2004年3月下旬


3/31(水)……びっくり鈍器

OHP月極アンケートのテーマ入れ替えます。2004年4月は「野球漫画」ということで。ソフトボールや、明らかに野球がベースと思われる類似スポーツについても可ということにします。それでは開幕、よろしくお願いします。

▼3月分の「同性愛モノ」は投票締め切らせていただきました。けっこう活発に票が入って面白かったと思います。個人的にも読んだことない作品が多かったし、興味深い内容でした。1位になったのは雁須磨子「のはらのはらの」[bk1][Amzn]。これは作品が面白かったというのもあるけど、男性女性、両方に受け入れやすい作品だったのも大きかったかな〜と思います。

▼「十兵衛ちゃん2 −シベリア柳生の逆襲−」[Amzn:DVD-BOX1/DVD-BOX2]最終回を見る。最後まで面白かった。前作と比べるとかなりシリアスな展開ながら、その端々にギャグを織り交ぜ、怒涛の勢いで最後まで突っ走った。クオリティの高い作画、よく動くアクション、ダイナミックな剣劇、自由奔放で遊び心たっぷりな演出の数々など、エンターテインメントとしてのツボを押さえた作りが光る作品だった。主人公の自由らをどんどん追い込んでいく作劇も見応えあり。最後の〆の部分で自由、フリーシャそのほかのキャラへのフォローが少なめで、あっさりしてたかなという印象も受けたけど、まあそこまでの過程でこれだけやってくれたからいいかなという気にはなれる。全13話、隙のない作りで満足満足。

▼あとここしばらくで見てたアニメで残りは「プラネテス」のみ。こちらは4月17日最終回。そして4月1日からはぼちぼち春の新作アニメチェックに入っていく予定でごんす。

▼未読物
【単行本】「竜宮殿」1巻 松永豊和 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「警視正大門寺さくら子」7巻 作:大西祥平+画:高橋のぼる 小学館 B6 [bk1][Amzn]

【雑誌】週刊少年サンデー 4/14 No.18 小学館 B5平

 井上和郎「美鳥の日々」が巻頭カラー。読切で登場した「葵DESTRUCTION!」の、美少女にしか見えないカワイイお父さん・葵と、その息子が再登場というお話。こうやってみるとコータとあんまり変わらないような気も……って、それはいわないお約束だったりしますか? 田中保左奈「暗号名はBF」。美少女キャラ一人追加〜というわけで、ラブコメ色をアップ。絵もうまいし女の子もかわいい。ただこの作品については、ちょっと画面をゴチャゴチャさせすぎな気もする。背景をむやみに黒くしたりトーンを貼ってみたりとか。もう少し軽めの画面作りにしたほうが、お話に合ってるような気もするんだけど。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/14 No.18 講談社 B5平

 作:青樹佑夜+画:綾峰欄人「GetBackersアーリーデイズ」が新連載。「GetBackers」のメンツの過去が語られるというお話。うーん、あんまり興味が持てないなあ。宗田豪「天才料理少年味の助」はハンバーガー編完結。ここまで肉汁が好きだとはなあ……。このハンバーガーの原材料は肉汁が80%くらいを占めてそうだなあと思った。

【単行本】「鈍器降臨」 古屋兎丸 メディアファクトリー A5 [bk1][Amzn]

 ダ・ヴィンチに掲載されている、読者によるエッセイを古屋兎丸が4コマ漫画にするというコラボレーション連載が単行本化。月1ページなので単行本までかかった時間は7年。よくもまあちゃんと続けているもんです。内容のほうも面白い。読者エッセイなのでどんなのが来るか事前には予想がつきにくいだろうけど、どんなものでも古屋兎丸はきっちり漫画にしてるし、自分なりに料理して笑えるギャグに仕上げてちゃっている。作画もハイクオリティ。さすがと思わせる技巧が光る。

【単行本】「ケロロ軍曹」8巻 吉崎観音 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 抜群の安定感。カワイイキャラ、適度なオタクネタ、明るいストーリー展開、シャレたデザイン感覚と、高いレベルでバランスのとれたドタバタコメディ。今回も申し分なく楽しめた。4月3日から始まるアニメ版のほうも期待しておりますぜよ。

【単行本】「ヨコハマ買い出し紀行」11巻 芦奈野ひとし 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 いつもながらゆったり気持ちの良い漫画。今回はココネの友達の丸子にイチャモンつけられたアルファさんが、いつになく毅然とした物言いを見せるあたりが楽しい。いつも同じように見えるけど、ちゃんと読むとそうでもないし、ちゃんと飽きずに読ませるように作ってある。良い漫画であると思います。

【単行本】「もっけ」3巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 こちらもすっかり安定株となった。霊的なものに対する感受性の強い姉妹を中心に、そちら側の世界と人間の関わりようを描いていく物語。霊的なものが人間世界を脅かすといった剣呑なことはなく、日常世界のそこかしこに存在するそれらのものと穏やかに付き合っていくためのマナーみたいなものを、淡々と描写しているのがいい。「霊の脅威!」みたいなドラスティックな方向にはいかないし、かといって「自然って素晴らしい!」みたいな都合の良さもない。あくまであるものはあるものとしてとらえたうえでの、柔らかい語り口が気持ちいい。あと女の子たちは漫画チックにかわいいのに対し、自然や背景の描写がかなりきっちりしていて、しかも違和感がないのもグッド。

【単行本】「サトラレ」6巻 佐藤マコト 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 だんだん個々のサトラレについての描写も深まってきて、「サトラレにとっての幸せ」「周囲の人間の幸せ」を煮詰めていく段階になってきた。サトラレへの告知問題、サトラレ能力抑制手術を巡り、それぞれの事情が動いている。個々のサトラレたち、それから周囲の人間が最終的にどういう選択をするのかはまだ分からないけど、せっかくここまでいろいろ積み上げてきた作品なので、納得いくまで突き詰めていってほしいところ。

【単行本】「チャッピーとゆかいな下僕ども 大増補版」 ながいけん 大都社 B6 [bk1][Amzn]

 以前ラポートから出ていた奴に、76ページの増補分を付け加えての復活。これまで若干入手しづらかったので、まずはめでたい。でも内容のほうは今読むとあんまり面白くない。比較的最近の、サンデー廃物利用三部作あたりはいいんだけど、昔のほうの作品は笑わせよう笑わせようとしてギャグが上滑りしている感じ。というかむしろ、この面白くない状態からどうやって「神聖モテモテ王国」みたいな境地にたどりつけたのか、そっちのほうが興味深い。


3/30(火)……軽食寿司

▼今月のOHP月極アンケート「同性愛モノ」は31日いっぱいで締め切ります。お済みでない方はお早めによろしくお願いします。

▼2004年4月単行本購入予定
 4月の目玉はこうの史代「ぴっぴら帳 完結編」ですかね。あと五十嵐大介2冊、ジョージ朝倉「平凡ポンチ」、ロクニシコージ「こぐまレンサ」もまとめて読むのが楽しみ。

4/2 「武装錬金」2巻 和月伸宏 集英社
4/2 「デスノート」1巻 作:大場つぐみ+画:小畑健 集英社
4/2 「あくまこあくま」 わんぱく ニ見書房
4/3 「探偵儀式」1巻 箸井地図 角川書店
4/5 「なんてっ探偵アイドル」16巻 北崎拓 小学館
4/5 「目隠しの国」9巻 筑波さくら 白泉社
4/6 「ガタピシ車でいこう!!迷走編」2巻 山本マサユキ 講談社
4/6 「彼岸島」6巻 松本光司 講談社
4/6 「シガテラ」2巻 古谷実 講談社
4/6 「こぐまレンサ」1巻 ロクニシコージ 講談社
4/7 「ういういdays」1巻 犬上すくね 竹書房
4/8 「トリバコハウス」1巻 宇仁田ゆみ 祥伝社
4/9 「やまとの羽根」2巻 咲香里 講談社
4/9 「サムライダー」3巻 すぎむらしんいち 講談社
4/12 「イケてる2人」17巻 佐野タカシ 少年画報社
4/中 「どうにかなる日々」2巻 志村貴子 太田出版
4/15 「恋愛ジャンキー」13巻 葉月京 秋田書店
4/15 「DOKIDOKIきのこパーティPLUS」 陽気婢 茜新社
4/16 「天才料理少年味之助」2巻 宗田豪 講談社
4/17 「美鳥の日々」6巻 井上和郎 小学館
4/17 「モリタイシ短編集」 モリタイシ 小学館
4/19 「にらぎ鬼王丸」1巻 作;荒仁+画:坂本眞一 集英社
4/19 「スイート・ビター・ホーム」 坂井久仁江 集英社
4/19 「パンテオン」3巻 榛野なな恵 集英社
4/19 「Empress!」 國津武士 コアマガジン
4/20 「はなしっぱなし」下巻 五十嵐大介 河出書房新社
4/20 「BODY TALK」 井ノ本リカ子 松文館
4/21 「まいちゃんの日常」 氏賀Y太 三和出版
4/23 「ふたつのスピカ」6巻 柳沼行 メディファクトリー
4/23 「新世紀エヴァンゲリオン」9巻 貞本義行 角川書店
4/23 「まっすぐ天へ」1巻 的場健 講談社
4/23 「ラブロマ」2巻 とよ田みのる 講談社
4/23 「神戸在住」6巻 木村紺 講談社
4/23 「三つ編と赤い自転車」 アルコ 集英社
4/23 「ピピンとピント☆」1巻 大石まさる 少年画報社
4/23 「青春ビンタ!」5巻 私屋カヲル 少年画報社
4/24 「マイナス完全版」1〜3巻 山崎さやか エンターブレイン
4/24 「ファンシージゴロペル」2巻 水野純子 エンターブレイン
4/25 「少年少女」4巻 福島聡 エンターブレイン
4/27 「よつばと!」2巻 あずまきよひこ メディアワークス
4/28 「千城家の事情」 ながしま超助 双葉社
4/28 「ぴっぴら帳 完結編」 こうの史代 双葉社
4/30 「龍」36巻 村上もとか 小学館
4/30 「鬼虫」2巻 柏木ハルコ 小学館
4/30 「バドフライ」3巻 イワシタシゲユキ 小学館
4/30 「平凡ポンチ」1巻 ジョージ朝倉 小学館
4/30 「魔女」1巻 五十嵐大介 小学館
4/30 「いちご100%」10巻 河下水希 集英社
4/30 「アイシールド21」8巻 作:稲垣理一郎+画:村田雄介 集英社
4/30 「ギャラリーフェイク」30巻 細野不二彦 小学館

【雑誌】ヤングキングアワーズ 5月号 少年画報社 B5中

 平野耕太「ヘルシング」。傭兵隊長のベルナドットがカッコ良かったなあ。イイ男でした。やはり平野耕太は男を描いているときのほうが輝いてる。大石まさる「ピピンとピント☆」は巻頭カラー。なんだかよくわからんが、カラーページで下着、裸、水着とやってて楽しそうだ。石田敦子「アニメがお仕事!」。所属しているプロダクションをやめてほかに移ったアニメーターに対して、嫌がらせの無言電話が連続し、イチ乃たちの所属するプロダクションがてんてこまい。作画のきれいさとは裏腹にたいへん生臭い内容。コレってたぶん実話に基づいちゃってるんだろうなあ……。

