2004年6月下旬


6/30(水)……墨戯王荻窪

OHP月極アンケートのテーマを入れ替えました。7月は「今このギャグ漫画がオモシロイ!」です。ギャグ漫画をテーマにするのは2000年11月以来ということでけっこう久し振り。古い漫画についてはそのときのアンケートでもいろいろ出たので、今回は現在継続中のもの、もしくは最近終わったものに限定してやりたいと思います。それでは7月もよろしくお願いします。

▼6月分「期待の新鋭作家は投票締め切りました。ここ1〜2年くらいで出てきた人という狭い範囲でのアンケートではありましたが、投票数もそこそこ行ったし、けっこう面白い内容になったんじゃないかと思います。今回は、「アンケート結果を見て試しに読んでみたら面白かった」みたいな意見がちらほらあったのが、個人的にはうれしかったです。OHP月極アンケート自体、そもそもそういうポジティブな結果につながるようにしたいと思って始めた企画なので。このテーマは時間を置いてそのうちまたやるかもしれません。

▼アニメ「神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON[Amzn]最終回。すごく面白かった。きわどいコスチュームや盛大な乳揺れに目が行きがちだが、意外なくらいに熱血。ストーリー的には寄り道や説明不足な点もあったことはあったけど、遊びの部分も含めて最後までしっかり楽しめた。25話の時点で戦闘はほぼ終結していて、最終26話は各キャラのその後をたっぷり総ざらい。イキイキとした動き回る印象的なキャラが多かっただけに、きちんとアフターフォローもしてくれた点はうれしかった。魅力的なキャラ、豪快でツボを心得たメカアクション、安定した作画などなど見どころいっぱい。「新婚」「神魂」に代表される言葉遊びの数々、健康的なお色気描写などは、お話をスムーズに味わわせる潤滑油として機能。串田アキラ、水木一郎、堀江美都子によるOP/EDも気分を盛り上げてくれた。見るべき良い作品だと思う。満足しました。

▼「サムライチャンプルー」[Amzn:(1)]第6話。たいへん良い出来だった1話め以降、ちょっとダラダラしてた感のある本作だが、第5〜6話あたりはけっこう面白くなってる。今回は3人組が江戸に到着して、金を稼ぐ&腹を満たすために大食い大会に出場。そこで一人の外人サンと出会うという内容。大食い競争のシーンは力技で楽しく、外人サンのキャラもグッド。インチキ時代劇ということもあって、ジョークがふんだんに入った回のほうが面白く見られる。あ、あとやっと3人組の名前を覚えた。

▼購入物件
【単行本】「黄金のラフ〜草太のスタンス〜」12巻 なかいま強 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「高校アフロ田中」9巻 のりつけ雅春 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ぼくらの」1巻 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鬼頭莫宏短編集 残暑」 鬼頭莫宏 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「フリージア」4巻 松本次郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ナンバーファイブ」6巻 松本大洋 小学館 B5 [bk1][Amzn]
【単行本】「キーチ!!」5巻 新井英樹 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「医龍」6巻 乃木坂太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「電脳炎」5巻 唐沢なをき 小学館 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「不成仏霊童女」 花輪和一 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「マインド・ゲーム」 ロビン西 Beyond.C/スタイル+飛鳥新社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「時をかける少女」2巻 作:筒井康隆+画:ツガノガク 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「低俗霊DAYDREAM」6巻 作:奥瀬サキ+画:目黒三吉 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

【単行本】「墨戯王べいふつ」 佐々木泉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 待望の単行本化。この作品の主人公は、中国は宋代の三大書家の一人・米ふつ(「ふつ」はくさかんむりに「市」)。彼は偉大な書家であると同時に、熱狂的な書画のコレクターで、その奇矯な行動から変人としての評価もつきまとう人物。彼の生き様を痛快に描いていく作品。まず佐々木泉の上品な作画が好感度が高く、べいふつの図太くて機転の利いた行動は見てて面白い。自身、芸術家としても一級品な風流人である皇帝さんや、べいふつの弟子である女性・桃葉らサブキャラもイキイキしている。基本的に全エピソードとも一話完結だが、キレのいいお話が揃っててたいへん面白い。この作品は、ビッグコミックオリジナルの増刊号に掲載されたものということで知名度は低いと思うけれども、非常に楽しく読める一作だった。なおビッグコミックオリジナル増刊号の最新号にはこの作品の最新エピソードが掲載されているが、残念ながら単行本には収録されていなかった。今後も収録されるかどうかはよく分からないので、この本を読んで気に入った人は、手に入るうちにキープしておくことをオススメしておく。今ならまだ書店に掲載号があるかもしれないので……。

【単行本】「山田シリーズ」2巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 「山田シリーズ」ついに完結! お金の力の使い手である山田の旅路や商売遍歴をたどった、愛と感動と銭金のドラマ。山田がカワウソであるということは1巻のときにも述べたとおりだが、やはりこの動物はものすごくいい。怒るにしろ泣くにしろおもねるにしろ、とてもいい表情をなさる。毎回山田の活躍を、目を細めながら読みました。大好きだ、山田。

【単行本】「団地ともお」2巻 小田扉 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も面白い。団地住まいの小学生ともおの日常を追っかけていく内容だが、ともおの馬鹿っぷりがスコーンと抜けてて面白い。とはいえ馬鹿であるだけでなく、ときにドキッとするような感受性の鋭さも見せてくれる。例えばやけに自分のことを気に入ってくれる、子供のない夫婦の気持ちを慮って、自分は彼らを利用しているのではないかと悩んだり。馬鹿馬鹿しいともおの暮らしっぷりの中で、ふと見せるしみじみとした描写に思わずジーンとしてしまう。スポーツ大佐などトボけたアイテムも楽しいし。あと子供漫画って、「子供の純真さ、まっすぐな視点」を描くにしろ、「子供社会独特のこずるさ」を描くにしろ、けっこうどっちか片方に偏っちゃうものが多いような気がする。でもこの作品の場合、そのどちらにも偏らず、その局面局面によって違うものを出してくる。そのバランス感覚が好ましく感じる。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 8月号 少年画報社 B5中

 小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」がこちらで復活。初っぱなから池袋のまん森ととらのあなとアニメイトが爆発。犯人はジュンク堂か芳林堂に違いない……と思ったら血涙王という謎の男で、という出だし。まあ何はともあれ、今までととくに変わらず萌えとかの世界を明るく楽しく馬鹿馬鹿しく描いていくことになりそう。平野耕太「ヘルシング」。覚醒セラスが禍々しくてカッコイイ。そして少佐の存在感は相変わらずすごい。これだけカッコイイ小デブはなかなかいない。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/14 No.31 小学館 B5平

 久米田康治「かってに改蔵」があと2回で「永遠の休載」というおしらせが。井上和郎「美鳥の日々」は、美鳥が右手としてセイジとの最後のデート。幸せだけれども切なくて、なかなかによい感じ。あとサブキャラの栞ちゃんが落ち着くべきところに落ち着いてるのは微笑ましかった。満田拓也「MAJOR」はアニメ化ということで巻頭カラー。伊集院光と満田拓也の対談記事も掲載されている。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/14 No.31 講談社 B5平

 森川ジョージ「はじめの一歩」は一歩vs.武の試合が決着。最後は壮絶な幕切れ。痛そうだなあ……。迫力満点で面白い試合でした。

【雑誌】エンジェル倶楽部 8月号 エンジェル出版 B5平

 ミルフィーユ「呪いあざやか」第1話。小悪魔のモアと一緒に住んでいる少年が、クラスメートを逆恨みして呪いをかける。しかし「一生オナニーできない呪い」をかけたところ、相手にオナニーをするヒマもないくらいエッチをさせてくれる彼女ができて……と逆効果。濃いエッチとコミカルな展開でなかなか楽しかった。奴隷ジャッキー「0 PULL TOWN学園へようこそ!」。主人公のメガネっ娘は一見普通そうなんだけど、ウンチもらしたり、正義の味方「うんこ仮面」に扮装したり、けっこうムチャクチャ。ヘンな漫画ですのう。草津てるにょ「いけないマリア先生」。今回はシスターのマリア先生が、人妻のエロい懴悔を聞くという内容。熟れた人妻っぷりがしっかりエロい。

【雑誌】COMICパピポ 8月号 フランス書院 B5中

 創刊13周年。後藤晶「お嬢様とボク」。借金苦で幼ななじみなお嬢様に奴隷として買われていった男子が主人公。最初は高圧的だったお嬢様が、ラブラブ状態になっていく様子がなかなか。ラブコメとしてきっちりまとまっている。ももんこーじ「妄想わんこ中!」。わんこ娘がご主人様とのHを妄想するコメディ。丸っこくてぷにぷにカワイイ絵柄が特徴的。


6/29(火)……去ぬ蚯蚓館

▼OHP月極アンケート6月分「期待の新鋭作家」は30日いっぱいで投票締切です。ぜひどうぞ。

▼テレビ見てて知ったんだけど、懐かしのC級アクションヒーローコメディ「アメリカン・ヒーロー」のDVD-BOXが出るんですな[Amzn:1/2/3/4/5]。「僕、高校教師のラルフ・ヒンクリーです。ある日、UFOと接近遭遇、地球を救えと赤いスーパースーツを与えられました。ところが、取り扱い説明書を失くしてしまったばかりにもうタイヘン。空を飛んでも墜落したり、衝突したりしかしFBIのマックスウェルとコンビを組んでバッチリ任務は遂行します。スーパー・スーツを着込んだUFO時代のときめき飛行『アメリカン・ヒーロー』。はたしてどうゆうことになりますか?」。何もかも懐かしい……。

