコだということが判明して、竹田くんびっくりな回。まずはお話がいい具合に動いてて、次どうなるのかなと引き込まれます。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/10+17 No.22+23 集英社 B5平

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。Lが大学で同級生となったライトに対してテニスでの勝負を持ちかける。まるで熱血テニス漫画のようだが、ストロークが続く間にも二人の思惑が交錯。虚々実々な駆け引きが繰り広げられるぞ〜って感じが高まってわくわく。

 作:長谷川尚代+画:藤野耕平の「サラブレッドと呼ばないで」コンビが、今度は読切「雨女、晴れ男」で登場。そのコが参加するとイベントが必ず雨になってしまうということで、クラスのみんなから責められ気味な女の子・雨谷さんの沈んだ心を、元気ハツラツな転校生男子・晴田が見事晴らしてみせるという爽やか学園青春ストーリー。作画は十分うまくて女の子もカワイイ。ストーリーのほうも後味が良く、完成度高し。「サラブレッドと呼ばないで」は全13話と短期で終わっちゃったけど、何か一つきっかけがあればきちんとした作品を描いていけそうなコンビだと思います。読切もう1本。鈴木晋「STARTING ORDER」は、ファンタジー世界に住むヒーロー志願の少年が、島を守るために盗賊団と戦うというお話。まとまってはいるけど、ちょっと「ONE PIECE」の影響が強すぎかなという感じ。あとコマ割りがちとゴチャゴチャしてて、絵柄とストーリーのわりに読みにくいような気がするのは惜しいところ。


4/25(日)……棒でイッとく?

▼アニメ感想。「天上天下」第4話。最初は油っこい絵作りのおかげもあってさほど期待してなかったんだど、これは意外とおもしれーです。原作の大暮維人の絵で動かすというのはさすがに難しいのでそこらへんはスッパリ割り切って、派手なアクションと明快な作劇で見せていく構成はけっこう素直に楽しめる。ドタバタしたコメディ部分も笑えたりするし。今回はサーガ・マスクの「1・2・3、ダァーッ!!」が馬鹿馬鹿しくて良かった。ストーリーが頭に入らなくなりがちな原作とはまた違った魅力が出せてるんじゃないでしょーか。

▼「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」第4話。1〜3話に比べると動きが少なくなっているものの、ギャグがしっかり決まってて今回も楽しめた。「美鳥の日々」第4話は、フィギュアオタクで沢村のクラスメートでもある高見沢が登場。ここまでずっと安定して面白い。作画も演出も上々で手堅い作品。DVD-BOX「Memory1」 [Amzn]が7月23日、「Memory2」[Amzn]が8月23日発売。

【雑誌】アックス Vol.38 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]

 特集はクリハラタカシ。アックス新人賞で佳作を受賞したアガリエ「ユウコ」は、大してやる気もなく女教師をやっている主人公のところに、一人の女生徒が自分は死のうと思っていると打ち明け、家に押しかけてくる。そして自殺をちらつかせながら女生徒が先生の身体に触れてくる……という艶めかしいお話。絵柄自体はまだ洗練されてはいないけど、しなやかな質感。なかなか読ませる。同じく新人賞で奨励賞を受賞した桐山裕市「屍錦」は、とあるヤンキーの日常を淡々と描写してじんわりとしたおかしさを醸し出したギャグ。独特のリズムの話作りが小気味よく、絵柄もアクが強くて個性的。けっこう気に入りました。

 中野シズカ「面子」。うまいですなあ。切り絵超の作画が毎度印象的な中野シズカだけど、今回はその絵で昔の中国のお話を1本。作品世界と作画の雰囲気が非常によくマッチ。お話のほうも、モノノケを助けたことをきっかけとして嫁を得た男の物語を、何度もヒネリを入れつつ鮮やかに描いている。この人はそろそろ単行本出ませんかね。福満しげゆき「僕の小規模な失敗」。今回はかなりええ感じで失敗。彼女ができるかも……という甘い期待に胸を高鳴らせる主人公だが、酒を飲むととんでもない行動に走る悪癖のおかげで大失敗。すっかり女の子に嫌われてしまうが、しつこくつきまといストーカー扱いされる。「自分はストーカーとかそういった類いの人間じゃない」とかたくなに思い込んで、暴走しちゃう主人公の無自覚さが痛々しい。そういう主人公を観察しているのは楽しい。堀道広「青春うるはし!うるし部」。今回もヘタウマ系のナンセンスギャグ。唐突なうるしのうんちくは今回も健在。独自の味があって面白いです。

【単行本】「どうにかなる日々」2巻 志村貴子 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 この巻でおしまい。オムニバス形式で、いろいろな人たちのラブ&エロスを美しく描写。どのお話もトキメキがあって面白いな〜。すごく安定感がある。人をすっと惹きつける端整な絵柄、ハッとさせる演出、スッと軽やかに引くラストなど、いつもながらの鮮やかさ。ヘンに出しゃばりすぎることはないけど、十分印象に残る作品を連発。レズの話を描いても、幽霊の話を描いても、子供ラブストーリーを描いても、どれも志村貴子テイストが生きていて面白くなってる。ここ数年の志村貴子は本当に充実してます。