【雑誌】コミックバーズ 5月号 幻冬舎コミックス B5平

 「退魔針」シリーズの作画を担当していた斎藤岬が巻頭カラーで新連載を開始。「ひなたの狼 −新選組綺譚− 〜序章〜」は、タイトルどおりの新選組モノ。主人公に土方歳三を据えて、新選組のメンバーはおおむね美青年に描かれている。新選組を題材にした青春ストーリーといった趣。南京ぐれ子「あかてん☆ヒーロー」はドタバタがコンスタントに楽しい。今回は緑川くんもちょっとだけカッコよかった。まあやってることは突飛だけれども。竹美家らら「チョーク。」は最終回。単行本買ってないとストーリーを追いにくい作品だったような気がする。

【雑誌】漫画サンデー 4/13 No.14 実業之日本社 B5中

 今号から3週連続で佐藤宏之「柿の木の下にあるものは」が掲載。今回は前編。妻を亡くしてたった一人残された男が、今はもう廃村同然となった信州の山奥にある自らの故郷の村へと向かう。そこで彼が見たのは自分のことを知っているらしき一人の少女だった……という出だし。なかなか渋い味のある作品となりそう。

【雑誌】ヒメクリ 5月号 FOX出版 B5中

 今号からリニューアル。FOX出版のWebでは『「じゃあ今までのは何だっ!?」ってなくらい変わります!!』とあるが、装丁がさほど変わってないのでそこまでリニューアルされた感じはしないかな。ただ中身のほうは、いろいろ変わっている模様。まず初っぱなから17作家分のカラーイラストページという構成。それから巻頭漫画としてLINDAによるエロゲーの「DISCODE surface」(さ〜くるクレージュ)の漫画版が掲載されており、実用面を強化しようとしてるのかなという雰囲気は伺える。あとショートコミックがやけに多くなってて、読みごたえという面では物足りなくなったかな〜という印象。

 そんな中で、パニックアタック「大人になる呪文」はこれまでとまったく変わらない調子でやってます。牛タンのも〜たんを出してきたのはちょっと笑った。そのほかの漫画ではゴージャス宝田「キュアッ!!」が良かった。転任していった先生を追っかけて、前の学校の女生徒が先生宅に長駆押しかけてくるという内容。後味の良いラブラブなロリものに仕上がってて楽しく読めた。

【雑誌】エンジェル倶楽部 5月号 エンジェル出版 B5平

 ミルフィーユ「五十嵐さんの青春」4話めが掲載。このシリーズはけっこう好き。なんだかすごく頼もしい調子で、「私が全部しぼり出してやるから」と男の子たちをリードする五十嵐さんの語り口が楽しい。山本よし文「プリーズカムインサイドミー」。前回も書いたけど、ヒロインのお父さんが「ドラネコロック」のイズミヤおやじにクリソツなのが笑ってしまう。ちなみに違和感は全然ない。奴隷ジャッキー「ませませ」。超天然ボケなお姉さんと、小学三年生ながら超おませで巨乳姉に欲情しまくりな弟によるエッチ話。最後までお姉ちゃんのほうにエッチなことをしているという自覚がなさげで、ぽわんぽわんしまくっているのが面白い。この天然ボケっぷり、というか頭のネジの飛びっぷりはこの人ならではの味。

【単行本】「KANEHIRA-DEATH」 金平守人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]

 金平DEATH&REBIRTH。というわけでコミックビームの巻末漫画、「カネヒラデスカ?」→「KANEHIRA-DEATH」→AZUSA漫画と収録した単行本。超有名作家の作品を畏れ多くもパロディしてみたり、ペンネーム変えてまったく別の作風で描いてみたり、子供の落書きふうな絵柄にしてみたり……と次から次へといろんなことをやる。とにかく器用。こういっちゃうとなんだか、その第一級の器用貧乏っぷり自体がギャグになってしまっているシリーズ。ギャグ自体はスベっていることもけっこうあるんだけど、そのサムささえ面白かったりもするので、結果としてハズレがないともいえる。きっと作者も「コレ書いたらこう思われるだろう」という通りいっぺんな反応は当然予想してるはずで、さらにそれを踏まえたうえでもう一ひねりしてさらに反応を予想して……みたいなことはやってるだろうし、こうやって書いてても読者としての距離感の取り方が難しい。そんなこんなまで引っくるめて、トータルで楽しむのが吉かなあと思ったりします。

【単行本】「とわにみるゆめ。」 三浦靖冬 ワニマガジン A5 [bk1][Amzn]

 セピア調のくすんだ色使いと、細部まで描き込まれた美しい画風を特徴とする三浦靖冬2冊めの単行本。1冊めは「おつきさまのかえりみち」[bk1][Amzn](→感想)。エロ漫画雑誌連載作品ながら、繊細で品が良く、奥行きも感じさせる絵柄はパッと見て心を惹かれる人も多いはず。今回も表紙からして非常に美しい。

 内容のほうはギイチという貧しくも純朴な青年が拾った少女型のロボットと、彼女の本来の持ち主であったミクニという名の「少年」の数奇な運命を描いた、センチメンタルなストーリー。哀しい運命を背負った彼らの姿は、崇高な美しさを感じさせる。ただ全体で見ると画面構成の問題か、ちょっと読みづらく感じるところもあって、ストーリーがスッと頭に入ってきづらいようにも思えた。あと「おつきさまのかえりみち」の時点と比べて、さほど伸びてないかなという気もした。作画がとてもいい人なので、もう一段上のレベルに行ってくれることを期待してます。

【単行本】「化粧くずし」 しろみかずひさ メディアックス A5 [Amzn]

 短編8本を収録した作品集。肉感的な女・麻理果に対し、愛とザー汁をぶちまけていく情熱的な語り口は今回も健在。短編メインだし、プロローグだけで終わってしまった作品も含まれていたりするので、物語的には若干読み足りないかなという気はする。今回の収録作品の中では、ちょっと前のものになるけど「雪の様に熱い瞬間」がイイと思う。脳腫瘍とガンによって倒れ、寿命を縮める危険を承知しながらも自らをアンドロイド化し、恋人と結婚式を挙げることを夢見た麻理果の最後の日々を描いた作品。ピンと張り詰めた切ないストーリー運びで泣ける逸品。あとこの人については文章も好きなのだが、今回はカバー裏に長いあとがきが用意されている。ファンならそちらも必見。

【単行本】「サイバーポルノ」 砂 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

 「フェミニズムセックスマシーン」[bk1]に続く2冊めの単行本。実に4年ぶりの単行本となってしまったが、その特殊な作風は相変わらず強烈な存在感を放っている。この人の持ち味といえば強固な論理武装と、それをぶっ飛ばすかのような爆発的なバカ漫画。過剰なセリフ、過剰なセックス、過剰なギャグ、なんだか底流を流れているらしき理論。そういったものが全部ごちゃごちゃとまぜこぜになって、頭にうわーって飛び込んで来るところがいい。とりあえずまずはその奇抜なストーリー展開に身を任せてブハハハと笑って読む。その後で深読みするもよししないもよし。

 収録作品の中では「新聞記者 涼子」がとくに好きだ。バイブ付きのトレーニング用自転車に乗り、コーチの指導を受けつつ涼子がペダルを踏む、踏む。アングルは後ろから。揺れる尻、パンパンに張るホットパンツ。「おしりの穴」では5文字使うから「おしり」は「ケツ」、「の」も省略可能。それが新聞記者の心得。思わず「なんじゃこりゃ?」と思う主張を、怒涛の勢いで刷り込んで来る。それから普通にコマ割ったページがあって、ページをめくると1ページぶちぬき、というのの繰り返しでだんだん笑いをこみ上げさせる構成もリズムがあってイイ。

 「SOX」も好きだ。コギャルの股間からぶらぶらぶら下がる第三の足。そこにはずっぽりルーズソックスが。あるものはブーツ、あるものは紺の長靴下。ルーズソックスについて語っているインチキくさい評論家の、どこを見ているんだか分からない目つきも笑える。オリンピックの正式競技となったセックスを描いた「ASSTLESS」は、漫画としてもバカげてて面白いけど、TINAMIXでいってた「スポーツを主題にすることの出来るおそらく唯一のジャンルとしてのマンガ、という論点」を意識しながら読んだりするのも興味深い。

 しばらく漫画方面ではナリを潜めていた砂だけど、最近はじょじょにまた執筆活動も復活気味。特異な才能であることは間違いないんで、もっともっとたくさん作品を発表していってほしいもの。


3/29(月)……青いストロボ

▼アニメ最終回。本日は「ふたつのスピカ」と「ASTRO BOY鉄腕アトム」を見る。

▼「ふたつのスピカ」は良くも悪くも無難な出来。開始当初は制作体制が不安視されたが、原作自体がもともと動きが少ない作品だったこともありとくに破綻なく終了。身の丈に合った作りで、できることを確実にこなした作品という感じ。その点はきっちりコントロールを利かせてて健闘したほうだと思う。ただその反面、アニメ版独自の冒険や面白みがあまりなかったのも事実。ストーリー的にも、結局のところ「宇宙飛行士を目指す少女アスミが、学校で仲間を作る」というところで終わっており、ドラマ的な盛り上がりには欠けた。大きな不満はなく見ていけるものの、総じて見るとつかみどころのない作品になっちゃったかないう印象。やはり原作のほうがあまり進んでない状況だっただけに、ここらへんの料理の仕方は難しかったかもしれない。

▼「ASTRO BOY鉄腕アトム」[Amzn]のほうは、さすがに大きなプロジェクトだっただけあって、ちゃんと面白かった。中盤は作画クオリティも多少落ち、脚本などもダレ気味に思える回がけっこうあったが、青騎士、アトラス、プルートゥあたりが出てくる節目節目の回はやはり気合いが入っていて「おっ」と思わせるだけのものはあった。ただ作品のコアな部分となっていた「人間vs.ロボット」という構図は、現代日本人にはなじみづらいかもしれないなとは思った。日本人ってアニメや漫画などでロボットと人間が共存する世界にすでになじみを持ってるし、AIBOとかけっこうほいほい受け入れちゃうような精神的土壌があるので、この作品で描かれたような衝突や抵抗ってそんなにないんじゃなかろうか。まあ実際にロボットが社会進出するような時代になってみないと分からないことではあるんだけど、いざとなったらなあなあでいけちゃいそうな気はするし、現代日本人が「機械対人間」ということに対する問題意識をそう強く持っているようには思えない。その点でドラマ的な説得力が、ちょっと弱くなっているようにも感じられた。でもまあ全体としては十分楽しめる作品であったとは思う。キャラクターでは、最終的に悲劇的な道をたどる天馬博士が印象的だった。あとウランが可愛く描けていたのは良かったと思う。