▼2004年7月購入予定
7/2 「いちご100%」11巻 河下水希 集英社
7/2 「武装錬金」3巻 和月伸宏 集英社
7/2 「デスノート」2巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
7/5 「なんてっ探偵アイドル」17巻 北崎拓 小学館
7/5 「UNLOCK」 猪原大介+オオシマヒロユキ 大都社
7/5 「A LOT OF」 TAGRO 大都社
7/6 「かみちゃまかりん」4巻 コゲどんぼ 講談社
7/6 「でろでろ」2巻 押切蓮介 講談社
7/6 「彼岸島」7巻 松本光司 講談社
7/6 「こぐまレンサ」2巻 ロクニシコージ 講談社
7/6 「ユキポンのお仕事」8巻 東和広 講談社
7/8 「かりんと。」 作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI 秋田書店
7/8 「子供学級」1巻 桜井のりお 秋田書店
7/8 「アカイチゴシロイチゴ」 宇仁田ゆに 祥伝社
7/9 「がじぇっと」2巻 衛藤ヒロユキ マッグガーデン
7/9 「THE 大市民」4巻 柳沢きみお 講談社
7/12 「シスパラ」 くどうひさし 司書房
7/15 「コミック☆星新一 空への門」  秋田書店
7/15 「コスプレイガール岩川さん」 そうま竜也 茜新社
7/16 「にらぎ鬼王丸」2巻 作:荒仁+画:坂本眞一 集英社
7/16 「警視総監アサミ」12巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社
7/16 「イエスタデイをうたって」4巻 冬目景 集英社
7/16 「吼えろペン」11〜12巻 島本和彦 小学館
7/16 「からくりサーカス」33巻 藤田和日郎 小学館
7/16 「学園アリス」5巻 樋口橘 白泉社
7/16 「HELLS ANGELS」3巻 ヒロモト森一 集英社
7/17 「夜伽ばなし」 玉置勉強 コアマガジン
7/17 「マエストロ」1巻 さそうあきら 双葉社
7/22 「フェイスガード虜」4巻 おおひなたごう 秋田書店
7/23 「二十面相の娘」3巻 小原愼司 メディファクトリー
7/23 「黒田三十六計」4巻 平田弘史 リイド社
7/23 「コロポックル完全版」 花輪和一 講談社
7/23 「EDEN」11巻 遠藤浩輝 講談社
7/23 「ジャイアント」7巻 山田芳裕 講談社
7/23 「バガボンド」20巻 井上雄彦 講談社
7/23 「ブラックジャックによろしく」9巻 佐藤秀峰 講談社
7/23 「蕗のお便り」2巻 菅原雅雪 講談社
7/24 「青 オールー」4巻 羽生生純 エンターブレイン
7/24 「Landreaall」4巻 おがきちか 一賽舎/スタジオDNA
7/26 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」7巻 安彦良和 角川書店
7/26 「王様ランチ」 三宅乱丈 太田出版
7/27 「宇宙賃貸サルガッ荘」4巻 TAGRO スクウェアエニックス
7/28 「ラブ♥ハニ」1巻 ジェームスほたて 少年画報社
7/29 「年上ノ彼女」1巻 甘詰留太 白泉社
7/29 「職業・殺し屋。」3巻 西川秀明 白泉社
7/29 「野蛮の園」2巻 西川魯介 白泉社
7/29 「GET DOWN」 橋本みつる 白泉社
7/29 「バトルロワイアル」13巻 作;高見広春+画:田口雅之 秋田書店
7/30 「パン★テラ」2巻 ゴツボ×リュウジ 小学館
7/30 「のらみみ」2巻 原一雄 小学館
7/30 「ライドバック」2巻 カサハラテツロー 小学館
7/30 「ナツノクモ」2巻 篠房六郎 小学館
7/30 「ルサンチマン」2巻 花沢健吾 小学館
7/30 「闇金ウシジマくん」1巻 真鍋昌平 小学館
7/30 「アフター0 Neo」1巻 岡崎二郎 小学館
7/30 「キーチ!!」6巻 新井英樹 小学館
7/30 「警視正大門寺さくら子」8巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館
7/30 「鬼虫」3巻 柏木ハルコ 小学館
7/下 「血だるま剣法・おのれらに告ぐ」 平田弘史 青林工藝舎

【雑誌】漫戦スピリッツ 7/25 小学館 B5中

 青旗昇「ナツ先生の料理教室」。シリーズ2作目。別れた妻の元に引き取られた娘を溺愛している男が、ナツ先生の導きを受けつつ、野菜嫌いの娘に対してしてやれることを探す。ホッとするような暖かい絵柄、人情味のあるストーリーが特徴。新人枠ではあるが安定感のある面白さを発揮している。黒井大黒「笑うハブ山」。「視聴率男」と呼ばれるほどの敏腕プロデューサー・ハブ山が、昇進前の最後の想い出として、数字を度外視した自分の趣味丸出しの番組を作らんとする。絵的にはちょっとこなれてないところもあるけど、ハブ山の作った番組内容がぶっ飛んでてけっこう面白かった。山口かつみ「My Favorite RGV250γ」は、とある男と彼が愛したバイク、スズキγ(ガンマ)の物語。若いころにγを入手し、それで峠を走ることに熱中していた男が、歳をとり昔のことを振り返る。ラストのところできちんとひねりを入れてしっかりまとめており、読ませる作品となっている。

【雑誌】別冊モーニング 7/11 No.2 講談社 B5中

 山下和美「不思議な少年」[bk1][Amzn:1巻/2巻]が連載再開ということで、一挙96ページ掲載。時間を超越する圧倒的な能力を持ちながら、なぜか人間に興味を持ち続ける存在が、少年の姿をとって人間を観察していく姿を描いたシリーズ。今回は冴えないサラリーマンの男の姿を通じ、人間というものが生まれ、出会うことの奇跡を描く。しっかり分かりやすくお話を展開し、見せ場のシーンではすごくダイナミックに画面を使って印象的な作品に仕上げている。さすがにうまい。

 佐藤ひろむの読切「きみの足音」も気になる作品。人のいうことも聞かずに高圧的な態度をとる親に反抗する少年と、自分をうまく表現できないその姉の二人を通じて、うまく意志の疎通ができない家族の間のいらだちや悲しさを描く。シンプルながら優しい感触の絵柄が特徴的で、心情描写も繊細。今後が楽しみな存在。このほか週刊少年サンデーで「トガリ」をやっていた夏目義徳が「P専嬢のダリア」(原作:草薙だらい)で登場してたり、菅原雅雪「暁星記」、盛田信吾「駅前の歩き方」、諸星大二郎「私家版魚介図譜」の最新話が載ったりしている。

【雑誌】漫画サンデー 7/13 No.26 実業之日本社 B5中

 作:新堂冬樹+画:千葉きよかず「炎と氷」。世羅に対する刺客としてヤクザの親分がヤバい男を呼び寄せる。というわけでガッツンガッツン暴力振るいまくり。なんだかこの人たちはやることが濃い。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平

 マンガ・エロティクスFなどで描いてる中村明日美子が登場しててびっくり。しかもメロディの新人賞である「まんがチャレンジ!」の努力賞。タイトルは「父と息子とブリ大根」。親にナイショにしたまま性転換して女になった主人公の部屋に、ある日、前触れもなくいきなり父親がやってくる。父は目の前にいる女性が息子であるということに気づいているのかいないのか、いろいろと話しかけてくるが……というお話。少女漫画雑誌ということでいつもより絵は柔らかめ、明るめな感じになっていて、ストーリーのほうもけっこうほのぼの。暖かみのあるよくできたコメディに仕上がっている。

 よしながふみの新シリーズ「大奥」は、1話めということで71ページとけっこうなボリュームで掲載。疫病により男の人口が女の4分の1になってしまった、パラレルワールドの江戸時代を舞台に展開されるお話。そのため武家社会も男と女の役割が逆転し、政治も女が執り行っているという設定。主人公は貧乏旗本の息子で、家のために大奥入りすることを決意。しかし大奥には大奥のしきたりがいろいろあって、一本気な主人公はそれにとまどう。1話めということで今のところ舞台の紹介という色合いが強いが、設定がユニークで面白げなキャラが並んでいる。楽しく読んでいける華のある作品になりそう。

【雑誌】フラワーズ 8月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS

 新人の読切、岩本ナオ「花の名前」が良い雰囲気だった。とある花屋に初子という女の子がバイトで入ってくる。気さくな先輩バイトのユイの存在もあって、内気だった初子もだんだんと明るくなっていく。スッキリとして落ち着いた雰囲気の作画はなかなかのもんだし、丁寧なお話作りは心地よいものがある。ラストにもう一人キャラを出してきたのはちょっと唐突な感もあるけど、全体としては上々の出来。今後もちょくちょく描いてほしい。西岡愛「天辺少年少女」。転校するさいのお別れ会のとき、ヒロインのマナに突然キスして去っていった竹彦が、2年ぶりに地元に返ってきてマナの時間が再び動き始める、といった話。上條淳士っぽい感じの格好良く完成された絵柄の持ち主。連載陣では西炯子「STAY」シリーズ「少年」、波津彬子「空中楼閣の住人」あたりが良いと思った。

【雑誌】コーラス 8月号 集英社 B5平

 松田奈緒子「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」。今回は綾の担当編集者・須春氏のお話。地味な顔ながら伝説持ちでもあり、なかなか面白い人物。キャラ立ちがしっかりしてるので毎回面白く読める。