【単行本】「まっすぐ天へ」1巻 的場健 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 軌道エレベーターの建設を夢見る男たちの物語。面白いです。宇宙に憧れてJASDAに入ったものの、ロケット開発の限界を感じていた飛騨という青年が主人公。打ち上げれば打ち上げるだけ地球環境を破壊するロケット、しかもロケット打ち上げ事故の影響で、その道さえ閉ざされようとしている現状が彼を苦悩させる。そんなときに建設会社に勤める飛騨の弟が持ちかけてきた話。それが軌道エレベーターだった。弟の会社が新たに開発したものすごい強度の素材さえあれば、軌道エレベーターも理論上は実現可能だという。ロケットやデブリの問題などに、最終的な解決をもたらすことのできるこの計画が飛騨、そして人々を動かし始める……という物語。

 「協力」として名前がクレジットされている金子隆一のおかげもあり、科学的な考証はしっかり(しているように、少なくとも門外漢の自分からは見える)。突拍子もないが、素材の問題さえクリアできれば実現可能な夢として示される軌道エレベーターの姿は、宇宙という空間に興味のある人間の憧憬をかきたてる。

 まあ実際にも軌道エレベーター関連のニュース記事は最近ときどき見るし(例:HOT WIRED「宇宙空間へ物資や人を運ぶ「宇宙エレベーター」、実現は15年後?」とか)、軌道エレベータに関するプロジェクトは実際にいろいろ動いている模様。それだけに、この作品も地に足の着いた感のある骨太な物語となっている。SFというよりも、ノリは「プロジェクトX」とかに近いかもしれない。夢があり、かつ夢だけでは終わらないかもしれない。そんな感触がとても小気味良く感じる。連載のほうはこの単行本収録部分で第1部が終わり、再開の予定も今のところ示されていない。でもとりあえず物語的には一区切りついてはいる。続きが読みたいとは確かだけど、ここで終わっても「夢の途中」感があって悪くはないかなとは思う。それにしても「まっすぐ天へ」ってのはロマンのあるタイトルですなあ。ぜひ実現してほしい。

【単行本】「ラブやん」3巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 安定して、マヌケかつ情けなく楽しいギャグワールドを展開。ロリ・オタ・プーのダメ人間カズフサは、成長はしていないけど人間的にはますます打たれ強く。オナホールなど新しい知らなくてもいいアイテムなども覚え、生臭さがアップ。ぶっちゃけたギャグがいつもながら笑えます。オタク的だったりダメダメだったりするアイテムの取り扱いが、過度に自虐的だったりせず、サバサバしてるのもええですな。

【単行本】「AMON デビルマン黙示録」6巻 作:永井豪+画:衣谷遊 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 これで最終巻。お話としても美樹の殺害のあたりが含まれるなどクライマックス。あの「デビルマン」を現代風の緻密な絵柄で違和感なく再構成。シレーヌ編など独自の膨らみも持たせており、カッコイイ作品に仕上がった。ラストはちとあっさりしすぎな感もあるけどこれはこれで。ところで、これだけマジにやった作品の単行本の最後を、ゲスト3ページのギャグで余韻をヘロヘロにして終わらすのはどんなもんでしょうなー。ブーメラン松岡のページとか面白いけど。

【単行本】「少年少女」4巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 さまざまな少年少女の物語をオムニバス形式で展開してきたシリーズ。これで最終巻。シャープでキレがあり、しかも風格も感じさせる作画、毎回印象的なコマを作り出してくる構図取りの巧みさ、気の利いた構成の作劇など、作者の才気を存分に感じさせてくれるシリーズだった。福島聡は本当に漫画がうまい。ちょっと表現を抑制しすぎるきらいもあるので、ときに素っ気ない感じになってしまうことはあるものの、その才能は一読すれば誰もが納得するところだろう。次は新たな代表作となるような長編作品を期待したい。

【単行本】「モリタイシ傑作集 茂志田★諸君!!」 モリタイシ 新書判 [bk1][Amzn]

 現在週刊少年サンデーにおいて、柔道ギャグの「いでじゅう!」を執筆中のモリタイシの過去作品集。「茂志田★諸君!!」全7話、「ちょんまげFight!」「未来世紀 トラやん」「招福祈願 ダルマイト・ガイ」を収録。この中ではやはりメインとなっている「茂志田★諸君!!」が面白い。全国模試でトップをとる優秀な頭脳の持ち主ながら、小学4年生の妹を尋常じゃないくらい溺愛している終わった男・茂志田くんが、妹の動静に一喜一憂しまくるというドタバタ学園コメディ。変態との評判の高い茂志田くんを誘惑しようと挑んで来るお嬢さまら、サブキャラも楽しく、いい感じで笑えるお話に仕上がっている。ちょっと昔の作品ではあるけど作画的にも十分なものがあり、よくある「レアだけどあんまり面白くない初期作品集」にはなっておらず、これ1冊でも十分楽しめる内容となっている。

【単行本】「美鳥の日々」6巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 テレビアニメのほうも安心して面白いが、こちらもしっかり。ドタバタギャグ部分は楽しいし、美鳥や綾瀬さんといった女の子キャラもかわいい。ときにシリアスな展開を見せて物語を引き締めながら、いい感じで進んでおります。美鳥とのお別れの日もじょじょに近づいてきてるのかな?という雰囲気は漂っているけど果たして。安定株ながら着実にお話を進めようともしているところにも好感が持てる。

【単行本】「BODY TALK」 井ノ本リカ子 松文館 B6 [bk1][Amzn]