▼未読物
【雑誌】大長編ドラえもん大全集 4 藤子・F・不二雄 小学館 A5平
【単行本】「藍より青し」13巻 文月晃 白泉社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バルバラ異界」2巻 萩尾望都 小学館 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「サイバーポルノ」 砂 太田出版 A5 [bk1][Amzn]

【雑誌】別冊モーニング No.1(4/14増刊) 講談社 B5中

 モーニングの新別冊。掲載作品を見れば分かるとおり、本誌で連載された「新・野球狂の詩」「U-31」「DINO2」「暁星記」が移籍。6月発売予定の次号では山下和美「不思議な少年」も掲載。本誌で週刊ペースでやっていくのはちとつらい連載の受け皿という感じかな。

 内容のほうでは、三宅乱丈「大漁!まちこ船」がインパクトあった。まぐろ漁船に載っている一人の可憐な少女、まちこ。場違いに見える存在だが、実は彼女はまぐろ釣りのエサだったのだ……という内容。なんだかヘンな作品です。作:綱本将也+画:吉原基貴「U-31」は渋みのあるサッカー漫画。かつての天才ストライカー・河野の所属するチームに新監督が就任し、彼にも新たな役割が与えられる。この作品はけっこう読みごたえがあって好き。

 諸星大二郎は以前「私家版鳥類図譜」[bk1][Amzn]というシリーズを描いていたけど、今度は「私家版魚介図譜」シリーズを開始。その1回めとなる本作「深海人魚姫」は、深海でほそぼそと暮らす人魚の娘が、潜水探査艇に乗っていた人間の若者に憧れて浅い海を目指すという物語。深海での暮らしを確かな生活感を持って描くセンスオブワンダーはさすが。しっかり読ませる面白い作品。読切、戸川水城「走れ!チコ」は、下半身が不自由で車椅子で小学校に通う少女・チコの物語。ただかわいそうというだけでなくポジティブに生きていこうとする強さが魅力的。作画もしっかりしてて、先が楽しみな人だと思った。

【掲載作品】永井豪「天空之狗」、三宅乱丈「大漁!まちこ船」、綱本将也+吉原基貴「U-31」、芳崎せいむ「OPEN MIND」、水島新司「新・野球狂の詩」、布浦翼「ぼくたちの伝説」、花くまゆうさく「会社の汁」、芦奈野ひとし「PositioN」、諸星大二郎「深海人魚姫」、所十三「DINO2」、菅原雅雪「暁星記」、戸川水城「走れ!チコ」、粂田晃宏「バボ」

【雑誌】ヤングマガジン 4/12 No.18 講談社 B5中

 新連載、きらたかし「赤灯えれじい」がスタート。大学受験に失敗し、無職でウジウジと冴えない暮らしをしていた主人公のサトシが、バイト先の工事現場でチーコという女性に出会い彼女に惹かれていく……という出だし。垢抜けない絵柄だがなんとなく地味に面白くなりそうな雰囲気も感じる。ちょっと期待。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/12 No.18 小学館 B5中

 稲光伸二の新連載「出るトコ出ましょ!」が新連載。容姿端麗な名門女子高通いのお嬢さま・亀井静が主人公。父の会社が倒産したことでアパート住まいにまで零落し、学校からも自主退学を勧められてブチキレ寸前。そんなとき彼女はとある弁護士の青年と出会い……という出だし。なんか法律モノになるらしいけど、出だしとしては微妙かな……。小田扉「団地ともお」。スポーツ大佐がかっこ良すぎ。アヴァンギャルドな漫画だー。イワシタシゲユキ「バドフライ」は最終回。この人の作風はけっこう好きなんだけど、やはり一般受けはしにくそうだなあ……。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/12 No.18 集英社 B5平

 秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が連載1350回で、区切り回恒例の両津の少年時代ばなし。河下水希「いちご100%」。冒頭の「もーエッチな春風!!」のベタっぷりにちょっとびっくりした。なんか新キャラを意外と活躍させそうな雰囲気。どう見ても西野&東城のツートップには対抗すべくもないキャラなのだが、作者がたまにはこーゆー女の子も描いてみたいということだったのかもしれませんな。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社 B5平

 松田奈緒子「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」が毎度しっかり面白い。綾と、空素景がいつの間にかけっこう仲良くなってる様子が微笑ましかったり。よしまさこ「うてなの結婚」。イオナが美容師のケンちゃんの弟である消防士に一目惚れし、ついに巣立ちの時が。えーとこれで最終回なのかな。次回から番外編が始まるそうだけど。

【雑誌】メロディ 5月号 白泉社 B5平

 今月は読切で収穫が。まず百合野真理「ねこじゃらし」。大学生ながら売れっ子のジュニア小説家で、ものすごく口の悪い彼氏を持つ女の子が主人公の物語。羽海野チカの影響を受けてるっぽい感じで、整った品の良い絵柄。なかなか楽しいラブコメとなっている。沢野湯ウキ「ゆらゆらゆこう」。美大の課題と彼氏、どっちも大事、でも片方にのめりこむともう片方が疎かになってしまいそうな状態に悩む女子が主人公。こなれたタッチのかわいい絵柄。メロディには以前からときどき掲載されている人だが、十分うまいと思うので連載とかやってくれるといいんだけど。慎結「パパと歩こう」。ボーイズラブっぽい男の子が可愛い絵柄。今号から3号連続で登場予定。

 雁須磨子「カリスマ探訪記」は最終回。今回の取材対象はやなせたかし。あと今号には、次回から始まる魔夜峰央「パタリロ源氏物語!」の予告漫画も掲載。光源氏役はバンコランで、パタリロは陰陽師をやるらしいです。

【雑誌】コミックRUSH 5月号 ジャイブ B5平

 3号めだがなんだかパッとしないかなーという印象。コレ、という作品がいまだ見当たらない。やはり新雑誌立ち上げ時に、その界隈で確実に部数を獲れそうな人を連れてこれてないというのはキツいような気がする。作:ボヘミアンK+画:宗我部としのりのカーリング漫画「オレンジでりばりぃ」には期待してるけれども。あと作:成田洋+画:MEE「東京バトル」もちょっと面白くなってきたかな。

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中

 ゆきやなぎ「恋するマネージャー」。サークルの酒の席で新しくマネージャーになった女の子が、メンバーたちにさんざん輪姦されちゃうというお話。まあこういうことを実際にするのは良くないと思いますが、漫画としてはしっかりエロい。この人の絵柄って線自体はシンプルなほうだと思うけど、肉感的でむっちりしててソソる。かるま龍狼「でかいの3」。今回も太いのの持ち主である少年が、友達のお母さんやお姉さんにいじりまわされるという内容。コメディテイストながら、やることはちゃんとやってて実用的でもあるあたり完成度が高い。エロとコメを両立させる腕はさすが。

 島本晴海「はれ☆ゆき」。本来告白するはずだった女の子・春野の妹である雪と結ばれてしまったラブラブ状態な岡島青年。しかし今回は姉のほうとエッチな展開になってしまう。いい感じでラブコメしてて毎回面白い。鳴子ハナハル「ネネ」。今回はいろんな女の子たちのネコミミ姿が見れてええ感じでござった。上品な絵柄だけど案外エロもちゃんとしてるしね。

【雑誌】キャンドール 5/12 Vol.4 実業之日本社 B5中

 みた森たつや「渡良瀬医院へようこそ」。お兄ちゃんとエッチしたいという悩み相談をもちこんできた娘さんの悩みを、主人公のカウンセラー渡良瀬が解決というお話。この娘さんの妄想っぷりがなかなか楽しい。牧野靖弘は個人的にはけっこう久し振りに見た。「ご利用は計画的にっ!」。消費者金融のティッシュ配りの女の子と主人公が仲良くなってエッチするというお話。この人の手慣れた明るいタッチはけっこう好きではある。このほか、むつきつとむ、法田恵、みずきひとし、あずまゆき、琴の若子、NYAN、すずきみら……とコンスタントな描き手が揃っていて、突出した作品こそないものの平均的に楽しめる雑誌となっている。


3/28(日)……おおきくユリーカぶって

▼本日は「おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!」と「デ・ジ・キャラットにょ」の最終回を見る。「そーなんだ!」[Amzn:1/2/3/4]はネットゲームをしていた6人の少年少女たちが「ユリーカ」というゲーム世界に飛ばされ、そこで科学知識がクリアのカギとなるミッションにチャレンジしていくというお話。「雷はなぜ発生するのか」「雨はどうして降るのか」などといった知識を自然に吸収しながら、楽しく見られる。とくに好きだったのが「ごちそう」。少年少女たちが二つのチームに分かれて、どちらがミッションを先にクリアできるかを競うという形式で物語は進行し、勝ったほうは食事がごちそうとなり、負けたほうはカロリーメイトみたいな無機質なものになるというルール。競争はするけどそれによって与えられる報酬がごちそうだというほのぼの感が好きだった。あと女の子キャラがいい。最初はオーソドックスな美少女タイプのミオのほうがいいかなと思ったが、だんだんちょっと気取ったお嬢さまタイプのスズカのほうが良くなってきた。個人的にはスズカが見てて一番楽しかった。総じてみると一話完結タイプなのでストーリーの引きはないし、後からまとめて見返したくなるような作品ってわけでもないけれど、コンスタントにほのぼのできる良心的な作品だったと思う。

▼「デ・ジ・キャラットにょ」[Amzn]のほうは、途中路線変更とかいろいろあったけど、一年間楽しく見た。「萌え」という観点から語られがちではあるが、個人的な感覚としては癒し系。でじこ、うさだ、ぷちこらを軸とした女の子友情ストーリーでもあり、さまざまなキャラたちでいっぱいのなかよしこよしワンダーランドといった雰囲気が心地よかった。出来のいい回はギャグもキレてたし。あと個人的には、意外と季節感のある作品だった点も好印象。季節感という面ではぷちこが身近なところの秋を探すという第46話「ぷちこ、幸せを探すにゅ」あたりが映像もきれいでお気に入り。

▼日中は花見に行ってました。前にいた会社が、そういうこと全然しなかったところだったんで、すごく久しぶり。屋外で酒を呑むってのもたまにはいいもんですな。

【単行本】「おおきく振りかぶって」1巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 アフタヌーンで連載中の高校野球漫画。ひぐちアサが野球漫画を描くというのはけっこう意外だったが、これがなかなかに面白い。その年から新設された高校野球部が、少しずつ成長していく様子は読んでいてなかなかに手応えがあるし、意外と野球の理論面も押さえている点は面白い。実際にその理論が正しいのかはよく分からないのだけど、ちゃんと説明をしながらいろんなことをするので説得力がある。とくに中学校時代の3年間、学校の経営者の孫だからという理由からエースをやり続け、チームの皆にシカトされた経験がトラウマとなっている投手の三橋のキャラがいい。オドオドしまくってて付き合いづらいが、そんな彼が捕手の阿部の好リードに助けられ、じょじょに自分の才能に目覚めていく様子はカタルシス十分。そのほかのメンツも個性的で、読んでいて楽しい。