【雑誌】快楽天 8月号 ワニマガジン B5中

 かるま龍狼「ママが水着にきがえたら」。ちょっとさみしそうにしているママを、娘が買い物に連れだし、Hな水着を着せてみたり……というお話。さすがに人妻の描き方はこなれてて、きっちりエロく楽しく。ムサシマル「0←→24」。コンビニに勤める年上の女性と純情青年のエロ。年上の女性はスケベ店長らに言い寄られているが実は……。いつもながら作画のキレが良く達者。

 いぬぶろ「は初登場新連載。「いぬみみずかん」。いぬみみ少女がいっぱいいる地方に越してきた少年のトキメキいっぱいの日々。この人の絵柄はたいへんかわいくて好き。でも4ページだけというのはちと短いかなー。せめて8ページ。鳴子ハナハル「ネネ」。街でスカウトされた巨乳女性のAV撮影現場に、なぜかネネが紛れ込んでそれを見学、というエピソード。あんまり本編のストーリーとは関係ないお楽しみ回ってところかな。最近の鳴子ハナハルは、絵はすっきり上品だけどエロもわりと濃いめ。上連雀三平「やまとなでシコ」の2回め。なんか途中でいきなり九重部屋ファンクラブの会員募集CM(本物)が入ってて笑った。なんなんだろう……。

【雑誌】キャンドール 8/12 実業之日本社 B5中

 はらざきたくまの新連載「SEARCH」がスタート。女二人組の探偵が、ちょっとHな事件に体当たり〜ってな内容。まあわりと軽めなエッチコメディといった感じ。井荻寿一「メイドロイド雪之丞」。雪之丞がもらってきたファミレスの制服に、ハルノスケが大興奮というエピソード。ハルノスケの妹も新たに登場して賑やか。いつもながら井荻ギャルはかわいいです。

【単行本】「くわがた」 A・浪漫・我慢 松文館 A5 [Amzn]

 最近は甘詰留太名義での活躍がメインとなっており、A・浪漫・我慢名義では1999年以来の単行本。「コミック燃絵」「キカスマ」で連載された「くわがた」1〜10話と、読切の「逃避行」「墓参り」を収録。当然メインとなるのは「くわがた」。東京から田舎に越してきた少女・満子が、地元の男子たちに友達になってくれと頼み、その代わりとして彼らに口唇奉仕を行う。そんな彼女には、肉体関係のある父と、病弱な弟・純がいる。弟は彼らの母親を殺したという噂があり、人生に絶望しているかのよう。主人公格の少年トモは満子が裏でそういうことをしていることは知らず、純の部屋にもよく出入りするようになるが……。

 満子が見知らぬ土地で味方を得るために、自分の身体を差し出す姿はエロいけれども、痛々しいし切ない。また物語の時代設定は1985年ということになっていて、その時代を生きた人間には郷愁のようなものも感じさせる。切なさの募るいい雰囲気の話なのだが、キカスマが休刊したこともあって未完。作者は5年以内には再開したいといった旨のことをカバー裏のところで書いているけど、これはぜひよろしくお願いしたい。このままにしてしまうにはもったいな作品だと思うので。

【単行本】「マウス」13巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6 [bk1][Amzn]

 毎度スカッと馬鹿馬鹿しい。この巻ではマウスと無音家のメイドたちがバレーボール大会に出る話がとくに。サマーサを特訓するといってエロエロな展開になったり。それにしてもマウスの1週間のH回数は414回。凄い。さすが大物。


6/28(月)……唾と蜜

▼飲みに行ってたのでいろいろ読めず。

▼未読物
【DVD】「プラネテス」3 [Amzn]
【雑誌】漫戦スピリッツ 7/25 小学館 B5中
【雑誌】別冊モーニング 7/11 No.2 講談社 B5中
【雑誌】コーラス 8月号 集英社 B5平
【単行本】「エハイク」 吉田戦車 フリースタイル 変型判 [bk1][Amzn]
【単行本】「姉と眼鏡とミルク」 RaTe 富士美出版 A5 [Amzn]
▼29日売り
【雑誌】快楽天 8月号 ワニマガジン B5中
【雑誌】キャンドール 8/12 実業之日本社 B5中
【雑誌】COMICパピポ 8月号 フランス書院 B5中

【雑誌】ヤングキング 7/19 No.14 少年画報社 B5中

 富田亜紀良が読切で登場。「Go-Ship」。カリスマ的な不良であった男が、たまたま映ったメンズ雑誌の写真がきっかけで、モデルとしての道を歩み始めるという物語。50ページとけっこうボリュームもあり、連載の第1話といった趣。新体操選手である妹など、魅力的なサブキャラもいるし、連載で読んでみたいところではある。花見沢Q太郎「ももいろさんご」。最近のダメダメな状態に悩んだ三悟が、根性をたたき直すために山ごもりするが、うまくいかなくてタイヘンなことに、という回。禁欲するも結局は舞い戻ってきて湊とやっちゃうあたり馬鹿馬鹿しくて面白い。小池田マヤ「聖★高校生」。美薗先生とついに再会した神保が、彼女にただただ甘える。ほとばしる心情の描写がたくみでいつもながらいい。

【雑誌】ヤングマガジン 7/12 No.31 講談社 B5中

 蓮古田二郎「しあわせ団地」。お隣の清水氏から拳銃を預けられた二人は、それをどう扱ったらいいものかとパニックに。二人の小心者っぷりがいかんなく発揮されたお話。やっぱ面白いです。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/12 No.31 小学館 B5中

 滝沢聖峰による新シリーズ「安部窪教授の理不尽な講義」がスタート。安易に「超常現象」という言葉を使うことを嫌う文化人類学教授・安部窪が、さまざまな奇怪な現象を調査していくという内容のお話。普通だったら「超常」としかいいようのない現象を、ガツガツ調べていく安部窪教授のエネルギッシュな活動ぶりが楽しい。けっこうライトなノリで手堅い作品になりそうな感じ。のりつけ雅春「高校アフロ田中」は、田中が軽はずみに高校をやめちゃって連載終了。と思ったら、No.36から新連載「中退アフロ田中」がスタートするとのこと。そういえば一時期アフロをやめちゃったけど、もうすっかり元に戻ってますな。山本英夫「ホムンクルス」。万引き少女をまんまとそそのかし、カラオケボックスに連れ込んだ伊藤だが、一気に形成が逆転。じわりじわりと描かれていくかけひきの様子がスリリング。面白いなあ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/12 No.31 集英社 B5平

 作:稲垣理一郎+画:村田雄介「アイシールド21」。頭を丸めてヒゲを生やしたニューバージョン桜庭がなかなか。こっちのほうがカッコイイ。和月伸宏「武装錬金」。なんかすごい敵と戦っているうちに、カズキの新たな力が発動。だいぶアツい展開になっている。河下水希「いちご100%」。北大路さつきさんについてはこれで決着なんすかねえ。ぐじぐじ悩み続ける真中と比べて、北大路さんはよく出来た娘さんだ。

【雑誌】阿ウン 8月号 ヒット出版社 B5平 [定期購読:eS

 巻頭カラーは高岡基文「ツミトバツ」。レポートを丸写ししたことで単位をもらえなかった男子生徒二人が、助教授を逆恨みしてレイプ。彼女は大人のテクで二人を返り討ちにするが、二人にレポートを写されたマジメな男子生徒とはいい感じの雰囲気に、という具合。明るい絵柄でハードなエッチ、しっかり使える内容は高岡基文らしい。口、胸、ニ穴と盛りだくさんで実用的。熟れた大人の女性ってことで自分好みでもあった。この人の場合は長編よりもこういった短編のほうが持ち味が出ると思う。魔訶不思議「I・DOLL」は最終回。ドールのマリは壊れてしまったが、彼女のおかげで新しい出会いが……。ラブラブな感じでキレイに締めくくり。単行本は8月16日発売とのこと。かたみこいみずえ「性的ビフォーアフター」。旦那(同棲中の彼氏かも)に濃いHをしてもらおうと、友人のアドバイスでヒロインが奮闘。コミカルな雰囲気ながら、Hもきっちりやっててなかなか面白かった。

 真海「聴取率1位の謎」は、マネージャーの策略で、ラジオの生放送でHなリクエストに答えるというのをさせられることになったアイドルのお話。テレビで全国の皆様に痴態をさらすというネタはけっこう見るけど、ラジオというのはなかなか新鮮だった。あとこの人の女体描写はむっちりしてて、Hシーンのテンションも高くなかなかエロい。おきた51「バナナビーチ」。ビーチバレーの選手である女の子たちが、ライバルコンビの差し金で浜辺で男に襲われるも、男たちはライバル側のほうにも手を出して大乱交大会状態に……というお話。おきた51はトロトロに柔らかい絵柄がけっこう好き。あと表情の描き方も変化に富んでいる。なお、師走の翁は今月お休み。そして次号は創刊100号。特大号となるんだそうな。

【単行本】「アイある暮らし」 あんみつ草 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 9本の読切を収録した短編集。スタイリッシュな絵柄のわりに、意外とダークなお話が多いあんみつ草だけど、さすがにこの単行本はタイトルどおりスイートな作品が多い。この人のスッキリ伸びやかで、ほんのりとした甘みのある作画はやはり魅力的。ソフトなお話のほうが絵の魅力がストレートに面白みに直結しやすいと思うし、なかなかいい感じでした。普段エロ漫画は読まないって人でも受け入れやすいタイプの絵柄なんじゃないかなー。