 わりとガチンコなボーイズラブもの。男性向けエロは最近ことさらに描線を淡く、ふよふよ柔らかい感じにしてきている井ノ本リカ子だけど、こっちのほうはイケメンを描くのがメインだけにシャープな感じにしてきている。さすがに男性向けもやってるだけあって、ちんこの形とかちゃんと描いているし、男同士ながらしっかりエロいと思う。


4/24(土)……神主映画祭

オスマンのトップページにいったん移した作家別単行本リストへのリンクですが、やっぱトップページにあったほうが使いやすいかなあと思い、元に戻しました。トップページのレイアウトはちょこちょこ試行錯誤してます。うまく配置するのはなかなか難しい……。

▼アニメ感想。「魔法少女隊アルス」第3話。1話9分弱と短いながらなかなかいい感じになってきた。魔界におっこちてきてしまった少女アルスの自由奔放なキャラは見てて楽しいし、アルスに反発するシーラ、アルスのことをすっかり気に入ってしまったエバと、二人の魔女っ娘のキャラもだんだん生きてきた。アルスがほうきで空を駆けるシーンの動きもイキイキとして気持ち良い。まあ30分シリーズならここまででちょうど1話分ということで、ストーリーのほうはまだそんなに動いてないのだけど、とりあえず楽しく見れている。

▼「ケロロ軍曹」第4話。うーん……どうもなあ。安心感抜群のナレーションと、ケアの行き届いた書き文字がどうにも野暮で、ギャグのテンポを悪くしてると思う。「ちびまる子ちゃん」のナレーションみたいなのを狙ってるのかもしれないけど、仕込んだギャグに全部気づいてもらおうとするかのような姿勢はみみっちく感じる。この作品の場合、もっと大量にギャグを仕込んでテンポ良く繰り出して、気づいた人はニヤッと笑え〜ってなくらいにしといたほうがイイと思う。あと解説も基本的にはいらんけど、あえて入れるならば、下手に落ち着いた感じのナレーションよりもタママとかにしゃべらせたほうが楽しいんじゃないかなー。

▼「恋風」第4話。今回はいつもより作画がいい。というか耕四郎が美青年っぽく描かれていた。なんか不思議な方向に作画がバラつく作品だなあ……とか思ってたら、内容のほうが凄かった。七夏と映画館に入ろうとしているところを元カノに目撃された耕四郎が、しなくてもいい釈明をするため元カノを呼び出す。んでもってなんだか下心がこみ上げてきて期待するも、スカッと肩透かしを喰らわされ、もんもんとしたまま家に戻って妹の下着をくんくん、そして……と続く。なんだか視聴者を羞恥責めしているかのような展開。ギャグものの「ケロロ軍曹」より、こっちのほうがよっぽど笑えてしまうんだけど……。それにしてもここまでの耕四郎は、なんかもうまるっきり変態。このお兄ちゃんに惚れちゃう七夏は、けっこう太ぇアマだと思う。

▼「この醜くも美しい世界」。えーととりあえず主人公のタケルがヒカリを拾い、タケルの親友のリョウがアカリを拾い、一緒に住み始めましたよというところまで。第4話まで来たけど、いまだになんだかストーリーの大きな方向性が見えてこなくて得体が知れない。ラブコメとしてはけっこう楽しいんだけど。1回めで出てきたモンスターや、主人公のタケルがデビルマンみたいなのに変身するとかいうのは、2回め以降まったく出てきていない。でも公式サイトのストーリーを見ると「謎の少女ヒカリやアカリ、いとこで幼馴染の西野マリやクラスメイトたちと繰り広げる、タケルたちの楽しい日々。平凡だけれど何にも変えがたい毎日が、ヒカリの目を通して、鮮やかに描かれていきます。」とか書いてあるから、ずっとこのままな感じなのかもしれませんな。

▼未読物
【雑誌】アックス Vol.38 青林工藝舎 A5平 [bk1][Amzn]
【単行本】「ファンシージゴロペル」2巻 水野純子 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「AMON デビルマン黙示録」6巻 作:永井豪+画:衣谷遊 講談社 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】月刊IKKI 6月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社

 作:松尾スズキ+画:山本直樹の新連載「破戒」がスタート。まず初回は、印刷所の若旦那の行動を追いつつ、その周囲の人々を描いていくという形。なんだかみんなやけにイライラしている様子で、閉塞感、圧迫感のある状態。今回はエロシーンはないっすね。スローペースで始まり、まだ物語がどういう方向に行くかは分からない。山本直樹のコメントによれば、「今年1年は、このマンガにささげますよ。」とのこと。まずは期待しております。ジョージ朝倉「平凡ポンチ」。今この雑誌で一番先が気になる漫画。今回は雑誌の付録として、4月30日に発売される単行本1巻[bk1][Amzn]のつけかえカバーもあり。逃避行を続ける真島監督とミカの前に、監督の横領であった新開が登場。しかし真島&ミカの行動は、また非常に衝動的で、それがどういう結果を呼び起こすのか読めない。毎回アクシデントの連続で面白いです。