 考えてみれば野球漫画といえばもう散々描き尽くされたかに思われたジャンル。最近はちと下火になってきつつあったが、この作品やコージィ城倉「おれはキャプテン」を見ていると、まだまだ面白くできる余地はあったのだなあと感じさせられる。この二つに共通するのは、ともに考えて野球をやっており、理論面の裏打ちを用意して説得力を持たせている点。素質のある型破り系の選手や、とにかく努力・根性ってわけでもない、頭と身体をともに使っていくスタイル。どちらも新鮮な面白みがあります。

【単行本】「あまえないでよっ」1巻 宗我部としのり ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 コミックガムで連載中。宗我部としのり名義では初単行本。お話としては凄い霊力をもつ見習い僧侶の逸剛(いっこう)が、かわいい尼僧たちと共に修行を続けていくというもの。逸剛はふだんはあまり大した能力は持っていないが、Hなシーンを見て理性が吹っ飛ぶとその秘められた霊力が爆発。悪霊などを鎮めることができるようになるという設定。今のところストーリーの本筋となる部分はまだ見えてきてないんだけど、とにかく女性キャラがみんな魅力的に描けているのがこの作品の特長。宗我部としのりのみずみずしいピチピチした作画が生きていて、頻出するちょっとHなシーンも鮮やかに印象を残す。あとキャラ造形としては、やっぱり大きくてちょっとうるんだような目の描き方がいいと思う。表情がパッと目を惹く。ラブコメっぽさも微笑ましいところがあって、なかなか心が華やぐ作品。

【単行本】「一騎当千」7巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 いつものようにパンチラ、胸モロ、そして格闘。この巻あたりからは劉備の登場回数も多くなり、いよいよ三国鼎立状態が本格化するのかなといったところ。爆乳もりもりなやりすぎ感がいいと思います。

【単行本】「トニーたけざきのガンダム漫画」 トニーたけざき 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 ガンダムエースでやってるトニーたけざきによるガンダムパロディ漫画がついに単行本化。けっこう難しそうな安彦良和タッチを書き文字まで緻密に真似して、くだらないギャグネタをガンガン繰り出す。すごく達者な絵柄ですごくくだらないことをやるタイプのパロディギャグとしては出色の出来で、たびたび爆笑させられる。さすがにセンスがいい。ガンダムは面白いなあ。

【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」6巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 こちらは本家本元の安彦ガンダム。ランバ・ラル編の後編。安彦版ならではの独自の味付けも加わり、読みごたえのある展開。この巻ではアムロが家出というか船出をするが、そのアムロの葛藤だけでなく、ホワイトベースのほかの面々の心情も掘り下げているあたあたりがいい。それぞれのキャラに深みが感じられるようにあっている。ガンダムは面白いなあ。

【単行本】「ももいろさんご」6巻 花見沢Q太郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 2色はいいな〜。この巻でも三悟が、三姉妹、とくに湊の尻に敷かれているという状況は変わらず。そんな中、魚マニアの三悟に惚れてしまった新キャラ、水族館に勤めるかれいさんの登場が物語に新たな花を添えている。ツンとすましてはいるけど、三悟に惚れていることがモロバレな分かりやすさがとても楽しい。とても甘やかでありつつ、それでいて後をひかない読み心地はすでに職人芸。いいねえ。

【単行本】「日本凄絶史」 平田弘史 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 日本の歴史の中で自分の信念を貫き通した武士たちの、凄絶な生き様を力強く描いた作品。これまで単行本未収録だった3作も収録。強烈に力強いタッチで語られていく「男の意地」がこれでもかとあふれ出した物語は、ドスンとくる読みごたえがあってさすがに面白い。

【雑誌】くノ一 斬! VOL,01 司書房 B5平

 「少女剣客凌辱コミック」と銘打たれており、くノ一をメインとしたなんか珍しいエロ漫画雑誌。最近時代劇漫画雑誌が流行っているので、その要素をエロ漫画に注入しようとしたのかな。この中では個人的にはBENNY’S「忍者母さん」がエロ方面では好みな内容。くノ一見習いの娘の代役で任務に赴いた元くノ一のお母様が、忍者3人にエッチな薬を使ってエロエロな目に遭わされるというお話。人妻も媚薬も好きなネタだし。井ノ本リカ子「−花−」は、うれしいことがあるとつい照れ隠しでしかめっ面をしてしまうお姫様と、おつきのフタナリ(?)くノ一の愛の物語。淡い色使いの4色ページ、それから柔らかい身体の描き方など、いつもながらええですのう。花妻見枝豆丸「忍華」は少女くノ一がエロい秘術の手ほどきを受けてメロメロになるという内容。細めの線の感じがなかなか面白いと思う。雑誌全体で見ると、テーマは珍しいけど、司書房系のいつものメンツで構成されてるので安定感はある。ストーリー的にもっとヒネったものが出てくるといいのではないかと。なお発行ペースは毎月奇数月下旬の隔月発売となる模様。

【漫画執筆陣】井ノ本リカ子、北方国明、けんたろう、田嶋安恵、BENNY’S、天野英美、、あぶらあげ、花妻見枝豆丸、あわじひめじ、RAYMON、KASHIみちのく、Dr.モロー


3/27(土)……突然妻子誘拐

▼番組改変期ということで、見ていたアニメが続々と最終回。本日は「カレイドスター[Amzn]。追っかけで見始めて、最初はちょっと舞台が珍しいのでどんなもんなんじゃろなーと思って見始めたんだけど、そんな気持ちはすぐふっとびずんずん面白がりながら見てました。努力・根性、そして実現のドラマをしっかり高い品質で展開してて、安心して物語に身を任せることができる作品だった。努力シーンのテンションの高さと、メインステージの美しさ、日常シーンの楽しさなどなど、随所に見どころがいっぱいあるから飽きないし、テンポのいい作品だったので踏台も楽しく踏めた。DVDも欲しくなったけど、揃えると10万円くらいになっちゃうんだよね。全部で5万円くらいならたぶん買ってたと思うんだけど……。

▼あと「ふたつのスピカ」も最終回。こちらは録画はしたけどまだ見てない。明日は「デ・ジ・キャラットにょ」と「おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!」に当てるつもりなので、スピカは月曜にする予定。「ASTRO BOY鉄腕アトム」も月曜日回しかな。踏台昇降を1日2本としているので、2本ずつの消化となっておるのです。春の新作については、どれをチェックするか検討中。

【雑誌】手塚治虫マガジン 5月号 KKベストセラーズ B5平

 今号から永井豪作画で「魔神王ガロン」が新連載。正直なところ手塚治虫本人の作品だけでもいいかなーと個人的には思うのだけど、雑誌としては話題作りになるしアクセントとしてはいいのかも。「火の鳥 鳳凰編」は最終回が掲載。やっぱり鳳凰編は好きだなー。あと「リボンの騎士」のサファイア、「ふしぎなメルモ」のメルモ、ともに萌え。ヘケートもポップでいい。

【雑誌】BJ魂 5/1 No.18 集英社 B5中

 作:伴茶彰+画:たなかしえ「101・102」が最終回。ラストのほうは直球ラブストーリーとなってて、後味良く締めくくり。絵もうまくなってきている感じがします。ちょっと外薗昌也っぽい感じのコマがあったけど、アシスタントさんかなんかだったんすかね?

【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5平 [定期購読:eS

 黒崎まいりの読切「きゃらめるハート」がかわいらしくて良かった。同じ小学校4年生の男子・大樹のことが好きな双葉ちゃんが、家出するといいだし大樹を巻き込んであちらこちらを引っ張り回す。その中で双葉ちゃんは、大樹にも自分と同じドキドキを感じさせようと頑張る……という小さな恋の物語。恋の目覚めを微笑ましく描いてて楽しかった。オムニバス連載の稲葉COZY「Cherry Season」は最終回。今回はたった二人の美術部の先輩女子に恋している宮迫少年のお話。こちらも甘く楽しくきれいにまとまっている。

 かかし朝浩「ふぁにーふぇいす」。ここまでいろいろゴチャゴチャあるもののおおむね問題なく付き合ってきた桑原くんと詠美だが、詠美が拉致られてピンチ。桑原がストレートじゃない活躍を見せるけど、その後には悔いが残り……という展開。主人公がオタクという設定ながら、ストーリー展開がけっこうまっすぐで気持ちいい。

【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS

 西炯子「双子座の女」は6回めにして最終回。精神的に女性である優等生男子・坂本兄の想いを、不思議な大人びた雰囲気のある女子・刈川さんが導く。性同一性障害のキャラを扱っていることもあり、ちと重い部分もあったが、作画、ストーリー展開ともキレ味があり鮮やかに読ませる作品となった。面白かったです。さいとうちほ「ブロンズの天使」。うーんドラマチックだー。詩人プーシキンと没落貴族の娘のロマンスが、モスクワの公爵亭で催された大夜会の席上で繰り広げられる。舞台もストーリー展開も浮き世離れしたゴージャスっぷりなのが素晴らしい。

 倉多江美の読切「コインの指輪」が掲載。プロポーズする指輪用の資金をパチスロに託した男と、テレビの占いのラッキーアイテムにその日の成功を賭けた彼女。そんな二人の運命の一日を追うという内容。世間的に見ると大きな事件ではないけど、マイペースさが楽しい作品。枯れた作風が味わい深い。これがデビュー作となる岩本ナオ「その彼女の存在」も気になる作品。アベキリコさんという女子がそばにいるとラッキーなことばかり起きると主張する、同じクラスの男子の深町くん。実際そうだったりもするのだが、アベさんはそういわれるのをあまり嬉しがっていない。口には出さないけれど、アベさんには「ラッキーアイテム的な見方でなく、ちゃんと一人の女の子として扱ってほしい」的な気持ちがあるんであろうと思われる。ズバリ主張を描くのではなく、何気ないセリフや行動で恋心めいたものを匂わせるおくゆかしい作りがいいなーと思った。楚々とした絵も好み。

【雑誌】阿ウン 5月号 ヒット出版社 B5平

 師走の翁「シャイ娘。外伝 VI来襲」は4話め。陰謀にハマったシャイニング娘。のメンバーたちが、ファンたちと沖縄旅行に行くというイベントツアーの中で、さまざまなご奉仕をさせられてしまうという回。今回もしっかりたっぷりやっててエロエロ。それぞれのメンバーがかわいくて賑やかだし、エロシーンの充実度も高い。×浦あややがみんなにぶっかけられまくって撮影されてるシーンとか、とてもいやらしい。しっかり愛敬もあってただのアイドル凌辱モノ的な殺伐とした雰囲気にならない点も相変わらず素晴らしい。エンターテインメントしてるなあと思う。

 幸田朋弘「P-ろいど3」。11話め。ドタバタした展開もいいし、キャラも多彩で賑やか。コンスタントに楽しく面白い。池上竜矢「お姉ちゃんと遊ぼう!」。弟ののべつまくなしなエロエロ攻撃に翻弄されるおねえちゃん。この二人のやりとりも面白いけど、天然ボケで買い物行ったきり帰ってこないお母さんのキャラもいいアクセントになってる。ノリが良くていいですのう。旭「健術指南」は、新米保険医のはるちゃんが大人の女を目指して先輩の指導を受ける。はるちゃんのロリ顔巨乳キャラっぷりがナイスで、とろりと柔らかそうなおっぱいの描き方もたいへんよろしうございました。あと真海「学園天国キネマ」も身体の描き方とかエロくてけっこう好き。