6/27(日)……迫る家庭科

▼金土と飲んで帰ってきたため踏台昇降しないで寝ちゃったので、本日はちょっと多めでアニメ3本分。

▼まずは大地丙太郎モノ2本。「まかせてイルか!」は、6月10日にDVD[Amzn]が出たばかりだが、24日にCSの日本映画チャンネルで放送があったのでそっちで録画して見てみた。湘南海岸のあたりで便利屋「イルか屋」を営んでいる、海・空・碧の3人娘の活躍を描いていくという25分モノのアニメ。彼女たちの元に、学校に行かないでひきこもっている息子をなんとかしてほしいという依頼がくるものの、自分たちも学校に行ってないイルか屋の面々の説得は難航し……というストーリー。3人娘たちがそれぞれかわいく、元気いっぱいに動き回っててなかなか面白かった。全体的にカラッと明るく開放的な雰囲気なのもいい感じ。アニメ内に手話を取り入れたというのもトピックだが、それでテンポが悪くなることもなく、きちんと物語内でのお楽しみアイテムとして機能。1〜2クールくらいの長さで見てみたくなった。DVDも買うかも。やっぱり楽しませてもらったらそれだけのお金は払っておきたいし。大地モノもう1本「レジェンズ〜甦る竜王伝説〜」は13話「地球の悲鳴が聞こえてた」。マイクが土のサーガであることが判明し、お話は一気にシリアス度アップ。相変わらず面白いです。

▼「美鳥の日々」[Amzn:DVD (1)/(2)/(3)]は最終回。13話と短い中に、原作のエッセンスをギュッと凝縮してしっかりまとめた。作画クオリティも安定し、動きにも面白みがあった。1クールに短くまとめた分、原作にあったお遊びの部分などの旨味を削ぎ落とさざるを得なかったところもあるけれど、まあそれは致し方ないかなと納得できる範囲。原作ファンにとっても十分楽しめるアニメ化でありました。

▼7月5日(月)の26:28からか26:53からかが不明瞭だった「GIRLSブラボー」だが、フジテレビの番組表で確認してみたところ、26:53で確定した模様。これならBS朝日で26:00からのアニメ魂枠にカブらないので視聴リストに追加。

【単行本】「ロボこみ」1巻 やぎさわ景一 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]

 週刊少年チャンピオンで連載中のショートギャグ漫画。転校してきた学校にもスッカリ慣れた主人公の石上だが、一つだけどうしても慣れないことが。それは同じクラスの鈴木ロボ子が、名前も外見もロボ丸出しであるにも関わらず、彼女がロボであることに学校のほかの連中が気づいていないらしいこと。そんなシュールな状況で繰り広げられる日常ドタバタギャグ。なんかみんなの誤解もあって石上はロボ子と公認カップル状態になっていくが、彼のことが好きな妹や、クラスメートなどの存在もあり、日々は忙しくガチャガチャ展開。ラブコメ要素もいろいろあり。石上くんがロボだの化け猫だの妹だの、くっつきにくいものにばかりモテてる様子が面白い。チャンピオンはこの手のショートギャグ作品が充実してますな。

【単行本】「NHKにようこそ」1巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 滝本竜彦の小説を漫画化。4年間ひきこもりっぱなしだった青年が、宗教の勧誘のおともでついてきた女の子にそそのかされたりしながら、隣室に住む後輩男子とともに、エロゲー作りにチャレンジしていくという感じ。でもまあ主人公はひきこもりでなんもしてなかっただけあって、そんなすぐにうまくいくはずもなく、あっちゃこっちゃふらふら。その様子がテンポ良く描かれていく様子が面白い。大岩ケンヂのセンスのいい作画も好感度が高いし。原作のほうは読んでないのでどのくらい雰囲気が再現されているのかは知らないけど、これ単体で読んでもそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。

【単行本】「東京赤ずきん」1巻 玉置勉強 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]

 身体を売ったり人を殺したりしつつ、いつかオオカミさんに食べられることを夢見て放浪する、退廃した赤ずきんちゃんの姿を描いていくエログロバイオレンスな作品。残酷な赤ずきんちゃんの不埒な行状が刺激的。脇キャラでは赤ずきんちゃんを狙うドジメガネっ娘殺し屋が、たいへん邪悪でよろしい感じ。

【単行本】「STAYリバース 双子座の女」 西炯子 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 「STAY」シリーズは面白いなあ。美形双子兄弟の片割れである清雅の秘密、女装趣味を知ってしまった不思議な雰囲気を持った女の子・刈川エリは、趣味の洋裁を通じて清雅と親友となる。イケメンであり身体もたくましいが心は乙女である清雅の姿は切なく、それを受け入れて見守るエリの包容力は頼もしいものが。ちょっと風変わりだけど新鮮な感触に満ちていて、読んでてすごく気持ちのいい作品。前作の「STAYプラス お手々つないで」[bk1][Amzn]も良かったし、最近の西炯子はすごくノッていると思う。

【単行本】「ラヴ・バズ」2巻 志村貴子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻も楽しい。一度失踪したかおるにいまだしこりを抱き続けているパートナーのゆりとのエピソードがいい。いつもながらの飄々としていながじんわり浸みてくる語り口。この人の描くキャラクターを観察していくのは楽しいです。

【単行本】「学園ノイズ」3巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 スタジオDNA/一賽舎 B6 [bk1][Amzn]

 番長モノらしくガッツンガッツンテンションを上げてきてて盛り上がってる。オオシマ猪原コンビ作品らしい伸びのいい作画が痛快で、男の意地女の意地を感じさせるセリフの数々も素直にアツい。最初のうちはどんなもんかなと思ってたけど、回を重ねるごとに面白くなってると思う。

【単行本】「シグルイ」2巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]

 藤木&伊良子の過去のエピソードをたいへんじっくりと描写している第2巻。ハッタリの利いた濃い描写の数々がカッコよくて面白い。御前試合のほうも早いとこ読みたいところではありますが。


6/26(土)……某思想官

▼雑誌のプレゼントで映画「スチームボーイ」試写会の招待券をゲット! というわけでB館のKoujiさんをお誘いして、魔界都市新宿の厚生年金会館まで観に行ってきました。公開が7月17日ということでネタバレは避けますが、全体的な感想としてはなかなか面白かったです。作画クオリティはさすがにムチャクチャ高いし、もりもりよく動く。ただ面白く見せられる要素が山ほどあるのに、けっこう淡々とそれを扱っちゃってて、抑制が利きすぎかなと思える点もけっこうあり。その点はちょっともったいなかった。でも下手に内にこもったりせず、気楽に楽しめる豪勢なB級アクション映画に仕立ててくれた点には好感。キャラクターも、メインとなる人物は少ないけどそれぞれ好感が持てたし。映画館で見てみる価値はある作品だと思います。

【雑誌】少年エース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 上記リンクのWebページから定期購読サービスの振込用紙を取り寄せてみたけど、この厚さだと郵便受けに入るかどうか。重くてゴツいので真っ先に通販にしちゃいたい雑誌だが、そこらへんでちと躊躇するものが。

 単行本1巻[bk1][Amzn]が出たばかりの作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ「NHKにようこそ!」。なんかラブコメ度が強まってていいですなあ。俺の心のヌルい部分をビビッドに刺激。桂明日香「螺子とランタン」は第一部最終回。侯爵家を受け継ぐことになった少女ココと、その家庭教師である青年ニデルの関係を暖かく描いた佳作。丁寧で華やかな絵柄、優しいストーリー作りなど、なかなか好感の持てる作品だった。そのうち再開して欲しいもんですが。なお、今号では海瀬壮佑「グレネーダー」、介錯「神無月の巫女」のアニメ化の報が。両方とも2004年秋から。なんかもう最近は何でもアニメになっちゃう感じだな。

【雑誌】ガンダムエース 8月号 角川書店 B5平 [定期購読:出版社

 あきまんによる「∀ガンダム外伝 ロランの日 月の風」が連載開始。∀本編の前、ロランが地球に渡る以前のお話をやるというもの。あきまん描くところのロランがたいへんかわいくて萌えるのだ。今後の展開が楽しみ。あとアニメの「∀ガンダム」[Amzn]はたいへん面白いので、未見の方はぜひ。唐沢なをき「犬ガンダム」は、タイトルどおり犬でガンダムをやるというギャグ。キャラは全部犬で、ガンダムもまあそんな形。ザクの形状が良い。安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」では、11月号からシャア&セイラ編をやるらしいのだけど、そのアイデア募集の告知が。シャアとセイラの子供時代のエピソードとかのストーリーアイデアを送ってくれとのこと。どんなふうになるんでしょうな。

【雑誌】コミックガム 8月号 ワニブックス B5平 [定期購読:eS

 宗我部としのり「あまえないでよっ!!」。逸剛と陽が二人で修行に出されるという展開。いつもながら随所に爽やかなお色気サービスシーンがちりばめられてて心華やぎます。作:中山文十郎+画:ぢたま某「まほろまてぃっく」。てっきり今回で最終回かと思ったたけど、最終回は次号でした。

【雑誌】手塚治虫マガジン 8月号 KKベストセラーズ B5平 [定期購読:eS

 当たり前だが変わりなく面白い。とくに最近の掲載分では「どろろ」。あと「リボンの騎士」。ヘケートもサファイアも可愛いなあ。

【雑誌】コミックミニモン 8月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「夏草のささやき」。ゆかたを着て花火大会に行く途中の女の子が、開放的な気分になっちゃって夜道で一人エッチするという内容。ゆかたをはだけて跳ね回っている姿とかすごくかわいい。今回のような話だと、やっちゃわないあたりがかえっていい具合に思えた。ねんど。「どきどきプール」。スク水話し。最近絵の完成度がググッと上がってきてて、ぷにぷにしたお人形さん的な姿形の女の子たちがたいへんかわいくなってる。ロリ系ではちょっと気になる人。

【アンソロジー】園ジぇる4「たっち園ジぇる」 茜新社 A5平 [Amzn]