 五十嵐大介「PETRA GENITALIX」は、「魔女」シリーズの最新作。母船を離れて作業中の宇宙飛行士を突然の事故が襲うシーンから始まった後、お話はその12か月前の地上に移り、魔女っぽい女性の家に引き取られた少女の物語が描かれていく。3号連続登場の1回め。宇宙のお話と、地上のお話がどういうふうに結びついていくのかとても楽しみ。なお「魔女」1巻は4月30日発売です[bk1][Amzn]。読切、八木克「窓」。少年の間の戯れとして、全身ヤケドで外に出ることもままならない少女が住む屋敷の窓に向かって、「オバケ」と叫ぶ遊びをしていた少年が、大人になってからそのことを悔いるというお話。上品できれいな絵柄で、苦みのお話を手堅くまとめている。ただラストのあたりはちょっと表現があいまいで、ぼやけた印象になっちゃってる気もする。水準はクリアしており悪くはないが、もう少しこの人ならではっていう特徴も欲しいところ。

【雑誌】アフタヌーン 6月号 講談社 B5平

 ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」。三星高校との試合が決着。巻頭カラーで大増ページと気合い入ってて、今回も面白かった。1試合を通じて、チームの面々、とくに三橋と阿部の両バッテリー、それから三星高校バッテリーのかけひきを非常に丁寧に描写してて良かった。三橋のピッチャーとしての精神面、技量面での良さ、それから悪さをしっかり浮き彫りに出来ているのは読みごたえあり。あと試合の中での成長が、常識外れでない範囲でヒシヒシと伝わってくるのも良い。月刊誌といえど、面白いスポーツ漫画が1本あるってのは非常に効果的だなあと改めて思わされる。

 ぬー、木尾士目「げんしけん」アニメ化ですか……。漫画としては面白いけど、アニメとして面白い作品に仕上げるには、かなりの技が要求されそう。作画面はさほど問題ないと思うけど、ただでさえ一歩間違うと居心地がむちゃくちゃ悪くなる作品なだけに、声の芝居をハズすとつらそうな気が。「くじびきアバランス」含めてのアニメ化というのは、原作のストックがないという事情もあるかもしらんなーという気はします。でももしかしたら、キャラクターの動き的には「くじアン」の部分のほうが面白くなっちゃったりするかもしれず。まあ何はともあれ、とりあえず放送が始まったら見てみることにします。漫画のほうは今回も面白し。新入部員の女子のオギチンと大野さんが、やおいエッチ本をめぐり丁々発止。男キャラの影がますます薄くなってます。

 新連載、田中ユキ「神社のススメ」は、新たに神職に就いた、まさに「新入社員」な青年・里見を主人公とする物語。神社での行事をすべてビジネスでありアミューズメントであると割り切る上役たちの姿勢に、不慣れで失敗続きの里見は思い悩む。そこにバイトで巫女をやっている女子高生の真鍋さんが声をかけてきて……という展開。身近に存在はするけれども普段はあまり縁のない神社という「職場」の現実を描く導入部はなかなか新鮮だし、真鍋さん、それから里見にほのかな憧れを抱いているっぽい新田さんらの巫女さんにも華やかさがある。まずは期待できそうな感じです。

 このほかでは漆原友紀「蟲師」の丁寧な物語作り、安定して笑いとトキメキのあるとよ田みのる「ラブロマ」あたりが面白く読めました。

【雑誌】手塚治虫マガジン 6月号 KKベストセラーズ B5平 [定期購読:eS

 「火の鳥 黎明編」が系再開し。ヒナクはアニメ版よりもこっちのほうがかわいいなあ。「リボンの騎士」ではヘケート。人間のときもいいけどネコに化けたときもいい。女の子サファイアももちろん。手塚キャラはやっぱり萌えます。 あと今号には夏目房之助インタビューもあり。2ページと短いけど。

【雑誌】ビッグコミック 5/10 No.9 小学館 B5中

 さいとう・たかお「ゴルゴ13」今回はかつての東西冷戦時に活躍した二人のスパイが、引退後、老年になってベルリンの町で出会うという出だし。なんだか渋みがあっていい感じだなあと思った。ゴルゴは今回あんまり出てこないけど、安心して読めます。

【雑誌】LaLa 6月号 白泉社 B5平

 なかじ有紀「ビーナスは片想い」の特別編「オレオ」が掲載。ユッキーと、彼に想いを寄せるバレーボール部の稲葉さんのラブラブエピソード。ほのぼのハッピーでよろしいんじゃないでしょうか。本編同様、ごちそうさまでした、という感じ。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。今回もお兄ちゃん4人を持つ中学3年生少女・桜がちんまりしててかわいいですな。お話的にはそろそろもう少し動かしてってもいい頃合いかとも思いますが。

【単行本】「ピピンとピント☆」1巻 大石まさる 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 海の家をやっているおうちの息子である14歳の少年ノボル、通称ピントの家に、爺さんが年をとってから作った娘、つまりピントにとっては父の妹、おばさんにあたるにも関わらず同い年である美少女ミナトがやってくる。それをきっかけにピントの周りでさまざまな騒動が起こり始める。なんだか爺さんは宇宙人と結婚し、戸籍上は死んだとされているものの宇宙のどこかで今も生きてて、ピントもいずれは宇宙を目指すことになるはず……ってな感じ。

 というとなんかSFっぽいんだけど、ピントは爺さんのカメラを手にするといきなり理性がふっとんで大暴れ。幼なじみの桃音ねえちゃんやミナト、それから同級生のサッちゃんとかの裸とかをカメラでとりまくったりするし、なんだかもうよくわからん。SFとラブコメとエロとドタバタコメディが、ごっちゃごっちゃになってとにかく騒がしい。お話がどこへ向かうのか、大石まさるが何をやろうとしているのか、それはよく分からないながらも猛烈な勢いで突っ走ってて楽しいことは楽しい。