【雑誌】リトルピアス 5月号 東京三世社 A5中

 ほしのふうた「若菜といっしょ」は3話め。このシリーズは好き。若菜ちゃんがかわいくて、ストーリー展開もノリがいい。ほりほねさいぞう「愛犬擁護週間『ゼロ』」は前編が掲載。夜の学校に肝試しに来た少年3人が、そこで不思議な少女と出会ってHなことを開始……という展開。少女の正体は何者なのか、というあたりは次回のお楽しみ。

【雑誌】COMICパピポ 5月号 フランス書院 B5中

 うろたん「Newmanoid CAM」6話めが掲載。この人の作品は、個人的にはかなり実用面でヒット。基本的には明るめの絵柄なんだけど、フェラチオシーンとかのちゅるちゅるからみついてくるような舌の描き方とかがエロくてお気に入り。輪姦シーンが多めなのもエロ度を高めているが、それでいて殺伐としてないのも良い。新貝田鉄也郎「デビュー c/w:」は巻中カラー4P漫画。相変わらず絵がうまいなあ……。てくてく「近道」は、田舎の学校に登校途中の二人がふとした事件をきっかけとしてカップルに、という微笑ましいラブストーリー。細い描線を駆使した可憐な絵柄、茶目っ気があって後味の良い締めくくりも好印象だった。後藤羽矢子「役割」。実年齢より幼く見える家庭教師の先生と、老けて見える生徒のアツアツラブストーリー。今回は不穏な感じのヒキになってて続きが気になる。

【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.21 三和出版 A5平 [Amzn]

 岡すんどめ「比翼鳥」がとても良かった。事故により右半身だけになった少女のため、彼女の双子の姉がその左半身となることを志願。これまで四肢切断のだるまモノを多く手がけてきた岡すんどめだが、今回は左右別人モノと、また変わった題材にチャレンジ。文字通り自分の片割れとなった姉を拒絶しようとする主人公、しかし世間的には奇異な存在である彼女を受け止められるのもまた、その姉しかいなかった。さすがに現実的ではあり得ない状況だけど、しっかり読ませる愛の物語となっていて感心した。

 MARO「腸嬲腐死の女体探訪」。相変わらずおもしれえ。テレビ番組のレポーター、腸嬲腐死(わたなぶ・くさし)が、自慢の奥様の女体を探訪してレポートするという、「お宅訪問」番組仕立てのエロ漫画。なんといっても笑っちゃったのが、訪問したお宅のご主人が腸嬲を焼肉でもてなすシーン。まあもちろんそんなことしつつエロをやるんだけど、前門後門それぞれに焼肉をつっこむというプレイがすごい。「うるさい口だな」「焼肉でも喰いな」ってあたりは、エロシーンで出てくるセリフとしてはかなりすごいセンスしてると思う。


3/26(金)……破ろうジャブロー

▼土曜の朝に仕事が終わって帰宅。予想どおりbk1から届いた書物がどさりと。ここ数日忙しくてあんまりちゃんとした本屋に行けず、その間の単行本はほぼネットで注文してたんでけっこうな量になっておりました。

▼未読物
【雑誌】手塚治虫マガジン 5月号 KKベストセラーズ B5平
【雑誌】BJ魂 5/1 No.18 集英社 B5中
【雑誌】コミックガム 5月号 ワニブックス B5 [定期購読:eS
【単行本】「蕗のお便り」1巻 菅原雅雪 講談社 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「日本凄絶史」 平田弘史 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「あの夏のこと」 いわみえいこ 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ももいろさんご」6巻 花見沢Q太郎 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「鈍器降臨」 古屋兎丸 メディアファクトリー A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「あまえないでよっ」1巻 宗我部としのり ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「KANEHIRA-DEATH」 金平守人 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「とわにみるゆめ。」 三浦靖冬 ワニマガジン A5 [bk1][Amzn]
【単行本】「夢空界 天野こずえ短編集1」 天野こずえ マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「空の謳 天野こずえ短編集2」 天野こずえ マッグガーデン B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「一騎当千」7巻 塩崎雄二 ワニブックス A5 [bk1][Amzn]
▼27日売り
【雑誌】フラワーズ 5月号 小学館 B5平 [定期購読:出版社/eS
【雑誌】COMICパピポ 5月号 フランス書院 B5中
【雑誌】くノ一 斬! VOL,01 司書房 B5平
【アンソロジー】アイラDELUXE VOLUME.21 三和出版 A5平 [Amzn]
▼29日売り
【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン B5中

【雑誌】月刊IKKI 5月号 小学館 B5平 [定期購読]

 以前アワーズライトに掲載されていた芳崎せいむ「金魚屋古書店出納帳」がIKKIに移り、タイトルも変えて「金魚屋古書店」として再スタート。誰もが想い出の漫画に出会える不思議な古本屋と、そこに関わる人たちを描いた物語。正直なところ、ここに出てくる人たちは自分とは本に対する接し方がだいぶ違うので、いい話だとは思ってもどうにも自分的には読んでて居心地のよろしくない作品であったりはするんだけど、上品な作画で丁寧に作られたお話であるとは思います。ジョージ朝倉「平凡ポンチ」は毎度毎度思わぬ方向へ話が転がっていき展開が読めない。そのゴロゴロ転がるような疾走感がたまらない。決めの絵やセリフもズバッとインパクトがあって記憶に残るし。出だしはちょっとよそ行きっぽいかな、とも思ったけどどんどん面白くなってきました。

 岩岡ヒサエ「しろいくも」。コミティアの音々堂本舗というサークルで出している本をいつも買っている人だけど、絵も作劇もしっかりしていて良い作品だった。丸い顔、小さな目の控えめな顔つきのキャラたちがなんともキュート。そして妻を失った一人のおじいちゃんの追憶の物語を、切々と美しく描いている。暖かみのある泣かせるお話。やっぱりこの人はいい。IKKI向きかどうかは分からないけど(まあIKKIは雑然とした雑誌なのでどんな作品でも似合うっちゃ似合うんだが)、けっこう即戦力として活躍できる雑誌は多いタイプといえるんじゃないでしょうか。木葉功一「フルーツ」はシリーズ3作目。今回はラスベガスで娼婦をやっていた13歳の少女が、客にとったホテル王の青年の莫大な遺産の相続者に指定されたために財団の刺客に狙われるが、それに抗して強く生き抜いていくという物語。自由で強く美しい少女をカッチョよく描いた一作。

【雑誌】ヤングアニマル 4/9 No.7 白泉社 B5中

 関崎俊三「ああ探偵事務所」。女性の表情がほのぼの色っぽくていい。今回出てきた巨乳さんも良かった。森恒ニ「ホーリーランド」。やはりユウを救えるのは伊沢妹の愛しかないでしょうな、という回。しかしユウの真の姿は彼女をも恐れさせ……。さてこの二人はどうなるんでしょうか。気になりつつ以下次号。文月晃「藍より青し」はティナ編に決着。なかなかきれいにケリをつけたと思います。そろそろクライマックスが近そう。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 4/9 No.8 小学館 B5中

 第53回小学館新人コミック大賞佳作受賞作、近藤崇「清六まいる!」がなかなか面白かった。内容は江戸時代後期の東北のとある藩の武士が、藩の威信を賭けた真剣勝負に挑むという時代モノ。主人公の清六は、地味で平々凡々とした男だが、穏やかな顔には似合わず奥さんにも逃げられるほどの精力の持ち主。剣の腕前はからっきしだが、何を思ったか藩の剣術指南役は清六を真剣勝負に挑む代表者に選び……という内容。剣の腕や気魄などで勝負を競う、通常の剣劇ものとは一味違ったアプローチとなっていてオリジナリティがある。なかなか読みごたえがあり、ユーモアも感じさせる作品。作:久部緑郎+画:河合単「ラーメン発見伝」。今回のエピソードは面白かった。一度てこ入れを諦めた、大衆食堂のおやじさんのラーメンに藤本が再挑戦するが……。今回芹沢が示した解決策は、身もフタもないけどとても効果的だと思う。ビジネスってそーゆーもんだよね。

【雑誌】少年エース 5月号 角川書店 B5平

 八神健「ありさ2」は2話め。突然やってきた二人のありさ、どっちが本当の幼なじみなの?という恋愛コメディ。ありさは二人ともけっこうかわいいし、なかなか楽しい。ところで伯林、八神健と、一時期の萌え系チャンピオンを支えていた人たちがここのところエースに来ているわけだけど、担当者さんが移籍したとかあるんすかね。あと作:谷川流+画:水のマコト「涼宮ハルヒの憂鬱」(キャラクター原案:いとういのぢ)が連載開始。小説のほうは読んだことないけど、タイトルとか表紙とかは書店でよく見かけていたので、なるほどこういう話なんだなあとか思いました。竹内元紀「Dr.リアンが診てあげる」は最終回。最後まで下ネタの連発で締めくくってて立派。最近はいくぶん飽きてきてたので、そろそろ一区切りつけとくってのはいい判断だと思います。

 それと巻中の広告ページによると、5月1日に「新世紀エヴァンゲリオン エヴァ&エヴァ2アンソロジー」という本が出るらしい。B6版予価567円(税込み)。執筆陣は吉崎観音、小畑健、たくま朋正、別天荒人、広瀬けいた、ゴツボ×リュウジ、滝本竜彦、玉置勉強、沙村広明、鈴木雅久、伯林、竹内元紀、トニーたけざき、乙一、いわさきまさかず、林ふみの、吉川かば夫、SAA、伊藤砕虎、桂明日香、矢吹豪、RYU-TUMR、今ノ夜きよし、高橋修(←字がつぶれてるので間違ってるかも)といったところが予告されている。なかなか豪華なんで買うかも。

【雑誌】ガンダムエース 5月号 角川書店 B5平

 安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。今回はホワイトベースがジャブローに到着いたしましたよ編。戦闘シーンとかはなく、わりと地味な回。トニーたけざき「トニーたけざきのガンダム漫画」は写真漫画。安彦タッチの奴じゃないんだーとか思ったけど、意外とこれはこれで面白かった。

【雑誌】コミックバンチ 4/9 No.17 新潮社 B5中

 作:いしぜきひでゆき+画:藤栄道彦「コンシェルジェ」が掲載。ときどきしか載らない作品だけど、わりと表紙を飾る率が高いってことは人気あるのかな。ホテルのお客様相談役的な役割・コンシェルジェの男を主人公に、毎回きっちりお話をまとめている。今回も話の進め方がうまくて楽しめた。あと女性キャラがフレッシュでわりといい感じに描けているのも良い。