 うまい絵の人が多いんだけど、作品ごとのストーリーの差異は少ない。そのため絵の巧拙がそのまま作品の評価になっちゃうなーという感じ。その中で絵柄的に一番目を惹くのがらいむみんと「The Socond Life〜ちんぽ転生〜」。鉛筆タッチが美しい。あとTM「はいポーズ♥」の完成度の高いライトでキュートな萌え絵、寸詰まった感じの画風が独特な芹沢ゆーじ「ふぇいく −fake/marriage−」、相変わらず幼女絵にホンモノくささを感じさせる「ぷっくしぷにぷにぱっくんちょ」、1ページイラスト連作きくらげ「僕のつまみ食い日記。」あたりが印象に残った。ところで次号予告のところに「えっ?次は雑誌?」とか書いてあるけど、雑誌にするんですかね。

【単行本】「HA-HA」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]

 タイトルから想像できるように母子相姦モノ。「HA-HA」5話と「HA-HA-HA」6話を収録。母が目隠しをされて強盗に強姦されそうになっていたところに帰宅した息子が、強盗を追っ払うも、母の姿を見て欲情した彼はそのまま彼女と関係を持ってしまう。そこから始まった母子の愛欲の日々をじっくりたっぷり描いていくという作品。母子相姦には興味のないほうではあるが、人妻モノ自体は好きなので、これはけっこう使える作品だった。実際けっこうなページ数をかけてねっちり描き込んでるうえ、Hシーンの密度、テンションが高く、かなりエロい仕上がりとなっている。また母が、息子の前に母としてではなく女としての顔を見せるようになるまでの精神状態の持ってき方も、ベテランらしいうまさが発揮されている。あとがきによると、最近作者は「信じられないほど気持ちいい」というのを読者に伝える描き方に興味を持っているとのこと。この作品を読んでてもそれはけっこう伝わってくるし、そういうテーマを持つっていうのは良いことだと思う。そうやって自らテーマを設定しモチベーションを維持しているのが、エロ作家として長続きしているゆえんかもしれませんな。


6/25(金)……ニクアナドン

▼未読物
【雑誌】手塚治虫マガジン 8月号 KKベストセラーズ B5平 [定期購読:eS
【アンソロジー】園ジぇる4「たっち園ジぇる」 茜新社 A5平 [Amzn]
【単行本】「いつも春のよう」 あすなひろし エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「青い空を、白い雲がかけてった」 あすなひろし エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「純粋デート倶楽部」上下巻 石田敦子 エンターブレイン B6 [bk1:上巻/下巻]][Amzn:上巻/下巻
【単行本】「STAYリバース 双子座の女」 西炯子 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ラヴ・バズ」2巻 志村貴子 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「学園ノイズ」3巻 オオシマヒロユキ+猪原大介 スタジオDNA/一賽舎 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ロボこみ」1巻 やぎさわ景一 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
【単行本】「シグルイ」2巻 作:南條範夫+画:山口貴由 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「東京赤ずきん」1巻 玉置勉強 幻冬舎コミックス B6 [bk1][Amzn]
▼26日売り
【単行本】「NHKにようこそ」1巻 作:滝本竜彦+画:大岩ケンヂ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「HA-HA」 飛龍乱 富士美出版 A5 [Amzn]
【雑誌】コミックミニモン 8月号 東京三世社 A5中
▼28日売り
【単行本】「アイある暮らし」 あんみつ草 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
▼29日売り
【単行本】「くわがた」 A・浪漫・我慢 松文館 A5 [Amzn]

【雑誌】アフタヌーン 8月号 講談社 B5平

 漆原友紀「蟲師」が巻頭カラー。空から垂れてきた糸のような蟲のせいで、周りから姿が見えなくなってしまった少女と、彼女のことを好いている良家の若旦那のお話。丁寧な物語作り、美しい自然の事物の描写は今回も健在。安定して面白いです。芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」は120回め。というわけで連載10周年。たいへんながらく続いているけれども、個人的には飽きは来てません。全体としてはいわゆる癒し系なのかもしれないけど、年がら年中「癒しっぱなし」でないところがいいと思う。あと詩情があるし。それから漫画的に見てもうまいよなーと思う。コマ数を極力少なくして、ゆったり見せる技術に長けている。いつ終わらせてもいいし、どこまでも続けてもかまわない。そういう作品であると思う。

 木尾士目「げんしけん」。げんしけんがコミケみたいなイベントで当選して、いよいよだ〜と盛り上がる。素っ気ない顔をしつつも興味しんしんであることが外から丸バレなオギッペこと荻上さんが今回の珍味。新連載、滝沢摩耶「リンガフランカ」。有名落語家の息子だがすごく寒いセンスの持ち主で、売れない芸人として暮らしていた主人公の笑太が、ファミレスでとある男にとっつかまる。それがきっかけで漫才師の道を歩み始めるか……ってな第1回。漫才というもの自体は漫画にするとなかなか面白くなりにくいものではあるが、頼りない主人公が成長していく青春ストーリーとしてはけっこう楽しく描けている。うまく持っていけば面白い作品になりできそう。

 四季賞2004年春のコンテスト受賞作、益本晋輔「愛の一億円募金」。とある女性から1億円の入ったバックを託された、該当募金中の女子高生5人が、その金をめぐってバトルを繰り広げるというコメディ。ちょっと線的には粗いところもあるけど、基本的な造形はしっかり。画面の使い方もダイナミックで、スピード感があり完成度高し。絵柄的には前川かずおとか長田悠幸をちょっと思い出した。読切、西山佑太「秘密の花園風呂」は、究極の色気を身につけようとする変態兄姉の、風呂場で繰り広げられる日々の修練に付き合わされる純真な妹の姿を描いたギャグ漫画。くだらないノリはなかなか個性的でけっこう気に入った。このほか、ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」、とよ田みのる「ラブロマ」、田中ユキ「神社のススメ」あたりも堅調に面白かった。

【雑誌】月刊IKKI 小学館 B5平 [定期購読:出版社

 舞城王太郎の短編小説「ピコーン!」(「熊の場所」収録[bk1][Amzn]を漫画化した小冊子が付属。漫画を担当したのは青山景。ヒロインの智与子が、猟奇的な死体となって発見された恋人・哲也を殺した犯人を探すというお話。序盤は、智与子は生前の哲也にフェラチオを要求され、1か月で120本抜きを達成するなどという馬鹿馬鹿しい模様が繰り広げられるのだが、それがおまけ要素ではなく二人の密接な結びつきとして作品の中でしっかり重要な役割を果たしていて、けっこうな愛の物語にもなっている。舞城王太郎のマシンガンのような語り口の文体もちゃんと生かそうとしているということが伝わってきて、けっこう楽しめる漫画化だったと思う。

 ジョージ朝倉「平凡ポンチ」はいつもながら面白いなあ。いよいよミカを使った作品を本気で作り始めようとするカントクだが、さらに自体はゴロンと転がっていきそう。力強い物語運びに毎回うなる。鬼頭莫宏は「ぼくらの」と読切「ポチの場所」の2本立て。「ポチの場所」は、腕白な小学生たちの大切な場であって駄菓子屋をめぐる、暖かくてちょっと切ない物語。心情描写が丁寧で上々の仕上がり。この作品は6月30日発売の短編集「残暑」[bk1][Amzn]に収録予定。原一雄「のらみみ」は、男しゃくという名前の居候キャラに恋心的なものを抱いてしまった少女のエピソード。のらみみくんはほとんど活躍しない。ほのぼのした作風だけど、対人間の場合と変わりないような切なさを、さらりと鮮やかに描いていて今回も面白かった。鬼頭莫宏「魔女」シリーズの「PETRA GENITALIX」の後編。言葉ではなく行いで示す、魔女の生き様に心動かされた。ラストのあたりはけっこうほろっとさせられた。

【雑誌】ヤングアニマル 7/9 No.13 白泉社 B5中

 竹内桜「ちょこッとSister」。ちょこにできた新しい友達、ゆりかお嬢さまが活躍中。なんかブラジャーを買ってもらったということで、ちょこに見せてあげようとするも、ちょこたちの住むアパートの住人である真琴さんの登場で思わぬ展開に、というお話。小生意気そうに見えて案外カワイイとこのあるゆりかがいい具合。全体に微笑ましい回でありました。作:蘭佳代子+画:かたまやままこと「プロフェッショナルスチュワーです!!」は最終回。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/9 No.30 小学館 B5中

 乃木坂太郎「医龍」。前回の教授による揺さぶりを受けてついに心折れんばかりの状態になった加藤が、初めて生の女としての顔を見せるシーンがグッとくる。普段の表情との落差が鮮烈。太田垣康男「MOONLIGHT MILE」。自らを殺せというテロリスト・カトーとアメリカ宇宙軍に挟まれた吾郎がとった行動は。月面で吾郎が絞り出す声に心動かされる。月面基地テロリスト編は全般にとても読みごたえのあるエピソードとなり、おおいに楽しませてもらった。

 あと今号はなんか最終回が多い。まず高田靖彦「ボールパークへようこそ」。球団広報の視点からプロ野球を見るという切り口がなかなか新鮮で、お話の進め方も高田靖彦らしく堅実。現実のプロ野球界は合併問題で揺れているので、これからそれを踏まえた物語を作っていったらより旬な漫画になったかもしれず、ちょっと惜しい気もする。ただ、現時点では何かと不確定要素が多いので、アイデア出しから実際の掲載までタイムラグが大きい漫画ではちょっと対応しにくかったかも、とは思う。