 大石まさるはすごく女の子の裸を描くのが好きなんだろうなあ……という気はするものの、すごく楽しそうにやってた「泥棒猫」シリーズはそんなでもなかったしなあとも思うし、「りんちゃん」シリーズのDIYネタもそれはそれで楽しそうではあった。なんだか不思議な作家さんではあります。

【単行本】「ラブロマ」2巻 とよ田みのる 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もしみじみほのぼの面白い。根岸さん星野くんの、コソコソしない恋模様を、楽しく、かつトキメキもしっかりちりばめて描写。ええですのう。「根岸さんを中心に世界が輝き出したんだよ」というセリフは、星野くんのセリフとしては当たり前なんだけど、いやあ本当にそうだと思いますよ。あー、うらやましい。でもねたましいって気持ちは湧いてこないですな。素直に二人の前途を見守りたくなる、幸せな漫画です。

【単行本】「ふたつのスピカ」6巻 柳沼行 メディファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版[Amzn:DVD-BOX]は終了しましたが、こちらはまだまだ続きます。アスミ、府中野、マリカ、ケイ、シュウと、それぞれのキャラクターのディティールを丁寧に掘り下げていってて着実な展開。この巻では巻末おまけ漫画の「もうひとつのスピカ」も印象に残る。アルバイターのヤギヌマさんのほろ苦い恋のおしまいと、新たな恋の始まり。短いけれどもしみじみとした味わいがあっていいです。


4/23(金)……フラッと女

▼そういえばここのところ書いてなかったけど、今週見たアニメで目についたあたり。「鉄人28号」は、鉄人が役に立たなくて正太郎くんがブチキレ寸前。秘書の高見沢さんがなかなかチャーミング。お姉さんっぽいキャラの登場で、正太郎くんの子供っぽさが今までよりも鮮明に。「神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON」は3話めにしてアンナがようやく迷いを脱し現場復帰。熱血な展開になって面白くなってきた感じ。ところでSECON SEASONは、FIRST SEASONに比べるとOP/EDともに印象が弱い。串田アキラ先生は最近声がちと軽めになってる気がするんだけど、気のせいかなあ。とらのあなのオリジナルCD「虎のプライド」を聞いたときも、そういう印象は受けたんだけど。

【雑誌】ヤングアニマル 5/14 No.9 白泉社 B5中

 森恒ニ「ホーリーランド」は、代沢高ヤンキー頭の土屋がいい人ぶりを発揮。悩むユウに対してレスリングを通じて男と男の語らい。アニキテイストな土屋と、着衣が乱れて胸元のはだけたユウに怪しい雰囲気が漂う回でありました。文月晃「藍より青し」。今回はティナと繭の友情話でほのぼの。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/14 No.10 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」(原案:永井明)。腕利き麻酔医である荒瀬が手術に参加。朝田と驚異的なコンビネーションを見せる。まるでセッションを見るような手術っぷりがなかなかにカッコ良かった。こういう派手でダイナミック、マンガチックな見せ方はいいなあ。あと今号の〆のシーンで、荒瀬がバチスタ手術のビデオを見るところは笑えた。作:武論尊+画:池上遼一「HEAT−灼熱−」は今回で最終回。終盤戦はあまり印象に残ってなかったりはするのだけど、全体を通していい感じで楽しませていただきました。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 6月号 竹書房 B5中

 作:荒正義+画:押川雲太朗「天と地」。荒川青年が出会った麻雀人たちの生き様を描いていくお話。今回はさほど凄い腕があるわけではないが、なんとかしてしのいでいく渡世人・源さんのエピソード。派手ではないけど味のあるドラマになってて手堅く楽しめる。せきやてつじ「おうどうもん」。ケンタが毒蛇との対局の中で覚醒。今までとは違った麻雀を見せつける。躍動感あふれる打牌っぷりが痛快。麻雀漫画なのに、打牌時に上半身だけでなく下半身も描くのはなかなか珍しい。実際には椅子に座っているわけだから、この漫画どおりのポーズで打ってるわけじゃないだろうけど、ハッタリの利いた演出。

【雑誌】コミックバンチ 5/7+14 No.21+22 新潮社 B5中

 巻来功士「ゴッドサイダー セカンド」が開始。大天使ミカエルと魔王サタン、両方の遺伝子を持つ鬼哭一族の生き残りである霊輝という男を巡り、戦いが繰り広げられていく……という出だし。この人は昔からテイストが変わりませんなあ。順調に盛り上がっていけば、昔の「ゴッドサイダー」の愛読者だった人なら、面白く読んでいけるのではないかと。坂本タクマ「屈辱er大河原上」。ヒゲツボが順調にお笑い芸人としての地位を固めていく。大河原上もいいが、最近はツボ師のツボテクニックもいい味を出してきた。

【アンソロジー】FLAT STYLE ビブロス A5平

 帯には「胸のちっちゃいおにゃのこがいっぱい!!」とあり。ロリってほどでもないけれどもツルペタ系なアンソロジー。ページ数の少ない作品が多いので、お話的にぐっとくるものはあまりなかったけど、絵のかわいい人が揃ってて目に華やかな感じではあります。ただどれもかわいくきれいでお話的にもライトなものが多いんで、かえって一人一人の作家は印象に残りにくいかも……という感じはしました。その中でお目当てだったのは、「とらのあなの美虎ちゃん」でおなじみ、むっく「安心AAA」。「トップとアンダーの差が5cmだけ」というのを究極のスタイルとして標榜する、小学校の女教師が、その主義を生徒たちに強要しまくるという4コマギャグ。くだらなくてカラッと明るくて楽しいです。