3/25(木)……プラムが食えん

▼今日も職場泊まり。てなわけで定期購読で自宅に郵送されてるはずのIKKIとかはまだ読めてないです。

【雑誌】アフタヌーン 5月号 講談社 B5平

 今号は巻中に切り離し可能な小冊子として、弐瓶勉の「ブラム学園!」が収録。「BLAME!」のキャラで学園コメディをやるというもの。なんだかくだらなくて良いです。巻頭では作:かとりまさる+画:安藤慈朗の新連載「しおんの王」が開始。殺人事件により両親を失いそのショックで言葉をしゃべれなくなった少女・しおんが成長し、女流棋士を目指すという将棋漫画。安藤慈朗は絵柄&ペンネームからしてあるまじろうの別名のようで。お話はけっこうしっかりした将棋モノとして展開してて、わりと面白く読めた。たた両親の殺害現場のシーンがやけに陰惨なのは、これからのストーリーに影響してくるのかな? ストーリーに深く関わってくるのでないなら、ちょっとアンバランスな感じもするけど。彼女を孤独な身の上とするのが目的ならば、別に交通事故とかでもいいわけなんで。まあ何はともあれ作画は気持ちいいし、しおんもなかなかカワイイ。期待して読みます。

 木尾士目「げんしけん」は新入生登場。今回もまたひとクセありそうなメンツ。お話のメインとなっているのは女の子キャラのほうだが、男の新入りのほうが非常にアイタタタってなタイプでもにょもにょした生暖かい気分になります。いやもちろんそこらへんを狙ってるんでしょうが。とよ田みのる「ラブロマ」は新学期。星野&根岸の二人はついに同じクラスになるも、その距離の近さに根岸さん戸惑う、というお話。今回も面白かった。見開きのシーンがやはり気持ちいい。背景とかも緻密ってわけじゃないけど雰囲気あっていいです。単行本1巻[bk1] [Amzn]が発売されたばかり(まだ読めてない……)のひぐちアサ「おおきく振りかぶって」では、三橋の快投が続き相手も焦り始める。なかなか野球をよく考えてて面白い。リアリティというよりも説得力がある。月刊誌とはいえ、雑誌内に一つ面白いスポーツ漫画があるととてもとっつきやすい。ルールが決まってるので途中からでも読みやすいし。

 平本アキラ「俺と悪魔のブルーズ」は第一部最終回。今回は演奏シーンはなく、会話シーンがメインだけどしっかり読ませる。自然物の描写、構図どりなどいずれも作者の高い技量を感じさせる。このシリーズは力が入っていて本当に面白かった。第二部は夏ごろ開始の予定。今から楽しみだ。ISUTOSHI「てんでフリーズ!」、トミイマサコ「マゴロボ」も最終回。「てんでフリーズ!」は大きな展開こそなかったけど、なんだかなんだかまったりムードが楽しい作品でありました。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館 B5中

 柴門ふみの新連載「小早川伸木の恋」がスタート。美人の妻、かわいい娘を持ち、仕事もしっかりやっている。そんな一見幸せそうな主人公である外科医の小早川だが、嫉妬深く家庭内でもときに癇癪を爆発される妻や満たされない仕事を続けるうちに、しだいに疲れが蓄積。そんなとき彼は一人の女性と出会った……といった出だし。さすがにベテランだけあって、小早川の仕事ぶり、家庭の様子などをきっちり描き、読みやすい導入部となっている。作:鍋島雅治+画:はしもとみつお「築地魚河岸三代目」は引き続きサワラのお話。他の地方では焼くのが主流なサワラを岡山では刺身で食うと聞き、さっそく岡山に出かけてみた三代目。なるほど、うまそうですなあ。こういうの見てると呑みに行きたくなるね。

【雑誌】モーニング 4/8 No.17 講談社 B5中

 佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」の新章は、予告されていたとおり精神科医編。なんだか医者の汚職っぽい話もからむのかな。また力の入った内容を期待。林明輝「Big Hearts」。地味ながらも堅調に面白い。きちんと登場人物たちの内面を描いていこうとしているところがいい。福岡達朗「あれからの雨」は、無職で冴えない状態にある男が、昔の彼女のことを思い出すというお話。作画はちょっと加藤伸吉っぽいかな。びっくりするようなところはないものの、ホロ苦い青春話を破綻なくきっちりまとめている。

【雑誌】ヤングサンデー 4/8 No.17 小学館 B5中

 原秀則「レガッタ」が連載再開。今回は大沢が高校時代にレガッタを始めたころのエピソード。さすがに安定感があり、安心して読める。長尾謙一郎「おしゃれ手帖」は相変わらずはじけておりますなあ。80年代ヤング文化をギャグにしてるのだが、最後のページに参考文献がちゃんと書いてあるのも面白かった。ちなみに明星の1983年キラキラサマー9月号、84年ド〜ンとぽっちい4月号、85年新年特大号が使われたようです。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/8 No.17 集英社 B5中

 葉月京が読切で登場。「彼女にエール!!」。美容師として独立を目指す青年が、危なっかしいアイドル志望の家出少女を拾い、成り行きから彼女を応援していくことになるというお話。女の子はいつもながら華やか、エッチシーンもしっかり入れている。さすがにこういう一話完結の読切ものは、エロ漫画とかでいっぱい描いている人だけに手堅くまとまっている。山花典之「ひみつのルージュ」。なんだか巨乳な新人さん登場で三角関係勃発な雰囲気。完全にラブコメ展開になりましたなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 4/8 No.17 秋田書店 B5平

 新連載、佐藤タカヒロ「いっぽん!」は熱血柔道漫画。とにかく投げ技にこだわるやんちゃな男・春康文が、身体は小さいながらも度胸と根性ででっかい相手に挑んでいく。けっこう泥臭い作品だが、柔道モノは地味な作品でもだんだん面白くなってくることがけっこうあるので化けることを期待。桜井のりお「子供学級」。梅子の汚い魔窟部屋での冒険。アクロバチックで楽しい。施川ユウキ「がんばれ酢めし疑獄!!」は最終回。いつもとまったく変わらない内容で、最終回感ナッシング。こういう淡々としたところが実に酢めしらしい。

【単行本】「ザ・ファミリー家族」 町野変丸 オークス A5 [Amzn]

 今回はタイトルどおり家族モノ。ってなわけでゆみこちゃんとお兄ちゃんやお父さんらがいつもどおりヤルという内容。本当にいつもどおりなんだが、ゆみこちゃんのとんでもなさ、オチのくだらなさとかがときどきツボにハマって思わず笑ってしまった。毛のない「つるつる家族」のお話をやったあと、まったく同じコマ割りほとんど同じセリフで「アフロ家族」をやってくるあたりの流れなんか素晴らしい。あと今回の単行本では、珍しくゆみこちゃんがあんまりちこくしない。まあご家庭が舞台だからなんすけどね。


3/24(水)……顕彰国賓

▼イワエモンこと岩田次夫氏が亡くなられたとのこと(詳細:同人誌生活文化総合研究所)。同人誌には詳しくないですし直接の面識はありませんでしたが、岩田氏の精力的な活動ぶりについては、伝え聞くだに「世の中にはすげえ人がいるもんだなあ」と常々思ってました。享年は50歳だったそうですが、その年齢になってもあれだけ趣味人として現役バリバリでいられたというのには、敬意を抱かずにおれません。ご冥福をお祈りします。

昨日の日記で書いた、東京都の「いわゆる健康食品の試買調査結果について」のことで、そのあたりの事情に詳しい方からメールをいただきました。なんでも健康食品の表示についてはかなりいろいろ規則があるそうで、今回違反となったものについてはそれもけっこう含まれるのではなかろうか、とのこと。例えば「名称」「原材料」「内容量」といった項目の表示順番が決まっているほか、賞味期限の年月日の区切り記号として「/」が使用できないなど、かなり細かく決められているんだとか。とくに違反率の高かった健康増進法は施行されて間もないので、そこらへんで引っかかっているパターンもけっこう見られる模様。なるほど、いろいろあるもんですなあ。

▼25日売り
【単行本】「金平劇場」 金平守人 エンターブレイン B6 [Amzn]
【単行本】「ザ・ファミリー家族」 町野変丸 オークス A5 [Amzn]
▼26日売り
【単行本】「トニーたけざきのガンダム漫画」 トニーたけざき 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」6巻 安彦良和 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
▼27日売り
【雑誌】阿ウン ヒット出版社 B5平
【雑誌】リトルピアス 5月号 東京三世社 A5中
【単行本】「ササメキ」 ゴツボ×リュウジ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ササメケ」5巻 ゴツボ×リュウジ 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ケロロ軍曹」8巻 吉崎観音 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

「金平劇場」はアスペクトコミックスからビームコミックスへの切り替え重版だそうです(→エンターブレインの商品情報)。えーともしかしてダブり買いしたってことかな……? あと上記の角川とエンターブレインの本については、25日午前2時の時点ではアマゾンに入ってないようですが、そのうち入るでしょうからいちおうISBNコードをもとにリンクだけ張っときます。

【雑誌】スーパージャンプ 4/14 No.8 集英社 B5中

 島袋光年が復活。新連載「RING」。高校に入ったばかりでワクワクドキドキしている主人公の花形夏が、夢で自分に告白してきた女の子とそっくりな娘さんを、入学先の学校で発見。それが契機となって……という具合に熱血青春スポーツがギャグたっぷりに展開されていくという感じ。もしかしてこれって「風雲わなげ野郎」? 島袋光年については、例の事件、そして「世紀末リーダー伝たけし!」の打ち切りなど本当にいろいろあった。この連載を始め、そして続けていく中で世間からも周囲からもいろいろなことをいわれると思う。それでもなお漫画というフィールドに戻ってきてくれたというのは、個人的にはうれしい。花輪和一のように、得難い体験をして戻ってきてヒットを飛ばした前例もいる。再起に期待します。

【雑誌】週刊少年サンデー 4/7 No.17 小学館 B5平

 アニメ化に合わせ「DAN DOH!!」シリーズの新作「DAN DOH!!ネクストジェネレーション」がスタート。もうダンドーはいいよ……という気もするが、まあさすがに手慣れていて安心して読めはする。今回は、優香を巨乳キャラにするという新機軸を注入。井上和郎「美鳥の日々」。こちらもアニメ化を控えているところで、シリアスな展開で盛り上げてきた。このままでいたいけど、このままでいいはずもなし。美鳥、セイジの心は揺れ動く。というわけで次号の展開が気になる。松江名俊「史上最強の弟子ケンイチ」は、ケンイチのことを気に入っている馬師父の娘さん蓮華がやってきて、美羽との間に三角関係っぽい雰囲気が。ラブコメっぽくてこれもまた楽しい。あと久米田康治「かってに改蔵」の急展開にはびっくり。

【雑誌】週刊少年マガジン 4/7 No.17 講談社 B5平

 巻頭カラーで短期集中新連載、太田正樹「ヤオギ」がスタート。「世界最速・本格犬ぞり漫画」ということで、伝説的なマッシャー(そりの乗り手)の弟子である少年が、愛犬たちとともにアラスカを横断する1800kmの過酷な犬ぞりレースに挑むという内容。犬ぞりという題材にはちょっと意表を衝かれたが、読んでみたら案外ちゃんとできてるし面白かった。それにしても週刊少年ジャンプでも「スティール・ボール・ラン」と「アイシールド21」がアメリカ大陸を横断してるし、もしかして北アメリカ横断が流行ってるんすかね(←そんなわけねー)。