 原案:青木雄二+原作:秋月戸市+画:吉本浩二「こまねずみ常次朗」も最終回だが、こちらは次号からリニューアルして「こまねずみ出世道」となる形。滝井寿紀「白鳥スタジアムに舞う〜アルビレックス新潟の挑戦〜」は集中連載シリーズの最終回。Jリーグアルビレックス新潟の躍進の裏舞台をレポートした漫画で、なかなか面白かった。横浜FCも頑張ってくれーい。あと魚柄仁之助のコラム「儲け道」もおしまい。金儲け系のコラムの中では肩が凝らずに読めて、なおかつ考え方の部分で参考になるなと思えるところも多く、けっこう好きだった。

【雑誌】ビッグコミック 7/10 No.13 小学館 B5中

 作:鍋島雅春+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」。今回は魚河岸ニ代目、つまり主人公である三代目の義父の古希を祝うということで、三代目が義父の希望でもあるブリを探す。しかし季節はブリの旬は冬、夏なのになぜニ代目はそんなことを言い出したのか……という内容。いつものことながらどんなブリを見せてくれるのか楽しみ。この作品に出てくる魚は素直に食いたくなります。作:小池一夫+画:森秀樹「花縄」。病にたおれ余命いくばくもない鬼平の姿を目にして、焦った花太郎が早計にも巨悪に手を出してしまうが、それによって鬼平も火中に足を踏み入れることに。この落とし前は一筋縄ではいきそうにないけど果たしてどうなるか。と思うものの、次回の掲載は9月10日発売号。ぬぬぅ。

【雑誌】コミックバンチ 7/9 No.14 新潮社 B5中

 富沢順「殺し屋麺吉」が面白かった。ラーメン屋と殺し屋の二足のわらじを履く男が主人公の必殺仕事人的ストーリーだが、ラーメン屋ならではの小道具を駆使した殺しのやり口がユニーク。今回はとあるネギの使い方が爆笑モノ。オカモチをギロチンとして使う決め技もいつもながらナイスな仕掛けだなと思う。梅川和実「がうがうわー太」は修学旅行編でラブコメ全開。扉絵から本編まで委員長度たっぷり。

【単行本】「ニクノアナ」 ほりほねさいぞう 一水社 A5 [Amzn]

 ほりほねさいぞうらしいグロでありながらもキュートなお話がつまった短編集。例えば「虫の味」なんかは、身体の中で寄生虫を育ててそれを食べるのを趣味としている人たちが出てくる。これだけで普通はうえーってな感じなんだけど、ほりほね作品の場合はこれはわりと生やさしいほう。現実にあり得る話だけに、ああなるほどくらいに思っちゃう。「左手右手」なんかだと、ちんこや胸の形を自由に変えられる子供が出てきて、ちんこを何メートルもの長さにしたり、父を巨大にしたり。巨大といっても尋常な巨大さじゃなくて、普通の人間の身体で、ちんこだけが牛くらいの大きさになってたり、もうたいへん。複チンものも普通にある。

 まあこの作品集自体は、スタンダードなロリ凌辱ものとかも含まれているので、ほりほね作品にしてはまだゆるめなほうかなと思うけれども。それにしてもこのパッと見ものすごくかわいらしい絵柄と、ほかの誰も描かないような奇想の連続はいつもながら凄いなあと感心させられる。しかもグロっぽい描写をなんかこの人はすごく楽しそうに描く。奇怪なちんこの形状も、見ようによってはなんかすごく可愛らしい。やっぱ作者自身が楽しんでるってのが、ぶっとんでいながらも愛ある描写につながっているのだと思う。なお、この本にはほりほねさいぞう+堀骨砕三+小瀬秋葉+鉈川紘の全作品目録も収録。資料的価値も高いので、ファンの人はぜひ入手するべし。

【収録作品】「おんなのこくらぶ」「左手右手」「棒手振り」「オヨメさんになる方法」「七月三十一日」「「食べ物を作る事」「茸」「虫の味」「仔犬のしっぽ」


6/24(木)……超速スピナス

日刊マンガ・エロティクス6月23日の項によると、マンガ・エロティスク2004に山田参助が登場するとのこと。しかも24日の項を見ると「さぶ」でやってた「若さでムンムン」を単行本化してくれるというじゃありませんか。これはたいへんウレシイ。なお同人誌で読んだ「若さでムンムン」の感想は1998年5月5日の日記にあります。←これを調べるために日記を検索してたら、1999年10月15日の日記のエロティクス Vol.3の感想のところで、「次はぜひ山田参助先生でも呼んできていただけないものか」などと書いていたのを発見。自分でもそんなふうに書いたことはすっかり忘れていたが、4年以上前の念願が叶ったことになりますな。

▼アニメ「KURAU Phantom Memory」第1話。あらすじは公式サイトにある通りで、西暦2100年を舞台に、クラウという少女の身体を借りた謎の存在リナクスが、「対」と呼ばれる存在を探し求めるといった出だし。リナクスが身体に宿ってから、10年後、クラウは危険な犯罪の解決を請け負うエージェントとして活躍。まあそんなわけで凄腕エージェントが活躍する未来アクションバトルになるのかな。まず1話めについては作画は高品質でアクションもシッカリ。ただ、ストーリー面についてはまだ顔見せ段階という感じで淡々と見てしまったが……。とりあえず現時点では可もなく不可もなく。絵的にはしっかりしているので、しばらくは見てみます。

▼「神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON」はラス前の第25話。すごくおもしれー。ガッツンガッツンテンションを高めまくってたたみかけてくる展開には素直に燃えた。ダンナーベースのオペレーター娘コンビもしっかり活躍してたし、ミラとアンナの女の戦いもアツい。DVD[Amzn]も欲しくなってきちゃったな。こういう作品を見ながらだと踏台も楽しく踏めます。

【雑誌】モーニング 7/8 No.30 講談社 B5中

 また病院ものか……。というわけで新シリーズ、作:清水みよこ+画:楠木あると「スピナス」がスタート。といっても「ブラックジャックによろしく」とは違い、こちらは救命救急センターのナースが主人公の「霊魂的物語」とのこと。三宅乱丈「大漁!まちこ船」は2話め。豪快かつヘンなノリでけっこう好き。「マグロの餌」を生業とし、マグロに飲まれては釣り上げられ、マグロの腹をかっさばいて帰還するむっちりギャルまちこ。まちを餌にして「なめんなヨォォッ!」と雄叫びをあげる漁師さんの底抜けな豪快さが楽しい。落合裕介+ミスター高橋「太陽のドロップキックと月のスープレックス」は巻中カラー。こちらは力の入る展開。プロレスの「筋書き」の部分に迫りながらも、ちゃんとそれを生かしてドラマを盛り上げている。作画のほうも迫力あり。

【雑誌】ヤングサンデー 7/8 No.30 小学館 B5中

 北崎拓「なんてっ探偵アイドル」は最終章シリーズがクライマックス。いよいよリスト、サンタクロースとのエピソード、それからアキラ、清春、片岡の恋愛模様も決着か、ていうか次号決着だそうです。あと次号からヤングサンデーは新連載&読切攻勢。次号ではその一番手として窪之内英策「ラプラス」がスタート。高田靖彦、阿部潤の集中新連載も予定されており楽しみ。高田靖彦「バウンス」は女子バレーボールものらしいんで、「塩浜電工バレーボール部」と合わせて単行本にしてくれたりとかしないすかね。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/8 No.30 集英社 B5中

 作:田原成貴+画:能田茂の新連載「法の庭」がスタート。以前短期集中でやった「嘘」の続編的な法廷サスペンスもの。本宮ひろ志プロデュース作品。能田茂は精力的に仕事してるなあ。佐々木拓丸「極道つぶし」は重要なデータの入ったフロッピーを巡りヤクザらとの戦いが展開中。やっぱり今も昔もこういうときはフロッピーだなあ。CD-ROMでもMDでもメモリカードでもなくフロッピー。日本の心です。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/8 No.30 秋田書店 B5平

「格闘新世紀 GO BOUT!」より  松本レオ「格闘新世紀 GO BOUT!」。欄外の登場人物紹介のあかりのところで笑ってしまった。「あかり 本編のヒロイン。豪の幼なじみで今は一つ屋根の下で生活。」とは書いてあるけど、ほかのキャラは顔が入っているところに彼女だけコレ。やっぱりあくまでパンチラが彼女の存在意義なのだなあ。作:氷幻嵩人+画:THE SEIJI「かりんと。」。なんかすごくラブコメしてていい。今回は大沢くんとかりんが自転車の二人乗りしてトキメキ。初々しくて微笑ましい。女の子たちもちゃんとかわいいし。ミッチェル田中「絶対解決まぐれ君」は、とにかくヘンな方向にばかり運がついてる少年が難事件を解決するという推理コメディ。タイトルどおり、事件解決はすべてまぐれのおかげ。トンガった感じはないけど、ドタバタギャグとしてきっちり完成してると思う。

【雑誌】LaLa 8月号 白泉社 B5平

 田中メカの読切「ふるふる、花火」がなかなか爽やかに甘くて面白かった。イケメンで女をとっかえひっかえしている高校生男子が、カナヅチという弱点を克服するため、先輩女子の指導を受けることに。しかしそんなことをしているうちに、だんだん彼女のことを真剣に好きになってしまい……といった感じ。途中まではきちんと線引きをして、ラストできれいにくっつける展開が、きっちりためてあっただけにより心地よく感じた。なかじ有紀も読切掲載。「HEAVENカンパニー」。植物を飾るのがお仕事のグリーンコーディネーターを目指している女の子が一生懸命頑張るというストーリー。まあ当然のことながら、仕事をしている途中で好きな人の一人もでき、まっすぐでトキメキのあるお話になっている。時計野はり「お兄ちゃんと一緒」。今回も楽しく兄萌え漫画。ちまちました桜ちゃんも相変わらずかわいくほんわかした気分に。