【執筆陣】おーじ、火浦R、トメ太、Sody、みずきほたる、黒須嗣載、ででん♪、むっく、小池定路、魅野こだま、ザンクロー、ほりもとあきら、こけこっこ☆こま、猫点心、saxyun、nini、河南あすか


4/22(木)……桃太郎ダントツ

▼漫画雑誌をインターネット通販で定期購読することについては日頃から積極的な私ですが、本日もFujisan.co.jpは送料無料でエロ漫画雑誌をちょっと扱っていることに気づき、さっそく注文。エンジェル倶楽部コミックドルフィンコミックメガストアコミックメガストアHの4誌。これで現在定期購読している漫画雑誌は以下の13誌に増加。かなりいい感じの量になってまいりました。でもまだ雑誌数でいうと、10分の1しか通販化できてないんだよね。現在のところだいたい130冊/月くらいなんで。

▼通販による定期購読中雑誌
eS!BOOKS: コミックガムFEEL YOUNGコミックフラッパー手塚治虫マガジン
Fujisan.co.jp: エンジェル倶楽部コミックドルフィンコミックメガストアコミックメガストアH
出版社直販: ウルトラジャンプコミックビームサンデーGX月刊IKKIフラワーズ

▼未読物
【DVD】「プラネテス」1 バンダイビジュアル [bk1][Amzn:1/2/3
【雑誌】ヤングアニマル 5/14 No.9 白泉社 B5中
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/14 No.10 小学館 B5中
【雑誌】近代麻雀ゴールド 6月号 竹書房 B5中
【雑誌】コミックバンチ 5/7+14 No.21+22 新潮社 B5中
【雑誌】CRAFT vol.20 大洋図書 A5平 [bk1][Amzn]
【単行本】「はなしっぱなし」下巻 五十嵐大介 河出書房新社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「どうにかなる日々」2巻 志村貴子 太田出版 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「にらぎ鬼王丸」1巻 作;荒仁+画:坂本眞一 集英社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「モリタイシ傑作集 茂志田★諸君!!」 モリタイシ 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「美鳥の日々」6巻 井上和郎 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「パンテオン」3巻 榛野なな恵 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ふたつのスピカ」6巻 柳沼行 メディファクトリー B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「まっすぐ天へ」1巻 的場健 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブやん」3巻 田丸浩史 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラブロマ」2巻 とよ田みのる 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「神戸在住」6巻 木村紺 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「三つ編と赤い自転車」 アルコ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「ピピンとピント☆」1巻 大石まさる 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「BODY TALK」 井ノ本リカ子 松文館 B6 [bk1][Amzn]
【アンソロジー】FLAT STYLE ビブロス A5平 [bk1][Amzn]
▼24日売り
【雑誌】月刊IKKI 6月号 小学館 B5平
【単行本】「マイナス完全版」1〜3巻 山崎さやか エンターブレイン B6 [bk1][Amzn:1巻/2巻/3巻
【単行本】「少年少女」4巻 福島聡 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
▼27日売り
【雑誌】コミックミニモン 6月号 東京三世社 A5中

【雑誌】モーニング 5/6+13 No.21+22 講談社 B5中

 山崎さやか「はるか17」が堅調に面白い。はるかがしっかりグラビアアイドルとして売れ始めてきて、「頑張ってるなあ」と素直に楽しく読める。神原則夫の不定期漫画「ナゾの女マリー」は最終回。最後まで飄々としたくだらない世界を作り出してて良かった。それにしてもどう見ても婆さんである嘘つき熟女マリーも太いけど、それと結婚してしまい、さらに46歳と黒人の息子二人を抱えてしまうダンナの正夫もええ根性している。神原則夫キャラは懐が深い。あと神原則夫作品についてはいつも思うことだがなんとか単行本になりませんかのう。

【雑誌】ヤングサンデー 5/6+13 No.21+22 小学館 B5中

 一色登希彦「ダービージョッキー」(原案:武豊+構成:工藤晋)。すべてをさらけ出した後、ようやく上杉父子が和解。ここまで長いことかかったが、それだけにケイが父に言葉をかけるシーンは劇的。やはり一色登希彦はいいドラマを描きます。北崎拓「なんてっ探偵アイドル」が非常に生臭い展開で良かった。トリコロールの3人娘が、ファン参加イベント「スーパー銭湯ツアー」に出かけるというもの。トリコロールマニアなエグめのファンたちがわらわら登場して、とてもムンムン。メインターゲットは童顔巨乳のあげはのようで。ちなみにバスツアーには清春も参加していて、そのあたりはしっかりラブコメ。汗臭さ満点の中で一服の清涼剤。大谷じろうの新連載「下北GLORY DAYS」がスタート。上京して彼女が通う大学を目指そうとしている青少年の優太が、女の子ばかりが住むシェアハウスに転がり込むことになって……というところから始まるドタバタコメディ。あとよしだゆうすけの現代コンビニを舞台にしたまったりギャグ「いらっしゃい」もスタート。

【雑誌】ヤングジャンプ 5/13 No.21+22 集英社 B5中

 中野純子「ちさポン」。ようやくポンタとちさが仲直りデートで初Hかな……という展開。ラブラブで甘苦しいですのう。なおこばやしひよこ「おくさまは女子高生」も初体験中であります。とか思っていたら遊人「学園天国」もそうでした。なんか初エッチブームなヤンジャンです。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/6+13 No.21+22 秋田書店 B5平