【雑誌】LaLa 5月号 白泉社 B5平

 おまけで呉由姫「金色のコルダ」のレポートパッド付き。こういう帳面系の付録は役に立つのでけっこう好き。職場でベンチマーク結果をメモったりするのに、よく使ってます。筑波さくらの読切「甘い咬みあと」は、孤独に苛まれながらも生きている美青年吸血鬼と、彼の子供と名乗って転がりこんできた少女の生活を、暖かく描いた読切作品。50ページの中できっちり起承転結をつけてて後味もよろしく、気持ち良く読めた。


3/23(火)……まっすぐソーラレイ

▼東京都が「いわゆる健康食品の試買調査結果について」という調査資料を発表してるんだけど、コレけっこうすごいなあ。この調査は「健康被害の未然防止の観点から、いわゆる健康食品について年2回の試買を行い、製品の表示・広告及び医薬品成分含有の有無を検査」するというもの。調査した試買品79品目のうち、71品目が表示・広告で法令に違反もしくは違反の疑いがあったそうな。中でも「ダイエットを標ぼうする製品」については、32品目中32品目が違反。つまり100%。まあこれはあくまで表示・広告面での違反についての調査だから、表示は違反してるけど本当に効くっていうものも中にはあるのかもしれないけど、なんにせよいかがわしいことは間違いなさそう。その手の都合のいいことを書いてある商品を見かけたら、疑ってかかってほぼ間違いないってことなんでしょうな。ちなみに東京都がやってる「いわゆる健康食品ナビ」というページにも、違反商品が実名でズバリ載ってたりするので、興味のある方は見てみるとよいと思います。
24日の日記で情報追加)

▼bk1のブリーダー限定キャンペーンで、bk1オリジナル携帯ストラップ[bk1]が当たった! 今どきオリジナルグッズで携帯ストラップってのもねえ…………とか思ったりもしたが、マスコットの裏側に携帯画面の汚れを拭くクリーナーが付いているらしいので利用するかもしれません。

▼未読物
【単行本】「おおきく振りかぶって」1巻 ひぐちアサ 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ヨコハマ買い出し紀行」11巻 芦奈野ひとし 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「バガボンド」19巻 井上雄彦 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「もっけ」3巻 熊倉隆敏 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「サトラレ」6巻 佐藤マコト 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「ジャイアント」6巻 山田芳裕 講談社 B6 [bk1][Amzn]
【単行本】「チャッピーと愉快な下僕ども 大増補版」 ながいけん 大都社 [bk1][Amzn]
↑ここらへんは自宅には届いているはずなんですが、職場にお泊まり中なので読めません。明日も帰れなさげなので、しばらく読めないかも。

【単行本】「恋風」4巻 吉田基已 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 別居することでいったん七夏から離れ、自分の恋心を凍結させようとした耕四郎。そしてしばらくが経ったが、お互いの想いはじょじょに抑えられなくなって来て……という第4巻。七夏はちょっと大人びてきてよりシリアス度が増し、かなりいたたまれない状況に。いやー、正直なところだんだんおにいちゃんがかわいそうになってきた。同じ職場の良き理解者であった千鳥ともギクシャクしちゃって、もう七夏とガチンコで恋愛するしかない状況に追い込んでいく。作画の美しさ、七夏のかわいさとは裏腹に、実はかなりしんどい恋物語となっている。なお4月1日からはアニメ版が放送開始。見る予定。予告ムービーを見ると微妙な感じもいたしますが果たして。

【単行本】「犬姫様」 二宮ひかる 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 ある日突然、自分の家の犬・ライが人間の女の子に見えるようになってしまって……というところから始まるドタバタHコメディ。主人公のケンイチはフツーに彼女もいる高校生男子。ライはもちろん犬だから服とかは着てなくて、しかも時により人により、犬に見えたり人間に見えたりするからタイヘン。主人公もSMっぽいのは嫌いじゃないので首輪プレイとかも悪くはないが、彼女との関係はギクシャクするわ、ライに首輪をつけて町を歩いてたら変態に見られるわ……といった具合でてんやわんや。

 この作品の魅力といえば、人間に見えるときのライの奔放な可愛さと、品はいいけどほのかにエッチで甘い空気。ただドタバタしたお話なので、絶妙な間の取り方、読者を焦らす手綱さばきといった二宮ひかるならではの特徴がいまいち出てない感じ。面白くないわけじゃないのだけど、もう少し濃密なほうがいいかな。わりとスルーッと読めてしまった。

【単行本】「濃爆おたく大統領」2巻 徳光康之 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻で完結。もうすっかり「サクラ大戦」愛ぶちまけ漫画となっている。これだけ一つのことに熱中できるというのは、暑苦しいけど凄いことだなあと思った。自分は一つ一つの対象に対してはけっこう淡白な人間なので、この愛汁にあふれたギラギラした姿は眩しく感じた。

【雑誌】イブニング 4/13 No.8 講談社 B5中

 幸村誠の読切「さようならが近いので」が掲載。死を前にした沖田総司の日々を描く。あくまで淡々としたトーンで、沖田のこの世の中の有り様に対する戸惑いを描いていく筆致はいかにも幸村誠らしい。得心がいかぬまま流されて剣を振るっていた沖田、剣で身を立てられれば天下国家などどうでも良さげな近藤。どちらも一級品のエゴイストとして描かれており、とくに沖田は「プラネテス」のロックスミスにどこか通じるものを感じさせた。わりと地味でびっくりするようなところはなかったけれども、そのドライなスタンスは個人的にはけっこう心地よい。幸村誠は今後、岩明均的な方向性に行くのかもしれないなーと思った。見当違いかもしれないけど。

 的場健「まっすぐ天へ」(協力:金子隆一)。なんだかいきなり第一部完になっちゃって「ありゃ?」という感じ。連載再開時期とかは書かれてないけど、これ第二部はちゃんとあるのかなあ……。軌道エレベーターというロマンあふれる題材を真っ正面から扱っていており、ストイックな宇宙モノのファンにとっては期待の高かった作品だっただけに、ここで終わってしまうと残念。こういう作品を続けていくのはやっぱり難しいのかな。

【雑誌】ヤングチャンピオン 4/13 No.8 秋田書店 B5中

 葉月京「恋愛ジャンキー」。脇役二人をくっつけてしまうというお話だけど、エイタローと地井さんがやはりいいコンビ。そろそろこの二人も完全にくっつく頃合いかと思うが、まだまだ引っ張るかな。雑誌的にも主力連載だろうし。ヤングチャンピオン自体は最近ちと低調かなーと思います。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 5月号 竹書房 B5中

 新連載、作:荒正義+画:押川雲太朗「天と地」がスタート。主人公の「荒川正義」が出会った麻雀打ちたちの生き様を描く。むちゃくちゃ強いってわけでもない、派手ってわけでもないが、人間ドラマを渋く描いた作品という印象。地味ではあるけど面白く読めた。せきやてつじ「おうどうもん」。毒蛇との再対決でボコボコにやられるケンタ。その中で彼は、新たな自分に目覚めていく、という展開。次号あたりから逆襲が始まりそう。そろそろお話的にも終盤戦かな。

【雑誌】漫画サンデー 4/6 No.13 実業之日本社 B5中

 東陽片岡「東陽片岡煩悩劇場」では、「男子十二馬鹿坊シリーズ」と銘打って、不定期で12人のバカな男を紹介するというシリーズを開始。つってもまあ東陽片岡と45歳独身のS・Kさんという人が酒飲んで話しているだけという内容であり、やってることはいつもとなんら変わらないんだけど。でもその変わらなさ加減にホッとする。こういう雑誌の巻末に東陽片岡ってのは似合いすぎ。


3/22(月)……医療が癖

2月5日の日記で、踏台昇降をしながら握力を鍛えていると書いたが、やり始めてから2か月以上が経過しただけあってけっこう強化されてきた。2月5日の時点で固くて使えなかった40kgのハンドグリップが、このところまあ普通に閉じられるようになってきた。なんでもハンドグリップを選ぶときは、「グリップを握って8〜10回が限度」が適当らしく、現在は40kgの奴でちょうどそのくらい。あと前腕部だけに筋肉がつくのも不気味なような気もしたので、最近は踏台昇降終了後に腕立て伏せもやるようにしてみている。自室にこもって体を鍛えてると、気分は「ホーリーランド」っつー感じですな。オタク狩りに対抗して、アキバの街に自分の居場所を作るんだ……。

▼24日売り
【単行本】「化粧くずし」 しろみかずひさ メディアックス A5 [Amzn]

【雑誌】ヤングキング 4/19 No.8 少年画報社 B5中

 小野寺浩二「それいけ!!ぼくらの団長ちゃん」が最終回。ラストはなかなかにジーンときて、正直感動した。生臭いオタ系のネタを多少エッセンスにしながらも、基本的なテイストは明るくて爽やかな小野寺浩二の持ち味が生きた作品だった。ときどきある熱血な展開も好きだったし気持ちよく読めた。お疲れさまでした。佐野タカシ「イケてる2人」は、桜井くんと龍虎が渋谷でお買い物。片やおんなおとこ、片やおとこおんな。最終的にはこの二人がくっついてきそうですな。ジェームスほたて「ラブ♥ハニ」。連載2回めで今回もサービスシーンたっぷり。どアップのカットが効果的でエロシーンがパッと目を引きます。

【雑誌】ヤングマガジン 4/5 No.17 講談社 B5中

 松浦まどか「ウッハ!ハーレム学生寮」が最終回。気楽に読めるちょいHありのラブコメとして、けっこう健闘してたと思う。お風呂での水鉄砲バトル編がとくに好きでした。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/5 No.17 小学館 B5中

 のりつけ雅春「高校アフロ田中」。だんだんアフロでない田中にも慣れてきた……ていうかアフロでないほうが普通なので最初から違和感なかったが。今回はやけに爽やかな顔で挨拶している田中の姿からスタート。田中の妙な日常への反省の弁が、いかにもしょーもなくて笑った。細野不二彦「ギャラリーフェイク」は、独立行政法人化されたことで従来どおりやり方では生き残れなくなった国立美術館の事情にスポットを当てる。途中まではやり手館長と良心的な若手館員の軋轢……みたいな構図を思わせながら、ラストでしっかりヒネリを入れてくるあたりはさすがうまい。それにしても三田村さん、最初のころと比べてだいぶ変わったなあ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 4/5 No.17 集英社 B5平

 荒木飛呂彦「スティール・ボール・ラン」はファーストステージが決着。爆発的なスタートダッシュを見せた後、最初の節目まで怒涛の勢いで一気に持っていった。キャラクターも濃いし明快なストーリーが分かりやすく、ユーモアあり緊張感ありで非常に面白かった。連載はこの後6月までお休み。セカンド・ステージもすごく楽しみ。新連載、東直輝「少年守護神」。戦国時代を舞台に、大々という名の少年がお姫様を守るため獅子奮迅の活躍を見せる……というアクションバトル。ジャンプの若手としてはよくあるタイプという感じで、いまいち新鮮味は薄いか。あとアクションが多いわりにコマ割りがゴチャゴチャしててちょっと読みにくく感じた。