【単行本】「マゴロボ」 トミイマサコ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 独居老人のために「孫ロボ」と呼ばれる介護用ロボットが政府から支給される時代。少女型の孫ロボであるタマヤと、彼女と一緒に暮らすオジジの生活をほのぼの描いたホームドラマで、新鋭トミイマサコの初連載作。絵柄とかはまだちょっと固いかなあと思うところもあるけど、地味ながらもハートウォーミングなお話に仕上がっている。人間と変わらない、それ以上に一生懸命で優しいタマヤと、ぶっきらぼうに見えて人情味あふれるオジジのやりとりが微笑ましい。それにしてもこの作品を読んでいると、しみじみマゴロボが欲しくなる。親御さんにプレゼントしたい。まあ自分もすでに30歳を越えてる独り者で子供もおりません。やっぱ年をとるごとに、親御さんに申し訳ないなあという気持ちは募るわけです。てなわけで、最近こういう話を読むと個人的感情がオーバーラップしてほろっと来てしまうことが多いです。その分、いくぶん割増評価しちゃってるところはあるかもしれないけど、それを割り引いたとしてもほのぼの楽しく読める作品ではあると思う。

 以下余談。「マゴロボ」を読んで思い出したんだけど、昨年から今年にかけて放映されたアニメの「ASTRO BOY 鉄腕アトム」が老人介護について触れなかったのは、個人的にはちょっと残念だなと思っていた。とくに未来社会となると、アトムみたいな自分の意志を持つロボットが最も必要とされるのが介護の現場だと思う。アトムでは「人間対ロボット」の構図が主要なテーマの一つとして描かれたけど、老人介護などの分野でロボットが人間の生活に溶け込んでいくならば、たぶん対立の構図は「ASTRO BOY 鉄腕アトム」で描かれたものとはまた違ったものとなったような気がする。例えば老人が親族を無視して、献身的に介護してくれたロボットに対して遺産を贈ろうとして軋轢が生じるとか。三原ミツカズ「DOLL」なんかではそういうのがメインでしたな。ただその手のことをやるとアニメとしてはちと重くなりすぎちゃうかもしれないし、あまりやりすぎるとアトムの本筋にまで影響しちゃいそう。ってことは描かなくて正解だったのかなあ。うーん。でもまったく切り捨てられることでもないとは思う。


6/23(水)……ファンキーを翻す

【雑誌】スーパージャンプ 7/14 No.14 集英社 B5中

 宮下あきら「暁!!男塾」。参考文献の民明書房本のタイトルが「何かくれ 二十五周年」だったのに笑った。オースーパージャンプでやってた山口譲司「おしとね天膳」は、No.16から本誌移籍新連載ということで今回読切掲載。将軍の夜伽相手を選別する専門職、おしとね奉行の活躍を描くというナンセンスコメディといった感じの作品。馬鹿馬鹿しいノリはけっこう好きではある。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 8月号 竹書房 B5中

ファンキー様の爽やかな笑顔  嗚呼! 雀鬼サマ改めファンキー様の笑顔が素敵すぎます!! というわけで作:安田潤司+画:中村毅士「牌の音」の生暖かさあふれる写実タッチはいつもながら凄い威力でした。ちなみに今回は、プロレスラーの中邑真輔が雀鬼サマのアドバイスを生かして試合に勝利するという愛と感動のストーリーだ!! せきやてつじ「おうどうもん」は最終回。ケンタのオヤジさんが死ぬあたりまでの盛り上がりは凄かったが、その後がわりとあっさり終わっちゃったかなという感じ。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/7 No.30 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」。最近クライマックスって感じでおおいに盛り上がり中。綾瀬さんがセイジに告白して、美鳥もいよいよ腹を固める。ここまで来たらさすがにもうラストに向かって突っ走るしかないでしょう。良い締めくくりを期待。モリタイシ「いでじゅう!」。柔道をちゃんとやってるとカッコイイ林田くんだが、今回はけっこう筋肉質な胸板を披露。どこかで誰かがウホッとかいった。普通にしてたらけっこうモテ男子なのでは。河合克敏「モンキーターン」。青島さんの積極アプローチで恋愛模様はますます混戦気味。波多野はどーするつもりなんでしょうなー。野次馬根性が沸き上がる展開。藤田和日郎「からくりサーカス」は、黒賀村での平和な生活が続いていたと思ったら一気に暗転。やってくれますなあ。雷句誠、井上和郎と元アシ作品は次々テレビアニメ化しているのに、御大の藤田和日郎がOVAまでなのも納得。血みどろだしダークだし。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/7 No.30 講談社 B5平

 宗田豪「天才料理少年味の助」。ついつい名前を忘れてしまう味の助の幼なじみギャル・萌之香がいきなり家庭内暴力&ひきこもりに! 感情の浮き沈みの激しさが相変わらず唐突でサプライジングです。

【単行本】「天才料理少年味の助」3巻 宗田豪 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 そして単行本のほうでは、おいしい料理を食うと脱ぐ女編→肉汁ハンバーガー編と、「味の助」の中でも盛り上がり最高潮なあたりが収録。連載時にさんざん書いたあたりだけど、今読んでもその肉汁っぷりはすごい。汁っ気たっぷりでなんかしみじみ……食いたくねぇ〜。あとハンバーガーモンスターのスタン・ハンセン男の「日本人においしいハンバーは作れる訳ネェってことだ!!」「日本人はパンじゃなく生臭い”サンマ”でも焼いてろ!!」などの暴言も絶好調。味の助は味の助で、焼いてる途中のハンバーグをわしづかみにして「肉汁が・・っ」「この肉汁がっ!!」などと絶叫するし。あとそれまで影も形もなかったのに突然現れるゾンビ的群衆とかも異様。まあいちいちツッコミを入れてたらキリがない。「ツッコミどころを山ほど作る」というのが基本方針なんでしょうな。なお汁バーガー編は次巻にも続きます。

【単行本】「金色のガッシュ!!」16巻 雷句誠 小学館 新書判 [bk1][Amzn]

 ガッシュ清麿と仲間たち、それからシェリー&ブラゴそれぞれが石版編の大ボスたちと対決するあたり。で、この巻でお話を盛り上げたのがレイラ、パティの魔物女子二人(+カエル)。まあ正直なところ、石版編になってから淡々と読んじゃってはいるんだけど、山場のシーンはやっぱり盛り上がりはします。


6/22(火)……側石に即席の足跡

「名倉靖博の世界」 ▼「とんがり帽子のメモル」「天使のたまご」などなどで知られる名倉靖博の画集「名倉靖博」[bk1][Amzn]の世界が到着。うーん、こりゃたまらん。美しすぎ。それにしてもメモルのDVDは出ないんですかのう……。香港製の海賊版とかでなしに。

▼夏アニメは今のところ、MOON PHASEの新作TVアニメの項を参考に以下のタイトルの予約録画を仕込んでおきました。「GIRLSブラボー」は、Webだと7/5(月)26:53〜になってるんだけど、エース桃組とかだと26:28〜になっている。26:28〜だと、現在「ゴーダンナー」がやってて7/12から「月は東に日は西に」「Wind」の入るBS朝日のアニメ魂枠(26:00〜)に、最後の部分が微妙にかかってしまいそうで、予約録画しにくいのでどうしようかなーといった感じ。キャプチャーマシンもう1個作るかHDDレコーダーでも買うかなあ。

6/24(木) TV朝日26:12 「KURAU Phantom Memory
7/4(日) NHK総合19:30 「名探偵ポワロとマープル
7/4(日) TV東京25:30 「蒼弩のファフナー
7/6(火) 日本TV25:10 「お伽草子
7/7(水) TV東京25:00 「ギャラクシーエンジェル
7/10(土) TVK24:30 「ニニンがシノブ伝
7/12(月) BS朝日26:00 「Wind −a breath of heart−
7/12(月) BS朝日26:00 「月は東に日は西に −Operation Sanctuary−

【雑誌】イブニング 7/13 No.14 講談社 B5中

 三宅乱丈の新連載「ヒーローズ」が開始。子供のころの付き合いでそのまま会社も同じところに入った田辺定吉、中山道之。どちらもうだつのあがらないセールスマンをやっていたが、その二人がある日、客である三流スポーツ新聞の記者が強盗に押し入られているところを結果的に助けることになってしまい、ヒーローとしてまつりあげられることに……といった出だし。今回は珍しく原作付き(作:大山あつし)だが、わりと普通な感じのドタバタコメディになるかな?といった雰囲気。アニメ版が放映終了したばかりの吉田基已「恋風」。こちらではやってません。ただアニメ版の最終回でいってた「心中」うんぬんは漫画のほうでもやってて、これはちょっと驚いた。アニメ版独自の演出かと思ってたので。それはそうと、漫画版の耕四郎はカッコイイというかこざっぱりしてて、これなら七夏が惚れるのもアリかなという気になる。

 漫画家さんがいろいろ登場してラーメンについた語る企画「みんなのラーメン」。今回は山科けいすけが即席メンについて語っている。自分も即席メンは好き。生メンよりもいったん乾かした奴のほうが好きなんだよね。最近あんまり食わないけど。寺沢大介「ミスター味っ子II」。今回の「揚げないトンカツ」は面白いと思ったけど、これって前にもっやったっけか? ここらへん見ると駅弁編のところで揚げないカツをやってるけど、どんな作り方だったかはもう忘れたー。とりあえず今回やってた奴ならトースターとか魚焼き器でもいけるかな。そのうち試してみたい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/13 No.14 秋田書店 B5中