 桜井のりお「子供学級」。梅子の受け持ちクラスで唯一頭の良い女子・松井さんが、保健室の新任先生(ブラックジャック似)に会うために、クラスメートを次々ケガさせて回る。まともな人かと思ったら、この人もかなりなもんだったわけですな。毎回カラッと暴虐なことやってて楽しいです。松本レオ「GO BOUT!」。なんかこの作品を読んでると、ついついパンチラ探しになってしまう。エロいパンチラではないのに、必然性のない場面で強引に入っていて、そのさりげない無理矢理さ加減にいつも笑ってしまう。おかげで物語の内容が全然頭に入ってきません。あと作:二宮清純+画:井上正治による松坂大輔物語「Athlete〜松坂大輔その涙の先に〜」も掲載。

【雑誌】コミックダントツ! 6月号 光彩書房 A5中

 新創刊。同社が出している純愛果実と対になっている感じの雑誌。純愛果実がA5中とじになっているのに対し、こちらはB5中とじ。偶数月の22日あたりに発行されていく模様。奇数月は純愛果実なので二つ合わせて月刊という具合。月刊でないので誌名が浸透しにくいというのはあるだろうが、判型が違えてあるので、A5中とじとB5中とじ、どちらかがすたれても対応できるという面でリスク分散にはなっているのかもしれない。

 で、雑誌の柱は純愛果実と変わらずゼロの者。今号も巻頭カラーで「りとる」という作品を執筆。ちっちゃいけど怪力の女子とその幼なじみ男子のラブコメ。でもエッチシーンはその幼なじみ男子の兄貴が相手ということで、凌辱風味もプラス。後味は甘酸っぱくてほのぼのしてるけど、ストレートに幼なじみ男子とラブラブってのでも良かったかも。まあ実用度ではこちらのほうが高いからええですけどね。フジヤマタカシ「リバース」。クラスの中でも目立たない気弱な男子が、マジメそのものに見えた学級委員の女の子の淫らな一面を目撃……というお話。たっぷりボリューム感のある巨乳がエロくていいですな。藤岡たまえ「経験」は、父母の再婚によって兄妹となった二人のエッチ話。大人ぶってエッチについてなんでも知っていると強がろうとする妹ちゃんの姿が微笑ましい作品。Cuvie「DIVINE」は、先生を誘惑する女生徒さんの話。スッキリした絵柄ながらも艶やかな色気があって気になる作風の持ち主であります。

【執筆陣】ゼロの者、龍牙翔、Cuvie、藤岡たまえ、天誅丸、兼高双一、フジヤマタカシ、つつみあかり、桜岡コト吉、八月薫、秋恭魔、かげちん

【雑誌】ドルフィン 6月号 司書房 B5中 [定期購読:Fujisan

 くどうひさし「シス☆パラ」。今回はギャグ仕立て。友達に姉がいると知った高校生男子が、期待に胸を高鳴らせ妄想を爆裂させ続けるというお話。たいへんベタベタなオチだけど楽しくはある。田丸浩史っぽいノリだなーとか思った。うさぎのたまご「ダイエットの卵」は、彼女のダイエットに協力中の彼氏が、それにつけ込んで野外で彼女にいたずらしまくるというお話。相変わらずごちゃごちゃしたノリの良い作風。カラッと明るいのにさりげなく鬼畜だったりするところが味。


4/21(水)……要開眼等

▼さんざん苦戦したが、いちおう仕事が一段落。これでゴールデンウィーク進行も大きな山を乗り越えたか。牝牛は月をとびこえたか。

【雑誌】週刊少年サンデー 5/5 No.21 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」。綾瀬さんが一念発起して、沢村と組んで「卒業生を送る会」の実行委員に立候補。いやあ今回は綾瀬さんかわいいなあ。大ゴマでの表情もズバッと効果的。綾瀬さんとの関係も、これで一気に進展があるのか。綾瀬さんに幸あれかし。あと4/21〜5/18の期間限定Webショップ「美鳥屋」(http://websunday.net/wsshop/wsshop.htmlで、美鳥原寸大フィギュアが販売されるという情報も掲載されたが、現在Webのほうは新規登録停止中。もし在庫に余裕があるようなら、4/27以降に改めて案内があるかも、とのこと。雷句誠「金色のガッシュ」。ついにシェリーがかつての親友ココでガッツンガッツンぶつかる。ココはなかなか容赦がなくって、思わずウホッ!いい責め……という感じでシェリーを追い込んでいく。盛り上がってていいです。

【雑誌】週刊少年マガジン 5/5 No.21 講談社 B5平

 今号は森川ジョージ「はじめの一歩」、コージィ城倉「おれはキャプテン」が地味めな展開だったせいか、ちょっと盛り上がりに欠けた印象。 作:後藤正治+画:所十三の読切「いのちの医師〜レシピエント(臓器受容者)編〜」の前編が掲載。後藤正治「生体肝移植−京大チームの挑戦」[bk1][Amzn]を原作とした医療モノ。作:藤沢とおる+画:関口太郎「WILD BASE BALLERS」は最終回。