【雑誌】純愛果実 5月号 光彩書房 A5中

 ゼロの者「いじらしぃ」は、彼氏にプレゼントを買うためのお金を稼ごうと売春してしまった女の子のお話。相変わらずトロトロでたいへん柔らかそうなお乳がいやらしい。あとやっぱり女の子がかわいいっすね。つつみあかり「DANCE ON THE PALM」。姉が見合いしたことに嫉妬した弟が、酒に酔った姉ちゃんを押し倒すが……という姉弟モノ。実は好き合っていた姉弟という関係が、甘く描かれてていい具合。天誅丸「母と女と」は、隣の家に引越の挨拶に行った主婦が、その隣人がかつて若いころにさんざんセックスした男だったことを発見し……という人妻モノ。ちと垂れ気味な乳は、よーく脂が乗っている感じでけっこう好み。

 あと今号の裏表紙には新雑誌コミックダントツ!の予告が。4月22日発売で、執筆陣は今のところゼロの者、龍牙翔、フジヤマタカシ、Cuvie、天誅丸、つつみあかり、反村幼児、藤岡タマミ、兼高双一ほかが予告されている。なおコミックダントツ!2号連続購入+4月下旬発売のゼロの者の新刊「カラダニキイテ」[Amzn]を購入した全員に、ゼロの者描き下ろしイラスト収録のCD-ROMが無償配布されるとのこと。コミックダントツ!の刊行ペースは書いてないけど、純愛果実の次号が5月22日発売なので、ミニモン/リトルピアスみたいな感じで奇数月が純愛果実、偶数月がダントツ!って感じになるのかな?

【雑誌】ドルフィン 5月号 司書房 B5中

 くどうひさし「初恋のひと」が巻頭カラー。大好きな人であり指などでHなこともしてくるのに、最後の一線はけして越えようとしない兄に苛立ちを募らせる妹さんの心情を切なく描写。キュッと胸をしめつけるような描写、美しい余韻を残すラストなど、なかなかに読ませる佳作。あわじひめじ「ヒゲでボイン」。タイトルがこれで、ストーリーもとあるニューハーフの患者が入院している病室から始まるので思わず笑ってしまった。ところがその後、意外にもお話は切なく展開。相手は女性であるにも関わらず、その病院の看護婦の佐藤さんに恋してしまったこの患者が、膀胱ガンで性器を切除するよう彼女から勧められ、苦悩する姿が描かれる。でもラストはちゃんと救いがあってホッとした。なかなか印象的なお話。

 天崎かんな「姉ちゃんより愛を込めて’04」。この人の作品はいつも楽しそうでいい。ギャグをふんだんに織り込みながらも、エロシーンはけっこうなまめかしくて実用的でもあるし。LAZY CLUB「ママ落ち」は、ある日道端に理想のママが落ちていた……というシュールな出だしに思わず笑ってしまった。あとエロのほうも大人の女性らしい豊満さ、包容力を感じさせるもの(具体的にいうとパイズリなんですが)でしっかり使える。

【雑誌】COMIC LO VOL.05 茜新社 B5平

 いよいよ月刊化。毎月21日ごろ発売とのこと。今号も相変わらずたかみちによる表紙イラストが美しいし、装丁のセンスもいい。中身では長月みそか「ざ・ろんぐ&わいんでぃんぐろーど」が今回も読ませる。2人の女の子と関係を持ってしまったが、好きなのは別の人。でも2人と関係したことに罪悪感を抱き、告白できない中学生男子・吉澤くん。今回はここまでのあらすじ説明的導入部以外はHシーンがなく、ストーリー面でじっくり読ます。絵柄も柔らかで好感度が高い。これはいずれまとめて読みたい。宮内由香「もう一人の私へ…」。ずっと一緒に育ち何事も一緒だった双子の男の子に彼女ができ、自分とは別の道を歩み始めたことに戸惑いを覚える女の子。こちらも上品な絵柄で、しっかり語りかけてくる作品。

 ほかまみつり「南の島の大王」は、南のほうの本土から遠い離島の分校に配属された教師が、その学校のただ二人の生徒である少女たちと戯れる南国楽園物語。日焼けした部分と、焼けてない白い部分のコントラストが目に鮮やか。瑞々しくてキュートな絵柄がいい感じな作品。らいむみんと「かわいそうな女の子」。うーんうまいなあ。水彩のようなにじんだ描線が特徴的。扉絵の自由奔放なイラストだけでも「おっ」と思わせるものがある。

【漫画執筆陣】KURO、田中浩人、あわじひめじ、長月みそか、カタギリジョー、完顔阿骨打、宮内由香、冴樹高雄、幸せ1500、白浜将義、雨蘭、朝木貴行、ほかまみつり、mizu、OKINA、らいむみんと、EB110SS

【アンソロジー】はいはい園ジぇる(園ジぇる3) 茜新社 A5 [Amzn]

 例の「最大限にちっちゃい女の子アンソロジー」第3弾。今回のタイトルは「バイバイ・エンジェル」に引っかけてるのかな? それはともかくとして、個人的にはここまでちっちゃいお子さんだと、エッチなことは別にしなくてもいいんで、ただただ元気一杯遊んでいる姿を眺めてるだけでもいいかなーという気もします。そっちのほうが無垢、無邪気というちっちゃい子ならではの特性が際立つような気がするんで。でもHなしのほうがかえって病んでるっぽいかな……。

 まずは目高健一「たまごっこひよこっこ」。知り合いのおじいちゃんにちっちゃい子2人の世話を頼まれた青年。普通に彼女たちの世話をしていた青年だが、なぜかお子様のほうからHな遊びを要求してきて……という具合。う〜ん、本当にちっちゃい。片方はまだおしゃぶりつけてるし。横山葱「クリーム」は、ちびっこが元気一杯な姿がいい感じ。大山田満月「ひみつのお遊戯」は相変わらずホンモノ感あふれる美麗な作画。カラーも4ページほどあり。春風うにぽは魔道うにの新ペンネーム。「おつかい。」。おつかい途中の娘さんが、道を尋ねたおにいちゃんとエッチなことをするというお話。娘さんのイタズラっぽい表情がかわいいです。

【漫画執筆陣】大山田満月、芹沢ゆーじ、目高健一、横山葱、TM、りろ、天祥輝、てるき熊、緋鍵龍彦、SINK、春風うにぽ、徳田しんのすけ


3/21(日)……病理日和

▼ケーブルテレビでNHK BSハイビジョンが視聴できるようになったので、さっそく今日から放送の始まった「火の鳥」を見てみる(NHK総合では4月4日から)。本日は「黎明編」全4話と「復活編」全2話を、2時間半で一挙放送。さすがにハイビジョンを意識して作られたのであろうと思われる作品だけあって、テレビはハイビジョン未対応のものながら、画質はきれいだなーと思った。でもやたらCGっぽさが目立っちゃってたし、アニメの動き的にもとくに面白いところはなかった。あとこれは好みが分かれるところかもしれないけれど、手塚治虫作品ってあの線の滑らかさ、丸みが重要な魅力なんで、、杉野昭夫(「あしたのジョー2」劇場版やOVAの「ブラック・ジャック」とかをやった人)の劇画調タッチが個人的にはいまいち合わないなーと思った。最近テレビ放送された手塚作品といえば、「火の鳥」と「アトム」、それから昨年末に放送された「『ブラック・ジャック』スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜」があるけど、その中では「火の鳥」が今のところ一番面白くなかった。あとこのシリーズって「鳳凰編」やらないんすね。好きな話なんだけど……。

【単行本】「警視総監アサミ」11巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 この巻もいつもながら馬鹿馬鹿しい。「占い刑事」(桑澤篤夫)よりは多少捜査部分に意味があるかもしれないが、まあ基本的にはそれ以外のことのほうがメイン。今回はアサミが仕事ほったらかしてラスベガス行って3億稼ぐ……とかやってるし。あと原田くんが、イクと名推理をする超能力奥様に絞りとられる話あたりは、いかにもこの漫画らしい。美人警官モノでありつつ、けっこうシュールだったりもするヘンな作品であります。それにしてもこの作品を11巻分も買うことになろうとは。

【単行本】「学園アリス」4巻 樋口橘 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]

 アリス学園の学園祭編がスタート。超能力を生かした出し物がをみんなで楽しくやりつつ、個々のキャラクターやお互いの関係なんかもじょじょに描いていくという感じ。アリス学園の少年少女たちがみんな可愛らしくてええですな。主人公のみかんはどんどん可愛くなっているし、明らかに彼女に惚れてるルカぴょん、ツンケンしてるけれどもみかんを気にかけている棗、みかんに対してイニシアティブを持っているようで実はその存在によって救われている蛍と、関わり合い方はそれぞれだけどどれも心温まる。とくにルカぴょんのバレバレっぷり、それに対するみかんの鈍感さとかがええ感じでよろしいですな。まあ本来のパートナーは棗なんだろうけれども。

【単行本】「ラバーズ7」2巻 犬上すくね 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 もうすっかり卓球はやってないけど、その分恋愛色が強まってて犬上すくねらしさがどんどん出てきた。というわけで面白くなってます。ツンとした感じだった女子高生のなつきがだんだん打ち解けた雰囲気を見せ始めて可愛くなっており、バイト先のオーナー・ムネノリ、先輩のひろみとも彼女に少なからず引かれているようす。なつきサイドでは、ムネノリが母親を以前から知っていたということを隠していてそれに反発、ひろみのほうにはだんだん親近感を持つようになっており……という展開。三角関係の距離感が縮まってきてて、どうなるんでしょうなあと微笑ましく読んだ。あと表紙イラストにある、なつきの猫耳姿がベタだけど可愛い感でもあった。

【同人誌】「ビョーキ日和 〜清野と押切と愉快な仲間たち〜」

 「青春ヒヒヒ」「ハラハラドキドキ」の清野とおると、「でろでろ」の押切蓮介による同人誌。清野とおるのあとがきのところに2002年11月と書いてあるので、たぶんそのくらいの発行。ウチの兄貴が押切蓮介ホームページの通販で購入した模様。現在は売り切れてしまったようです。内容としては清野とおるが「きちがい少女」、押切蓮介が「奇違いOFF」という作品を描いてて、キチガイ尽くしな1冊。「きちがい少女」のほうは渋谷の真ん中に自分はキチガイである少女が四つん這いになってて、何か一人で喋っているという漫画。「奇違いOFF」のほうは、チャットで知り合った漫画家志望の人たちがオフをしたら実はみんなキチガイだった……という作品。両方ともかなり身もフタもない作品。きちがいじゃがしかたがない。両作とも短いので無理して手に入れるほどではないかなーとも思うけれども、この人たちらしいぶっちゃけた味が出ている本ではあります。


ページの一番上へ