 作:永井豪+画:星野小麦の新連載「キューティーハニーSEED」がスタート。キューティハニーのファンである男子が、空からおっこちてきた女の子を拾い、彼女に記憶がないもんだからとりあえず如月ハニーという名前をつけてしまう……という出だし。わりとラブコメっぽいがどんなもんかな。

【雑誌】漫画サンデー 7/6 No.25 実業之日本社 B5中

 画:本庄敬+画:末田雄一郎「蒼太の包丁」。和食料理人の修行の世界が堅実に描かれていて面白い。今回は料理人が使う包丁の種類とその使い方を紹介したうえで、蒼太の練習の模様を描写。付き合わされて練習に使ったこんにゃくだのかまぼこだのを食わされまくる、弟弟子の須貝くんがかわいそうなのもちょっといい。笠原倫の4話集中シリーズ「アンダーカバー刑」は最終回。女性に化けておとり操作をすることになった刑事のお話。笠原倫らしい濃さはあまりなかったが、きっちりまとまってはいる。

【雑誌】COMIC LO 8月号 茜新社 B5平

 「今号よりCOMIC LOは自主規制始めます」といきなり書いてあるので何やるんかなと思ったら、レイプシーンが含まれる漫画に「RAPE」マーク、6歳以下の幼女が出ている漫画に「U-6」マークをつけるというもの。うーん、個人的にはいまいちこの手のジョークは笑えないなー。やっぱり煽ってる感はあるしハシャギすぎなように思える。

 内容のほうは、相変わらず絵のうまい人が揃っててクオリティは高い。その中では鬼束直「Lady Madonnna」がいいな。大好きなお兄ちゃん(従兄)と海に行くってことでハシャいで新しい水着やパーカーを見せつける、従妹の娘さんの元気ハツラツな様子が見てて楽しい。ほかまみつりは「こんどもいちどカゼをひいたら……♥」「Amazing Grace」の2本立て。少女たちの表情にイタズラっぽく甘えたような艶があって、なかなかフレッシュな絵柄が目を惹く。

 氏家もく「おこづかい注意報」は、ラブラブ兄妹話。Hなことをしているうちに、宿題が終わらなくなっちゃってスネてる妹さんの表情がかわいいですな。TM「およめさんぷろじぇくと」では、生徒の女の子が担任の先生におべんとうを差し入れしておよめさんにしてーとアタック。丸っこい目、丸っこい顔つきで大胆に攻めてくる幼女さんにふにゃーっとなる話。小学生のころから伸長が伸びず周囲から馬鹿にされてきた女の子と、彼女を慕ってきた近所の年下の男子のラブストーリー。途中まで切なく展開して最後はきれいにハッピーエンド。後味が良くて乙女チックな気持ちもきっちり描写してて読ませる。このほかも巻頭カラーのヨン様をはじめ、きれいな絵の人が多いし、見どころの多い雑誌ではある。

【雑誌】コミックダントツ! 8月号 光彩書房 B5中

 巻頭カラーはミヤスリサ「昼休み」。女の子が体育準備室で輪姦されてるだけの4ページだけど、塗りがきれいで乳とかボリューム感があってしっかりやらしい。巻中カラーはゼロの者「一歩下がって二歩下がって」。主人公の元カノが家に上がりこんできて、今カレの愚痴をいいまくり、そのうちにエッチな展開に、というお話。主人公に対してちょっと想いを残しているらしき彼女の様子に、甘いソソられるものが。ただ最終ページ、主人公の部屋に置いてあるツーショット写真が、元カノとのものなのか、それとも主人公の現在の彼女とのものなのかがちょっと分かりにくいかなと思った。主人公と現カノの写真なら元カノが嫉妬してるってことになるし、主人公と元カノの写真なら「まだ想いを残してるんだな」と悪くない気分に浸っているってことになるんで、意味合いがだいぶ違ってくる。これはちょっとセリフでフォローしたほうが良かったと思った。まあ主人公が返却しなきゃいけないビデオを消化中で、それがエロビデオという時点で、元カノと別れた後、誰ともつきあってないのかなというのは推測できるんだけど。

 Cuvie「小悪魔狩り」。好きな娘に無視されて悲しんでいる弟を見るに見かねた兄貴が、その女の子を家に呼んで諭しているうちに……ってなお話。あれよあれよという展開がコミカルで、雰囲気も明るく楽しうございました。つつみあかり「ひとつ屋根の下で」はお得意の姉モノ。天然ボケのドジ姉と、その弟のラブラブエッチ。お姉さんがおっとりしてて包容力があって、姉モノのツボをしっかり押さえてます。桜岡コト吉「Fight!」も年上モノ。足を骨折した少年を女教師の人が励ますという内容。藤岡たまえ「甘くない関係」はセフレから始まった恋人関係ってなお話。タイトルは「甘くない関係」だけど、内容は甘いです。

【雑誌】ドルフィン 8月号 司書房 B5中 [定期購読:eS/Fujisan

 桐山人外「いいなずけ」。婚約者の男性教員と学校でヤッてたところを生徒に目撃された女教師が、その生徒に脅されて……というお話。メガネッ娘な女教師さんはけっこうかわいい。まあ彼女を脅す生徒のほうはヘラヘラしてて好きになれないタイプではあるけれども。くどうひさし「わくわく動物愛ランド」。主人公の男の乗っていた船が難破して孤島に漂着。そこにいたのはペンギンの少女でした……というお話なんだけど、ペンギンがスク水姿の少女として描かれていて、それに対する説明せぬまま話を進めていくところがなかなかシュールで面白い。絵も相変わらずスッキリ甘くてかわいいし。あとイラストエッセイページで、山井坂太郎(やまい・さかたろう)が「看護婦」改め「看護士」だとソソられないから「女看護士」という名前をひろめてはどうかみたいなことを考えてて、いいアイデアだと思った。


6/21(月)……トーロンポーンのマックス

▼「トロンボーンのマックス」というキャラが出てくるのは「マッドブル34」(井上紀良)でしたっけか。

▼24日売り
【単行本】「ニクノアナ」 ほりほねさいぞう 一水社 A5 [Amzn]

【雑誌】ヤングマガジン 7/5 No.30 講談社 B5中

 福本伸行「賭博堕天録カイジ」。何をいっても生返事、のれんに腕押しな無気力カイジと、どうしようもない勘違いをし続ける坂崎のおっちゃの噛み合わない会話が面白い。でもいちおう帝愛グループの黒服さんらしき人たちが出現して、カイジももしかして復活するかもという展開。……といったところでカイジは3号掲載して1週休みというパターンで連載しているため、次号はお休みとのこと。蓮古田二郎「しあわせ団地」はひさびさの掲載。さなえパパが婿とキャッチボールをするためにグローブを送りつけてくるが、そんな健康的なことができるほどはじめは有能な人間ではなかった! ……というエピソード。いつもながらしょうもなくて楽しいです

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/5 No.30 小学館 B5中

 隔号連載「美味しんぼの料理」がスタート。これは漫画ではなく、作:雁屋哲+画:花咲アキラ「美味しんぼ」に登場する料理を実際に作ってみて写真に収め、レシピを紹介するという記事。これは実際に見るとなかなかウマそうだなー。豚バラ飯(東坡肉をメシの上にのっけた炊き込みご飯)とかさっそく作ってみたくなった。真鍋昌平「闇金ウシジマくん」は第1シリーズがおしまいで9月に新章開始。単行本1巻が7月30日発売とのこと。また花沢健吾「ルサンチマン」も次号から4週休載。この雑誌は長く中断する作品がけっこう多いですな。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/5 No.30 集英社 B5平

 作:大場つぐみ+画:小畑健「デスノート」。第ニのキラである女の子がけっこうカワイイな。彼女の登場でライトの行動にどんな変化が生じるのか。今後も楽しみ。河下水希「いちご100%」。学校の真ん中で愛を叫ぶ天地に刺激されたか、北大路さつきが攻勢に出るか、といったところ。そろそろちゃんとケリがつくといいですなあ。

【単行本】「しあわせ」 戸田誠二 宙出版 A5 [bk1][Amzn]

 Web「COMPLEX POOL」にて発表されたショートコミックを収録した「生きるススメ」[bk1][Amzn](感想は昨年12月16日の日記にあります)で話題を集めた戸田誠二の第2単行本。淡々とした語り口の短い作品ながらも、読む者の心にスッと入り込んで来るような作風は今回の収録作品でも健在。トーンは控えめだけど印象は鮮烈、でも全体としては暖かく、ときに泣けてくるような話もあり、琴線を刺激してくる。しっとり感触で落ち着きのある画風には、どこか寂しげな雰囲気もあって、それもまたストーリーによくマッチしている。しみじみとした良い作品を描く人なので、未読の方は上記リンクをたどって作者ページに行ってみて、試し読みしてみることをオススメします。

【単行本】「世界のどん底で愛を叫べない」 冬長 オークス A5 [Amzn]

 蜈蚣Melibe=斎藤佳素理=冬長の最新刊。冬長名義としては初の単行本となる。夢雅に掲載された作品を集めており、エロをだいぶ露骨かつ濃いめに振って来ている。蜈蚣Melibe名義の「バージェスの乙女たち」シリーズと比べると、だいぶ普通のエロ漫画になってて、実用度はその分アップしている。自分としては「バージェスの乙女たち」シリーズのような路線のほうが好みではあるが、現在のエロ漫画シーンだと受け入れ先もないだろうしセールス的にも厳しいところだとは思うので、まあ致し方ないところか。「バージェスの乙女たち」シリーズは今も同人誌で継続中で、作者ホームページ(「箱の中の海牛」で検索すれば見つかると思います)によると8月15日のコミケ66で最新刊「バージェスの乙女たち−アノマロカリスの章(3)−」が出る予定とのこと。


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