【雑誌】COMIC LO Vol.6 茜新社 B5平

 巻頭カラー、KURO「春ノ雨」。長い髪の女の子が大人しそうなお兄さんのおちんちんをいとおしそうになめているシーンから始まるのだが、この女の子がすごく可愛いなあ。はにかんだ表情とかがすごく初々しくていい。この人は最近ますます腕を上げてるような気がしますね。単行本「春ノ雨 〜Spring Dropsから」[Amzn]は4月24日発売予定。完顔阿骨打「あついひみつ」。親友の女の子・明日香に恋する少女・千夏が、明日香の下着をこっそり自分ではいてみて体を火照らせるというお話。なかなかいい感じにカワイイです。ベテランらしいいい仕事。

 宮内由香「みずいろ」。上品で整った絵柄で、小さい娘さんを本気の本気で愛してしまった青年のやるせない心のうちを描いた作品。なかなかにしみる切ないお話です。鬼束直「Talk About」。妹が兄のオナニーを目撃したのをきっかけに、Hなことに突入〜というストーリー。あっさりめの絵柄がきゅーとjで良い。ハマダユタカほどではないけど、この人にも田中ユタカっぽいテイストがほのかに漂っている感じ。

【アンソロジー】「妖怪幻燈」 MdN/インプレス B5平 [bk1][Amzn]

 森野達弥が監修をつとめる妖怪漫画アンソロジー。短めの作品が多い中、Moo.念平「妖怪契約まんだらマン」が、妖怪にとりつかれてしまった純情少年の恋を描いたまっすぐなお話となってて好感。あとは森野達弥「HETTLE SPRITE ヤカンヅル」はページ数多めで、安定感もあり。しっかり和風ファンタジーな世界を構築している。あとイマイヒヅルのキュートな絵柄は、この本の中ではいいアクセントになっている気がする。

 それにしてもこういう本を見るたびに思うのだけど、妖怪ブームが来ているらしいがそんなに妖怪好きな人って多いのかなあ。自分も別に嫌いじゃなく印象としてはむしろプラス寄りなのだけど、積極的に妖怪系の事物を漁るというほど好きというほどでもない。世間一般的にも、そのくらいの層が大半なんじゃないかと思うし、ブームというほどの熱気をすごく感じるわけでもないんだけどどんなもんなんでしょうね。

【執筆陣】岡本英郎、近藤ゆたか、村上健司、Moo.念平、京極夏彦、ムロタニ・ツネ象、原口智生、イマイヒヅル、環望、加藤兄弟商店、ちばこなみ、神宮寺一、むらかわまいちお、GURIHIRU、サムシング吉松、森野達弥、KIKU、島本高雄、松村みのる

【単行本】「まいちゃんの日常」 氏賀Y太 三和出版 A5 [Amzn]

 これは凄いです。アイラDXでの連載当時から毎回注目していたけど、こうやってまとめて読むとさらにドーンと来た。氏賀Y太作品は、さほど小まめに追っかけているわけではないんだけれども、自分が読んだ中ではこれが最高傑作だと思う。ちなみにたいへんグロい描写が山ほど出てくるので、そっち系の作品が苦手な人にはオススメしません、というか避けたほうがいいでしょう。後から「こんなの薦めるなよ〜」といわれるのもイヤなので、先にお断りしておきます。しかしそれを我慢できるような人には、きっと何か得るものはあると思います。

 この作品は、どんな傷を与えられようと肉体を破壊されようと元に戻ってしまう、驚異的な回復能力を持つメイドのまいちゃんを主人公とした物語。その人間離れした能力を生かして、彼女は猟奇的な趣味を持つ客の相手をする仕事もしている。彼女に対して加えられる破壊は、毎回ものすごい。包丁で体を切り刻まれたり虎にくいちぎられたり、首を斬り落とされたり。しかし彼女は死なない。というかいったんは絶命しているのかもしれないけれども、またすぐに蘇ってくる。まいちゃんの場合、死なないということ以外の特殊能力はまったくない。精神的には痛いのも苦しいのも嫌いな普通の娘さん。被虐に快感を見出すようなことはまったくない。そして性格的にも非常に健全で人がいい。だから読んでいるほうとしてもこたえる。

 まず第一の山場として、まいちゃんに与えられたペット、四肢切断少女の「さゆりん」のエピソードがある。まいちゃんはさゆりんと仲良くなりたいと願うが、心が通じ合ったと思った矢先にやってくる悲劇的で凄惨な別れ。まいちゃんとともにサディストたちの相手をさせられたさゆりんが、その最中に死亡するも、まいちゃんだけは生き返ってしまう。動けないように縛り付けられ、さゆりんの亡骸が腐っていく様子を観察させられ続けるまいちゃんのかわいそうさと来たらもう胸が締め上げられんばかり。

 その後、まいちゃんの前に彼女と同じ体質を持つ少年・きずなが連れてこられる。このあたりのエピソードは比較的心温まる部分もあるのだが、彼との子供を宿したまいちゃんが受難するラストの展開はものすごくショッキング。どんなことがあってもその苦しみをグッと胸にしまいこんで、健気に生きていくまいちゃんの姿には、思わず涙がこぼれそうになってしまう。グロい表現ももの凄いのだが、個人的にはまいちゃんの懸命な生きざまにむしろ心を強く動かされてしまう。まいちゃんの今後の幸せを、願わずにはいられない気持ちになってくる。これを読者にショックを与えることのみを目的とした「ショック漫画」だととらえる向きもあるでしょう。でもそれだけではない作品だと、個人的には思っています。


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